1:
山梨最高 ◆31XYrFalkuo5 2015/09/19(土) 01:46:21.92
ID:qwtC+urU0
繰り返す、私は何度でも繰り返す。同じ時間を何度も巡り、たった一つの出口を探る。
あなたを、絶望の運命から救い出す道を。
まどか……たった一人の、私の友達……
2:
山梨最高 ◆31XYrFalkuo5 2015/09/19(土) 01:47:25.22
ID:qwtC+urU0
時は大正20年、帝都東京、矢来区築土町の一角には銀楼閣という今風のビルヂングが建っている。
そのビルヂング内には、英国製の背広を着こなす鳴海昌平という伊達男が開く鳴海探偵社がある。
その社長席で鳴海が朝食のバタートーストを食べていると、電話機がベルの音を鳴り響かせた。
鳴海は「はいはい、いま出ますよ」と言う言葉をバタートーストと共に珈琲で流し込むと、電話機に手を伸ばした。
鳴海「もしもし、鳴海探偵事務所です。……ああ凪ちゃん、久しぶりだね。……えっ、ウチに来る? それはかまわないけどまたどうして……ああ、ライドウに稽古をつけてほしいのか」
折よく、探偵事務所のドアーが開き、屋内でも外套に学帽を身につけた学制服姿の美丈夫が現れる。
彼こそが電話口で名前の上がったライドウ。十四代目葛葉ライドウその人であった。
閉じゆくドアーの隙間からするりと翠眼の黒猫も姿を表す、名はゴウトである。
鳴海「ライドウ、凪ちゃんから電話だ。ここでライドウに稽古をつけてほしいみたいだけど、頼めるか?」
受話器をおさえながら尋ねる鳴海に頷き返すライドウ。
鳴海「あー、凪ちゃん? ライドウも問題ないみたいだ。それで何時から来るの?
……えっもう築土町に居る!? 多聞天前の自動電話から掛けてるの!?」
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