前→QB「感情が芽生えたからと言って……」
143:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 02:36:16.76 ID:
0fTYbASz0
さやか「あ、あの、あたし、仁美に……」
仁美「…………」
さやか「って、仁美……?ど、どこ行くの……!」
仁美「どこって……ここよりも、ずっと良い場所ですわ……」
さやか「な、なに……?ねぇ、仁美、あんた……」
仁美「あぁ、そうですわ……美樹さんもぜひ、ご一緒に……。
えぇそうですわ、それが素晴らしいですわぁ……!」
さやか「ちょ、ちょっと!?待って、仁美ってば!?」
な、なんかよく分かんないけど、仁美が変だ……。
どうしよう、どうすれば……とりあえず、付いて行くしか……。
146:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 02:41:39.86 ID:
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・
・
・
使い魔「キャハハハハハハハ……」
さやか「えっ……う、うそ、やだ……!だ、誰か……助け、いやぁああああ!!」
使い魔「キャハハハハ!」
さやか「っ……!」
あたし……このまま死んじゃうの……?
仁美に何も言えずに……それに、仁美だって、このままじゃ……。
魔女「キャハハハハハハハハ!」
や、やだよ……そんなの、嫌だ……誰か、お願い、助け……!
魔女「キャァアアアアアアアア……!」
さやか「……え……?」
「ん、なんだよ。もう終わりかい?まぁ楽に越したことはないけどさ」
147:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 02:45:26.16 ID:
0fTYbASz0
さやか「あ……景色が……!」
杏子「へへっ、いっちょあがりっと」
QB「お疲れ、杏子」
杏子「別に疲れちゃいないよ。あんな弱い魔女も珍しいね。やっぱこっちに来て正解だったわ」
さやか「あ、あの……あなた、魔法少女……?」
杏子「ん?何、あんた魔法少女のこと……あぁ、素質持ちか。
なるほどね、死んでもらっちゃ困るってわけだ。それで……」
さやか「え、えっと……よくわかんないけど、ありがとう……」
杏子「……よしなよ。あたしは魔女が居たから狩っただけだ。礼なんて言われる筋合いはないよ。
んじゃ、用も済んだしあたしはもう行くからね!じゃあね!」
さやか「あっ……」
148:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 02:47:49.21 ID:yI2cnQdL0
面白い
149:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 02:47:50.79 ID:
0fTYbASz0
さやか「そ、そうだ!仁美は……!」
仁美「すぅ……すぅ……」
さやか「ね、寝てるだけ……だよね?もう、大丈夫なんだよね……」
仁美「……ん……あら、私……?」
さやか「仁美!」
仁美「あ……さやか、さん……。えっと、私、どうして……」
さやか「よ、良かったぁ……元に戻ったんだね」
仁美「……?あ、そうだ、さやかさん……上条くんのところへは、行きましたか?」
さやか「……!う、うん……行った」
仁美「そう、ですか。その様子だと、良いお返事をもらえたようですわね」
151:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 02:51:23.10 ID:
0fTYbASz0
さやか「……仁美は……悲しくないの?」
仁美「悲しいに、決まってますわ。失恋ですもの……。今日も、家でずっと泣いていましたのよ」
さやか「あ、う……」
仁美「でも……不思議ですわ。さやかさんの顔を見たら、悲しさなんてどこかへ行ってしまいました」
さやか「仁美……」
仁美「今はただただ、心からの祝福と……怒り、だけですわ」
さやか「へっ?」
仁美「本来なら私の口から直接想いを伝えるはずでしたのに、
まさかさやかさんがあんな形で私の告白を代替わりしてしまうなんて。
確かに仕返しはしましたけど、私と違って彼と結ばれたさやかさんを
簡単にすべて許せるほど、私は大人じゃありませんの」
さやか「あ、いや、その、ほんと……」
仁美「えいっ!!」
さやか「ぐふぅ!?」
153:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 02:55:18.71 ID:
0fTYbASz0
ほむら「……あれは……!」
仁美「さやかさんの馬鹿!考えナシ!へたれ!」
さやか「ちょっ!おふぅ!?た、たんま!ほんと、ごめっ、ぐはぁ!?」
ほむら「っ……!志筑仁美が、美樹さやかを……!?」
マミ「そんな……魔女の反応はもう消えてるのに!あんな執拗にボディを狙うなんて……!」
仁美「はぁ、はぁ、はぁ……。絶対に、幸せになってくださいね!
さやかさんか上条くん、どちらか一方でも幸せにならなかったら、その時は本気で怒りますからねー!」
さやか「あ、あたしって、ほんとバカ……がはっ」
マミ「み、美樹さーん!!」
ほむら「何これ……」
159:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 03:26:41.29 ID:
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・
・
・
マミ「そう、そんなことが……」
さやか「あ、あの……仁美が魔女の呪いを受けちゃったのって、やっぱり……」
ほむら「あなたのせいでしょうね、今回は」
さやか「うっ……や、やっぱり……」
マミ「暁美さん、そんなにはっきり……」
ほむら「でも……済んだことよ。気にすることはないわ。さっきのケンカで、もうすべて終わり。
ただし、絶対に忘れないことね。志筑さんのおかげで、あなたの幸せがあるということを」
さやか「うん……」
マミ「ところで、どうして魔女の結界が消えたのか説明してもらえない?
美樹さんも結界に飲み込まれたのよね。魔女があなたたちを解放したとも考えられないし……」
さやか「あ、それが……魔法少女が助けてくれたんです。見たことない子だったけど……」
ほむら「え……その子、何か特徴は!?」
さやか「えっと……武器は槍で、全体的に赤っぽい服装で……。
あ、そうだ!杏子って言ってたよ!キュゥべえが確かにそう呼んでた!」
マミ「っ!?そんな……!」
160:
次さるったら寝るお:2012/09/10(月) 03:29:03.52 ID:
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・
・
・
QB「それにしても、まさか結界にさやかが飲み込まれていたなんてね」
杏子「よく言うよ。あんた、知ってたんじゃないの?わざわざあたしに結界の場所教えたりなんかしてさ。
大事な大事な魔法少女候補を殺されたくなかったんでしょ?」
QB「違うよ、彼女が居たのは本当に偶然だ。
知っていたのなら、君に助けさせるよりも直接さやかと契約した方が早いじゃないか」
杏子「ふん……。まぁ、楽にグリーフシードゲットできたから良いんだけどさ。
やっぱこの町は良いね。絶好の狩場だよ。キュゥべえもずいぶんマトモだし」
QB「風見野の僕の仲間はそんなに酷いのかい?」
杏子「あんな変態、あたしじゃなかったらもっと早くに逃げ出してるよ。
ま、あたしが居なくなったらあいつはずいぶん退屈するだろうが、自業自得だね」
QB「ふーん……それは大変だったろうね。それで、君はこれからどうするつもりだい?」
161:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 03:31:42.91 ID:
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杏子「あたしはこの町で好きにやらせてもらうよ。
マミのやつとは出来るだけ係わり合いにならないようにね」
QB「そうか。だったら構わないんだけど、そういうことなら気を付けた方が良いよ。
なんせ、この町には君を除いて既に2人の魔法少女が居るからね」
杏子「はぁ?何よそれ、聞いてないんだけど?」
QB「訊かれなかったからね」
杏子「……はぁ。訊かれなきゃ答えませんってか。あんたはあんたで面倒くさそうだね」
QB「そんなこと言われても、訊かれないものは答えようがないじゃないか」
杏子「なんか調子狂っちゃうね……風見野のキュゥべえと違いすぎてさ。
あんた、まるで感情がないみたいだ。ロボットかっての」
QB「……僕にだって感情はあるよ。表に出にくいだけさ。人間だって、そういうタイプは居るだろう?」
162:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 03:34:43.47 ID:
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病院
さやか「や、やっほー、恭介」
恭介「やぁ、さやか。……どうしたんだい?」
さやか「えっ?う、ううん!別に、なんでもない、なんでもない!」
えーっと……昨日のあれは、夢じゃ、ないんだよね?
確かに昨日、あたしと恭介は両想いになった……んだよね?
それにしては、なんか恭介がいつも通り過ぎるような……。
あたしが意識しすぎなのかなぁ?
そ、それともまさか、昨日のは全部夢だったり……
恭介「ねぇ、さやか。えっと……昨日、志筑さんには会えたかい?」
さやか「!う、うん、会えたよ!」
恭介「その……彼女、大丈夫だった?志筑さんのこと傷付けちゃったから、やっぱり心配で……」
……夢じゃ、なかったみたいだね。
さやか「大丈夫、もう大丈夫だよ。まぁあたしはかなーり怒られちゃったけど……。
でも、2人とも幸せにならないともっと怒るって、そう言われちゃった」
183:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 08:56:34.93 ID:
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恭介「……そっか。だったら頑張らないとね。2人で一緒に」
さやか「あ、あはは……なんだか照れちゃうなぁ……。
そ、それより恭介、怪我の具合はどうなのよ!」
恭介「そこでそれを訊くかい……。腕の方は相変わらずだよ」
さやか「あ……そ、そうなんだ」
恭介「そんな顔をしないでくれよ。なかなか治ってくれないのはやっぱりもどかしいけど……。
でも、僕はもう今までみたいに悲観したりなんてしない。
ヴァイオリンが人生のすべてだなんて、そんな馬鹿なことも言わない。
僕の人生には、僕を支えてくれる人が居てくれる。
ヴァイオリンと同じくらい……いや、ヴァイオリンよりもっと大切な物があるって、君たちに気付かされたからね」
さやか「……!」
恭介「もし僕の腕が治らなくても、前みたいにヴァイオリンが弾けなくなっても……。
僕と一緒に居てくれるかい、さやか」
さやか「う……うん!うん!居るよ!ずっとずっと、恭介と一緒に居るよ!」
恭介「ありがとう、さやか。これからも、よろしくね」
さやか「で、でも諦めちゃ駄目だよ!きっと治るって、信じなきゃ!」
恭介「うん、もちろんだ」
184:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 08:59:38.93 ID:
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・
・
・
ほむら「どうだった、美樹さん……って、訊くまでもないわね」
さやか「え~?何が~?」
まどか「さやかちゃん、すっごく幸せそうな顔……。
やっぱりちゃんと、上条くんと両想いになれてたんだね!」
さやか「あはっ、わかる?も~、まどかってば鋭すぎだよぉ!もぉね、恭介ったらぁ……」
ほむら「そんなことより、彼の具合はどうなの?怪我もだけど、精神状態は?」
さやか「そ、そんなことよりですとぉ!?あたしの幸せトークを……!」
ほむら「ノロケ話ならまた今度ゆっくり聞いてあげるわ」
さやか「む……ま、いっか。恭介ね、前よりずっと元気になってるよ!」
186:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 09:01:40.28 ID:
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さやか「前はヴァイオリンが弾けなくなったら人生おしまいみたいなオーラ出まくりだったけど、
今日はもう……えへへ。僕の人生には、ヴァイオリンよりもっと大切なものがあったんだ、なんて言っちゃって!
きゃっ!恭介ってばぁ!困っちゃうわよねぇ、そんなはっきり、もぉ~!」
ほむら「それじゃあ、上条くんはもうあまり落ち込むことはなさそうなのね?」
まどか「わぁ、ほむらちゃんすごく冷静」
さやか「うん!もし腕が治らなくても、ヴァイオリンの講師とか、作曲とかなら出来るからって言ってた!
あ、それと、さやかが支えてくれるからとも言ってた!やんっ!照れちゃうなぁもう!」
まどか「こんなさやかちゃん、初めて見たよ……」
ほむら「こういうのが本当の幸せ馬鹿と言うんでしょうね。
まぁ、これだけ幸せそうなら志筑さんも本望でしょう」
189:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 09:08:32.03 ID:
0fTYbASz0
・
・
・
杏子「さてと……そろそろ出かけるかな」
QB「魔女退治かい?」
杏子「まぁね。それと、食料調達」
QB「昨日言った通り、ことを荒立てたくないならマミやほむらとの接触を避けるんだよ」
杏子「言われなくても誰がマミのやつなんかに会うかっての。
まぁ、暁美ほむらってのにはちょっと興味あるけどね。なんだっけ?マミとは正反対のタイプなんだっけ?」
QB「僕が抱いた印象だとね」
杏子「へへっ、良いじゃんか。そいつとは気が合いそうだよ」
QB「…………」
190:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 09:11:16.67 ID:
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・
・
・
杏子「……ちっ。見付からねぇな」
しばらく探してはみたが、目立った魔力反応はなし……。
仕方ない。
魔女を探しがてら、食い物でも調達に行くか。
……って、あそこに居るのは……マミ!?
杏子「ちっ……よりによって、いきなりかよ……」
いや、向こうはこっちに気付いてないみたいだし、このままこっそりどっか行っちまえば……。
まどか「あ、マミさーん!こんにちはー!」
マミ「あら、偶然ね。こんにちは」
さやか「こんなところで何してるんですか?」
ほむら「パトロールの時間はもう少し後のはずじゃ……」
191:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 09:13:08.47 ID:PA3vIgOn0
あんこちゃんについてたQBが気になるな
193:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 09:13:54.12 ID:
0fTYbASz0
杏子「……ふーん……」
なんだ、マミの奴、結構楽しくやってんじゃん。
っていうか何、パトロールって……あいつらみんな、魔法少女のこと知ってんのか?
あー……よく見りゃあの時たまたま助けてやったのも居るし……。
なるほどね、魔法少女候補の後輩とつるんで、相変わらず先輩気取りか。
何も変わっちゃいない……。
相変わらずあいつは、甘ったれた正義の味方やってんだ。
……あーあ、なんだよ、しらけちまった。
マミなんかより、暁美ほむらってのに早く会いたいよ。
194:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 09:16:49.27 ID:
0fTYbASz0
夜、ほむホーム
マミ「佐倉さんを、仲間に……?」
ほむら「えぇ。ワルプルギスの夜を倒すには、1人でも多くの仲間が必要だから」
マミ「……私は、構わないけど。でも佐倉さんがきっと……」
ほむら「あの子の説得は、私がなんとかしてみるわ。
……それじゃ、あの子を説得できれば仲間に加えるということで構わないわね?」
マミ「えぇ。ごめんね、よろしくね。暁美さん」
195:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 09:19:24.65 ID:
0fTYbASz0
翌日、ゲーセン
杏子「……あのさ。用がないんならどっか行ってくんない?集中できないじゃん」
ほむら「気付いてたのね」
杏子「ふん……。で、巴マミの腰巾着が何の用?」
ほむら「!あなた……」
杏子「知らないとでも思ったかい?……なんて、あんたたちを見たのは偶然だけどさ。
大方、魔法少女の何たるかを巴マミ先輩に教わってる可愛い可愛い後輩、ってとこだろ?」
ほむら「……まぁ、そういう時期もあったわね」
杏子「……?そういう時期って……まさか」
ほむら「私が魔法少女見習いだったのは、昔の話よ」
197:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 09:21:51.32 ID:
0fTYbASz0
杏子「……!あんた、名前は」
ほむら「暁美ほむら」
杏子「……ちっ。なんだよそりゃ。話が違うじゃんかよ」
ほむら「どういうこと?」
杏子「別に。こっちの話だ。で、何の用?マミの奴に何かおつかいでも頼まれでもしたわけ?」
ほむら「あなたにお願いがあって来たの。でも彼女に言われたわけじゃない。私からのお願いよ」
杏子「お願い……?」
ほむら「およそ2週間後、この町にワルプルギスの夜が来る」
杏子「っ……いきなり、何を言い出すのさ」
201:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 09:24:23.31 ID:
0fTYbASz0
ほむら「お願いと言うのは、あなたにそいつを倒すのを手伝って欲しいの」
杏子「ふん……やなこった」
ほむら「……どうして?」
杏子「誰があんたたちみたいな甘ちゃんと組んだりするかっての。
仲良しこよしで正義の味方ごっこなんてまっぴらゴメンだ」
ほむら「何も正義の味方になろうと言ってるわけじゃないわ。
ワルプルギスの夜のグリーフシードが目当てでの共闘でも構わない」
杏子「へっ。確かにあの魔女の生むグリーフシードに興味がないわけじゃないが、
命張ってまで手に入れようとは思わないね。普通の魔女を安全に狩ってるだけでも十分やっていけるんだ。
あんたたちみたいなのが何人仲間に居たって、相手はあのワルプルギスの夜。全員殺されるのがオチだよ」
ほむら「……また来るわ。まだ時間はある。それまでにもう少し考えてみて」
杏子「何度来たって同じだよ。あんまりしつこい勧誘はやめなよ?
あたしだってそんなに気の長い方じゃないんだからさ」
202:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 09:27:23.40 ID:
0fTYbASz0
数日後
杏子「ん~、そろそろか……?」
魔力反応を辿って、ようやく結界ができそうな辺りまで来た。
たぶん、この辺りのはずなんだが……って、あれ?
杏子「……ちっ。なんだよ、使い魔の結界じゃん、これ……」
最悪……。
あんだけ歩いてようやく見付けたのが使い魔とか……。
あーあ、時間も体力も無駄にしちまったじゃんか。
杏子「くそっ、他をあたるか……ん?」
待て、今何か……。
誰か、結界に飲み込まれた……?
208:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 09:29:53.98 ID:
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そうだ、確かあいつ、マミたちと一緒に居た、一番ちっこい……。
杏子「……だから、なんだってんだよ」
そうだ。
誰が結界に飲み込まれようが、あたしには関係ない。
そうやって今まで何人も見殺しにしてきたんだ。
せいぜい使い魔の餌になって、あたしたち魔法少女のために……。
と、その時。
そいつの後を追うように結界に入っていく影が……
杏子「……キュゥべえ……?」
あいつ、まさか……。
マミ「佐倉さん……こんなところで、何をしているの……?」
杏子「ッ!」
211:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 09:35:04.63 ID:
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ほむら「あそこにあるのは、使い魔の結界だけど……あなたも入るつもりだったのかしら」
杏子「ふーん……。やっぱ、あんたたち使い魔も倒してんのか。相変わらずだね。
なるほど?仲間のピンチに駆けつける正義の味方のご登場ってわけだ」
マミ「……仲間のピンチ?あなた、何を……」
杏子「ん、なんだ。気付いてなかったのかい?」
ほむら「どういうこと?説明して」
杏子「あんたたちのお友達がついさっき、あの結界の中に飲み込まれていったところさ。
名前は知らないが、一番ちっこくてトロそうな奴だよ」
マミ「一番小さい……まさか、鹿目さん!?」
ほむら「……あなた……それを黙って見てたの……!?」
杏子「ははっ、何言ってんのさ、当たり前じゃん」
212:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 09:38:21.54 ID:
0fTYbASz0
ほむら「くっ……!」
杏子「おっと、待ちなって。そんなに焦ることはないよ、たぶん死にはしないからさ」
ほむら「っ……どういうこと……」
杏子「キュゥべえも中で一緒のはずだからね。使い魔にやられる前に契約するっしょ」
ほむら「そんなっ……!離しなさい!!」
杏子「あん?あんた、仲間を欲しがってたんだろ?だったらちょうど良いじゃん。
あいつが契約すりゃ、魔法少女が1人増えるんだし。まぁあたしにとっちゃ、ちと迷惑な話だけどさ」
ほむら「良いから……離してっ!!」
杏子「っ……てぇな、くそ。あー、うぜぇ……超うぜぇ!はっ、そんなにお友達が大事かよ!?」
マミ「佐倉さん、そこをどいて。今はあなたに構ってる暇はないの……!」
杏子「ふん!最初は別に何もするつもりはなかったが、気が変わった。
ことのついでだ、今ここで白黒はっきり……」
パァン
ほむら「……邪魔をしないで。佐倉杏子」
214:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 09:41:59.12 ID:
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杏子「……この…………ッ!?」
ほむら「…………」
杏子「い、いつの間に後ろに……って、おい、待て!……くそ!」
マミ「あっ……暁美さん、待って!」
杏子「お、おい、マミ!なんなんだよあいつは!」
マミ「……私の、パートナーよ」
杏子「っ……待っ……ちっ!」
あの野郎、躊躇なく撃ちやがった……それにあの目……。
暁美ほむら、何なんだ一体……。
216:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 09:45:47.79 ID:
0fTYbASz0
・
・
・
まどか「やっ……やだ、来ないで!来ないでぇ!」
使い魔「ケケケケケケケケ!!」
QB「まずいよ、まどか!このままじゃ君は、間違いなく命を落としてしまう!」
まどか「ひっ……!やだよぉ、だ、だれか……!」
QB「……もう迷ってる暇はない!君が助かるには、これしかないんだ!まどか、今すぐ僕と契約を……!」
ほむら「その必要はないわ……!」
使い魔「ギャァアアアアアアアアア……!」
QB「……!」
マミ「良かったぁ……間に合ったみたいね。怪我はない?鹿目さん」
まどか「ほ、ほむらちゃん!マミさん!」
217:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 09:49:11.94 ID:
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・
・
・
マミ「ごめんなさい、鹿目さん。助けるのが遅くなってしまって」
まどか「い、いえ……。ありがとうございます、マミさん、ほむらちゃんも……」
ほむら「キュゥべえ……どういうこと?何故あなたが居て、鹿目さんが結界に飲み込まれたの?」
QB「勘違いしているようだけど、僕はまどかとずっと一緒に居たわけじゃない。
まどかが結界に飲み込まれるのを見付けたから、後を追ったんだよ」
ほむら「…………」
まどか「あの、ほむらちゃん……。キュゥべえの、言う通りだよ。
ほんとに、最初はわたし1人で居て、気付いたらキュゥべえが……」
マミ「暁美さん、あなたもしかしてキュゥべえを疑っているの……?」
ほむら「……いえ、ごめんなさい。ちょっと考えすぎだったみたい」
QB「…………」
219:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 09:55:53.42 ID:
0fTYbASz0
ほむら「でも、1つ提案があるのだけど……。
また今回みたいに“運悪くたまたま”結界に飲み込まれるなんてことがあったら困るから、
明日からは鹿目さんも行動を共にするというのはどうかしら」
マミ「え?でも……」
QB「君は確か、一般人を魔女退治に付き合わせることには反対じゃなかったかな」
ほむら「もちろんリスクがまったくない訳じゃないけど、私たちの手で守った方がまだ安全のはず。
目の届かないところで魔女に襲われるよりはね。でしょう?」
マミ「……確かに、その通りかも知れないわね。でも、まずは鹿目さんの意見を聞かなきゃ」
まどか「あの、わたしは、その……。わ、わたしも、一緒に行きたいです!
なんにも出来ないけど、わたしも連れて行ってください!
マミさんやほむらちゃんが戦ってるところ、ちゃんとこの目で見て、応援したいから……!」
マミ「鹿目さん……」
ほむら「決まりね。なら、美樹さんにも声をかけておきましょう。……異論はないわね、キュゥべえ?」
QB「……そうだね。良いと思うよ」
221:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 10:00:12.63 ID:
0fTYbASz0
・
・
・
ゲーセン
ほむら「こんにちは」
杏子「……よぉ。今度は何さ。あたしを潰しに来たかい?」
ほむら「そのつもりはないわ。言ったでしょう?また来るって」
杏子「は?あんたまさか……」
ほむら「前言ったこと、考えてくれた?」
杏子「……へっ。ついこないだ殺そうとした相手に頼みごとかよ。あんた……何が狙いだ?」
ほむら「殺そうとなんてしてないわ。威嚇射撃よ」
杏子「よく言うぜ。あんたの目はそうは言ってなかったよ。2発目は当てる気だったろ?」
ほむら「……そんなことはどうでも良いわ。私はあなたの返事が聞きたいの」
223:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 10:05:21.17 ID:
0fTYbASz0
杏子「ていうかさ、なんでそんなにこだわる訳よ?あたしはあんたの敵だぜ?」
ほむら「私はあなたの敵になるつもりはないわ。私の敵は、私の邪魔をする者だけ」
杏子「ふーん……じゃあ、あたしがあんたの邪魔をしてやるって言ったら?」
ほむら「その時は、敵同士になるわね。そうならないことを祈ってるけど」
杏子「……なるほどね。ちょっと認識を改めなきゃいけないみたいだ」
ほむら「どういうこと?」
杏子「あんたは甘ったれてなんかいないし、正義の味方になるつもりもない。
ただ自分の目的のためにだけに動いて、邪魔する奴は容赦なくぶっ潰す。そういう目をしてる。
キュゥべえの言ってた意味がようやく分かったよ。確かにあんたは、巴マミとは正反対だ」
ほむら「…………」
225:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 10:08:50.63 ID:
0fTYbASz0
杏子「気に入ったよ。あんたみたいな奴となら、組んでみるのも悪くはないね」
ほむら「!」
杏子「ただし、条件が2つあるよ。1つは当然、ワルプルギスの夜のグリーフシードを譲ること。
もう1つは、ワルプルギスの夜を倒した後は、一切あたしの魔女退治の邪魔をしないってこと。
この条件を飲めるってんなら、あんたたちに協力してやるよ」
ほむら「……わかったわ。巴マミに訊いてみるわね」
杏子「あぁ、よろしく。良い返事を期待してるよ」
ほむら「また来るわ。それじゃ」
226:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 10:13:26.26 ID:
0fTYbASz0
・
・
・
QB「まさか君の方から歩み寄るなんてね、少し意外だったよ」
杏子「別に。元々ワルプルギスの夜には興味あったんだ。
マミならともかく、暁美ほむらみたいなやつとなら十分倒せると思っただけだよ。
それに……あいつは敵に回すと厄介そうだからね。
2つめの条件を呑んでくれるってんなら、厄介者も処理できて一石二鳥ってわけさ」
QB「へぇ……君なりに色々と考えていたんだね。
そこまで計算ずくなら、以前みたいなことにもならなさそうだ。安心したよ」
杏子「……ふん。余計なお世話だっての」
QB「まぁ、久し振りにチームを組むんだ。頑張ってくれ、期待しているよ」
227:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 10:17:39.90 ID:
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・
・
・
マミ「そう……条件付きで……」
ほむら「えぇ。どうかしら」
マミ「ちゃんと仲間になってくれるわけじゃないのはちょっと残念だけど……仕方ないわね。
それに、あの子も何も私たちに危害を加えようとはしていないみたいだし。
良いわ。その条件で、佐倉さんに仲間になってもらいましょう。一時的なものだけど、ね」
ほむら「良かった。なら、あの子にもそう伝えておくわ。次の会議からは多分、あの子も一緒になるわね」
マミ「わかったわ。だったら、ケーキも人数分ちゃんと用意しておきましょう!
佐倉さんが好きだったケーキが買えれば良いんだけど」
228:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 10:20:08.57 ID:
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・
・
・
杏子「……よぉ」
マミ「いらっしゃい、佐倉さん。と言っても、暁美さんのお家だけどね」
杏子「ん……あいつらはここには居ないんだな」
ほむら「鹿目さんと美樹さんのことかしら。あの子たちはもう家まで送ったわ。
今日は結界が出来る気配もないし、心配しなくても大丈夫よ」
杏子「……別に心配してるわけじゃないよ」
マミ「それに、こんなたくさんの資料を見せてあんまり心配させちゃっても悪いから……」
杏子「ふーん。ま、あたしもそれは賛成だよ。あんまり一般人にしゃしゃり出てもらっちゃ迷惑だしね」
マミ「まぁそんなことより、せっかく佐倉さんが協力してくれることになったんだし……。
まずはお茶にしましょう?美味しいケーキもあるわよ」
杏子「!」
230:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 10:24:18.33 ID:
0fTYbASz0
マミ「さぁどうぞ、召し上がれ?」
杏子「おぉ!あたしの好きな奴じゃん!いっただっきまーす!ん~、うめぇ~!」
マミ「……ふふっ」
杏子「んぐ、んぐ……ん、なんだよ?」
マミ「すっかり変わってしまったと思ったけど、こういうところは相変わらずね。
ちょっと安心しちゃったわ。好きなケーキも昔と一緒みたいだし」
杏子「ん…………うるせぇ」
ほむら「…………」
2人の仲が険悪にならないかどうかだけ少し心配だったけど……。
この様子なら、問題はなさそうね。
232:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 10:27:19.71 ID:
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・
・
・
マミ「……というわけで、今日から一緒に戦うことになった、佐倉杏子さんよ。
みんな、仲良くしてあげてね」
杏子「なんだよその紹介……子どもじゃないんだからさ」
まどか「あ、よ、よろしくお願いします!」
杏子「あんた、あん時の……無事だったみたいだね」
まどか「?え、えっと……さやかちゃんのこと、助けてくれたんですよね!
本当にありがとうございました!」
杏子「だからやめなって。あたしはただ獲物が居たから狩っただけで……」
さやか「でもさ、助けてくれたのは事実なんだし……」
ほむら「感謝は素直に受け取っておきなさい。減るものじゃないんだし」
233:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 10:29:52.71 ID:
0fTYbASz0
杏子「……ちっ。まぁ良いや。で?あんたたち、やっぱ魔女狩りに付いて来ちゃうわけ?」
まどか「あ、は、はい……」
杏子「はぁ……。まぁ知ってて組んだわけだから今更文句は言わないけどさ。事情も聞いたし。
だから付いてくるのは構わないが、足だけは引っ張らないでよね」
さやか「う、うん……」
マミ「もう、佐倉さん?初対面の子も居るんだから、そんなにおどかさないの」
杏子「ふん……。んじゃ、さっさと行こうぜ」
234:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 10:32:14.90 ID:
0fTYbASz0
・
・
・
マミ「ここね、間違いないわ」
ほむら「この反応は……使い魔ね」
杏子「だな。そんじゃ、あたしパス。外から見てるわ」
まどか「えっ!?ど、どうして……?」
杏子「使い魔のために使う魔力なんて持ち合わせちゃ居ないよ。
それにあんな雑魚、2人も居れば十分だっての」
ほむら「……まぁ良いわ。それじゃ、あなたはそこの2人をお願い」
杏子「はあ!?」
239:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 11:00:26.16 ID:
0fTYbASz0
マミ「そうね。もともとは、鹿目さんと美樹さんを危険から守るために付いてきてもらったんだし。
佐倉さんが外に居てくれるなら、2人も結界の中に入る必要もないものね。
というわけで、鹿目さん、美樹さん。ちょっとそこで佐倉さんと一緒に待っててくれる?」
さやか「あ、はい……わかりました」
まどか「が、がんばってくださいね!」
マミ「えぇ、ありがとう」
杏子「ちょ、ちょっと!おい!……くそ!なんであたしがお守りなんか……」
さやか「あ、あのー……?」
杏子「ちっ……まぁ良い。あんたたちに1つ言っときたいこともあるしね」
まどか「……?」
241:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 11:04:55.40 ID:
0fTYbASz0
杏子「一応確認しとくけど、別に魔法少女になろうだとか考えてマミたちに付いて行ってるわけじゃないんでしょ?」
まどか「あ、はい……」
杏子「別に敬語じゃなくて良いよ……どうせ歳は同じくらいなんだし」
まどか「う、うん。えっと、わたしがこの前、結界に飲み込まれちゃって。
そしたら、これからはこんなことがないように、って、ほむらちゃんが……」
さやか「最初はやっぱり、契約のこともちょっとは考えてたんだ。
でも、色々あって……もうほとんど、魔法少女になりたいだとか、そういう気持ちはないかな」
杏子「そっか、なら良いんだよ。同情やお遊びで魔法少女になられるのが一番むかつくからさ。
あんたたちみたいなのは、契約する必要なんてない。
その辺はちゃんとあいつらに教わってきたみたいだね」
243:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 11:10:13.43 ID:
0fTYbASz0
・
・
・
マミ「お待たせ、みんな」
まどか「あ、マミさん、ほむらちゃん!」
さやか「お疲れ様です!」
杏子「遅いよ。あんなのにいつまで時間かけてんだっつーの」
ほむら「でも、なんだかんだ言ってちゃんと待っててくれてたのね」
杏子「ふん……まぁどうせ暇だからね。んじゃ、もう良いだろ?あたしは帰るよ。じゃあね!」
マミ「あっ……もう。せっかくみんな居るんだし、お茶でもしようかと思ってたのに」
ほむら「まぁ、そろそろ夕飯も近い時間だし、またの機会にしましょう」
マミ「そうね……。それじゃ、またいつもみたいに2人を送っていきましょうか」
まどか「あ、すみません……ありがとうございます」
244:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 11:12:13.04 ID:PA3vIgOn0
全て良い感じだが全く動きを見せないヤツが
245:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 11:13:28.86 ID:
0fTYbASz0
帰り道
マミ「そう言えば……佐倉さんと結界の外で何かお喋りしてたみたいだけど、何を話してたの?」
まどか「あ、えっと……魔法少女にはなるなとか、大体そういう話を……」
マミ「そう……。きっと、あなたたちを心配してくれてたのね。
佐倉さん、魔法少女になることの厳しさは、よく知ってるから……」
ほむら「…………」
さやか「そう、なんですかね?なんか、これ以上魔法少女が増えたら迷惑だからとか言ってましたけど……」
マミ「いかにもあの子らしい言葉だけど……。でもね、決して悪い子じゃないのよ?
もしかしたら、佐倉さんなりの照れ隠しかもね。あの子、昔からちょっとそういうところあったから」
さやか「照れ隠し、ですか……」
マミ「まぁ、そう思っておきましょう?悪い子だって考えるよりは、そっちの方が良いでしょ?」
さやか「ん~……そうですね、確かに。言われてみればそんな気がしなくもないし」
246:
ごめん出掛けてくる。保守してくれたら嬉しい:2012/09/10(月) 11:17:22.19 ID:
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数日後
杏子「ぅおりゃぁああああ!!」
魔女「ギャァアアアアアアア……!」
ほむら「終わったわね」
マミ「佐倉さん、暁美さん、お疲れさま。鹿目さんと美樹さんも、怪我はないわね?」
まどか「あ、はい!お疲れ様です」
杏子「へへっ、そんじゃ今日の功労賞はあたしってことで、グリーフシードは頂くよ」
さやか「またあんたそんなこと言って!いっつもいっつもちょっとずるいんじゃないの!?」
杏子「あん?良いじゃんか別に。あいつらも困ってるわけじゃないんだしさ。
大体、魔法少女でもないあんたが口出ししてんじゃねーっつーの」
289:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 14:04:13.75 ID:
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さやか「それとこれとは話が別でしょうが!もう美味しいお菓子手に入っても分けてあげないよ!」
杏子「はぁ!?なんでだよ!それこそ全然話が別じゃんか!」
さやか「うるさい!大体あんたは前から……」
まどか「ふ、2人とも、ケンカしないでよぉ……!」
杏子「まどかはすっこんでろ!あたしのグリーフシードとお菓子が懸かってんだ!」
さやか「だーかーら、その欲張りをちょっとは我慢しなさいっての!」
杏子「へっ、据え膳食わぬは男の恥ってやつだよ。学校で習ったよねぇ?」
さやか「習うか!それに意味違うでしょ多分それ!分かんないけど多分!」
292:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 14:07:55.51 ID:
0fTYbASz0
マミ「まったく……。2人とも、どうしてすぐケンカになっちゃうのかしら。暁美さん、なんとかならない?」
ほむら「……まぁ、このくらいなら放っておいても大丈夫でしょう。
ケンカとは言っても、子どもみたいなものだし」
美樹さんが契約しなかったのが良かったのか、2人の出会い方が良かったのか、
それとも巴さんの言葉のおかげか。
この時間軸の2人は、殺し合いをする程の仲違いは起こしていない。
なんだかんだ言いながら、杏子も私たちに付き合ってくれている。
最近は連携もずいぶん上手く行くようになった。
キュゥべえも近頃は目立った動きもしていないようだし……。
これなら、行ける。
ベストな状態で、ワルプルギスの夜と戦うことができる……!
296:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 14:11:30.67 ID:
0fTYbASz0
ほむホーム
QB「3人とも、こんなに遅くまで話し合いかい?」
マミ「キュゥべえ……。えぇ、相手はあのワルプルギスの夜だもの。準備し過ぎるということはないわ」
杏子「それに、ほむらの言う通りならそいつが来るのももうすぐだしね」
ほむら「間違いないわ。統計上ね」
QB「その統計がどうやって取れたのかが不思議でたまらないんだけど……。
それより、このことはまどかたちには伝えてあるのかい?」
マミ「えぇ、一応ね。避難所に私たちが居ないことで心配させちゃっても悪いから」
QB「……そうか。だったら良いんだよ」
298:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 14:14:04.91 ID:
0fTYbASz0
当日
マミ「……いよいよね」
ほむら「えぇ。2人とも、作戦は頭に入ってる?」
マミ「もちろん、あれだけ会議を重ねたんですもの」
杏子「あー……うん、まぁ大体は覚えてるよ」
マミ「佐倉さん、あなたまさか忘れちゃったの……?」
杏子「だ、大体は覚えてるって!それに、本番がマニュアル通りに行くわけないんだから、別に良いじゃんか!」
ほむら「……まぁ、良いわ。基本さえ覚えててくれれば問題ないような作戦にしてあるから。
それに、確かにすべてがマニュアル通りに行くはずはないものね」
マミ「暁美さんがそう言うのなら良いんだけど……」
杏子「ったく……マミは昔っから固すぎるんだよ」
マミ「佐倉さん?何か言った?」
杏子「いや、なんでもない……」
300:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 14:17:57.13 ID:
0fTYbASz0
避難所
まどか「みんな、今、戦ってるのかな……」
さやか「多分……。っていうか、この台風が魔女の仕業だなんて、ちょっと信じられないよね。
魔女って、そういうことも出来たのか……って感じ」
QB「……白と、薄い青か……」
まどか「わっ!キュゥべえ!……あれ?」
さやか「びっくりしたぁ。急に足元から現れないでよ!」
QB「っと、ごめんよ2人とも。驚かしちゃったかい」
まどか「……?」
QB「どうかしたかい、まどか」
まどか「あ……ううん。それより、どうしたのキュゥべえ」
さやか「何か用事があって来たんじゃ……」
QB「うん、ちょっと緊急事態があってね。
まず、君たちがワルプルギスの夜についてどれだけ知っているのか確認させてくれ」
301:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 14:19:27.15 ID:wAkiIWmw0
べえさんの厨二スイッチが入ると大抵ろくなことにならない
302:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 14:21:15.22 ID:PA3vIgOn0
遂に敏腕契約マンが本気出すか!?
303:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 14:21:51.32 ID:
0fTYbASz0
まどか「どれだけ、って……。すごく強い魔女なんだよね?1人じゃなかなか倒せないくらい……」
さやか「だから、マミさんとほむらと杏子の3人で戦ってるんでしょ?」
QB「……やっぱり……その程度しか知らされていないんだね。
通りでこんなところでのんびりしていられるはずだ」
まどか「え……ど、どういうこと?」
QB「良いかい、2人ともよく聞くんだ。ワルプルギスの夜は、強い魔女なんてものじゃない。
史上最悪、最強の魔女だ。自然災害を起こせる魔女なんて、ワルプルギスの夜の他には居ないよ」
さやか「えっ……!?そ、そんなに強いの!?」
QB「過去にワルプルギスの夜と戦った魔法少女の運命は、全員共通している。
あの魔女と戦った者は、何人で挑もうと……みんな命を落としているんだ」
306:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 14:25:22.97 ID:
0fTYbASz0
まどか「そんな……!」
QB「彼女たちが挑もうとしているのは、そんな無謀な挑戦なのさ。
このままじゃ間違いなく、3人とも命を落とすだろうね」
まどか「う、うそ……」
さやか「で、でもあたしたちは、3人を信じるって決めたんだ!みんなも、信じて待ってて欲しい、って……」
QB「そんな言葉を信じて、結果的にみんなを死なせてしまうとしても?
僕は魔法少女と魔女との戦いを長い間見守ってきたけど……はっきり言おう。
3人がワルプルギスの夜に勝つ可能性は0だ。それはつまり、全員の死を意味している。
そして彼女たちが負けるということは、この町も間違いなく……」
さやか「っ……」
QB「君たちが望むのなら、僕が3人の所へ連れて行ってあげるよ。
そして、その目で確かめてみると良い。彼女たちの戦いの、その結末を。
今までだって、ずっとそうしてきたんだろう?」
308:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 14:28:11.52 ID:
0fTYbASz0
・
・
・
ワルプルギス「アハハハハハ、ウフフ、ウフ、アハハ、アハハハハハ!」
杏子「っのやろ……!いつまでも笑ってんじゃねーっての!」
マミ「攻撃は当たってるけど……効いてるのか効いてないのか分からないわね……!」
ほむら「いいえ、大丈夫!間違いなく、ダメージは蓄積されてる!」
杏子「はっ、そうかよ!それを聞いて安心したぜ!」
マミ「それなら、この調子でどんどん行っちゃいましょう!」
と、その時……視界の端に一瞬、何かが見えた。
……え?
ほむら「まど、か……?」
309:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 14:30:22.19 ID:
0fTYbASz0
ワルプルギス「アハハハ、ウフ、アハハハ、アハハハハハハ!」
まどか「あ、あれが、ワルプルギスの夜……!」
さやか「そ、想像してたより、ずっと……おっきい……!」
QB「あの笑い声が聞こえるかい?ワルプルギスの夜は、遊んでるんだよ。
3人の攻撃も当たってるようだけど、笑い声を聞けば分かるように、まったく効いていないんだ……」
まどか「そ、そんな!酷すぎるよ!あんまりだよ……!」
さやか「なんとかならないの、キュゥべえ!」
QB「僕にはどうしようもできない……だけど、君たちは違う!
君たちには、すごい素質があるんだ!3人なら敵わないワルプルギスの夜が相手でも、
君たち2人が加われば間違いなく倒せる!運命を覆せるんだ!」
311:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 14:33:55.66 ID:
0fTYbASz0
な……何を言ってるの?
攻撃が効いてないなんて……嘘。
これは、私の希望だとか、残酷な真実を受け入れたくないだとか、そんなのじゃない。
本当に、間違いなくワルプルギスの夜にダメージは通ってる。
確かにギリギリの勝負ではあるけど、優勢であることには間違いないんだ。
この調子なら私たちは勝てる。
それは紛れもない事実。
でもあいつは、その事実を隠して……いや、隠すどころじゃない。
嘘をついて、騙して、2人を契約させようとしている。
何が、比較的マトモよ。
何が他のキュゥべえに比べればマシよ。
時間を止めて、すぐにでも殺して……!
使い魔「キャハハハハハ!」
ほむら「っ!?」
313:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 14:40:41.72 ID:
0fTYbASz0
ほむら「くっ……離しなさい!離して!」
使い魔「キャア……!」
使い魔「キャハハ!」
使い魔「キャハハハハ!」
ほむら「ッ……」
駄目、キリがない!
杏子も巴さんも、自分のことで精一杯……!
早く、まどかたちのところへ行かないといけないのに……!
さやか「本当なの……?あたしたちが契約すれば、みんなを助けられるの?」
まどか「……わかったよ。わたし、魔法少女に……」
駄目ッ……!
ほむら「そいつの言葉に、耳を貸しちゃ駄目ぇええええ!!」
……次の瞬間。
私の目に、信じがたい光景が映った。
ほむら「……え……?」
321:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 14:47:57.10 ID:
0fTYbASz0
・
・
・
まどか「……わかったよ。わたし、魔法少女に……」
わたしがそこまで言いかけた時。
突然目の前に、大きな影が降ってきた。
まどか「きゃっ……!?」
さやか「うわっ!?な、なに!?瓦礫!?」
まどか「そんな……!」
キュゥべえのすぐ後ろの壁……その上の方から、瓦礫が崩れ落ちてきて、キュゥべえに……!
まどか「き、キュゥべえ!大丈夫!?キュゥべえ!?」
さやか「う、うそ、キュゥべえが、下敷きに……!?」
まどか「そ、そんな……!どうしよう、さやかちゃん、どうしよう!キュゥべえが……!」
さやか「ど、どうしようったって……き、キュゥべえが、死んじゃったら、もうあたしたちには……」
324:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 14:51:54.45 ID:
0fTYbASz0
ほむら「っ……!」
マミ「暁美さん、何をしてるの……!しっかり、前を見て……!」
ほむら「あっ……え、えぇ。ごめんなさい」
杏子「ったく、しっかりしろよな……!
ほら見なよ、あいつ、ようやく……笑えなくなってきたみたいだ……!」
ワルプルギス「アハ……ウフ、アハ……アハ、ハハ……!」
ほむら「……!」
さっき見たことは、一度忘れよう。
今はとにかく、目の前の敵に集中して、こいつを倒すことを最優先……!
ほむら「ここで、一気に片を付けましょう……!
それぞれの最大火力で、一気に叩く……!まずは私から行くわ!2人とも、準備を!」
杏子「おう!」
マミ「了解!」
カチッ
327:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 14:55:37.01 ID:
0fTYbASz0
ほむら「私の全ての火力を、この時間に注ぎ込む……!喰らいなさい!」
私は、持てる全ての兵器をワルプルギスの夜に浴びせた。
これほどの火力でも、これだけではあいつを倒す決め手にはならない。
でも……3人でなら!
カチッ
ワルプルギス「ッ……アハ、ウフフフ……!」
杏子「どわっ!?な、なんつー爆発だよ……!」
ほむら「佐倉さん、今!」
杏子「っし!んじゃ、いっちょ行くぜ!どぉりゃああああああ!!」
ワルプルギス「……ア、ハ……ウフフ……!」
杏子「マミ、とどめだ!!」
マミ「任せて!とびっきり大きいのをお見舞いするわよ……ボンバルダメント!!」
329:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 14:58:58.46 ID:
0fTYbASz0
ワルプルギス「……アハハ……ア、ハ………………」
まどか「え……?そ、空が晴れて……こ、これって……!」
杏子「ワルプルギスの夜が……」
マミ「消えていく……!」
ほむら「勝った、の……?私たち、ワルプルギスの夜に、勝ったの……?」
さやか「やっ……やったぁあ!倒しちゃったんだ!ワルプルギスの夜、倒しちゃったんだ!」
まどか「そ、そうだよね、倒したんだよね!みんな、生きてるんだよね!」
333:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 15:01:34.54 ID:
0fTYbASz0
ほむら「まどか……」
そう、生きてる……。
私たちも、まどかも、みんな、生きてる……。
勝ったんだ、私やっと……あいつに、勝ったんだ……!
マミ「えっ!?鹿目さんに、美樹さん!?」
杏子「なんであいつらこんなとこに……」
ほむら「ま、まどか……まどかぁあ……!」
まどか「!ほむらちゃん!」
私は思わず、まどかに向かって駆け出した。
最後の時間停止のおかげで魔力もほとんど使い果たし、体もフラフラだ。
でも構わず走る……。
だって、私はやっと、まどかを守れ……
ワルプルギス「ア、ハ……アハハハハハハハハハハハ!!」
334:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 15:02:00.33 ID:MmYZkP6f0
/(^o^)\
335:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 15:03:55.38 ID:DxjVmxIS0
反転ワルさんか
336:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 15:04:58.10 ID:wAkiIWmw0
QB「演出ご苦労」
340:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 15:06:12.95 ID:
0fTYbASz0
まどか「ッ!?」
マミ「あ、暁美さん!!」
ほむら「っ……!」
そんな、まだ攻撃できたの……!?
しかも、あんなに大きな魔力の塊を……!
あれを受けて、ソウルジェムが無事で済むはずがない!
絶対に避けないと……時間を……!
ほむら「……そんな」
……発動しない!?
そうか、時間切れ……もう私は、時間を止められない……!
342:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 15:10:22.70 ID:
0fTYbASz0
魔力で守る……いや、無理だ、こんな尽きかけの魔力で防げる攻撃じゃない。
なんとかして、避け、体を捻って、なんとか……。
ほむら「……!」
駄目だ、こんなフラフラの体じゃ、とてもじゃないけど、避けるなんて、無理……。
何をしても無理だと悟った私は、痛みに備え身を固くした。
が、痛みは……まったく私が想定していない方向からやってきた。
ほむら「あぐっ……!?」
え、何……!
何かが、横からぶつかって、私を、突き飛ばし……!?
その衝撃の正体を、私は目で確認する。
動かない体を突き飛ばし、私をワルプルギスの夜の攻撃から救ったのは……。
QB「っ……!」
……キュゥ、べえ……?
そして一瞬後、魔力の塊がキュゥべえを襲った。
343:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 15:10:58.64 ID:PA3vIgOn0
!?
344:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 15:12:36.86 ID:MmYZkP6f0
なん…だと…!?
346:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 15:13:58.22 ID:
0fTYbASz0
ワルプルギス「ア……ハ………………」
杏子「!今度こそ本当に、消えていく……!あれが最後の攻撃だったってわけか……」
マミ「そ、それより、キュゥべえ!あなた、どうして……!」
まどか「ほ、ほむらちゃんを助けようとして……!?」
さやか「で、でも!キュゥべえ、さっき確かに瓦礫に……!」
ほむら「っ……!巴さん!治療を!!」
マミ「え、え?」
ほむら「直撃はしてない!まだ助かる見込みはあるはず!だから、早く、急いで!!」
マミ「あ、う、うん!キュゥべえ!待っててね、今すぐ、治してあげるから!」
QB「……ぅ……」
351:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 15:17:18.25 ID:
0fTYbASz0
QB「マ、ミ……」
マミ「駄目、喋らないで!すぐ、すぐ治してあげるから……!」
QB「ソウル……ジェム……」
まどか「ま、マミさん!ソウルジェムが……!」
さやか「そんなに、真っ黒に……!」
杏子「……ちっ!」
マミ「ま……まだ、大丈夫、大丈夫、だから……!」
QB「僕は、平気だよ……だから、もう、治療を、やめるんだ、マミ……。
これ以上は、もう……君が……」
ほむら「……!」
マミ「そんな、まだ駄目、全然、治ってなんかない、まだ、もっと……」
QB「やめるんだ、マミ……やめて……やめてくれ……!お願いだ……!」
マミ「き、キュゥ、べえ……?」
ほむら「……あなた……」
357:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 15:21:11.06 ID:
0fTYbASz0
杏子「おい、マミ!こいつを使え!」
ほむら「えっ……?佐倉さん、それは……」
杏子「ワルプルギスの夜のグリーフシードさ。探して持ってきてやったよ」
さやか「!杏子、あんた……!」
杏子「……まぁ、あのでかい魔女のグリーフシードだからね。
1~2回使われたくらい、大した損じゃないっしょ」
マミ「あ……ありがとう、佐倉さん……!」
まどか「!ソウルジェムがどんどん綺麗に……!」
QB「……!」
マミ「本当に、助かったわ……。もうこれで大丈夫!キュゥべえ、すぐに治してあげるからね!」
360:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 15:24:38.20 ID:
0fTYbASz0
QB「……ありがとう、マミ。助かったよ。それから、杏子も」
マミ「いいえ、どう致しまして」
杏子「……ふん」
まどか「でも、キュゥべえも無事で良かったぁ……。
あの時、もう完全に瓦礫の下敷きになっちゃったと思ったもん。
あれ?そう言えば、いつの間に首輪……」
QB「まさか運悪く瓦礫が落ちてくるなんてね。でも上手く避けられて良かったよ」
さやか「いやー、それにしても、まさかキュゥべえが体を張ってほむらを助けるとは。
冷静で味気ないと思ってたけど、意外と熱い奴じゃーん!」
QB「熱いかどうかは分からないけど、魔法少女に死なれるわけにはいかないからね」
ほむら「…………」
杏子「ていうか、マミ。ワルプルギスの夜に留めを刺したアレ……何なんだよ」
マミ「ボンバルダメントのこと?そっか、佐倉さんは知らなかったわね。
実はね、ティロ・フィナーレよりも強力な必殺技を考えてて、“砲撃”っていう意味なのよ?」
杏子「……そのうちボンバルダメント・フィナーレとか言い出しそうだな、おい」
362:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 15:28:04.14 ID:
0fTYbASz0
・
・
・
ほむら「……どこへ行くの、キュゥべえ」
QB「ほむら……別に、どこだって良いじゃないか。
それより、みんなの所へ戻らなくて良いのかい?せっかく良い雰囲気なのに」
ほむら「その必要はないわ。今は、あなたに用事があるの」
QB「…………」
ほむら「まず確認するけど、今のあなたたちは、会話の内容までは共有できないのよね?」
QB「そうだけど……何か僕の仲間に知られたらまずい会話でもする気かい?」
ほむら「えぇ。単刀直入に訊くわ。あなた……優しさがあるのね?」
QB「……突然、何を言い出すんだい」
363:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 15:31:12.71 ID:
0fTYbASz0
QB「わけがわからないけど、一応訊いておくよ。どうしてそう思うのかな」
ほむら「見たのよ。あなたが、まどかたちと契約しようとしたキュゥべえ目掛けて瓦礫を落下させたところを。
その首輪をつけたあなたが、首輪を付けていないキュゥべえ目掛けて、ね」
QB「…………」
ほむら「今思えば、あなたの行動は全て私にとって都合の良い結果をもたらした。
まどかと美樹さんを巻き込んだあの魔女結界も、
あれのおかげで2人は魔法少女への憧れを失ったし、更に巴さんも私を信頼するようになった」
QB「でも、そもそも君への信頼を失わせたのは僕だろう?」
ほむら「確かに結果としてはそうだったけど……信頼を失わせることが目的だったわけじゃないでしょう?
あなたは本当に、心の底から……巴さんを心配していた。だから私への注意へを促した。
暁美ほむらに裏切られて、肉体的、精神的に彼女が傷付くのを避けてね……違うかしら」
QB「…………」
367:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 15:34:50.28 ID:
0fTYbASz0
ほむら「結界の中でまどかたちが使い魔に遭遇すらしなかったのは、あなたがそう誘導したから。
それから、まどかが1人結界に飲み込まれてしまった時も……。
あれは本当に偶然で、あなたはまどかの命を助けるために、やむを得ず契約を迫ったのね」
QB「……なるほど、そういう考え方も出来るのか。面白いね」
ほむら「まぁ、他にも色々と“今思えば……”というようなことはあるけれど。
決定的な根拠は、ついさっきのこと。巴さんがあなたを治そうとして、
ソウルジェムに穢れを溜め込んでいった時……どうしてあなたは彼女を止めようとしたの?」
QB「…………」
ほむら「あのまま何も言わなければ、あなたは全快して、しかも……彼女は魔女化する。
あなたたちインキュベーターにとって、最高の展開のはずでしょう。
なのにあなたは、声を荒げてまで治療をやめさせようとした……」
QB「……やれやれ。出来ればずっと伏せておきたかったんだけどな」
368:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 15:38:29.22 ID:bcKb4t510
潰されたQBは今までと別個体だったのか
370:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 15:39:18.47 ID:
0fTYbASz0
QB「そう、君の言う通り。僕は君たち人類と同じような倫理観を……つまり、優しさを持った個体だ」
ほむら「どうして……それを隠そうとしていたの?」
QB「君が自分の正体を他人に明かさないのと似たような理由さ。
誰か1人にでも知られれば、そこから僕の仲間に知られてしまう可能性がある。
だから僕は、あくまで“人類を騙すインキュベーター”を演じる必要があったのさ」
ほむら「時々契約を持ちかけていたのは……」
QB「もちろんあの子たちに契約するつもりがないことを分かった上での見せ掛けだ」
ほむら「……やっぱり」
QB「正直、常に生きた心地がしなかったよ。君の敵を演じながら、まどかたちを守らないといけない。
まどかたちと契約する気がないことが仲間にバレれば、
すぐに僕に監視がついて、いずれ正体も明かされ、処分される。
君に殺されるラインと、仲間に殺されるラインのギリギリを歩き続けなければいけないんだからね」
ほむら「っ……」
372:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 15:43:03.72 ID:
0fTYbASz0
QB「そして、今回まどかとさやかの契約を阻止、君とマミを助けたことで
……僕には恐らく疑いの目が向いてしまうだろう。
監視が付くのも時間の問題だと思うよ。そうなれば、僕の処分もそう遠くはない」
ほむら「……!」
QB「でも、仕方ないよね。みんなの命を救うためだ。それに、君の命を救えたのは大きい。
だって、君が居ればこれからもずっと、まどかを守っていけるだろう?」
ほむら「っ……あなたは……!」
QB「やれやれ……。やっぱりショックを受けるんだね。だから黙っておきたかったんだけどな」
ほむら「あなたは……死ぬのは、怖くないの……!?」
QB「もちろん怖いさ。感情があるんだから。まったく、こんなことなら感情なんてない方が良かったよ。
いや……訂正しよう。感情があったからこそ、君たちを守れたんだからね。
全員が無事に、ワルプルギスの夜を越えることができた。
感情が芽生えて……本当に、良かった」
ほむら「……っ……キュゥべえ……!」
376:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 15:46:36.57 ID:
0fTYbASz0
QB「……もしかして、泣いているのかい?君は思ったより感情の起伏が激しいんだね。
そもそも僕なんかのために涙を流すなんて、わけがわからないよ」
ほむら「ごめんなさい、キュゥべえ……ごめんなさい……!」
QB「謝ることなんて何もないだろう?君を騙して利用していたのは僕じゃないか。
むしろ、僕の思い通りに動いてくれた君には感謝してるくらいだ」
ほむら「でも、私、わたし……!」
QB「……君は優しすぎるよ、ほむら。やっぱり、何も明かさずに君の前を去るべきだった。
そうすれば、君にそんな辛い思いをさせずに済んだのに……」
ほむら「き、キュゥべえ……?どこに行くの……!?」
QB「これ以上君たちと居ても、処分を待つ身の僕には辛いだけだからね。
遠い場所でひっそりと死ぬことにするよ。というわけで、お別れだ、ほむら」
ほむら「ま、待って……!」
QB「最後に1つ……今までずっと騙していてごめんよ。……じゃあね」
380:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 15:50:35.59 ID:
0fTYbASz0
ほむら「っ……許さない……!」
QB「……え?」
ほむら「私は、あなたを許さない……!私を騙して、利用してたなんて、許さない……!」
QB「……本当に、悪かったと思って……」
ほむら「どうせなら、最後まで……これからもずっとずっと、騙し続けなさい……!
私たちと一緒に居て、私の敵として、まどかの側に居続けなさい!」
QB「……!」
ほむら「あなたが居なくなれば、今度のインキュベーターはどんな手を使ってくるか分からない。
あなたが居なければ、まどかを守れない……!
処分される運命だと言ってたけど……そんな運命、覆してみせる。
監視の目を欺き、あなたの疑いを晴らしてみせる……だから!
まどかを守るために、私に協力しなさい!インキュベーター……いいえ、キュゥべえ!」
384:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 15:53:34.58 ID:
0fTYbASz0
QB「……監視と死の恐怖に、耐え続けろと言うのかい?」
ほむら「その通りよ……疑いが晴れるまではね」
QB「確かに君と僕とが互いに敵を演じ続ければ、
いつかは監視も解かれるかもしれない……でもそう簡単にいくものじゃないよ。
君もそれなりの苦労を強いられることになる」
ほむら「でしょうね、でも仕方ないわ。
守るためですもの……まどかをね。……そう、これは契約よ」
QB「契約……」
ほむら「私が疑いを晴らすのに協力する代わりに、
あなたはこれからもまどかを守るのに協力する……そういう契約。
私の望みは、まどかを守ること。叶えてくれるわね、キュゥべえ」
QB「……なるほどね、まどかを守るための契約か……わかった。
そういうことなら、僕ももう少し抗ってみるよ。
良いだろう、契約は成立だ。君の望みを、きっと叶えよう」
387:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 15:57:25.17 ID:
0fTYbASz0
・
・
・
QB「……あの個体はどんな様子だい?」
QB「相変わらずだよ。折を見て鹿目まどかに契約を持ちかけてはいるけれど、その度に暁美ほむらに阻まれてる」
QB「変わりなしか……。これ以上監視を続ける意味はあるのかな」
QB「どうだろうね。あの夜に不自然なことが連続したのも確かだけど……。
でも、まどか自身に契約する気も機会も無い以上、あの子1人にこだわり続けるのも得策でないかも知れないね」
QB「まぁ、他の子でも時間をかければ地球のノルマはクリア出来るんだし」
QB「それに、他の子で補った方が結果的には人類の犠牲も少なくて済む」
QB「人類を滅ぼしてまでまどかを魔女化させる必要があるのかを疑問視する声があがってるのも事実だ。
まったく、感情が無かった頃なら誰もそんなことに疑問は持たなかっただろうに」
QB「とりあえず、もう少しだけ監視は続けてみるよ。出来れば何も見付からないことを祈るとしよう。
仲間を処分するのは気が引けるしね」
389:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 15:59:06.01 ID:MY3uahC50
>>387
どれがどれだか頭がティロティロしてきた
388:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 15:58:39.55 ID:VH0YRFgD0
すっかり全体的に丸くなってる
390:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 16:01:19.40 ID:
0fTYbASz0
数日後、ほむホーム
QB「ほむら、ちょっと良いかな」
ほむら「何の用?」
QB「おっと、出会い頭に銃を向けるのはやめてくれよ。今日は朗報があって来たんだ」
ほむら「っ……まさか」
QB「どうやら僕の監視は解かれたらしい。思ったよりも早かったね」
ほむら「!……良かった……」
QB「へぇ……。君にそんな顔を向けられるなんて、ずいぶん久し振りじゃないかな」
ほむら「……!」
QB「なんせ、君とはずっと敵同士を演じ続けて来たんだからね。なんというか、新鮮な気分だ」
ほむら「……言っておくけど、あなたと馴れ合うつもりはないわよ。
監視は解かれたと言っても、疑いの目が二度と向かないわけじゃないんでしょう?」
QB「残念ながらね。今までほど気を張る必要はないけれど、
あくまでも僕と君との仲は険悪でなければならない」
394:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 16:04:09.51 ID:
0fTYbASz0
QB「でも今くらいは、感謝の気持ちを表させてくれ。君には本当に感謝してるんだ」
ほむら「…………」
QB「まどかを救うこと、人類を救うことばかりか、僕の命まで救ってくれた。
……本当にありがとう、ほむら」
ほむら「別に……利害が一致しただけよ。私はまどかさえ救えればそれで良いの。
あなたの命を助けたのも、まどかを救うためと……借りを返すためよ」
QB「……今くらいは素直になってくれても良いんじゃないかな。
もう監視は解けてるんだし。僕はあの時君が流してくれた涙のことを覚えて……」
ほむら「黙りなさい」
QB「いたたた……や、やめてくれよ、ちぎれる、ちぎれる……!」
ほむら「…………」
398:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 16:08:54.60 ID:
0fTYbASz0
QB「やれやれ、酷い目に遭った……。もしかして、君は割と本気で僕のことが嫌いなのかな」
ほむら「……そんなことはないわ。あなたにはすごく感謝してる」
QB「!」
ほむら「それに、尊敬もしてる。あなたと仲良くしたいとも思う。巴さんとあなたのようにね」
QB「ほむら……」
ほむら「あなたが処分されなくて、本当に良かった。とても嬉しいわ。
あなたの命を救えて、本当に良かった。
ありがとう、キュゥべえ。私たちを助けてくれて、本当にありがとう」
QB「お……思ったよりストレートに感情を表現できるんだね、君は……」
401:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 16:12:14.04 ID:
0fTYbASz0
ほむら「あら、もしかして照れているの?」
QB「普段あまり見ない表情であんなに正面からはっきり言われたら、流石に面映くも感じるよ」
ほむら「そう。でも……私が素直な気持ちを伝えるのは今ので最後よ。
正直、あなたには冷たく接する方が慣れてるから」
QB「……そうか。でも君の本心を知れて良かった。これなら冷たくされてもそう辛くはないよ。
それじゃあ、名残惜しいけど僕はもう行くよ。マミが待ってるからね」
ほむら「次に会う時はまた敵同士ね。それじゃ、さようなら。これからもよろしくね、キュゥべえ」
おしまい
402:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 16:13:05.82 ID:elkAj2Ni0
乙
403:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 16:13:25.97 ID:dcrrjmYfO
乙だぜ
406:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 16:15:16.04 ID:6b76O9q7O
乙
初めてQBがいいやつに見えた
396:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 16:06:10.22 ID:P67re4bH0
QBが感情目覚めると確実に人類と友好的になるっていう感じのパターンに陥っているSSへのメタSSでしょこれ?
405:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 16:14:40.61 ID:
0fTYbASz0
付き合ってくれた人ありがとう、お疲れ
ちなみに潰されたQBは暇を持て余した風見野のQB
>>396
そういうつもりもちょっとある
まぁ嫌いじゃないんだけどね
408:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 16:16:56.18 ID:PA3vIgOn0
乙乙
敵といってもトムとジェリー、ルパンととっつあんみたいな関係可愛い
411:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 16:20:26.70 ID:1cFil/V/O
気持ちの良いSSだった
417:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 16:37:43.31 ID:wAkiIWmw0
やはりべえさんは可愛かった
乙じゃん
419:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 16:39:20.13 ID:k5Jo9IDH0
きゅっぷいきゅっぷい
422:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 16:49:35.33 ID:Yb76DvUn0
エロいべぇさんの杏子へのセクハラ外伝は…?
424:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 17:01:44.08 ID:
0fTYbASz0
QB「おや?君は……」
杏子「よぉ。あんたがここの担当のキュゥべえだね。これからよろしく頼むよ」
QB「ちょうど良かった。今この町には魔法少女が居なくてね、退屈してたんだ」
杏子「へへっ、だったらちょうど良いや。今日からこの町はあたしのモンってわけだ」
QB「……へそチラにホットパンツか。ブーツも良いね」
杏子「あん?何か言ったかい?」
QB「いや、なんでもないよ。これからよろしくね」
425:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 17:03:09.39 ID:PA3vIgOn0
エロベェさん来たよこれ
426:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 17:08:47.60 ID:
0fTYbASz0
杏子「だぁりゃああああ!!」
魔女「ギャァアアアア……!」
杏子「へへっ!グリーフシード、ゲット!」
QB「……ピンクか。意外だね」
杏子「どわぁあ!?いきなり足元から話しかけんなよ!びっくりするじゃんか」
QB「お疲れ、杏子。今日はずいぶんよく働いたね」
杏子「まぁねー。おかげでちっと汗でベタついちゃってるよ。とっととホテル帰ってシャワーを……」
QB「汗だって?どれどれ……」
杏子「っ!?てめぇ、何しやがる!」
QB「何って……汗を舐めとったんだよ」
427:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 17:11:22.09 ID:
0fTYbASz0
杏子「は、はぁ!?なんでそんなこと……」
QB「理由なんて、どうでも良いじゃないか。魔法少女の汗を舐めるのは当然のことだろう?」
杏子「き……きもい!なんだこいつ、超きもい!」
QB「あぁ……良いね。もっと言ってくれ」
杏子「このっ……!あ、あたしはもう帰る!付いてくんじゃねぇぞ!」
QB「やれやれ……付いていかないわけがないじゃないか」
428:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 17:11:38.41 ID:xLdhoGP30
スケべェさんきた
429:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 17:12:00.73 ID:PA3vIgOn0
淫獣…今すぐ俺と代わるんだ
430:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 17:13:50.10 ID:
0fTYbASz0
浴室
杏子「くそ……なんなんだよあのキュゥべえ、気持ちわりい」
風見野には魔法少女が居ないって言ってたけど、あいつが原因じゃないのか……?
どうする、あたしも出て行くか……。
いや、町ひとつを独り占めできる機会なんて、滅多にないんだ。
ここはひとつ、我慢を……。
QB「やぁ、杏子。気持ち良さそうだね」
杏子「!?」
432:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 17:18:53.59 ID:
0fTYbASz0
杏子「てめぇ、どっから湧いて出やがった!この変態!」
QB「杏子、君は僕を変態扱いするのかい?杏子の体を見ても、僕は何も感じないよ」
杏子「うそつけ!」
QB「やれやれ……。それはそうと、そのお湯ちょっと飲ませてもらっても良いかな」
杏子「うるせぇ黙れ!出て行かねえとぶっ殺すぞ!」
QB「ずいぶん物騒だね……。殺されちゃあ元も子もないから、今日は退散するとするか」
434:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 17:23:43.71 ID:THEsUlCs0
キュゥべえになりたい
435:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 17:23:56.41 ID:PA3vIgOn0
こいつは高レベルの…アレだ
436:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 17:26:06.54 ID:
0fTYbASz0
トイレ
杏子「こ、こんなとこには入って来ないよな……?」
…………。
杏子「……ふー。流石にこんな狭いとこには出ないか。
まったく、用を足すのにも気ぃ張らなきゃいけな……」
QB「やぁ、杏子。ずいぶん長かったね」
杏子「!?て、てめぇ……トイレの外でずっと待ってたのか……?」
QB「当然だよ。君の排泄音をほんの少しでも聞き逃すわけにはいかないからね。
もったいないじゃないか。まぁ、健康そうで安心したよ、杏子」
杏子「っ……!」
439:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 17:29:09.86 ID:sICAcM9x0
確かにもったいない
440:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 17:30:26.92 ID:PA3vIgOn0
こんなに思考がリンクしてんのに何故俺はQBになれない…
441:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 17:30:57.90 ID:THEsUlCs0
きゅっぷいきゅっぷい
442:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 17:32:14.63 ID:
0fTYbASz0
朝、寝室
杏子「ん……朝、か」
っと、いっけね。
よだれ垂らして寝ちまってた。
美味そうな夢見ちゃったからなぁ……。
杏子「……まぁ良いや。さてと、今日も魔女狩りに行きますかねーっと」
QB「…………」
杏子「おわぁあ!?てめぇ、いつの間に!?」
QB「おはよう、杏子」
杏子「お、おい!あたしの枕に何やってんだよ!」
QB「何って、枕に染みこんだよだれを吸ってるんだよ。もったいないじゃないか」
杏子「」
444:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 17:44:00.73 ID:
0fTYbASz0
QB「ねぇ、杏子」
杏子「っ……な、なんだよ」
QB「見ての通り、僕は君たち人類とは違う体だ。だから、君たちの体の構造にとても興味がある」
杏子「お、おいあんた、何言って……」
QB「具体的に言うと、生殖器に興味があるんだ。杏子、君の生殖器を観察させてもらえないかな。
できれば触覚でも確かめたいんだけど」
杏子「て、てめぇ!ついに直接的に来やがったな!」
QB「もちろん君が嫌だと言うなら、君が寝ていて意識がない間に済ませてしまうから……」
杏子「も、もう我慢できねぇ!あたしはこの町を出て行くよ!
誰がこれ以上てめぇみたいなのと一緒に居られるか!」
QB「えっ!ま、待ってよ杏子!それじゃあ僕はこれから誰に全裸を見せつけて興奮すれば良いんだい!」
杏子「こっ、この野郎!いつもそんなこと考えてたのかよ!ちくしょう!
と、とにかく、あたしはこの町を出て行く!せいぜい1人で勝手に盛ってろ!変態!」
QB「あっ、もっと言ってよ杏子!待って!」
杏子「来るなぁああ!ぶっ殺すぞ!付いて来たらマジでぶっ殺すからな!」
本編に続く
446:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 17:48:12.61 ID:PA3vIgOn0
乙乙
なるほど割りと見滝原組と迎合しやすかったあんこちゃんに納得したww
これでギャグ要素も補填できたし大満足だわ!
447:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 17:50:23.12 ID:MY3uahC50
おつべぇ
449:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/09/10(月) 17:54:13.92 ID:THEsUlCs0
乙乙乙
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