苗木「霧切さんと仲良くなろう」

2013-09-17 (火) 18:01  ダンガンロンパSS   4コメント  
1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/13(金) 20:40:22.81 ID:RsCVLS3hP

【玄関ホール】


霧切「……私の顔に何かついてるかしら? 自己紹介はもう終わったじゃない」

苗木「えっ、あ、うん。ごめん」


目の前には銀髪のクールな女の子。名前は霧切響子さんっていうらしい。
どんな才能があるかは不明。とにかく分かったことは――――。


ボクが彼女に一目惚れしてしまった事くらいだ。


霧切「だから、いつまで見ているの?」ジト

苗木「うっ、い、いや……その、綺麗な髪だなぁって……」

霧切「そう、ありがとう」

苗木「…………」

霧切「…………」


どこまでもクールな人だなぁ。


eval.gifダンガンロンパ霧切 1 (星海社FICTIONS キ 1-1)





2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/13(金) 20:40:57.65 ID:gVNZ0b9E0

そうだなぁ



6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/13(金) 20:46:12.22 ID:RsCVLS3hP

 

【苗木の部屋】


苗木「…………はぁ」


重い溜息が溢れる。
あの後体育館で聞いたコロシアイ学園生活とかいうふざけたもの。
そして学園長を名乗るモノクマ。


苗木「……いつまでも部屋に居てもしかたないか」


ガチャ


廊下に出たボクの目に写ったのは、


苗木「霧切さん」ドキッ

霧切「……なに?」

苗木「え、いや、特に用があるわけでも……」

霧切「そう。じゃあね」



7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/13(金) 20:49:43.17 ID:RsCVLS3hP

苗木「あ、待って!」

霧切「なに?」ジト


その明らかに迷惑そうな目に少し押される。
でも、ここで負けたらダメだ。

この状況だからこそ、お互いの事はよく知っておく必要があるはずだ。
…………他の理由も多分にあるわけだけど。


苗木「えーと、少し話さない? 食堂でお茶でも飲みながらさ」

霧切「…………」

苗木「……ダメ?」

霧切「はぁ……いいわ。私もちょうど休憩しようと思っていたところだったから」



17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/13(金) 20:55:02.55 ID:RsCVLS3hP

 

【食堂】


苗木「休憩って言ってたけど、何かしてたの?」

霧切「この学園を調べていたのよ。あなたも、一生ここで過ごすつもりではないでしょ?」

苗木「も、もちろんだよ!」

霧切「調べられそうな事は少しでも調べる。その努力は怠るべきではないわ」


やっぱりこの人は凄いなぁ。
こんな状況でも冷静に動いている。


苗木「それで、何か分かった?」

霧切「最初にみんなで調べた事以上はそれほど……でも、音が聞こえたわね」

苗木「音?」

霧切「えぇ、あれは外から…………おそらく銃声」

苗木「銃声!?」



19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/13(金) 21:00:49.02 ID:RsCVLS3hP

霧切「もしかしてもう既に外に私達を助けに来ている人達がいるのかもしれないわね」

苗木「そんな……でも……!」

霧切「えぇ、私達はまだ閉じ込められたまま、つまり助けに来てくれた人達は……」

苗木「…………」


頭の中に凄惨な光景が浮かんでくる。


苗木「……で、でも、よく銃声だって分かったね」

霧切「そうね……もしかしたら、私はその音を聞いたことがあるのかもしれない」

苗木「かもしれない?」

霧切「……もう行くわ。くれぐれも気を付けてね、苗木君」


何に、とは聞けなかった。



21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/13(金) 21:06:51.86 ID:RsCVLS3hP

 

【次の日】


苗木「霧切さん、こんにちは!」

霧切「苗木君……また会ったわね」

苗木「うん。今時間空いてるかな?」

霧切「何か用?」

苗木「体育館でバスケでもしない? たまには体動かした方がいいって朝日奈さんがさ!」ニコ

霧切「バスケって…………いいわ、体が鈍って困るのは事実だし」


よし、意外とすんなり乗ってくれたぞ!


霧切「モノクマ、ジャージとかないのかしら?」

モノクマ「へいへい、特別に出してあげるよ」

苗木「…………」

霧切「なに? もしかしてスカートのままを期待してた?」ジト

苗木「そ、そんな事ないって!」アセアセ



23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/13(金) 21:12:46.70 ID:wT+l6H9H0

霧切さん最近発表されたボツ企画でバスケしてたね



24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/13(金) 21:13:00.25 ID:RsCVLS3hP

 

【体育館】


ダンダン……!!


霧切「苗木君、いくら何でも手応え無さ過ぎよ」

苗木「そ、そんな……事言っても……!」ゼイゼイ


とりあえず1on1をしてみるけど、全然勝てない。
予想外だ、霧切さんがこんなに運動神経がいいなんて。


苗木「霧切さんは……もしかして運動する人なの……?」

霧切「さぁ……別にこのくらいは普通だと思うけど。そもそも苗木君相手だと身長差もあるから……」

苗木「…………」ズーン

霧切「少し休憩する?」

苗木「う、うん……」



26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/13(金) 21:18:43.59 ID:RsCVLS3hP

霧切「はい、お水」スッ

苗木「ありがとう……ん?」

霧切「なに?」

苗木「あ、いや、何でもない……」ゴクゴク


これってさっきまで霧切さんが飲んでたものだよね。
つまり、これって…………。


霧切「まさか間接キスとか気にしているのかしら?」

苗木「ぶっ!!! ごほっ、ごほっ!!!」

霧切「……苗木君、そんなものを気にするのは小学生までよ」ハァ

苗木「え、そ、そういうものなの!?」

霧切「そうよ」


……いやいや。
女子高生はそういうの気にすると思うけど……。



28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/13(金) 21:26:00.57 ID:RsCVLS3hP

霧切「その分だと、もしかして苗木君は舞園さんが使っていたスプーンとかをコッソリ舐めていたりするのかしら」

苗木「し、しないって!! ていうか何で舞園さん!?」

霧切「あなたと一番親しい異性だからよ」

苗木「あー、舞園さんは中学が同じで……」


……あれ?
もしかして霧切さん、ボクが他の女の子と仲良くしてるのを気にしてる?

それってまさか…………。


苗木「ね、ねぇ、霧切さん。どうしてボクと舞園さんが親しいって分かったの?」

霧切「ずっと見ていれば分かるわよ」

苗木「ず、ずっと見てた!? ど、どうして!?」ドキドキ

霧切「どうしてって………当たり前じゃない」


え、展開早くない?
ボクまだ全然アプローチも出来てたつもりないんだけど……!



32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/13(金) 21:32:35.39 ID:RsCVLS3hP

 

霧切「こういう状況で人間観察は基本よ」ドヤァァァ


…………え?


苗木「に、人間観察?」

霧切「えぇ、常に周りの人達に注意を向けて僅かな変化も見逃さないようにしているの」

苗木「……ソ、ソウナンダ」

霧切「例えば、腐川さんは十神君の事が気になっているみたいだし、不二咲さんは女子が苦手みたい」

苗木「本当!? すごい、そんな事分かっちゃうんだ!」

霧切「このくらいは少し見ていればすぐ分かるわ」


え、いや、待てよ。
という事は、もしかして…………。


苗木「ね、ねぇ、霧切さん。それはつまりボクの事も大体分かっている……とか?」

霧切「当たり前よ。そうね、あなたは…………」

苗木「あ、ちょっと待って!」アセアセ



35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/13(金) 21:35:47.39 ID:RsCVLS3hP

 

霧切「舞園さんが好き。そうでしょう?」ドヤァァァ


苗木「…………いや違うけど」

霧切「ふふ、恥ずかしがらなくてもいいわ。彼女には言わないでおいてあげるから」

苗木「……あー、うん。もういいやそれで」


なんか、微妙な所で抜けているみたいだ。
まぁ、ここで知られるっての恥ずかしかったし、これで良かったのかな……?



38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/13(金) 21:41:13.70 ID:RsCVLS3hP

 

【次の日 体育館】


モノクマ「はい、モノクマファイル! オマエラ、頑張って捜査しろよ!」

苗木「おいふざけるなよ! 捜査も何もお前が舞園さんを殺したんだろ!! それに、江ノ島さんだって!!」

モノクマ「ん、あー、お姉……ごほん、江ノ島さんを殺したのは確かにボクだけど、舞園さんは違うってば」

苗木「そんなもの信じられるはずがないだろ!!!」


セレス「……おや、これは面白いですわね」


セレスさんのその言葉に、みんなの視線が彼女に集中した。



39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/13(金) 21:44:10.86 ID:XTR7qdWG0

oh…
舞園さん…



40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/13(金) 21:46:51.67 ID:RsCVLS3hP

 

セレス「ふふ、このモノクマファイルを見てください。事件現場は苗木君の個室、となっていますわ」


一斉にみんなの視線がボクに移った。
その目は明らかにボクを疑っていた。


苗木「ボ、ボクが殺したって思ってるの……?」

十神「何かおかしいか?」

苗木「ちっ、違うんだよ!! ボクは昨日の夜、舞園さんと部屋を交換していたんだ!!!」

腐川「そんなもの誰が信じるっていうのよ……」

桑田「なんだ、苗木で決まりじゃねえか!」

苗木「違う!! 違うんだ!!」



42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/13(金) 21:52:49.49 ID:RsCVLS3hP

 

そんなボクの言葉には耳を傾けずに、みんなはそれぞれ歩き去ってしまう。


霧切「ただ喚いているだけでは事態は好転しないわ」

苗木「霧切さん……キミも……ボクを疑ってるの?」

霧切「えぇ、もちろん」

苗木「そう……だよね。どう見ても一番怪しいのはボクだ」

霧切「ただ、私はあなただけを疑っているわけではないわ。自分以外全員を怪しいと思ってる」

苗木「えっ?」

霧切「無実を証明したければその努力をするべきよ。殺された彼女の為にも、ね」

苗木「霧切さん…………うん、分かった」


そうだ、いつまでもこうしているわけにはいかない。
霧切さんは、それを気付かせてくれた。

これも少しはボクの事を思ってくれたから、なのかな。



45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/13(金) 21:58:33.18 ID:RsCVLS3hP

 

【裁判後 苗木の部屋】


舞園さんが殺された学級裁判を切り抜けて、部屋に戻ってきた。

その真実はとても苦しいものだった。今でも心の底から信じる事ができない。

でも、そんな時に霧切さんが訪ねてきてくれた。
舞園さんは最後の瞬間、ボクの事を思ってダイイングメッセージを残したんだ……と。


霧切「そういえば、なぜ私が舞園さんの話をするって分かったの?」

苗木「エスパーだから」

霧切「えっ……」

苗木「冗談、ただの勘だよ」

霧切「……そう」


霧切さんのその表情は、少しだけ悲しそうなものだった。



48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/13(金) 22:05:37.51 ID:RsCVLS3hP

苗木「霧切さんの方も、どうしてわざわざ来てくれたの?」

霧切「……あなたは有能な人だから」

苗木「有能? ボクが?」

霧切「えぇ、自分が犯人にされかかっているのに、あれだけ前向きでいられる人は中々いないわ」

苗木「それは……霧切さんが声をかけてくれたお陰だよ」

霧切「それにしても、よ。この極限化で、その精神力は凄いと思う」

苗木「……あ、ありがとう」


なんだか霧切さんにここまで褒められるのは照れる。


霧切「それに、あなたは敵を見誤らない」

苗木「うん。そんなのは簡単だよ。悪いのはどう考えてもモノクマなんだから」



51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/13(金) 22:15:38.46 ID:RsCVLS3hP

霧切「それも簡単のようで難しい事よ。推理の方もまぁまぁだったし」

苗木「あ、あはは……まぁまぁ……ね」

霧切「でも、ここに来た理由ってその程度なのよ」

苗木「えっ?」

霧切「モノクマと戦うのに、あなたは必要な人だと判断した。だから私はここに来た」

苗木「…………」

霧切「私に変な幻想を抱かないでね。私は常に計算して動いているだけよ」


霧切さんは真っ直ぐこちらを見つめる。
だから、ボクもその目を正面から受けて、


苗木「それでも、ボクはありがたいと思ってるよ。霧切さんが何を考えていたとしても、それは変わらないよ」



54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/13(金) 22:20:24.67 ID:RsCVLS3hP

 

霧切「…………」


霧切さんは少しキョトンとした表情を浮かべて、


霧切「……ふふ、苗木君らしいわね」


そう、僅かに笑みをこぼした。


【次の日 苗木の部屋】


どうやら裁判が一つ終わる事で次第に学園が開放される仕組みらしい。
今回は校舎2階が開放されて、図書館とプールに行けるようになった。


つまり、やることは一つ。


苗木「霧切さんをプールに誘う!!」



58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/13(金) 22:26:13.68 ID:RsCVLS3hP

 

霧切さんの水着姿……それを見たくないなんて事があるだろうか。いや、ない。
それにプラスして、昨日みたいな笑顔なんかも見せてくれれば……うん、最高だ!!


そんな絶対的な希望を胸に抱いて、ボクは部屋を出る。


ガチャ


苗木「あ」

霧切「苗木君…………ってどうしたの気持ち悪い顔して」

苗木「き、気持ち悪い!?」

霧切「えぇ、とても」


情け容赦ない言葉のナイフでメッタ刺しにされる。
今度、セレスさんにポーカーフェイスを習おう……。



59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/13(金) 22:30:49.36 ID:RsCVLS3hP

でも、ここで怯む訳にはいかない!!
 

苗木「あのさ、霧切さん!!!」

霧切「な、なに?」

苗木「プール行こう!!」

霧切「…………え?」

苗木「プール行こう!!」

霧切「いや、聞き取れなかったわけじゃなくて」

苗木「プール行こう!!」

霧切「苗木君、悪いのだけど少し黙ってくれるかしら」

苗木「ごめんなさい」


しまった、少し強引過ぎたみたいだ。
でも、仕方ないじゃないか、霧切さんの水着姿が見たいんだから!!



61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/13(金) 22:36:35.52 ID:RsCVLS3hP

 
霧切「まず、理由を言ってくれるかしら?」

苗木「り、理由? えっと……」


考えろ。
たぶんここでバカ正直に「霧切さんの水着姿が見たいから!」なんて言ったら絶対来てくれない。


苗木「ロジカルダイブ!!」

霧切「はい?」


Q 霧切さんの水着姿が見たいか?


A1 見たい
A2 凄く見たい
A3 もの凄く見たい


苗木「もの凄く見たい!!!」

霧切「何を言ってるの?」



64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/13(金) 22:42:30.72 ID:RsCVLS3hP

 

Q 霧切さんにどんな水着を着てほしい?


A1 スク水
A2 ビキニ
A3 全裸


苗木「ぐっ……!!」

霧切「ど、どうしたの?」

苗木「ごめん、ちょっと難問が……!!!」

霧切「??」


ダメだ、3つ目は明らかに地雷だ!
それなら残りはスク水orビキニ…………よし!!


苗木「そうか、分かったぞ!! スク水だ!!!」

霧切「…………」



67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/13(金) 22:47:19.95 ID:2fgbODdb0

原作のもスク水結構いいよな
http://www.amazon.co.jp/dp/4862012485/




69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/13(金) 22:51:50.01 ID:RsCVLS3hP

 

Q 霧切さんの胸囲は?


A1 80
A2 82
A3 83


苗木「82センチだ!!! 貧乳なんかじゃない!!!」

霧切「…………」


――――推理は繋がった!!


もの凄く見たい
スク水
82


苗木「霧切さん!!! …………あれ?」


いつの間にか霧切さんはさっさと歩いてしまっていた。


苗木「ちょ、ちょっと待って霧切さん!!」



71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/13(金) 22:56:22.52 ID:RsCVLS3hP

 
霧切「あなたの言いたい事は分かったわ。私の水着姿が見たい、そういう事ね?」

苗木「うん!!!!!」

霧切「じゃあさっさと行きましょう」

苗木「え、いいの!?」

霧切「いいわよ、水着見られるくらい。それで欲求不満になって思考に影響が出るよりマシよ」


やった!! 上手くいったぞ!!


霧切「あと」ジロ

苗木「ん?」

霧切「言っておくけど、私は胸の大きさとか全く気にしてないから」

苗木「……朝日奈さんに聞けば何かごめんなさい何でもないです」


霧切さんの怖い目を見てすぐに黙った。



73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/13(金) 23:01:07.18 ID:RsCVLS3hP

 

【プール】


ザバッ


霧切「苗木君、いくら何でも見過ぎだと思うわ」

苗木「あ、ご、ごめん」


霧切さんのスク水姿は凄まじい破壊力だった。
驚く程白い肌にスラッと伸びる美脚。

そのせいでボクは前屈みにならなければいけなかった。


霧切「…………」ジー

苗木「ど、どうしたの?」

霧切「苗木君、あなた勃起しているわね」

苗木「ぼっ!?」



74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/13(金) 23:03:46.00 ID:XTR7qdWG0

霧切さん直球過ぎwww



75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/13(金) 23:08:30.98 ID:RsCVLS3hP

霧切「さっきから前屈みになっていて、私の事を見ている。そこからすぐ分かる事よ」ドヤァァァ

苗木「わ、分かっても言わないでよ!」

霧切「曖昧なままで放置しておくのは嫌いなのよ」

苗木「……ごめん、見苦しいよね」

霧切「そこまで気にしなくてもいいわ。生理現象なのだから仕方ないし」

苗木「やっぱり……霧切さんっていつも冷静だね」

霧切「そうかしら」

苗木「そうだよ。普通男子が勃起してるのを知ったら女子は叫び声あげて引っ叩いてくるか、どっか逃げちゃうよ」

霧切「苗木君は引っ叩いてほしいの?」

苗木「そうじゃないってば!!」

霧切「じゃあいいじゃない。私もわざわざ水着に着替えたのに、泳がずに出たくないし」


霧切さんはどこまでもクールだ。
ボクが今ここで水着を脱いでも大して反応しないんじゃないか。

いや、やらないけども。



78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/13(金) 23:15:38.45 ID:RsCVLS3hP

 

それからボク達はしばらく泳いだ。

結局、泳ぎでも霧切さんには敵わなかった。
なんかもう当たり前のように感じ始めているのが悲しい。

今はプールサイドに腰掛けて休憩中だ。


霧切「苗木君、気にすることはないわ。人には得手不得手があるものよ」

苗木「……ボクが霧切さんに勝ってる所って何かな?」

霧切「…………」

苗木「…………」

霧切「このプール、特に変わった仕掛けはなかったわね」


……話を変えられた。


苗木「それを調べてたの?」

霧切「えぇ、水辺なんかは事件にもよく使えるし」



81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/13(金) 23:22:51.34 ID:RsCVLS3hP

 
苗木「もしかしてまだ殺人が起こるって思ってる……?」

霧切「可能性の一つとして頭に入れてあるわ」

苗木「そっか……」


霧切さんのこの考えはきっと正しいんだろう。
ボクはそれに対して何も言うことができない。


霧切「もちろん、もう起きてほしくないのは私も同じよ。でも、だからといって目を閉じる事は良くないわ」

苗木「なんか……やっぱり霧切さんはいつでも隙がないっていう感じだね」

霧切「逆にあなたは隙だらけよ。もう少し警戒心を強くした方がいいわ」

苗木「そ、そうかな?」

霧切「えぇ、そうよ。なぜなら、素性が分からない私にここまで構ってくるくらいだし」

苗木「そんな、ボクは霧切さんを疑ってなんか……!!」

霧切「事実、皆の中で一番素性が分かっていないのは私よ。普通は警戒すべき相手のはず」

苗木「そんなことは……」

霧切「それじゃあ聞くけど、どうして私の事を信じられるのかしら?」



84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/13(金) 23:30:54.25 ID:RsCVLS3hP

苗木「……霧切さんには助けられてばかりだ。疑うはずないよ」

霧切「弱いわね。そうやって恩を売る為……とは思わないの?」

苗木「思わないよ」

霧切「随分ハッキリ言い切るわね。またエスパー?」

苗木「目を見れば分かる」

霧切「……そんな曖昧な」

苗木「声を聞けば分かる」

霧切「苗木君、あなたは超高校級の心理学者なのかしら?」

苗木「そんなんじゃないよ。ただ、ボクがそう思っているだけ」

霧切「あくまで自分の感覚を信じる…………っていう事ね。それならもう何も言わないけど、後で痛い目みても知らないわよ」

苗木「うん……自分で決めた事だから、それがどんな結果に繋がっても受け止めるよ」



105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 00:23:13.51 ID:8zPy/pqfP

 
霧切「……そう。後で痛い目見ても知らないわよ」

苗木「あ、あはは……まぁその時はその時で。そういえばさ、霧切さん」

霧切「なに?」

苗木「その手袋、プールでも外さないんだね。どうして?」

霧切「普段つけているものとは違うわよ。こっちはちゃんとした防水性完備」

苗木「言われてみてばピチピチに貼り付くタイプだね……どこにあったの?」

霧切「モノモノマシーンから出てきたわ。ほら、裁判の後メダルたくさんもらったから」

苗木「あぁ、なるほど。…………って何だか話逸らされたような気がするんだけど」

霧切「へぇ、ちゃんと気付いたのね。仕方ないわね、この手袋の下、だったかしら?」

苗木「うん、霧切さんっていつも手袋つけてるよね。何でかなって」

霧切「当ててみれば?」ニヤ


なぜか挑戦的な霧切さん。
といっても、こっちはそう簡単に思い浮かぶわけでもなく……。


苗木「……うーん、ファッション、っていうわけではないよなぁ」



109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 00:31:47.90 ID:8zPy/pqfP

 
霧切「あら、どうして?」

苗木「ぶっちゃけ、その防水用の手袋は明らかにダサいし」

霧切「……本当にぶっちゃけるのね」

苗木「あ、ごめっ、ちょっとダサいってだけで……!」アセアセ

霧切「いいわよ別に、同意見だし。それで?」

苗木「そうだな、他に考えられるとしたら…………素手を見られたくないから、とか」

霧切「ふぅん」ニヤ

苗木「見られたくない理由は…………傷?」

霧切「当たり。やるじゃない、苗木君のくせに」

苗木「え、当たったの!?」


自分でもあまり自信がなかっただけに、かなり驚いてしまう。
あまりにも出来すぎなので、霧切さんが話を合わせているだけなんじゃないかとも思ってしまう。


霧切「でも、当たったからって見せたりはしないわよ」

苗木「うん、霧切さんが見せたくないなら無理に見ようとは思わないって」



111:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 00:39:19.11 ID:8zPy/pqfP

 
霧切「そもそも、この下の傷はかなり酷いものよ。あなたも見たくはないでしょう」

苗木「ううん、見せてくれるなら見たいよ」

霧切「……苗木君ってスプラッター映画とかが好きなタイプ?」

苗木「いや、そういうわけじゃなくてさ。霧切さんの事は何でも知りたいっていうか……」

霧切「それってもしかして口説いてるのかしら?」

苗木「えっ!? あ、その……!!」アセアセ

霧切「ふふ、冗談よ。それじゃあ苗木君、この手袋の下と水着の下、どっちか見られるとしたらどっちを見たい?」

苗木「…………」

霧切「そこまで真剣な表情で考え込まれるとは思わなかったわ」


何という難しい二択だ。
手袋の下は見たい、水着の下だって当然見たい!!

でも、やっぱり…………。


苗木「手袋の下、かな」

霧切「……意外ね、変態な苗木君の事だから水着って言うと思ったけど」



116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 00:51:25.79 ID:8zPy/pqfP

 
苗木「へ、変態って……」

霧切「否定するのかしら?」

苗木「いや、うん、まぁその通りだけど」


こればかりは「それは違うよ!」とは言えない。


霧切「それで、苗木君はどうして水着の下よりも手袋の下が見たいの?」

苗木「そっちの方が……霧切さんの事を知ることができると思ったんだ。
    たぶんその傷って、ただ見た目が酷いからっていう理由だけで見せたくないわけじゃないんでしょ?」

霧切「…………変な所で鋭いわね。でも、見せないわよ」

苗木「うん、いいよ。いつか見せてもいいって思ってくれた時に、見せてほしいな」

霧切「この下はもう何年も人に見せていないわ。見ることになる人はきっと……」


霧切「私の家族になる人……かしらね」


苗木「じゃあ見せてよ」

霧切「そこでどうやって“じゃあ”に繋がるのか分からないのだけど」



118:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 00:55:35.49 ID:8zPy/pqfP

 

あれ……説明不足だったか。


苗木「霧切さん、結婚しよう。という事でその手袋の下見せて」

霧切「あの、私の意見は無視?」

苗木「あ、ごめん。結婚してくれませんか?」

霧切「嫌です」

苗木「…………」

霧切「…………」


フラれてしまった。
というか、気付いたらなんか告白まがいの事をさせられていた。恐るべし、霧切さん。


苗木「……どうしてもダメ?」

霧切「まず日本の法律的に私達は結婚できる歳ではないわ」

苗木「それもそっか……じゃあ婚約で」

霧切「それもイヤ」



120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 00:56:23.95 ID:2SaxbL7L0

苗木積極的だなwww



121:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 00:57:05.48 ID:V24VIP5P0

グイグイ来ますね



125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 01:04:32.59 ID:8zPy/pqfP

 
苗木「そ、そっか……」ズーン

霧切「……少し落ち込み過ぎじゃないかしら」

苗木「そりゃ落ち込むよ……プロポーズ断られたんだから……」

霧切「もしかして本気だったの?」

苗木「本気だったよ……」


この気持ちは誰が何と言おうと本物だ。
これはたとえ霧切さんでも、決して論破する事はできない。


霧切「えっと、私のどこがいいの? 自分で言うのも何だけど、決して人から好かれるような性格をしているとは思っていないわよ」

苗木「可愛い。頼もしい。カッコイイ。可愛い。優しい。頭いい。可愛い」

霧切「……可愛い三回言った」

苗木「大事なことだから」

霧切「…………」

苗木「…………」


あ、霧切さんの目が少し泳いでる。



128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 01:10:47.74 ID:8zPy/pqfP

 
霧切「私って……可愛いのかしら? 容姿の評価っていうのは基本的に相対的なものだからその辺りはよく分からないのだけど……」

苗木「可愛いよ。百人に聞いたら百人可愛いって言うよ」

霧切「そんなの信じられないわ」

苗木「じゃあボクが百回可愛いって言うよ」

霧切「それはちょっと違うんじゃないかしら……」

苗木「可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い」

霧切「やめて」


あ、今度は声が少し震えた。


霧切「……分かった。それじゃあ私は可愛いという事にしましょう」

苗木「うん、それが真理だよ」

霧切「でもあなたの言葉には一つ決定的に間違っている所があるわ」

苗木「えっ?」

霧切「“優しい”という所よ」

苗木「それは違うよ!」



134:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 01:19:51.37 ID:8zPy/pqfP

 
霧切「いいえ、違わないわ。私が優しかった時なんて一度もない」

苗木「どうしてそう言い切れるの?」

霧切「そういう風に振る舞った事がないからよ。そもそも、私の事を優しいなんて評する人が居るわけないじゃない」

苗木「ここに居るけど」

霧切「……どうしてそう思うのかしら」

苗木「ほら、ボクが舞園さんの事で落ち込んでいる時にわざわざ慰めに来てくれたし」

霧切「だからそれは、黒幕と戦う上で有利になるから……」

苗木「だからそれでも、だって。霧切さんがどういう考えでそうしたんだとしても、ボクにとってはやっぱり嬉しかった」

霧切「…………」


霧切さんは何かを言おうとしているみたいだけど、中々言葉が見つからないみたいだ。
こういう彼女の姿は珍しい。


苗木「それにさ、何だかんだ言ってこうやってボクにも付き合ってくれる。ボクにとって霧切さんは優しい人だよ」

霧切「……ごめんなさい苗木君。実を言うと、私そういう気持ちはよく分からないの」

苗木「うん、たぶんそんな所だと思った」



141:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 01:28:04.82 ID:8zPy/pqfP

 
霧切「どうせ私はそういう事と縁がないわよ」

苗木「いや、縁はあったはずだと思うけど……たぶん興味を向けなかっただけだよ」

霧切「向ける必要がないわ」

苗木「あー、うん。でもさ、それだと一生独身になるよ?」

霧切「…………今はそんな事考えなくてもいいわ」

苗木「あ、一生独身は嫌なんだ」


ボクのその言葉に、霧切さんはムッとした表情で、


霧切「そうよ、悪い?」

苗木「い、いや、悪くなんかないけど……それならさ、やっぱ高校の内に恋とか知っておいた方がいいんじゃない?」

霧切「なんか苗木君、駅前にたむろしてるナンパ男みたいな事言ってるわよ」

苗木「実体験?」

霧切「えぇ…………ってそれはいいじゃない。重要なのは、私はそんな人に騙されたりしないってことよ」

苗木「だ、騙すって……ボクはそんなつもりじゃ……」

霧切「どうせ上手いこと言えば物にできるとか思っていたのでしょう? そんなに甘くはないわよ」ドヤァァァ



147:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 01:40:03.55 ID:8zPy/pqfP

 
苗木「じゃあお友達からで」

霧切「いくら何でもフットワーク軽すぎるんじゃないかしら」ジト


何やら霧切さんは呆れた様子だ。
ボクはいたって大真面目なんだけどなぁ。

すると、急に彼女は少し遠い目をして、


霧切「……自分でも矛盾しているのは分かっているのよ」

苗木「えっ?」

霧切「この手袋の下の傷は、昔他人に情が移った結果判断を誤って負ったもの。その時から同じ過ちを犯さないと誓ったの」

苗木「…………」

霧切「でも、そもそも情がない人を人だと呼べるのかしらね。私も無意識の内に人との繋がりを求めているのかもしれない」


それが、手袋の意味。
もう二度と同じ過ちを犯さないという、決意の現れ。
だから、彼女は必要以上に他人に踏み込まない。


でも、彼女自身そこに疑問を感じている所もあるようだ。



149:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 01:46:51.07 ID:8zPy/pqfP

 
苗木「ありがとう霧切さん、話してくれて」

霧切「……なぜかしらね、言うつもりはなかったのに言ってしまったわ」

苗木「それはきっとボクの事が好きだからだよ」

霧切「とんでもなくポジティブね」

苗木「前向きだけが取り柄だからね」


霧切さんはクスクス笑っている。
やっぱり彼女の笑った顔は凄くいい。いつまでも見ていたくなる。

……でも、今は他に聞かなければいけないことがある。


苗木「霧切さん、水着の下の件なんだけど」

霧切「何の件かしら、見せないわよ。私にも人並みの羞恥心はあるの」

苗木「なんだ……あったんだ羞恥心……。平気で勃起とか言うからてっきり……」

霧切「そこまでガッカリされても反応に困るのだけど」

苗木「じゃあ水着の上からはガン見してもいいかな?」

霧切「……ご自由に」



157:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 01:53:30.57 ID:8zPy/pqfP

 
苗木「…………」ジー

霧切「…………」

苗木「…………」ジー

霧切「待って苗木君。目が血走ってる」

苗木「え、そう? ごめん、ちょっと理性を抑えるのが大変で」

霧切「もう出ましょう。身の危険を感じるわ」

苗木「あ、待ってよ!!」


ムニュ


慌てて伸ばした手の先。そこには霧切さんの柔らかい胸があった。
超高校級の幸運? いいえ、わざとです。


バチン!!!!! バッシャァァァァ!!!!!!


頬に衝撃、視界は無数の泡で染まる。
ボクは霧切さんに引っ叩かれてそのままプールに落ちた。



160:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 01:56:42.68 ID:V24VIP5P0

わざとかよワロタ



162:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 01:58:30.86 ID:8zPy/pqfP

 
苗木「ごほっ!! ごほっ!!!」

霧切「苗木君」

苗木「は、はい……」


霧切「次やったら二度と口利かないから」ギロ


苗木「すみませんでした」


素直に謝ることにした。本気で怖かったし。
霧切さんはふんっと鼻を鳴らすと、さっさと行ってしまう。

でも、そんな彼女の表情を何とか見てみると、


霧切「……///」


頬染め霧切さんマジヤバイ、鼻血出た。



168:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 02:05:05.73 ID:8zPy/pqfP

 

【次の日 食堂】


石丸「はっはっは、冗談はよしたまえ兄弟!」

大和田「へへっ、オメーこそ、兄弟!」

苗木「え、えっと……どうしたの二人共? そういえば昨日のサウナの勝負は?」

大和田「苗木……勝負の結果なんか関係ねえんだ」

石丸「あぁ、まったくもってその通り! ただお互い死力を尽くした、大切なのはそこなのだ!!」

朝日奈「わけがわからないよ」

セレス「分かりたくもありませんし」ハァ

大和田「はっ、女には分かんねえっての!」


どうしよう、ボクにも分からない。
……いや、待てよ。サウナ?


苗木「霧切さん!!」

霧切「嫌よ」



171:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 02:12:08.39 ID:8zPy/pqfP

 
苗木「まだ何も言ってないのに!!」

霧切「どうせ私とサウナに入りたいって言いたいのでしょ」

苗木「うん!!!」

霧切「だから嫌だって言ってるでしょ」

苗木「……さては霧切さん、ボクに負けるのが嫌なんだね?」

霧切「私がその挑発に乗るような人間だと思ったのかしら?」

苗木「ぐっ……持病の“霧切さんのハダカを見ないと死んでしまう病”が……!!!」

霧切「サウナ関係ないじゃない。思い切り私のハダカが見たいっていう欲望ダダ漏れじゃない」


くっ、これは強敵だ。流石ボクが惚れ込んだ女の子。
でも、諦めたりはしない。希望は前へ進むんだ!


苗木「霧切さん……サウナにはこの学園の謎を解き明かすヒントがある! ボクには分かるんだ!!」

霧切「もう私が調べたわよ」

苗木「霧切さんのハダカが見たいですお願いします」

霧切「ストレートに言ってもダメ」



173:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 02:16:29.61 ID:1abKgIlI0

やっぱ霧切さんは攻略される側の方が可愛いな



175:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 02:18:03.83 ID:8zPy/pqfP

 
苗木「責任とって結婚してあげるから!!」

霧切「それあなたにしかメリットないじゃない」

苗木「土下座するから!! 靴舐めるから!!」

霧切「必死過ぎて流石に引くのだけど」

苗木「…………」

霧切「…………」

苗木「ダメ?」

霧切「ダメ」


ダメだった。
世の中にはどうにもならない事があるらしい。


それと周りの人達が、ボクの事をまるで変態か何かのように見ているのが辛かった。



183:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 02:25:04.41 ID:8zPy/pqfP

 

【図書室】


お昼になって、ボクと霧切さんは図書室にやって来た。
そして、そこには先客が。


十神「おい読書の邪魔だぞ」

苗木「いやキミがデートの邪魔なんだけど」

霧切「ごめんなさい十神君。本だけ持ってすぐ出て行くわ」


なんだか霧切さんの反応が薄くて冷たい。
扱いに慣れられたという事なんだろうか。

そんな事を考えながら、本棚から色々出して見てみる。


苗木「……あ。ねぇ霧切さん、この辞書いかがわしい単語のページに折り目ついてる」

霧切「心の底からくだらない情報ありがとう」

苗木「こっちの推理小説には人の名前を丸で囲って“犯人”って書き込まれてる」

霧切「それは許せないわね本気で」



187:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 02:33:45.04 ID:8zPy/pqfP

 

そんな事を話しながら適当な本を持って外へ出る。
すると、そこにはコソコソ中の様子を伺っている腐川さんが居た。


苗木「あれ、どうしたの腐川さん?」

腐川「な、苗木……霧切……」

霧切「そんなに十神君の事が気になるのかしら?」


あ、そういえば前に腐川さんは十神君の事が気になっているって聞いた気がする。


腐川「そ、そうよ……悪い!?」

苗木「いや、悪くはないけど、くれぐれも本人に迷惑かけないようにね?」

霧切「…………」

腐川「迷惑なんかかけてないわよ……それよりどうかしらあたしと十神君! お似合いだと思う?」

苗木「うーん……ボクと霧切さん程じゃないけど、そこそこお似合いだとは思うよ」

腐川「本当!? ウソじゃないわよね!?」

霧切「いえ、ウソよ。私と苗木君の所とか」



190:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 02:41:23.57 ID:8zPy/pqfP

 

【食堂】


苗木「はい霧切さん、コーヒー」コト

霧切「ありがとう。睡眠薬とか入れてないわよね?」

苗木「その手があったか」

霧切「もうあなたから飲み物を受け取らない事にするわ」

苗木「じょ、冗談だって……!!」


図書室は十神クンが占拠しているので、こうしてボク達は食堂で本を読んでいる。
霧切さんは自室に戻りたがっていたけど、ボクが食い下がりまくって食堂で妥協してくれた。

第一希望は霧切さんの部屋だったんだけど。


霧切「…………」ペラ

苗木「…………」


辺りには霧切さんが本のページをめくる音だけが広がる。
会話はない。それでも、居心地が悪い空間ではなかった。



193:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 02:51:55.54 ID:8zPy/pqfP

 

霧切「……ねぇ、苗木君。そんなにじっと見られると気が散るのだけど」

苗木「あ、バレた?」

霧切「この本に興味があるのかしら?」

苗木「霧切さんに興味があるんだよ」

霧切「そう。とにかく、あまりじっと見ないで」


流された。
もう何か思いっきり面倒くさそうにあしらわれている。

それなら。


苗木「ん、霧切さん。頭に糸くずがついてるよ」

霧切「糸くず? どこ?」

苗木「そこじゃないそこじゃない。ちょっと待ってね」


そう言ってボクは霧切さんの背後に立つ。
そして彼女の頭から糸くず(ウソ)を取るふりをして、頭に顔を埋めて匂いを一心不乱に嗅いで嗅いで嗅ぎまくった。

オウ……スメルズライクヘヴン…………。



200:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 02:56:14.85 ID:8zPy/pqfP

 

バキッ!!!


鈍い衝撃が頭に広がり、本当に天国に逝きそうになる。


苗木「~~~~っ!!!!!」ズキズキ!!

霧切「 な に を し て い る の ? 」

苗木「い、いや、糸くずが……」

霧切「それでどうして私の頭に顔を埋める必要があったのかしら?」

苗木「……く、口で取ろうと」

霧切「その理由は?」

苗木「霧切さんの髪の匂いが嗅げるから」


バキッ!!!


また頭に一撃。
どうやら最初の一撃も、手に持った本を振り下ろしたらしい。ホライゾンだったら死んでたな。



201:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 02:57:52.27 ID:DVm5RpLL0

ゲスじゃなくてただの変態だな



202:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 02:58:18.27 ID:x1KqHlav0

本という名の鈍器だからな、アレは



205:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 03:06:14.23 ID:8zPy/pqfP

 

【体育館】


夜時間前にモノクマに呼び出されて体育館に集まると、ボク達みんなの秘密をバラすと脅された。
それが嫌なら、コロシアイを始めろ、と。

手元の紙に目を落とすと、


『苗木クンは「霧切さんんんんひぃぃぃぃぃいいいああぁぁぁぁあああ霧切ざぁぁんんんんははああああああぁぁぁっっ!!!」と言いながら毎晩オナニーしている』


これはマズイ。こんな事を霧切さんに聞かれたら、ボクの今までのイメージが崩壊して口を利いてもらえなくなる。
クソ……なんて外道な事を考えるんだモノクマは……!!!


石丸「よし、みんな! ここはお互いの秘密とやらを共有しようではないか!!」

苗木「えっ!? ちょ、ちょっと待ってよ、これは霧切さんにバレるとマズイんだって!!」

霧切「苗木君、それ見せなさい」

苗木「嫌だ!!」

霧切「見せないと一生口利いてあげないわよ」

苗木「それも嫌だ!!」



210:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 03:18:46.49 ID:8zPy/pqfP

 
大和田「まぁ、待てって。人には知られたくない事の一つや二つあんだろ」

腐川「あ、あたしも嫌よ……これ話すなんて……」

不二咲「…………」

石丸「むっ……みんながそう言うのであれば……強要はしないが……」

霧切「ちょっと待ちなさい、苗木君は別よ。明らかに私が関係している秘密みたいだから」

苗木「それは違うよ! これを霧切さんに見せたらボクのイメージが悪くなるんだ!」

霧切「もう十分地に落ちてるから大丈夫よ。さぁ早く」

苗木「バーロー、世の中には謎のままにしておいた方がいい事もあるんだよ……」

霧切「 い い か ら 早 く 」

苗木「…………」

霧切「…………」


ダダダダダダダダッ!!!!


朝日奈「あ、逃げた」

霧切「…………」



214:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 03:25:52.43 ID:8zPy/pqfP

 

【次の日 女子更衣室】


また起きてしまった。
目の前に広がっている光景が信じられなかった。

頭から血を流して磔にされた不二咲さん。そして、チミドロフィーバーの文字。


苗木「不二咲さん……っ!!」

霧切「また、起きてしまったわね」

苗木「まさか……昨日の秘密の件で……?」

十神「タイミング的にそうとしか考えられん」

朝日奈「で、でも……いくら何でも殺人までするなんて……!!!」

十神「ふん、そうやって勝手に自分の物差しで人を測ろうとするからそうなる。おい苗木、ついてこい」

苗木「え、ボク?」

十神「あぁ。俺様の捜査に協力させてやる」ドヤァァァ

霧切「苗木君」グイッ

苗木「わっ、な、なに?」



220:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 03:33:29.83 ID:8zPy/pqfP

 
霧切「(十神君の様子が少しおかしいわ。注意して)」ヒソヒソ

苗木「(……もしかしてボクの事心配してくれているの?)」

霧切「(えぇ、そうよ)」


このタイミングでデレた!?


苗木「(うん……分かった。ありがとう霧切さん)」

霧切「(あと十神君から手に入れた情報は全て私の所に持ち帰って。これが最優先よ)」

苗木「(あぁ……うん、そういうオチ……)」


とにかく手広く情報を集める。
流石霧切さんって感じだけど、なんだか虚しい……。


【数十分後】


苗木「ただいま」

霧切「おかえりなさい。それで、情報は?」

苗木「えっと……ジェノサイダー翔の情報が色々……あと腐川さんの事で気になる事が……」



222:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 03:41:12.25 ID:8zPy/pqfP

 

霧切「……そう。ありがとう、助かったわ」

苗木「こっちで何か分かった事はあった?」

霧切「とりあえず不二咲さん……いえ、不二咲君は男子だったわ」

苗木「なるほど…………え?」


なんだろう、今霧切さんさらっと凄いこと言わなかった?


苗木「ご、ごめん、もう一度言ってくれる?」

霧切「不二咲君は男子よ」

苗木「…………」

霧切「…………」

苗木「ついてるの?」

霧切「ついてたわ」


苗木「うそん」





223:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 03:43:11.50 ID:pimjgSKb0

霧切さんもついてないか確認しよう



224:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 03:46:21.34 ID:jHo4S77w0

>>223
それに賛成だ!



225:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 03:48:30.76 ID:8zPy/pqfP

 

思わず彼女……いや、彼の方を見てしまう。
どこからどう見ても女の子だ。これはあれか、俗にいう男の娘というやつか。

あれ、待てよ。つまり霧切さんは…………。


苗木「ふ、不二咲クンのチンコ掴んだの!?」

霧切「えぇ……たかがチンコよ、足の指を触ったわけじゃない」

苗木「そ、その線引は何なんだ……自分はおっぱい揉まれたらブチギレたのに……」

霧切「当たり前じゃない。女の子の胸揉んで許されるとでも思ったの?」


ダメだ、今のボクには理解できない。


苗木「……ここで衝撃の新事実、ボクは女の子だった」

霧切「確かめないわよ。あなた思い切り勃起してたじゃない」

苗木「霧切さん、今は捜査中だよ。シリアスにいこう」キリッ

霧切「…………」



229:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 03:55:21.34 ID:8zPy/pqfP

 

【裁判後 苗木の部屋】


苗木「……はぁ」


また被害者一人、クロ一人の犠牲が出てしまった。
これは止まらないのだろうか。いや、絶対に止めてみせる。


ピンポーン!


苗木「はい?」ガチャ

霧切「不用心にドア開け過ぎ」

苗木「霧切さん? どうしたの夜這い?」

霧切「えぇ、そうよ」

苗木「!!!!!」


不二咲クン……ボクも男になるよ……。



231:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 04:01:06.67 ID:8zPy/pqfP

 

とにかく、霧切さんを部屋の中へと通す。
心臓がバクバクいっていて凄くうるさい。


霧切「今日はよく大和田君の失言に気付けたわね」

苗木「えっ、あ……うん。普段から観察眼は霧切さん相手に鍛えてるから」

霧切「そう、私の尊い犠牲の賜物なのね」

苗木「ぎ、犠牲って…………それでさ、霧切さん。そろそろ」


霧切「苗木君、これは何かしら?」スッ


彼女のその手に握られていたもの。
それは昨日モノクマから渡された秘密が書かれた紙だった。


苗木「おっほい!!!!!」バッ!!!!!


すぐさま彼女へと飛び込むが、何なく避けられてしまう。


霧切「……その反応、やっぱり昨日の秘密で間違いないみたいね」



234:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 04:07:15.60 ID:8zPy/pqfP

 
苗木「待って!! それは読むと脳が汚染される魔道書で……」

霧切「…………」ペラ

苗木「聞いてないいいいいいいいいいいいいい!!!!!」


終わった。
これでボクは晴れて変態の汚名を受ける事になる。

そのまま、彼女の死刑宣告を待つ。


霧切「……良かった、この程度だったのね」


……あれ?


苗木「き、霧切さん……怒ってないの……?」

霧切「別にそこまで怒っていないわ。このくらいの歳の男子ってそういうものだって聞いたから」

苗木「何て心の広い人なんだ結婚しよ」

霧切「それはイヤ」


あ、そこはダメなんだやっぱり。



236:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 04:12:56.75 ID:8zPy/pqfP

 

それから霧切さんは無言でじっくり文章を読む。
なんだろうこの背徳感は。


霧切「……どうして私なの? 体付きなら朝日奈さんの方が女性らしいと思うけど」

苗木「霧切さんでオナニーするのに理由がいるかい?」

霧切「…………」

苗木「あ、いや、ただ霧切さんが好きだからってだけです、うん」

霧切「……そう」


あれ、どうしたんだろう。霧切さんの様子がどこかおかしい。なんか、目線が落ち着かないような。


霧切「その、オナニーというものは、普通は好きな人でやるものなの?」

苗木「え……うーん、どうだろうなぁ。人それぞれなんじゃないかな」

霧切「……分かった。安心したわ」

苗木「安心した?」


そんな言葉を残して霧切さんは部屋を出て行った。何だったんだろう。



373:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 14:07:04.05 ID:8zPy/pqfP

 

【大浴場脱衣場】


苗木「霧切さん……霧切さん……んあああああああああああっっふうううぅぅぅぅっっ!!!!!」シコシコシコシコ

朝日奈「きゃあああああああああああああああ!!!!!」

苗木「えっ!? あ、ああああああああああああっっほああああああああおおおおおおおおおおおっっ!!!」ドビュッ

朝日奈「」

苗木「ふぅ……」


やっぱりたまには場所を変えると新鮮さがあるな。
ただ、問題ができた。朝日奈さんに見られてしまった。


このままだと、ボクが変態だと勘違いされてしまう!



384:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 14:13:12.37 ID:8zPy/pqfP

 
苗木「…………」

朝日奈「…………」

苗木「朝日奈さ」

朝日奈「やめて話しかけないで」

苗木「違うんだ朝日奈さん、誤解だよ!!」

朝日奈「もう夜時間なのに脱衣場から声が聞こえると思ったら……苗木……」ジト

苗木「そういう朝日奈さんだってこんな時間にどうして出歩いてたのさ!」ビシッ

朝日奈「えっ、私はドーナツを……」

苗木「そうか、分かったぞ!!」

朝日奈「な、なにが?」

苗木「こんな時間にわざわざドーナツを食べる為に出歩くなんておかしいよ! 太るし!」

朝日奈「そんなハッキリ太るとか言うなー!!」



387:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 14:20:33.46 ID:8zPy/pqfP

 
苗木「ボクの推理はこうだよ。キミはドーナツを食べる事以外で使おうと思ったんだ」

朝日奈「食べる以外って……?」

苗木「それは簡単だよ。こんな夜中にこっそりする事といえば」


苗木「オナニーだよ……」ネットリ


バキッ!!!


頭に強烈な一撃が入った。
霧切さんより痛い。流石運動部。


苗木「う、ごっ……!!」ズキズキ

朝日奈「サイテー!!!」

苗木「でも、これしか考えられないんだ!! あれ、でもドーナツって形状的にチンコを突っ込む方が気持ちよさそうだ…………まさか!!!」


苗木「朝日奈さんもチンコついてんの!?」


バキッ!!! ゴキッ!!! グシャ!!!



388:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 14:21:07.84 ID:bbdd5vBC0

超高校級の変態



393:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 14:28:10.37 ID:8zPy/pqfP

 

朝日奈「はぁ……はぁ……!!」

苗木「が、は…………危ない……このままだと目覚めてしまいそうだよ……」ムクムク

朝日奈「目覚めるって…………きゃあああああああああ!!!!!」


ボキッ!!!


朝日奈さんがボクの大木を踏み潰した。


苗木「ごああああああああああああああふぅぅぅぅぅぅううううううううんんっ!!!!!」ジタバタ!!

朝日奈「わっ、あ、足に何かついた!!!」

苗木「それはザーメンだよ!!!」

朝日奈「ザーメン?」

苗木「もしくは精液とも言う!!!」


グシャ!!!


大木にさらに一撃が加えられる。



408:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 14:35:04.01 ID:8zPy/pqfP

 

苗木「んひぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」

朝日奈「変態!! 変態!!!」ドカドカ

苗木「ちょ、待っ……うほほほぉぉぉぉぉおおおおお!!!!!」ビクッビクッ

朝日奈「何でビクビクしてんのよー!!!」


【数分後】


苗木「ふぅ……」

朝日奈「…………はぁ」

苗木「どうしたの、朝日奈さん」

朝日奈「あんたが一番どうしたのよ…………でも、なんかもうどうでも良くなってきちゃった」

苗木「え?」

朝日奈「……えへへ、実は私怖くなっちゃってさ。全然眠れないし、それでドーナツ食べて元気だそうとしたの」



410:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 14:41:44.17 ID:8zPy/pqfP

 
苗木「朝日奈さん……」

朝日奈「でも、何だが苗木が変態過ぎてそんな不安吹き飛んじゃったよ」ニコ

苗木「…………」

朝日奈「苗木?」

苗木「うおおおおおおおおおおおおおお!!! ごめん霧切さんんんっ!!!」ゴンゴン!!

朝日奈「ちょっと何やってんの苗木!!」


自分の頭を床に叩きつける。
一瞬朝日奈さんに目を奪われてしまった。こんなの霧切さんに知られたら、嫉妬して怒らせてしまう。

……あ、それはそれで見てみたいかも。


苗木「ふぅ……」フラフラ

朝日奈「苗木……大丈夫? 頭とか」

苗木「大丈夫だよ。それに朝日奈さんも安心して」

朝日奈「え?」

苗木「いつまでもこんなふざけた事は続けさせない。みんなで協力すればきっと脱出できる」ニコ



415:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 14:49:01.32 ID:8zPy/pqfP

 
朝日奈「苗木……」


やっぱり、いつも明るい朝日奈さんも堪えていたんだ。
いつまでもこんな事を続けさせるわけにはいかない。


朝日奈「……とりあえず、ソレしまって」

苗木「あ、はい…………あれ?」ピタッ

朝日奈「ちょ、ちょっと何途中で止まってんのよ!」

苗木「ねぇ、あそこの脱衣ロッカー、光ってない?」

朝日奈「えっ…………きゃあああああああああ!!!」ギュッ

苗木「朝日奈さん!? ダ、ダメだって、ボクには霧切さんが……!!」

朝日奈「うぅ……!!」ブルブル

苗木「……ちょっと確かめてくるよ」



420:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 14:53:18.24 ID:QCEvbKEz0

精力絶倫かよwww



428:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 14:59:41.09 ID:8zPy/pqfP

 
不気味な光と隣の柔らかい感触にゴクリと喉を鳴らして、光源に近づいて行く。

そこには。


『こんばんは!』


朝日奈「いやあああああああああああああああ!!!!!」

苗木「…………天使?」


【次の日 脱衣所】


霧切「まさかこんなものが残されているとはね」

アルターエゴ『えへへ』ニコニコ

山田「……はぁ……はぁ……!!」ゴクリ

苗木「山田君、なんか変態みたいだよそれ……気持ちは分からなくもないけどさ。
   あ、違うよ霧切さん!! ボクは浮気なんて決してしてないからね!?」

霧切「聞いてないわ。それより」


石丸「君はボクを……兄弟を憎んでいるか……!?」



430:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 15:07:28.94 ID:8zPy/pqfP

 

それから、アルターエゴは大和田クンの言葉をシミュレーションして、石丸クンを慰めた。
その言葉は石丸クンの心に響いて、そして。


石田「俺は…………俺だああああああああああああ!!!」


彼は壊れた。いや、まぁ落ち込んでいるよりかはずっといいよね。
それよりも。


苗木「ア、アルターエゴ……そのシミュレーションってさ……霧切さんも……」ゴクリ


バキッ!!!


頭に衝撃。最近殴られてばかりだ。
振り返らなくても誰がやったのかは分かる。


苗木「ま、まだ最後まで言ってないのに……」ズキズキ

霧切「聞きたくないわ。それよりも、今は調べなければいけない事がたくさんある。アルターエゴ、協力してくれる?」

アルターエゴ『もちろん!!』



431:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 15:07:48.40 ID:1bPRu0C30

これは超高校級の変態と言われざるをえない所業



436:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 15:19:47.15 ID:8zPy/pqfP

 

それからアルターエゴには学園の情報を調べてもらって、ボク達は外に出る。
脱衣所の中は監視カメラもないから、モノクマにもバレない。


モノクマ「おやおや、こんな所にみんな集まって何やってたのかな?」

葉隠「げっ、モノクマ!!」

霧切「……この大浴場って混浴でしょう? 男子と女子、どちらが先に使おうか話し合っていたのよ」


おお、凄い機転だ…………混浴!?


モノクマ「ふぅん?」

朝日奈「そ、それで女子からっていう事になって、男子には出て行ってもらう事になったの!」

大神「何か文句があるか?」

モノクマ「……べっつにー」

セレス「それではわたくし達はお湯を堪能させていただきましょうか」スタスタ

苗木「うん」スタスタ



443:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 15:27:32.01 ID:8zPy/pqfP

 

ガシッ


霧切「…………」ギロ

苗木「冗談だよ冗談……」


さり気なく紛れ込む作戦は失敗してしまった。女装でもしとけば良かった。
女の子達は全員脱衣所の中へと入って行ってしまう。


モノクマ「うぷぷ……それでキミ達はどうするのかな? 女子がお風呂に入っているんですよ?」ニヤニヤ

葉隠「…………」ゴクリ

山田「くっ、いえ、しかし大神さくら殿が居ては、『きゃーエッチー!』で物理的に人生終了する可能性も……」

モノクマ「リスクなしでは何も得られないんだよ!」

葉隠「そ、それもそうだべ……じゃ、じゃあ……覗くか?」


苗木「それは違うよ!」



446:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 15:38:59.02 ID:8zPy/pqfP

 
モノクマ「ありゃ?」

苗木「覗きなんてしちゃダメだ! 女子の気持ちも考えようよ!」

葉隠「それオメーが言うか……」

苗木「ボクだからこそ言えるんだ……今まで散々な事をして全てを悟ったボクだからこそ!!
   こんな事は良くないし、それに成功するはずがない!! 大神さんにフルボッコにされるのがオチだよ!!」

山田「……むぅ、確かに」

苗木「それに山田クンみたいなキモデブとか、葉隠クンみたいな借金まみれのバカオッサンがこれ以上評価落としてどうするのさ!」

葉隠「おい!?」

苗木「というわけで、覗きなんてダメだ。ほら、もう自室に戻ろう!!」

モノクマ「…………??」


【苗木の部屋】


自室に戻ったボクは、ベッドに座って一息つく。なぜかモノクマもついてきてるけど。


モノクマ「ねぇねぇ、本当に覗かないの?」

苗木「いや覗くよ。当たり前でしょ」



448:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 15:40:21.46 ID:ooNPp78n0

嫁の裸を他人に見せたくないって思考か



455:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 15:47:19.64 ID:8zPy/pqfP

 
モノクマ「えっ? でも覗きはダメだって……」

苗木「あれは山田クンと葉隠クンを帰らせる為だよ。だって――――」


苗木「霧切さんのハダカはボクだけのものだから!!」


モノクマ「……うわー、流石の私様もドン引きだわ」

苗木「ふふふ、エンディングは見えた! 希望は前に進むんだ!!」ダダッ!!


【脱衣所】


ちょっとだけだ……ちょっとだけ開いて……。


そして、ボクの目の前に広がってきた光景は。
霧切さんの白い肌、柔らかそう……いや、柔らかかった胸、健康的な太もも、揉みしだきたくなる程のお尻。

他の女子なんてまったく目に入らなかった。



463:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 16:01:56.37 ID:8zPy/pqfP

 

ムクムク……!!


苗木「くっ、ボクのユグドラシルが!!!」

苗木「はぁ……はぁ……!!」ボロン


ボクはユグドラシルを外に出す。

危ない危ない。
テント張ってるなんて、まるで変態みたいじゃないか。


苗木「……さて、ここからどうしようか」


もし完全記憶能力なんてものがあれば、今すぐにでも部屋に戻ってオナニーするんだけど……。

いや、するなら今ここでだ!
時間が経つにつれて、記憶というものは曖昧になっていく。

それなら――――。



469:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 16:07:49.16 ID:8zPy/pqfP

 

そうか、分かったぞ!!


苗木「リアルタイムで霧切さんのハダカを見ながらオナニーするんだ!!!」シコシコシコシコ


苗木「ふおおおお霧切さんんんあああああああああああああああああっっ!!! 」シコシコシコシコ

苗木「霧切さんのお尻にボクの大木挟んでシコシコしたいよおおおおおおおっっ、真っ白の太ももをもっと真っ白にしたいいいいひいぃぃぃぃっっ!!!」シコシコシコシコ

苗木「はひっ、イグッ!!! もう……もうダメだ霧切さん!!! イッちゃう……イッちゃうよおおおほほっっああぁぁおおおおおおおっ!!!」ビクビクッ


ガラガラ


霧切「…………」

苗木「あっ……ああっ、ぐぅ、ぅぅぅぅほあああぁぁぁぁああああああああああああああっっ!!!」ドビュッドビュッ!!!


ベチャ!!


霧切「…………」ポタポタ

苗木「ふぅ……」



471:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 16:08:41.47 ID:DNzhvjqj0

(アカン)



472:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 16:08:55.74 ID:C3QDYNt90

もうだめだ



473:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 16:09:27.59 ID:VMX2oa3i0

叫んでんじゃねーよwwwwwwwww



474:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 16:09:57.06 ID:mokyllsP0

\(^o^)/



480:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 16:16:39.74 ID:8zPy/pqfP

 
霧切「…………」フキフキ

苗木「あ、ごめん霧切さん!! 顔にかけるつもりはなかったんだ!! ボクは太ももに……」

霧切「どうして苗木君がここに居るの?」

苗木「どうしてってもちろん覗…………はっ!!」


いや、ダメだダメだ!! ここは誤魔化さないと、ボクは変態扱いされてしまう!!


苗木「ち、違う、ボクのせいじゃない!! そうだ、モノクマがやれって言ったんだ!! ボクは悪くない!!!」

霧切「大神さん」

大神「分かった」

苗木「あ」


………
……



『ピンポンパンポーン! 死体が…………え、まだ死んでない? ごめんなさい、誤報でした!』



490:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 16:24:29.42 ID:8zPy/pqfP

 

【保健室】


苗木「んっ……!」


見慣れない天井。ここは…………保健室?


霧切「目が覚めたかしら、変態」

苗木「……もう一回言って」

霧切「変態」


ムクムク……。


霧切「変態!!!」


バキッ!!!


ユグドラシルが折れた。



497:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 16:29:39.25 ID:8zPy/pqfP

 

苗木「んあああああああああああああああああっっっ!!!!!」ジタバタ!!

霧切「はぁ……あなたと話していると頭が痛くなるわ」

苗木「ボクはチンコが痛いよ…………それで、霧切さんは看病してくれていたの?」

霧切「そう思う?」

苗木「違いますよね。それじゃ、どうしてここに?」

霧切「一応3階の探索結果を伝えに来てあげたのよ」

苗木「なるほど、そういう口実でボクに会いに来て……」

霧切「帰るわ」ガタッ

苗木「ごめんなさい調子乗りました」


それから霧切さんから3階の様子を聞く。
どうやらそこには娯楽室、美術室、物理室があるみたいだ。



500:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 16:38:09.36 ID:8zPy/pqfP

 
それに、奇妙な写真の事。
そこには桑田クン、大和田クン、不二咲クンが写っていたらしい。


苗木「……どういう事なんだろう?」

霧切「まだ分からないわね。情報が足りない」

苗木「そっか……」


霧切さんが分からないならたぶんボクも分からない。


苗木「でも、娯楽室はいいかもね、気分転換になって。今度一緒に行こうよ」

霧切「変態とは歩きたくないわ」

苗木「霧切さん、少しハッキリさせておこうか」

霧切「なにを?」


苗木「ボクは変態なんかじゃないんだ!!!」



507:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 16:44:36.56 ID:8zPy/pqfP

 
霧切「…………」

苗木「確かに少し過激な事をしたかもしれない、でもあのくらいは男子高校生にとっては普通なんだよ!」

霧切「他の男子はあんな事してないけど」

苗木「それはみんなが超高校級だからだよ! ボクの方が一般的な高校生とは感覚も近い!」

霧切「それにしたって所構わずあんな」

苗木「霧切さん、キミは重要な事を見落としているよ」

霧切「重要な事?」


苗木「ボクがオナニーのオカズにするのはキミだけだってことだ!!!」ビシッ


決まった!
……と思ったけど、なぜか彼女の表情が冷たい。



514:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 16:55:28.03 ID:8zPy/pqfP

霧切「それが何?」

苗木「え、いや、だからボクはただキミの事が好きだっていうだけで……」

霧切「……そう」

苗木「そりゃ誰彼かまわずオカズにしてたら変態かもしれないけどさ、これはあくまだ恋愛感情の延長に過ぎないんだよ」

霧切「…………」

苗木「あれ、霧切さん?」


てっきり正面から否定されるかと思ったけど、彼女は黙り込んでしまった。
いや、納得してくれたならそれでいいんだけど……。


霧切「恋愛感情の延長……?」

苗木「ど、どうしたの?」

霧切「そんなはずはないわ。苗木君、言っていたじゃない。オカズにする人が好きな人だとは限らないって」

苗木「え、あー、うん。そこは人それぞれだと思うけど、少なくともボクはそうだっていう事だよ」

霧切「私は違うわ」

苗木「そうなんだ…………えっ?」

霧切「…………あっ!!」



521:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 17:00:38.67 ID:DcZmD17D0

流れ変わったな



524:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 17:02:36.45 ID:Elu1Bs+o0

できる>>1がいると聞いて



525:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 17:04:17.75 ID:8zPy/pqfP

苗木「あれ、ちょっと待って。それって」

霧切「わ、私はもう行くわ」ガタッ


ガシッ……バフッ


慌てて立ち上がる霧切さんの腕を掴んで、ベッドに引きずり込んだ。


霧切「ちょっ……!!」ジタバタ

苗木「霧切さん……オナニーしてたんだ……」

霧切「し、してない!///」

苗木「ねぇ、誰をオカズにしてたの? 凄く気になるんだけど」

霧切「うっ……あ、あなたに言う必要はないわ!!」

苗木「…………」

霧切「いいから、離しなさい!」


暴れる霧切さんを大人しく離した。
彼女はそれに拍子抜けしたみたいだった。



534:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 17:14:36.99 ID:8zPy/pqfP

 
霧切「や、やけに素直じゃない……」

苗木「…………ごめん、霧切さん」

霧切「え、何が……?」

苗木「今までの事全部だよ。霧切さんには本当に迷惑かけてばかりで……ごめん」

霧切「な、なに、急にそんな改まって……まぁ、分かってくれたなら……いい、けど……」

苗木「…………」


………
……



霧切さんが出て行ってから少し経った。
何だが頭がぼーっとして、何もやる気が出ない。

本当は夜時間前に部屋に戻ろうかと思っていたけど、その気力もなくなってしまった。



539:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 17:24:23.70 ID:8zPy/pqfP

 
苗木「……はぁ」


霧切さんがオナニーしていた。その事実はとてつもなく興奮する事のはずなのに。


苗木「霧切さん……一体誰でしてるんだろう……」


あの様子だと、たぶん身近な人だ。
確かにオカズにする人が好きな人だとは限らないとは言ったけど、それが近くに居る人だっていうならほぼ確実に好きな相手だ。


苗木「はぁ……」ガクッ


ショックが大きい。
好きな人が居ないと言われるのと、他に好きな人が居ると言われるのとはダメージが段違いだ。


苗木「流石に他に好きな人が居るっていうなら、アプローチもやめないとな……悪いことしたな……」



548:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 17:33:58.20 ID:8zPy/pqfP

 

【次の日 食堂】


苗木「んー……」


霧切さんが好きな人って誰だろう。
ボクに教えなくないっていう事は、たぶんこの中の誰かなんだろうけど……。


でも、それなら無闇に男子と一緒に居るのも避けた方がいいのかな。
ボクが居ると話しかけにくいと思うし。


苗木「あの、セレスさん」

セレス「おや、変態の苗木君。何か用ですか?」

苗木「暇潰しに娯楽室で遊ばない? ほら、セレスさんなら色々知ってるでしょ?」

セレス「ふふ、もしかして苗木君、霧切さんからわたくしに乗り換えましたの?」ニコニコ

苗木「そ、そういうわけじゃないって!」



552:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 17:41:50.26 ID:8zPy/pqfP

 

ガンッ!!


山田「ひぃぃっ!!」ビクッ

朝日奈「ど、どうしたの霧切ちゃん?」

霧切「……? どうしたの?」

葉隠「ど、どうしたって……ティーカップテーブルに叩きつけてたべ……」

霧切「そう? 知らない内に力が入ってしまったのね、驚かせてごめんなさい」


セレス「それでは行きましょうか、苗木君」 

苗木「そうだね」


霧切「…………」イラッ

霧切「……?」

霧切「私は……どうしてこんなに……」



554:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 17:44:24.72 ID:uzmyWNaR0

こうやって変態霧切が出来上がっていくのか



555:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 17:46:33.33 ID:lGsJskPn0

>>554
いい社会見学だよな



558:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 17:48:15.95 ID:gK/vAR1W0

>>555
ああ、『製造過程』ってことか
わかりづれえよ!



557:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 17:47:48.08 ID:8zPy/pqfP

 

【娯楽室】


セレス「負け犬ですわね」

苗木「ええっ!?」


娯楽室でセレスさんとポーカーを楽しむ。
彼女は超高校級の幸運と自分のギャンブラーもしての強運、どちらが優れているか勝負したかったみたいだけど……。

結果としてはボロ負けだった。


苗木「た、確かにボクとセレスさんじゃ勝負にならないけどさ……」

セレス「そこではありません」

苗木「へっ?」

セレス「霧切さんとの事です」


そうだ、その事も彼女に話したんだった。



589:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 18:25:57.10 ID:8zPy/pqfP

苗木「でもさ、霧切さんには他に好きな人が……」

セレス「それで諦めてしまうのですか?」

苗木「…………」

セレス「そうでしたら、所詮はその程度の想いだったという事です。
    どうせ、これも霧切さんの為だとか、彼女の事を想っているからこそ、などと惨めったらしく言い訳しているのでは?」

苗木「じゃあどうすればいいのさ!」

セレス「奪い取ればいいのです」ジッ


セレスさんの目に押される。
何度見てもこの目は慣れない。


苗木「う、奪い取るって……」

セレス「いつもの苗木君はどこに行ったのですか。そんな縮こまっているのはあなたらしくありませんわ」



598:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 18:33:38.35 ID:8zPy/pqfP

 
苗木「でも、奪い取るなんて、そんな……」

セレス「甘いですわね。欲しいものは必ず手に入れる。そういう気持ちがありませんの?」

苗木「…………」

セレス「理解できませんわ。目の前にあるのに諦めるなど。それこそ今までの彼女への態度全てが失礼になります」

苗木「……そう、なのかな」

セレス「そうですわ」


セレスさんはキッパリと言い切る。
余りにも迷いがないから、まるでそれがこの世の真理か何かであるかのような錯覚さえ抱く。

でも、きっと間違いではないんだろう。
ボクだって、本当は諦め切れないに決まってる。


苗木「…………うん、分かったよセレスさん。もう少し頑張ってみる」

セレス「ふふ、そうですか。霧切さんも可哀想に」ニコニコ



606:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 18:42:20.69 ID:8zPy/pqfP

 
セレス「さて、と。それならばわたくしと居るよりも相応しい方がいるのでは?」

苗木「……ごめん、セレスさん。ボクから誘ったのに」

セレス「気にしていませんわ。カードの勝負も中々楽しめましたし」

苗木「ありがとう、セレスさん」


ボクは足早に娯楽室の扉に近付く。
その時、背後から。


セレス「苗木君」

苗木「ん?」

セレス「せいぜい楽しんでください、後悔のないように。人間、いつ人生を終えてもおかしくありませんから」ニコ

苗木「う、うん……分かった……」


何だが最後の最後で不吉な事言ってきたなぁ……。



611:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 18:50:17.25 ID:8zPy/pqfP

 

【食堂】


苗木「霧切さん!」

霧切「……なに?」

苗木「えっと、もし良かったら一緒に3階を周ってみない?」 

霧切「…………」ジー

苗木「ダ、ダメかな?」

霧切「セレスさんにフラれてこっちに泣きついてきた……っていう事かしら?」

苗木「そ、そうじゃないって! あれ、霧切さん、ボクがセレスさんと一緒にいたの知ってたんだ」

霧切「た、たまたま聞いただけよ。別に聞き耳立てていたわけじゃないわ」


……あれ? もしかしてこの反応は。


苗木「ひょっとして霧切さん、嫉妬した……とか?」

霧切「っ!! そんな事あるはずないわ!!」



615:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 18:55:28.98 ID:8zPy/pqfP

苗木「ご、ごめんごめん、冗談だって!」


そんなに怒るほど不快なのか……いや、へこたれている場合じゃない!


苗木「それで、その、いいかな?」

霧切「……別に構わないわ。3階は私ももう少し調べたかったし」

苗木「やった、ありがとう!」ニコ

霧切「…………」プイッ


うっ、顔も合わせたくないのか……。
いやいや、まだこれからだ!


【美術室】


苗木「結構本格的な感じなんだね」キョロキョロ

霧切「おそらく超高校級の生徒に配慮したものなのでしょう」



618:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 19:04:00.78 ID:8zPy/pqfP

 
山田「ややっ、これは苗木誠殿と霧切響子殿ではないですか! リア充は爆発しろ!!」

苗木「あ、山田クン。ごめんラブラブで」

霧切「勘違いしないで、私はただ探索に来ているだけよ」

山田「でたー、『勘違いしないでよねっ』!! これはもう完全攻略一歩手前ですぞ!!」

苗木「え、本当、山田クン!?」

霧切「何をわけの分からない事を……それで、あなたはここで何をしているのかしら?」

苗木「あ、もしかして話逸らした?」

霧切「 う る さ い 」


いつもの力押しだ。何だか可愛いけど。


山田「僕はフィギュアでも作ってみようと思いまして」

苗木「え、山田クン、フィギュアも作れるんだ!」

山田「ふっふっふっ、僕は幅広い範囲をカバーしているのですよ!」ドヤァァァ



619:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 19:09:24.14 ID:8zPy/pqfP

 

流石は超高校級の同人作家…………待てよ?


苗木「……ね、ねぇ、それってさ、実在の人をモデルに作れたりする?」

山田「ふふふ、愚問ですな。そんな事朝飯前ですぞ」ニヤニヤ

苗木「それじゃあさ!!」

霧切「苗木君?」ゴゴゴゴゴ


怖い。怖いって霧切さん。


山田「ひ、ひぃぃぃぃ!!」ビクッ

苗木「ど、どうしたの……?」

霧切「あなたは一体誰のフィギュアを作らせようとしているのかしら?」

苗木「もちろん、霧切さんだよ!!」キリッ

霧切「 や め て 」



620:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 19:11:30.56 ID:pimjgSKb0

フィギュア作成にあたってサイズの測定が必要ですな



621:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 19:12:07.02 ID:Y7Kd0Ynt0

>>620
おい山田



622:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 19:16:00.79 ID:8zPy/pqfP

 
苗木「そんな!!」

霧切「当たり前でしょう。そんなものを苗木君にどんな風に使われるか考えるだけで寒気がするわ」

山田「そんな事言って、霧切響子殿も苗木誠殿のフィギュアを欲しかったり……」ニヤニヤ

霧切「…………」

苗木「え、欲しいの!? それなら二人セットでさ……」

霧切「いらないわよ!」


えー、良いと思うけどなぁ、二人セットのフィギュア……まぁ仕方ないか。


苗木「(じゃあ山田クン、報酬は油芋5袋で……)」ヒソヒソ

山田「(10で)」

苗木「(くっ……わ、分かったよ……)」

霧切「何をコソコソ話しているのかしら?」

苗木「な、何でもない何でもない……」



626:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 19:23:54.14 ID:8zPy/pqfP

 

【物理室】


苗木「うわっ、何これ!?」


物理室にやって来たボクの目に飛び込んできたのは、何やら大層な装置だった。


霧切「空気清浄機らしいわよ」

苗木「く、空気清浄機……? いくら何でも気合入り過ぎじゃない?」

モノクマ「そんな事はないよ!」

苗木「わっ、モノクマ! デートの邪魔するなよ!」

霧切「だからデートじゃないって何度言えば分かるのかしら」

モノクマ「はいはい、痴話喧嘩はそこまでにしてね。とにかく苗木君、キミは空気の有り難みがまったく分かってない!」

苗木「いや、そりゃ空気は大切だと思うけど、いくらなんでもこんな……」



630:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 19:33:41.72 ID:8zPy/pqfP

 
モノクマ「そうだよ、空気は大切なんだよ! 空気キャラだって居ないと居ないでダメなんだ!」

苗木「分かったって……でもさ、もっと面白いものないの? ほらタイムマシンとか」

モノクマ「キミ、そういう感じの人なの? どっかに電話かけてるフリをして、機関がどうのこうのって言っちゃうの?」

苗木「いや、意味分かんないけど……でもお前のその体だって相当の技術で作られているじゃないか」

モノクマ「うぷぷ、まぁね!」

霧切「自分の身体を褒められるのは嬉しいのね」

苗木「霧切さんの身体も素晴らしいと思うよ!」

霧切「ただのセクハラね」

モノクマ「そんな事言ってー。霧切さんも夜は」


バキッ!!!


霧切さんの踵落としがモノクマの頭にめり込んだ。白か。



638:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 19:41:17.52 ID:8zPy/pqfP

 
モノクマ「うぎゃああああああああああ!!! ちょ、校則違反だよ!!!」

霧切「女の子のプライベートをペラペラ話す人に校則は適用されないわ」ギロ

苗木「えっ、もしかして霧切さんのオナニーの事!? 教えてモノクマ!!」


バキッ!!!


今度はボクの頭に一撃が叩き込まれた。


苗木「ぐぅぅ……!!」ズキズキ

霧切「まったく、デリカシーというものがないのかしら」

苗木「じゃあボクも言うから!!」

霧切「この前思い切り見させてもらったからいいわ」

苗木「それなら二人一緒にやろう!! あ、なんならそのままセックスしよう!!」

霧切「ねぇ、あなたは少し黙った方がいいわよ」


モノクマ「ボクは無視ですか。ふん、いいもんね、どっか行くし」ムスッ



645:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 19:53:22.65 ID:8zPy/pqfP

 

………
……



それからは色々あった。
まずはアルターエゴ盗難事件。疑われたのは山田クンと石丸クンとボク。

でも、結局いくら探しても出てくる事はなかった。

そして。


【朝 校舎2階】


苗木「くそ、どこだ霧切さん!!」


突如現れたジャスティスロボ。
その不審者によってセレスさんと山田クンが襲われた。

そして、校舎を探索していた霧切さんが居なくなってしまった。


「どっひゃゃあああああああああああ!!!!!」



650:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 20:03:11.00 ID:8zPy/pqfP

 

苗木「今の声……セレスさん!?」

霧切「どうかしたの?」

苗木「き、霧切さん!! え、今男子トイレから……!!」

霧切「今はいいでしょう。それより、悲鳴の方に行ってみるわよ」


男子トイレに霧切さん……色んな妄想が膨らんでズボンにテント張っちゃいそうだけど、確かに今はそれどころじゃない!


【3階】


苗木「セレスさん!! それにみんなも!!」

セレス「あ、あちらにジャスティスロボが……」

十神「ふん、もう逃さんぞ」ニヤ


「うぎゃああああああああああああああああああああああ!!!!!」


朝日奈「なっ……今度は山田!?」

霧切「…………」



654:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 20:10:00.04 ID:8zPy/pqfP

 
セレス「それでは、二手に別れましょう。わたくしと苗木君と朝日奈さんで山田君の元へ。残りの方はジャスティスロボを!」

苗木「え、でもボクはでも……」チラ

霧切「人の心配をしている場合かしら。私は大丈夫よ」ハァ

苗木「わ、分かったよ……気を付けてね!」

霧切「……えぇ、あなたも」


【美術準備室】


山田「…………」

石丸「…………」


そして、また起こってしまったら。しかも、今度は二人いっぺんに。
山田クンの最期の言葉、犯人の名前そのものよりも…………。


ボクには、「僕達は前から出会っていたんだね」という言葉の方が頭に引っかかっていた。



656:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 20:17:44.21 ID:mtwT0p5S0

苗木くんのユグドラシルで霧切さんからミーミルの泉が?



657:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 20:19:01.73 ID:8zPy/pqfP

 

その後、いつものように捜査が始まる。
こうして、いつものように、と形容できる事に嫌気がさす。

まずは葉隠クンの捜索。隣には霧切さんが居る。


霧切「苗木君、あなたずっと私の事を探していたみたいね」

苗木「当たり前だよ。不審者が居るっていうのに、霧切さんを一人にさせられない」

霧切「はぁ……それであなたが一人になっているじゃない。言っておくけど、あなたよりは私の方がずっと危険にも対処できるわ」

苗木「それはそうかもしれないけど…………でも、ボクにとってはそんな事関係なかったんだ」

霧切「えっ?」

苗木「ボクはとにかくキミが心配だったんだ。一人にはさせたくなったんだよ」

霧切「…………」

苗木「だからさ、本当に無茶だけはやめてほしい。キミが傷付くところなんて見たくないんだ」

霧切「……なんていうか、歯が浮くようなセリフを平気で言うのね」

苗木「うっ……そ、そりゃちょっとクサイかもしれないけど……」

霧切「ふふ、いいわ。とりあえず受け取ってあげる」



663:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 20:30:45.38 ID:8zPy/pqfP

 

【美術準備室】


ボク達は捜査を続ける。
何度経験しても、死体を調べるというのは慣れないけど、泣き言を言っている場合じゃない。


苗木「あれ、この石丸クンが握っていた紙……どこかから千切ったものなのかな」

霧切「…………」ジー

苗木「霧切さんどこを見て…………えっ!?」


霧切さんは山田クンの事を眺め回した後、色々な所を探り始めた。


苗木「ちょっと待った何やってんの羨ましい!!」

霧切「何って、捜査よ。もしかしたら山田君が何か隠し持っているかもしれない」

苗木「そ、それでも…………霧切さんが他の男の体をまさぐるなんて嫌なんだ!!」

霧切「…………そんな事言われても」



669:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 20:38:11.27 ID:8zPy/pqfP

 

あれ、少し予想外な反応だ。
霧切さんの事だから、一言二言で受け流して構わず続けると思ったけど。


苗木「ボクがやるよ。それでいいでしょ?」

霧切「……分かったわよ」 


よし、何とかやめさせられた。
ごめんね山田クン、でもキミならきっと許してくれ……いや、爆発しろとか言われそうだな。


苗木「うーん………何も持っていないみたいだけど」ゴソゴソ

霧切「パンツの中は?」

苗木「…………え?」

霧切「だからパンツの中」


冗談か何かだと思ったけど、霧切さんの表情はいたって真剣だ。



675:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 20:47:20.60 ID:8zPy/pqfP

 

苗木「ほ、本気で?」

霧切「当たり前よ。できないならやっぱり私が」スッ

苗木「それはダメ!!!」


くっ……いいさ、やってやる!!
霧切さんの為ならたとえ地獄の底でも行ってやる!!


苗木「ふんぬううううううう!!!」グイッ


ほ、包茎のドリチン……いや、誰にも言わないよ山田クン!!


苗木「……な、なんかあったよ」ゼイゼイ

霧切「お疲れ様。苗木君って結構独占欲強いのね」

苗木「うん……霧切さんが他の男と話す度にちょっとイラッとするんだ。ごめん、ストーカーにはならないように注意するよ」

霧切「…………私も」

苗木「ん?」

霧切「いえ、何でもないわ」



680:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 20:56:29.30 ID:8zPy/pqfP

 

【学級裁判】


裁判は葉隠クンが犯人だという方向に進みかけたけど、それは濡れ衣を着せられたんじゃないかっていう流れになっていた。
そしてセレスさんが、


セレス「しかし葉隠クンが犯人ではないとなると、どなたでしょう……霧切さんなら何か複雑なトリックを思い付きそうですね?」ニコ

霧切「……私を疑っているのかしら」

セレス「今までの学級裁判での実績を考えれば当然でしょう。わたくしはあなたを評価しているからこそ疑っているのですわ」

霧切「…………」

腐川「た、確かに霧切ならどんなトリックを思いついてもおかしくないわね……」

セレス「うふふ、そうでしょう? こんな複雑怪奇な事件、それ相応の人物でなければ……」

苗木「おい黙れよ餃子!!!」

セレス「ぎょっ!?」



688:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 21:10:15.30 ID:8zPy/pqfP

 
朝日奈「ちょっと、餃子の事セレスちゃんって言うのやめなよ!」

大神「朝日奈よ、逆だ……」

苗木「……分かったよ。セレスさんはジャスティスロボに襲われたって言ったよね?
   あれは葉隠クンに合わせて作られていた。だから霧切さんが着られるわけないんだ!!」

十神「その通りだ。あれを着られるのは葉隠だけ、それは確かめたぞ」

苗木「つーか何いきなり霧切さんを疑ってんだよ!! ボクの事だって、ちょっと発言間違えるだけで犯人扱いされるしさぁ!!
   それだったら葉隠クンとかどうなるんだよ、どんだけゲームオーバーになるんだこのバカは!!」

葉隠「なんか俺に飛び火したべ!?」

セレス「くっ……ふ、ふん、霧切さんの事になると熱くなりますのね……」

苗木「当たり前だよ、彼女はボクにとって本当に大切な人なんだ!」

霧切「苗木君……」

苗木「だいたい、霧切さんがジャスティスロボを着れば、あの天国の香りがするはずなんだ!! 以前ボクが嗅ぎまくったあの香りが!!」ビシッ

霧切「苗木君、少し黙って」



689:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 21:11:14.10 ID:52bCzHWZ0

説得力あり過ぎワロタ



701:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 21:32:11.39 ID:8zPy/pqfP

 

【裁判後】


犯人は……セレスさんだった。
それも、かなりの計画的犯行。その理由は。


苗木「夢の為…………か」

セレス「ふふ、苗木君には言いましたわよね。わたくしは欲しいものは何としてでも手に入れる、と」ニコ

苗木「それでも!!」

セレス「同じですわ、あなたにとっての霧切さんが、わたくしにとっては夢であるだけ。
     もしも霧切さんとその他全員どちらかを取る選択を迫られた時、あなたは霧切さんを見捨てられますか?」

苗木「それは……っ!!」

セレス「……ふふ、これ以上は余計ですわね」

苗木「セレスさん、キミは娯楽室でボクに後悔しないようにって言ったよね。あれはこれから自分が事件を起こすから?」

セレス「…………」

苗木「そうだとしても、あんな事を言う必要はなかったはずだ。キミは」

セレス「わたくしは何も言いません。想像するならどうぞご自由に」



703:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 21:38:54.78 ID:8zPy/pqfP

 
彼女はそうやって話を打ち切ってしまう。
最期まで彼女らしい。そう思った。


セレス「それではみなさん、また来世でお会いしましょう」ニコ


でも、最期の笑顔は、彼女にしては下手に見えた。


………
……



【苗木の部屋】


ピンポーン


部屋に呼び鈴が響く。
何となく、誰が来たのかは分かった。願望も含まれてるけど。



708:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 21:45:36.73 ID:8zPy/pqfP

 

ガチャ


霧切「夜遅くにごめんなさい」

苗木「ううん、何となく来ると思ったよ。なんか裁判後のお決まりになってるね」

霧切「……苗木君は、私の事をどう思っているの?」

苗木「えっ、好きだけど」

霧切「そう……たぶんそれってとても幸せな事なのよね。
   今日も私を心配して探してくれたり、私が疑われたら怒ってくれたり。正直言うと、結構嬉しかった」ニコ


霧切さんは普段はあまり見せてくれない笑顔を浮かべている。
たとえ何時間見ていても飽きないような、心癒されるようなもの……だけど。


苗木「ね、ねぇ霧切さん、そういうのってなんか死亡フラグに見えて怖いんだけど……」

霧切「死亡フラグ?」

苗木「本当に危ない事はやめてよ? どうしても必要ならボクに言ってから……」

霧切「その事で、少し謝らなければいけない事があるわ」



713:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 21:53:04.19 ID:8zPy/pqfP

 
苗木「……もしかして、もう既に危ない事したとか?」

霧切「えぇ、そうね」

苗木「…………」

霧切「文句なら聞くわ」

苗木「……いや、いいよ。こうしてキミが無事ならそれでいい」ハァ


なんだか、目を離すと遠くに行ってしまいそうで本当に怖い。
ちゃんと見張っていないと。


苗木「それで、何をしていたの?」

霧切「2階の男子トイレの掃除用具入れの奥。そこに隠し扉を見つけたわ」

苗木「か、隠し扉!?」

霧切「えぇ。あまり詳しく調べている時間はなかったけど、机と椅子、それと本棚があったわ。後、この紙」スッ


『ここから出てはいけない』



715:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 21:58:29.11 ID:8zPy/pqfP

 

苗木「……どういうこと?」

霧切「たぶんアルターエゴが言っていた事件と関係しているのだろうけど、詳しい所は分からないわ」

苗木「それじゃあ……その本棚をもっと調べれば何か……」

霧切「えぇ、でもあそこに長居するのは危険よ。おそらく、黒幕も面白くないだろうし」

苗木「でも……多少の危険はあってもやってみる価値はあるはずだ」


今のところ、黒幕に対抗できそうなものはアルターエゴしかない。
その要素はもっと増やしたほうがいいはずだ。


苗木「ボクが行ってくる」

霧切「ダメよ。それなら私が行く」

苗木「いいから。ここはボクに任せてって」

霧切「……私には危ないことするなって言うくせに」



716:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 22:00:56.58 ID:lGsJskPn0

変態の癖に変な時に紳士になりやがる



717:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 22:03:13.18 ID:EhzGgKvg0

>>716
紳士が元にあるから変態になれると考えよう



719:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 22:07:23.57 ID:8zPy/pqfP

 
苗木「うん……霧切さんには危ないことをしてほしくない。だからボクがやるんだ」

霧切「わ、私だってあなたに危険な事はしてほしくない」

苗木「……ありがとう、そう思ってくれて嬉しいよ。少なくともボクの事、仲間とは思ってくれているんだね」ニコ

霧切「あ……えっと……私は……///」

苗木「でもさ、霧切さんなら分かっているよね。ボクとキミ、ここから脱出するために重要なのはどっちか」

霧切「そんな事言わないで!!」


部屋に霧切さんの声が響く。
彼女のこんな声は初めて聞いた。


苗木「……あはは、大丈夫大丈夫。ボクって超高校級の幸運だしさ、ひょっとしたら霧切さんより安全かもよ?」

霧切「そんなので納得できるわけが……」

苗木「お願いだ、霧切さん」ジッ

霧切「…………」



725:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 22:16:04.52 ID:8zPy/pqfP

 
霧切「……約束して、無事に戻ってくるって」

苗木「うん、約束する。だからキミも、隠し部屋には近付かないって約束してほしい」

霧切「…………分かったわ」

苗木「ありがとう。それじゃ、行ってくるよ」ニコ


こんな事を思うのはきっとあまり良くないんだろうけど。
霧切さんの心配そうな表情が、ボクには嬉しかった。


【隠し部屋】


霧切さんに教えてもらった通りに部屋に入って、奥の本棚を探る。


苗木「これは……学園の名簿か……特に変わった事は……」パラパラ


ガンッ!!


苗木「がっ……!!」


バタッ……



728:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 22:20:34.31 ID:8zPy/pqfP

 

………
……



苗木「ぐっ……!!」


ズキズキとした後頭部の痛みに顔をしかめながら目を開ける。
しばらくぼんやりと焦点が合わなかったけど、次第にハッキリとしてくる。

とりあえず無事だから、霧切さんとの約束は破ってないよね。
いつも霧切さんに殴られて耐性がついたのかな。


苗木「本棚が……空っぽに……黒幕か……?」フラフラ


とにかく、これ以上ここに居るのは流石にマズいので、もう出ることにした。



731:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 22:27:07.12 ID:8zPy/pqfP

 

【校舎1階】


バキッ!!! ドカッ!!!


まだ痛みは引かずに、足元もおぼつかない。
そんな中、体育館の方から何かの音が聞こえてきた。


苗木「な、んだ……?」フラフラ


本当は今すぐにでも休みたいけど、無視するわけにもいかないのでそちらへ行ってみる。
考えたくはないけど、新たな事件っていう可能性もある。


ガラッ


気付かれないように、ゆっくりと小さく体育館への扉を開く。
その中では。


モノクマ「ちょっとちょっと、どういう事なのさ裏切り者め!」

大神「我は決めたのだ。もう引かぬ媚びぬ省みぬ……と」



759:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 23:26:12.95 ID:8zPy/pqfP

【苗木の部屋】


クラクラする頭を押さえながら、何とか部屋まで戻ってきた。
そこでは霧切さんがベッドに座って待っていてくれた。


霧切「苗木君!」


本当に心配そうにこちらに駆け寄ってくる。
あぁ……幸せだ。こんな霧切さんが見られるなんて。


霧切「どうしたの……大丈夫!?」

苗木「う、うん……ちょっと殴られただけだから……」

霧切「な、殴られた!?」

苗木「本棚を調べてる時に後ろからね……でも大丈夫、ちょっとクラクラするけど、大した事は……」


ギュッ!!


次の瞬間、ボクは霧切さんに抱きしめられていた。



767:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 23:34:21.98 ID:8zPy/pqfP

 
一気に霧切さんの香りがボクの中を満たす。
あ、ヤバイ、ユグドラシルが……。


苗木「え、えっと……そんな大袈裟にならなくても……」

霧切「…………っ!!」ギュッ

苗木「霧切さん……?」

霧切「居なくならないで……お願い……!」ブルブル

苗木「……大丈夫だって。ボクはちゃんとここに居るから」ギュッ


それからしばらく、彼女が落ち着くまでそのままの体勢でいた。
色々我慢するのには必死だったけど。


………
……



霧切「……もう人に踏み込みすぎないって誓ったのに。どうしてこうなってしまったのかしら」

苗木「人との繋がり自体は決して間違いなんかじゃないんだよ、きっと。霧切さんだって薄々気付いていたんじゃないかな」

霧切「そうかも……しれないわね」



769:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 23:39:33.29 ID:8zPy/pqfP

 

霧切さんはまだボクに抱きついている。
……そろそろ限界だ。もう、ゴールしていいよね。


ムニュ


霧切「っ!!」ビクッ

苗木「はぁ……いつかまたと夢見たこの感触……」モミモミ

霧切「んっ……あ……///」

苗木「服越しからでも十分柔らか…………あれ?」モミモミ

霧切「はぁ……んんっ……///」


おかしい。
いつもなら最初の一揉みでぶっ飛ばされてもおかしくなかったはずだ。

それなのに……ボクはこんなにも霧切さんのおっぱいを堪能できている!


苗木「……え、えっと、霧切さん? 抵抗しないの?」

霧切「苗木君には……無茶させてしまったから……だから、お詫びに…………」



770:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 23:40:10.19 ID:52bCzHWZ0

まさかのエロ



771:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 23:41:04.99 ID:GvOzMc6T0

脱いだ



774:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 23:42:01.59 ID:C3QDYNt90

パンツ吹き飛んだ



781:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 23:45:43.21 ID:8zPy/pqfP

苗木「…………」

霧切「///」


気まずい。気まずすぎる!!
これじゃまるでボクが無理矢理言うこと聞かせて胸揉んでる変態鬼畜ヤロウみたいじゃないか!!


苗木「ごめんなさい」


とりあえず土下座。これしかない。


霧切「えっ……?」

苗木「その、霧切さんにそんな気を使わせるつもりはなかったんだ……だから、うん、我慢なんかしないでぶっ飛ばしてください」

霧切「……そんな事しないわよ。大丈夫、そこまで気にしていないから」

苗木「い、いや、気にしたほうがいいって。他に好きな人も居るんだしさ……胸揉んどいて何言ってんだって感じだけど……」

霧切「す、好きな人? 何の事?」

苗木「キミがオナニーでオカズにしてる人だよ」

霧切「!!!///」カァァァ

苗木「その様子だと身近な人なんでしょ? 芸能人とかだと別だけど、そういう人をオカズにするっていう事は、ほぼ間違いなくキミはその人の事を好きなんだよ……」ハァ



791:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 23:51:45.63 ID:8zPy/pqfP

霧切「え……あ……そ、それって……!!///」

苗木「それで、誰なのかな? 教えてもらえると嬉しいんだけど……」


霧切さんは俯いてしまった。
元々色白なので、赤くなると分かりやすい。耳まで真っ赤だ。

そして。


霧切「な……苗木君」

苗木「え、なに?」

霧切「だ、だから…………」


霧切「苗木君で……オ、オナ……ニーしたの……」


…………???
え、なに、霧切さん、今何て言った!?


苗木「ボ、ボクで……オナニーしてたの……?」

霧切「///」コクン

苗木「そ、それって…………」ゴクッ



806:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/14(土) 23:57:28.20 ID:8zPy/pqfP

 

それはつまり……ひょっとしなくても!!!!!


苗木「えっ、霧切さんボクの事が好きなの!?」

霧切「っ!!///」

苗木「……そっかそっか、今までのは全部照れ隠しというわけだったのか」ウンウン

霧切「あ、ち、ちがっ……!!」

苗木「大丈夫大丈夫、分かってるよ霧切さん、全部分かってる。…………はっ!!!」

霧切「なに!?」ビクッ

苗木「ここはボクの部屋のベッドの上だ……そしてボク達は両想い……つまり!!!!!」


ここから導き出される答えは――――!!!!!


苗木「 い た だ き ま す ! ! ! 」ガバッ!!!!

霧切「ま、待って!!!!!///」ドンッ!!!!!



815:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 00:04:00.83 ID:6o0Z6f6rP

  

ドシャァァァァァァァァァァァ!!!!!!


ボクのルパンダイブは霧切さんによって弾き飛ばされ、ベッドの外まで吹き飛ばされた……。


苗木「お……ご…………!!」ズキズキ

霧切「あ、そ、その……ごめんなさい。でも」

苗木「こ、心の準備? 十秒でいい?」

霧切「短いわよ! そ、それに……私があなたの事好きだとも……限らないじゃない……」


…………。
ちょ、ちょっと待って。今何て言ったの霧切さん。


苗木「ボクの事好きじゃないの!?」

霧切「えっ、あ……そ、そういう事じゃなくて……よく、分からなくて……」オロオロ

苗木「いいや、キミはボクの事が好きだよ!! 好きじゃない身近な人でオナニーなんかするはずがない!!」

霧切「わ、分からないじゃない!! 私はまだそういう事知らなかったから、たまたまよく話す男子を、その、オカズにしたのかも……しれないし……」

苗木「…………うそん」



826:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 00:10:23.32 ID:6o0Z6f6rP

 
霧切「だ、だから…………私があなたの事を好きだとは限らないわ」キリッ

苗木「え、ボクは好きだよ!! 大好きだ!!」

霧切「……そう、ありがとう///」プイッ

苗木「いや絶対ボクの事好きだってその反応」

霧切「いいえ違うわ!」キリッ


この子面倒くさい……!!


苗木「……わ、分かったよ。じゃあそういう事にしておく」

霧切「そうよ……うん。そうなのよ」

苗木「それじゃあ真面目な話しよっか」ハァ


何だかとてつもなく腑に落ちないけど、あまり無理に攻めるのも良くない気がする。
霧切さんが今までこういう経験がないっていうのは確かだし、なおさらだ。


というわけで、先程見た大神さんの件を話す事にした。



828:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 00:16:45.53 ID:6o0Z6f6rP

 

霧切「……その件は、あまり他の人に言わない方がいいわね」

苗木「うん、ボクもそう思う。何か事情があるみたいだったし……」

霧切「でも、私には話してくれたのね」

苗木「霧切さんに隠し事はしたくないからね」ニコ

霧切「……っ///」

苗木「ねぇやっぱ今ここでセックスしない?」

霧切「し、しない!!」


ダメか。勢いで何とかなるとも思ったんだけど。
落ちそうで中々落ちない、難しい人みたいだ。そこが燃えるけど。


霧切「とにかく、私達が完全に疑い合うのは良くない。それは確かよ」

苗木「うん……これ以上コロシアイを起こさせない為にもね……」



831:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 00:22:55.07 ID:6o0Z6f6rP

 

【次の日 化学室】


校舎4階が開放された。
この階は音楽室、化学室、職員室、情報処理室、学園長室と沢山の部屋があった。

ボクと霧切さんはその内化学室に居た。


霧切「……毒ねこれ」

苗木「ペロッとかやめてよ」

霧切「やらないわよ。後は試薬と……これは栄養剤ね」

苗木「媚薬はないの?」

霧切「あったら使うの?」ジト

苗木「うん、もちろん。相手は霧切さんで」

霧切「私がそう簡単にそんなものを飲むわけがないでしょう。同人誌じゃあるまいし」

苗木「ですよねー」

霧切「それに、初めてなのに薬で、とかイヤよ」

苗木「あれ、相手がボクっていうのは嫌がらないんだね」



838:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 00:30:09.05 ID:6o0Z6f6rP

 
霧切「っ……い、いやよ……」アセアセ

苗木「そっか……じゃあボクの童貞は朝日奈さんにでも奪ってもらおうかな……」ハァ

霧切「ダメ!!」

苗木「…………」

霧切「…………///」

苗木「ねぇ霧切さん、やっぱボクの事好きでしょ?」

霧切「この部屋はもういいわね。次は音楽室でも見てみましょう」


何て強引な話の逸し方なんだ。
たぶん更に追求しても力押しで何とかされちゃうんだろうなぁ。


【脱衣所】


アルターエゴが置いてある大浴場の脱衣所。
ボクは一つの大きな使命を胸にやって来ていた。


苗木「お願い……アルターエゴ」

アルターエゴ「うん、分かったぁ」ニコ



843:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 00:40:34.14 ID:6o0Z6f6rP

 
霧切『苗木君……もう……我慢できないの……///』

苗木「ふおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!」

霧切『あっ/// だ、だめ……そん、な……んんっ!! ぁぁあああっ!!!』

苗木「いいよ……いいよ霧切さん!! 乳首もこんなに立っちゃって……!!」シコシコシコシコ

霧切「んはっ!! ひっ、んんんん~~!!! あ……ぁぁっ……くぅ……っ!! やぁぁっ!!!///」

苗木「霧切さん……霧切さぁぁあああああん!!!!! こっちももうトロトロだよおおおおおおおおお!!!!!」シコシコシコシコ

霧切『やっ、だ、だめ!! そこ……はぁぁぁっ!!!!! あっ、やぁぁっ、んんんああああああああああああああっ!!!!!』

苗木「ぐっ……ダメだ、出ちゃう!!! 入れるよ霧切さん!!!!!」シコシコシコシコ

霧切『ま、待って……ゆっくり……はひっ、ふっんんんっぅうううあああああああっ!!!!! あっ……あっああっああああああ!!!!!///』

苗木「あっ、イグッ!!! イッちゃううううううううううう!!!!!」

霧切『わたっ……わたしも!!!!! 私も、も、もう……あんっ!!! あっ……んんっ……イ、イッちゃ、んんんっ……んんんんんぁぁぁはああああああああああっ!!!!!』


ドビュッ!!!!!


苗木「ふぅ……」

霧切「 な に を し て い る の ? 」



846:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 00:41:49.18 ID:XYS18BWA0

Oh...



849:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 00:44:24.53 ID:n+Ok+dpv0

ふぅ……



850:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 00:46:13.54 ID:6o0Z6f6rP

 

ゴンッ!!!!!


情け容赦ない一撃が頭に叩き落とされた。


苗木「おごぁぁあああああっ!!!!!」ジタバタ

霧切「まったく……アルターエゴも何をしているのかしら」

アルターエゴ『あ、霧切さん! なんかね、苗木君がお芝居の相手になってほしいって!』ニコニコ

霧切「はぁ……頭が痛いのだけど」ガクッ

苗木「ボクも物理的に痛いよ……」ズキズキ

霧切「だいたい、あなたどれだけ性欲旺盛なのかしら。いくら閉鎖空間といっても異常すぎるわよ」

苗木「仕方ないじゃないか霧切さんがヤらせてくれないんだから!」

霧切「わ、私のせいなの!? というか、そんな性欲処理みたいな感じで私の身体使われるのなんてイヤよ……!!」

苗木「じゃあ精一杯愛をこめてするから……」ネットリ

霧切「っ……ダ、ダメ!!」

苗木「えー」



857:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 00:55:35.37 ID:6o0Z6f6rP

 
苗木「そうだ、アルターエゴにも聞いてみようよ」カタカタ

霧切「聞くって何を……」

アルターエゴ『うん、苗木君と霧切さんはお似合いだと思うよ! 結婚してセックスするべきだと思う!』ニコニコ

霧切「なっ!!///」

苗木「ほら、アルターエゴも言ってるしさ!」

霧切「そんな事よりここから脱出する方法を考えましょう」キリッ

苗木「……う、うん、まぁそうだけどさ」


言っている事は正論だ。反論なんかできない。仕方ない、次の機会に思い切り攻める事にしよう。
その後、アルターエゴの意思を尊重して、彼を隠し部屋のネットワークに接続する事になった。


………
……



それから色々あった。
モノクマが大神さんが内通者だという事を言いふらして。
そこから疑心暗鬼な雰囲気が全体に広がって…………そして。



858:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 01:00:12.17 ID:6o0Z6f6rP

 

【娯楽室】


大神「…………」


椅子の上では大神さんが冷たくなっていた。
また……起きてしまった。


苗木「大神……さん……」

霧切「朝日奈さん、大丈夫?」

朝日奈「う、うん……大丈夫……みんなを……呼んでこないと……」フラフラ


朝日奈さんがおぼつかない足取りで去っていく。
無理もない、大神さんと一番仲が良かったのは彼女だ。


霧切「……朝日奈さんの様子、どこかおかしかったわね」

苗木「それはそうだよ……大神さんがこんな……」

霧切「いえ、大神さんがこんな事になっているからこそよ。いつもの彼女なら真っ先に駆け寄ってくるはず」

苗木「…………確かに」



859:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 01:05:14.12 ID:6o0Z6f6rP

 

……待てよ。これってつまり。


苗木「霧切さんは……朝日奈さんの事を疑っているの……?」

霧切「……前も言ったでしょう。私は自分以外のみんなを疑っているわ」

苗木「ボクも……か」ハハ

霧切「あ、いえ……その、あなたを疑いたくないというのは本当。でも」

苗木「うん、大丈夫だよ。信じたいから疑う、そういう事でしょ?」ニコ

霧切「……ごめんなさい」

苗木「謝らなくていいって! ボクはそういう霧切さん、好きだよ」

霧切「あ、ありが……とう…………あ、あのっ!!」

苗木「あ、霧切さん、この雑誌一冊だけ逆さまに入ってるよ!!」

霧切「…………そうね、調べてみましょう」


あれ、なんか霧切さんが微妙な表情を浮かべているけど、何でだろう。



861:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 01:09:42.11 ID:6o0Z6f6rP

 

【裁判後】


事件の真相は大神さんの自殺だった。
そして、朝日奈さんが大神さんを追い詰めた自分達も死ぬべきだと工作をした。
アルターエゴが……犠牲になってしまった。

それはとても悲しい事件だった。
でも、彼女の残した遺書でみんなの意識が変わった。

ボク達は、お互いが仲間だと、戦うべき相手はモノクマなんだと。


………
……



【苗木の部屋】


遠くから声が聞こえる。
ゆっくりと目を開けてみると、そこには…………。


霧切「苗木君」

苗木「……夜這い?」



866:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 01:15:40.08 ID:6o0Z6f6rP

霧切「ち、違うわ。その、脱衣所に来て」

苗木「えっ、あ、ちょっと霧切さん?」


【脱衣所】


苗木「えーと、どうしたの? 一緒にお風呂入る?」

霧切「入らない! あなたにモノクマの注意を引きつけてほしいのよ」

苗木「モノクマの注意を?」

霧切「えぇ、説明するわね」


霧切さんの話を聞くと、どうやら黒幕はモノクマの操作と監視カメラのチェックを同時にできないらしい事。
そして大神さんが残した突破口、学園長室へ入るために、ボクはモノクマの注意を引きつけてほしい、との事だった。


苗木「そんな、危険だよ!!」

霧切「前回はあなたのワガママを聞いてあげたのよ。今回は私のワガママを聞いて」

苗木「で……でも……!!」

霧切「お願い。大神さんの為にも」ジッ

苗木「…………分かったよ。でも、お願いだから無事に帰ってきてね」



874:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 01:33:02.27 ID:6o0Z6f6rP

 

………
……



【一階食堂前】


それからボクは言われた通りにモノクマの注意を引きつけて、霧切さんの帰りを待った。
その間は物凄く不安で、前回も彼女はこんな気持ちで待っていたと思うと、申し訳なく思った。


霧切「苗木君」

苗木「あっ、霧切さん!!」

霧切「…………」スタスタ

苗木「え、な、なに……?」


霧切さんは無言で歩いてくる。
そして顔をすぐ近くまで寄せて、


霧切「戦刃むくろに気をつけて」



876:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 01:36:29.58 ID:6o0Z6f6rP

 

苗木「えっ……あ」


そっか、モノクマに聞かれると困るのか。
……何というか、残念。

それから一言二言聞いて、彼女の話は終わる。


苗木「キスしてくれるのかと思ったのに」

霧切「っ!! い、いきなりそんな事……できるわけないでしょ……!!///」

苗木「いきなりじゃなかったらしてくれるの?」

霧切「あ……え、えっと……私はもう部屋に戻るわ!!」


なんかこうやって霧切さんをからかうのが癖になってきたような気がする。
もちろん、いつまでもこの関係でいるつもりはないけど、楽しいものは楽しいんだよなぁ。

たぶん、本人からすればたまったものじゃないんだろうけど。



881:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 01:42:43.19 ID:6o0Z6f6rP

 

【次の日 武道場】


学級裁判が終わったことで、5階が開放された。
そこには生物室、武道場、植物庭園。そして、血まみれの教室。

最上階という事で、いよいよ学園の謎も大詰めになってきた感じだ。

そんな中、ボクと霧切さんは武道場に来ていた。
校内なのに桜が舞っていて、綺麗な景色が広がっている。


苗木「はい、霧切さん、プレゼント」

霧切「え、これって……桜の花束?」

苗木「うん、本当はイン・ビトロ・ローズが一番良かったんだけど、中々出なくてさ。ほら、こんな景色だし、桜の花束もいいんじゃないかって」ニコ

霧切「あ、ありがとう……///」


良かった、気に入ってもらえたようだ。
桜の花言葉は「優れた美人」。まさに霧切さんにピッタリだ。


霧切「……苗木君。前のセレスさんの話覚えている?」



884:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 01:51:53.76 ID:6o0Z6f6rP

 
苗木「セレスさんの話って……」

霧切「あなたは、私かみんな、どちらか一方しか取れない選択を迫られた時……どうするの?」

苗木「……それは」


当然そんなすぐに選べるような問題じゃない。
霧切さんはボクにとって一番大切な人だ。でも、だからって他のみんなを犠牲にする事なんてできない。


苗木「選べないよ……そんなの、ボクは……」

霧切「……私も、そうなの」

苗木「え?」

霧切「苗木君とみんな、どちらかを取らなければいけないって考えた時、答えなんて出なかった。たぶん以前までは迷わずみんなを取っていたんだろうけど」


ギュッ


霧切さんは静かに、ボクの胸の中に収まった。


霧切「時間が許せばいつまでもこうしていたい。そう思ってしまうの」

苗木「…………それ告白でおk?」



887:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 01:52:56.42 ID:PE0xVyn20

>>それ告白でおk?

なんかワロタwwwww



890:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 01:58:06.75 ID:6o0Z6f6rP

 
霧切「違うわ」

苗木「……そ、そうですか」

霧切「私は……あなたにみんなを選択してもらいたい……。私の為にみんなを犠牲にしてほしくない」

苗木「どんな事があってもキミを見捨てるような事はしない。絶対に」

霧切「ふふ……どうせそう言うと思っていたわ」


ギュッと、霧切さんはボクに回した腕の力を強くする。
ボクも負けじと、同じように彼女に回した腕の力を強める。

そのままボク達は、桜が舞う中でしばらく抱き合っていた。


【食堂】


十神「おい霧切、鍵をよこせ」

苗木「ちょっと待てよかませメガネ」


素性の知れない霧切さんに自分の事を話させようと考えた結果、十神クンはとんでもない行動に出た。
当然、ボクがそんなものを許せるわけがない。

これ以上言うようなら、あのメガネ叩き割ってやる。



897:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 02:03:06.43 ID:6o0Z6f6rP

 

霧切「いいわ」


なんと、霧切さんは簡単に十神クンに鍵を渡してしまった。
ボクは思わず呆然と、そして鍵を受け取った十神クン自身も目を丸くしていた。


十神「貴様……そこまで……」ギリッ

霧切「これで用は済んだでしょ。私は行くわ」

苗木「あ、待ってよ霧切さん!!」


ボクは急いで彼女を追って食堂を出る。


苗木「霧切さん、これだとキミは部屋に入れないじゃないか! どこで寝るの!?」

霧切「……あなたは気にしなくていいわ」

苗木「そんなわけにはいかないよ!! あ、そうだ、ボクの部屋に来なよ!!」

霧切「下心が見え見えだから遠慮しておくわ」

苗木「そ、そんな事ないって……絶対手を出さないって誓うから!!」

霧切「それより苗木君、あなたには頼みがあるの」



899:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 02:10:57.10 ID:6o0Z6f6rP

 

また霧切さんはモノクマに聞かれないように顔を近付けてくる。


霧切「昨日手に入れた鍵がどこのものか調べたいの。モノクマの注意を引きつけてくれる?」

苗木「鍵って……学園長室にあったもの……?」

霧切「えぇ。大丈夫、今度もきっと上手くやるわ」

苗木「…………信じるよ。約束してね、絶対に無事に戻ってくるって」

霧切「分かったわ。ありがとう、苗木君」


それから、ボクは言われた通りにモノクマの注意を引きつけた。
その時から、霧切さんは姿を消した。


【深夜 苗木の部屋】


苗木「ぐっ……はぁ……はぁ……!!」


風邪を引いた。
こんな状況なのに自分でも呑気だなとは思うけど、苦しいものは苦しい。

そして、ぼんやりとした意識の中で。



901:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 02:12:49.09 ID:6o0Z6f6rP

 

「…………」


何者かが立っていた。
顔は覆面を被っていて分からない。ただ、その手には……。

サバイバルナイフが握られていた。


苗木「っ!!!」


危機感は覚えても、動くことができない。
それどころか…………意識が遠のいて…………。


………
……



次に目を覚ました時、目の前には。


霧切「…………」

苗木「き、霧切……さん……?」



903:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 02:16:20.75 ID:6o0Z6f6rP

 
いつもなら軽く下ネタの一つでもぶつける状況だけど。
そんな軽口の一つも叩けないくらいに、ボクは衰弱しているようだった。


霧切「――――」

苗木「……?」


何かを言っている。
読唇術を使うと…………『愛している』。うん、たぶん違う。というか読唇術なんて使えない。


そんな事を考えている内に、再び意識が落ちた。


【次の日 植物庭園】


……また、死体が見つかってしまった。
しかも、その死体は昨日ボクが見た覆面を被っていた。

ここに居ない人はただ一人だけ。


十神「霧切……か」

苗木「それは違うよ!!」



904:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 02:20:59.43 ID:6o0Z6f6rP

 

あの倒れている人は霧切さんじゃない。
それは今までずっと見てきたボクが断言できる。匂いでも嗅げば完璧だ。

でも、それならあの死体は誰のものなんだろう。そう考えた時、頭の中に一つの名前が浮かんだ。


苗木「戦刃……むくろ……」


その後、死体は燃えるわ、全国生中継だとか言われるわ、頭を混乱させるような事ばかり起きた。
こんな時、霧切さんなら常に冷静に状況を理解していってくれたのだろう。

彼女は、どこにも居ない。
あのモノクマでさえ、彼女の居場所は掴めていないようだった。


一体……どこに行ってしまったんだ……霧切さん……!!


【裁判前】


いつものエレベーター前の部屋。
そこでボク達は待っている。最後の一人、霧切さんを。
そして。


霧切「……遅れたわね」ハァハァ



908:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 02:24:12.61 ID:6o0Z6f6rP

 

苗木「霧切さん!!」


珍しく息を切らせた様子で慌ただしく入っていきた霧切さん。
でも、そんな事はどうでも良かった。こうして無事な姿を見られただけで、ボクは十分だった。

エレベーターが動き出す。
ボクは霧切さんにこっそりと話しかけた。


苗木「結局、あの鍵は何だったの?」

霧切「これは全ての鍵を開けられる万能キーだったわ。ずっと寄宿舎の2階を調べていたの」

苗木「えっ、本当!?」

霧切「えぇ、それで分かった事がいくつかあるけど…………まずはこの裁判を乗り切る事からね……」


そう言う霧切さんの表情は苦しそうで。
なんだか、いつもと違った雰囲気だった。

いや、でも今までだって何とかやってきたんだ。
きっと、今回だって…………。



911:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 02:29:16.36 ID:6o0Z6f6rP

 

【学級裁判】


十神「犯人は霧切響子だ!!」

苗木「くそ……この強制シャッ十神が……!!」


裁判の流れは最悪だった。
霧切さんの部屋からは武道場のロッカーの鍵が見つかって、中には血のついたガムテープとジュラルミン製の矢の束。

アリバイがないのも霧切さんだけで、みんなはもう完全に疑いの目を彼女に向けている。


苗木「でも……それはおかしいよ!!」

十神「何だと?」

苗木「だって霧切さんは自分の部屋に入れなかったんだよ!? それじゃあ、ロッカーの鍵を部屋の中に置けないじゃないか!!」

十神「なっ……」


よし、何とか押し戻せた。
でも、油断しているわけにはいかない。今だ霧切さんの立場が不利なのは変わっていない。


霧切「…………」



912:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 02:30:17.62 ID:FISJqwRv0

矛盾を指摘してはいけない



914:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 02:34:58.82 ID:6o0Z6f6rP

 

おかしい。どうして霧切さんは何も言わないんだ。
今までの裁判だって、彼女はいつも議論の中心になってきたはずだ。

それなのに……この状況でどうして……!!


苗木「……今回の裁判、何かおかしいぞ」

葉隠「お、おかしい!?」

朝日奈「そう、かな……?」

腐川「ふん、霧切が犯人にされそうだからって適当に言ってんじゃないの……」

苗木「そうじゃないよ!! だってまず被害者だって急に出てきた16人目の高校生で、ボク達が誰も顔を見ていないんだよ!?」

十神「……ふむ。確かに今までの事件と比べると異質だな」

モノクマ「急に何を言っているのかなぁ苗木クン。そういうセリフはとっても犯人っぽいねぇ……」


何を……言っているんだコイツは……!!


十神「そういえば……あのロッカーの鍵を見つけたのは苗木、お前だったな。
    霧切が部屋に入れなかったというならば、お前がこっそり部屋に置いたという可能性しかない」

苗木「なっ……!!!」



915:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 02:39:55.74 ID:6o0Z6f6rP

霧切「っ……!!」 


マズイ。今の十神クンの一言、そしてモノクマの言葉で一気にボクに疑いが集まった。
違う……ボクじゃない。もしその結論を出せば、みんな処刑されてしまう!!

考えろ……考えるんだ!!


その時。


霧切「どうして黙っているの、苗木君。言えばいいじゃない」


ここに来て、霧切さんの声が響き渡った。
その声はいつもと同じく凛としていて、決して大きくないのによく通った。


苗木「い、言えばって……何……を?」

霧切「…………」


霧切さんはわずかに目を閉じた。そして。


霧切「私は自分の部屋に入ることができた。万能キーを持っているのだから」



919:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 02:43:58.24 ID:6o0Z6f6rP

 

みんなの表情が……固まる。
どうして……どうして霧切さん……っ!!


十神「万能キー……だと!?」

葉隠「マ、マジかよ!!!」

霧切「えぇ、ここに来るまで寄宿舎2階を調べていた。この鍵がそうだっていうのは試せばすぐ分かるわ」

朝日奈「え、じゃ、じゃあ……!!」

腐川「犯人も……霧切!?」

苗木「みんなちょっと待っ」


ボクがそう声を出したその瞬間。


モノクマ「タイムアップー!! 投票いってみましょー!!」


モノクマの声が響いた。
頭の中が真っ白に…………なって……いく……。


苗木「……は?」



927:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 02:50:49.33 ID:6o0Z6f6rP

 

モノクマ「ではでは、いつも通りお手元のボタンで投票してくださいねー」


苗木「ちょっと待てって言ってるだろ!!! こんなのおかしいだろ!!!」

モノクマ「さて、みんなが選ぶクロは誰なのか。そして、それは当たっているのか!」

苗木「おい聞けよ!!!!! 霧切さんが犯人だったら自分からあんな事言うはずがないだろ!!!!!!」

モノクマ「運命の……投票ターイム!!!」

苗木「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」


いつもの……何度も見てきたスロットが回る。
その中央で、揃ったのは。


霧切さんの……顔だった。


ジャラララララララララララララララララララ!!!!!!!


モノクマ「だいせいかーい!! 今回のクロは霧切響子さんでしたー!!」

苗木「なん……だよ、これ…………何なんだよこれは!!!!!」



935:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 02:59:41.08 ID:6o0Z6f6rP

 
霧切「…………」

苗木「霧切さん!! 霧切さんも何か言ってよ!! キミは犯人なんかじゃないでしょ!?」

霧切「苗木君、よく聞いて」


霧切さんは足早にこちらにやって来て……ボクに何かを握らせた。
そして、しっかりとした強い瞳でこちらを見つめる。


苗木「えっ……?」

霧切「万能キーと脱衣所のロッカーの鍵よ。その中には私が調べてきた事が入っているから」

苗木「ど、どうしてそんな……事……!!」

霧切「……苗木君なら分かるはずよ」

苗木「全然分からないよ!!! 嫌だ……嫌だよ!!!!!」


その時だった。
霧切さんは……静かに、それでいて力強く、ボクを抱きしめた。


霧切「あなたの事……信じてる。あなたなら、きっと……みんなと一緒にここから脱出してくれる」

苗木「みんなって誰だよ……その中に霧切さんだって居るのに……!!!!!」



939:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 03:08:20.77 ID:6o0Z6f6rP

 
モノクマ「うぅ……泣けるなぁ……これならテレビの前のみんなも号泣間違いなしだよ……」ウルウル

モノクマ「でもでも、だからってオシオキ回避とかは認められないよー! ていうか邪魔なんすけど苗木クン」


ボクは霧切さんを抱きしめる。
強く、強く。絶対に離さないように。


苗木「嫌だ……絶対に嫌だ……!!!」

霧切「……ありがとう、苗木君。あなたに出会えて、良かった」

苗木「そんな事言わないでよ!!! まるで……これが……最期みたいに……!!!」


聞きたくなかった。
こんな事は初めてだった。彼女の言葉はいつでも心地いいものだった。

でも、今はひたすら痛い。


霧切「苗木君……私…………」

苗木「うっ……うぅぅぅ……!!!!!」


霧切「あなたの事が…………好き」



945:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 03:12:07.63 ID:6o0Z6f6rP

 

ドンッ!!!!!


突き飛ばされた。
そう気付いた時には、彼女はもう手を伸ばしても届かない所にいて。

そして。


モノクマ「超高校級の探偵、霧切響子さんの為に、スペシャルなオシオキを用意しましたー!!」


それは…………始まった。


【補習】


教室には霧切さんが一人。
彼女はきちんと椅子に座っていて、机の上には教科書も出ている。


ズドンッ!!!!!


教室全体が不自然な震動をする。
奥には…………プレス機があった。



953:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 03:16:49.23 ID:6o0Z6f6rP

 

苗木「やめ……ろ……!!!」


霧切さんは後ろへ……プレス機の元へと運ばれていく。
その前では教卓の前でモノクマが授業をしている。

霧切さんの表情が……青ざめていく。


苗木「やめてくれ……!!!」


プレス機のすぐ近くまで、霧切さんが運ばれてきた。
彼女は……目を閉じた。


苗木「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」


バチッ!!!



963:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 03:24:44.95 ID:6o0Z6f6rP

 

その時だった。
プレス機の上に取り付けられていた画面、そこに映っていたモノクマの顔がブレる。

そして、直後。


アルターエゴ『…………!!』


プレス機が霧切さんを押し潰す事はなかった。
それは彼女の頭上で停止し、彼女自身はそのまま運ばれていき…………どこか下へと落とされていった。


苗木「アルターエゴ……?」


思わず腰が抜けて、その場にへたり込む。
あの一瞬映った顔は、確かにアルターエゴのものだった。


モノクマ「なっ……はぁぁぁぁああああ!? おい何だよこれ!!」


朝日奈「今のってやっぱり……」

葉隠「あぁ、アルターエゴだったべ」

腐川「ア、アイツが霧切を助けたってわけ? でも確かにアイツは壊されたはずじゃ……」



976:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 03:31:36.34 ID:6o0Z6f6rP

 
モノクマ「ぐっ……ネットワークに繋がった時だな……その時にウイルスでも仕込んでいやがったのか!」

十神「おいモノクマ。今の裁判、本当に正しいのだろうな。全てがイレギュラー尽くめだぞ」

苗木「正しい事なんてあるもんか!! この裁判はコイツが霧切さんを始末したいが為に仕組んだものだ!!」

モノクマ「…………」

苗木「何とか言えよ!!」


モノクマ「うぷぷぷぷ、あーっはっはっはっはっは!!!!! まっ、別にいいもんねー、あそこから落ちた所でどうせ助からないし!!!!!」


モノクマの言葉に、背筋を冷たいものが流れた。
そうだ……ボクはあの下に何があるのか全く知らない。


モノクマ「まだプレスされた方がマシだったかもね。霧切さんは一生出られる事もなく、ただ餓死していくんだよ!!!」

苗木「そんな事はさせない!!!」


そうだ、霧切さんはまだ生きている!!
それなら何としてでも助け出す、諦めたりするもんか!!



987:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 03:40:29.26 ID:6o0Z6f6rP

 

【ゴミ捨て場】


霧切「うっ……」


酷い光景と臭いが辺りに広がっていた。
私はオシオキを受ける寸前で……アルターエゴに助けられて……。


霧切「そのまま……落ちたのね」


辺りにはどうやら他のオシオキに使われたと思われる残骸が散らばっていた。
あの宇宙ロケットのようなものは何に使っ…………あぁ。


霧切「あれで……父を殺したのかしらね」


寄宿舎2階。その奥の隠し部屋で父のものと思われる骨は見つかった。
まさか本当に娘の名前をパスワードに設定する人間がこの世に居るとは思わなかったけど。


霧切「…………」


見上げても光は見えない。



990:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 03:48:41.23 ID:6o0Z6f6rP

 

……でも、決して諦めたりはしない。
そういう所は彼に習うべきだと思っている。


霧切「そ、そういえば……言ってしまったわね……///」カァァァ


オシオキを受ける前、何ていうか、勢いで告白してしまったような気がする。
どうしよう。次会う時、彼は絶対ニヤニヤと勝ち誇った顔をしている。

何と言い訳をするべきか。


霧切「……と、友達として、とか。少し苦しいかしら」ブツブツ


別にあの時言った事がウソであるというわけではない。
ただ、そういう弱みを彼に見せるのは気が進まないというか。

……いや、恋人同士ならそういうは気にしなくていいのだろうか。


霧切「ダ、ダメよ! ここでしっかり彼の手綱を握っておかないと、後でどんな事をされるか分かったものじゃない!!」


彼の言うことは拒めず、強く押されたら何でも言いなりになってしまう。
そんな嫌な予感が漠然とあった。



994:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 03:55:54.77 ID:6o0Z6f6rP

 

【寄宿舎】


葉隠「ま、まじでやるんか!?」

苗木「うん、きっと霧切さんはゴミ捨て場に落とされたんだと思う。だから、ボクもゴミに紛れていく!!」

朝日奈「苗木……やっぱりあんたって霧切ちゃんの事、大好きだよね」

腐川「ふ、ふん……当然よそのくらい。あたしの小説の中なら、男はもっと凄い事をしているわ」

十神「ふん、しかしその予想が外れている可能性もあるだろう。それで出てこられなくなったら笑えないな」

苗木「うっ……ま、まぁそこは幸運を信じてみるっていう事で……」


ボクは大きなゴミ袋の中に入る。
ベチャ、と何かが髪についたけど、気にしているわけにはいかない。


絶対に……霧切さんを助けてみせる!!





9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 04:03:31.93 ID:6o0Z6f6rP

 

【ゴミ捨て場】


ヒュゥゥゥゥゥゥ……ドサャァァァァ!!!!


苗木「つっ……!! ク、クッションがあってもかなりくるな……!!!」


何とかゴミ袋から抜けだして周りを見る。
そこには、まぁ、まさにゴミ捨て場といった光景が広がっていた。

そして。


霧切「苗木……君……!!」


見つけた。
ボクにとって大切な人。絶対助けると誓った人。


どちらが先かなんて分からなかった。
気付けば、ボクと霧切さんは抱き合っていた。





16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 04:10:28.46 ID:6o0Z6f6rP

 

苗木「あぁ……やっぱりこの匂いは落ち着くな……」クンカクンカ

霧切「やっ、ま、待って! 私、ずっとここに居たから、その、酷い臭いだから……!!」

苗木「そんな事ないよ。いい匂いすぎて……ほら……ボクのアレも……」ムクムク

霧切「っ!! あ、当たってるわよ……!!」

苗木「ごめん……生理現象だから!!」

霧切「そんな堂々と言われても……」


そう言って呆れた顔をする霧切さん。可愛い。
というか、彼女はどんな表情も全部可愛い。


苗木「……そういえばさ」ニヤニヤ

霧切「うっ」

苗木「ほら、なんだっけ……上で霧切さん、ボクに何か言わなかったっけ……?」

霧切「そ、それは……えっと……!!///」

苗木「ボク、もう一回聞きたいなー。できれば録音もしたい所なんだけど……」

霧切「わ、分かったわよ!!」



21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 04:16:31.78 ID:6o0Z6f6rP

 
霧切「……す、すす……す……す、き、です///」カァァァ

苗木「え、なんだって?」

霧切「す、好き!!///」

苗木「え、なんだって?」

霧切「だから好きだって言ってるじゃない!!!」

苗木「ボクも好きだよ」ニコ

霧切「っ!!///」カァァァ


やばい、このまま押し倒してムチャクチャにしたい。
でも、ダメだ。いくら何でも初体験がこんな場所とかは霧切さんが可哀想すぎる。


苗木「霧切さんは可愛いなぁ……」ナデナデ

霧切「うぅ……私より身長低いくせに……」

苗木「ぐはぁぁっ!!!!!」ガフッ

霧切「でも……可愛いって言ってくれるのは嬉しいわ///」

苗木「いつの間にかデレ切さんになっているとは……」



24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 04:22:23.79 ID:6o0Z6f6rP

 

何ていうか、まだまだ何も解決していないんだけど。
こうしているだけで、とてつもなく幸せだ。


苗木「……えっとさ、これでボク達恋人同士でいいのかな?」

霧切「い、いいと……思うけど///」

苗木「婚約関係でもおk?」

霧切「……いいわ///」

苗木「じゃあ、さ」

霧切「あ……えぇ、分かったわ」


そう言うと、彼女は手袋を外した。
その下から火傷で爛れた手が現れる。


苗木「…………」

霧切「酷い火傷でしょう。確かに私が見せたくないというのもあるけど、他の人の気分を害さない為というのもあるのよ」

苗木「ペロペロしたい」

霧切「はい?」



27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 04:25:05.36 ID:FISJqwRv0

超高校級の変態に戻るのか



30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 04:30:04.63 ID:6o0Z6f6rP

苗木「ダメ?」

霧切「で、でも……そんな……こんなもの……」

苗木「ボクはそれをペロペロしたいんだ!!」ドンッ

霧切「……そ、そこまで言うなら」スッ


差し出された彼女の手。
ボクはそれをじっと見た後…………。


一心不乱にペロペロした。


霧切「ひゃっ……んんっ!!///」ビクッ

苗木「はぁ……はぁ……!!!」ペロペロ

霧切「な、苗木くぅぅんっ!! あっ!!///」ビクビク

苗木「おいしい……おいしいよ霧切さん!!」ペロペロ

霧切「う、そ……よぉ……っ!!///」

苗木「ウソじゃない!! 美味しすぎてペロペロが止まらないよ!!」ペロペロ

霧切「んんっ……はぁぁっ、やっ、くすぐったい……っ!!///」



43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 04:35:50.88 ID:6o0Z6f6rP

 

それからしばらくペロペロした後。


苗木「霧切さんの全身をくまなくペロペロしたい!!」

霧切「そ、それはダメ!! 本当に……その、今お風呂とか入ってないから……!!」モジモジ

苗木「……ダメ?」

霧切「うっ……あ、え、えっと……お願い、せめてお風呂入らせて……」

苗木「よし、それじゃ約束だよ!! お風呂入ったら全身ペロペロさせてくれるって!!」

霧切「……え、えぇ。分かったわ」


彼女の返答に、思わず拳を握りこむ。
いいぞ、何か無理矢理押せば何でも言うこと聞いてくれそうだ!!

それなら他にもあんなプレイやあんなプレイも…………おっと、それにはまず。


苗木「全部、ここでの事が片付いてから、か」

霧切「そう……ね。まずはモノクマを何とかしないと」

苗木「よし、それならちゃっちゃと終わらせて…………あ」



47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 04:40:25.51 ID:6o0Z6f6rP

 
霧切「どうしたの?」キョトン

苗木「その前にさ、キスしない? せっかく婚約したんだから、それだけでもさ」

霧切「っ……///」カァァァ

苗木「霧切さんはキスしたくない?」

霧切「し、したいわ///」

苗木「よし、それじゃあ問題なしだね!」


ボク達は地面に敷いた新聞紙の上に座った。
立ったままキスするとボクが死にたくなるからだ。

そして、お互い顔を近付けて――――。


チュッ


霧切「んっ……///」


ニュルッ……ジュプッ……


霧切「んっ!? んんんんんっ、んんんんん~~~~!!!!!」



49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 04:42:00.53 ID:TMB4M45V0

いきなりディープかよwwww



54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 04:46:06.61 ID:6o0Z6f6rP

 

あぁ……霧切さんの歯茎……舌……美味しすぎる……!!
唾液ももっと飲ませてよおおおおおおおお!!!!!


苗木「……ぷはっ」

霧切「あっ……ぁぁあ……なななななな苗木君……!!!!!///」カァァァ

苗木「ん、どうしたの?」

霧切「ど、どうしたのって……あ、あなた、舌を……!!!」

苗木「入れたけど?」

霧切「いきなりディープキスなんてビックリするわよ!!!///」

苗木「……それもそうか。ごめん、キスなんて初めてで、どうすればいいのか分かんなかった!」テヘペロ

霧切「わ、分からなかったらとりあえずディープキスになるのねあなたは……」

苗木「うん、なんか本能で」


霧切さんは顔を真っ赤にして肩で息をしている。
そんなにビックリしたんだろうか。

なんかこうも反応してくれると、これからもキスは全部ディープキスにしたくなるね!



60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 04:55:34.00 ID:6o0Z6f6rP

 
苗木「よし……それじゃあ行こうか。霧切さんの唾液パワーで、モノクマなんてどうにでもなりそうだ!」

霧切「だ、唾液パワーって…………でも、扉には鍵が」

苗木「霧切さん、ボクにこれを渡してくれたでしょ?」スッ

霧切「あ、万能キー!」

苗木「うん。後はただひたすら前に進むだけだ!」

霧切「……えぇ。苗木君となら、どこまでも行ける気がするわ」ニコ


ボクと霧切さんは堅く手を繋ぐ。彼女の体温を確かに感じる。
大切な人は……確かにここにいる。


扉に鍵を差し込み、ガチャリ、と開けた。


苗木「いよいよ最終決戦……だね。大丈夫? いけそう? 別にいやらしい意味じゃなくて」

霧切「……えぇ、大丈夫。もう何も怖くないわ」

苗木「そ、そのセリフはどうなのかな…………でも、まぁ、とにかく」


苗木「待ってろよ、モノクマ!!」



157:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 13:27:01.42 ID:6o0Z6f6rP

 

【居酒屋】


コロシアイ学園生活を抜け出してからしばらく経った。
今は未来機関の活躍もあって、絶望に染まった世界も徐々に平穏を取り戻してきている。


ガヤガヤ……


葉隠「いやー、平和になったべ。これも俺達のお陰だよな?」グビグビ

十神「お前は問題起こしているばかりだろう」

苗木「うんうん、葉隠クンはもう少しまともにならないとね」

十神「お前も人のこと言えないだろう苗木。例の絶望の残党の事で未だに上から呼び出しを受けているだろう」

苗木「あー、うん、まぁ」

葉隠「それに、トイレで大声出してオナニーしてまた減給されたべ?」

苗木「あれ理不尽だよなぁ……」グビグビ



166:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 13:37:52.22 ID:6o0Z6f6rP

 
十神「そんな変態と結婚する女がこの世に居るとはな」

苗木「十神クンだって腐川さんと結婚したじゃん」

十神「思い出させるな、頭が痛い」

葉隠「そういやスピーチは誰がやるん?」

苗木「十神クン。彼の時もボクがスピーチしたし」

葉隠「あぁ……十神っちの帝王のパンツのことバラして、腐川っちとのSMプレイもバラしたあれか……」

苗木「最後まで言う前に黒服の人達に追い出されちゃったけどね」ハァ

十神「当たり前だ……!!」ビキビキ

葉隠「でもよ、十神っちと腐川っち、苗木っちと霧切っちってきたら、次は俺と朝日奈っちだよな?」ニヤニヤ

苗木「よし、それじゃ電話してみよう!」


プルルルルルルルルル……ガチャ


朝日奈『もしもし苗木ー? どしたの?』

苗木「葉隠クンが朝日奈さんとセックスしたいって言ってるんだけど、どうする?」

葉隠「ぶっ!!!!!」バシャァァァ



167:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 13:40:10.74 ID:BWwXhS5Y0

ばかだろwww



169:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 13:47:11.72 ID:6o0Z6f6rP

葉隠「ちょっと待て苗木っち!! いきなりおかしいだろ!!」

苗木「え、なに? 葉隠クンは朝日奈さんとセックスしたくないの?」

葉隠「してえよ!! いや、でもよ、物事には順番ってのが……」

朝日奈『そこに葉隠もいるんだね。ちょっと代わってくれる?』

苗木「うん、分かった。ほら葉隠クン、朝日奈さんが代わってくれって」スッ

葉隠「も、もしもし朝日奈っち? 今のは」

朝日奈『もう話しかけないでね』


プツッ


葉隠「…………」

苗木「ん、どうしたの?」

葉隠「苗木っちぃぃいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」ガッ

苗木「うわっ!!」

十神「おい暴れるなバカども」


ガシャーン!! ガラガラ



174:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 13:56:49.58 ID:6o0Z6f6rP

 

それからしばらく暴れて最初の居酒屋を追い出されて二軒目。


葉隠「うぅ……!!」

苗木「ごめんって、その内何か良い事あるよ」

十神「あからさまにいい加減な慰め方だな」


♪~♪~


苗木「あ、ごめん、着信」

十神「その曲、舞園の歌か」

苗木「あれ、十神クンも知ってるんだ。…………もしもし?」ピッ

霧切『あっ、苗木君? 今日って……んっ、どのくらい……ぁぁっ……遅くなる?』

苗木「あー、ごめん、朝方になるかも。ローター外して先寝てていいよ」

葉隠「今とんでもねえ単語が聞こえてきたべ」



178:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 13:58:36.91 ID:FISJqwRv0

やはりアブノーマルなプレイなのか



180:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 13:58:49.14 ID:2x5YdZH60

なんだこの夫婦wwww



185:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 14:08:35.13 ID:6o0Z6f6rP

 
霧切『わ、分かった……わ……んんっ、あっ……ああっ……!!』

苗木「あれ、イキそう?」

霧切『え、えぇ……わ、わた……し、もうぅぅんんっ!!!』

苗木「ちょっと待って、ボクもイクから」ボロン

十神「おい!!!」

霧切『やっ……も、もう……我慢できないぃぃ……あっ……ふぅぅん……っ!!』

苗木「ボクより先にイッたら結婚式キャンセルするよ」シコシコシコシコ

霧切『えっ……い、いやぁぁ……お願い苗木くぅぅん……はぁぁっ!!』

苗木「もうちょっと……はぁ……くっ……もうちょっとだから……!!」シコシコシコシコ

霧切『イカせてぇぇえええええ!!! んんっ、お、お願い、イキたいのぉぉおおおおお!!!』

苗木「くぅっ……いいよ霧切さん!!! ボクも…………イグッ!!!」ビクンッ

霧切『あっ、んんっ、ふぅぅっ…………はぁぁああああああああああああああああああんんっっっ!!!!!』ブシャァァァ

苗木「イッグゥゥゥおほほほぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっ!!!!!」ビクンッビクンッ!!


ドビュッ!!! ドビュッ!!!



197:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 14:20:43.31 ID:6o0Z6f6rP

 

【未来機関支部】


絶望的事件によって一度壊滅した世界。
今では未来機関が以前の警察と同じ役割を受け持っている。


男「困るんだよねー、苗木さん。そりゃあんたの功績って凄いと思うよ?
  でもさ、こうも問題をたて続けに起こされるとこっちもフォローが難しいんですよ」

苗木「頭痛い……」ズキズキ

男「もしもーし、聞いてます? オナニーは人に見せつけるものじゃないですよ?」

苗木「それは違うよ!!! なぜなら」

男「はいはい、それは何度も聞きましたから。そういう性癖もあるって言いたいんでしょ?
  まったく、もう結婚もするんですから、少しは落ち着いたらどうです?」

苗木「ウェディングドレス姿でオナニーする霧切さんって、こう、かなりこない?」

男「いやホント落ち着いてくださいよ」



204:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 14:30:42.32 ID:6o0Z6f6rP

 

【食堂】


朝日奈「あ、苗木だー! こっちこっち」

苗木「朝日奈さん。それに腐川さんも。一緒になるなんて珍しいね」

腐川「あたし達はいつもこの時間よ……そっちが遅いんでしょ……」

苗木「あー、ちょっと昨日やらかしちゃってさ。説教くらってたんだ」

朝日奈「やらかしたって…………あぁ、いいや、聞かなくても」

苗木「実は居酒屋でオナニーしちゃってさ」

朝日奈「言わなくていいってばこの変態!!」

苗木「ボクは変態なんかじゃない!! 誰だって好きな人と電話してたらオナニーしたくなるよ!!」

腐川「分かるわぁ……」ウットリ

朝日奈「もうやだこの人達……」



207:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 14:40:41.35 ID:6o0Z6f6rP

 
朝日奈「まったく、霧切ちゃんもこんな変態と結婚することないのに」

腐川「ふふふ、そうよねー、あんたも苗木の事好きだったんだし」ニタニタ

朝日奈「ふぇっ!? え、ち、ちがっ、なんでこんな変態なんか!!///」ビシッ

苗木「…………違うな」

朝日奈「まだ否定するの!?」

苗木「いや、霧切さんの言葉と違うってことだよ。
   確かに朝日奈さんに変態って罵られるのもまぁまぁくるけど、やっぱり霧切さんのあの声が一番だね」

腐川「分かるわぁ……」ウットリ

朝日奈「な、苗木は霧切ちゃんにそういう事言わせてんの……?」

苗木「気分によって変えてるよ。罵ってもらう時もあるし、罵ることもあるし。
   一番最近だと、霧切さんには『このメス豚のだらしないおま』」

朝日奈「上司の人呼ぶよ」

苗木「わ、分かった、分かったよ」



212:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 14:55:29.05 ID:6o0Z6f6rP

 

【苗木のアパート】


基本的に帰ってくる時間はボクの方が遅い。
テーブルにはラップがかかった皿がいくつか置いてあり、霧切さんが突っ伏して寝息をたてていた。


苗木「……ふむ」


とりあえず背中から抱きしめてみる。おっぱい揉んでも良かったけど。


霧切「んっ……あ、苗木君、お帰りなさい」ニコ

苗木「ただいま、霧切さん」ギュッ

霧切「……もっと強く抱きしめて」

苗木「はいはい」ギュー

霧切「んんっ……幸せ……」



216:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 15:07:07.00 ID:6o0Z6f6rP

 
霧切「なんだか……少し怖いとも思うの……」

苗木「え、何が?」

霧切「こんなに幸せで、世界も平和になって……これでまた絶望的な事が起きたらって……」

苗木「大丈夫だよ、霧切さん」


ボクは腕の中の彼女の体温を確かめるように力を強める。


霧切「あっ……」

苗木「例えどんな事があっても、霧切さんを絶望なんかさせないから」ニコ

霧切「苗木君……」ポー


クチュ……


霧切「ひぁぁっ!!///」ビクンッ

苗木「やっぱり濡れてる……まだ抱きしめてるだけなのに……」



220:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 15:19:05.48 ID:6o0Z6f6rP

 
霧切「あ、え、えと、……耳元で苗木君にささやかれて……」モジモジ

苗木「ささやかれて?」クチュクチュ

霧切「ふっ、ぁぁっ……ぬ、濡れちゃ……んんっ……たの……」ビクビクッ

苗木「そっか……もうすっかり変態だね霧切さん」クチュクチュ

霧切「やぁぁっ……そ、んな事……言わ、ない……でぇっ……!!」ビクビクッ!!

苗木「でも、ボクは好きだよ変態な霧切さん」

霧切「えっ?///」

苗木「だって、こんな霧切さんはボクしか知らないんだ。それって嬉しいな」クチュクチュ

霧切「んっ……苗木……君……!!」

苗木「ねぇ、結婚式でさ、媚薬飲んでローターつけるっていうのはどうかな?」

霧切「っ!! そ、そんな……のぉ……っ!!」

苗木「それでさ、誓いのキスと同時にキミはイッてしまうんだ。みんなの前で」

霧切「…………っ」ゾクゾクッ



223:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 15:31:13.66 ID:6o0Z6f6rP

 
苗木「あ、今想像して興奮したでしょ? 本当に変態だなぁ霧切さんは」

霧切「そ、んな……そんな事……!!///」

苗木「興奮しなかったの?」ピタッ

霧切「あ……し、しました……興奮……しましたぁぁ……!!」

苗木「そっかそっか」クチュクチュ

霧切「はぁぁっ!! いいっ、き、気持ちいい……んんっ……!!///」ビクビクッ

苗木「じゃあ自分が変態ですって認めたらイカしてあげるよ」ピタッ

霧切「変態です!! 私は変態で淫乱なメス豚ですぅぅうううううううううう!!!」

苗木「そ、そこまで言えとは言ってないけど……うん、分かった、それじゃ」クチュクチュクチュ

霧切「あっ、ああっ……んんっ……ふぅぅっ……!!!///」

苗木「好きだよ、響子」ネットリ

霧切「っ……!! くっ、ひぃぃ……はぁぅっ、ぁぁぁあああああああああああああっ!!!!!」ブシャァァァ



231:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 15:46:17.61 ID:6o0Z6f6rP

 
霧切さんは盛大に色々撒き散らしてイッた。
もう何度も身体を合わせてきたから、彼女の弱いところはよく分かっている。


霧切「……こういう時だけ名前で呼ぶのズルいわ」

苗木「ん、どうしたの霧切さん?」

霧切「もう……でも、その、き、気持ち良かった……///」ポー

苗木「そっか、それなら良かったよ」ニコ

霧切「あ、あの……あれは本気なの? 結婚式の……」

苗木「あはは、冗談だよ冗談。流石に人生の晴れ舞台でそんな事しないよ」

霧切「何だか中途半端に常識があるのね……本気かと思ったわ……」

苗木「ごめんごめん、何だかこうやって霧切さんを動揺させるのが楽しくて。嫌……かな?」

霧切「……受け入れるわ。苗木君の事なら、なんでも」ニコ

苗木「ありがとう霧切さん…………それじゃあ」


苗木「これも受け入れてくれるかな」ボロン


霧切「は、はい……///」ゴクリ



237:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 16:00:27.69 ID:6o0Z6f6rP

 

【結婚式】


目の前にはウェディングドレス姿の霧切さん。
それはもはやこの世のものとは思えない程綺麗で、あまり他の人に見せたくないとさえ思ってしまう。

式は大したトラブルもなく進んだ。
問題があったと言えば、式の途中でボクが3回射精したり、日向クンが来場者のパンツを脱がそうとして追い出された事くらいだ。


そして、いよいよ誓いのキスだ。


霧切「…………///」


ボクは彼女の頭のベールを下ろす。
来場者もみんなこちらに注目しているのが分かる。
そして。


その柔らかい唇に、自分の唇を重ねた。


ニュル……ジュルルル……


霧切「んっ!? んんんっ、んんんんんんん~~~~!!!!!」ビクビクッ



245:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 16:12:22.14 ID:6o0Z6f6rP

 

………
……



霧切さんと二人並んで教会を出る。
両脇には来場者が並んでいて、造花を投げて花吹雪を起こしている。綺麗な光景だ。
ボクはライスシャワーしか知らなかったけど、これはフラワーシャワーというらしい。


……それはいいんだけど。


苗木「いてて……まさか神父に殴られるなんて……」ズキズキ

霧切「し、仕方ないわ……いきなりあんな事して……///」

苗木「いや、本当にわざとじゃないんだって、つい癖で……」



259:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 16:32:16.89 ID:6o0Z6f6rP

 

隣には最愛の人。周りではみんな笑顔で祝福してくれる。
そんな光景の中、霧切さんはとても良い笑顔で、


霧切「今この瞬間が……きっと人生で一番の幸せになるのね……」

苗木「それは違うよ」

霧切「えっ?」

苗木「ここが最高じゃない。この先もきっと、いくらでも、もっと幸せな事が待ってるよ」

霧切「……えぇ、そうね。あなたと一緒なら、きっと」ギュッ


今まで色々な事があった。
絶望的事件、そしてコロシアイ学園生活。でも、そんな悪い事ばかりだけではなかったはずだ。
みんなと過ごした平和な学園生活、そんな楽しい思い出も確かに存在したんだ。

ボクは……いや、ボク達はそれらを全部引きずって前に進んでいく。
途中で苦しい事もあるかもしれない、それでも二人なら歩き続けていける。


そうやって、まだ見ぬ幸せな未来を創っていく。


誰よりも大切な人、霧切さんと一緒に。



261:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 16:33:18.71 ID:6o0Z6f6rP

はい終わり。ホントに終わり



267:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 16:34:43.02 ID:hUxRr0JP0

>>261
超高校級の乙



272:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 16:36:22.13 ID:yqMsULHH0

なんか綺麗に終わったな
すぐ上でディープキスして神父に殴られてるのにwwww



278:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 16:38:05.12 ID:fsEDGEy+0

セレスのエロシーンもこれくらい書いてほしかったぜ
乙!



282:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/09/15(日) 16:39:59.93 ID:TMB4M45V0


そういえば変態プレイばっかしてたけど1回もセックスしてないな
セレスのも書いてるのか?



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ダンガンロンパSS   コメント:4   このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント一覧
38392. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2013/09/18(水) 22:02 ▼このコメントに返信する
ほんとにいい、マジでいい
38420. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2013/09/19(木) 14:24 ▼このコメントに返信する
……ふぅ
良かった
38426. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2013/09/19(木) 22:07 ▼このコメントに返信する
謎の感動が…
39988. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2013/12/02(月) 02:18 ▼このコメントに返信する
これは名作だわ‥‥‥‥‥(真顔)
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