1:
◆rzOq/SCuAA 2015/04/01(水) 23:18:40.15
ID:FUZCKQg30
ジン「藪から棒に、いきなりどうした?」
ウォッカ「実は、昨日バーボンの奴が……」
~回想・組織のアジト・PCルーム~
安室『う~ん……』カチカチ…
ウォッカ『何やってんだ、バーボン? 随分深刻な顔して』
安室『いやぁ……バイトとして潜入している喫茶店で』
安室『4月4日から、オレンジデーにちなんだ期間限定メニューを出そうということになりましてね』
安室『どんなものが良いか、ネットで調べながら考えてたんです』
2:
◆rzOq/SCuAA 2015/04/01(水) 23:19:42.45
ID:FUZCKQg30
安室『ドリンク系は充実していますが、デザートの種類が少ない店なので』
安室『オレンジを使ったケーキが良いのでは……と思ったんですが』
安室『普段店にいるスタッフの数を考慮すると、作るのに手間暇がかかってしまうものは無理なので』
安室『どうしたものかと悩んでしまって……』
ウォッカ『へぇ……お前も大変だな』
安室『まぁ、仕方ないですよ。これも仕事の内ですし』ハハッ
安室『そういうことなので、何か良い案を思いついたら教えてくれませんか?』
ウォッカ『あぁ、分かった』
~回想終了~
3:
◆rzOq/SCuAA 2015/04/01(水) 23:20:17.50
ID:FUZCKQg30
ウォッカ「……って言ったものの、俺、実はオレンジデーって何なのか全く知りやせんで……」
ジン「チッ……それぐらい知っとかねぇか」
ウォッカ「はぁ……すいやせん」シューン
ジン「……まぁ良い、教えてやる」
ジン「オレンジデーってのは、4月14日に行われる恋人同士のイベントのことだ」
ジン「2月14日のバレンタインで告白し、3月14日のホワイトデーで返礼した後」
ジン「4月14日に、その愛を確かめ合うってやつでな」
ジン「オレンジや、オレンジ色のプレゼントを持って、恋人を訪問するんだ」
ウォッカ「へぇ~、そんな日があるなんて初耳ですぜ!」
4:
◆rzOq/SCuAA 2015/04/01(水) 23:21:15.49
ID:FUZCKQg30
ジン「元々は1994年に、ミカンの特産地である愛媛県の柑橘類生産農家が発案した日だから」
ジン「歴史は20年そこそこと、まだ浅いんだが」
ジン「バレンタインやホワイトデーに続く“第3の愛の記念日”にしようって企業が目を付けたのさ」
ウォッカ「……何か、そういう裏事情を聞くとテンション下がりやすね」
ジン「まぁそう言うな。オレンジデーが愛の記念日だって理由も、ちゃんとあるぞ」
ウォッカ「理由って、一体どんな?」
ジン「主な理由は二つだ」
ジン「一つ目は、オレンジの花言葉が『花嫁の喜び』ってことだ」
ジン「そして二つ目は、欧米ではオレンジが愛と豊穣のシンボルになっていることだな」
ジン「これはギリシャ神話で、ゼウスがヘラと結婚した時、オレンジの花を贈ったことに由来している」
5:
◆rzOq/SCuAA 2015/04/01(水) 23:22:41.15
ID:FUZCKQg30
ジン「ヘラは結婚の女神だからな」
ジン「彼女にあやかって、花嫁の頭をオレンジの花のコサージュで飾る風習もあるんだ」
ジン「つまり、欧米じゃオレンジは結婚と関係が深いものと考えられてるってわけさ」
ウォッカ「はぁ~……なるほど」
ウォッカ「欧米でそういう風習があるってことは、あっちでもオレンジデーをやるんですかい?」
ジン「いや、オレンジデーは日本と韓国しかやってない」
ウォッカ「へっ?」
ジン「日にちも違うぞ。日本では、さっき言った4月14日だが、韓国は11月14日だ」
ウォッカ「え……じゃあ、韓国の4月14日は何なんですかい?」
ジン「恋人がいない奴らが黒い服を着て、一人寂しく黒い色の食い物を食うブラックデーだ」
ウォッカ「うわぁ。俺、韓国人じゃなくて良かった……」
ジン「フン……話を本題に戻すぞ」
6:
◆rzOq/SCuAA 2015/04/01(水) 23:24:03.31
ID:FUZCKQg30
ジン「バーボンが悩んでるのは、バイト先で出す予定の期間限定メニューだったな?」
ウォッカ「へい」
ジン「できればデザートに食べられるケーキが良い、と」
ウォッカ「へ、へい……兄貴、何か良い考えでもあるんですかい?」
ジン「奴やバイト先の連中が気に入るかどうかは分からんが、一応な」
ウォッカ「一体どんなアイディアで?」
ジン「そんな凝ったもんじゃないが……オレンジのカップケーキなんてどうだ?」
ウォッカ「カップケーキ……ですかい」
ジン「あぁ。ケーキにも色々と種類はあるが、喫茶店の設備でも作れるやつじゃねーとな」
7:
◆rzOq/SCuAA 2015/04/01(水) 23:25:04.16
ID:FUZCKQg30
ジン「カップケーキなら、オーブンと型がいくつかありゃ十分だし」
ジン「盛りつけの手間も必要最小限で済む」
ウォッカ「なるほど。……でも、喫茶店で出すのには貧相だったりしませんかね?」
ジン「大丈夫だ。ケーキってのは、仕上げにちょっとした工夫をしてやれば華やかに見えるもんさ」
ウォッカ「はぁ……」
ジン「何なら作ってやろうか? 案外簡単だぞ」
ウォッカ「ほ、本当ですかい!?」
ジン「あぁ。材料を仕入れに行くぞ。付いてこい」
ウォッカ「へい、兄貴!」
8:
◆rzOq/SCuAA 2015/04/01(水) 23:26:06.45
ID:FUZCKQg30
――某イオン――
ガヤガヤワイワイ
ウォッカ「結構人が多いですね」
ジン「春は引っ越しやら入学やらで、物入りになる連中が多いからな」
ジン「さて。買い物の前に、こいつをチャージしとかねぇとな」ワオンッ!
ウォッカ「そういや、こないだの花見で随分使っちまいやしたからね。俺もチャージしとこ……」ワオンッ!
ジン「ウォッカ、まずは野菜・果物コーナーでオレンジを選ぶぞ」
ウォッカ「へい!」
9:
◆rzOq/SCuAA 2015/04/01(水) 23:27:26.66
ID:FUZCKQg30
―― 野菜・果物コーナー ――
ウォッカ「うわぁ~……たくさんオレンジが並んでますね。どれにしやすか?」
ジン「良いオレンジを見分けるには、皮をチェックするんだ」
ウォッカ「皮ですかい?」
ジン「あぁ。皮に張りがあり、表面が滑らかで油胞が小さいものを選ぶ」
ジン「それと、持った時にズッシリと重みがあり、少し抑えた時に皮が薄く感じるやつが良い」
ジン「皮が厚いのは果肉が少なく、果汁も少ないって証拠だ」
ウォッカ「なるほど。果物の選び方まで熟知してるなんて、さすがですぜ! 兄貴!」
ジン「フン……そうだな。この大きいやつを2つにするか」ポイポイ
ウォッカ「これ単体でも、十分美味そうですね」ゴク
ジン「気持ちは分かるが、今は我慢しろ」
ジン「次は製菓材料のコーナーへ行くぞ」
10:
◆rzOq/SCuAA 2015/04/01(水) 23:28:55.77
ID:FUZCKQg30
―― 製菓材料コーナー ――
ウォッカ「菓子作りに欠かせないものといえば、やっぱり砂糖ですね!」ガサ
ジン「いや、砂糖はまだストックがある。棚に戻せ」
ウォッカ「へ、へい……」
ジン「しかし粉類が全く無かったな。確か、こっちに……」スタスタ
ウォッカ「えっ……兄貴、そっちはホットケーキミックスの棚じゃないですか!」
ウォッカ「菓子作りには、こういう薄力粉を使うんじゃ……?」
ジン「……知らないのか? ホットケーキミックスでも十分美味いケーキは焼けるんだぞ」
ウォッカ「そ、そうなんですかい!?」ビックリ
11:
◆rzOq/SCuAA 2015/04/01(水) 23:29:54.78
ID:FUZCKQg30
ジン「あぁ。ホットケーキミックスってのはな」
ジン「小麦粉、ベーキングパウダー、砂糖、植物性油脂、香料なんかが、とてもバランス良く配合されてるんだ」
ジン「だから菓子作りの初心者でも、程良い甘さでフンワリしたケーキができるのさ」
ジン「それにこいつは、小麦粉よりサラサラしてるからダマになりにくく、卵や牛乳とも混ぜやすい」
ジン「他のパウダーと併せて使うとかじゃなきゃ、粉をふるう必要も無いから非常に楽だ」
ウォッカ「か……菓子作りにそんな裏技があったなんて、初めて知りやしたぜ!」
12:
◆rzOq/SCuAA 2015/04/01(水) 23:31:33.99
ID:FUZCKQg30
ウォッカ「あ、でも兄貴」
ジン「何だ?」
ウォッカ「ホットケーキミックスも、色んな種類が出てますよね」
ウォッカ「どれを使うのがベストなんですかい?」
ジン「市販されてるものは、主成分はほとんど同じだ。どれでも構わねーぞ」
ジン「と言っても、メーカーによって配合やフレーバー、後味なんかは微妙に違う」
ジン「色々試して、自分好みの奴を探すのもまた一興だ」
ウォッカ「なるほど……」
ジン「まぁ、今回は喫茶店で出すメニューだからな」
ジン「店の利益を考えると、材料費に金をかけるのはNGだ」
ジン「最もポピュラーで安価な、森永のやつを使うか」ヒョイ
13:
◆rzOq/SCuAA 2015/04/01(水) 23:32:32.92
ID:FUZCKQg30
ジン「それと、こいつも追加だ」スッ
ウォッカ「グランマルニエ……? 何ですか、こいつぁ?」
ジン「オレンジのリキュールだ。香り付けに使うやつさ」
ウォッカ「ブラウニーに塗るラム酒みたいなもんですね?」
ジン「あぁ。後は、卵とバターだな」
ジン「俺は卵コーナーに行くから、お前はバターを取ってきてくれ」
ウォッカ「へい!」
ジン「バターは無塩のやつだぞ、間違えるなよ」
ウォッカ「分かってます!」タタタ…
14:
◆rzOq/SCuAA 2015/04/01(水) 23:34:58.37
ID:FUZCKQg30
―― 卵コーナー ――
ジン(ほう、1000円以上買った奴は1パック10円セールをやってるのか。丁度良い)
ジン(粉やオレンジは安価だが、リキュールは値が張るものだからな……)ヒョイ
ジン(しかし、バターを入れても微妙に1000円に届かねぇかもしれん)ウーム
ジン(念のために、生クリームも買っておくか。飾り付けに使えるしな)ポイ
…タタタ
ウォッカ「兄貴、無塩バターありやしたぜ!」
ジン「よし、これで材料は全て揃った。会計に行くぞ」
ウォッカ「へい!」
歩美「ねぇ、お母さん。あの黒い服のおじさん達、どうしていつもここで買い物してるの?」
歩美母「シッ、見ちゃいけません!」
15:
◆rzOq/SCuAA 2015/04/01(水) 23:35:47.47
ID:FUZCKQg30
――レジ――
店員「お待たせしました、どうぞー♪」
ジン「買ったやつはコレに入れてくれ」スッ
店員「マイバッグ持参にご協力いただき、ありがとうございまーす♪」
ピッピッピッピッ…ピピッ
店員「合計で1187円でーす♪」
ジン「支払いはこいつだ」スッ
店員「はい♪」
ワオンッ!
店員「ありがとうございましたー♪」
ジン「帰ったら、早速作るぞ」
ウォッカ「了解です!」
ガコ……ウィィィィン
16:
◆rzOq/SCuAA 2015/04/01(水) 23:36:51.48
ID:FUZCKQg30
――組織のアジト・キッチン――
ジン「じゃあ、まず菓子作りの基本だ。材料を計る」
ウォッカ「へい!」
【オレンジのカップケーキ(4個分)】
ホットケーキミックス:150g
バター(又はマーガリン):80g
砂糖:60g
卵:2個
オレンジ:1個
グランマルニエ:適量
生クリーム:適量
オレンジのシロップ煮:適量
17:
◆rzOq/SCuAA 2015/04/01(水) 23:37:52.74
ID:FUZCKQg30
ウォッカ「全部計れましたぜ! ……でも兄貴」
ウォッカ「オレンジのシロップ煮がありませんけど?」
ジン「そいつは今から作る。お前の担当だ」
ウォッカ「お、俺がやるんですかい? 大丈夫かな……」
ジン「心配するな、簡単だ。手順は教えてやる」
ウォッカ「へ、へい」
ジン「まぁその前に、オーブンを180度25分に予熱しておけ」
ウォッカ「了解です!」ピッピッ
ピコ♪…ウィィィィン
ジン「よし。温まるまでの間に、生地とシロップ煮を作っちまうぞ」
18:
◆rzOq/SCuAA 2015/04/01(水) 23:39:01.43
ID:FUZCKQg30
ジン「ウォッカ。オレンジを一個、八等分した後で薄切りにしろ」
ウォッカ「へい!」トントントン…スッスッスッ
ジン「切り終わったら、鍋に水を100ml、砂糖を50g入れて、オレンジを弱火で煮詰めるんだ」
ウォッカ「水を100mlと……砂糖を50g、と」ジャー…サッサッ
ウォッカ「ここにオレンジを入れて……」ザラザラ
カチ、チチチ…ボッ
ジン「砂糖がたっぷり入ってるからな。焦がさないように気をつけろ」
ウォッカ「分かりやした!」コトコト
19:
◆rzOq/SCuAA 2015/04/01(水) 23:41:08.31
ID:FUZCKQg30
ジン「さて……次は生地だな」
ジン「まずはオレンジを半分に切って」ストン
ジン「レモン絞り器で果汁をしっかり搾る」ギュウギュウギュウ
ジン「下にカップが付いてるタイプの奴を使うと、果汁を無駄にしなくて済むぞ」
ウォッカ「おぉ~、オレンジの香りがすげぇですぜ」
ジン「残った皮は、おろし金ですり下ろす」シャリシャリシャリシャリ
ジン「次に、室温に戻しておいたバターと砂糖をクリーム状になるまで練り」シャカシャカシャカ
ジン「卵を加えてよーく混ぜる」
ジン「そこへホットケーキミックス、すり下ろしたオレンジの皮と果汁を加え、更に混ぜる」カシャカシャカシャ
20:
◆rzOq/SCuAA 2015/04/01(水) 23:42:13.62
ID:FUZCKQg30
ピロリロリロリーン、ピロロローン♪
ウォッカ「兄貴、予熱が終わりやしたぜ!」
ジン「フン、丁度良い」
ジン「あとは生地をカップケーキの型に均等に流し入れ……」トローリ
ジン「180度のオーブンで、20~25分焼き上げる」ガチャ、バタン!
ピコ♪……ウィィィィン
21:
◆rzOq/SCuAA 2015/04/01(水) 23:43:22.89
ID:FUZCKQg30
ジン「ウォッカ、そっちはどうだ?」
ウォッカ「良い具合になってますぜ! もう火を止めても大丈夫ですかい?」
ジン「いや……まだだ。お前はそのままオレンジの様子を見てろ」
ジン「俺は焼き上がるのを待つ間に、洗い物を済ませちまう」
ウォッカ「へい!」コトコト
ザー…ゴシゴシ
キュッキュッ
ジン「まだ時間が余っちまったか。……おっと、生クリームの用意をしねぇとな」カシャカシャカシャ
ウォッカ(何度見ても、兄貴ってすげー手際良い……)
22:
◆rzOq/SCuAA 2015/04/01(水) 23:44:33.06
ID:FUZCKQg30
ピロリロリロリーン♪
ウォッカ「お、焼けましたね!」
ジン「良いタイミングだ。そっちも火を止めろ」
ウォッカ「へい!」カチ
ジン「オーブンから焼き上がったケーキを出して……と」ガチャ
ジン「ウォッカ。竹串を刺して、生地に火が通っているか確認しろ」
ウォッカ「分かりやした!」
23:
◆rzOq/SCuAA 2015/04/01(水) 23:45:42.34
ID:FUZCKQg30
プス…ソーッ
ウォッカ「大丈夫ですぜ、兄貴!」
ジン「よし。熱いうちに、表面にグランマルニエを塗っておき」サッサッ
ジン「粗熱が取れたら、しっかり泡立てた生クリームをしぼって」ギュー
ジン「オレンジのシロップ煮を2~3切れ、こうやって乗せれば……」チョイチョイ
ジン「完成だ」
ウォッカ「おぉぉ~! 美味そう!」
ジン「どうだ? これなら喫茶店で出しても遜色ねぇだろ?」
ウォッカ「へい!」
24:
◆rzOq/SCuAA 2015/04/01(水) 23:46:46.75
ID:FUZCKQg30
ジン「コーヒーの用意もできてるぞ。試食タイムだ」
ウォッカ「じゃあ遠慮無く……いただきま~す!」パク…モグモグモグ
ウォッカ「……すげー美味いですぜ! まるで専門のケーキ屋で買ってきたみてぇです!」
ジン「フン。俺の手にかかれば、ザッとこんなもんだ」
モグモグモグ…ゴクン!
ウォッカ「ごちそうさまです、兄貴!」
ジン「おぅ」
ウォッカ「食べた後の片付けは、俺がやりますぜ!」
ジン「いや。それはいいから、お前はバーボンにこいつのレシピを教えてやれ」
ジン「くれぐれも、俺が提案したことは言うなよ」
ウォッカ「へい!」
タタタ…
ジン(フッ……世話の焼ける奴らだ)
ジャー…ゴシゴシ、キュッキュッ
25:
◆rzOq/SCuAA 2015/04/01(水) 23:47:59.57
ID:FUZCKQg30
――二週間後・組織のアジト――
安室「こんにちは」
ジン「よう、バーボン」
ウォッカ「こないだ教えたケーキ、バイト先での評判はどうだった?」
安室「もう大好評でして、店は連日お客さんでいっぱいです。マスターもすごく喜んでますよ」
安室「女性客を中心に、『こんな美味しいケーキが期間限定なんて勿体ない』という声が相次いでいて」
安室「来週から、お店の看板デザートとしてレギュラーメニューにするんです」
ジン「ほう」
ウォッカ「そいつぁ良かったじゃねーか」
26:
◆rzOq/SCuAA 2015/04/01(水) 23:49:15.92
ID:FUZCKQg30
安室「二人も、今度店に来て下さいよ。レシピを教えてくれたお礼がしたいですし」
ジン「……悪いが、俺は任務が入っちまってな。明日からしばらく北海道に行く」
ウォッカ「俺も兄貴についてくから。……済まねぇな、バーボン」
安室「そうですか……じゃあそれが終わったら、飲みに行きましょうよ」
安室「もちろん、僕の奢りでね。今回の件で、マスターから臨時ボーナスが出たんです」
ジン「……都合が付いたらな」フン
安室「約束ですよ」クスッ
27:
◆rzOq/SCuAA 2015/04/01(水) 23:50:55.18
ID:FUZCKQg30
ベルモット「あらぁ~、良いこと聞いちゃったぁ♪」ムギュゥ
安室「うわぁっ!? ……ベルモット、急に抱き付くのはやめて下さい!」
ジン「テメェ、どっから湧いて出やがった」
ベルモット「何よぉ、人を虫みたいに」ムッ
ウォッカ「ベルモットの姉御。その手に持ってる、ガイドブックみてぇなのは……?」
ベルモット「あぁ、コレ? 錦座でやってる、オレンジデー限定メニューの食べ歩き特集よ♪」
ウォッカ「た、食べ歩き?」
28:
◆rzOq/SCuAA 2015/04/01(水) 23:52:13.81
ID:FUZCKQg30
ベルモット「私、今月ちょっと買い物し過ぎちゃってねぇ。お財布がピンチなの!」
ベルモット「バーボン。貴方、お金に余裕あるんでしょ? 援助してくれない?」ウフ♪
安室「え、援助って……」
ベルモット「まぁ貴方に拒否権は無いけどね♪ 行くわよ、バーボン!」グイッ
安室「ちょっ……離して下さい! 僕、まだ仕事が残ってるんです!!」
ベルモット「そんなの後回しで良いじゃない♪ 一緒に美味しいもの食べに行きましょ~♪」ルンルン
29:
◆rzOq/SCuAA 2015/04/01(水) 23:52:52.96
ID:FUZCKQg30
安室「急に言われたって無理ですよ! それに貴方、ダイエット中じゃなかったんですか!?」
ベルモット「それ、もうやめちゃったわ」
ベルモット「食べたい時に食べられない方がストレス溜まっちゃって、私には逆効果なんだもの」フゥ
安室「だからって、僕を巻き込むのは勘弁して下さい!」
ベルモット「まぁまぁ、良いじゃないの♪」
安室「良くな――――――いっ!!」
ズルズルズル……
30:
◆rzOq/SCuAA 2015/04/01(水) 23:54:20.92
ID:FUZCKQg30
ジン・ウォッカ「「……………………」」
ジン「……ウォッカ。北海道から戻ったら、バーボンのヤケ酒につきあってやるぞ」
ウォッカ「へい……」
【おわり】
以上、第3の書き手がお送りしました(こないだ花見ネタを書いた者です)
ここまでお読み頂きありがとうございます
※花見SS
ジン「ウオッカ、花見をするぞ」ウオッカ「へい、兄貴!」
31:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/01(水) 23:55:38.85 ID:PbKs3adJ0
乙
相変わらずの白の組織だ
32:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/02(木) 00:56:42.22 ID:jkPRSh4Yo
乙!
このシリーズ初めて読んだけど面白かったよ
34:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/02(木) 01:05:41.79 ID:n8lLnfmAO
手際よく料理が出来る人って、男女問わず格好いいよなぁ
すごく好きだ、シリーズ続いてくれたら嬉しいな
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