1:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/09/01(水) 22:01:18.78
ID:bk/kSGolO
「全員、揃ったな?」
召集に応じた部下達を一瞥して、内務省直属の攻性公安警察組織、通称『9課』の長たる荒巻大輔は単刀直入に下命した。
「お前たちを呼んだのは他でもない。現在世間で話題になっている電脳技術を応用した世界初のVRMMORPG、【ソード・アート・オンライン】に潜入し、その安全性を調査して貰うためだ」
公安9課はほぼ全員が全身義体化済みの電脳戦におけるエキスパート集団である。
そんなプロフェッショナルたちをわざわざ呼びつけて何を命令するかと思えば、子供のおもちゃを調査せよとは、9課の中でも頭に血が上りやすいバトーが黙っていない。
「おいおい、じいさんよ。とうとう耄碌しちまったか? この俺様を呼びつけてガキが遊ぶようなおもちゃの調査をしろとはよく言えたもんだな。悪いが、そいつは俺の仕事じゃない。今回ばかりは降りさせて貰う」
「あら、それは残念ね。自分の感性が現代に通じないと知るのが怖いのかしら?」
「なんだと?」
売り言葉を買ったのは隊長である草薙素子。
頭2つ分はあるであろう身長差を物ともせずに、憤慨するバトーに挑発を続ける。
「あなた、自分が『古い人間』だって証明されることが怖いんでしょう?」
「いつ、誰がそんなことを言った?」
「言わなくても顔に書いてあるわよ」
そう言われて思わず自らの仏頂面を触って確かめてしまった時点でバトーの負けであり、荒巻は部下の口喧嘩に構わず話を進めた。