1:
◆J6sXPQ/xjk 2016/10/20(木) 22:18:46.17
ID:eOahO5dfo
法子「迎えに行かなくても来ると思うよ?」
ゆかり「はい、でも迎えに行きたいんです」
法子「ふうん、なんで?」
ゆかり「お友達のお家に迎えに行って」
法子「うん」
ゆかり「お家の外から呼びかけて」
法子「うんうん」
ゆかり「『はーい』って、出てくるじゃないですか」
法子「出てくるだろうね」
ゆかり「そういうのがやりたいんです」
法子「そうかぁ、じゃあとりあえず有香ちゃんに電話かけるね!」
ゆかり「はい」
ピッポッパッ
法子「……あ、もしもし有香ちゃん? あたしあたし、ゆかりちゃんです」
ゆかり「私もゆかりちゃんです」
法子「嘘です法子ちゃんです」
ゆかり「では私も法子ちゃんです」
2:
◆J6sXPQ/xjk 2016/10/20(木) 22:20:24.44
ID:eOahO5dfo
法子「いまどの辺? あ、ううん、いいのいいの、そうじゃなくて」
ゆかり「……」
法子「うん、有香ちゃんちょっと来ないでもらえる?」
ゆかり「……」
法子「うん、帰って帰って、うん、ゆかりちゃんと二人で行くから」
ゆかり「……」
法子「え? ううん、いいよ、なんで謝るの?」
ゆかり「……」
法子「うん、そんな感じで、はーい、またねー」ピッ
ゆかり「どうなりましたか?」
法子「とりあえず帰るって」
ゆかり「良い感じですね、では、迎えに行きましょうか」
法子「そだね」
ゆかり「楽しみです」
法子「……」
ゆかり「……」
法子「有香ちゃんなんだかしょんぼりしてた」
ゆかり「そうなんですか、では早めに向かいましょう」
法子「有香ちゃんがしょんぼりしてたら、悲しいもんね……」
ゆかり「はい……」
3:
◆J6sXPQ/xjk 2016/10/20(木) 22:22:08.67
ID:eOahO5dfo
法子「着いた!」
ゆかり「着きましたね」
法子「ドーナツも買ってきた!」
ゆかり「さすがです」
法子「これで有香ちゃんもご機嫌だよ!」
ゆかり「そうですね」
法子「その上あたしもご機嫌だよ!」
ゆかり「ご機嫌ですね」
法子「ゆかりちゃんは?」
ゆかり「どうでしょう、聞いてみますね」
法子「聞いてみて!」
ゆかり「もしもし、ゆかりちゃんはご機嫌ですか? はい、ゆかりちゃんもご機嫌です」
法子「一人で何してるの?」
ゆかり「急に素に……」
有香「……あれ? どうしたんですか二人とも」
法子「!!?」
ゆかり「!!?」
法子「!!!!?!??」アワワワワ
ゆかり「!?!?!!???」ビターン!
有香「驚き過ぎですね、大丈夫ですか」
4:
◆J6sXPQ/xjk 2016/10/20(木) 22:24:19.04
ID:eOahO5dfo
法子「有香ちゃんだ!」
ゆかり「有香ちゃんはお家に居るはずでは?」
有香「はい、あの、ちょっとコンビニに」
法子「偽物かも」
有香「本物ですよ」
法子「本物の有香ちゃんなら瓦が割れるはず!」
有香「どうしろと……」
ゆかり「ちょうどここに瓦が」
有香「えっあるんですか」
ゆかり「あるというていで」
有香「ちょうどって何」
法子「はい、どうぞ有香ちゃん」
有香「有香ちゃんて言いましたよね、認めてますよね有香ちゃんだって」
ゆかり「どうぞ」
有香「……せいや!!」シュバッ
法子「どかーん、割れました!」
ゆかり「では有香ちゃんということで」
有香「だいたい誰でもあたしに成り代われますね」
法子「でも何か爆発みたいな音したけど」
有香「そこは法子ちゃんの匙加減ですよね」
5:
◆J6sXPQ/xjk 2016/10/20(木) 22:26:22.28
ID:eOahO5dfo
有香「はぁ、なるほど」
法子「そういうわけで迎えに来ました」
ゆかり「来ました」
有香「私はまたてっきり、二人で遊びに行くことにしたのかと……」
法子「えー!? そんなはずないじゃん!」
ゆかり「有香ちゃんがいない遊びなんて、お遊びみたいなものですよ……」
有香「ん? んっ?」
法子「有香ちゃんごめんね! 変な勘違いさせちゃった」
有香「いえ、いいんです」
法子「有香ちゃん優しい」
ゆかり「では改めて、有香ちゃんを迎えに行きましょう」
有香「居ますけどね」
法子「一回お家入って! ゆかりちゃんが呼んだら出てきて!」
有香「ええと……はい、では一旦入ります」
テテテッ ガチャッ バタンッ
ゆかり「ゆーかーちゃーん、あーそーぼーっ」
法子「小 学生みたいな呼び方」
有香「はーい」ガチャッ
法子「そして小 学生みたいな子が出てきた」
有香「何てこと言うんですか!」
6:
◆J6sXPQ/xjk 2016/10/20(木) 22:27:56.96
ID:eOahO5dfo
法子「ごめんなさい」
有香「ダメです、もう怒りました、ゆかゆかのりこは解散です」
法子「えー! やだー!」
有香「これからはゆかのりこでやったら良いんじゃないですか?」
法子「そういうわけだから、ゆかりちゃん、悪いけど……」
有香「あっ、そっちのゆか抜いちゃうんですか」
ゆかり「わ、わた、私は、お二人が、そ、そう、言うのであれば、お二人の、意見を、そん、そそん尊重して……」フルフル
有香「すみません冗談です」
法子「どうしてそういうこと言うの!!」
有香「どの部分ですか」
法子「ゆかりちゃん!」
有香「ゆかりちゃん何もしてませんよ」
法子「もっとやだやだ言ってくれないと寂しいじゃん!」
有香「そこですか」
法子「ゆかりちゃんにとって、ゆかゆかのりこはそんな程度なの!?」
ゆかり「……解散したくないです」
法子「もっと情熱的に!」
ゆかり「ずっと三人一緒がいいです! 解散やぁです!!」
法子「やぁです」
有香「あのご近所の目があるのでそろそろ……」
7:
◆J6sXPQ/xjk 2016/10/20(木) 22:29:14.55
ID:eOahO5dfo
ゆかり「一時はどうなることかと思いました」
法子「ちょっとゆかりちゃん手繋いで、有香ちゃんも」
有香「どうしたんですか?」キュッ
法子「有香ちゃんとゆかりちゃんも繋いで、輪になって」
ゆかり「……?」キュッ
有香「……」
法子「……ドーナツ!!」
ゆかり「……」
法子「それでこの後どうするかだけど」
ゆかり「お買い物の予定でしたよね」
有香「見事なスルーですねゆかりちゃん」
ゆかり「有香ちゃん、法子ちゃんの発言は、八割がたドーナツですよ」
有香「そういえばそうですね」
法子「そんな事ないドナ」
ゆかり「ノリノリですね」
有香「……あっ、んふふ、『ノリ』子ちゃんだけに」
法子「じゃあ行こっか!」
有香「……」
ゆかり「大爆笑です」ポンッ
有香「お気遣いどうも……」
8:
◆J6sXPQ/xjk 2016/10/20(木) 22:30:25.52
ID:eOahO5dfo
ゆかり「お洋服を見に来ました」
法子「説明ありがとー」
ゆかり「今日は法子ちゃんの服を見繕いましょう」
法子「えー、ゆかりちゃんの服みようよー」
ゆかり「では間を取って」
法子「ありすちゃんの服を」
ゆかり「そうですね」
法子「……」
ゆかり「……」
法子「有香ちゃんどこ行ったの」
ゆかり「会話が上手く回りません」
法子「えっ、ゆかりちゃんあたしと二人だと話しにくい?」
ゆかり「いえ、そうではなくて、何かが足りないと思いませんか?」
法子「……ドーナツ」
ゆかり「待って下さい」
法子「……」
ゆかり「足りないもの……」
法子「……」
ゆかり「……あっ、ドーナツ?」
法子「まぁドーナツはあるんだけどさ」ガサッ
9:
◆J6sXPQ/xjk 2016/10/20(木) 22:32:03.96
ID:eOahO5dfo
有香「これを見てください」テテテッ
ゆかり「良い服がありましたか?」
有香「はい、ありすちゃんにぴったりのTシャツが」
法子「ありすちゃん関係ないでしょ!」
ゆかり「全くその通りです」
有香「いえ、でも、ビビッときてしまったので」
法子「どんなの?」
有香「これです」
【You're king of kings】
有香「ちなみに背中はこんな感じです」クルッ
【チャンピオン】
法子「強そう」
ゆかり「おいくらですか?」
有香「税込298円のワゴンにありました」
法子「みんなで100円ずつ出して買ってってみよっか」
有香「あ、いえ、そういうつもりでは無かったんですが……」
ゆかり「私は構いませんよ」
有香「すみません……ではお二人は99円ずつで、私が年長ですからね」
法子「逆にめんどくさい!」
ゆかり「急に年上をアピールしてきましたね」
10:
◆J6sXPQ/xjk 2016/10/20(木) 22:33:40.57
ID:eOahO5dfo
ゆかり「けっこう歩き回りましたね」
法子「ドーナツ休憩ー」ガサガサ
有香「わっ、ありがとうございます、頂きます」
法子「よーい……ドン!」
有香「何かが始まりましたね」
ベンチ! ベンチ! カクホ! ドナドナドナドナ
法子「……」モグモグ
有香「……」モグモグ
ゆかり「……」モグモグ
法子「のど乾くね」
有香「ではドーナツのお礼に、飲み物は私が買ってきます」タッ
ゆかり「私はフルートを吹きますね」
~♪
有香「お待たせしました、二人とも紅茶で良かったですか?」
法子「ありがとー」
ゆかり「これフルートいらないですね」
有香「いえ、とても優雅でした」
ゆかり「吹いてるとドーナツ食べれないんです」
有香「そうですね」
法子「気付けて良かった」
11:
◆J6sXPQ/xjk 2016/10/20(木) 22:35:09.65
ID:eOahO5dfo
翌日
法子「ありすちゃん! ありすちゃん!」
ありす「橘ですが」
法子「ゆかりちゃんと有香ちゃんと一緒に、ありすちゃんにTシャツ買ってきた!」
ありす「えっ、どうしたんですか急に」
有香「ぜったい似合うと思うんです、どうぞこれを」
ありす「ありがとうございます……開けてもいいですか?」
法子「もちろん!」
ゆかり「喜ぶ姿が目に浮かびます」
法子「飛び上がるよきっと」
有香「天井に注意してくださいね」
ありす「……」ガサガサ
【You're king of kings】
ありす「……」クルッ
【チャンピオン】
ありす「……」
有香「……」
ゆかり「……」
ありす「……」ピョーン
法子「やったぁ!」
12:
◆J6sXPQ/xjk 2016/10/20(木) 22:36:25.63
ID:eOahO5dfo
ゆかり「喜んでいましたね、ありすちゃん」
有香「レッスン着として活用してくれるようです」
法子「みんなで買った甲斐があったね!」
有香「あ、そう言えば私もそろそろレッスンの時間でした」
法子「今日は何のレッスン?」
ゆかり「お菓子作りですよね」
有香「ダンスです」
ゆかり「ダンスですよね」
法子「ゆかりちゃんは?」
ゆかり「私はこの後、琴歌さんと」
法子「お仕事?」
ゆかり「お茶会ですね」
法子「ドーナツいる?」
ゆかり「クッキーを用意していただけるとの事ですが」
法子「ドーナツいる?」
ゆかり「ドーナツいります」
法子「じゃああたしも行くよ仕方ないから……」
有香「ごり押しましたね」
ゆかり「有香ちゃんはどうしますか?」
有香「有香ちゃんはダンスをしてきます」
13:
◆J6sXPQ/xjk 2016/10/20(木) 22:38:33.53
ID:eOahO5dfo
ゆかり「罠を仕掛けました」
法子「お茶会は?」
ゆかり「この罠に有香ちゃんをおびき寄せます」
法子「お茶会は?」
ゆかり「有香ちゃんが、絶対に避けて通れないものは何でしょうか」
法子「んー」
ゆかり「難しいですね」
法子「穂乃香ちゃんが避けて通れないものなら分かる」
ゆかり「私も分かります」
法子「ピロシキ」
ゆかり「ぴにゃこら太です」
法子「わー! ゆかりちゃんがツッコミを!」
ゆかり「私もツッコミの一つや二つ、こなせるということです」
法子「どんどん進化するね」
ゆかり「では有香ちゃんの好きな物は」
法子「んー、有香ちゃんといえば……」
ゆかり「……」
法子「……」
ゆかり「なんでやねん」ペチッ
法子「何が?」
14:
◆J6sXPQ/xjk 2016/10/20(木) 22:40:04.75
ID:eOahO5dfo
有香「……」
ありす「いえあの……聞いて下さい」
有香「……」
ありす「今日はですね、もう既に自分でレッスン着を用意していたので」
有香「あっ、そうなんですね」
ありす「明日から着ますので、もう、それはもう、着ますので」
有香「あの……あたしは別に、着ていないことを咎めたいわけでは」
ありす「……」
有香「……」
ありす「私は助かりますか……?」フルフル
有香「あたしのイメージどうなってるんですか」
ありす「……熊を」
有香「熊……」
ありす「正面から、ねじ伏せると」
有香「……」
ありす「……」
有香「……」テレ
ありす「否定を」
有香「ありすちゃんは熊ではありません」
ありす「そこじゃないです」
15:
◆J6sXPQ/xjk 2016/10/20(木) 22:41:32.63
ID:eOahO5dfo
ゆかり「……良い香りですね」
桃華「本当に」
琴歌「お気に召されたのでしたら、少しお時間を頂ければ、お取り寄せいたします」
法子「……」
里美「英国の香りですねぇ」
琴歌「お分かりになりますか?」
雪乃「市販されているブランドの物では、なさそうですが」
法子「……」
桃華「わたくしも良い物を嗜んでいるつもりでしたけれど、これは、格別ですわね」
琴歌「父の友人がイギリスの――」
ウフフッ アハハッ
法子「……あたし場違い?」
桃華「あら、そんなこと、あるはずもありませんわ」
里美「一緒にまったりしましょ~」
ゆかり「法子ちゃん、肩の力を抜いて、リラックスですよ」
法子「だれ!?」
ゆかり「水本ゆかりです」
法子「ゆかりちゃんさっきまでぽやぽやだったじゃん!」
ゆかり「ぽやぽや、だったでしょうか」
法子「罠とか仕掛けてたよ!!」
16:
◆J6sXPQ/xjk 2016/10/20(木) 22:43:12.85
ID:eOahO5dfo
ゆかり「罠、有香ちゃん、ぴにゃこら太……うぅ、頭が」
法子「記憶は失ってないよね」
ゆかり「そうでしたね」
雪乃「罠、ですか?」
ゆかり「はい」
琴歌「まぁ! 私、狩猟は未経験でして」
法子「本格的な奴じゃないよ? 棒とかごだけだよ?」
琴歌「よろしければ、お話をお聞かせ願えませんか?」
ゆかり「はい、では私が棒の役をやりますね」
法子「らしくなってきた」
里美「里美はかごになりますねぇ~」
法子「里美ちゃんはドーナツ食べてて」ノソッ
里美「……」モグモグ
ゆかり「すみません、どなたかかごを」
桃華「では僭越ながら、わたくしが」
法子「もしかしてここ、ボケしかいない?」
ゆかり「そんなはずありません、そうですよね里美さん」
法子「分かりやすいボケへの振り!」
里美「……」モグモグ
法子「まるで聞いてない」
17:
◆J6sXPQ/xjk 2016/10/20(木) 22:44:43.00
ID:eOahO5dfo
法子「そろそろ有香ちゃんのレッスン終わるね」
ゆかり「そうですね……では、お迎えに行きましょう」
法子「今度はどういうふうにしたいの?」
ゆかり「ふふっ……まず有香ちゃんがですね!」
法子「テンションが」
ゆかり「レッスンを終えて、汗をかいているわけです」
法子「ダンスレッスンだもんね」
ゆかり「そこに、颯爽と、タオルとドリンクを持って」
法子「かわいい後輩みたいな」
ゆかり「そうです」
法子「ゆかりちゃんタオル持ってる?」
ゆかり「ありますね」
法子「じゃあ飲み物だけ買ってこうか」
桃華「あら、もう行かれるんですの?」
法子「うん、じゃあみんな、紅茶ありがと! 美味しかった」
琴歌「はい、またいつでもいらして下さいませ」
雪乃「本日はとても有意義に過ごせましたわ」
里美「ドーナツごちそうさまですぅ」
ゆかり「お気をつけて行ってきて下さいね」フリフリ
法子「ゆかりちゃんこっちでしょ」
18:
◆J6sXPQ/xjk 2016/10/20(木) 22:45:58.10
ID:eOahO5dfo
法子「お茶会もいいね! すっごい気品に満ちてたよ」
ゆかり「そうですね」
法子「あたしも何だか高貴になっちゃったかも」
ゆかり「……」サワサワ
法子「……」
ゆかり「……」モチモチ
法子「……」
ゆかり「なってますね」
法子「やっぱり……」
< アッ ピニャコラター!
法子「ん?」
ゆかり「???」
穂乃香「どうしたんですかぴにゃこら太! そんなところに挟まって!」
穂乃香「いま助けてあげますからね!」
穂乃香「んむむ……!」
穂乃香「……はぁ、どうにか救出できました、良かったですねぴにゃこら――」チラッ
法子「……」
穂乃香「っ!!?」ビクッ
19:
◆J6sXPQ/xjk 2016/10/20(木) 22:47:26.28
ID:eOahO5dfo
穂乃香「あの……違いますからね」
法子「……」
ゆかり「……」
穂乃香「ここに罠が仕掛けてあるじゃないですか」
法子「あるね」
穂乃香「それで試しに、ぴにゃこら太を罠の下に置いてみたんです」
ゆかり「置きたくなりますよね」
穂乃香「あっ、置いたと言っても、下にハンカチを敷きましたから」
法子「うん」
穂乃香「そしたら、こう……」
ゆかり「……」
穂乃香「助けてあげなきゃっていう気持ちが、どんどん強まって」
法子「うん……」
ゆかり「……」
穂乃香「たった今、助け出したところです」
法子「何も違くないよ、まさにそうだと思ってたよ」
ゆかり「そっちの事情でしたか……」
法子「えっ、どっちの事情だと思ってたの?」
ゆかり「一人でお芝居を打っていたのだとばかり思っていました」
法子「だからその事情だってば!」
20:
◆J6sXPQ/xjk 2016/10/20(木) 22:48:54.80
ID:eOahO5dfo
法子「じゃあ有香ちゃんが出てきたら、タオルとドリンク渡して」
ゆかり「はい」
法子「何か応援とかして、きゃあきゃあ言って去る手はずで」
ゆかり「分かりました」
法子「復唱してみて」
ゆかり「まず有香ちゃんが」
法子「うん」
ゆかり「可愛い」
法子「あってる」
ガチャッ
有香「……あれ、お疲れ様です二人とも」
法子「せんぱーい!」テテテッ
ゆかり「先輩っ」
有香「!!?」
法子「これタオル、使ってください!」
ゆかり「飲み物も、どうぞ、おしるこです」
有香「か、か、感激です、二人が私を、年上として慕ってくれるなんて……!」
法子「おしるこに対して言うことあるでしょ」
有香「いただきます」
法子「お行儀がいい」
21:
◆J6sXPQ/xjk 2016/10/20(木) 22:50:51.61
ID:eOahO5dfo
有香「最近はお迎えブームなんですね」
法子「いいなー有香ちゃん」
有香「えっ?」
法子「あたしはゆかりちゃんにお迎え、来てもらったことないもん」
ゆかり「!!?」
有香「あはは、だいたい遅れたり離れたりするのがあたしですからね」
ゆかり「わ、私ははまた、法子ちゃんを蔑ろに……」
法子「ゆかりちゃんはあたしより有香ちゃんが好きなんだ」
有香「煽らないで」
ゆかり「……」パタリ
有香「倒れちゃったじゃないですか」
ゆかり「法子ちゃんのピンチには、必ずお迎えに参上すると誓います……」
有香「今はゆかりちゃんのほうがピンチっぽいですけど」
法子「ゆかりちゃん冗談だからね、ごめんね」ユサユサ
ゆかり「……」
法子「ゆかりちゃんがあたしのこと大好きって、ちゃんと分かってるから」
ゆかり「法子ちゃんのためなら宇宙だって救えます……」
有香「フリーザ様が来ても安心ですね」
ゆかり「ニンジンも残さず食べます……」
有香「それは法子ちゃん関係なく食べてください」
22:
◆J6sXPQ/xjk 2016/10/20(木) 22:52:10.94
ID:eOahO5dfo
ゆかり「まずは有香ちゃんが法子ちゃんを襲ってください」
有香「なぜ」
ゆかり「そこに私が颯爽とお迎えに現れます」
法子「王子様みたい!」
ゆかり「……法子ちゃんからその可愛らしい手を離しなさい!」
法子「かっこいい!」
有香「褒められた気がする」
ゆかり「その力強くも優しい、人を守るため鍛えた勇敢な手を放しなさい!」
有香「……」テレテレ
ゆかり「これで行きましょう」
有香「ええと……」
ゆかり「どうぞ」
有香「……ようお嬢ちゃん、茶の一杯にでも付き合えよ」グイッ
法子「時代を感じる」
有香「黙って俺について来い!」
法子「きゃー! イケメン無罪!」
ゆかり「待ちなさい!」
有香「何者だ!?」
ゆかり「成敗っ」ペチッ
有香「セリフ違うじゃないですか」
23:
◆J6sXPQ/xjk 2016/10/20(木) 22:53:27.35
ID:eOahO5dfo
後日
法子「じゃあ今度はゆかりちゃんを迎えに行ってみよっか」
有香「そうですね」
法子「またお茶会してるみたいだから、行ってみよ!」
有香「あっ、噂のお嬢様交流会ですね」
法子「凄いよ、あたしもちょっと混ぜてもらったけど」
有香「どんな感じでしたか?」
法子「あたし見たら分かるでしょ?」
有香「……」
法子「……」
有香「可愛いです」
法子「そうじゃなくて!」
有香「ヒント下さい」
法子「んー、ちょっとこう、気品が、優雅な感じになってるでしょ?」
有香「……?」
法子「もー! 有香ちゃんの目はふし、ふしやまだよ!」
有香「節穴ですね」
法子「ふしあなだよ!」
有香「節穴じゃないですけど」
法子「どっち!」
24:
◆J6sXPQ/xjk 2016/10/20(木) 22:55:16.47
ID:eOahO5dfo
ゆかり「私も星花さんとは、ぜひ一度と、前々から」
星花「恐縮してしまいます、わたくしのバイオリンで、よろしいんですの?」
ゆかり「はい、是非ともお願い申し上げます」
星花「ゆかりさんのフルート、ああ……楽しみですわね」
ゆかり「その折には、音葉さんにもお力添え頂ければと、考えているのですが……」
音葉「……奏でさせてもらえるのならば、旋律を、二人と」
琴歌「想像しただけでも、至福の時間が窺えます」
ウフフッ アハハッ
法子「……信じられないかもしれないけど、あれゆかりちゃんなの」
有香「分かってますけど」
法子「えー、だってゆかりちゃんて言ったらさぁ」
有香「はい」
法子「ふわふわしてて、やわらかい雰囲気で、純粋で可愛くて優しくて」
有香「清楚で、礼儀正しく、育ちの良さが窺える、そんな子です」
法子「でしょ?」
有香「はい」
法子「……」
有香「……」
法子「あってるじゃん」
有香「あってますよね」
25:
◆J6sXPQ/xjk 2016/10/20(木) 22:56:33.85
ID:eOahO5dfo
法子「ゆかりちゃーん」テテテッ
有香「お迎えに来ましたよ」
ゆかり「あら、ありがとうございます」
法子「気を付けて有香ちゃん!」
有香「えっ?」
法子「いまゆかりちゃんお嬢様モードだから」
有香「何に気を付けるんですか」
法子「有香ちゃんが来てツッコミを得たことで、急にボケてくるから!」
有香「いやいや、まさかそんな……」
ゆかり「……?」
法子「……もーゆかりちゃん、ここボケるタイミングでしょ!」
ゆかり「少し前にこんなことがありました」
有香「流れるような導入」
ゆかり「事務所の皆さんで紅茶を飲みながらお話していたらですね」
法子「うんうん」
ゆかり「お友達二人が、お迎えに来てくれたんです」
法子「それ昨日の話じゃん!」
有香「いや今日の話です、今ですそれ」
法子「ほんとだ」
ゆかり「嬉しかったので、ボケてみました」
26:
◆J6sXPQ/xjk 2016/10/20(木) 22:58:07.17
ID:eOahO5dfo
ゆかり「お迎えに来てもらうというのは、いいものですね」
有香「そうですね、いつもありがとうございます」
ゆかり「また有香ちゃんをお迎えに上がっても、構いませんか?」
有香「はい、ぜひ」
法子「……」
ゆかり「……あの、法子ちゃんも、お迎えに行きますからね」
法子「え? いいよ別に、大好きな有香ちゃんだけ迎えに行ったら?」
ゆかり「……」パタリ
有香「ほんとにやめてあげて法子ちゃん」
法子「えへへ、ごめんねゆかりちゃん、お迎え楽しみに待ってるからね」ユサユサ
ゆかり「もうドーナツ屋さんになります……」
有香「話がこじれてきましたよ」
ゆかり「ニンジンも、はい、まぁ……はい……」
有香「食べましょうね」
ゆかり「なんでやねん……」
有香「食べましょうね」
ゆかり「……ああ、楽しいですいま」
有香「同じく」
法子「あたしも」
ゆかり「ふふっ……大好きです二人とも」
27:
◆J6sXPQ/xjk 2016/10/20(木) 22:59:33.58
ID:eOahO5dfo
ありす「……」
ありす「何ですかこの罠……」
ありす「なぜぴにゃこら太が仕掛けられて……」
ありす「……」
ありす「……」チラッ
穂乃香「!!」ササッ
ありす「……」
ありす「……わぁー、可愛い」
ありす「ちょっと手に取ってみましょう」
ヒョイッ パタン
穂乃香「かかった! さすがぴにゃこら太!」テテテッ
ありす「見事な仕掛けです穂乃香さん、まんまと嵌められてしまいました」
穂乃香「はい、これもひとえにぴにゃ……あれ? ありすちゃん」
ありす「なにか」
穂乃香「素敵なTシャツ着てますね」
ありす「……」
穂乃香「……」
ありす「そうでしょう」
穂乃香「はい」
28:
◆J6sXPQ/xjk 2016/10/20(木) 23:01:01.00
ID:eOahO5dfo
以上です。ゆかりちゃんお誕生日だったのでゆかゆかのりこssでした、お誕生日過ぎてますけど。
そんな感じでHTML化の依頼を出して参ります。
30:
◆J6sXPQ/xjk 2016/10/20(木) 23:05:57.22
ID:eOahO5dfo
ゆかりちゃんのニンジンについては捏造です。
ご覧いただきましてありがとうございました。
31:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/20(木) 23:10:15.75 ID:KKVlErVr0
なんだこれ可愛い
33:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/21(金) 01:05:06.34 ID:M45Fs23Do
ありすは大人だなぁ!!
元スレ
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