律「うわ、ありがちな話」

2010-08-25 (水) 03:02  けいおん!SS   1コメント  
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2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:23:52.87 ID:OvdK2QBG0

部室


ガチャ

律「ちーす」バタンッ

梓「お疲れ様です」

律「うをっ!?」

唯「りっちゃん遅いよー」

律「な、なんだこれ。ハイセンス過ぎるだろ」

澪「なんでもIFの装置らしい」

律「えーと、はい?」

梓「律先輩が珍しく呆れてますね」

澪「さすがの律でもいきなりは信じない、か」

唯「試してみるのが一番だよ!」

律「待て、何?このわけのわからん帽子がIFの装置?帽子っていうよりヘルメットか」

唯「どっちでもいいよ!」






3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:24:45.44 ID:OvdK2QBG0

紬「そうよ。ほら、百聞は一見に如かずよ」トンッ

律「わわ、押すなよ!?」

紬「はい、これ被ってね。・・・それじゃどんな世界に行きたい?」

律「え、え?」カポッ

紬「特にないならこっちで決めるわね」

律「待て待て待て」

澪「練習までには帰ってこいよー?」

律「いや、だからこれなんだよ!?」

紬「それじゃいくわよー!」

ヴィーン・・・!

律「頭についてる機械が熱いぞ!?」

梓「それは頑張ってください」

律「いや、頑張るって何を!?」




4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:25:26.40 ID:OvdK2QBG0

紬「りっちゃん、強く思う気持ちをそのまま口にして!出来るだけ大きな声で!」

律「へ!?」

唯「りっちゃん!早く!!」

律「あーもう・・・ふざっけんなぁぁぁ!!!」


プシュン


梓「わー!今回も成功ですね!」

紬「そうね。まだ開発段階だから、本人の強い意思を補助パワーとして必要としてるけど・・・」

澪「そんなことよりさ」

梓「それくらいいいじゃないですか!IFの世界に飛び立つための儀式として定着させちゃえばいいんですよ」

紬「うーん、でもねぇ・・・」

梓「何か問題でも?」




5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:25:56.82 ID:OvdK2QBG0

紬「装置をつけてる人の気持ちの強さ次第では大変なことになるらしいの」

澪「おーい」

梓「大変なこと?」

紬「うん。帽子を被っていない周りのみんなも巻き込んでIFの世界にワープしちゃったり」

梓「それは困りますね」

澪「なぁ、その話なんだけど・・・」

紬「あ、ごめんなさい!どうしたの?」

澪「うん、今まさにその状況みたいだぞ?」

梓紬「へ?」

澪「唯がいない」

梓紬「あ゛・・・」


・・・

・・・




6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:26:31.37 ID:OvdK2QBG0

律「いってー・・・」

唯「りっちゃん!大丈夫!?」

律「唯!?」

唯「そこから降りれそう?」

律「え?降りるって?・・・って、はい!?」

唯「暴れたら危ないよー」

律「なんで私だけ木に引っかかってるんだよ!?」

唯「しばらくその状態で気失ってたみたいだよー?」

律「我ながらなんて器用なんだ・・・唯は平気だったのか?」

唯「うん、私は目が覚めたら草の上だったから平気だったよ」

律「そっか・・・よっと」ヒュッ




7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:26:56.82 ID:OvdK2QBG0

唯「りっちゃん!?」

律「っと!」ストン

唯「おぉー!10点満点でございます!」

律「へへーん、だろー?」

唯「かっこいい!私もやりたい」ダッ

律「待て」ガシッ

唯「ちぇー」

律「それよりも・・・なんでそんな恰好してるんだ?」

唯「りっちゃんこそー」




8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:27:19.97 ID:OvdK2QBG0

律「町娘みたいだぞ?」

唯「りっちゃんはお侍さんみたいだよ?」

律「へ?」

唯「いーなー、その刀貸してよー」

律「駄目だ。あとこれは刀じゃなくて十手。私は侍じゃなくてどっちかって言うと岡っ引きかな」

唯「なんだ、偽物!」ブー

律「うっさい」



・・・

・・・




11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:31:14.91 ID:OvdK2QBG0

紬「どうしましょ」

梓「どうしようって言っても・・・」

紬「多分問題なくこっちに帰って来れるとは思うんだけど、万が一を考えると心配ね・・・」

澪「よりによってあの二人だもんなー・・・」ハァ

紬「梓ちゃん、澪ちゃん」

梓澪「はい?」

紬「あとを追ってくれないかしら」

梓「そんなこと出来るんですか?」

紬「えぇ、舞台は機械にデフォルトで登録されてるものだから。設定を変えなければ同じ世界に飛べるはず」

澪「見つけ出したらすぐに戻ってくるよ」

梓「そういえば、どうやって戻ればいいんですか?」

紬「まず、その世界にいるストレンジャーを集めること」

澪「ストレンジャーって、私達のことだよな?」




12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:32:14.46 ID:OvdK2QBG0

紬「そう、開発チームがそう呼んでたからそのまま使わせてもらうわ」

澪「なんかそれっぽい呼び方だな」

紬「それでみんなが集まったら戻るって大きな声で意思表示して」

澪「案外原始的なんだな」

梓「そういえばさっきみんなでお菓子の家に行ったときは自然にやってましたね」

紬「そう、さっきと同じ要領でいいわ」

梓「あの」

紬「なに?」

梓「ムギ先輩はこないんですか?」

紬「私はフォローに徹するわ」

澪「でもそこにいるだけじゃ・・・あ、そうか」




13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:32:34.05 ID:OvdK2QBG0

紬「そういうこと」

澪「その帽子を被っていればストレンジャーに声を届けることができる、だよな?」

紬「えぇ、飲み込みが早くて助かるわ」

梓「じゃあ早速」スチャ

澪「よしっ」スチャ

紬「二人とも、準備はいいわね?」



・・・

・・・




15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:33:35.22 ID:OvdK2QBG0

律「団子うめー!」

唯「すみませーん、おかわりくださーい!」

律「あー!唯ずるいぞ!私にもおかわりー!」

唯「ふぃー癒されますなー」

律「あっぱれですなー」

唯「そういえば、ここは何時代なのかな?」

律「さぁ?とりあえず昔ってことはわかるぞ、うん」

唯「みんな和服着てるねー」

律「それは私たちもだけどな」

唯「あ!そうか!」

律「おいおい、頼むぜー」

唯「それじゃお団子食べ終わったら戻ろうか」

律「えぇ!?来たばっかだろ!?」




17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:33:54.19 ID:OvdK2QBG0

唯「ふかおいはしちゃ駄目ってムギちゃんが言ってたよ」

律「ってことは・・・やっぱあの変な帽子、ムギが持ってきたのか」

唯「うん、ムギちゃん家の会社が作ったんだってー」

律「へー、すごいな」

唯「じせだいりょこうきぐって言ってた」

律「平仮名ばっかで読みにくいな」

唯「へへー、ムギちゃんが言ってたのそのまま言っただけー」テヘヘ

律「うん、わかる」

お団子屋「お待たせしましたー」

律「おぉー!」

唯「待ってましたー!」

律「えっと、それで?」モグモグ

唯「それでって?」パクパク




18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:34:31.78 ID:OvdK2QBG0

律「どうやって戻るんだ?」ゴックン

唯「帰るーって大きい声で言ったら戻れたよ、さっきは」パクパク

律「へー。・・・って、『さっき』?」

唯「うん!りっちゃんが来る前にみんなでお菓子の家に行ったんだー♪」

律「・・・ずるい!」

唯「りっちゃん来るの遅いんだもん」

律「しょうがないだろー?和に捕まって部長会議に出てたんだから」ムグムグ

唯「美味しかったよ、ケーキの机とかパフェの木とか」

律「それを食った上でまだ食うかっ!」




19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:35:10.56 ID:OvdK2QBG0

唯「別腹なんだよー」モグモグ

律「別腹って、全部お菓子だろ」

唯「もー、怒らない怒らない。後でまたムギちゃんに連れてってもらおうよ!」

律「よっしゃ、それいいな!」


・・・

・・・




21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:36:01.85 ID:OvdK2QBG0

紬「みんな無事かしら」

紬「でもまさかりっちゃんの雄叫びで唯ちゃんまで道連れになるとはね」

紬「やっぱり改良の余地あり、か・・・」

紬「・・・」ピピッピッ

紬「うーん、だれともコンタクトが取れないわ・・・」

紬「まだダイブしてから時間が経ってないから?」

紬「これも改良ポイントね。技術部にメールしておうっと」メルメル

紬「あと、唯ちゃんが普通に戻ってこれるかも確認しておかないと」メルメル

紬「よしっ」

紬「送信っ」ピッ

紬「・・・」

紬「きっと大丈夫よ、うん」


・・・

・・・




22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:36:35.64 ID:OvdK2QBG0

律「よし、それじゃ戻ろうか」

唯「うん!」

律「で、帰るーって大きな声で言えばいいんだっけ?」

唯「そうそう。まだしさくひんだからそうしなくちゃいけないんだって」

律「お前、試作品の意味ちゃんとわかってるか?」

唯「ううん、よくわかんないかも」

律「・・・ま、いいや」

唯「販売するときはボタンでパッと帰れるようにするって言ってたよ」

律「だよなー。出たり入ったりする度に大声出さなきゃいけないのは辛いよな」

唯「ちなみに私はさっき『お菓子食べたーい!』って叫んだよ!」

律「うわ、唯っぽい」




23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:37:15.14 ID:OvdK2QBG0

唯「えへへー」

律「・・・あれ?」

唯「どうしたの?」

律「唯、この世界にくるときにはなんて叫んだ?」

唯「私は叫んでないよ」

律「え・・・何か言ったりとか」

唯「ないよー。気付いたら草の上にいたんだよー」

律「・・・もしかして、私が唯を連れてきちゃったのか?」

唯「あー・・・かも」

律「これ、普通に戻れるんだろうな?」

唯「やってみたらわかるよ!」

律「楽観的だなー。私も人のこと言えないけど」

唯「それじゃ、せーのでいくよー?」




24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:37:56.94 ID:OvdK2QBG0

律「おうっ!・・・せーの!」

律唯「帰るー!!」


シーン・・・


通行人A「!?」

通行人B「・・・」ギロッ

唯「・・・あれ?」

律「駄目、か」

唯「どうしよう・・・」

律「これ、最悪のパターンじゃないか?」

子供「お母さん、あれなにー?」

通行人C「しっ!見ちゃ駄目よ!指さしちゃ駄目!近づいちゃ駄目!」

律「・・・」プルプル




25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:38:44.68 ID:OvdK2QBG0

子供「変な人達だぁー!」プークスクス

律「・・・っぎゃおぉぉぉ!!」ダッ

子供「こっち来たぁ!?」ダダダダダッ

唯「りっちゃん、子供に八つ当たりは駄目だよ!」

通行人C「ひぃぃぃ」タッタッタッ

律「・・・全く、あいつら。人の気も知らないで」

唯「どうどう」

律「で・・・どうしようか?」

唯「えっとー、あはは・・・」

律「だよなー、たはは・・・」



・・・


・・・




26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:39:34.01 ID:OvdK2QBG0

紬「これは・・・誰かしら?梓ちゃん?」

紬「ちょっと声掛けてみようかな」

紬『もしもーし』

梓「うわぁ!?びっくりしたぁ!?」

通行人D「!?」ビクゥッ

梓「えーと、ムギ先輩ですか?」

紬『そうよー。どう?そっちの世界は』

梓「かなりのんびりした感じですね。昔の日本ってカンジです」

紬『ちゃんと同じ世界には行けているみたいね』

梓「はい。とりあえずすぐ近くに町が見えるんで、そこに向かってます」




27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:39:52.44 ID:OvdK2QBG0

紬『了解。山賊に襲われたらすぐに逃げてね』

梓「え、山賊・・・?そんな物騒なー」アハハ

紬『・・・出るわよ?(嘘だけど)』

梓「はい、見かけたら速攻で逃げます」

紬『りっちゃん達は見つかった?』

梓「いいえ。私も今さっきこっちに来たばかりなので・・・」

紬『そう、焦らずに探してちょうだい』

梓「はい」

子供「お母さーん!あの人ひとりで喋ってるー!」

梓「んな!?こら!指ささない!」




28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:42:14.61 ID:OvdK2QBG0

通行人C「駄目でしょ!さっきも言ったでしょう?指をさすのは失礼なことなのよ?」

子供「だってー」プークスクス

梓「こぉんの、ガキ」

通行人C「あの人にはあの人の世界があるんだから邪魔しちゃダメよ!?」

梓「お母さんが一番ひどい!」

紬『あ、梓ちゃん?』

梓「あ、ごめんなさい。こっちの話です」

紬『そ、そう?ならいいんだけど・・・』

梓「でもこの世界、なんだか広そうです。あの二人を探すのにも時間が掛かりそうですね」

紬『それは仕方ないと思うの。さっきも言ったけど、焦らなくていいからね?』

梓「は、はい。・・・でも」

紬『でも?』

梓「澪先輩ともはぐれちゃいましたし・・・」




29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:42:55.53 ID:OvdK2QBG0

紬『途中ではぐれちゃったの?』

梓「いいえ、この世界にきたときはもう一人でした」

紬『澪ちゃん・・・実はコンタクトも取れないの。どこにいるのかしら?』

子供「このぉー!」ゲシッ

梓「いったぁ!?」

紬『もしもし?梓ちゃん?』

子供「やーいやーい」ダッ

梓「こぉんの・・・!!」ダッ

通行人C「ごめんなさい!」

子供「やーい!」ダダダッ

梓「逃がすかっ!」ダッ

紬『え?え?(音声しか聞こえないから何がなんだか・・・)』




30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:43:19.28 ID:OvdK2QBG0

通行人C「聞いちゃいない・・・」

子供「うお!?足速ぇー!」

梓「このっ!」ガシッ

子供「うわー!離せよー!」

梓「しつけのなっていない子供は嫌いだなー」ニコニコ

通行人C「すみません、うちの息子が・・・」

梓「全く、もう少しどうにかならないんですか」プンスカッ

子供「う・・・う・・・」グスッグスッ

梓「泣いても許さないよ?」ニコッ

子供「!?」ビエーン!




31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:44:52.26 ID:OvdK2QBG0

通行人C「本当にごめんなさい・・・」

梓「全く・・・」パッ

子供「あー怖かった」ケロッ

梓(こいつ、懲りてないな?)

子供「でもさっきのデコのお姉ちゃんの方が怖かったもんねーだ!」

梓「!?」

ガシッ

梓「怒らないから。怒らないから『デコのお姉ちゃん』についてもうちょっと聞かせてもらえる?」

子供「は、はい・・・!(やっぱこっちの姉ちゃんの方が怖い・・・!)」



・・・

・・・




32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:46:11.63 ID:OvdK2QBG0

律「どうしようか?」

唯「とりあえず、悪者を倒しましょー!」

律「いるのか?悪者」

唯「でも相場じゃない?」

律「うーん、でもそれって元の世界に戻る根本的な解決になっていないような・・・」

唯「細かいことはいいんだよ!」

律「そ、そうか??」

唯「それに岡っ引きさんって昔のお巡りさんなんでしょ?」

律「あぁ、そんな感じじゃないか?」

唯「じゃありっちゃんは悪者を懲らしめないと!」

律「唯は?」

唯「私はさらわれる役だよ!」

律「うわー助ける気しねー」




33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:47:18.06 ID:OvdK2QBG0

唯「ひどい!」

律「どうせこういう時代に来たならあれがやりたいなー」

唯「あれって?」

律「『お代官様ぁーん・・・!あ~れ~』みたいな」

唯「いいね!やろう!」

律「やるの!?」

唯「うん、いいよ!私丁度着物着てるしね」

律「でもあれってすごい帯の長い着物じゃないと」

唯「じゃあ一回転だけね」

律「いいのか?」

唯「りっちゃん隊員は特別だよ!」

律「やった!よし・・・いくぞー?」




34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:48:05.03 ID:OvdK2QBG0

唯「いつでもオーケーだよ、りっちゃん!」

律「それー!」

唯「あ~れ~♪」


ハラリ


律唯「」


唯「うわぁぁ!?///」

律「ばばばばバカ!隠せ隠せ!!」

唯「恥ずかしいよぉ!」

律「普通の着物で『あ~れ~』をすると一回転で帯が取れる、勉強になったぜ」

唯「そんなこと言ってないで助けてよぅ!」

律「あぁ、ごめんごめん。えっと」

岡っ引き「待てー!お前らー!」

律唯「!?」




35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:48:23.84 ID:OvdK2QBG0

岡っ引き「街のど真ん中で全裸になるとは何事だぁー!!」

律「この時代も街中で全裸になるのは犯罪なんだな」

唯「うん、みたいだね。・・・っていうか全裸じゃないもんっ」

律「唯、はだけないようにしろよ?」

唯「大丈夫、もうはだけてる」

律「よし、それじゃ・・・」

律唯「ごめんなさーい!!」ダッ

岡っ引き「逃げるなー!こらー!」

律「岡っ引きが岡っ引きに追いかけられるとかどういう状況だよ!!」ダッダッダッ

唯「こういう状況だよ!りっちゃん!!」ダッダッダッ

律「だな!・・・って、あほかー!!」


・・・

・・・




36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:48:51.19 ID:OvdK2QBG0

紬「やっと音声を捕捉したと思ったら・・・」

紬「りっちゃんと唯ちゃん何してるの・・・?」

紬「でも、梓ちゃんと唯ちゃん達が会うのは時間の問題みたいね」

紬「私は澪ちゃんを探してみんなを同じところに誘導しないと」

紬「それにしても、どこにいるのかしら」

紬「地下にいたらコンタクト取りにくいとか?」

紬「そんな、まさかね。ケータイじゃあるまいし」




37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:49:31.26 ID:OvdK2QBG0

紬「それにこの時代の建物に地下っていうのも考えにくいわ」

紬「ほんと、どこに行っちゃったのかしら」

チャスチャンチャンチャチャーン♪

紬「メールだわ!!」ピッ

紬「・・・唯ちゃんの件は、どうやら問題なさそうね」

紬「改善点に関しては至急パッチを作ります、か」

紬「なんとかなりそうね・・・よかったぁ・・・」


・・・

・・・




38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:50:11.62 ID:OvdK2QBG0

律「なんか随分遠くまで来ちゃったみたいだな」

唯「森の中?に来ちゃったね」

律「森って程大きくはないけど・・・ちょっと不気味なところだな」

唯「なんか暗いね?」

律「木で光が遮られてるから暗いんじゃないか?」

唯「・・・今何時なんだろ」

律「私達が来たときに既に夕方だったよな?」

唯「そろそろ暗くなってもおかしくないよね・・・」

律「だ、大丈夫だって。いざとなったら街に戻ればいいんだし」

唯「そっか、りっちゃん戻り方わかる?私、それどころじゃなくてさー」アハハ

律「・・・」

唯「りっちゃん?」

律「唯、とりあえず進もうぜ」




39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:51:19.29 ID:OvdK2QBG0

唯「りっちゃん戻り方わかんないんでしょ!?」

律「ううううるへー!そんなんじゃないぞー?ちょっと覚えてないだけだぞー?」

唯「『覚えてない』って言っちゃった・・・『忘れた』ならまだ希望があったのに・・・」ガーン

律「ごめん」

唯「ううん、私の方こそごめんなさい」

律「どうする?進むか、戻るか」

唯「うーん、歩こう!」

律「遭難する人の気持ちがわかった気がする・・・」

唯「へ?」

律「いんや、なんでもない。じゃ行くか」


・・・

・・・




40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:51:58.65 ID:OvdK2QBG0

梓「あの子供が律先輩に絡まれてた?なんて」

岡っ引き「チキショー!取り逃がしちまったぜ!」

梓「すごい、岡っ引きだー。初めて見た(当たり前だけど)」

梓「ムギ先輩は澪先輩の居場所を探るとかでコンタクト切っちゃうし」

梓「子供に教えてもらった辺りを探してもいなかったし」

梓「オマケにもう夜になるし・・・」

梓「そういえば元の世界と時間が少しズレてるような」

梓「元の世界ではやっと夕方になるくらいの時間のハズ・・・」

岡っ引き「お侍さん!この辺りで怪しい二人はみかなったかい?」

梓「元の世界といえば・・・ムギ先輩、下校しないとまずいんじゃ?」




41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:52:15.79 ID:OvdK2QBG0

梓「・・・私達が跡を追ってこの世界に入った時間を考えると、学校にいられるのはせいぜいあと1~2時間か・・・」

梓「ムギ先輩、なんかと粘ってくれないかなー。1~2時間で集合出来る自信がない・・・」

岡っ引き「おーい、お侍さん!?」

梓「明日が土曜日なのが救いだったかも・・・次の日に授業があったら色々とめんどくさそうだし」

岡っ引き「てやんでぃ!無視すんな!」

梓「はい!?」

岡っ引き「お侍さん、ぼやっと歩いてたら危ねぇぜ?」

梓「あ、はい。すみません(お侍さんって私のことか)」

岡っ引き「さて、一つ聞きたいことがある」

梓「なんですか?」

岡っ引き「でこっぱちの岡っ引きとオツムの暖かそうな町娘の二人組を見なかったかい?」

梓「」




42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:54:44.05 ID:OvdK2QBG0

梓(これ、もしかして律先輩と唯先輩?っていうか岡っ引きに追いかけられるとか何したんだあの二人)

梓「さぁ?見なかったですね。ところでその二人が何かしたんですか?」

岡っ引き「おぅ!聞いてくれるかお侍さん!」

梓「え、えぇ(その『お侍さん』っていうの止めてくれないかなー・・・)」

岡っ引き「街のど真ん中ででこっぱちがオツムほかほかの町娘の着物の帯をいきなりほどいたんだ」

梓「え゛」

岡っ引き「あいつら公衆の面前だっつーのに・・・」ブツブツ

梓「あの、帯をほどいたって、つまり・・・?」

岡っ引き「困るんだよなぁ、ああいうの。毎年そういう奴らが春になると増えるんだよ」

梓「マジで何してんの、あの二人」




43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:55:10.32 ID:OvdK2QBG0

岡っ引き「とっ。そんじゃ、そいつらをもし見つけたらすぐに教えてくれ!飛んでくるぜぃ!」

梓「あ、あの!どっちの方に行ったかもわからないんですか?(ダメ元で聞いてみよう)」

岡っ引き「いいや、方角はわかるよ。あっちだ」

梓「(って、知ってるんかい!)あっちって・・・わかってるなら追いかければ」

岡っ引き「あっちはもう街の外だからな。俺っちに取っ捕まえる権利はないんだ」

梓「あ、そうなんですか・・・でも、そうなるとわざわざ捕まりに戻ってはこないんじゃ?」

岡っ引き「いいや、あいつらは絶対に引き返してくるハズだ」

梓「?」

岡っ引き「あっちの道は行き止まりだからな!」

梓「行き止まり・・・?」




44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:55:58.31 ID:OvdK2QBG0

岡っ引き「おうよ!あるのは寝泊まりするところぐらいで、周りは林だらけだからそこを抜けるのは難しいと思うぜ!」

梓「そうなんですか」

岡っ引き「つまり奴らは戻ってくる!俺っち頭いい!」

梓「あーそうですね」ナンダコイツ

岡っ引き「まーそういうこった!そんじゃな!」

梓「・・・寝泊りするところって、宿とか?」

梓「無事そうだし、律先輩達はほっといて澪先輩探そうかな・・・」



・・・

・・・




45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:57:35.75 ID:OvdK2QBG0

律「なんだろうな、あの建物」

唯「ちょっと豪華だね」

律「豪邸?」

唯「でも雰囲気がそれっぽくないね」

律「おいっ、なんか中から人が出てきたぞ!」

唯「本当?遠くてよくわからないや」

男「ちょっと、どいてくれねぇか」

律唯「!?」クルッ

男「・・・」スタスタ

唯「・・・いきなり後ろから声かけられたらビックリするよー」ハァー

律「あれ、あの男・・・」

唯「どうしたの?」




46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:58:22.95 ID:OvdK2QBG0

律「あの建物に入るんじゃないか?」

唯「色んな人が出入りしてるのかな?」

律「さぁ?でも、人がたくさんいるってことは・・・」

唯「何?」

律「色々と情報が手に入るかもしれないな」

唯「情報って?」

律「ばかー、唯が言ったんだろ?悪者を懲らしめるって」

唯「そっか!悪者の情報が手に入るんだね!?」

律「あぁ。もしそういうのがいない平和な世界なら、諦めて帰る方法探そうぜ」

唯「がってんです!」

律「よっしゃ!それじゃ潜入開始だ!」

唯「ほい!」

律「・・・と思ったら、さっきあの建物から出てきた人がこっちに歩いてきたぞ??」

唯「なんだろう・・・なんか私達のこと見てる?」

律「だな。なんだなんだ?」




47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:58:44.83 ID:OvdK2QBG0

客引き「どもー!」

律「あ、はい。どうも?」

客引き「お客さん!今夜のお店はお決まりですか!?」

律「はい?・・・まだですけど」

客引き「おぉー!そりゃよかった!どうです?うちで決めませんか?」

律「えっと・・・」

律(おい、唯)

唯(なに?)

律(お店ってどういうことだ?)

唯(やだなーりっちゃん、きっと宿って意味だよー)

律(ほーなるほどな。じゃああの建物は宿だったワケか)

唯(っぽいね。一応寝るところは確保しておいた方がいいよね?)

律(あぁ。その前に進展があるといいけど、念のためにな)

唯(お金大丈夫そう?)




48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 02:59:08.96 ID:OvdK2QBG0

律(平気平気。この時代の物価はわからないけど、さっきお団子食べたときのお代から考えるとかなりの大金持ってると思う)

唯(じゃあ決まりだね)

律「お待たせしました。えーと、二人部屋でお願いできますか?」

客引き「何言ってるんですかー。うちの店は全部二人部屋ですよ」ナッハッハッ

律「?えっと、じゃあいいんですけど・・・」

客引き「それじゃ行きましょうか!さっ!こちらへどうぞ!」

律「あ、はい」テクテク

唯「よかったねー」テクテク

律(・・・やっぱなんかおかしくないか?)

唯(なんで?)

律(なんで二人用の部屋しかないんだ?私達何か勘違いしてないか?)

唯(そんなことないよー。じゃあ他に何があるの?)




49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:03:13.27 ID:OvdK2QBG0

律(うっそれはだな・・・)

唯(大丈夫大丈夫、もし違ったらすみませんでしたって言って出てくればいいんだよー)

律(それもそうだな)


ザッザッザッザッ・・・


律「やっぱさっきの建物だ」

唯「槍幕亭・・・?」

律「や、やりまくって?」ポカーン

唯「なんだろ?」

律「さぁ?店の名前じゃないか?」

客引き「じゃあ早速!」

律唯「!?」

客引き「今日はどの娘にしましょうか?」

律「・・・へ?」




50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:03:53.35 ID:OvdK2QBG0

唯「なに?どの娘?え?」

客引き「はい!ふくよかなでボインな娘から華奢で可憐な娘まで!当店の自慢の品揃え!」

律「・・・意味がわからない」

唯「この中から選べばいいの?」

律「似顔絵と名前、自己紹介の表か・・・」

唯「なんかみんな平安美人って感じだね」

律「唯!」

唯「ほい!?」

律(まずいって、ここ出ようぜ)

唯(え?なんで?)

律(見てわかるだろー!?ここ、遊郭ってところじゃないか?)

唯(ゆーかく?)

律(だからー、今でいう風俗みたいなもんだよ!)




51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:04:10.77 ID:OvdK2QBG0

唯(え!?ふーぞく!?エッチなことするところ!?)

律「ばっ!///・・・そ、そーだよ!だから出ようぜ?)

唯(でも、ここの人達なら悪者について知ってるかも!?)

律(た、確かに色んな客が来るからそういう話は詳しいかも知れないけど・・・)

唯(じゃあ行こうよ!)

律(おまっ!風俗ってどういうことか本当にちゃんとわかってるのか!?)

唯(大丈夫!ちょっとお話するだけ!)

律(アホかー!)




52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:04:51.42 ID:OvdK2QBG0

客引き「あの、お客さん?」

律(唯!ここは『おっと、お金が足りない作戦』を決行しよう!)

唯(なにそれ!?)

律(名前で大体わかるだろ!?じゃあいくぞ?)

律「えーと、こちら一泊いくらになるんでしょうかね?」

客引き「えー、ご指名頂いた娘にもよりますが、基本料金は銀六十匁になります」

律(ほら、基本料金とか言ってるだろ!?絶対怪しいって!)

唯「あー、私達そんなお金ないやー」

律「だ、だなー。えーと、失礼しまs」

唯「だから私は遠慮するよ。りっちゃんは楽しんできて?」

律「」

律「いやいやいやおかしいおかしい」

客引き「そうですか?残念ですが、うちも一応高級店なんでお値引きなどはできないんですよ・・・」

唯「いいえ、いいんですよー。この近くに普通のお宿はありますか?」

律「待て待てちょっと待て」




53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:06:24.40 ID:OvdK2QBG0

客引き「左隣の建物がそうですよ」

唯「やったぁ!近い!」

律「いや、『やったぁ!近い!』じゃないから」

客引き「お出口は突き当たりを右となっております」

唯「はーい!それじゃ、りっちゃん!また明日ね!」

律「え?!何言ってんの!?」

唯(えー?これが作戦じゃないの?)

律(ちげー!どういうことだよ!)

唯(だからー、お金がない→私は別のところに泊まる→手分けして情報収集!ってカンジ?)

律(深読みしすぎだぁぁ!!)




54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:06:48.83 ID:OvdK2QBG0

客引き「それじゃ岡っ引さん、どの娘にしましょうか?」

律「いや、違う、ちょっと待って」

唯「それじゃねー!」ヒラヒラ

律「おいぃぃ!?」

客引き「あ、照れなくても大丈夫ですよ?最近は女性のお客さんも増えてますし」

律「いや、そういう問題じゃなくて」

客引き「まぁまぁまぁ、可愛い子揃えてますんで」

律「いらないって!」

客引き「この中から選んでくださいね!」サッ

律「え、えぇー・・・?」

律「・・・」

律(・・・腹、括るしかないのか?)




55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:07:10.95 ID:OvdK2QBG0

律(『菊:銀七匁、華:銀十匁、蘭:銀五匁』か・・・指名料ってことだよな?)

律(どうせ寝泊りするだけなんだから指名料が低い娘がいいな・・・)

律「えーと」

律「」

客引き「どうしました?」

律「あの、この『座敷童子』ってなんですか?」

客引き「あー、その娘今日入ったばかりなんですけど、一言も喋らないからこっちで勝手に名前を決めたんですよ」

律(勝手にも程があるだろ・・・)




56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:07:32.19 ID:OvdK2QBG0

客引き「すいませんね、新入りなもんで絵師に似顔絵描かせる時間もなかったみたいで・・・」

律「新人だから指名料が無料なんですか?(もしそうならこの娘に決定だな)」

客引き「え、いや、その、えっと・・・」

律「・・・?」

客引き「大きな声では言えないんですが・・・かなり気の毒な顔の造りでして・・・」

律「不細工ってことですか?」

客引き「えぇ。目は二重だし、細いし、そのくせ妙に胸だけ大きいし、男よりも背が高いんですよ」

律「は、はぁ・・・?(なんだ?綺麗そうなカンジするけど)」

客引き「あ、すみません、お客さんも長身ですよね!気を悪くしないでくださいね」

律(長身って、生まれて初めて言われたな。っていうかこの時代の人って背低すぎなんだよなー)ポリポリ




57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:07:48.80 ID:OvdK2QBG0

客引き「あの、お客さん?」

律「へ?あ、あぁ。大丈夫ですよ、気にしてないです」

客引き「よ、よかった」ホッ

律「それじゃ、指名は座敷童子で」

客引き「よかった・・・って、はい!?いいんですか!?」

律「はい。えっと、どの部屋ですか?」

客引き「おおおお部屋まで案内させていただきます!」


・・・

・・・




58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:08:07.96 ID:OvdK2QBG0

紬「『映像は拡張機能の設定をすればすぐにでも』って・・・」

紬「私、あまりこういう機械は得意じゃないのに」ピッピッピッ

紬「えーと、拡張機能っと・・・」ピッ

紬「これかしら」ピッ

紬「・・・」


ザザッ・・・


紬「映ったわ!」

紬「よかったー、声だけだとイマイチ状況がわかりにくかったのよね」

紬「・・・えーと、これはりっちゃん?」

紬「何処に居るんだろう?」

紬「・・・宿かしら」




59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:08:31.76 ID:OvdK2QBG0

紬「あ、あれ?」

紬「唯ちゃんは?」

紬「はぐれちゃったのかしら・・・?」

紬「とりあえずりっちゃんとコンタクトを!」

ザーッザーッ

紬「!?」

紬「り、りっちゃんの姿も見えなくなっちゃった・・・」

紬「うーん、故障かしら?」

紬「いえ、そんなことはないはず・・・」

紬「・・・考えていてもしょうがないわ。唯ちゃんを探しましょう」

紬「えーと・・・唯ちゃん、唯ちゃん、っと」

紬「・・・反応がないわね」




60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:08:50.56 ID:OvdK2QBG0

紬「この検索機能も改良すべき、ね」

ザ・・・

紬「・・・あれ」

ザザザッ・・・

紬「ちょっと、待って・・・」ピッピッ

紬「やっぱり、唯ちゃんだわ!」

紬「唯ちゃーん!」


・・・

・・・




61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:09:12.12 ID:OvdK2QBG0

平安美人A「やーい、ブス」

平安美人B「あたいこんなブス見たこともないよ」

平安美人C「うちもさwwこったら不細工本当にいるんだねぇwww」

澪「・・・」

平安美人A「まーせいぜい私たちの引き立て役になることね」

平安美人C「もしあんたのお陰で客が増えたらうちらが銭くれてやるよwww」

平安美人D「おー、そりゃなかなか名案じゃないか」アッハッハッ

澪(こいつら、すっごいムカつく・・・)

澪(自惚れてるわけじゃないけど、こんなに不細工不細工言われたのは生まれて初めてだ)

平安美人B「こんな細い体じゃ殿方は満足しないよ?」グイッ

澪「いたっ!?」




62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:09:33.89 ID:OvdK2QBG0

平安美人A「ちょwwww聞いた?今の」

平安美人D「聞いた聞いた。あんた喋れるんだ?」

澪(馬鹿にして・・・!)

平安美人C「なんさwwその目wwwなんか文句あるのかいww」

澪「い、いえ・・・」

平安美人B「それにしても本当に可哀想な顔だねぇ?私の下膨れ、少し分けてやろうか?」

澪「 結 構 で す 」

澪(こんなの分けられたら恥ずかしくて生きていけない・・・)

平安美人B「んなっ、生意気なブスだね!」




63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:09:49.18 ID:OvdK2QBG0

澪(あーもう!なんで私はこんなところにいるんだよ!っていうかここ何処だ!)

澪(どこかの部屋みたいだけど・・・出口はなし、か)

澪(なんか監禁されてるみたいだな・・・)

澪(こ、怖いよ・・・!)

平安美人A「ひゃっひゃっひゃっ」

澪(こいつらの方が数倍怖いけど)


・・・

・・・




64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:10:13.41 ID:OvdK2QBG0

唯「はう!?」

紬『唯ちゃん、聞こえる?』

唯「あれ!?ムギちゃん!?」

紬『無事だったかしら』

唯「うん!大丈夫だよ!」

紬『よかった・・・唯ちゃんは今どこにいるの?』

唯「えーとね、お宿にいるよ」

紬『そうなの・・・。りっちゃんは?一緒じゃないの?』

唯「りっちゃんとは手分けして情報収集作戦なのです!」

紬『なるほど・・・それにしても、情報収集ってなんの?』

唯「悪者だよ!私達で懲らしめるんだー」

紬『きっとこの世界に悪者はいないわよ・・・?』

唯「え!?」ガビーン




65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:10:40.48 ID:OvdK2QBG0

紬『旅行者の身に何かあったら困るもの。そういう設定はされていないハズよ』

唯「そうなの?」ガーン

紬『えぇ。この世界の人に危害を加えたりしない限りは平和なハズよ』

唯「ちぇー、そっかー」

紬『ごめんね』

唯「あ、そういう意味じゃないんだよ?ごめんね」

紬『梓ちゃん達には会った?』

唯「あずにゃん達も来てるの!?」

紬『えぇ。さっき唯ちゃん、帽子被っていないのにそっちの世界に飛んじゃったでしょ?』

唯「うん、ちょっとビックリした!」

紬『できればもうちょっと疑問視して欲しかった・・・』




66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:11:14.65 ID:OvdK2QBG0

唯「うん?」

紬『ううん、こっちの話。なんでもないわ』

唯「そう?あ!そうだ!」

紬『どうしたの?』

唯「さっきね、お菓子の家のときみたいに『帰るー!』って言ったのに帰れなかったんだよ!」

紬『うーん、さっきっていつかしら?』

唯「・・・えーと?」

紬『もしかしたら、澪ちゃん達がそっちに行ってからの話かもしれないわね』

唯「それだと帰れないの??」

紬『えぇ、ストレンジャーが集まって一斉に帰る意思表示をしなければならないの』

唯「そうなんだ・・・どうして?」

紬『ほら、そうしないと一人で置き去りにされる人が出てくるでしょ?』

唯「確かにそうだねぇ」




67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:11:35.77 ID:OvdK2QBG0

紬『だからあえてみんなが揃わないと帰れないようになっているらしいわ』

唯「そっかー。じゃあ帰るには澪ちゃんとあずにゃんを探さないといけないんだね?」

紬『そうね、ん?あれ?』

唯「どうしたの?」

紬『ごめんね!またあとでかけ直す!』

プツンッ

唯「かけ直すって・・・」

唯「ムギちゃん、今完全に電話してる気分だったよねー」ケラケラ

唯「でも、そっかー」

唯「みんなを探せば元の世界に帰れるんだね!」

唯「燃えてきたよー!!」




68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:11:46.37 ID:OvdK2QBG0

ガラッ


唯「!?」

女将さん「あの、もう少し静かにしてもらえませんか?」

唯「あ、はい。ごめんなさい」シュン


・・・

・・・




69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:12:05.78 ID:OvdK2QBG0

梓「暗くて足元がよく見えないよ・・・」

梓「本当にこんなところに唯先輩達がいるのかな?」

梓「まぁ、いいや。考えてもしょうがないから歩こう・・・」トボトボ

紬『梓ちゃん?』

梓「のわ!?・・・ムギ先輩ですか」

紬『えぇ。今歩いてるのは、何処かしら?』

梓「えっと、林の中です」

紬『そこ、街の外よね?』

梓「はい、こっちの方に律先輩達がいるって話を聞いて」

紬『そうなの?唯ちゃんならさっきお宿にいたわよ?』

梓「本当ですか!?じゃあきっともうすぐ会えますね!」

紬『???』




70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:12:36.11 ID:OvdK2QBG0

梓「さっき岡っ引きの人に聞いたんですけど、この林の先には宿泊施設があるらしいんですよ」

紬『そうなの・・・それじゃビンゴね』

梓「はい!よかったー、早めに合流できそうですね!」

紬『あとは澪ちゃんだけね・・・』

梓「って、あれ?」

紬『どうかした?』

梓「ムギ先輩、唯先輩と話したんですよね?」

紬『えぇ、さっきやっとコンタクトが取れてね。今は一人でお宿にいるらしいの』

梓「一人・・・?律先輩は一緒じゃないんですか?」

紬『そうなの。でも、居場所はわかっているみたいだからとりあえず唯ちゃんと合流したらどうかしら』

梓「そうですね、そっちの方が早そうですね」




71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:12:55.02 ID:OvdK2QBG0

紬『それじゃ、私は澪ちゃんを探さないといけないから・・・』

梓「あ、ムギ先輩?」

紬『どうしたの?』

梓「あ、あの、もう少しお話しません?」

紬『梓ちゃん・・・暗い林の中を一人で歩くのが怖いんでしょう?』

梓「いや、そんなことは!・・・はい、怖いです///」

紬『うふふ。じゃあもう少しだけお話していましょうか』


・・・

・・・




72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:13:25.37 ID:OvdK2QBG0

客引き「ささっ、こちらがお部屋になります」

律「あぁ、どうも」

客引き「それでは、ごゆっくり・・・」サッ

律(・・・嫌だなぁ)

律(この扉の向こうにはとんでもない不細工(?)が・・・)

律(いや、駄目だ。情報収集、情報収集!)

律(向こうも私が女だってわかれば何もしてこないだろ)

律(よっしゃ!開けるぞ・・・!)


ガラッ


律「」

澪「見えない聞こえない見えない聞こえない・・・」ブツブツ

律「おま、ちょ、え、何してるの?」




73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:13:43.46 ID:OvdK2QBG0

澪「見えない聞こえない見えな・・・へ?律?」

律「・・・澪、だよな?」

澪「律ぅぅぅぅ!!」ダキッ

律「のわぁぁ!?」

澪「こ、怖かったぁー・・・!」ギュー

律「痛い痛い!っていうかどうしたんだよ!?色んな意味で!」

澪「うううぅぅぅ」

律「と、とりあえず座ろう?な?」


ピシャン


律「・・・で、どうしてこんなところにお前がいるんだ?」




74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:14:03.62 ID:OvdK2QBG0

澪「どうしてって・・・気付いたらいたんだよ」

律「気付いたらってことは・・・」

澪「どうしたんだ?」

律「既に何人か相手にしたのか?」ニヤニヤ

澪「ばか!」ゴツンッ

律「あだっ」

澪「お前が初めてだよ」

律「そ、そっか、私が初めてか・・・///」ポッ

澪「そういう意味で言ったんじゃない!///」

律「冗談だよー。それにしても、その格好・・・結構似合ってるぞ?遊女っていうの?」

澪「あまり嬉しくない・・・って、律は岡っ引き?」

律「みたいだなー。どう?」

澪「ある意味似合ってるよ」

律「ある意味ってなんだよ!?」




75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:14:24.60 ID:OvdK2QBG0

澪「まぁまぁ。唯は?一緒じゃないのか?」

律「あいつは裏切り者なので普通の宿に泊まりました」

澪「普通の宿・・・?って、そうだよ!」

律「!?」

澪「お前、こんなところで何してるんだよ!スケベ!」

律「お前にだけは言われたくねーし、スケベじゃねぇーし!!」

澪「だって、そうだろ?客としてこんな店に来るなんて・・・!」

律「あーあー、違うんだって。これには深い訳が」

澪「言い訳は聞きたくない」

律「えー」

澪「律って最低だな。鼻の下伸ばしてこんなところに来て!」

律「待てって!知らなかったんだよ!ホントだって!」

澪「はいはい」

律「なんで聞き流すんだよー!」




76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:14:47.49 ID:OvdK2QBG0

澪「知らなかったよ、律が下膨れフェチなんてさ」

律「あー、下膨れで思い出した」

澪「なんだよ」

律「澪、自分の源氏名知ってるか?」

澪「へ?そんなのあるのか?知らないよ」

律「・・・座敷童子」

澪「なんだそれ!?」




77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:15:03.40 ID:OvdK2QBG0

律「全く喋らないから座敷童子って名前にしたってさ」クスクス

澪「な・・・そんな・・・」ガーン

律「いいじゃんいいじゃん、幸せをもたらしてくれるんだろー?」ニヤニヤ

澪「こぉんの・・・!」

律「ぼぼぼ暴力反対!」


ゴツンッ


澪「ん?今何か言ったか?」

律「・・・いいえ」


・・・

・・・




78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:41:26.14 ID:OvdK2QBG0

梓「失礼しまーす・・・」ガラッ

唯「あずにゃん!?」

梓「唯先輩!」

唯「あずにゃんだぁー!」ダキッ

梓「早速これですか」

唯「一人で寂しかったよー」ギュー

梓「あー、はいはい」

唯「あずにゃんは?寂しくなかった?」

梓「私はここに来るまでムギ先輩と話していたので、別に・・・」

唯「う、裏切り者だ・・・」ガーン

梓「で、でも」




79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:41:44.26 ID:OvdK2QBG0

唯「?」

梓「唯先輩に会えて嬉しい、です」

唯「えへへー」ギュー

梓「苦しいですって」

唯「あれ・・・?あずにゃん、お侍さん?」

梓「そうなんですよ。刀が重くて重くて・・・」

唯「ちっちゃいお侍さんってカンジで可愛いね!」

梓「そ、そうですか?」

唯「うん!私、普通なんだもん。つまんないー」ブー

梓「でも似合ってますよ?」

唯「本当に?へへー」

梓「そうだ」

唯「うん?」




80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:41:57.10 ID:OvdK2QBG0

梓「そういえば、律先輩は?一緒じゃないんですか?」

唯「りっちゃんならこの隣の建物にいるよ」

梓「あ、そうなんですね。・・・って、はい!?」

唯「だからー、りっちゃんは」

梓「そうじゃなくて!!隣の建物って、その、遊郭?ですよね?///」

唯「あ、それそれ!りっちゃんも言ってた!」

梓「・・・」

梓(何してんだあのデコ)




81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:42:14.44 ID:OvdK2QBG0

唯「今からりっちゃんのところに行く?」

梓「でももう遅いですし・・・」

唯「そっか、そうだよね」

梓「・・・あ」

唯「?」

梓「やっぱり今から行きましょう」

唯「へ?遅いから駄目って」

梓「ムギ先輩ですよ!」

唯「ムギちゃん・・・?あー!!」

梓「私達はいいですけど、このまま寝ちゃうとムギ先輩は家に帰れなくなるじゃないですか!」

唯「そうだね!あずにゃんに言われるまで気付かなかったよ!」

梓「ゆ、遊郭って私達でも入れるんですかね?」




82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:42:34.83 ID:OvdK2QBG0

唯「大丈夫だよ。私とりっちゃんが客引きにあったくらいだし」

梓「そうですか・・・なんか緊張してきました」

唯「あれ、そういえば私達ってりっちゃんのお部屋に入れてもらえるのかな?」

梓「あ゛・・・無理じゃないですかね」

唯「どうしよう・・・」

梓「ムギ先輩、聞いてますかー?」


シーン・・・


梓「今は取り込み中みたいですね」

唯「私ももうちょっとムギちゃんと話したかったなー」

梓「どうしましょう?とりあえず待機しときます?」

唯「そだね。それまであずにゃんとイチャイチャするよ!」

梓「しません」




83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:43:00.69 ID:OvdK2QBG0

唯「えー、ケチー」

梓「全く・・・///」

紬『私のこと、呼んだでしょ?』

梓「さっき呼んだときは返事しなかったくせに・・・」ボソッ

紬『うん?』

梓「ごめんなさい、なんでもないです」

紬『りっちゃんと澪ちゃんなんだけど・・・』

唯「うんうん」

紬『一緒にいるみたいなのよ』

唯梓「へ?」

紬『今さっき反応が返ってきたんだけどね、どうも同じところにいるみたいなの』

梓「じゃあすぐに合流できるんですかね?」

紬『えぇ、そんなに時間はかかわらないと思うわ。ラッキーね』

唯「ムギちゃん、下校時間大丈夫そう?」




84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:43:26.67 ID:OvdK2QBG0

紬『粘ってあと1時間ってところかしら』

梓「やっぱり・・・って、はいぃぃ!?!?」

唯「うわぁ!?ビックリしたぁ!」

紬『どうしたの?』

梓「確認しますけど、律先輩は遊郭にいるんですよね??」

紬『遊郭!?』

唯「うん!りっちゃんはゆーかくにいるよ!」

紬『えええ!?』

梓「もう一つ確認なんですけど、澪先輩は律先輩と同じところにいるんですよね?」

紬『えぇ、帽子の反応では・・・!』

梓「それって・・・」

紬『ごめんなさい。急用を思い出したわ』

梓「こら待て」




85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:43:47.53 ID:OvdK2QBG0

紬『だ、だって。遊郭でりっちゃんと澪ちゃんが二人きり・・・!!』

梓「わかったから」

唯「じゃありっちゃんと澪ちゃんがエッチなことしてるの!?」

梓「してないでしょう!?」

唯「だって、ゆーかくはエッチなところだって聞いたもん・・・」シュン

梓「これは憶測ですけど、澪先輩はこの世界にくるときに遊郭に飛ばされちゃったんだと思います」

唯「なるほどー、あずにゃんあったまいー!」

梓「その帽子の感度というか、場所特定の精密さってどれくらいなんですか?」

紬『反応が返ってくればかなり精密よ。ただ、よく通信が途切れるのがちょっと・・・。』

梓「そうなんですか」

紬『一度場所の情報を読み込むことができれば、映像として確認することもできるわよ』

唯「なんかわからないけどすごい!」




86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:44:12.25 ID:OvdK2QBG0

紬『だから私には唯ちゃんが両手をあげて『すごい!』って言ったのも見てたわ』

梓「へー、声しか聞こえないんだと思ってました」

紬『最初はそうだったんだけど、さっき拡張機能の設定をしたからね。位置情報もかなり正確よ』

唯「位置情報?」

紬『さっき言ったでしょう?『りっちゃんと澪ちゃんが同じところにいるみたい』って」

唯「うん!」

紬『恐らくだけど、同じ部屋にいると思うの』

梓「これは・・・ラッキーですね」

唯「っていうことは、りっちゃんが澪ちゃんを指名したってこと?」

紬『・・・!!!!』ブシュアアァァァァ!

梓「なんでだろう。こっちからはムギ先輩が見えるわけじゃないのに鼻血を出したんだと理解できた」

唯「豪快な鼻血だね!」




87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 03:44:28.18 ID:OvdK2QBG0

紬『と・・・にか、く・・・わた、しは・・・二人の、様子を・・・!』

梓「そんな死にそうな声で言わなくても」

唯「私達はどうしたらいいと思う?」

紬『遊郭に全員集合するわけにはいかないから、二人は部屋で待機していて?』

梓「それが一番無難ですよね」

紬『えぇ、私はりっちゃんと澪ちゃんにコンタクトを取って、そっちに移動するように言うわ』

唯「おー!ムギちゃんなんかスパイみたいでかっこいいー!」

紬『そ、そう?///』テレテレ


・・・

・・・




98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 12:51:50.05 ID:OvdK2QBG0

律「どうしよっか」

澪「まず、ここから出たい・・・」

律「うーん、とりあえず隣の宿に移るか」

澪「隣に宿なんてあるのか」

律「あぁ、唯がそこにいるぞ」

澪「唯が!?そういえば、梓には会ったか?」

律「梓?そーいや、一緒じゃなかったのか?」

澪「私達は別々の場所に飛んできちゃったみたいなんだ・・・」

律「そうだったのか。でも梓なら大丈夫じゃないか?」

澪「だといいんだけど・・・」

律「ま、なんとかなるって」

澪「問題はここから抜け出せるのかって、ね・・・」




99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 12:53:14.38 ID:OvdK2QBG0

律「確かになー。簡単には抜け出せないかもな」

澪「うぅ」

律「裏口とかないの?」

澪「なかったと思う」

律「ってことは正面突破?・・・いやいや、危険すぎるだろ」

澪「うーん」


コンコンッ


律澪「!?」ビクゥ!!

客引き「失礼します。今、お邪魔してよろしいでしょうか?」

律(な、なんだよ急に)

澪(わ、わからないけど・・・逃げようとしたのがバレた、とか?)

律(おい、嘘だろ?)

澪(でもそれ以外何が考えられるんだよ)




100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 12:54:02.69 ID:OvdK2QBG0

律(ま、まぁ・・・な)

客引き「失礼しました。お取り込み中でしたか。それでは、これはここに置いておきますので」コトッ

律(これってどれだよ)

澪(わからない)

客引き「それでは、失礼しますね」トントン・・・

律「・・・」

澪「・・・」

律「行ったみたいだな」

澪「あぁ」

律「で、あいつは何を置いてったんだ?」

澪「さぁ?」

律「っていうかお取り込み中じゃねぇっつの」

澪「そうだそうだ。誰がだよ、全く・・・///」

律「おい、恥ずかしいから赤くならないでくれ」

澪「う゛///」




101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 12:54:28.41 ID:OvdK2QBG0

律「よっしゃ、何を置いてったのか見てみようぜ」

澪「そうだな」

ガラッ

律「」

澪「これ、なんだ・・・?」


パタンッ


律「見なかった。私達は何も見なかった」

澪「なぁ律。今のあれ、なんなんだ?」

律「澪」

澪「なんだよ」

律「見なかった。私達は何も見なかった」

澪「さっきも聞いたよ、それ」




102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 12:54:57.71 ID:OvdK2QBG0


律「いいから。とりあえずここから出る方法を考えようぜ」

澪「わかったよ」

律「っと、ごめん。ちょっとトイレ行ってくる」

澪「この時代では厠っていうんだぞー」

律「おぉ、そうだったな」

澪「あんまり横文字ばっか使ってると不審がられそうだよな」

律「確かに。ちょっと気をつけた方がいいのかな」

澪「うーん」

律「そんじゃ、ちょっと行ってくるわ」

澪「あぁ。行ってらっしゃい」


紬(やっと映ったわ!!!)




103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 12:55:37.18 ID:OvdK2QBG0

澪「・・・」

紬(早速コンタクトを取りたいんだけど、その前にちょっと覗き見しちゃったり・・・)ウフフ

澪(もう夜になっちゃったな・・・ごめん、ムギ。もうちょっと時間かかりそうだ)

紬(遊女の澪ちゃん、綺麗ね)ホゥ

澪(あ、そうだ!)ピンッ!

紬(何かしら?何かを思い出したみたいだけど・・・)

澪「さっきのアレ、なんだったんだろう」

紬(????)

澪(律は見なかったことにしてたけど・・・)ソワソワ

澪(やっぱり気になるよな・・・)


ガラッ


紬(あれ?外に出ちゃうの?)

澪「あー、あったあった」ヒョイッ




104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 12:56:05.50 ID:OvdK2QBG0

ピシャンッ


澪(これ、なんだろ)

紬「!?!?!?!?!?!?!?」

澪「うーん・・・」

紬「」ポカーン

律「おーす、戻ったぞー」

澪「遅いぞー?」

律「ごめんごめん、なんか使い方よくわからなくてさー」アハハ

澪「律、私もこれの使い方よくわからないんだけど」

律「あー、それはなー・・・って、おいぃぃぃ!!!」




105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 12:56:27.95 ID:OvdK2QBG0

澪「うわぁ!?ビックリした、なんだよ急に大きい声出して」

律「お前なんでそれ持ってきたんだよ!?///」

澪「だって、なんだったのか気になって・・・」

律「置いてこい!今すぐ置いてこい!!///」

澪「え、でも」

律「いいから!///」

澪「なんだよ、いつもと違うぞ?」オドオド

律「そんなことないって!っていうかなんで持って来ちゃうんだよお前はーもー!///」

紬(りっちゃんが今だかつてないくらいにテンパってるわ!)

澪「なぁ、このこけしなんなんだよ」

律「こけしって言うなぁ!///」




106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 12:57:02.58 ID:OvdK2QBG0

紬(確かにあれは驚くでしょうね。扉のすぐ向こうにこけし(双頭)が置いてあったら誰だって、ね)

澪「律はこれがなんだかわかるのか?」

律「ううううるさい!///」

紬(ここはりっちゃんの友人として私が手助けをしてあげるべき!
もうちょっと眺めていたかったけど、りっちゃんのためよ!)

紬『二人とも、聞こえる!?』

律澪「!?!?」

紬『遅くなっちゃってごめんね、私よ。紬よ』

律「おぉ!ムギか!」

澪「ムギ、そっちは今何時くらいなんだ?」

紬『もうそろそろ7時を回るわ。次に警備員に見つかったらアウトかも』

律「うげ、マジかよ」

澪「ごめんな、なかなか合流できなくて」

紬『ううん、平気よ。もうすぐみんな合流できるから』

律「どういうことだ?」




107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 12:57:24.30 ID:OvdK2QBG0

紬『隣に唯ちゃんが泊まってるでしょ?』

律「あぁ・・・もしかして!」

紬『そう、隣の建物で唯ちゃんと梓ちゃんが待ってるのよ』

澪「本当か!?じゃあやっと帰れるのか・・・!」

律「ちょっと待てよ。まだ問題が一つあるだろ」

澪「なんだよ?」

紬『澪ちゃんがどうやってここから出るか、とか?』

律「あぁ。澪はこの店で働いてるから勝手に外に出るのはまずいだろ?」

紬『それなら問題ないわよ』

律澪「へ?」

紬『ちょっと言いにくいんだけど、澪ちゃんはこの時代では可愛くないの・・・』

律「あぁ、それは、まぁ、わかる」

澪「客待ちの部屋で散々ブスブス言われたよ・・・」

律「私も。座敷わらしは残念な顔の造りだから指名料はいらないって言われた」

澪「・・・」ズーン




108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 12:57:55.91 ID:OvdK2QBG0

紬『つまり、澪ちゃんが辞めたいって言ってもお店は快諾してくれると思うの』

澪「なんか、結構、傷つくよなー・・・?」

律「ま、まぁ仕方がないだろ?」

澪「うぅ・・・」

律「ほらほら」ナデナデ

紬『澪ちゃん、涙目だとなんだか色っぽいわぁ』ホゥ・・・

澪「なっ///・・・そういえば、唯達はどんな格好してるんだ?」

律「唯は町娘って感じかな。梓は知らん。まだ会ってないし」

紬『梓ちゃんは小さなお侍さんだったわよ』

澪「侍!?いいなー、可愛い・・・!」

律「でも岡っ引きりっちゃんもなかなかだろー?」バーン!

澪「そのまま過ぎでひねりがない、5点」

律「なっ」ガーン

澪「200点満点で」

律「うっ」ズーン・・・




109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 12:58:33.50 ID:OvdK2QBG0

紬『あらあら、りっちゃんも可愛いわよ』

律「だよな!?だよな!?」ヨカッター!

澪「はは、馬鹿だなー。律も似合ってるって。さっきも言っただろ?」

律「ビビらせんなよー」

紬『その格好で笑う澪ちゃん、なんだかコケティッシュで素敵』

澪「ははは、何言ってんだよムギ」

律「そうだぞ。コケティッシュはちょっと褒めすぎd」

澪「私が持ってるのはこけしだけだぞ?ティッシュは持ってないぞー?」アハハハ

律「澪さぁぁぁぁんん!!?」


紬『』




110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 13:01:20.90 ID:OvdK2QBG0

澪「え?なんだよ」

律「いい。もういい、お前ちょっと黙ってろ」

澪「あ、そういえば。ムギ、これを何に使うか知ってるか?」

紬『!?』ブフッ

澪「おーい?」

紬『し、知ってるけど・・・』アセアセ

澪「本当か!?」

紬『り、りっちゃんと使ったらいいんじゃないかしら』アハハハハハ・・・

律「おい!自分が関係ないからってそうやって」

澪「律!私、これがなんなのかすごく気になる!」

律「いや、気にしなくていいから」

澪「でも・・・こういうのって一回気になったらずっと忘れられないよ」

律「頭の中のデリートボタン連打しとけ」




111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 13:01:52.42 ID:OvdK2QBG0

澪「・・・よく見たらこいつ、可愛い、かも」

律「おい、正気か」

澪「ほら、見て。ちょっと笑ってるよ?」ナデナデ

紬(澪ちゃんの感覚ってやっぱりちょっとズレてるわよね)

律「撫でるな。こけしの頭を優しく撫でるな」

澪「お前も一緒に遊びたいよなー?」

律「ちょっ///」

紬『え、えっと、澪ちゃん?遊びたいって?どういうことかしら?』

澪「これオモチャなんだろ?昔の遊びなんて興味深いじゃないか」

律「・・・///」

紬『ま、まぁ確かにオモチャだけど・・・///』

澪「・・・」ジー

律「そんな目で見ても私はしないぞ」

澪「せめてどんな風に遊ぶのか教えてくれよ」




113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 13:02:37.62 ID:OvdK2QBG0

律「逆に澪はどんな風に遊ぶものだと思うんだ?」

澪「うーん、頭が二つついてるからな。水に浮かべるとか?」

律「は?」

澪「それでどっちの顔が浮かんでくるかを当てるんだ」

律「何その斬新な遊び」

紬『どっちかが水面に沈んで~っていうよりも普通に真横に浮かんで来ちゃうんじゃない?』

澪「あ、そうか。うーん・・・?」

律(真剣に悩んでるよ・・・)

澪「りつ」

律「澪、そろそろ行こうぜ?ムギの時間の問題もあるし」

澪「そ、そうだな・・・」

律「よし」




114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 13:03:07.29 ID:OvdK2QBG0

澪「・・・」

律「・・・」

澪「・・・」ジー

律「わかったって。後で使い方だけ教えてやるから」

澪「・・・」パァァァ

律「ほら、行くぞ?」

澪「うん!後で使い方教えてくれるなら、これ持ってこうな!」

律「置いてこうな!?」




115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 13:03:58.27 ID:OvdK2QBG0

澪「えー」

律「なんでそんなに粘るんだよ・・・どうでもいいじゃん・・・」

澪「・・・そうだけどさ」

律(澪は一回こうなると梃子でも動かないんだよなー、変なところで頑固っていうか・・・)

澪「・・・」

律「ムギ」

紬『何?』

律「悪いんだけどさ、その・・・私達とのコンタクト、一度切断してくれないか?」




紬『』

紬『』

紬『』




116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 13:04:18.69 ID:OvdK2QBG0

律「しないぞ!?しないけど、ちょっと、軽く説明するから。な?」

律「あ、唯達のところにはすぐ行くから!ごめん!」

紬『ぅぅぅ~・・・ぅわぁんだふぅぅぅぅ!!!!!!!』


プツンッ


律澪「ムギ!?」

律「・・・」

澪「・・・」

律「ま、いいや。えっとな、澪。その道具なんだけど」

澪「道具?オモチャだろ?」

律「いや///まぁ、どっちでもいいんだけど///それはな・・・」



・・・

・・・




117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 13:04:58.46 ID:OvdK2QBG0

唯「あずにゃん、暇だよー」

梓「そんなこと言ってもしょうがないじゃないですか」

唯「えー」

梓「律先輩達がくるまでの辛抱です」

唯「ちぇー」

梓「ちぇーじゃないですよ。でも確かに・・・」

唯「?」

梓「そろそろ来てもらわないと、ムギ先輩の下校時間の件もありますし」

唯「そうだよね・・・私達が早く戻らないとムギちゃんが不良になっちゃうよ!」

梓「家の人もきっと心配するでしょうし」

唯「そういえば、あずにゃんは?お父さんとお母さん心配しない?」

梓「両親は今家を空けてますので平気です」

唯「そっか。私と一緒だね!」

梓「ふふっ、そうですね。・・・って、あ゛」




118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 13:05:30.72 ID:OvdK2QBG0

唯「どうしたの?」

梓「憂に連絡、なんてしてないですよねー・・・?」

唯「あー」ヤバッ

梓「まずくないですか?」

唯「うん、もしかしたら探してるかも」

梓「いや、もしかしなくても探してると思いますよ」

唯「うわぁ・・・」

梓「やっぱり今日中に帰らないと色々と都合が悪いみたいですね」

唯「だね。う~、りっちゃん!澪ちゃん!早く!」


ガラッ


律「おー、呼んだか?」

唯「りっちゃん!」




119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 13:06:05.56 ID:OvdK2QBG0

澪「えと、唯、梓・・・久しぶりだな///」ピシャン

梓「澪先輩!無事だったんですね!」

澪「あ、あぁ、まぁな///」

唯「・・・澪ちゃん?」

律「あー、しばらくそっとして置いてやってくれ」

梓「どうかしたんですか?」

律「えっとk」

澪「言ったら殺す」

律「はい」

唯「えー気になるよー」

澪「・・・///」

梓「私も気になります!」

澪「えっと、その・・・律」

律「なんだ?」




125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 13:18:06.22 ID:OvdK2QBG0

澪「やっぱり自分で言うの恥ずかしい・・・///」

律「ま、自分であんなこと言うなんて拷問だもんな、いいよ」

澪「オブラートに何重にも包み隠してソフトな表現で二人に何があったら伝えて」

律「注文の多い秋山澪だな」

梓「その料理をするのは律先輩ですよ、ほら」

唯「はやくー」

律「えっとな、澪は自分が無知なせいでちょっと恥ずかしい思いをしたんだ」

梓「それじゃなんのことかわかりませんよー」

唯「そっかー、澪ちゃんは自分がムチムチだから恥ずかしい思いをしたんだ」

澪「ブフッ!?」

律「やめてあげて。今の澪にその手の話はやめてあげて」




127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 13:18:25.23 ID:OvdK2QBG0

唯「ん?はーい」

梓「でも、これでやっと四人揃ったんですね・・・!!」

律「おう!やっと帰れるんだ!」

澪「なんとかなってよかったな。個人的には梓の侍姿、もうちょっと見たかったけど」

律「な。結構似合ってるじゃん?」

梓「うー、あまり嬉しくないです」ムー

唯「みんなで一斉に叫べばいいんだよね?」

澪「あぁ、お菓子の家から帰ってきたときと同じ要領だよな?」

律「それじゃ、いっくぜー!?」

律梓澪唯「せーの・・・!!」


・・・


・・・




128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 13:19:06.91 ID:OvdK2QBG0

警備員「なんか変な声が聞こえたな・・・」

警備員「まさか、こんな時間に生徒が残ってるのか?」

警備員「しかたがない、また上に戻ってみるか」


カンカンカン・・・


警備員「声がしたのは、ここか」


キィィ・・・


警備員「オバケなんかうーそさ♪(怖くない怖くない・・・)」

警備員(気合入れろ、俺!)

警備員「・・・」スゥ




129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 13:19:32.58 ID:OvdK2QBG0

警備員「・・・誰かいるのか!?」


バァン!!


警備員「・・・」

警備員「誰もいない、か」

警備員「本当にオバケだったのか・・・!?」ヒィッ!


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 13:20:15.42 ID:OvdK2QBG0

紬「えへっ☆来ちゃった☆」

紬「違うのよ?私は悪くないのよ?」

紬「りっちゃんがあんなことをいきなり言い出すから、ついテンションが上がって叫んじゃって・・・」

紬「・・・明らかに私に過失があるわね」シュン

紬「それにしても、ここはどこかしら」

紬「・・・なんだか豪華そうな部屋ね」

紬「みんなだったら喜んでくれるんだろうけど・・・」

紬「こんなところに一人でいても楽しくもなんともないわ」

紬「私もみんなと合流しないと」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 13:26:13.45 ID:OvdK2QBG0

律澪梓唯「帰るーー!!!」


シーン・・・


律「・・・」

梓「え?え、え?」

唯「あれ?ねぇ、えっと、どうして?」

澪「・・・これはどういうことだ?」

律「・・・」ドキドキ

澪「おい、律。そんな『まだかな?』って感じで待ってなくていいよ。ほら、目開けて」

律「え?」

澪「失敗だよ、失敗。お菓子の部屋の時はこんな間を空けずにすぐに部室に帰れたんだから」

律「そ、そうなのか///」カァァ




132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 13:26:47.60 ID:OvdK2QBG0

唯「今のりっちゃん、ちょっと可愛かった」

梓「わかります。キス顔っぽくて可愛かったです」

律「お前らからかうな!!///」

唯「りっちゃんかわいー!」キャイキャイ

律「やめろぉぉぉ!!!/////」

澪「・・・でも、なんで帰れないんだ?」

梓「これって、本当にまずくないですか?」

唯「私が帽子をつけないでこっちに来ちゃったことと何か関係があるのかな?」

律「おーい、ムギー?」


シーン・・・


律「いや、シーン・・・じゃねぇし」




133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 13:27:29.78 ID:OvdK2QBG0

澪「参ったな、ムギとも連絡が取れないなんて」

唯「でもさっきムギちゃんとここで話ししたんだよ?」

梓「電波というか、そういうのの調子が悪いんじゃないですかね?」

唯「そっか。どうしよう、このままここで暮らすことになったら・・・!」

律「そうなったら追いはぎでもやろうぜ!」

梓「最低すぎるでしょう」

律「持ってる武器からすると梓がラスボスだな」

梓「 い や で す 」

澪「おい、ふざけてないで帰る方法を考えy」

女将さん「失礼します」ガラッ

律「あ、どうも?」

女将さん「そんなに帰りたいなら今すぐ帰っていただいて結構です。お代も結構ですので。それでは」


ピシャン!!


律澪「」




134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 13:27:54.68 ID:OvdK2QBG0

唯「え?なんで女将さん怒ってるの?」オロオロ

梓「大声を出した挙句、『帰るー!』なんて言ったからじゃないですかね」

律「うっわ」

梓「どうするんですか・・・」

澪「どうするったって・・・」

唯「謝ってくる?」

律「・・・」

澪「そうだな、それがいいn」

律「出ようぜ」

梓澪「へ?」




135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 13:28:14.85 ID:OvdK2QBG0

律「早く戻らないとムギのこともあるし、私達にだって帰りを待ってる人がいるだろ?」

澪「・・・お母さん」

唯「・・・憂」

律「・・・母さん」

梓「・・・そして私はぼっち」

律「まぁ、そういうわけだ。行こうぜ」

澪「そうだな」

梓「流すなよ」



・・・

・・・




140 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 13:41:52.40 ID:OvdK2QBG0

紬「とりあえず出ましょう」


ガラッ


紬「長い廊下・・・」

女「見つけた!」

紬「!?」

女「こっちよ!こっち!」

紬「え?え?」

岡っ引き「てやんでぇぇいい!!」ダダダダッ

紬「何なの!?」

岡っ引き「御用だぜ!女狐め!」

紬(これ、一体どういうことなの?)




141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 13:42:20.03 ID:OvdK2QBG0

紬(確かに・・・この建物は立派だわ。きっとお屋敷ね)

紬(それに引き換え・・・)キョロキョロ

紬(私はどうして忍者みたいな格好をしているの?)

岡っ引き「年貢の納め時だなぁ!?」

紬「・・・」


ダッ


岡っ引き「あ!こら!逃げんな!!」

女「なんとしてでも捕まえて!!」


ダダダダッ!


紬「こういうのも楽しいかも!」




142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 13:42:37.79 ID:OvdK2QBG0

紬「でもどっちに逃げたらいいのかしら?」

岡っ引き「ちきしょう!なかなか足速いじゃねぇか!」

紬「コンパスの長さが違うからじゃないかしら?」

岡っ引き「こんぱす・・・?」

紬「あらあら、コンパスも知らないの?」クスクス

岡っ引き「なんかよくわからんが馬鹿にされてるってことはわかったぜ!」チキショー!

紬(状況から察するに、私はこのお屋敷に忍び込んだようね)

岡っ引き「体力で俺っちに勝てると思うなよ!?」

紬(そしてこの人は岡っ引きさん。この建物内で私を待っていたみたい)

紬(つまり・・・!)

岡っ引き「こらぁー!」

紬(私は事前にこの建物に忍び込むことを予告していた・・・?)




143 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 13:43:20.28 ID:OvdK2QBG0

岡っ引き「止まれー!」

紬「止まれと言われて止まる人なんて居ないと思うの」クスクス

岡っ引き「むきぃー!!」

紬(私、もしかして義賊?)

岡っ引き「今日という今日はお前を捕まえてやる!」

紬(それでこの岡っ引きさんがライバルっていう設定とか??)

岡っ引き「その鏡を置いて行けー!」

紬(鏡・・・?そんなの持ってないけど?)

紬「あ」ピーン!

紬「これ、そんなに大切なものなの?(カマかけちゃえ)」

岡っ引き「てやんでぇ!それがこの家の家宝なのは周知の事実でい!」

紬「へー?」

紬(・・・私、もしかして盗む前に見つかった?)

紬(あれ?それってすごくかっこ悪くない?)




144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 13:44:04.42 ID:OvdK2QBG0

岡っ引き「待てぇぇぇい!!」

紬「・・・」


クルッ


岡っ引き「!?」

紬「そんなに返して欲しいなら返してあげる!」ヒュン!

岡っ引き「わかればいいんだよ!って、おぉい!?投げんなぁぁ!!」バッ

紬「単純な人。投げるマネしただけで、私は何も放ってないわよ?」クスクス

岡っ引き「げ!」

紬「これ、一度言ってみたかったの」スッ・・・

岡っ引き「なっ・・・!」




145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 13:44:21.72 ID:OvdK2QBG0

紬「・・・スキありぃ!!」ガツン!!

岡っ引き「」


ドスンッ


紬「ごめんなさいね?それじゃ」タッ

岡っ引き(掌底突き、だと・・・?)ガクン

紬(私だって、たまにはかっこよくなりたいもんね)


・・・

・・・




147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 13:49:46.76 ID:OvdK2QBG0

律「おい」

澪「なんだよ」

唯「ねぇ」

梓「なんですか」

律唯「 い た い 」

澪「ど、どうしたんだ?怪我でもしてるのか?」オイオイ

梓「しょうがないですねー、私が手当てしてあげましょう」アハハ・・・

律唯「澪(あずにゃん)がしがみついてくるから痛いんだよ」

澪梓「」

律「お前ら、怖がりだなー」

唯「ほら、誰もいないよ?怖くないよー?」ナデナデ

梓「びびびびびびビビッてなんていないです」ガクガク

澪「あはははははああああ梓はそそそんないいいいい言い方しても説得力がないぞぉ?」ガタガタガタガタ

律「お前もな」




148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 13:50:05.66 ID:OvdK2QBG0

唯「でも、すっかり遅くなっちゃったね」

律「あぁ、ムギとコンタクトがとれなくなったのもそのせいかもな」

唯「うん、きっとあっちの時間でも8時とか9時とかだよね・・・?」

律「だろうな。とりあえずは林を抜けて街に戻らないとな」

唯「でも私達、岡っ引きさんに追いかけられてるんだよね」

律「そうなんだよな・・・」

澪「な、なんで追いかけられきゃぁぁぁあ!!!」

梓「みみみ澪先輩大丈夫ですか?あれはただ風で木が揺れただけですよ。そうですよ。きっとそうですよ。そうだといいですよ」ギュー

唯「あずにゃん、いたい」

律「えっとな、ちょっとした手違いで唯が全裸になったんだ」

澪「どういうこと!?」

唯「お代官様ごっこしてたら、ちょっとねー」アハハ

澪梓(バカだ、こいつら馬鹿だ)




149 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 13:50:32.27 ID:OvdK2QBG0

律「ま、もう夜だし。きっと大丈夫だと思うけどな」

唯「もしいたらまた逃げないとね」ハァ

律「だな。なんとなく街に向かって歩いてるけど、何かいい案があったらすぐに言ってくれな」

澪「そんなこと言っても、他に行くところもないしな・・・」

律「まぁな。それにしても、どうやったら戻れるんだろうな?」

唯「うーん、そうだ!」

梓「どうしたんですか?」

唯「私が離れるから、みんなはもう一度『帰るー!』って言ってみて?」

律「おい、どういうことだよ」

梓「そうですよ、どうしてそうなるんですか」




150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 13:51:12.72 ID:OvdK2QBG0

唯「私は帽子無しでこっちに来ちゃったでしょ?」

澪「あぁ、あの時は本当にビックリしたよ・・・」

律「正規の方法でこの世界に飛んできた私達だけなら元の世界に戻れるかもってことか?」

唯「うん。ダメ元でやってみようよ」

梓「ダメです」

唯「」

梓「そんなことして本当に帰れちゃったらどうするんですか!」

唯「え、でも」

梓「でもじゃないですよ。唯先輩をおいて帰るなんて嫌です!」

唯「・・・また何か怖いものでもあったの?」ナデナデ

梓「へ?」

唯「腕を組む力、また強くなったから」




151 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 13:51:26.44 ID:OvdK2QBG0

梓「そそそっそういう意味で強く腕を組んだわけじゃないです!///」

唯「そうなの?」

梓「も、もういいですっ!///」

律「あーあー、ラブラブしちゃって」

澪「私も・・・もっと強く組んでいい?」

律「は?///」

澪「木々の揺れる音が怖すぎてストレスが半端ないんだ」

律「まさかのストレス解消法」




152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 13:51:51.08 ID:OvdK2QBG0

唯「あ!」

律「どうした?」

唯「あれ、街じゃない?」

律「お!そうだな!」

梓「よかったです、戻ってこれて」

澪「あぁ。ほっとした・・・」

律「結局、打開策はなし、か」

唯「みんなで考えればなんとかなるよ、きっと」

律「だな」




153 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /10(土) 13:52:32.33 ID:OvdK2QBG0

梓「ふぅ。やれやれですね」パッ

唯「あれ?もう腕組まなくていいの?」

澪「全く、風め。驚かせてくれたな」パッ

律「澪ももういいのか?」

梓澪「へ?なんのこと(ですか)?」

律「おい、唯。こいつらちょっと殴っていいか」


・・・

・・・




184 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 00:35:23.51 ID:MQCgUUvr0

紬(家宝の鏡、これのことね)コソッ

紬(いただきまーす)カタッ

岡っ引き「見つけたぜ!覚悟しろ!」

紬「きゃあぁ!?」

岡っ引き「へっへー。今度という今度は・・・!」

紬「あなたこそ、今度は顎を砕くわよ?」ニコッ

岡っ引き「やれるもんならやってみろぃ!」

紬(これも一回言ってみたかったのー)

紬「どうやらあなたとはここでケリをつけなければいけないようね」キリッ!




185 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 00:35:38.91 ID:MQCgUUvr0

岡っ引き「おう!俺っちは逃げも隠れもしねぇ!お前と違ってな!」

紬「・・・」スッキリー

岡っ引き「って、おい!聞いてんのか!?」

紬「あ、ごめんなさい。ちょっと悦に浸っていたわ」

岡っ引き「訳わかんねーこと言ってんじゃねぇやぃ!」

紬「・・・いくわよ?」

岡っ引き「・・・おう」ゴクリッ



・・・

・・・




186 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 00:36:37.78 ID:MQCgUUvr0

律「やっとついたな」

梓「ちょっと疲れました」

律「そりゃ、あれだけギャーギャー騒いでたら疲れもするって」

梓「ですって、澪先輩」

澪「おいおい、それは梓だろ?」

唯「あ!おばけ!」

澪梓「っぎゃあああぁぁぁぁ!!?!?!?」

唯「」ケラケラ

律「ダメだ、こいつら」

唯「岡っ引きさんもいないみたいだし・・・今の内にどこかゆっくり話せる場所に移動しよっか」

律「おう」

澪梓「」ガタガタガタガタ

律「ほら、おいてくぞ」




187 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 00:37:00.16 ID:MQCgUUvr0

唯「あずにゃーん?」ポンッ

梓「っぎゃあああ!?」

唯「いいリアクションだね!♪」

律「唯、お前ちょっとS入ってるだろ」ポンッ

澪「のわぁぁぁぁ!?!?」

唯「りっちゃんも割と人のこと言えないよね」

澪梓「お前ら二人ともドSだぁ!」ウワァァァン!



・・・

・・・




188 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 00:37:27.16 ID:MQCgUUvr0

ダダダダダダッ・・・!!!!


岡っ引き「待ってぇぇぇい!!!」ダダダダッ

紬「うふふふふ」タッタッタッ

岡っ引き「あんなこと言っておいて逃げるだなんて卑怯だぞ!?」

紬「あの言葉を真に受けるなんて、いい人なのね」

岡っ引き「そ、そんなことねぇやい///」テレテレ

紬(照れてる・・・馬鹿なのね)

岡っ引き「やい!そうやって俺っちを手篭めにするつもりなんだろ!?もう騙されないぞ!」

紬「照れてたくせに」




189 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 00:38:07.57 ID:MQCgUUvr0

岡っ引き「な、なんのことだ?///」

紬「もういいわ。勤務時間は終わりでしょう?帰ったら?」

岡っ引き「お前を捕まえるまで家になんて帰れるか!!」

紬「しつこいのね。嫌われるわよ?」

岡っ引き「き、嫌われてねぇもん!俺っち嫌われてねぇもん!!」グスッ

紬「涙目にならなくてもいいと思うの」

岡っ引き「!?」

岡っ引き「おい!止まれ!!」

紬「何度も言わせないで。そんなこと言われて止まるわけないでしょう?」

岡っ引き「いいから!せめて前を見ろ!」

紬「へ?」

紬(柵がない!?)

紬(まずいわ、紬は急に止まれない!)




190 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 00:39:50.54 ID:MQCgUUvr0

岡っ引き「この高さから落ちたらっ・・・!!」


ヒュッ・・・


紬「きゃああぁぁぁぁ!!?!?」

岡っ引き「待てええいい!」


ガシィッ!


紬「!?」

岡っ引き「全く、とんだドジな泥棒だぜ・・・!」

紬「は、離して!じゃないとあなたまで!!」

岡っ引き「うっせーやい・・・!」

紬「離してったら・・・!」

岡っ引き「うるせぇ!!」

紬「どうして、私のことなんて」

岡っ引き「知らねぇのか?・・・どんなものだろうが捕まえるのが俺っちの仕事なんだよ。それが好敵手の手だろうとな」




191 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 00:40:58.60 ID:MQCgUUvr0

紬「・・・!」

岡っ引き「ほら、暴れるなって。今引き上げるから、な・・・!」ググッ

紬「・・・あり、がとう・・・」ボソッ


グイッ!


岡っ引き「ふぃー、無事かぃ?」

紬「え、えぇ」

岡っ引き「あと・・・さっき、何か言ったか?」

紬「・・・い、いいえ(走り回ったせいかしら、頭がクラクラする・・・)」フラッ

岡っ引き「っと!・・・大丈夫か?」

紬「平気、よ」ボー・・・




192 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 00:41:48.66 ID:MQCgUUvr0

紬(あれ、ちょっと待って。どうしてこの岡っ引きさんは私を抱きしめているの?)

紬(って、何言ってるのよ。私がふらついたから支えてくれてるんじゃない)

紬(でもこの状況って・・・!)

岡っ引き「全く、手の焼ける女だぜ///」

紬「」

紬「・・・は・・・ない」

岡っ引き「ん?どうした?」

紬「こんなディスティニーは認めない!!!」ガッツン!!!

岡っ引き「!?!?!?」

・・・ドスンッ!

紬「百合ん百合んな世界、斉藤に言って追加してもらわなくちゃ。それじゃ岡っ引きさん、さようなら」タッ

岡っ引き(またしても熊手打ち・・・見事だったぜ・・・)ガクンッ


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




194 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 00:44:10.10 ID:MQCgUUvr0

梓「うわぁ、すごいですね。この建物」

唯「そうだね!昔のムギちゃん家って感じ!」

澪「豪邸ってやつだな」

律「ここだけ煌々と灯りがついてるよな」

梓「でも、なんか騒がしくないですか?」

澪「確かに。なんだろうな?」

紬「きゃぁぁぁぁ!?!?どいてどいてぇぇ!」ダダダダッ

律澪「ムギぃぃ!?!?!?」

紬「って、みんな!?」

唯「ムギちゃん!来てたんだね!!」

紬「話はあとよ!」

梓「どこ行くんですか!?」

女「あんた達もあの女の仲間だね!?」

律澪唯梓「!?」




195 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 00:55:46.90 ID:MQCgUUvr0

女「逃がしはしないよ!!あんた達出ておいで!」

律澪唯梓「逃げろっ!」ダッ

唯「ねぇねぇ」

律「どうした?」

唯「私達こんなのばっかりじゃない?」

律「言うな。そのことは言うな」


ザッ・・・!


律唯梓澪「!?」

男12「おっと、こっちは行き止まりだぜ」

律「うげっ、なんか変なの出た・・・」

男3「あと、こっちも行き止まりですからね」

梓「!?」




197 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 00:56:48.42 ID:MQCgUUvr0

男4「へっへー」

澪「まずい、挟み込まれたな」

唯「ムギちゃん!大丈夫!?」

紬「う、うん・・・ちょっと・・・疲れた、だけ・・・」ゼェハァ・・・

澪「おい!大丈夫か!?」

紬「ん・・・」

澪「ムギ、ちょっと休め。ここは私達がなんとかするから」

紬「うん、ありがと・・・」

唯「そうだよ!任せて!」フンスッ

紬「・・・」ニコッ

律「梓」

梓「なんですか?」

律「澪達がムギを守るなら、私達は」

梓「わかってますよ。唯先輩達は私達が守る、そうでしょう?」




199 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 00:58:57.75 ID:MQCgUUvr0

律「うーん、物分りのいい後輩を持って先輩は幸せだぞー?」

梓「チャラけてないでどうするか考えましょう」

律「へ?どうするかって?」

梓「まさか、普通に戦うつもりだったんですか?」

律「それ以外に何があるんだよ」

梓「流石に複数の男の人相手に、それは厳しくないですか?」

律「バカ、あいつらの顔見てみろ」

梓「・・・?」

梓「見ましたけど?」

律「雰囲気的にショッカーって感じじゃないか?」

梓「それ、遠回しに雑魚っぽいって言ってますよね」




200 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 00:59:40.00 ID:MQCgUUvr0

律「なんとかなったりしないかな」

梓「・・・他にいい方法も思いつきませんし。やりますか」

律「おう!そうこなくっちゃ!!」

男2「おい、打ち合わせは済んだか?いくぞ?」

律「っていうか待っててなんて言ってないし?」ププッ

男2「こんの・・・!」ダッ

律(流石に刀に十手で対抗するには無理があるからな・・・)

男2「おらぁ!!!」ザン!

律「っと!」サッ




201 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 01:07:07.73 ID:MQCgUUvr0

律(一つ方法はあるけど・・・一回でもしくじったら終わりだな)

男2「ちょこまか逃げてねぇでかかってこいよぉ!?」ブォン!!

律「あっぶな!?」ザッ

男2「なんでぇ、弱いくせに調子に乗りやがって!!」

律「うるっせーよ!悔しかったら私を真っ二つにしてみろ!」ヘーンダ!!

澪「っちょ!?律!?」

律「いーから見てろ」

澪「へっ?」

男2「舐めやがって・・・!!」

男2「言ってくれるじゃねぇか、この野郎ぉぉぉ!!」ブォン!!!

律(今だ!!)




202 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 01:07:30.63 ID:MQCgUUvr0


ガッキィィィン!!!


律(十手の鈎と棒身の間で受けて・・・!)ギリッ

澪「律!!!?」

律(手首を捻る!)

律「いっくぜー!?」グルン!!

男2「!?」


ッカァァン!

ガシャン・・・!


唯「おぉー!!」

澪「すごい!」




203 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 01:08:10.84 ID:MQCgUUvr0

律「丸腰だな?」ニヤッ

男2「くっ・・・!」ダッ

律「拾わせるかよ!」ダッ

男2「!?」

律「うおおぉぉ!!」ガスッ!!

男2「っが・・・!」

唯「うわ、いったぁ・・・こめかみに直撃だよぉ・・・」ブルッ

男2「て、めぇ・・・」


ドサッ・・・!


律「へっへーん。りっちゃんを舐めるな」


ガシャ・・・


律「刀も調達できたし。次はあんたか」キッ

男1「おうよ」スチャッ




204 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 01:09:26.50 ID:MQCgUUvr0

梓「・・・」

梓(律先輩、やるじゃん!!)

男3「ふむ、お仲間の様子が気になるのはわかります・・・が」ブォン!!!

梓「!?」サッ!

男3「こちらもそろそろ始めませんか?」カチャ・・・

梓「望むところですよ」グッ

男3「ふふ、そうこなくては・・・!」

梓「・・・」グッ

梓(え、あれ?)グググ・・・


グググッ・・・


梓(何コレ・・・刀抜けないんですけどぉぉ!!?!?)




206 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 01:13:49.92 ID:MQCgUUvr0

男3「ふざけているのですか。困った人ですね」ヤレヤレ

澪「梓!何してるんだ!早く!!」

梓(言えない!まさか刀が抜けなくて苦戦してるなんて言えない!!)

男3「女性だからと言って、容赦はしませんからね・・・!」ザン!

梓「っあああぁぁぁ!!」ブォン!


ガッコォン!!


男3「なっ・・・私をコケにしているのですね、わかります」

唯「ねぇ澪ちゃん?」

澪「なんだ?」

唯「なんであずにゃんは刀抜かないで戦ってるの?」

澪「さ、さぁ・・・?人を斬るのは嫌なんじゃないか?さすがに」




207 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 01:14:31.45 ID:MQCgUUvr0

梓(とっさに抜刀しないで鞘ごと受けちゃったけど・・・)

男3「っざけやがってぇ・・・!」

梓(相手を怒らせちゃった、みたい・・・)ヤバッ

男3「生きて帰れると思うなよ?」ギロリッ

梓(いやだ、生きる)

男3「っらぁぁぁ!!」ブオン!!

梓(ヤケになっちゃおうかな、うん。それがいい)

梓「やあぁぁぁぁ!!!」ザッ・・・!!


ッキィィィン!

ガキィン!

ッカーン・・・!!


男3「ふん、そんなもので私が倒せると思うなよ?」

梓「それはこっちのセリフですよ」




208 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 01:14:54.54 ID:MQCgUUvr0

梓(いっつぅ・・・)

梓(刀を受けた衝撃で手がいたい・・・)

澪「梓!負けるな!!」

梓「・・・!」

男3「これで最後だぁぁぁ!!」

唯「あずにゃん、いっけぇぇ!」

梓「・・・やああぁぁぁぁぁ!!!!」ブォン!!

澪唯「って振るの早ぁぁぁ!!!!」

男3「ふん、間合いも知らんのかっ・・・!」ニヤッ




209 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 01:15:18.61 ID:MQCgUUvr0

梓(これで、いいんだ・・・!)


スポンッ!


澪唯男3「!?!?!?」


スコーン!!!


男3「なっ・・・!?」


ドサッ・・・!!


男3「」

梓「や、やった・・・!」ゼェハァ・・・

唯「今の、なに?」

澪「刀を振り下ろした勢いで抜けた鞘が、相手の眉間に・・・」

唯「痛そう」

梓「なんとか、勝った・・・」




211 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 01:21:21.77 ID:MQCgUUvr0

唯「あずにゃんってばさすが!あったまいー!」

梓(ぶっちゃけ一か八かだったんですけどね)

男4「やーっと俺の番か。へっへー」

梓(いや、へっへーじゃないし・・・)

梓「・・・」キッ

男4「ブッ殺してやるよぉぉ~ひひ~」

梓(うわ、何こいつアブない)

梓(っていうか、もう体力的に限界・・・)

男4「かかってこいよ~?」ゲヘヘ

梓「・・・」

男4「おい、どうしたぁ?」

梓「・・・」スチャッ




212 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 01:22:02.20 ID:MQCgUUvr0

梓(やっば・・・刀持ち上げる力も残ってないかも・・・)

男4「・・・!」

梓(何?相手の様子が変だけど・・・)

男4「下段百眼の構え、だと・・・!」

梓(え・・・?)

男4「その構え、あんたみたいな小娘に使いこなせるのかなぁ~?」ケッケッケ

梓(下段、百眼の構え・・・?何ソレ)

男4「おい・・・なんとか言えよ・・・!!」

梓「・・・」

男4「おいって・・・おいぃぃ!!」

梓(なんかすごい動揺しているみたいだけど・・・)ジロッ

男4「ひ・・・ひぃぃぃ~!!!!」ダッ

澪唯梓「逃げた!?」




213 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 01:22:35.90 ID:MQCgUUvr0

澪「すごいぞ、梓!」

唯「あずにゃんの剣客のオーラがすごいから逃げちゃったんだね!!」カッコイイ!!

梓「は、はぁ・・・?」

梓(なんだったんだ、今の)

唯「残るはあと一人だね!」

澪「律!頑張れ!!」


ッキィィィン!!!


律「くっ・・・」

男1「はっはー!なかなかやるじゃねぇか!!」




214 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 01:23:16.38 ID:MQCgUUvr0

律「そりゃどーも!」グッ


ガッキィィィン!!


梓(すごい鍔迫り合いだ・・・!)


キィン!


男1「そんじゃ、これはどうだ!?」パシィッ!

澪「片手で刀を・・・何をするつもりだ?」

律「はん。なんで片手に切り替えたが知らんが、それじゃ斬撃の強さが落ちるんじゃないか!?」スチャッ!

男1「強さなんていらねぇのよ!」ハッハー!

律「は?」

男1「おっらぁぁぁ!!!」ヒュ!!

律「!?」サッ!!

澪「律!ほっぺた!血が!!」

律「平気!たいしたことないって!」




215 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 01:29:57.61 ID:MQCgUUvr0

律(なるほど、な・・・)

梓「片手に切り替えたお陰でパワーは落ちますが・・・」

律(その分、間合いが伸びるってことか・・・!)

男1「いつまでかわしていわれるかな!?」ヒュ!ヒュ!ヒュ!

律「くっ!」

男1「死にたくなけりゃ鏡を返しな!!」

律梓唯澪「・・・かがみ?」

男1「とぼけたって無駄だ!おとなしく返せば全員切り捨てるのだけは勘弁してやってもいいぜ!」ヒュ!

律(かがみって、鏡だよな?)




216 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 01:30:13.30 ID:MQCgUUvr0

梓(なんのこと?)

唯「ねぇ、澪ちゃん。鏡って・・・」

澪「」

唯「どうしたの?」

澪「ムギが持ってるの・・・これって、まさか・・・!」

唯「ん?」チラッ

紬「・・・」キラキラー

唯「あ゛」




217 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 01:30:42.40 ID:MQCgUUvr0

唯「ムギちゃん!起きて!それ返そう!?」

紬「・・・」グッタリ

唯「駄目だぁ・・・」

澪「つまり、ムギがこの屋敷から鏡を盗んで、だから追われてるっていうことなのか?」

梓「っぽいですね。ムギ先輩、忍者みたいな格好してますし・・・義賊ってヤツじゃないですか?」

唯「ぎぞく!」

澪「いや、いいから」

梓「でも、それを返してもただで済むとは思えません」

澪「だよな・・・」

唯「ムギちゃん!とりあえず起きて!!」

梓「ムギ先輩!!」

律(大体の事情はわかった、けど・・・)

男1「ほら、かかってこいよ?」

律「・・・」

律(どっちにしろ、こいつはどうにかしないとマズいだろうな)




218 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 01:31:23.06 ID:MQCgUUvr0

男1「ちんたらしてんじゃねぇよぉぉ!!」ダダダダッ!!

律「!?」

男1「おおおぉぉ!!」ヒュッ!

律「あっぶな!」サッ

男1「まだまだぁ!」ガシィ!!

律「!?」

梓「あいつ!空いてる方の手で・・・!!」

唯「りっちゃん捕まっちゃったよぉ!」

澪「りつー!」

男1「どらぁぁぁ!!」ヒュッ!


ッキィィィン!!


律「くっ、こぉんの・・・!」ギリギリ




219 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 01:32:03.43 ID:MQCgUUvr0

男1「いつまで持つかなぁ!?おい!!」


タッタッタッタッ・・・!!


律男1「!?」

梓「やああぁぁぁぁ!!!」ブォン!!

男1「っと!」バッ

梓「てやぁぁ!!」ザン!

男1「1対2、か。そりゃちょいと卑怯なんじゃねぇか?・・・なんてな。悪くねぇ!燃えてきたぜ!!」チャキッ

梓「先輩!大丈夫ですか!」

律「おう!サンキュ!」




220 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 01:32:38.37 ID:MQCgUUvr0

梓「どうにかしてあいつをやっつけましょう」

律「だな!」

梓「作戦は!?どうしたらいいですか!?」

律「さっきも言っただろ?」

梓「へ・・・?」

律「そんなもんねぇよ!」ダッ

梓「あ!ちょっと!律先輩!!」ダッ

男1「どらぁぁぁぁ!!!」ダッ

澪「ムギ!起きろ!起きてくれ!」

唯「ムギちゃん!!」

紬「・・・ん・・・うん?」

澪唯「!?」




221 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 01:33:35.92 ID:MQCgUUvr0

梓「ったぁぁぁ!!」ザン!!

男1「おっとぉ!」


キィィィン!!


律「うらぁぁぁ!!左側ががら空きだぜ!!」ブォン!!

男1「まだまだ甘ぇなぁ!!?」サッ!

梓「なっ、小太刀!?」


ガキィィィン!!!


男1「俺に二本目を抜かせるなんて、てめぇらやるじゃねぇか!」

律「そりゃどうも。・・・でもな、二刀流はあんたの専売特許じゃないんだよ」ニヤッ

男1「はぁ?」

律「これでどうだぁ!?」サッ!!

男1「!?」




222 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 01:34:22.90 ID:MQCgUUvr0

梓「さっきの十手!!?」

律「甘いのはお前の方だぜ!!」ヒュッ・・・!!


ガッコォォ・・・!!!


男1「!!!?」


ドサァ・・・!!


梓「うわぁ・・・顎に十手の先がめり込んだ・・・痛そう・・・」

男1「ちっきしょ・・・」

律「へへーん、だ・・・」ゼェハァ・・・

男1「見様見真似で二刀流、とは・・・な・・・」ゼェハェ・・・

男1「やるじゃ、ねぇか・・・」

律「ばーか。ドラマーはいつだって二刀流なんだよ」

男1「どらまー、って・・・なんだ、よ・・・意味わか、んね・・・」ガクッ




224 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 01:40:14.35 ID:MQCgUUvr0


ドサッ・・・!


梓「勝った・・・?」

澪「りつぅぅ!!」タッタッタッ

律「澪!」

唯「あずにゃーん!!」ダッ

梓「先輩・・・」


ダキッ!


澪唯「無事でよかったぁ!!」ギュー!

律「おい、痛いって」ハハハ

梓「ほら、刀持ってるし危ないですよ?」




225 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 01:40:39.62 ID:MQCgUUvr0

紬「みんな・・・」

律「ムギ!起きたのか!」

紬「えぇ。私のせいで、ごめんなさい」

梓「気にしないでください。それにしても・・・」

紬「?」

梓「先輩もこっちに来てたんですね」

澪「私も知らなかったよ」

紬「実は、さっきのりっちゃん達の会話で、ちょっとね」テヘヘ

律澪(あー、あのときか)

唯「途中でムギちゃんと話せなくなるし、ちょっと心配しちゃったよー」

紬「ごめんなさいね」

唯「ううん、こうして会えたんだからいいんだよ!」

律「そういうこと!」




226 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 01:41:13.08 ID:MQCgUUvr0

梓「ムギ先輩、元の世界の戻り方、わかりました?」

紬「えぇ、普通通りで平気なはずよ」

澪「でもさっき」

紬「それは私がこっちの世界に飛んできたあとでしょう?」

律「言われてみればそうだな。あのタイミングだと、澪と遊郭にいた時にムギはこっちに飛んできたってことになる」

梓「それじゃ、普通に帰れるんですか?」

紬「えぇ。怖い思いさせてごめんね」

梓「そんな、いいですって」

女「こっちよ!早く!!」

律澪梓紬唯「!?」

男達「いた!いたぞ!!」ゾロゾロ

律「うぉい!?いっぱい来たぞ!?」




227 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 01:41:27.03 ID:MQCgUUvr0

梓「さすがにもう限界です!!」

唯「大丈夫だよ!ね?」

澪「あぁ!そうだろ、ムギ!」

律「あ、そうか・・・!」

紬「それじゃ、いくわよ?」

梓「はい!」

唯「せーの・・・!」

律澪紬唯梓「帰るー!!!」


プシュンッ


・・・

・・・




228 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 01:41:46.28 ID:MQCgUUvr0

部室!



律「・・・」

澪「・・・」

梓「やった・・・」

紬「成功、ね」

唯「やったぁー!!」


ビー!!ビー!!


律澪唯梓紬「!!?!?!?!?」


シンニュウシャ、ハッケン・・・!シンニュウシャ、ハッケン・・・!


律「セコム!?」

梓「なんでこんな変なところでハイテクなんですか、この学校は!」




229 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 01:42:21.74 ID:MQCgUUvr0

唯「でも女子高だし、しょうがないよ」

紬「唯ちゃん、そんなこと言ってる場合じゃないわ!」

唯「おぉ!?」

律「荷物は持ったか!?」

澪「あぁ!練習の準備する前で助かった!」

梓「同じくです」

唯「待ってー、ギー太が・・・!」


ビー!!ビー!!


紬「唯ちゃん急いで!!」

唯「うー!」ゴソゴソッ

梓「今日はこんなのばっかりですね、私達」




230 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 01:42:36.01 ID:MQCgUUvr0

紬「こんな日があってもいいと思うの」

澪「何悠長なこと言ってるんだよ!?」


ビー!!ビー!!


律「よし、いいか!?」

唯「うん!」

澪「行くぞ・・・?」

律澪紬梓唯「逃げろー!!!」


・・・

・・・




231 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 01:43:07.80 ID:MQCgUUvr0

数日後!




律「全く、この間は酷い目にあったぜ・・・」

澪「お母さんに怒られちゃった」

律「私も。聡にまで怒られたんだぜ?勘弁して欲しいよ」

唯「憂なんて泣いて抱きついてきたよ。心配かけちゃったなぁ・・・」

紬「私は事情を知っている斉藤が上手く言ってくれて助かったわ」

梓「私なんて誰にも怒られませんでしたからね」

律「なんていうか、その・・・」

澪「あぁ・・・」

唯「よしよし」ナデナデ

梓「むぅ」




232 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 01:43:25.30 ID:MQCgUUvr0

紬「またやる?」ニコニコ

律「おう、いいぜー!」

澪「出来れば誰かが一人で行ったりとか、駄目か?」

紬「いいけど、どうして?」

澪「一人で行けば戻ってくるときも誰かを探す手間が省けるだろ?」

紬「それもそうね・・・」

梓「みんなが合流しないと帰れないって、ちょっと考え物ですよね・・・」

紬「製品版にするまでには、誰がどこにいるかわかるようにするらしいから、合流に手間取ったりはしない予定らしいんだけど・・・」

梓「そうなんですか。そういう処置がないと、この間の私達みたいになりかねませんもんね」

律「むしろ一日でみんなが会えたのって奇跡だろ」

澪「かもな」

梓「この機械、まだまだ改良すべき点が多そうですね」

紬「そうそう、それなんだけどね」

律唯「?」




233 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 01:43:48.59 ID:MQCgUUvr0

紬「あの日、帰ってから改良すべき点をメールで送信したの。そうしたら、技術部からパッチが届いたの」

梓「ぱ、パッチって・・・いいんですか、それで」

紬「どうして?」

梓「だって、ほら。やっぱり研究所でその帽子を分解して~とか、そういう風に改良するんじゃないんですか?」

紬「それが面倒だからパッチによる修正が出来るようにしたらしいわよ」

梓「へー、ハイテクですね」

唯「次は!?何処行こうか?」

紬「次の舞台はここなんてどう?」

澪「ここ?」

紬「えぇ。IFの世界に新しく、『この世界』っていうのが追加されたの」

律「この世界って、私達のいるこの世界か?」




235 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 01:49:48.90 ID:MQCgUUvr0

紬「えぇ。私もまだ説明を聞いてないからよくわからないんだけど・・・」

梓「どんな世界かわからない、か」

紬「えぇ、なんでもランダムな設定になるみたい」

律「どういうことだ?」

紬「例えば、私達が全員文芸部だったらとか、北海道の学校に通ってたらとか」

澪「なるほど。時代や大まかなところはこの世界と一緒っていうことだな」

紬「そういうことになるわね」

梓「私達の世界とは何かがちょっとだけ違った世界ってことですか」

律「へぇ。じゃあ唯が部長の世界なんてのもあるかもな」

梓「うわ・・・頼りな・・・」

唯「あずにゃんひどいよ!?」

律「つまり、私は頼りになるってことでいいんだな?」ニヤニヤ

梓「それは断じて違いますけど」

律「泣くぞこら」




236 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 01:50:14.97 ID:MQCgUUvr0

紬「とにかく、時間のあるときに行きましょうね」

唯「うん!いこういこう!」


バタンッ!


律唯「!?」

さわ子「ちょっとぉ、聞いたわよあんた達」

梓「な、何がですか?」

さわ子「金曜日の夜、ここで何をしていたの?」

唯梓「ぎくぅっ」

さわ子「怒らないから言ってみなさい」

律「いや、もう既に怒ってるだろ」

梓「さっ、練習でもしましょうか」

さわ子「ちょっとちょっと」




237 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 01:51:05.55 ID:MQCgUUvr0

紬「先生、今日はパティシエに作らせたとっておきのケーキがあるんです。いかがですか?」ニコッ

さわ子「いただくわっ」キリッ

律澪(それでいいのか、音楽教師)

梓「さわ子先生にバレたら面倒ですし、IFの世界に行くのはまた今度にしません?」ボソッ

紬「そうね。装置は物置に隠しておくから。近いうちにまた」

唯「うーん、残念だけどしょうがないね・・・」

さわ子「ケーキケーキ♪」

紬「はい、どうぞ」

さわ子「あら、これは美味しそうね!」ワクワク

唯「ムギちゃーん!私にもケーキ!」

紬「うふふ、ちょっと待ってね」




おわり(?)




238 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 01:55:20.00 ID:MQCgUUvr0
悪いが、もう少し付き合ってもらうぞ



239 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/11(日) 01:57:02.49 ID:MFNDVpUO0
おい、乙って言いかけたぞ



242 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:07:51.77 ID:MQCgUUvr0
できた
たいしたもんじゃないけど





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ムギ

cdd9461e.jpg



梓が某九ちゃんにしか見えないが気にするな
そんじゃおまけ(?)続けるわ




244 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:09:41.43 ID:/Z5nXQuI0
なにこれ可愛い
澪すんげーにあってるよ



246 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:10:16.28 ID:Z5sZ/i1j0
くそっムギを差し置いて澪に萌えてしまった



247 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/11(日) 02:10:36.95 ID:qxMV7GUQ0
かわいすぎ
光速で保存した



243 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:08:55.16 ID:MQCgUUvr0

さらに数日後!



澪「なぁ」

律「なんだ?」

澪「走り過ぎ」

律「そうか?ここはこれくらい勢いがないと駄目だろ」

澪「お前、勢いとテンポは違うだろ」

梓(まーた始まった)

律「っていうかお前こそ」

澪「なんだよ」

唯「二人とも、喧嘩はやめようよ。ね?」

律「Bメロのルートだっせぇから止めろよ」

澪「はぁ?」

紬「そうだ!お茶にしましょう?」

律「なんかかっこ悪くないか?もっと動けよ」




245 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:09:51.91 ID:MQCgUUvr0

澪「お前に何がわかるんだよ。いいか?あそこはな」

律「あーもういい」

澪「なっ!」

紬「ほら、みんな!お茶が入ったわよ?」

律澪「 い ら な い 」

紬「えっ・・・」

梓「」カッチーン

律澪「今それどころじゃないから」

梓「ちょっと!!」

律「なんだよ、デカイ声出すなよ」

梓「そんな言い方ってないと思います!」

澪「梓には関係ないだろ」

梓「はぁ?本気で言ってるんですか?二人で喧嘩するのは勝手ですけど、ムギ先輩に八つ当たりするなんて最低です!」

律「・・・」ガタンッ




248 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:10:55.82 ID:MQCgUUvr0

唯「り、りっちゃん?」

律「私帰るわ」ゴソゴソ

澪「おい、ちょっと」

律「じゃーな」ガチャ

バタンッ!

唯「本当に帰っちゃった・・・」

紬「澪ちゃん・・・」

澪「ムギ、ごめん」

紬「ううん、気にしないで。・・・あの、追いかけなくていいの?」

澪「いいよ。あいつが勝手に出てったんだし」

梓「でも!」

澪「いいんだ!!」




249 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:11:52.24 ID:MQCgUUvr0

梓「・・・」

紬「そ、そんな」

唯「ねぇ、喧嘩なんてやめようよ」

澪「別に喧嘩じゃないよ。私は正しいことを言ったし」

唯「この状況、いつも通りかな」

澪「それは、違うけど・・・」

唯「なんでいつも通りじゃないのかな。喧嘩してるからじゃないのかな」

澪「・・・」

唯「どんなに正しいことでも言い方で人の受け取り方って変わると思うよ」

澪「・・・」

梓(唯先輩にあんなこと言われる澪先輩って・・・)

紬(それは言わない約束よ)

梓(うわ、心の中読まれたよ、最低だよ)

澪「とにかく、お茶にしようよ」




251 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:12:32.83 ID:MQCgUUvr0

唯「・・・」

梓「澪先輩、今ならまだ」

澪「いいって。あはは」

紬「強がらなくていいのよ?」

澪「いいったらいいんだ!」

唯「・・・ばか」

澪「なんだよ」

唯「澪ちゃんのばか!ばーか!!」ダッ

梓「唯先輩!?」

紬「何処行くの!?」




252 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:13:29.45 ID:MQCgUUvr0

唯「澪ちゃんはりっちゃんじゃなきゃ駄目なんだよ!」ガチャ!

唯「それで、りっちゃんは澪ちゃんじゃなきゃ駄目なの!」バタン!!

梓「そっちって、物置・・・!」

唯「それで・・・!!」スチャッ!

紬「唯ちゃん!待って!」ガチャ!

唯「私達は二人がリズム隊じゃないと嫌なの!!!!」

キィィィン・・・!!!

紬梓澪「!?!?!?!?」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




253 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:14:50.81 ID:MQCgUUvr0

澪「こ、ここは・・・?」

唯「澪ちゃん、大丈夫?」

澪「へ?あ、唯・・・」

梓「ちょっと休憩しましょうか?」

紬「そうね、もう2時間もやっているものね」

澪「・・・?」

マキ「いや、もうちょっとやってからにしようよ。ね?」

澪「マキ、ちゃん・・・?」

マキ「ん?どうしたの?」

澪「いや、え?・・・あれ?」

唯「澪ちゃんどうしたの?」

澪「なん、で・・・?」

澪(そこは、律の場所だろ・・・?)




254 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:15:31.04 ID:MQCgUUvr0

マキ「そんな大げさな。しかたがないなー。もう一回アタマから通したら休憩にしようか」

澪「いや、そうじゃなくて・・・」

梓「?なんか今日の澪先輩、変です」

紬「具合でも悪いの?」

澪「い、いや。なんでもない、やろうか」

唯「おー!」

澪「えっと、なんの曲だっけ?」

マキ「ふわふわ時間だよ。本当に大丈夫?」

澪「平気平気。ありがと」

マキ「それじゃーいくよー」


カンカンカンカン!




255 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:15:54.10 ID:MQCgUUvr0

~~♪

♪~~♪♪


~♪

~~~~♪


澪(律のドラムと、違う・・・)


~♪♪~~~~♪

♪♪~♪


澪(違う、ここじゃ律は・・・)


~♪

~~~~~~~♪


澪(あいつはこんなところでシンバルを入れたりしない・・・)




256 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:16:05.22 ID:MQCgUUvr0

~~♪

~♪


澪(あいつなら・・・あいつなら・・・)



・・・


・・・




257 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:16:49.50 ID:MQCgUUvr0

律(なんで私・・・)

律(さっきまで家に帰ってたのに)

律(ここ、スタジオ、か?)

アヤ「ふぅ、疲れたねー」

律「お、おう?」

アヤ「今日は二人だけど、次の練習には来れるみたいだから」

律「来れるって、誰が・・・?」

アヤ「やだなー、ギターボーカルだよ。ギターボーカル」

律「へ、へぇ・・・?」

律(なんだ、これ。この子、マキちゃんのバンドのベースの子だよな?)

アヤ「それじゃ。残り40分、頑張ろうか」

律「え?今休憩しにきたばっかだろ?」




258 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:17:30.05 ID:MQCgUUvr0

アヤ「何言ってるの。お金払って借りてるんだし、ちゃんと練習しようよ。ね?」

律「あ、あぁ。そう、だな・・・?」

アヤ「じゃ」

律「ちょっと待った」

アヤ「何?」

律「練習って?誰と誰が?なんで?」

アヤ「私とりっちゃんがだよ。なんでって、なんで?スタジオにいるんだから当たり前でしょ?」

律「いや、そうじゃなくて。なんで私がアヤちゃんと・・・?」

アヤ「???」

律「えっと・・・ごめん。じゃ、やろっか(そっか、そういうことか)」

アヤ「う、うん」

アヤ(変なりっちゃん)


バコンッ


アヤ「それじゃ、何合わせようか」




259 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:18:51.64 ID:MQCgUUvr0

律「んー?適当でいいよ」

アヤ「そっか。じゃあ、ラブクライシスでもやろうか。あ、ちゃんと扉閉めてね」

律「あ、ごめんごめん」バコンッ

アヤ「よっと」

律「よいしょっと」ストンッ

律(右利きのベーシスト、か)

律(何珍しがってんだよ、レフティ使ってるヤツのがよっぽど珍しいっての)

律「あ」

アヤ「どうしたの?」

律「えっと、ラブクライシスの音源、聴かないか?」

アヤ「・・・えええぇぇぇ??」

律「いや、ほら。原点回帰っていうか、ちょっと聴きたくなっちゃって」

アヤ「うーん、じゃあこの間レコしたCDあるから聴こうか?」

律「おう。悪いな」

アヤ「いいよ。でもちょっとビックリしちゃった」




260 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:19:29.22 ID:MQCgUUvr0

律「何が?」

アヤ「さっきの言い方。まるで『曲を覚えてません』って感じだったから」

律「ぎっくぅ」

アヤ「ん?」

律「いや、なんでもない、なんでもない!」

アヤ「???まあいいや。それじゃ流すよー?」ポチッ


~~~♪

~♪

~~~~~♪♪


律(あー、大晦日のライブで一番最初にやってた曲か)

律(一回聴いただけで耳コピできっかな・・・)




261 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:20:09.66 ID:MQCgUUvr0


~~♪

♪♪

~~~~♪


律(基本エイトビートでフィルもスネア中心だな。サイズ覚えればいけそうだ)


~~♪

~~~~♪♪

ドコドコドコドコドコドコシャンシャンドコスタタタスッタタシャンシャンドコドコ♪


律「」

律(うおおぉぉぉぉい!!!何余計なことしてんだよ!)




262 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:20:50.33 ID:MQCgUUvr0

律(曲のタイトルから考えて自分達の自己紹介みたいな感じか。いや、だからって各パートでソロとか・・・!!)


~~~♪

~♪

律(マキちゃんって、マジでドラム上手いんだなー・・・)

律「・・・」

律『Bメロのルート、だっせぇからやめたら?』

律(何、言ってんだ、私・・・)

律(『だっせぇ』のは自分じゃないか・・・)




263 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:21:18.11 ID:MQCgUUvr0


~~~♪

~~~~~♪

♪♪~~♪

♪。


律「澪、ごめん・・・」ボソッ

マキ「ん?なんか言った?」

律「い、いや。なんでもない」

マキ「そう?でもたまに自分達の音源聴くってのもいいかも。新しい発見があるもんだねー」シミジミ

律「そう、だな」


・・・

・・・




264 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:21:50.61 ID:MQCgUUvr0

紬「あと、今日はもう一つあるの」

唯「本当?」

梓「た、食べれないこともないです!」

澪「・・・」

マキ「何言ってんの、そろそろ練習しようよー?」

唯「そ、そうだね!ごめんごめん」エヘヘ

紬「これはまた後でにしましょうね」

梓「仕方がないですね」

澪「・・・マキちゃん」

マキ「ん?」

澪「いや、なんでもない」

澪(こんなとき、律なら・・・)

『お!食べる食べる!っていうか今日はもう練習無しでいいんじゃないか?』

澪(なんて言い出すんだろうな)




265 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:22:17.08 ID:MQCgUUvr0

澪(律・・・)

マキ「???」

唯(ねぇあずにゃん!)

梓(なんですか?)

唯(とっさにこの世界の住人のフリしちゃったけど、よかったのかな?)

紬(ふふふ。よかったに決まってるじゃない)

梓(そうですよ。澪先輩のあの表情から察するに、私達の判断は間違ってなかったと思います)

唯(・・・うん、そうだね)

紬(練習が終わったあと、澪ちゃんと話してみよう?)

唯(うん!)




266 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:22:46.14 ID:MQCgUUvr0

マキ「なーにコソコソ話してるのー?」

梓「あ、いや、ごめんなさいっ」ワタワタ

マキ「いーっていーって!ちょっと気になっただけで、別に怒ってないからね?」

梓「あ、はい。すみません」

マキ「あはは、梓は可愛いなー」

梓「へ!?///」

唯「ちょっと、あずにゃん照れすぎじゃない?」

梓「別にそんなんじゃないですよ」

紬「はい、二人とも喧嘩しないの。これ以上話をややこしくしないの」




268 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:31:30.34 ID:MQCgUUvr0

唯「はーい」

梓(唯先輩が焼きもち焼いてくれた・・・///)

紬(よかったわね、梓ちゃん)

梓(だから人の心の中を読むなって言ってんだろーが)

マキ「それじゃ、練習しよっか」

澪「う、うん」


・・・

・・・




269 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:31:56.27 ID:MQCgUUvr0

アヤ「なんていうかさ」

律「何?」

アヤ「今日調子悪いの?」

律「あ、あぁ。ごめんな」

アヤ「ううん、いいよ。無理してドラム叩かなくてもよかったのに」

律「えっと・・・」

アヤ「息、全然合わなかったね」

律「あぁ。きっと私が具合悪かったからだな。すまん」

アヤ「いいってば。それに気付けなかった私も悪いし」

律「アヤちゃんは悪くないよ。ホント、ごめんな」

アヤ「もう、今日のりっちゃん本当に変。謝りすぎだよ」

律「そ、そうかな」

アヤ「そうだよ、もー。あ、それじゃ私こっちだから」

律「お、おう!またなー!」

アヤ「お大事にねー!」バイバーイ!




270 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:32:20.57 ID:MQCgUUvr0

律「・・・」

律(よく考えたら私って・・・)

律(澪以外のベーシストと合わせたことなかったんだよな・・・)

律(アヤちゃん、か)

律(上手いのはわかるんだけど・・・)

律(私は澪のベースの方が好き、かな)

律「澪・・・」

律(私達には私達の息の合わせ方があって、それは打ち合わせで作ったものじゃなくて)

律(二人で合わせてる内にいつの間にか出来上がったものなんだ)

律(なんで・・・なんでこんな当たり前のこと忘れてたんだよ・・・)

律(私は、澪じゃなきゃ駄目なんだ)

律「それなのに・・・ごめん」




271 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:32:30.56 ID:MQCgUUvr0

律(難しいベースラインを弾ききったあと、少し得意げに笑う澪が)

律(走り気味な私に優しくブレーキをかけてくれる澪が)

律(なんだかんだでずっと私と一緒にいてくれる・・・)

律(そんなお前が・・・大好きだ)


・・・

・・・




272 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:32:52.55 ID:MQCgUUvr0


マキ「それじゃ、また明日ねー」

唯「うん!ばいばーい!」

梓「お疲れ様でした!」

紬「気をつけてねー」

澪「・・・」

唯「・・・」

梓「さて、澪先輩」

澪「ど、どうしたんだ?」

梓「今日、なんか変だなーって思うことありませんか?」

澪「!?」

唯「私達の、放課後ティータイムのドラムは、誰だっけ?」

澪「それは・・・」

澪「・・・」

澪「律、だ」




273 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:33:33.75 ID:MQCgUUvr0

紬「うふふ」

澪「でも、なんで・・・?あれ・・・?」

梓「澪先輩には悪いと思ったんですが、ちょっと嘘ついちゃいました」

紬「私達は澪ちゃんと同じ世界の私達よ」

澪「そう、だったのか・・・!」

澪「いや、考えてみれば当たり前だよな。私だけがこの世界に飛ばされたっていうのもおかしな話だし・・・」ブツブツ

唯「ごめんね」

澪「ううん、私の方こそ・・・ごめん」

澪「私、律に嫌な言い方したよな」

梓「まぁあれはそのあと律先輩も言い返したからおあいこですよ」

澪「でも・・・律に謝りたい」

唯「澪ちゃん・・・」

澪「私、気付いたんだ」

澪「今まで律以外のドラマーと合わせたことなんてなかったんだけど・・・」

澪「私にとって律以上のドラマーなんていないんだって」




274 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:34:01.91 ID:MQCgUUvr0

唯「うん・・・うん」

澪「間の取り方、息の合わせ方、ブレイクの空気感・・・」

澪「私は律の音楽が好きだ」

紬「・・・」

梓(百合な方向に妄想していないことを祈ろう)

紬(むっ、失礼ね)

梓(勝手に人の心の中を読んでくる方がよっぽど失礼だと思います)

澪「フィルインを叩ききった後、どーだ!と言わんばかりに私を見る律が」

澪「走り気味だけど生きのいいドラムを叩く律が」

澪「引っ込み思案な私の手を引っ張って何処にでも連れ出してくれる」

澪「そんなあいつが・・・大好きだ」




275 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:34:31.22 ID:MQCgUUvr0

紬「・・・そう。うん、私もそんな二人が大好きよ」

梓(台無しだよ、その鼻血で全てが台無しだよ)

唯「私もー!りっちゃんのドラムと澪ちゃんのベースを聴いてるとね、やるぞーって気になるんだぁ!」

澪「そっか。・・・うん、ありがとう」

梓「むしろ、コンビじゃない二人なんて想像できないですよ」

澪「えへへ、そうかな」

紬「コンビじゃなくて夫婦って言った方が正しいと思うの」

澪「う、うん・・・///」

唯「澪ちゃん!」

澪「?」

唯「帰ろうよ、私達の世界に!」

澪「・・・あぁ!!でも、その前に」

唯「うん?」




276 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:34:51.97 ID:MQCgUUvr0

澪「唯、ありがとう」

唯「え?そ、そんないいのに///」

澪「いいんだ、言わせてくれ。ありがとう」

唯「う、うん・・・。改めて言われると照れくさいね///」

澪「梓とムギも。ありがとう」

梓「そんな、私達は何もしてませんよ」

紬「そうよ」

澪「あと、ムギ。さっきは本っ当にごめん。ムギに当たるなんて私どうかしてたよ」

紬「気持ちはわかるから、そんなに気になくていいのよ」

唯「それじゃ、帰ろっか」

梓「ですね」


「おーい・・・!!」


唯「ん?」




277 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:35:28.58 ID:MQCgUUvr0

梓「今、律先輩の声が・・・」

律「ぅおーい!!」

紬「りっちゃん!?」

律「っはぁ・・・はぁ・・・」ゼェハァ

唯「りっちゃん、走ってきたの?」

律「あぁ・・・ここ、IFの世界なんだろ」

唯澪紬梓「!?」

梓「そうですけど・・・よくわかりましたね」

律「私の方も色々あってな・・・」

紬「そうだったの・・・」

唯「私、りっちゃんもこっちの世界に連れて来ちゃったんだね。気付かなかったや」

律「いいんだ・・・唯」

唯「うん?」




278 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:35:53.64 ID:MQCgUUvr0

律「ありがとうな」

唯「りっちゃんまでそんな、恥ずかしいってば///」

律「・・・」

澪「・・・」

律「・・・」ウルッ

澪「・・・」グスッ

律澪「ごめん」

唯「・・・」チラッ

紬梓「・・・」コクッ

律澪梓唯紬「・・・帰るー!!!!」


プシュンッ!


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




280 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:41:47.62 ID:MQCgUUvr0

唯「わっとったっ」

梓「戻って、きましたね」

澪「あぁ。元の世界でももう夕方、か」

紬「そろそろ帰りましょうか?」

律「ムギ」

紬「ん?」

律「さっきはあんなこと言って、ホントにごめん・・・!」ギュー!

紬「もう、気にしなくていいのに(きゃー!きゃー!///)」

澪「あー!ずるいぞ!私も!」

紬「ええぇぇぇ!?///」

澪「ムギー!さっきはごめんな!」ギュー!

紬「きゃー!きゃー!///(ほらほら二人とも、苦しいわよ。うふふ)」

梓「ムギ先輩が混乱してる・・・」

唯「逆になっちゃってるね」




282 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:42:14.60 ID:MQCgUUvr0

梓「じゃあ帰りの支度しますか」

唯「うん、そだね」

律「そういえば」

紬「ん?」

律「私をお菓子の世界に連れてってくれよ!」

澪「それはまた明日な。もう遅いし」

律「えーいいじゃんよ!ケチ!」

澪「んな!?そういう問題じゃないだろ!?」

律「いーや、澪はケチだね!ドケチ!」

澪「なんだとー!?」




283 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:42:46.47 ID:MQCgUUvr0

紬「え、えっと。ちょっとくらいならいいんじゃない?行く?」

梓「いいや、律先輩を甘やかしちゃ駄目です」

律「お前は行ったことあるからそんなことが言えるんだ!」ウエーン!

唯「りっちゃん、ちょっとみっともないよ?」キリッ

律「あってめっ!」

梓「それにどうせ行くならまた違う世界がいいです」

紬「中世のヨーロッパとかどう?」

澪「それ、面白そうだな!」

唯「私も行ってみたい!」

律「えー?お菓子の世界はー?」




284 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:43:27.07 ID:MQCgUUvr0

澪「それも今度みんなで行こうって」

律「今日食べたいです!先生!」

澪「誰が先生だ!」ゴツンッ!

律「あだぁ!?」

梓「やれやれ・・・結局いつも通りですか、あの二人は」

唯「だねー」

紬「本当に仲がいいんだから・・・」ホゥ

律「・・・」チラッ

澪「・・・」チラッ

律「へへっ」

澪「・・・あはは」

律澪「あはははは!!」

唯「二人とも、急に笑い出してどうしたの?」

梓「もうついていけません・・・」

紬「」ブシュアアァァァ




285 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:43:52.79 ID:MQCgUUvr0

唯「ムギちゃん!?」

律澪「ムギぃぃぃ!?」

紬「」ドクドクドク・・・

律「ムギが黄泉の世界に旅立っちまった」

唯「助けに行こう!今すぐ!」スチャ!

律澪梓「無茶すんな」




本当におわり




286 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:45:02.10 ID:/Z5nXQuI0
乙乙乙乙

イイ話ダッタナー



287 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/11(日) 02:45:42.33 ID:UrHLnC01O
おつ
みんなかわいかった



288 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:46:32.57 ID:MQCgUUvr0
っつーわけでおしまい



289 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 02:48:07.21 ID:FrFCVWIN0

イラストも可愛かった



291 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /11(日) 05:19:23.05 ID:o3+Fks/yO
目を覚ましたら既に終わってるとか
とりあえずよむほ



292 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/11(日) 06:30:35.45 ID:D1SRG5hS0


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けいおん!SS   コメント:1   このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント一覧
100. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2010/08/28(土) 14:47 ▼このコメントに返信する
中だるみしすぎじゃね?
長すぎだろ…
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