前→キャス狐「冬木の聖杯ですってよ、御主人様!」【中編】
最初から→キャス狐「冬木の聖杯ですってよ、御主人様!」
317:
◆cABJvGmFjs:2012/02/18(土) 01:53:32.74 ID:yAAbkAquo
---柳洞寺---
ハサン(ふふっ、いくら魔力があろうとも、数で勝る我々にこそ勝機あり。さぁ、まずはマスターからだ)
(死角繰り出すこの一撃、躱せるものか!!)
ハサン「もらった!!」ヒュパッ
メディア「っ!宗一郎様!?」
ガキン!
ハサン「ぬっ!?」
???「呵呵呵呵!面白そうなことをしておるな!どれ、この老人も一つ交ぜてはくれるか?」スタッ
ハサン「貴様――何者だ?」スタッ
???「儂か?この度アサシンのクラスで再び現界した、李書文。怨みはないが、貴様らにはここで死んでもらおうぞ!」
ハサン「何――?」
葛木「李書文――あの拳法家をこの眼で見る日が来ようとはな――これが聖杯戦争と言う物か」
李書文「呵々!いやいや、儂など単なる殺し屋に過ぎぬよ。貴様こそ、中々の腕前と見受けるが?」
葛木「ふっ、私など道から逃げ出した半端者。それに今はただの教師ですよ」
李書文「成程。それもまた一つの道よ。そう卑下することもあるまいて。して奴は何者だ?見たところサーヴァントのようだが」
葛木「彼らの名はハサン・サッバーハ。アサシンの語源ともなった暗殺者の集団のようです」
318:
◆cABJvGmFjs:2012/02/18(土) 01:54:20.31 ID:yAAbkAquo
李書文「呵々、それは面白い。我らアサシンクラスの原典とも言うべき存在ではないか。成程、通りで気配が察知できないわけだ」
「だがこの空気、いるのは一人ではなさそうだが――さてどれほどの数が忍んでいることやら」
アサ次郎「ふっ、私を忘れてもらっては困るな」スッ
李書文「ぬ?」
アサ次郎「アサシンのサーヴァント、佐々木小次郎」ドヤ
李書文「何と、この地には侍までいるのか!くははは、矢張聖杯戦争とは面白い!」
メディア「ちょっと、そこのアナタ!いきなり現れてどういうつもりよ!」
李書文「む?小僧から何も聞いていないのか?」
メディア「小僧――って誰よ?」
アサ次郎「貴様が呼んだ少年のことではないのか?」
メディア「岸波白野?」
李書文「おうよ。儂はその小僧に呼ばれ、再び娑婆に戻ってきただけよ!」
メディア「あの子――本当に何者なのよ――」
李書文「何、小僧もこの下に蠢く鬼魅の悪い気に用があるようだからな、すぐに姿を見せようて」
ハサン「――」ヒュパッ
ガキンッ
ハサン(くっ、短刀を弾かれたか!)
319:
◆cABJvGmFjs:2012/02/18(土) 01:54:48.75 ID:yAAbkAquo
李書文「呵々!そう焦るでない!――くく、くかかかか、くははははは!」
ハサン「ふっ、気でも触れたか?」
李書文「いや、何。月で殺し合ったと思えば次は極東の地で殺し合いとは――死して尚殺し合う運命―実に面白いと思わんか!」
「数で劣るこの窮地、この劣勢、これこそ俺が求めし武の本質よ!」
ハサン「くっ」ジリジリ
李書文「さて行くぞ、古より来たり殺し屋よ!我が圏境、見事打ち破ってみるが良い!!」スーッ
メディア「嘘!姿が消えた――ちょっと待って、駄目、違う、え?え?冗談でしょ、私の索敵にすらヒットしないなんてどんな魔法よ!?」
葛木「無駄だ、メディア」
メディア「宗一郎様?」
葛木「圏境―昔聞いたことがある。気を纏い、周囲の状況を感知し、天地と合一する事で自らの存在を消失させる技法」
「武を極めた者にのみ使うことが許される、究極の体術―だと」
メディア「そんな――武芸を魔法の域まで高めるなんて――」
アサ次郎「ほぅ、私の燕返しと似たようなものか」
李書文「何を呆けている!お主たちも少しは加勢せぬか!」
メディア「煩いわね!今からやろうと思ったのよ」チャキッ
葛木「依然数では劣るままか。だが――!!」スッ
アサ次郎「これ以上貴様たちの好きにはさせん」チャキッ
李書文「さぁ、力比べだ!!暗殺の極致を魅せてもらおう!!」スッ
ハサン80「ふん、姿を消すなど、所詮目暗まし。そんなもの取るに足らん存在よ!」シュタッ
320:
◆cABJvGmFjs:2012/02/18(土) 01:55:27.58 ID:yAAbkAquo
---円蔵山地下---
ガキンッ
士郎「ぐあぁっ!!」ドサッ
セイバー「士郎!?」
ランスロット「A――urrrrrrッ!!」ガキンッ!
セイバー「くぅ!止めてください、ランスロット!!」
ランスロット「……Ar……thur……」グググッ
セイバー「っ!うぅ――」
士郎「セイバー!!」ダッ
ディル「他を見る余裕があるか!?」シュタッ、ザシュッ!
士郎「ぐぁっ!!」ズザァッ!
ディル「人間、しかも半端な魔術師でありながらここまで戦えるとは思わなんだ。それは賞賛に値する」
「だがしかし、貴様がセイバーのマスターである以上、生かして返すわけにはいかない!!」
士郎「う――うぅ、何でだよ――セイバーがお前に何をしたんだよ!!」
ディル「奴は、俺の誇りを―たったひとつ懐いた祈りさえ踏み躙った!最早赦しておくわけにはいかん!」
士郎「そうか――お前とセイバーの間に何があったのかなんて知らない。だけど―桜を救うためにはセイバーの力が必要なんだ!」
「お前がセイバーを恨むなら、俺がその恨みを引き受けてやる!!うぉぉぉぉ!!」ダッ
ディル「遅い!!」ドスッ!
士郎「かっ――はっ――」ドサッ
セイバー「士郎!!」
ランスロット「A――urrrrrrッ!!」ガキンッ!
セイバー「っ!しまった、剣が――」
ディル「終わりだ――セイバーのマスターよ」チャキッ
ランスロット「……Ar……thur……」チャキッ
士郎(くそっ、ここまでかよ――何もできないで、桜を救うことも出来ずに――こんな、こんな――)
321:
◆cABJvGmFjs:2012/02/18(土) 01:55:55.10 ID:yAAbkAquo
???「なーに諦めてんだよ?」ヒュタッ
???「王よ、下がって下さい!!」シュタッ、ガキン
ディル・ランスロット「「!!??」」
士郎「お前は――ランサー!?」
ランサー「よう、小僧。また会ったな」
士郎「てめぇ――何しにきやがった!?」
ランサー「何しにって、お前を助けに来たんじゃねぇか。そうツンツンすんなよ」
士郎「ふざけるな!!お前が桜を拐ったりしなければこんなことにはならなかったんだぞ!!」
ランサー「あー、ちょい待ち。何か勘違いしてるみたいだから言うがな、そりゃこの街にいた俺がしたことだ」
「今この場にいる俺は、岸波って小僧に今さっき召喚された、謂わば別個体なんだよ。わかるか?」
士郎「わからねぇよ――」
ランサー「だよなぁ。だってややこしいんだよ、これ。まっ、簡単に言うと――お前の味方ってことだよ!!」シュタッガキン!
ディル「くぅ!!」ズザァッ
ランサー「へぇ、二槍使いとは珍しいじゃねぇか。お前――名前は?」ググググ
ディル「――フィオナ騎士団所属、ディルムッド・オディナ」
「騎士団長フィン・マックールを主君とするが、今は故あってこの地に現界している」
ランサー「はっ!マックールの小僧んところに、こんな面白ぇ奴がいたとはな」
ディル「主を存じているのか!?」
ランサー「まぁな。教えてやる、その胸に刻みな。クランの猛犬、クー・フーリンとは俺のことよぉ!!」ガキン
ディル「くっ、なんと――貴方が光の御子でしたか。貴方と手合わせできるなど光栄の極み――と言いたいところですが」
ランサー「わかってる。そこの嬢ちゃんを殺したいんだろ?」
ディル「はい。そこを退いていただけないでしょうか?」
ランサー「そいつぁ、無理な相談だ。どうしても行きたきゃ、俺を倒してからにしな!!」ガキン
ディル「ぐぅっ!――わかりました、俺の邪魔をすると言うなら、今ここで倒させてもらいます!!」ガキン
ランサー「は、上等!偶には後輩に槍術の指南でもしてやらぁ!どっからでもかかってきやがれ!!」
ディル「では、行きます。いざ!」
ランサー「尋常に!」
ディル・ランサー「「勝負っ!!」」ドガガガガガガガガ
322:
◆cABJvGmFjs:2012/02/18(土) 01:56:23.96 ID:yAAbkAquo
???「ご無事でしたか――王よ」ガキン
セイバー「アナタは――ガウェイン!?どうしてこの場に?」
ガウェイン「私は岸波白野に呼ばれ、この地に馳せ参じました」
セイバー「彼が―そんなことを―」
ランスロット「Ga――iiiiiiinッ!!」シュタッ
ガウェイン「くっ!」ガキン
セイバー「止めてください、ガウェイン!今貴方と剣を交えているのはランスロットなのです!」
ガウェイン「なっ!?そんな――否確かに姿は違えど剣捌きに当時の面影を感じます――」ググググ
ランスロット「Ga――iiiiiiinッ!!」
ガウェイン「ランスロット―死して英霊の座に付いて尚、王に刃を向けますか!」ガキン
ランスロット「……Ga……wain……」ググググ
ガウェイン「いいでしょう。貴方が再び王に刃を向けるというのであれば、私は貴方を討ちます!」ガキン
ランスロット「Ga――iiiiiiinッ!!」ダッ
ガウェイン「ランスロットォォォォ」ダッ
331:
◆cABJvGmFjs:2012/02/25(土) 03:25:09.53 ID:aQi178kto
---柳洞寺---
キャス狐「シュタッと!さぁ、到着しましたよご主人様!」シュタッ
白野「結構時間かかったね」シュタッ
キャス狐「そこはほら――ご主人様と夜空のお散歩がしたかったとかー、もうこんな聖杯戦争しったことかーとか、色々事情があるんです」フンス
白野「ふーん、そう――」
キャス狐「あれ―――ご主人様?」ソワソワ
白野「ん?」
キャス狐「さぁ!ご主人様のその太くて逞しいツッコミを早くタマモにしてください!」フリフリ
白野「人様が聞いたら勘違いするようなことを言うんじゃありません、この駄狐がー!」ウガー
キャス狐「イヤン!ご主人様ったらこんなところで大胆☆」
白野「はぁ、聖杯は目の前なんだ。行くぞ、タマモ」スタスタ
キャス狐「ああん!待って下さいよ、ご主人様ー」タッタッタ
332:
◆cABJvGmFjs:2012/02/25(土) 03:25:45.67 ID:aQi178kto
---円蔵山地下---
ランスロット「Ga――iiiiiiinッ!!」シュタッ
ガウェイン「くっ!」ガキン
ランサー「オラオラオラ!!そんなもんか、後輩さんよぉ!」ヒュンヒュンヒュン
ディル「くぅ!まだ―まだ負ける訳にはぁ!!」ガキンガキンガキン
ランサー「はっ!いいぜぇ、闘いはそうでなくっちゃ面白くねぇ!気合入れてかかってきやがれ!!」
士郎「くそっ!結局俺はランサーに助けられた――俺は――俺は何もできないままなのかよ!!」ガンッガンッ
白野「衛宮!!」タッタッタ
士郎「!?岸波!無事だったのか?」
白野「ああ、衛宮も無事で良かった」
士郎「ああ、だけど――俺はセイバーがピンチだって言うのに何もしてやれなかった――」
キャス狐「何言ってるんですか、色男。アナタにはまだやってもらうことがあるんですよ。こんなところで落ち込まないでください」
士郎「え、やることがあるって――いや、それよりも、お前は――」
キャス狐「私?嫌ですねぇ。もう忘れちゃったんですか?ご主人様のぉ、お嫁さんです☆」キラッ
士郎「キャスター!?え、だけど、そのステータス――岸波、お前これどうなってるんだよ――」
白野「詳しい事はあとで話す。今は桜を何とかするのが先決だ」
士郎「っ!そうだ、桜を早く助けないと!!」
333:
◆cABJvGmFjs:2012/02/25(土) 03:27:03.75 ID:aQi178kto
キャス狐「はい、ちょーっと待った。焦るのはいいですけど、アナタ一人で何ができるって言うんです?」
「聖杯の力があったとはいえ相手は複数のサーヴァントを召喚するだけの力を持っているんですよ」
士郎「だけど、このまま放っておくわけにもいかないだろ!」
白野「ああ、だから俺たちも一緒に行く!」
士郎「え?」
キャス狐「だからー、役割分担ですよ。アナタがあのヤンデレ姫を相手している間に私とご主人様はその後ろにある聖杯を壊します」
「恐らく聖杯が壊れれば桜も少しはあの性格が治るでしょうから、その隙にアナタが元に戻してあげてください」
士郎「元に戻すって――具体的に何をすればいいんだよ?」
キャス狐「そこまでは面倒みきれません。手っ取り早く愛の告白でもすればいいんじゃないですか?」
士郎「おまっ!――何言ってんだよ!?」
白野「でも、桜を助けるにはこれくらいしか方法がないのも事実だ。もし失敗すれば、俺たちは桜を殺さなければならない――」
士郎「なっ!?殺すって――どういうことだよ!?」ガシッ
白野「ごめん――聖杯が暴走を始める前に破壊する。それが俺とキャスター、タマモに与えられた使命なんだ」
キャス狐「という訳です。分かったら、その手をさっさとご主人様から放してください」ゴゴゴゴゴ
士郎「っ!わかったよ、やってやる!桜を殺させたりするものか!」
白野「俺だってタマモだって本当は桜を殺したくない。だから――頼む、あいつを助けてくれ」
士郎「わかってる!行こう、岸波!」
白野「ああ!タマモ!」バッ
334:
◆cABJvGmFjs:2012/02/25(土) 03:28:07.87 ID:aQi178kto
キャス狐「はい!――っておや、あちら白い方のセイバーさん。どうやら苦戦の模様ですね」キョロキョロ
白野「ん?ああ、そうみたいだな」
キャス狐「まぁ、彼朝方の人間ですからね。自慢のチートも夜じゃ力は出ませんか。どうします、ご主人様、手助けとかしましょうか?」
白野「うーん、そうだ――「その必要はありません!!」
ガウェイン「私は王を守る剣。王を守れずに死ぬなど――そのような失態、2度と繰り返すつもりもありません!」ガキン
キャス狐「ですってよ、ご主人様。相変わらず頭の固い騎士様ですねー」
白野「でも、彼がそう言っているなら、大丈夫だよ。俺たちも急ごう!」タッタッタ
士郎「ああ!」タッタッタ
ガキン
ランスロット「Ga――iiiiiiinッ!!」シュタッ
ガウェイン「くっ!」ガガガガガガガ
セイバー「ガウェイン!ランスロット!止めてください、貴方達が戦う必要なんてないのです!」
「私が――私の王としての実力が伴っていなかったばかりに――」
335:
◆cABJvGmFjs:2012/02/25(土) 03:28:35.23 ID:aQi178kto
ガウェイン「王よ!」
セイバー「!」ビクッ
ガウェイン「私は――この世界とは別の世界で、王とは違う方の剣となっていました」
「その方は完璧であったが故に不完全な王であった。しかし彼は敗北を知り己の弱さを知り、成長し真の王たる器を身に付けた」
「アナタとてそうなのです!最初から完璧な王など居ない。故に成長できる、故に人を惹きつける」
「アナタを盲目的に崇拝していたが為に王の苦悩に気づくことができなかった私が別の世界で、漸くそのことに気が付けたのです」
「今となってはもう遅いかもしれません。ですが、思い出してください!王を慕った臣下がいたことを!」
「王を崇めた民がいた事を!アナタを愛した人が――いた事を」
セイバー「ガウェイン――」
ガウェイン「確かにブリテンは滅んでしまいました。しかし、それは王の不徳の致すところではありません!」
「アナタは国を救おうと悩んでおられた!臣下を導こうと苦しんでおられた!その姿は他のどんな王よりも何兆倍も何京倍も美しかった!」
「故にアナタは――正真正銘真の王でした――」
ランスロット「Ga――iiiiiiinッ!!」シュタッガガガガガガガガ
ガウェイン「くっ!先程よりも攻撃が――」ガガガガガガ
ランスロット「ー■■■■ー!!!!!!」ガキン
ガウェイン「しまっ――かはっ――」ドスッ
ランスロット「Ga――iiiiiiinッ!!」ヒュン
セイバー「はぁぁぁぁぁ!!!!」ガキン
ランスロット「!?」
ガウェイン「王――」ガクッ
セイバー「私は何と愚かな王なのでしょう。未来に来てまで臣下達に叱咤激励されるとは――」
「ガウェイン、ありがとうございます、私も漸くわかりました」
「過去を変えるなど、それは私を慕ってくれた者達に対する冒涜だと言うことが」
ガウェイン「」グスッ
セイバー「さぁ、行きましょう、ガウェイン。この馬鹿げた茶番を終わらせるのです」チャキッ
ガウェイン「っ!はい!!」チャキッ
ランスロット「A――urrrrrrッ!!」
セイバー「ランスロット――申し訳ありません。今、その呪縛からアナタを開放します!!」シュタッ
343:
◆cABJvGmFjs:2012/03/03(土) 01:12:06.65 ID:e1xdRT/2o
---円蔵山地下最深部---
桜「あれ、もう来ちゃったんですか、先輩?てっきり他の人に殺されてるかと思ったのに」
士郎「桜――ごめん。俺が、俺が弱かったから、お前を守ってやれなかったから――」
桜「どうしたんですか、先輩?私怒っていませんよ。だって私と先輩はもうすぐ一つになるんですから」ウニョウニョウニョウニョ
士郎「っ桜!!」
キャス狐「はい、ストーップ。下らない三文芝居もそこまでですよ、桜さん?」
桜「あなた――どうしてここにいるんですか?ここは私と先輩しかいちゃいけないんです!」
士郎「桜、お前何言って――」
桜「家族に見捨てられ、お爺様に嬲られ、兄さんに虐められた不幸で汚らわしい私が、綺麗な綺麗な先輩と一つになって救われるんです!」
「だから、邪魔しないでくだいよ、キャスターさん。じゃないと――アナタから先に殺しちゃいますよ?」ウフフフフフ
キャス狐「はぁ、自称薄幸美少女ってのはこれだから手に負えないんですよ。
「自分で抗うこともせず、与えられた環境の中で早々に諦めていたアナタが何言ってるんです?甘えた事言うじゃねーですよ!」
桜「っ!私のこと何も知らないくせに勝手なこと言わないでよ!」ウネウネウネヒュパッ
キャス狐「え、嘘!?」カゲニトリコマレー
白野「タマモ!?」
桜「クスクス、あっけないですね。これでアナタももう終わり。私の中で永遠に陵辱してあげますよ」クスクスクス
キャス狐「嘘、何で、嫌―ご主人様!!」ジタジタ
桜「アハハハ、クスクス」
344:
◆cABJvGmFjs:2012/03/03(土) 01:13:20.37 ID:e1xdRT/2o
キャス狐「なんちゃって」パキーン
桜「――あれ?」
キャス狐「はぁ、一応教えて差し上げますけどね。私今神様なんですよ。呪い?全ての悪?」
「そんなもんこちとら生まれた時から背負ってるっつーんですよ!太陽神嘗めんなって感じです」プンプン
白野「ああ、もう、この駄狐!!」ポカッ
キャス狐「きゃっ!―ご主人様?」
白野「大丈夫なら最初から言ってくれ。心配するじゃないか」
キャス狐「ごめんなさい、ちょっとサプライズ的なのをやってみたくて――でも、心配してくれるご主人様も素敵です」ポッ
白野「タマモ――」
イチャイチャイチャ
桜・士郎「「――」」ポカーン
キャス狐「と、言うわけで、アナタみたいなヤンデレ気取り系ヒロインは少し現実を見たほうがいいですよ?」
桜「うるさい!私が何されたか知っているんですか!?見たんですか!?どんな辛い目にあったか知らないでしょ!?」
「だれも――誰も助けてくれなかった!!その苦しみがアナタにわかるって言うんですか!?」
キャス狐「知りませんよ、そんなの。私アナタじゃありませんし」シラー
桜「だったら――だったら邪魔しないでください!!」
士郎「もうやめてくれ桜!!」
桜「――先輩?」
士郎「ごめん――辛かったんだな――こんな、こんなに――心が壊れそうになるまで我慢してきたんだよな」
桜「そうですよ。辛かったんです!――さすが先輩です。私のこと分かってくれるんですね」
士郎「いや、違う。俺は今までお前の苦しみに気づいてやれなかった。そして今も分かっている気でいるだけなんだ。だから――」
桜「だから、何なんですか?別に気にしないでいいってさっきから言ってるじゃないですか」
「所詮人なんて自分の身が一番なんですから、私のことなんて気にしなくていいんですよ、先ぱ――」
士郎「だから俺にもその苦しみを分けてくれ!!」
桜「――――え?先輩、今なんて」
士郎「お前の苦しみも、痛みも、全部俺が背負う。そうすれば、少しは桜のことがわかるんじゃないかって思うんだ」
桜「――先輩、でもそれじゃ先輩が」
士郎「気にするなよ、こういうのは昔から慣れてるから」ニコッ
桜「っ!先輩――先輩――!!」ヒック、エグッ
士郎「一緒に生きよう、桜。こんな馬鹿げたことは終わりにするんだ」
桜「はい――はいっ!」パキーン
白野「影が――消えた?」キョロキョロ
キャス狐「うわ!あわわわ、ご主人様!駄目!あっち見ちゃダメですよ!!」ギュー
白野「え、何?あ、痛い!タマモ、そんな強く抱きしめるなって、顔が、顔が潰れちゃうから!!」ジタジタ
士郎「っ桜!!」ダッ
桜「あ、えっと、えへへ」カーッ
士郎「えっと、あの――さ、取り敢えずこれ着ろよ。風邪ひいちゃうといけないからさ」ウワギファサッ
桜「あ///ありがとうございます、先輩」
士郎「桜も正気に戻ったし、これで取り敢えずは一段落か。セイバーや遠坂達は大丈夫かな?」
345:
◆cABJvGmFjs:2012/03/03(土) 01:13:58.57 ID:e1xdRT/2o
---王の軍勢内---
イスカンダル「ふははははは!面白い!力を上げたな、先程までとは別人のようではないか!」ブモー
ライダー「言ったはずです、やられっぱなしは趣味ではないと」ヒヒーン
慎二「うわわわわ、落ちる!落ちるってライダー!!」ギュッ
ライダー「チッ」
エル・ドラゴ「はぁ、はぁ、中々やるじゃない、アンタ達!アタシの艦隊相手にここまでやるなんて、思ってもみなかったよ!」
マケドニアの重装騎兵戦士団の皆様「うおぉぉおおおお!!!」
エル・ドラゴ「だけどねぇ――楽しい時間にも終は来るってね。そろそろ決めさせてもらうよ!!慎二ぃ!!」
慎二「な、なな、何だよ酔っ払い女!僕は今ライダーにつかまることに必死なんだよ!」
エル・ドラゴ「いやね、そろそろ終わりにしようかと思ってさ」ニヤリ
慎二「なら、さっさと終わらせろよ!」
エル・ドラゴ「オーケー。ならアタシの宝具を使うよ。慎二!合図はアンタに任せた。好きなときに命令しなぁ!」ゴゴゴゴゴ
慎二「な、何で僕なんだよ!?マスターは白野じゃないのかよぉ!?」ヒヒーン
エル・ドラゴ「細かいことは気にすんなよ、チェリー!いいから、さっさとおし!」
ライダー「慎二、私もアナタの合図に合わせます。どうか宝具開放の許可を」ヒヒーン
イスカンダル「ほぅ、決着を付けに来るか。いいだろう!者共!お前たちの持てる全ての力をもって受けてやれ!!」
マケドニアの重装騎兵戦士団の皆様「うおぉぉおおおお!!!」
慎二「ああ、もうわかったよ!ライダー、エル・ドラゴ、お前らの力見せつけてやれ!!」
ライダー「了解しました」キュイーン
エル・ドラゴ「あいよぉ!野郎共、時間だよ!久しぶりだからって手ぇ抜くんじゃないよ!嵐の王、亡霊の群れ、ワイルドハントの始まりだ!」
「アタシの名前を覚えて逝きな! テメロッソ・エル・ドラゴ! 太陽を落とした女ってな!」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
イスカンダル「彼方にこそ栄えあり(ト・フィロティモ)――いざ征かん! 遥かなる蹂躙制覇(ヴィア・エクスプグナティオ)!!」ブモー
ライダー「はぁぁぁぁ、騎英の手綱(ベルレフォーン)!!!!」キュイーーーン
ヒュパッ、チュドーン!!!!!!!!!!!
346:
◆cABJvGmFjs:2012/03/03(土) 01:14:28.77 ID:e1xdRT/2o
慎二「はぁ、はぁ、はぁ、勝った――のか?」ドサリ
エル・ドラゴ「固有結界も消えたようだし、勝ったと見ていいんじゃないかい?」
ライダー「あの男、最後に一瞬でしたが身体が硬直したようでした。何かあったのかもしれません」
エル・ドラゴ「まっ、何にせよ、勝ちは勝ちだ、喜ばなきゃ損だ!」バンバン
慎二「いたっ、痛い!ちょっ、やめろよ!背中叩くなって!」
ライダー「エル・ドラゴと仰ましたね?この度はアナタのおかげで勝つことが出来ました。有難うございます」ペコリ
エル・ドラゴ「気にするなって!あの坊やから財宝たんまりもらうからね、謂わば仕事だよ仕事」
慎二「ま、まぁ僕からも礼ぐらい言ってやるよ。その、ありがと」ボソッ
エル・ドラゴ「ぷっ、あっはははははははは!!!!!」ゲラゲラ
慎二「な、何だよ!何笑ってるんだよ!僕がお礼を言って何がおかしいんだよ!あ、おい、ライダーも笑うなよ!」
ライダー「ぷっ、いえ、クスクス、すいません」ケラケラ
エル・ドラゴ「ひー、おかし!アンタがお礼言うんなんて、明日は槍でも降るんじゃないだろうね?」
慎二「う、うう、うるさい!もういい、衛宮を助けに行くぞ、ライダー、エル・ドラゴ!」
ライダー「かしこまりました」ペガサスショウカン
エル・ドラゴ「ヨーソロー。ってか!」フネショウカン
347:
◆cABJvGmFjs:2012/03/03(土) 01:14:56.36 ID:e1xdRT/2o
イスカンダル「ふっ、まっこと楽しい宴であった。いやー、世界は―――面白――い」サラサラサラ
350:
◆cABJvGmFjs:2012/03/03(土) 04:09:11.14 ID:e1xdRT/2o
---冬木大橋---
ウネウネウネウネウネウネ
緑茶「おいおい、さっきから全然数が減ってねぇじゃねぇか。真面目にやってくれよ、狩りの仕方も忘れちまったか赤いの」シュパッヒュパッ
アーチャー「ふっ、口を動かす前にまず手を動かせ。まぁ、口を動かしただけで矢が射れるというなら話は別だがな」シュパパパパ
緑茶「へっ、言うじゃねぇか、ナルシスト。つーか、俺は元々物量戦向きじゃないんでね。こーいうふーに、よっと!」チュドーン
緑茶「罠を仕掛けて一網打尽にするほうがしょうに合ってるわけ」シュタッ
アーチャー「ほぅ、一網打尽と言う割にはまた海魔の数が増えているようだが?」ヒュパパパパパ
ウネウネウネウネウネウネ
緑茶「げっ!ほんっとーに弱いくせに数は多いんだからめんどくせーなー」チャキッ
イリヤ「ちょっと!二人とも真面目にやってよ!バーサーカーはちゃんとやってるんだから!」
呂布「―■■■■■■■■―」モットホメテ
緑茶「へいへい。あーあ、綺麗なネーチャンが応援でもしてくれれば少しは真面目にやれるかもしんねーんだけどな」ヒュパパパパ
遠坂「ちょっと、それどういうことよ!イリヤはともかく私の色香じゃ物足りないって言うの!?」シュパッ
緑茶「―――」ヘッ
遠坂「きーっ!!あいつ鼻で笑った!アーチャー!ついでにあいつもやっちゃって!」
アーチャー「落ち着け、凛。今は目の前の敵に集中するんだ」
遠坂「っ!わかってるわよ、うっさいわねぇ!」
アーチャー「ふっ、やれやれ。それだけの元気があればまだいけるな」
緑茶「おいおい、イチャつくのはいいけどよ、いい加減まずいんじゃねーの?」
遠坂「はぁ!?イチャついてなんか――むぐっ」
アーチャー「凛、少し大人しくしていろ。確かに、貴様の言うとおりだ。それで、何か策はあるのか?」
351:
◆cABJvGmFjs:2012/03/03(土) 04:09:36.99 ID:e1xdRT/2o
緑茶「策ねぇ――。取り敢えず、あのビオランテみたいな奴の中に隠れているサーヴァントを引きずり出して倒せばこの海魔は消える。そうだろ?」
アーチャー「憶測の域は出ないが、恐らくそうであろう。セイバーが言うには奴の持っている宝具っが原因らしいからな」ムームー
緑茶「はっ、なら話は早ぇ。オレとあそこのバーサーカーが奴を引きずり出す。そしたらアンタがキャスターを殺す。シンプルでいいじゃねぇか」
アーチャー「しかしそう簡単な事ではないぞ。下手な攻撃をしたところですぐに再生されてしまう。できるのか?」
緑茶「おいおい、オレを誰だと思ってんだ?それよりアンタこそ大丈夫なのかよ?肝心な所で失敗しましたじゃぁ、笑い話にもならねぇ」
アーチャー「ふっ、さぁな。だが期待に応えるぐらいの働きはしてみせるさ」
緑茶「ほい、来た。ならオレも少しはやる気出しますか!お嬢ちゃんも聞こえてたろ。準備はいいな?」チャキッ
イリヤ「お嬢ちゃんじゃなーい!まったく、レディの扱いがなってないんだから!行くわよ、バーサーカー、あのタコに大きな穴を開けてあげなさい!」
呂布「―■■■■―」コクリ
緑茶「さぁて、まずはオレからだ。生き物ってのはなぁ、どんなにでかかろうが、案外これだけで死ぬもんだぜ?」ヒュパッ
海魔「キシャー!!!」ググググ
緑茶「動きが鈍った!へぇ、意外と効くもんだな。さすがオレの毒」
イリヤ「バーサーカー、今よ!」
呂布「―■■■■―」コクリ
呂布「―■■■■―」ゴッドフォース
緑茶「我が墓地はこの矢の先に……森の恵みよ……圧政者への毒となれ」
ヒュオオオオオ チュドーン!!!!!!!!!!
遠坂「!?見えた!キャスターよ!」
ジル「!?きぃぃぃぃ!!!思い上がるなよ!!この程度の破損、すぐに再生して――」
アーチャー「その必要はない」シュタッ
ジル「!?」
352:
◆cABJvGmFjs:2012/03/03(土) 04:10:14.05 ID:e1xdRT/2o
アーチャー「貴様、名をジル・ド・レェと言ったな。ならば、せめてもの手向けだ。受け取るがいい。トレース・オン」ボソッ
ジル「己、貴様何を!?」ウネウネウネ
アーチャー「主よ、この身を委ねます―――」ヒュパッゴウッ
ジル「!?こ、これはまさか――」
遠坂「アーチャーッ!?嘘、アイツの身体が燃えてる?」
アーチャー「本物には到底及ばぬが――行くぞ!」ゴゴゴゴゴゴ
ジル「あ、ああ、ああああああああああ」
アーチャー「紅蓮の聖女(ラ・ピュセル)」キュイーンヒュパッ
チュドーン!!!!!!!!!!!!
ジル「おお、ジャンヌ、ジャンヌゥ!!ここにおられましたか、再び炎に身を焼かれるなど、嗚呼なんとお痛ましい――」
「ジャンヌ、私です!ジル・ド・レェにございます!ジャンヌ!ジャンヌゥ!!」
???「はい、ここにいますよ」
ジル「!?この声は――」
???「申し訳ありません、ご心配をおかけしました。私ならもう大丈夫ですよ」
ジル「ああ、そのお言葉が聞けただけでも、私は大変嬉しゅうございます」
???「では行きましょう。これ以上こちらのルールを乱すわけにはいきません」
ジル「はい、はい。何処まで――も、アナタのお――側で――御遣い―し――ます――」サラサラサラ
353:
◆cABJvGmFjs:2012/03/03(土) 04:10:41.44 ID:e1xdRT/2o
キシャーピギャーサラサラサラ
緑茶「ふぅ何とか倒したか。にしてもあの赤いのやるねぇ」
イリヤ「アーチャーすごーい!あの炎とても綺麗だったわ!ね、バーサーカー」
呂布「―■■■■―」コクリ
遠坂「アーチャー!?ちょっと、いい加減出てきなさいよ!アーチャー!!」キョロキョロ
イリヤ「凛、どうしたの?」
遠坂「さっきからアーチャーの姿が見えないの」
イリヤ「それって、まさかキャスターと一緒に消えちゃったってこと?」
遠坂「――そ―んな――」
遠坂「嘘、誰が勝手に消えていいって言ったのよ!どっかに隠れているんでしょ?いい加減出てきなさいよ!」
イリヤ「凛――」
遠坂「お礼だって言ってないじゃない――バカ――」ペタン
???「やれやれ、あのキャスターを倒したのだ、少しは労ってほしいものだな、マスター」
遠坂「!?アーチャー?消えたんじゃ無かったの!?」ガシッ
アーチャー「岸波白野のサーヴァントが展開した宝具の効果がまだ残っていたのだよ。それも計算のうちだ」
遠坂「な、何よ!わかってたなら一言くらい言いなさいよね!心配したじゃない!」
アーチャー「ふっ、安心しろ。生活態度のだらしない君を置いたまま、消えるつもりなど毛頭ないよ」
遠坂「っ!ちょっと何言ってるのよ!?令呪使ってその口封じてやろうかしら?」
アーチャー「やめてくれ。喋れないというのはあれでどうしてストレスが溜まるのだぞ?」
遠坂「なら黙って私に付いてきなさい!」プイッ
アーチャー「了解だマスター。それで、何処に行くつもりだ?」
遠坂「桜のところよ。あの子を早く助けなきゃ。イリヤ、行くわよ!」
イリヤ「もー、しょうがないなー。バーサーカー!私をあそこまで連れていって!」
呂布「―■■■■―」コクリダキッ
アーチャー「緑色、貴様も行くのだろう?」
緑茶「オレは面倒臭いからパス。って言いたいんだけどね、あそこに今のマスターが居るからいかないわけにはいかなんだよな、これが」ハァ
遠坂「さぁ、待ってなさい桜!」ダッ
374:
◆cABJvGmFjs:2012/03/17(土) 04:32:18.99 ID:ZWLHFa8Io
---柳洞寺---
ガキンッ!カンッ!
ハサン29「ぬ、しまった!小刀が!」
李書文「七孔噴血……撒き死ねい!!」ヒュパッ、ドゴン!
ハサン29「かっ――はっ!」サラサラサラ
アサ次郎「秘剣――燕返し!!」キンッ、ヒュパッ
ハサン2、60、72「ぬぐぁ!」「ぎぇ!」「ぎゃっ!」ザシュッ、サラサラサラ
葛木「ぬぅん!」ヒュルン、シュタッ、ドン!!
ハサン80「ぐっ!が――」カメンパリン
ハサン35「――」ソローリソローリ、ヒュタッ、チャキッ
キャスター「!?宗次郎様、危ない!!」コウソクシンゴンマジュツドーン!
ハサン35「!?ちぃっ!」ヒョボッ、サラサラサラ
葛木「すまない、キャスター。助かった」
キャスター「いえ、旦那様をサポートするのも妻の役目ですから。きゃっ///」クネクネ
葛木「そうか――」
李書文「さて――これで残るはお主だけだな。呵呵呵呵!複数に分裂するサーバントなど初めて見た!実に血の滾る闘いであった!」
ハサン1「ふぅ――いや、我々も聖杯戦争とは関係無しに呼ばれ無理矢理従えられていた身。最早何も言うまい」
李書文「そうか――ではな。またいつか何処かで死合おうぞ」ヒュパッ、ザシュッ!
ハサン1「――」サラサラサラ
アサ次郎「ふぅ、やれやれ、漸く終わったか」チャキッ
キャスター「ええ、そうね」
李書文「さて――儂の役目もこれで終わりか」
葛木「この後は、どうされるのですかな?」
李書文「さて、な。あの坊主には好きにしろと言われたはいいが、あのおかしな海魔共も姿を消したし、儂も十分暴れた」
葛木「では、彼らの所へ行きませんか?恐らくまだこの下で戦っていることでしょう」
李書文「ふむ――それもそうだな。もしかすれば苦戦しているやもしれん」
葛木「ええ、では参りましょうか」シュタッ
李書文「うむ」シュタッ
キャスター「ああん、待ってください、宗一郎様ー」シュタッ
アサ次郎「――」ポツネーン
アサ次郎「ふむ、留守番か――。もう慣れた、別に寂しくなどあるまい――」トボトボ
375:
◆cABJvGmFjs:2012/03/17(土) 04:32:53.05 ID:ZWLHFa8Io
---円蔵山地下---
ディル「はぁ!」ヒュパン!!
ランサー「あめぇ!!」ガキン、ガキン
ディル「まだです!!破魔の紅薔薇!」ヒュパッ
ランサー「くっ!」ズシャッ
ディル「はぁ、はぁ、はぁ、流石です、光の御子よ。貴方と戦えること、大変光栄に思います」
ランサー「へっ!てめぇだってやるじゃねぇか。あの体勢から槍を投げるなんてなぁ」
ディル「ふっ、ふふ」
ランサー「はっ、ははっ」
ランサー、ディル「はははははははははははは!!!」
ランサー「面白ぇ!面白ぇなぁ!闘いってのはやっぱりこうじゃなきゃいけねぇ!そう思うだろ、お前も!!」
ディル「ええ、実に面白い。俺はこの喜びを久しく忘れていたように思います。もう復讐だとか恨みだとかそんなものはどうだっていい」
「ただ純粋に勝利のみを渇望している自分がここにいます!」
ランサー「ああ、そうだ。戦いなんてそんなもんだ。そこに理想だとか、柵だとかを持ち込んじまうからややこしくなるんだ」
「闘いなんてぇのはなぁ、楽しければそれでいいって、昔からきまってるんだよぉ!!」シュタッ、ゴゥッ!!
ディル「はぁ!」ガキン
ランサー「へっ、もらったぁ!!こいつで終いにしてやるよ。突き穿つ死翔の槍!!」ヒュパッ!!
ディル「くっ、しまっ!?ぬぅあっ!ぐっ!あぁぁあぁぁぁぁ!!!!」ドドドドドドドド
ランサー「はぁ、はぁ、はぁ、へっ、へへっ、俺の、勝ちだな」ドサッ
ディル「ええ、悔しいですが俺の負けです」サラサラ
ランサー「楽しかったぜ、後輩。また縁があったらやり合おうや」
ディル「は――い。そ――の時は――――ま、け――ませ――ん」サラサラサラ
ランサー「さ――てと。大丈夫だとは思うが、坊主の所に行ってやるとするか」テクテクテク
376:
◆cABJvGmFjs:2012/03/17(土) 04:33:20.96 ID:ZWLHFa8Io
セイバー「はあああああああ!!!!!」シュゴッ!!
ガウェイン「はぁぁぁあぁああ!!!!」ヒュゴゥ!!
ランスロット「ー■■■■ー!!!!!!」ガキン ガキン、ゴウッ!!
ガウェイン「ぐぅ!!」ズザァ!
セイバー「あぁっ!」ドサッ
ガウェイン「くっ、強い!ランスロット元々の強さに加えスキルと狂化によるパラメーターの底上げでここまで強くなるとは」ググッ
セイバー「諦めてはいけません、ガウェイン!もう一度です!」シュタッ
ガウェイン「ええ、わかりました!はぁっ!」シュタッ
ランスロット「ー■■■■ー!!!!!!」ガキン ガキン、ググググググ
ガウェイン「くっ!」シュタッタッタッ
セイバー「はぁ、はぁ」シュタッ
ランスロット「……Ar……thur……」
ガウェイン「矢張このままでは埒があかない。宝具を使って一気に方をつけるしか――!」チャキッ
セイバー「いけません、ガウェイン!こんなところで我々が宝具を使えば、この山がどうなるか――」
ガウェイン「くっ、ですがこのままでは――」
ありす「くすくす、そういう時はね」スタッ
アリス「新しい遊び場を作って、みんなで鬼ごっこをすればいいの」スタッ
ガウェイン「!?あなたは――キャスター!」
セイバー「新しい遊び場とはいったい――」
ありす「ここでは鳥はただの鳥」フワッ
アリス「ここでは、人はただの人」
キュオッ、ゴーン!
377:
◆cABJvGmFjs:2012/03/17(土) 04:33:50.80 ID:ZWLHFa8Io
ありす「さぁ、ようこそありすのお茶会へ!」
セイバー「これは――」キョロキョロ
ガウェイン「固有――結界!?」
ランスロット「ー■■■■ー!!!!!!」キョロキョロ
セイバー「成程、個の存在を消滅させる固有結界ですか。確かにこれは対魔力を持っていない相手には絶大ですね。ですが」
ガウェイン「我々のように対魔力保有のサーバントに対しては何ら影響がありません」
ありす「あれあれ?ねぇ、アリス。これじゃあちっとも遊べないよ?」シュン
アリス「そうね、ありす。でも、ここならママはいないから、どれだけ騒いでも、どれだけ叫んでもオシオキされることはないの」
セイバー「!?そうか――」
ガウェイン「ええ、王よ、ここでなら宝具を使えます!」チャキッ
ランスロット「Ga――iiiiiiinッ!!」シュタッ
ガウェイン「くっ、どうやら彼もこちらの思惑に気づいたようですね。まったく――本当に狂化されているのか疑わしくなります」
セイバー「ええ、最早一刻の猶予もなりません、キャスターと言いましたね?アナタ達は下がっていてください!」
アリス「うん!ありす、あっちに行こう!」スタスタスタ
ありす「そうね、ここは危険だもんね。バイバイお姉ちゃん」スタスタスタ
セイバー「行きますよ、ガウェイン」チャキッ
ガウェイン「ええ、畏まりました!」チャキッ
ランスロット「A――urrrrrrッ!!」チャキッ
セイバー「約束された――」ヒュゴゥ!!
ガウェイン「転輪する――」ゴゥッ!!
ランスロット「ー■■■■ー(無毀なる)」チャキッ
セイバー、ガウェイン「勝利の剣!!!!!!」キュアン!!
ランスロット「ー■■■■ー!!!!!!(湖光)」ゴッ!!
カッ!!!!!チュドーーーーーーーーーン!!!!!!!!
378:
◆cABJvGmFjs:2012/03/17(土) 04:37:08.35 ID:ZWLHFa8Io
本日の投下は以上となります。投下の間隔が空いてしまってすいませんでした。
そしてレスを下さった方ありがとうございます!
それと祝!キャス狐人気投票3位!!いやー、CCCが出てないのにこの人気はすごいですね。
赤セイバーさんと共にtop10入を果たすなんて嬉しい限りです!
という訳で本編とは関係ありませんが、人気投票を祝してちょっとしたおまけをば
379:
◆cABJvGmFjs:2012/03/17(土) 04:37:48.69 ID:ZWLHFa8Io
おまけ
とあるムーンセル内のとある日の出来事
キャス狐「ふふ!ふふふふ!やりましたよ、やりましたよ!人気投票祝3位!EXTRA勢の中ではぶっち切りの1位と言っても過言ではありません!」
「そう、つまりは私がEXTRAのヒロインと公式に認められたということなのです!フンス
キャス狐「これで晴れてご主人様は私のもの!今頃あの赤セイバーさんをさぞや悔しがっていることでしょう。
「折角だから見に行って揶揄ってやろーっと!」シュタッ
―――保健室前廊下―――
キャス狐「えぇーっと、確かこの辺に人気投票の結果が貼ってあったと思ったんですけど――」キョロキョロ
???「おや、淫乱狐ではないか。ここで何をしておるのだ?」スタスタスタ
キャス狐「あら、赤セイバーさん。思ったより凹んでないですねぇ。ってか淫乱狐じゃねぇですよ!」プンプン
赤セイバー「うん?余が凹む?何か悲しいことでもあったのか?」
キャス狐(ん?あ!はっはーん、さては人気投票の結果をみていませんね!?)
キャス狐「いえいえ、何でも無いんですよ!所で赤セイバーさん、最近このゲームの人気投票があったのって知ってます?」
赤セイバー「うむ、知っておるぞ!ほれ、そこに結果が書いてあるではないか、よく読んでみるがよい!」クイックイッ
キャス狐「あ、本当だ。保健室の前に堂堂と貼ってありますね――。どれどれ。まぁ、今更確認する必要も無いんですけどねー」
<まほ箱の人気投票・女性キャラ>
第1位(1263pt) EXTRAセイバー[EXTRA] 第26位(102pt) バゼット[hollow]
第2位(820pt) 両儀式[空の境界] .第27位(94pt) 須方スナオ[まほ箱]
第3位(727pt) セイバー[Fate] .第28位(91pt) 美綴綾子[Fate]
第4位(520pt) EXTRAキャスター[EXTRA] .第29位(75pt) 黒桐鮮花[空の境界]
第5位(425pt) 間桐桜[Fate] .第30位(63pt) ネコアルク[メルブラ]
赤セイバー「うむ、矢張余には1位の座が似合う。いやいや、人気者は辛い。だが、これで奏者と余の関係は保証されたも同然!」
「露出強(誤字にあらず)の淫乱狐は安心して余に奏者を任せるがよい!」フン
キャス狐「な、な、なななな―――」フルフルフル
赤セイバー「ん、どうした?」
キャス狐「ふざけるんじゃ、ねーですよ!!こんなのインチキ!インチキに決まってるじゃねーですか!」プンプン
赤セイバー「なっ!何を言っておるのだお主は?そそそそ、そんなわけないであろう?」シドロモドロ
キャス狐「あ、ほら!今目逸らしましたね!ちょっと、私の目を見て話してくださいよ!」ユサユサユサ
赤セイバー「あ、や、やめろ!そう服をつかんで揺らすでない!や、やめ――あ――」コロンコロコロコロ
キャス狐「あ―――」
赤セイバー「――」
キャス狐「やっぱりインチキしてたじゃないですか!何ですか、今裾から落っこちたサインペンは!?
「どっーせこれと皇帝特権を使って細工したんでしょ!?あー、やだやだ、敗者の僻みってこれだから怖いんです」
赤セイバー「だ、だって、だって余が一番じゃないのは納得がいかん!こんなの絶対何かの間違いだ!」ウルウル
キャス狐「あ、ちょ!?マジ泣きは卑怯ですよ!!」タジタジ
赤セイバー「マスター!!淫乱狐が、淫乱狐が―――!」タタタタッ
キャス狐「あ!ご主人様に甘えようったってそうはいきませんよ!ってか淫乱じゃねーって、話聞けよ!!」タタッタッタ
終われ
382:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/18(日) 15:58:26.42 ID:uKvgjosUo
なるほどディルには速さが足りなかったのか
381:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/03/17(土) 12:25:25.76 ID:reXvqICv0
383:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank):2012/03/22(木) 06:26:21.13 ID:KemaC9Ixo
追いついた
キャス狐かわいいよキャス狐
394:
◆cABJvGmFjs:2012/04/09(月) 00:24:11.83 ID:3P8I0hX0o
---円蔵山地下---
ありす「けほっ、けほっ」
アリス「びっくりだね、ありす」
ありす「うん、びっくり」
アリス「だって遊び場が壊れちゃうんだもん」
ランスロット「――かっ――はっ――」ドサッ
セイバー・ガウェイン「「ランスロット!!」」ダッ
ランスロット「くっ――ははっ――何だ、ガウェインまでいるとは――まるであの日に還ったようではないか――ッ!」
ガウェイン「ランスロット!?何故――何故――貴方がバーサーカーなどに!?」
ランスロット「はは、さぁ、どうしてであろうな?ただ――適正があっただけ。それだけのことだ」
ガウェイン「くっ!私が!私があの時貴方を許してさえいれば、貴方は狂戦士になどならなかったかもしれないのに!」
ランスロット「いや、それは違う。これは私自身の業だ、あまり自分を責めるなよ。太陽の騎士が泣くなど――あってはならない」
セイバー「申し訳ありません、ランスロット。私はまた貴方に剣を向けてしまった――」
ランスロット「王よ――何を謝ることがありましょうか。忠を忘れた狂戦士など裁かれて当然ででありませぬか」
「それに――謝るのは私です。私は貴方に忠節を誓っておきながら幾度と無く貴方を悲しませた――」
セイバー「いえ、今となってはそんなことどうでもいいのです!全ては私が――王としての私が――」
ランスロット「王―よ、何を今更と思われるかもしれませぬが、どうか私の最後の世迷い事をお聞きください」
「貴方は――人の気持ちが分からなかった―されど――私が仕えるに―値した真の――王で―した―」サラサラサラ
ガウェイン「ランスロット――」
セイバー「――いきましょう、ガウェイン。士郎達が待っています」スチャッ
ガウェイン「――畏まりました、王よ」チャキッ
ありす「あれー、お姉ちゃん達も行っちゃうみたいだよ、アリス」
アリス「そうね、ありす。これじゃあ私たちと遊んでくれる人がいなくなっちゃうわね」
ありす「じゃあ、またお兄ちゃんに遊んでもらえばいいよ!ね、アリス」
アリス「そうね、そうしましょう。お兄ちゃんだったら、きっとまた遊んでくれるわよありす」タタッ
ありす「ふふっ、今度は何して遊ぼうかしら?」テチッ
395:
◆cABJvGmFjs:2012/04/09(月) 00:24:49.74 ID:3P8I0hX0o
---円蔵山地下最深部---
士郎「なぁ、聖杯の器になった桜が正気になったってことは、聖杯戦争は終わったってことなのか?」
桜「えっと――どうなんでしょうか?キャスターさん、何かわかりますか?」
キャス狐「みこーん!?どうなんでしょうねぇ。私たちこの地の聖杯戦争って初めてです―から?」ピクッ
士郎「ん、どうしたんだ、キャスター?」
キャス狐「残念ですが、どうやらまだ終わっていないみたいですよ。ねぇ、ご主人様?」
士郎「え?」
白野「ああ、まだ何か嫌な予感がする――」
???「ああ、その通りだ、異邦人達よ」カツカツカツ
士郎「なっ、お前は――言峰!?」
言峰「ふむ、聖杯と間桐桜を切り離したか。さすがと言っておこう」
士郎「お前、今頃何しに来た!?」
言峰「何――とは?面白いことを聞くな少年。私は見届けに来たのだよ、彼の誕生を」
士郎「っ!何訳の分からないこと言ってるんだ!聖杯戦争は終わったんじゃないのかよ!?」
白野「――言峰神父、彼とは誰のことを行っているんですか?」
言峰「ほう、知りたいか?なら共に祝おうではないか、この世の全ての悪、アンリマユの誕生を!!」
白野「アンリ――」ゾワッ
キャス狐「――マユ?」ミコーン
???「あ――嗚呼―有亜阿――禹阿―切嗣―――イリ―ヤ――」ウゾゾゾゾゾゾ
士郎「なっ!?あれは、女の人!?それに、泥が溢れて――?そんな、さっきまで何処にも居なかったのに――」
396:
◆cABJvGmFjs:2012/04/09(月) 00:25:25.02 ID:3P8I0hX0o
言峰「そう、あれこそが前回の聖杯戦争で大厄災を招いた聖杯の器!衛宮士郎――幼少期、君の全てを壊した願望器がこれなのだ」
「これはホムンクルスと呼ばれる代物でね、自我を失う前は衛宮切嗣と夫婦の契を結び、普通の人間として暮らしていた」
「わかるかね、君が正義の味方と信奉していた者とその伴侶が君の世界を破壊したのだよ!!」
士郎「そんな――じゃあ、これが、俺だけ残して――皆――みんな――ああああああああ!!!!!」ドサッ
桜「先輩!しっかりして下さい先輩!」
言峰「くっ、くはははははは!そうだ、怨め、世界を憎悪したまえ!それが私の快感となり、愉悦となる!!」
キャス狐「あーあ、見てられませんね。ちょっとそこ退いてくれません?私たち、性格度腐れ外道神父の相手しているほど暇じゃないので」チャキッ
言峰「ふん、限定的とはいえ神霊クラスの力をもったサーバントはさすがにこの程度では怯まぬか」
キャス狐「まぁ、そうですね。つーか、この程度で世界すべての悪とか、馬鹿にすんなって感じです」
「そんなもん、こちとら生まれた時から背負ってるんですよ、神様嘗めんじゃねー!」
言峰「成程、だがそう言いつつも手を出しあぐねているのではないか?先程から口しか動いていないようだが」
キャス狐「はん!主役ってのは一番美味しい所でワザを出すんです。今タイミング見計らっているんで邪魔しないでくれます?」
言峰「ふっ、本当は迷っているのだろう?」
キャス狐「――はい?」
言峰「確かに、君のステータスは恐るべきものだ。しかし、それをもってしてもこれを消し去るのは難しい」
「下手をすれば肉体を失いかねないのだろう。だが、マスターとの繋がりを強く望む君はここでの生活に終止符を打つ事を望んではいない」
「違うかな?」
白野「玉藻――」
キャス狐「はっ、何を言うかと思えば、面白い冗談を言いますね、この変態神父は」
「私とご主人様の絆は貴方が理解できるほど安いものじゃないんです。それに私が消えるってどういうことですか?」
「こんなものに飲み込まれるとか、どこぞの慢心王じゃないんですから、そんなの絶対ありえません!!」
言峰「ほう。だが何れにせよ私には関係の無いことだ」スタスタスタ
士郎「っ、おい言峰!そっちに行ったら泥に呑まれる!」
言峰「ふん、それでいいのだよ、衛宮士郎」
士郎「何!?」
言峰「私はこの泥の誕生を待っていたのだからな」ズズズズズ
白野「っ、言峰神父が――呑み込まれる――」
言峰「ふはは!ふはははははは!そうだ、これだ、これこそが!世界の全てが拒絶しようとも、私はお前を祝福しよう!」ズズズズズ
桜「――そんな――」
士郎「言峰――くそっ!!」ダンッ
397:
◆cABJvGmFjs:2012/04/09(月) 00:25:57.31 ID:3P8I0hX0o
???「ちょっと、ちょっと、何よこれ!?」シュタッ
桜「あ、姉さん?」
遠坂「あんた、桜!?無事だったの?」タッ
桜「はい――先輩に、助けてもらいました――」
遠坂「このっ――心配させんじゃないわよバカ妹!」ダキッ
桜「姉さん――ごめんなさい」ギュッ
遠坂「私こそ――桜のこと何も分かってあげられなくて――ごめんなさい」
アーチャー「凛、感動の再会は後にしろ。どうやら今はそれでころではないようだ」チャキッ
遠坂「っ、本当に空気の読めないサーバントねあんた」
キャス狐「まぁ、空気の読めなさ加減で言ったら遠坂凛も大概ですけどね」
遠坂「何よ、言ってくれるじゃない、この狐娘って、え、尻尾が9本!?で、何よそのステータス、化け物じゃない!?」
398:
◆cABJvGmFjs:2012/04/09(月) 00:26:30.52 ID:3P8I0hX0o
神霊玉藻御前
筋力EX
耐久EX
魔力EX
俊敏EX
幸運EX
宝具EX
スキル
カリスマEX
神として人々に崇められたことに由来する
神性EX
神そのもの故に
太陽神
太陽を神格化した神に与えられるスキル
その身と引換えに全ての不浄を浄化する
399:
◆cABJvGmFjs:2012/04/09(月) 00:26:56.86 ID:3P8I0hX0o
キャス狐「失敬な、神様と呼んでください。本当でしたら、私の力の凄さをアナタにレクチャーしてあげるのですが、生憎今は時間がありません」
遠坂「――どうやらそうみたいね。一体なんなのよ、この泥は」
白野「世界全ての悪――アンリマユ――」
アーチャー「なっ、アンリマユだと!?」
遠坂「何よ、アーチャー、あなた知っているなら教えなさいよね!?」
アーチャー「悪いが、今それを話している余裕はない。問題はこれをどう処理するかだ。宛はあるのか、神霊よ」
キャス狐「ええ、こんなもの、私の力で中心部から浄化してあげればいいんですよ」
アーチャー「なっ、貴様正気か!?泥の中心部に行くなど死――否、それしか方法は無いのか」
キャス狐「まっ、今のところそれしかないでしょうね。私がこの姿になったのも、この泥をどうにかする為っぽいですし」
アーチャー「そうか――まったく歯痒いよ。肝心なときに神頼みとは」
キャス狐「ふふん、こういうどうしようもない事をどうにかする為に私たち神様はいるんです。だから気にしないでください」
白野「玉藻――」
キャス狐「という訳でご主人様!ちょっとそこまで行ってきます。すぐ戻って来るんでご主人様は――」
白野「俺も行くよ!」
キャス狐「ふぇ!?」
白野「俺は玉藻のマスターだ。どんな時だってお前の側にいる。だから――俺も連れていってくれ!」
キャス狐「ご主人様――えと、あの、死ぬかもしれないんですよ?」
白野「もう死んでいるんだよ、俺は」
キャス狐「その、皆に会えなくなっちゃうかもしれないんですよ?」
白野「お前一人に辛い事をさせて、自分だけのうのうと生き残るほうが嫌だ」
キャス狐「あ――え――私と一緒で、いいんですか?」
白野「玉藻じゃなきゃ嫌だ!!」
キャス狐「ご主人様――はい!」
400:
◆cABJvGmFjs:2012/04/09(月) 00:29:32.36 ID:3P8I0hX0o
本日分は以上となります。
本当に、本当にお待たせいたしました!!
投下が遅れに遅れ、気が付けば、EXTRAのマンガ2刊が出るわ、アニメZEROの2期が始まるわ、
いや、情けない限りでございます。
あと恐らく2回程で完結すると思うのでもう少々お付き合いください。
それではまた。
401:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/04/09(月) 00:32:21.81 ID:eIYpjMwDO
いい所で切るとは…この>>1…出来る…
402:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道):2012/04/09(月) 00:37:53.87 ID:r0jxjD/ho
サーヴァントの想定を超えてるからステが全部振り切れてやがる。ヒューッ!
403:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank):2012/04/09(月) 03:56:35.77 ID:fCQeO5aGo
さすがキャス狐と言わざるを得ない
405:
◆cABJvGmFjs:2012/04/15(日) 23:47:59.44 ID:2gZuzX8qo
---円蔵山地下最深部---
キャス狐「さて――。それじゃ、私とご主人様は行きますけど。皆さんに一つお願いがあります」
士郎「お願い?」
キャス狐「はい。私とご主人様でこの泥の元を絶ちますが、万が一にですが、漏れ出した泥まで手が回らないかもしれません」
「だから――」
遠坂「私たちで、漏れ出した泥をどうにかしろっていうわけ?」
キャス狐「ええ、私たちがこれの中心部に到達したら合図をします。そうしたら、皆さんの持てる力の全てをぶつけてほしいんです」
桜「でもっ、そんなことをしたらキャスターさんと岸波さんの命が――」
白野「大丈夫、気にしないでくれ。俺は既に死んでいる人間なんだ。ただ、魂が元の場所に戻るだけだよ」
士郎「けどっ!そんなの――あんまりじゃないか!他に何か方法はないのかよ!?」
白野「あるかもしれない。けど、今はそれを考えている余裕なんてないさ。こうしている間にもどんどん泥は増えていく」
「それに、これ以上無関係な人を巻き込みたくないんだ――頼む」
士郎「白野――」
アーチャー「いいだろう、その役目、私たちが引き受けた」
士郎「っ、アーチャー!?」
遠坂「そうね、わざわざ危険な役目を買ってくれているんだもの、それくらいのお願いは聞いてあげるわ」
士郎「遠坂まで!?」
遠坂「衛宮君、今は手段を選んでいる暇なんてないの。これ以上貴方みたいな子供を出すわけにもいかないでしょ?」
士郎「それは――そうだけど――」
キャス狐「大丈夫ですよ、衛宮さん。私とご主人様は新婚旅行に行くまで死ぬ気はありませんから☆」
士郎「キャスター。白野――。わかった、絶対に死ぬなよ」
白野「ははっ、もう一回死んでいるんだけど」
キャス狐「じゃ、今度こそ行ってきます。あ、このことはご主人様が呼んだサーヴァントには伝わっていますけど、ワカメとかには伝わっていませんので」
遠坂「あー、はいはい、わかったわ、伝えとくわよ」
白野「頼んだ。さぁ、行こう、タマモ」
キャス狐「はいっ!」フワフワフワ
406:
◆cABJvGmFjs:2012/04/15(日) 23:48:30.35 ID:2gZuzX8qo
慎二「待たせたな、白野。僕だ!!」スタッ
ライダー「桜!?無事でよかった――」ダキッ
桜「心配かけてごめんね、ライダー」ダキツキ
ライダー「いえ、桜が無事ならそれでいいんです」ホロリ
キャスター「あら、タマモちゃんがいないじゃない?」シュタッ
セイバー「士郎、無事でしたか」
士郎「セイバー!?それにキャスターまで」
イリヤ「ちょっと、凛、アーチャー!?私を置いて行くなんて酷いじゃない!」
緑茶「おやおや、揃いも揃ってまぁ。ってことは、あの坊主と狐、そろそろおっぱじめる気か」
エル・ドラゴ「みたいだねぇ」
ガウェイン「ならば、私たちはそれを全力で援護するのみです」
エル・ドラゴ「はっ、相変わらず堅いねぇ。ま、私は報酬貰ってるからね、その分くらいは仕事するさ」
慎二「お、おい、エル・ドラゴ!どういうことだよ?僕にちゃんと説明しろ!」
エル・ドラゴ「何だい、慎二。アンタ何も聞いてないのかい?」
セイバー「すいませんが、私も聞いておりません。士郎、貴方は何か知っていますか?」
イリヤ「ちょっと、私を除け者にしないでよ!私にも教えなさーい!」
士郎「ちょ、わかった、わかったから、押すなってイリヤ。実は――」
407:
◆cABJvGmFjs:2012/04/15(日) 23:48:57.12 ID:2gZuzX8qo
---アンリマユ中心部---
キャス狐「さっ、着きましたよご主人様」フワフワフワ
白野「ああ――うっ!はぁ、はぁ、近くで見るとよりこいつの醜悪さが分かる。アンリマユ、これは――危険だ」
キャス狐「大丈夫ですか、ご主人様?やっぱり戻られたほうが――」
白野「いや、大丈夫だ。この中に降りるんだろ?早く行こう」
キャス狐「――はい」シュタッ、グジュッ
白野「ぐっ、ここがっ!あぁ、ぐあぁぁぁ!!!!!」グジュグジュグジュグジュ
キャス狐「ご主人様、泥が侵食して!?」バッ
白野「だ――いじょう―ぶ!はや――く、消すんだ、タマモ!!」
キャス狐「っ、ご主人様――」コクリ
キャス狐「タマモ、全身全霊を込めてやらせていただきます。炎天よ――疾れ!!」ヒュパッ
408:
◆cABJvGmFjs:2012/04/15(日) 23:49:23.67 ID:2gZuzX8qo
---円蔵山地下最深部---
慎二「そんな、それじゃあ、白野は!?」
ヒュパッ、ボウッ!!
アーチャー「残念だが、迷っている暇はないぞ慎二!!そら、合図だ」
慎二「くそっ、くそっ!!一人で格好つけやがって!やれ、ライダー!!」
士郎「セイバー、宝具を!!」
イリヤ「やっちゃえ、バーサーカー!!」
葛木「頼んだぞ、キャスター」
アーチャー「出し惜しみはしない、そうだろ、凛!!」ヒュパパパパパッ
遠坂「ええ、やっちゃいなさい、アーチャー、釣瓶打ちよ!!」
ランサー「爆ぜろ、突き穿つ死翔の槍!!」ヒュパン
エル・ドラゴ「砲撃用ォ意!全弾持って行きな!嵐の王、亡霊の群れ、嵐の夜の始まりだ!」ゴゴゴゴゴ
呂布「―■■■■■―」ゴッドフォース
キャスター「タマモちゃん、絶対生きて戻りなさいよ!!」コウソクシンゲンマジュツドーン
緑茶「はっ、これだけの毒だ、中から爆ぜちまいな。森の恵みよ、圧政者への毒となれ」チュドーン
ライダー「騎英の――手綱!!」
ガウェイン「転輪する――」
セイバー「約束されし――」
セイバー、ガウェイン「「勝利の剣!!」」
キュアッ!ゴゴゴゴゴゴゴ
409:
◆cABJvGmFjs:2012/04/15(日) 23:50:05.16 ID:2gZuzX8qo
---アンリマユ中心部---
キャス狐「見えた!あれが、器ですご主人様!」
???「あ――嗚呼―有亜阿――禹阿―切嗣―――イリ―ヤ――」ウゾゾゾゾゾゾ
白野「あ――ああ!突っ込め――タマモ――」ウゾゾゾゾゾ
キャス狐「っ――はい!」ヒュパッ
白野「さぁ――これが最後だ、とくと味わえ世界すべての悪!!これが俺のサーヴァントの―タマモの―俺の嫁の力だぁぁぁぁぁ!!!」
???「ぎ――あぁぁぁぁあああああぁああぁあああ!!!!!!」ゴゴゴゴゴ
キャス狐「ふふっ、ご主人様…最後まで…ご、一緒…に」サラサラサラ
410:
◆cABJvGmFjs:2012/04/15(日) 23:52:22.27 ID:2gZuzX8qo
本日分は以上となります。
次でエピローグを投下して、このSSを締めさせていただきたいと思います。
読んでくださる皆さんのおかげでここまで来られました。
最後までお付き合いいただければ幸いです。
それではまた。
416:
◆cABJvGmFjs:2012/04/22(日) 23:58:37.06 ID:tfARbn9Oo
---衛宮邸---
キャス狐「早く行かないとタイムセール終わっちゃいますよ、ご主人様!」シュタッ
白野「わかってる、わかってるから、そんなに急かすなって」アタフタ
キャス狐「それじゃ、青いセイバーさん、私とご主人様は買い物に行ってくるので留守番お願いしますね」
セイバー「わかっています、最優のサーヴァントの名に掛けて、この家には蟻ん子一匹通しはしません!」キリッ
キャス狐「ふぅ――あなたみたいのをニートって言うんですかねぇ?」
セイバー「な、何を言いますか!私にはこの家を護るという立派な仕事があります!愚弄しないでいただきたい」
白野「まぁ、確かにブリテンの王様に自宅警備させるなんて、世が世なら大騒ぎになるよな」
キャス狐「今だって、バレたら大騒ぎになりますよ――」
セイバー「それより買い物はいいのですか?」
キャス狐「あ、いけない!ささっ、行きますよご主人様!」タッタッ
白野「あぁ、ちょっと待てって!」ダッ
セイバー「ふぅ――今日も冬木は平和です」シミジミ
417:
◆cABJvGmFjs:2012/04/22(日) 23:59:41.22 ID:tfARbn9Oo
あの円蔵山で、自分とタマモは溢れ出たアンリマユと共に消えるはずだった。
後悔―というかまだ冬木に残りたいという心残りみたいなのはあったけど、
そもそもこの地の聖杯を消すことが自分の役目だったことを考えると、消えてしまうのも致し方ないと思う。
それに、側にはタマモがいてくれたし、少なくとも寂しくはなかった。
次に目を覚ましたときはムーンセルの中か、いやそれ以前に二度と目覚めることすら無いのかもしれない。
だけど自分が目を覚ますと、そこはつい先日まで寝泊りをさせてもらっていた、衛宮邸の一室であった。
どう言う理由かは知らないが、自分は大怪我をしていたようで全身の至るところに包帯が巻かれていたのだ。
更に治りきっていないのか、体を動かす度に全身に激痛が走った。自分は肉体を持たない電子の存在だというのに可笑しな話だ。
全身に走る激痛に、本物の体を得たような高揚感とも安心感ともつかない酷く不安定な気持ちを持ちながらも、首を動かし横を見ると
そこには自分を介抱して疲れてしまったのか、正座をしたまま寝ているタマモの姿があった。
力を使い果たしたらしく、尾っぽこそ1本になっていたが、いつもと変わらぬ見慣れたタマモの姿に豪く安堵したのを覚えている。
後に聞いた話によると、全てが終わったあとアンリマユの中心部があった場所に倒れている自分とタマモを見つけた衛宮達によって運び出されたらしい。
そうしてそんな出来事から1週間が過ぎ身体が全快した自分は、どういう理由かタマモと共に未だこの地で生活している。
ムーンセルの気まぐれか、バグか、ピースマンの粋な計らいかは分からないけど、とにかく自分とタマモは冬木市でこうして生きている。
だが驚いたのはそれだけではない。役目を終えても尚この地に留まっているのは、なにも自分たちだけではなかったのだ。
418:
◆cABJvGmFjs:2012/04/23(月) 00:00:07.12 ID:16L9Pzw2o
---藤村邸---
大河「ガウェインちゃーん!私お腹すいたー!!」ガシッ
ガウェイン「なんと!先程昼食を摂ったばかりではないですか!」
大河「でもお腹空いたのー!何かお菓子作ってよ!!」
ガウェイン「いけません、タイガ。私はこれから王と共にこの地の警護を――」
大河「嫌だ、嫌だ、嫌だー!最近士郎だって全然構ってくれなくて私寂しーんだもん!ガウェインちゃん私に優しくしてよー!」ジタジタ
ガウェイン「くっ――王よ、申し訳ありません。私は騎士失格です。何故なら貴方との約束を守れそうにないからです――」トボトボ
ガウェイン「タイガ――何が食べたいのですか?」トボトボ
大河「え、作ってくれるの!?さっすが、ガウェインちゃーん!」タッタッ
ありす「ねぇ、アリス、あのお姉ちゃん、大人なのに私たちみたいにお菓子で喜んでいるよ?」
アリス「そうね、ありす。あれはダメな大人の典型ね。見習っちゃダメよ。ねぇイリヤ?」
イリヤ「そうよ、ありす。本当のお姉さんというのは私のことを言うの。わかる?」
ありす「うん、わかるよ、イリヤお姉ちゃん!」テトテト
イリヤ「そう、いい子ね。それじゃあ今日は何処で遊ぼうかしら?」
アリス「わかめ狩りなんていいんじゃないかしら、イリヤ?」
イリヤ「そうね、アリス。調度私も調子に乗っているワカメに灸を据えたいと思っていたところなの。ありすもいい?」
ありす「うん、いいよアリス、イリヤお姉ちゃん」
イリヤ「それじゃあ、行きましょう。そう言うわけだから行ってくるわね、雷画。夕方までには戻るわ。行くわよ、バーサーカー!」クイッ
呂布「―■■■■―」
ありす「行ってきます、おじいちゃん」フリフリ
アリス「行ってくるわ、雷画」テクテク
雷画「孫――孫が増えた――」ハァハァ
420:
◆cABJvGmFjs:2012/04/23(月) 00:00:45.15 ID:16L9Pzw2o
---柳洞寺門前---
アサ次郎「王手」パチッ
葛木「む――」
李書文「呵々!これは痛い所をつかれたな。さてどうする暗殺者?」
葛木「ふ、今の私は暗殺者ではありません。ですが、相手の弱点を付くくらいのことは――できる」パチッ
アサ次郎「ほう、そう来るか」
李書文「成程、これは面白い手を打つ。しかしこう魅せられては、儂も打ちたくなってくるな。どれどちらか一局打たぬか?」ウズウズ
アサ次郎「少し待て、暗殺者。今いいところなのだからな、これが終わったら打ってやろう」パチッ
李書文「呵々!ここには暗殺者ばかりおるわ!」
>ソウジローサマー
アサ次郎「む?」
メディア「ああんもう、ちょっと邪魔よアサシン!」ゲシッ
葛木「メディアか。どうした?」
メディア「ああん、宗次郎さま!私ちょっと夕飯のお買い物に行ってきますわ。何か食べたいものは御座います?」ウキウキ
葛木「買い物――か。丁度良い、メディア、私も付き合おう」ドッコイショ
メディア「へ?///」
葛木「普段お前にばかり苦労をかけているのだ、たまには共に買い物というのも悪く無いと思ってな。都合が悪いか?」
メディア「あ、へ、いえ、はい///」
李書文「ふっ」プイ
アサ次郎「ふふっ」
メディア「ちょっと、アナタ達!ちゃんと留守番してなさいよね!!」ガー
アサ次郎「はは、了解だ、マスター」
メディア「さぁ、宗次郎様。ではご一緒に」テクテク
葛木「うむ――」
421:
◆cABJvGmFjs:2012/04/23(月) 00:01:11.55 ID:16L9Pzw2o
---遠坂邸---
緑茶「だーかーらー、アンタのその理論じゃ全然採れないっつってんだよ!」
アーチャー「ふっ、負け惜しみか?この私が長年に渡って編み出したこの方法なら従来の10倍の収穫量は容易い」
緑茶「はっ!これだから現場を知らない素人は困るんだよ。あいつらは気紛れで時期によっては滅多に取れる物じゃないんだよ!」
アーチャー「ほぅ、そこまで言うならどちらが多く収穫できるか、勝負といこうではないか」
緑茶「へぇ、面白れぇじゃねぇか。上等だ!シャーウッドの森の茸狩り技巧、とくと味わってもらうぜ!」
遠坂「――アンタ達、余所でやりやさいよ――」ゲッソリ
---間桐邸---
エル・ドラゴ「ぷっはー!やっぱり昼間から飲む酒は格別だねぇ!おい、慎二ぃ!まだあるんだろ?もっと持ってこいよ!」
慎二「う、うう煩い!お前酒ばっかり飲んでないで僕を助け――あいたぁ!」ドシャッ
ありす「わかめだぁ!」ドン
アリス「わかめぇ!」ドドン
イリヤ「わかめ、わかめー!」ドドドン
ライダー「ふふ、子供たちと戯れるとは――まだまだ慎二も子供ですね」
慎二「なっ!?お前ちょっと眼科行ってこいよ!これの何処が戯れ――痛い、痛い!止めてって!」
桜「平和だね、ライダー」
ライダー「ええ、平和です。それより桜、時間は大丈夫なのですか?今日は士郎の家でパーティだとか――」
桜「まだ時間はあるんだし大丈夫よ、ライダー。それに――もう少しこの家にいたいから」フフッ
ライダー「そうですか」
慎二「たーすけてぇ!!」ジタジタ
422:
◆cABJvGmFjs:2012/04/23(月) 00:01:50.32 ID:16L9Pzw2o
---マウント深山---
メディア「うふふふ、葛木メディア!葛木メディアでございまーす!!」テクテク
葛木「む――」
キャス狐「うふふふ、岸波タマモ!岸波タマモでございまーす!!」テクテク
白野「ぐぅ――」
メディア「あら、岸波さん家の奥様じゃありませんか?」
キャス狐「そういうアナタは葛木さん家の奥様!?」
メディア、キャス狐「「奥様、奥様、うふふふふふ」」
葛木「――ふっ、微笑ましいな」
白野「――まぁ、多少度が過ぎてない気もしないでもありませんが、楽しそうなんで良しとします」
メディア「ところで、奥様。今日は何を買いにいらしたんですの?」
キャス狐「えー、タマモはぁ、すっぽんにぃ、赤マムシにぃ、山芋にぃ他にはこれと、これと」ウナギ、レバー
メディア「あら、奇遇!実は私も同じの買ってるんですの!」
キャス狐「あら、そうなんですか!?じゃあ今夜はお互いに頑張りましょうね!」グッ
メディア「そうね、頑張りましょう!」グッ
白野「苦労――しますね」
葛木「――む」
メディア「それじゃ、私たちもう行くわね、タマモちゃん」
キャス狐「はい、また遊びに行かせていただきますね!」
メディア「ええ、いつでも遊びにいらっしゃい。さっ、宗一郎様行きましょう!」
キャス狐「ご主人様ー、タマモはゲーセンなる所に行ってみたいです!」
葛木「それではな、岸波」
白野「はい、また」
423:
◆cABJvGmFjs:2012/04/23(月) 00:04:02.69 ID:16L9Pzw2o
---衛宮邸---
キャス狐「ご主人様と、タマモ。たっだいま、戻りましたー!」キャピーン
士郎「遅いぞ、岸波とキャスター。もう皆集まっちゃってるよ」
白野「ごめん、ちょっと買い物が長引いちゃって」
士郎「まぁ、別に問題は無いけどさ。それより材料くれよ、先に台所に持って行っておく」
キャス狐「はい、腕に寄りをかけて買ってきましたよ!大事に使ってくださいね!」
士郎「わかった、わかった。お前らも早く来いよ!」タッタッタ
キャス狐「彼にしては珍しく気を使いましたね」
白野「ん、何のこと?」
キャス狐「いえ、お気になさらずに」
白野「そっか――」
キャス狐「ところで、ご主人様ー」ダキッ
白野「ん――うわ、抱きつくなって!」
キャス狐「いいじゃないですか、私たちもう夫婦なんですからー!遠慮しない、遠慮しない!」ギュゥ
白野「だー、もう!」
キャス狐「――ありがとうございます」ボソッ
白野「タマモ?」
キャス狐「なーんて!ちょっと言ってみたかっただけです!さっ、私たちも皆さんと合流しちゃいましょ!」ダッ
白野「――タマモ!」ガシッ
キャス狐「ひゃい!?」
白野「こんな生活がいつまで続くかわからない。明日には消えちゃうかもしれない。それでも――それでもこれからも俺の隣に居てくれるか?」
キャス狐「ご主人様///はい!このタマモ、輪廻の果ての果てまでご一緒させていただきますよ、白野様!」
キャス狐「冬木の聖杯ですってよご主人様」 了
425:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道):2012/04/23(月) 00:07:00.00 ID:O0uacsKSo
お疲れ様!
426:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/04/23(月) 00:08:08.15 ID:57S4XpgCo
乙乙乙
427:
◆cABJvGmFjs:2012/04/23(月) 00:09:26.88 ID:16L9Pzw2o
白野君のキャラが変わったり、物語が荒唐無稽だったりとありましたが、
読んでくださった皆さまのおかけで何とか終了まで書く事ができました。
本当にありがとうございます。
次回予告として路地裏同盟と秋葉が『路地裏吸血時間(ちータイム)』というバンドを組んで色々やる
ショートコメディでも書こうと思ったのですが、別の機会になりそうです。
429:
◆cABJvGmFjs:2012/04/23(月) 00:10:56.11 ID:16L9Pzw2o
予告編
京極堂「この世にはね、不思議なことなど何も無いのだよ、衛宮君」
遠坂「嘘――本当に時を跳躍してくる人間がいるなんて――」
関口「頼む京極堂、聖杯戦争を終わらせてくれ!!」
士郎「やめろ、セイバー!その人は敵じゃない!!」
イリヤ「初めまして、中禅寺様。私はイリア・フォン・アインツベルン、お会いできて光栄ですわ」
京極堂「さぁ、憑物落としを始めましょうか、言峰さん」
男が歩むと――どこかで凛と、風鈴の音が響いた。
これか、路地裏同盟ものをいつか時間が出来たときにでも書こうかなと思っています。
その時はまたよろしくお願いします。
それでは、本当にありがとうございました!!
430:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank):2012/04/23(月) 00:11:06.46 ID:qDC+ryBco
GJ!感動した!
434:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県):2012/04/23(月) 00:58:44.65 ID:2EyxWH780
乙
予告の奴は魍魎の匣とのクロスかな
435:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方):2012/04/23(月) 09:39:19.79 ID:k5LCaJJR0
CCCに英雄王が出ると聞いて覗いたら完結していた
素晴らしかったよ乙!
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