1:
◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 01:29:45.82
ID:9KVo4kYAO
一夏と鈴ちゃんがだらだらするだけの話です
2:
◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 01:32:34.22
ID:9KVo4kYAO
鈴「いちかー、いちかー」
一夏「どうした?」
鈴「この漫画、読み終わったから次の巻とってー」
一夏「人様の部屋で人様の漫画読んでおいて、その上俺をこき使うか」
鈴「だってアンタのほうが本棚に近いし」
一夏「はいはい。しょうがないな」
一夏「ほら」
鈴「サンキュ」ニコニコ
一夏「女の子は笑ったら許されるからずるいよなあ」
一夏「こればっかりは、女尊男卑の世の中になる前から変わらないらしいし」
鈴「ただの女の子じゃないわ。かわいい女の子だから許されるのよ」
一夏「自分で言うか」
鈴「下手な謙遜なんて必要ないでしょ」
一夏「昔から、鈴はそういうタイプだよな」ハハ
3:
◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 01:35:21.64
ID:9KVo4kYAO
鈴「いちかー、いちかー」
鈴「肩揉んであげよっか」
一夏「ん? 急になんだよ」
鈴「素直な幼なじみの働きに応えて、たまにはアタシがサービスしてあげるって言ってるのよ♪」
一夏「偉そうに……」
鈴「ほらほら、いいから背中向けなさいよ」
一夏「ったく、しょうがないな。鈴は」
鈴「よし。それじゃ、揉むわよ」
鈴「ふんふんふんっ」モミモミ
一夏「おお……いいな」コリコリ
鈴「アンタ相当肩凝ってるわね」
一夏「周りに元気なやつが多いからなあ。あっちこっち引っ張りまわされるし」
鈴「一夏の都合も考えてほしいわね!」
一夏「お前もだろ」
鈴「あれ、そうだっけ?」タハハ
4:
◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 01:37:27.57
ID:9KVo4kYAO
一夏「それにしても、鈴は肩もみうまいな。かなり気持ちいいぞ」
鈴「ふふん、でしょ?」
一夏「こんな特技があるとは知らなかった」
鈴「アタシは大抵のことは器用にこなすから」
鈴「……それに、昔はこうして、お父さんの肩をよく揉んであげてたしね」
一夏「……鈴」
一夏「えっと、あれだ。こんなこと言うのは変だけど」
一夏「俺の肩なら、いつでも貸してやるから」
鈴「………ありがと」フフッ
鈴「でも今日はもう飽きたからいいや」
一夏「おいっ、もう終わりかよ!」
鈴「冗談よ、冗談! 今日のアタシは機嫌がいいの」
5:
◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 01:40:32.23
ID:9KVo4kYAO
鈴「………」モミモミ
一夏「あー、もうちょっと下」
鈴「ここ?」
一夏「あ、そこそこ。はあ~、生き返る~」
鈴「ぷっ、アンタ相変わらずジジくさいわね」
一夏「そうか?」
鈴「そうよ」
鈴「………」
鈴「一夏ってさ。あんまり大きいほうじゃないけど……やっぱり、男の人の背中してるんだ」
鈴「昔とは、違うっていうか」
一夏「男の背中ってやつか?」
鈴「かもね」
一夏「そうか。俺もちょっとはかっこよくなってきたかな」ハハ
鈴「……もう十分かっこいいわよ」ボソッ
一夏「え?」
鈴「なんでもない」
鈴「もっとかっこよくなりなさいって言ったのよ」パンッ
一夏「はは、そうだな。頑張るよ」
6:
◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 01:43:25.11
ID:9KVo4kYAO
別の日
鈴「いちかー、いちかー」ニッコリ
一夏「なんだその笑顔は気持ち悪い」
鈴「アンタお腹空いてない? てか空いてるわよね。お菓子食べたい気分よねっ」
鈴「しょうがないわねーアタシがキャンディーを恵んであげるわ!」
一夏「なにひとつ俺の意思が尊重されていないぞ」
鈴「はいどうぞ! ビターな味の一風変わったキャンディーよ」ドサッ
一夏「しかも袋ごとかよ……お前、また変なお菓子買って口に合わなかったな?」
一夏「いっつも気まぐれでテキトーに買って、まずかったら俺に押しつけるんだからなあ」
鈴「い、いいじゃないのっ。一夏は多分こういう味好きだし!」
一夏「そうなのか? とりあえず一個食べてみるけど」パクッ
一夏「……お、確かにイケる」
鈴「でしょ? 結果オーライよ、結果オーライ」
7:
◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 01:45:21.66
ID:9KVo4kYAO
一夏「鈴は俺の味の好み、わりと当ててくるよな」
鈴「どーよ」←満足げ
一夏「とはいえ、いい加減こういう癖は直したほうがいいと思うけどな」
一夏「いつまでも俺が、すぐ押しつけられる近い場所にいるわけじゃないんだから」
鈴「………」
鈴「そうとは、限らないんじゃない?」
鈴「ひょっとしたら、大人になってもすっごい近くにいるかもしれないし……うん」
一夏「………」
一夏「そうだな。昔みたいにご近所さんってのも悪くないか」
鈴「………」
鈴「にぶちん」ハァ
8:
◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 01:47:29.04
ID:9KVo4kYAO
また別の日
鈴「いちかーいちかー」グッタリ
一夏「なんだー」グッタリ
鈴「あつううううい」
鈴「なんでこんなに暑いのよおおお」
一夏「真夏日に寮の冷房設備がぶっ壊れてるから」
鈴「天下のIS学園がなにやってんのよー」
一夏「んなこと言っても、何度も侵入者を許すような学園だぞ」
鈴「む、それもそうか……って、そこはどうでもいいのよ」
鈴「問題はこの暑さよ。なんとかしなさいよー」
一夏「そうだな……じゃあ」
弾「で、俺の家に涼みに来たと」
一夏「生き返るー」
鈴「弾、お茶ー」
一夏「俺も」
弾「へーへー。すっかりだらけきってやがるな……」
9:
◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 01:49:10.33
ID:9KVo4kYAO
ガチャ
弾「ほら、持ってきてやったぞ」
一夏「ぐー」
鈴「すぴー」
弾「………」
弾「仲良くくつろぎすぎだお前らっ!」
10:
◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 01:51:59.60
ID:9KVo4kYAO
またまた別の日
鈴「いちかー、いちかー」ムスッ
一夏「どうした、機嫌悪そうだけど」
鈴「アンタにとって箒はなに」
一夏「ファースト幼なじみ」
鈴「じゃあアタシは?」
一夏「セカンド幼なじみ」
鈴「それっ!」
一夏「うわっ」
鈴「それが気に食わない! なに、セカンドって! なんか最初から負けてるみたいじゃないのよ!」
一夏「負けるって?」
鈴「それは、その……とにかく、もっと他の呼び方にしなさいよね!」
11:
◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 01:54:20.35
ID:9KVo4kYAO
一夏「そうか。まあ、鈴がいやだって言うなら他のを考えた方がいいな」
鈴「うんうん」
一夏「でもどんなのがいいんだろう」
鈴「バディとか」
一夏「いつから俺達は相棒になったんだ」
鈴「い、いいじゃない別に」
一夏「シンプルに友達っていうのは」
鈴「なんでランクダウンしてるのよ! スペシャル感を出しなさいよね!」
一夏「注文が多いな……」
一夏「じゃあ、順番付けずに普通に幼なじみって言えばいいか」
鈴「えー、なんか手抜きしてる感じがするー」
一夏「めんどくさいなお前」
12:
◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 01:56:39.24
ID:9KVo4kYAO
一夏「うーん……じゃあとりあえず、オンリーワン的なアレでどうだ」
一夏「オンリーワン鈴音(ワンと凰をかけている)、なんちゃって」
鈴「………」
一夏(しまった、滑ったか)
鈴「オンリーワン……えへへ、許す!」ニコニコ
一夏「いいのか……」
鈴「うふふふ。オンリーワン、オンリーワン♪」ニヘラ
一夏(女の子の気持ちって難しいな)
14:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/20(日) 01:59:53.08 ID:qjq34k6Do
かわいい(かわいい)
18:
◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 12:34:47.47
ID:cmlpdB7QO
またまたまた別の日
鈴「いちかー、いちかー」ウキウキ
一夏「どうした、目をキラキラさせて」
鈴「………」ニコニコ
一夏「?」
鈴「今日のアタシ、どこか違うと思わない?」
一夏「……機嫌がよさそう」
鈴「そういうんじゃなくて、見た目の問題よ。ほらっ」
一夏「見た目?」
一夏「………」
一夏「髪切った?」
鈴「切ってない」
一夏「だよな……うーん」
19:
◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 12:37:51.46
ID:cmlpdB7QO
一夏「確かに、言われてみればどこか違うような……」
鈴「お化粧してるのよ、お化粧。クラスの子に教えてもらったの」
一夏「化粧……ああ、なるほど。でもあんまり変わってないような」
鈴「まあ、お試しってことで薄いメイクにしたから。でも気づかないのはさすがに鈍いわよ」
鈴「よく見れば絶対わかるわ」
一夏「そうか?」
鈴「そうよ! ほら、もっとよく見て!」
一夏「わかった」
一夏「うーむ」ジーーー
鈴「………」
一夏「………」ジーーー
鈴「………」
鈴「み、見すぎよバカ……は、恥ずかしいじゃない」カアァ
一夏「えぇ……」
20:
◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 12:40:29.32
ID:cmlpdB7QO
またまたまたまた別の日
鈴「いちかー、いちかー」
鈴「遊びに来たわ。ゲームでもやろ?」
一夏「ゲームか。なににする?」
鈴「そうね………ん?」
一夏「?」
鈴「この匂い……」クンクン
鈴「一夏。ラーメン食べてきた?」
一夏「ああ……すごいなお前。犬みたいな鼻だ」
鈴「ふふん、どーよ」フンス!
鈴「ついでに言えば、アンタが昨日からシャンプー変えたこともわかるわ」
一夏「おお、すげえ。当たりだ」
一夏「鈴って実は匂いフェチだったりするのか」
鈴「ち、違うわよ! 別に、誰の匂いもよくわかるとかじゃないし……」
一夏「でも俺の匂いはよくわかるんだな」
鈴「そうよ。だって……いつも気にしてるし……ごにょごにょ」
一夏「え?」
鈴「だ、だから。一夏のことが……す、す」
一夏「す?」
鈴「す………すき屋の牛丼食べたい気分」
一夏「ん? じゃあ今度食べに行こうぜ」
鈴「うん……約束」
鈴「はあ。アタシ自分の部屋に帰るわ」
一夏「あれ、ゲームは?」
鈴「そういう気分じゃなくなったー……」
一夏「そうか……」
21:
◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 12:42:57.77
ID:cmlpdB7QO
廊下
鈴「はあ……なんで素直に言えないのかな」
鈴「いちかー、いちかー。好きー……って、これだけのことなのに」
鈴「他のことならいくらでも図々しくできるのになあ」
一夏「図々しいって自覚はあったんだな」
鈴「そりゃ、結構わがままも言ってるし………って、一夏!?」
鈴「ア、アンタなんでここに」
一夏「暗い顔で急に帰られたら、こっちも気にするだろ」
鈴「ど、どこから聞いてた!?」
一夏「図々しいってところだけ」
鈴「ほっ……」
22:
◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 12:47:16.44
ID:cmlpdB7QO
一夏「なにかあったのなら、話してくれないか? 俺でよければ力になる……というか、なりたい」
鈴「……どうして?」
一夏「俺の幼なじみが元気ないと、こっちまで調子悪くなるからだ」
一夏「鈴はやかましくて図々しいくらいがちょうどいい」
鈴「な、なによその言い方………ふんっ」
一夏「悪い悪い、怒らせたか」
鈴「べ、べつに怒ってなんて……むしろ逆というか」
鈴「………」
鈴「ほんとに、図々しくしていいの?」
一夏「あんまりひどくなければな」
鈴「えへへ……アタシ、アンタのそういうとこ……ううん」
鈴(言うなら、もっとはっきり言わないと)
23:
◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 12:50:13.51
ID:cmlpdB7QO
鈴「いちかー、いちかー」
鈴「アタシの声、聞こえてる?」
一夏「どうした急に」
鈴「ちゃんと確認しておかないと、いつもみたいに聞き流されると思って」
一夏「はあ……? そんなに大事なことなのか」
鈴「うん、すっごくすっごく大事」
鈴「でもその前に、ひとつ聞きたいことがあるんだけど」
鈴「……アンタ、ウォーアイニーって言葉くらいは知ってるわよね?」
24:
◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 12:52:09.98
ID:cmlpdB7QO
………
……
…
25:
◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 12:54:43.59
ID:cmlpdB7QO
鈴「いちかー、いちかー」
一夏「………」
鈴「ちょっと、聞いてる?」
一夏「ああ、ごめん。懐かしい呼び方だったから、ちょっと昔を思い出してた」
鈴「ふふっ、たまにはいいでしょ?」
鈴「それとも、いつもみたいに『アナタ』って呼ぶほうが好み?」
一夏「……いや。どっちもどっちで良さがあるな」
鈴「そう。なら、今後は名前で呼ぶときも増やしてみようかな」
鈴「……べ、ベッドの時とか、ね?」テレテレ
一夏「自分で言っておいて恥ずかしくなるなよ」
鈴「う、うるさいっ」
鈴「ほら、そろそろ店開ける時間! しゃきしゃき準備する!」
一夏「はいはい、わかってるよ」
26:
◆C2VTzcV58A 2016/03/20(日) 12:56:57.12
ID:cmlpdB7QO
鈴「………」
一夏「鈴?」
鈴「やっと、自分のお店を持てたなぁって思って。これで少しは、お父さんとお母さんに近づけたかな」
一夏「……ああ。あとは、商売繁盛させれば完璧だ」
鈴「そうね」
鈴「じゃあ、今日も一日頑張るわよ!」
一夏「おうっ」
酢豚一皿500円END
30:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/20(日) 18:12:02.45 ID:ycok1rsWo
イイね!
31:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/22(火) 08:30:34.16 ID:u6Sm26C1o
またISのss書いて欲しい
乙
元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1458404985/
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