前回→先輩「無駄話は好きかい?」後輩「…人並みには」
1:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 22:26:16.07 ID:
33MJ0Flp0
―1―
先輩「今日は温かくて気持ちがいいね」
後輩「そうですね」
先輩「こんなにも天気の良い日には…」
後輩「何をするんですか?」
先輩「引き篭もって読書だね」
後輩「天気の良さを全く生かしきれてない提案ですね」
先輩「君にはまだ分からないようだね…。
晴れの日に引き篭もって行なう読書の素晴らしさを」
後輩「あんまり分かっちゃいけない事だと思うんですよ、それ」
眠れないほどおもしろい雑学の本―簡単そうで答えられない57の質問 (王様文庫)
3:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 22:27:02.32 ID:
33MJ0Flp0
先輩「むぅ。じゃあ君はこんなに天気が良い日に何をするんだい?」
後輩「僕ですか? そうですね、多分」
先輩「多分?」
後輩「昼寝とか、ですかね」
先輩「…君だって天気の良さを全く生かしきれてないじゃないか」
4:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 22:30:01.11 ID:
33MJ0Flp0
―2―
先輩「君はメガネっ子とか好きかい?」
後輩「は?」
先輩「今思えば、君の好みってあまり知らないと思ってね」
後輩「…そこで何故メガネっ子が出てくるんですか?」
先輩「だってほら、私たちと同じゼミの○○さん。あの人をよく目で追っかけているじゃないか」
後輩「まぁ、否定はしませんけれど」
先輩「それはフェチから来るものなのか。はたまた仄かな恋心なのか。私としては地味に気になるワケだ」
後輩「いや、だってあの人…」
先輩「ん?」
後輩「いつもメガネの縁にセロハンテープ巻いてるじゃないですか。
それを見る度に新調すればいいのに、って思っちゃうんですよ」
先輩「ああ、確かにそこは私も毎度ながら気になっているポイントだ」
5:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 22:32:54.84 ID:
33MJ0Flp0
先輩「それじゃあ君はメガネっ子が好きというわけじゃないのか」
後輩「なんで面白くなさそうな顔するんですか」
先輩「実は先日友人から伊達眼鏡、というかサングラスを貰ってね」
後輩「へぇ」
先輩「譲り受けたのはいいんだけれど、いつ装着しようかなぁとタイミングを見計らっていたんだが」
後輩「装着って中々日常で使う言葉じゃないですよね……」
先輩「君がメガネ好きじゃないなら、今後も別に使用する事もないなぁ」
後輩「それって、僕がメガネ好きだって答えたら付けて来てくれたって事ですか?」
先輩「ん? 別に。 からかい半分で聞いただけだよ」
後輩「……さいですか」
7:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 22:35:55.47 ID:
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―3―
先輩「やぁ、奇遇だね」
後輩「お疲れ様です」
先輩「今の様子から察するに、今日の講義はもう無いのかい」
後輩「はい。今日受ける講義は午前中だけなので」
先輩「丁度良いや。一緒に昼食でも食べないかい?」
後輩「もちろん奢りですよね」
先輩「うん、君のね」
後輩「自炊するんで今日はこの辺で」
先輩「冗談だってば、冗談」
後輩「……笑ってはいたけれど、割と本気の目をしてましたよね?」
8:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 22:39:37.06 ID:
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後輩「それで、どこで食べます?」
先輩「う~ん。時間帯的にも中央食堂は込み合っているだろうし…第二食堂あたりにしようか」
後輩「ここからだと地味に距離がありますね」
先輩「空腹は最高のスパイス、そして体を動かすのは空腹への近道。
多少遠回りをしてでも空腹へは近道になるだろうし、たまには歩くのもいいと思うよ」
後輩「含蓄深そうなことを言ってると見せかけて、あんまり中身のない内容ですね」
先輩「今の現状だと、中身を満たすのは胃袋だけで充分さ。ほら、食堂に向かうまでに何食べるか考えておこう」
後輩「……はいはい」
10:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 22:43:26.60 ID:
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―4―
後輩「あ、クレープ屋」
先輩「最近話題のクレープ屋台か。この辺りにまで足を伸ばしているのは以外だね」
後輩「食べていきます?」
先輩「いいや、遠慮しておくよ」
後輩「あれ? 先輩って甘い物は好物だった気がするんですが」
先輩「好物だからっていつも食べると味気ないだろう? たまには我慢も必要なのさ」
後輩「珍しく真っ当な言葉ですね」
先輩「珍しく、は余計じゃないかい?」
12:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 22:47:13.58 ID:
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後輩「ちなみに先輩、クレープを食べるとすれば何を注文します?」
先輩「私は生クリームとイチゴをたっぷり使用したクレープだなぁ」
後輩「美味しそうですね」
先輩「他には、去年の秋食べたマロンクレープなんて最高だったよ」
後輩「ああ、なんか一緒に食べた覚えがあります。あれも美味しかったですよね」
先輩「そして、そうだな…ふんわりとレアチーズケーキを包んだものなんかも良い」
後輩「いつにも増して饒舌ですね」
先輩「うん、他にも少々値は張るけれどフルーツ盛りクレープも捨てがたい」
後輩「……先輩?」
先輩「他には他には、そうだなぁ。う~ん、沢山あるなぁ……」
13:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 22:47:35.41 ID:inb1XQJb0
かわいい
14:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 22:49:52.82 ID:CsRbAu5I0
この前の人か
支援
15:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 22:50:42.52 ID:
33MJ0Flp0
<アリガトウゴザイマシター
後輩「自分で語っておきながら欲を増幅させて、しかも結果負けちゃうとかどういう事ですか」
先輩「………君のせいだぞ」
後輩「自己責任です。そんな事より、この苺クレープ美味しいですね」
先輩「うん、美味しい!」
後輩「笑顔が眩しすぎます、先輩」
16:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 22:55:45.79 ID:
33MJ0Flp0
―5―
先輩「のどかな薫風、朗らかな太陽…う~ん、春だねぇ」
後輩「先輩。もう5月中旬です」
先輩「思い返せば、今年の花見も楽しかったね」
後輩「そうですね」
先輩「君は花見以外で春らしいことしたかい?」
後輩「これといって特に無いですね……先輩は?」
先輩「寝ていたよ」
後輩「それがどうして春らしい事なんですか?」
先輩「先達は言うじゃないか。『春眠暁を覚えず』ってさ」
後輩「そういえば桜が咲いてた頃、寝坊してきた言い訳でよく使ってましたねそれ」
先輩「……妙なところで記憶力が良い君には困ったもんだね」
17:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 23:01:04.12 ID:
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―6―
先輩「先日、図書館で本を借りたんだ」
後輩「ちゃんと期日内に返したんですか?」
先輩「それはそれとして。借りた本に落書きがあって、ちょっとショックだったんだ」
後輩(さてはまた延滞したな…)
後輩「で、どんな落書きだったんですか?」
先輩「本の内容は推理小説だったんだけれど、登場人物一覧のページに『こいつが犯人』って大きく丸があってさ」
後輩「ああ、読む気失せますねぇ」
先輩「でも悔しいから全部読んでみたよ。そしたら……」
後輩「そしたら?」
先輩「犯人、全然違う人物だった…ろくに推理もせずに読んだから、読後感があまりにも無味無臭で……」
後輩「それは……災難でしたね」
19:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 23:07:31.04 ID:
33MJ0Flp0
―7―
先輩「君は」
後輩「はい?」
先輩「恋人を作らないのかい?」
後輩「別に欲しいとも思いませんから」
先輩「う~ん。昨今の若人らしくないというか、枯れてるなぁ。
恋愛は心を豊かにしてくれるらしいぞ。今せずしていつ恋愛するんだい?」
後輩「…では、先輩は」
先輩「うん?」
後輩「なんで彼氏作らないんですか?」
先輩「別段ほしいなんて思ってないからね。こういうのは強要されて作るもんじゃないだろ?」
後輩「ひどいブーメランを見た気がします」
20:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 23:12:16.44 ID:
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―8―
先輩「いつも君は私の話を聞いてくれるね」
後輩「僕の話も聞いてもらっているので、どっちもどっちですよ」
先輩「ふと考えるんだ。いつもこうして一緒にいる相手がさ」
後輩「はい」
先輩「君じゃないなら、誰がいるだろうなって思ったけれど」
後輩「……」
先輩「どうにも私は、君以外に想像できないみたいだ」
後輩「光栄です、と思ってもいいんですか?」
先輩「誇ればいいさ」
後輩「そりゃどうも」
25:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 23:18:24.25 ID:
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―9―
後輩「こんにちは」
先輩「やぁ、こんにちは」
後輩「あれ? 先輩、サングラスかけてましたっけ?」
先輩「以前話した伊達眼鏡だよ。どうかな、似合ってる?」
後輩「格好いいですね、それ」
先輩「ふふ、そうだろう! もっと褒めてくれても構わないんだよ?」
後輩「……」
先輩「あれ?」
後輩「……また、思い切ったデザインのものを着けて学校に来ましたね」
先輩「そうかな?」
後輩「よく似合ってます、その…映画のX-MENで見たサイクロプスみたいというか。
一言で言えば、そう、オプティック・ブラストが撃てそうな素敵なデザインですね」
先輩「褒めてないよね、それ」
26:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 23:22:28.75 ID:
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後輩「Tシャツ、ジーンズ、サングラス……」
先輩「ふふん、素敵だろう?」
後輩「先生や教授から見られたら『キミ何しに学校に来てるのかい?』と言われそうですね」
先輩「その点なら問題ないさ」
後輩「?」
先輩「君と会うまでに二人くらいから言われているからね」
後輩「それでもサングラスを外さない事だけは妙に男前ですね」
28:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 23:28:41.22 ID:
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―10―
先輩「一人暮らしも早4年目。そろそろ私も自炊しようと思うんだ」
後輩「むしろ今まで自炊無しで過ごしていた事に驚きです」
先輩「いや、言葉が足りなかった。本格的に自炊を始めようという意味さ」
後輩「へぇ。また何で自炊しようと思ったんですか?」
先輩「欲しいものがあってね。その為に少し貯金しようと考えているんだ。
その中でも日常生活で削れるものは削るべきと思って、今の発想に至ったのさ」
後輩「なるほど。生活費で一番手ごろに削れるのは食費ですよね」
先輩「うむ」
後輩「ちなみに、何が欲しいのか聞いてもいいですか?」
先輩「ん? PS3だよ?」
後輩「『何言ってるんだい当然だろ?』みたいな顔でこっち見ないでください」
先輩「いやね、たまたま見た動画でデモンズソウルっていうゲームが面白そうでさ。
あまりゲームに興味湧かなかったけれど、あれは別格だなぁ」
後輩「……とりあえず、買うのは結構ですが引き篭もらないでくださいね」
29:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 23:32:08.88 ID:
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先輩「それで、君に是非とも自炊で作れる手頃な料理を教えてほしいのさ」
後輩「う~ん。僕が教えることが出来る料理と言っても、結構限られてきますよ」
先輩「そこを何とか。可愛い先輩からの頼みと思って!」
後輩「自分で言いますかそれ。ちなみに、どの程度の料理なら出来るんですか?」
先輩「まぁ、卵かけご飯くらいなら楽勝だよ」
後輩「卵かけご飯の作成に辛勝な人とか居るんですか」
先輩「それとスクランブルエッグかな。あ、あと目玉焼きもまぁ上手な方だと思うよ」
後輩「ん?」
先輩「卵焼きは地味に苦手なんだけれどね」
後輩「ちょっと離れましょう。まず卵のジャンルから一旦離れてみましょう」
31:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 23:36:40.54 ID:
33MJ0Flp0
先輩「むぅ。それじゃあ君はどんな料理が出来るんだい?」
後輩「まぁ人並み程度ですよ」
先輩「例えば?」
後輩「最近作ったものでは…トマトとアボカドのミルフィーユ、
あと思い出す限りだとエビフライとあさりのガーリックライスもあったかな」
先輩「……え?」
後輩「後はミートボールパスタやペンネ、地中海風リゾットとかですね。
先輩には今度レシピを紙に書いて渡します」
先輩「ねぇ、メグたん」
後輩「はい?」
先輩「嫁に来てもいいんだよ」
後輩「お断りします。真顔で言うと本気っぽく見えるんで勘弁してください」
32:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 23:39:39.32 ID:
33MJ0Flp0
―11―
先輩「この間、自炊に挑戦すると言った話は覚えているかな?」
後輩「はい。まぁ記憶に新しい方ですよね」
先輩「あれさ…断念しようと思うんだ」
後輩「あんなにやる気満々だったのに、何でまた?」
先輩「それには理由が三つあってね」
後輩「1つ目は?」
先輩「食費を削った分だけ光熱費の方が高くなっていた」
後輩「自炊を始めたての頃はそんなものですって。2つ目は?」
先輩「調理器具の一式を揃えた段階で結構お金がかかってきた」
後輩「探せば安上がりで良い物あると思うんですが。で、3つ目は?」
先輩「君から以前教えてもらったレシピが上級者向けすぎる」
後輩「……」
先輩「ご家庭にはアボガドやムール貝なんて常備してないよ……」
後輩「……もうちょっと簡単なレシピを今度書いてきますから」
37:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 23:46:13.21 ID:
33MJ0Flp0
―12―
【後輩の自室】
ppp~♪ ppp~♪
後輩「……ん? 電話?」
後輩「着信は、先輩か」
ピッ
後輩「はい、もしもし」
先輩「やぁ、今暇だよね」
後輩「はい?」
先輩「よし、家に居る事確認。アポ取り完了って事で。
暇しているようだし、それならば私に構ってくれてもいいよね! お邪魔するよー。」
後輩「あ、いえ、ちょ、待っ」
<ピンポーン
後輩「……この行動力、無駄に尊敬してしまいそうだ」
38:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 23:50:49.98 ID:
33MJ0Flp0
―13―
先輩「私にとって面白い話と、私にとって面白くない話。どちらを聞いてみたい」
後輩「……その話に僕の意思は皆無ですか」
先輩「君なら聞いてくれると思ってね。さぁ、どっち?」
後輩「じゃあ、まず面白い方から」
先輩「この間、適当に借りたDVDが凄く面白かったんだ。
登場人物全員に名前が無いB級アクション映画だったけれど、思わず見入ってしまったよ」
後輩「へぇ」
先輩「君もいつか見てみるといい。映画のタイトルは確か『VERSUS』と言ったかな」
後輩「それで、面白くない話の方は?」
先輩「1200円」
後輩「?」
先輩「……延滞料」
後輩「どんだけTSU○AYAに貢献してるんですか、貴女」
39:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 23:53:01.58 ID:CsRbAu5I0
またやらかしたのかwwwwwwwww
40:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 23:56:55.48 ID:
33MJ0Flp0
―14―
先輩「聞いてくれ、メグたん」
後輩「なんですか。今は課題の準備で忙しいんですけど」
先輩「ついに私にもモテ期が来た!」
後輩「どういう事ですか?」
先輩「告白されたんだ」
後輩「……へぇ」
先輩「なんで面白くなさそうな顔するんだい?」
後輩「気のせいですよ。 それで、誰から告白されたんですか?」
先輩「いつも通学路で見かけていた子だよ」
後輩「お互い顔は知っていた、と」
先輩「そういう事になる」
41:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 23:59:04.29 ID:
33MJ0Flp0
先輩「いつも私から手を振るんだが、手を振り返す様が凄く可愛くてね」
後輩「へぇ」
先輩「もう胸キュンものだ」
後輩「ほぅ」
先輩「いやぁ…恥ずかしながら照れてしまうな。
私の溢れんばかりの魅力に中てられてしまった結果だと分かってはいるんだが」
後輩「へぇ」
先輩「……なんか返事がおざなりな気がするんだけど、気のせいかな?」
後輩「気のせいですよ。気のせい」
42:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:00:41.01 ID:CwOzDFHD0
後輩「それで、どうするんですか?」
先輩「どうするって?」
後輩「告白、受けるんですか?」
先輩「また面白い冗談を言うね、君は。私が彼からの告白を答えるには少々早すぎるよ」
後輩「……?」
先輩「だって、その子ってまだ5歳だし」
後輩「………」
先輩「おおぅ、また凄く複雑そうな顔しているね」
後輩「5歳から告白されて モテ期が来た! って割と本気で喜んでいる残念な人を思うが故の表情ですよ」
先輩「いいじゃないか。幼児からの告白なんて滅多にされないぞ」
後輩「いやまぁ、そりゃ確かに珍しいかも知れませんが」
先輩「それに相手はまだ5歳。これは以前から認(したた)めていた
『逆光源氏計画』がついに芽を出す時か……!」
後輩「そんな企画は永遠に凍結させておいてください」
45:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:05:25.81 ID:CwOzDFHD0
―15―
先輩「最近は香水に嵌まっていてね」
後輩「先輩、なんか刺激臭がします」
先輩「不思議な香りに包まれる、というのはいいものだ」
後輩「なんか刺激臭がしますってば」
先輩「5種類ほど買ってみて、それをブレンドするのが地味に楽しい」
後輩「ちなみに今日は何か混ぜて遊びにきたんですか?」
先輩「5種類全部だよ?」
後輩「………」
先輩「ああ、あとリセッシュも部屋に撒いてきたから名残はあるかも」
後輩「……先輩。僕で良ければ香水の正しい使用法を教えさせて頂きます」
先輩「いや、気持ちだけで充分だよ。いつも君には良くしてもらっているからね」
後輩「いえ、是非とも教えさせてください。ホント是非」
47:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:13:56.98 ID:CwOzDFHD0
―16―
先輩「君の周りには珍しいニックネームの人はいるかい?」
後輩「はぁ…まぁいないと言えば嘘になりますね」
先輩「ほぅ。例えば、どんな呼ばれ方をされている人なんだい?」
後輩「そうですね……『高嶺の百合』なんて呼ばれ方されていますね」
先輩「ああ、噂でしか知らないが、私の入学時から大学に居るらしいね。
君の知り合いとは知らなかった。…ちなみに、その呼び名の由来は?」
後輩「美人で無愛想、つまりは近寄りがたい憧れって事で呼ばれているそうで」
先輩「また随分と他人行儀に語るねぇ。君には何か思う節があるの?」
後輩「いえ、僕自身がその人を『高嶺の百合』だなんて思ってないもので。
確かに美人だけれど全然無愛想じゃないし、凄く親しみやすい人なんですよ」
先輩「へぇ。君にそこまで言わせるなんて大した人だね。私も一度その件の人物を拝見してみたいもんだ」
後輩「手鏡でも渡しましょうか?」
先輩「なんでまた? 私の顔に何かついているのかい?」
後輩「他意はないです」
48:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:16:29.61 ID:CwOzDFHD0
先輩「高嶺の百合ねぇ」
後輩「何か思う節でもあるんですか?」
先輩「いや、別に無いよ。まぁ、でも……」
後輩「?」
先輩「そんな呼ばれ方をする人は決まって変人と決まっている。君子危うきに何とやらってヤツか」
後輩「君子危うきに何とやら、は置いといて。 最初の方はだいたい合ってますね」
先輩「だろう?」
後輩(……貴女がそう呼ばれているんですよ、とは流石に言えないよなぁ)
49:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:19:30.88 ID:CwOzDFHD0
―17―
先輩「最近の気候は異常と思わないかい?」
後輩「暦の上ではもう立夏を過ぎていますから」
先輩「ああ、道理で地味に不快な暖かさなワケだ」
後輩「確かに。窓を開けても温い風が入ってくるのは心地良いとは言えません」
先輩「しかして、夏はもう目の前だね」
後輩「そうですね」
先輩「今年の夏は暑くなるそうだけれど、負けじと私たちも暑く…いや、熱く過ごそうじゃないか!」
後輩「その前に梅雨という厚い壁が立ちはだかりますけどね」
先輩「心が篤(あつ)い気持ちになる言葉をありがとう…」
50:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:26:07.43 ID:CwOzDFHD0
―18―
先輩「夏が来たら今年は海に行こう」
後輩「去年は何をしていましたっけ?」
先輩「君の部屋で冷房をガンガンに冷やして、ずっとゴロゴロしていたかな」
後輩「一昨年は?」
先輩「図書館に通って涼んだあと、君の部屋で冷房20℃設定にして本読んでいたかな」
後輩「多分今年も行けそうにないですね、海」
先輩「うん。私も何となくそんな気がしているよ」
51:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:29:26.14 ID:CwOzDFHD0
後輩「まぁでも、今の話の中で」
先輩「何か発見でもあったのかい?」
後輩「毎年夏になると光熱費がとんでもない事になる原因が分かっただけでも、良しとしましょう」
先輩「夏はつい電気を使ってしまうからね。光熱費のかさむ気持ちは分かるなぁ」
後輩「せめてこっちを向いてから発言してください先輩」
52:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:36:01.48 ID:CwOzDFHD0
―19―
後輩「そういえば」
先輩「ん?」
後輩「先輩の周りにはいないんですか、珍しいニックネームの人って」
先輩「何を以って珍しいというかは分からないが、それには一人当て嵌まるかな」
後輩「へぇ」
先輩「お、噂をすれば。ホラ、向こうからこっちに歩いて来る人がいるだろう?」
後輩「あ、はい。先輩の友人なんですか?」
先輩「まぁね。高校からの知り合いさ」
後輩「先輩、友達いたんですね」
先輩「…君はナチュラルに失礼だなぁ」
53:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:39:45.31 ID:CwOzDFHD0
先輩「おーい。何してるんだい?」
○○「げ、何でアンタまだ帰ってないの」
先輩「世間話に夢中になっていたら、ちょっと帰りそびれちゃったんだ」
後輩「僕はいつでも切り上げていいんですけど…」
○○「ふーん。貴方が『メグたん』?」
後輩「は、はぁ…。以後宜しく願います」
○○「貴方もあの子からあだ名付けられたのね…同じ穴のムジナとして同情するわ」
後輩「あの…先輩はどんなあだ名で呼ばれているんですか?」
○○「あ、ゴメン。そろそろ次の授業があるから。じゃあね、メグたん」
54:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:41:46.99 ID:CwOzDFHD0
先輩「あれ? ちょっと目を離したうちにもう行っちゃったのかい?」
後輩「はい。何でも次の授業があるそうで」
先輩「なんだ、今日の授業ノートのコピー渡す筈だったのに…」
先輩「バイソン! 授業終わったら中央学食で待ってるよー!」
< バイソンって大声で言うなぁーー! 恥ずかしいでしょうがぁーー!
後輩「え? …なんであだ名が『バイソン』なんですか?」
先輩「ああ、彼女の苗字が『梅田』だからだよ。高校の頃からずっと呼んでるけれど、中々慣れてくれなくてね」
後輩「悲惨すぎる……」
55:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:47:17.81 ID:CwOzDFHD0
―20―
先輩「ようやく貯まったなぁ」
後輩「何がですか?」
先輩「ほら、自炊やら何やらでお金を貯める話をしていたじゃないか」
後輩「ああ、そんなことも言ってましたね」
先輩「苦労の甲斐あって5万円を貯める事に成功したのさ」
後輩「おめでとうございます」
先輩「ようやく買えたなぁ、デジタル一眼レフ」
後輩「……あれ?」
先輩「どうしたんだい?」
後輩「確か欲しがっていたのって、PS3とゲームソフトだったような気がするんですが」
先輩「よく覚えていたね。まぁ、アレは一過性の気の迷いと思って忘れてくれ」
後輩「買ったカメラも一過性の気の迷いじゃないことだけを祈るのみです」
56:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:50:38.02 ID:CwOzDFHD0
先輩「それにね」
後輩「ん?」
パシャッ
後輩「うわっ、ビックリした」
先輩「カメラを買ったら、まず最初に君を撮りたかったんだ。
話してばかりの私たちだけれど、こうして形に残るものだってあっていいかな、と思って」
後輩「先輩、顔真っ赤ですよ」
先輩「あ、あはは…。慣れない事は言うもんじゃないね……写真の出来栄えを早速見てみようじゃないか」
先輩「あ、顔がブレてる」
後輩「台無しじゃないですか」
64:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 01:17:01.20 ID:CwOzDFHD0
―21―
先輩「最近、何か高いもの買ったかい?」
後輩「そうですね。ようやくテレビを買い換えました」
先輩「へぇ。また随分と奮発したねぇ」
後輩「そうでもないですよ。昨今のテレビだと割と安く手に入りますから」
先輩「相場は?」
後輩「4万あれば、まぁ妥協できる大きさのテレビくらい買えるんじゃないですか」
先輩「へぇ」
後輩「先輩は手元に4万あれば何を買います?」
先輩「そうだねぇ、私なら」
後輩「うんうん」
先輩「PS3かな」
後輩「…デモンズソウル購入、まだ諦めていなかったんですか」
65:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 01:18:35.61 ID:NqThB34A0
66:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 01:25:51.48 ID:CwOzDFHD0
―22―
先輩「最後に遠足に行ったのは何時だっけか」
後輩「去年の秋ですね」
先輩「ああ、君と紅葉狩りをしたときか」
後輩「ええ、今思い出しても凄まじいですね」
先輩「凄まじい?」
後輩「まさかマタギみたいな格好で来るとは思いませんでした」
先輩「だって当時のファッション誌に『流行はマタギベスト』みたいに書かれていたし」
後輩「普段どんなファッション誌を読んでいるんですか」
先輩「それに『紅葉狩り』の狩りって、狩猟の意味だろう? 別に間違ってないじゃないか」
後輩「あの時僕どんだけ恥ずかしかったか分かりますか?」
先輩「800字のレポートでまとめてきてくれ」
後輩「……読む気すらないでしょう、貴女」
67:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 01:33:41.83 ID:CwOzDFHD0
―23―
先輩「大学生活も、あと1年かぁ…」
後輩「先輩はそのまま院に行くなら、あと3年くらいありますよ」
先輩「それはそれ、これはこれだろ?」
後輩「どれがどれなのか皆目検討つきません」
先輩「こうして振り返ってみると…大学生の醍醐味を経験したこと無かったなぁ」
後輩「醍醐味?」
先輩「決まっているじゃないか、合コンだよ」
後輩「え、先輩合コンに行ってみたかったんですか?」
先輩「当たり前だろう。あの空気感には前々から興味津々だよ」
後輩「い、意外ですね……」
先輩「意外も何も、君が誘ってくれなかっただけさ」
後輩「僕ですか?」
先輩「うん、そう」
69:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 01:39:41.45 ID:CwOzDFHD0
先輩「私だってそりゃ恥じらいはあるさ」
後輩「さいですか」
先輩「いや、だからね。君から誘われないとそういう場にいけないんだよ」
後輩「…先輩って照れ屋でしたっけ?」
先輩「だって怖いじゃないか。知らない人と一緒に飲むなんて」
後輩「まぁ、一理ありますね」
先輩「だからね、メグたんが居ないとそういう事は不可能なんだなぁ」
後輩「なんで語尾に『み○を』って付いちゃいそうな喋り方なんですか」
後輩「……先輩」
先輩「ん?」
後輩「今日は、二人で合コンでもしますか?」
先輩「お、いいねぇ。では特別に私行き着けの居酒屋に招待してあげようじゃないか」
後輩「それはまた光栄ですね」
70:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 01:45:48.69 ID:CwOzDFHD0
~居酒屋にて~
先輩「では、二人っきりの合コンにかんぱーい!」
後輩「……乾杯」
先輩「いやぁ。居酒屋で飲むウーロン茶は格別だねぇ」
後輩「まさかのソフトドリンクですか」
先輩「え? もうコーヒー牛乳ハイを頼むのかい?」
後輩「カルアミルクを地味に紛らわしく呼ばないでください」
先輩「いや、失敬失敬」
後輩「それにしても……」
先輩「ん?」
後輩「先輩の行きつけって、まさかの『坐・○民』ですか…」
先輩「一人酒をするときは、決まってこの隠れ家的なお店を選んじゃうのさ」
後輩「全国チェーン店が隠れ家的お店って……」
71:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 01:50:32.63 ID:CwOzDFHD0
―24―
先輩「なんでだろうね」
後輩「何がですか?」
先輩「なんで小太りな人は、野球の時に決まってキャッチャーなんだろう」
後輩「とんでもない偏見ですね、先輩」
先輩「でも男子の体育を眺めると、決まってそういうポジションにはそういう人じゃないか」
後輩「……確かに」
先輩「サッカーではキーパー、野球ではキャッチャー。体格で人を決めるのは不憫と思わないかい?」
後輩「では、先輩ならどこのポジションに置きますか?」
先輩「ベンチウォーマーかな」
後輩「鬼畜な発想ですね、それ」
72:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 01:55:56.05 ID:CwOzDFHD0
―25―
先輩「あずきバーのアイスってあるじゃないか」
後輩「はい」
先輩「アレってさ、なんであんなに硬いのかな」
後輩「舐めて溶かすのがアイスの本分でしょう。
長く食べてもらうための製菓会社の知恵じゃないんですか」
先輩「それにしたって硬すぎるだろう、アレ」
後輩「…そんなに硬いものでしたっけ?」
先輩「なんならちょっと買ってきてくれ。検証してみよう」
後輩「はいはい」
74:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 02:00:47.33 ID:CwOzDFHD0
後輩「先輩、買って来ましたよ」
先輩「ん、ありがとう」
後輩「確かに硬いですね。齧ると歯が欠けそうです」
先輩「こういう時はやはり、舐めて溶かすのが一番なんだろうね」
後輩「……ん?」
先輩「そもそもさ、あずきバーにも沢山種類はあるだろう?
その中の大多数は鉱石みたいな食感だが、まれにふんわりと口溶けするものだってある」
後輩「……まさか」
先輩「そういうのも食べてみたいと思わないかい?」
後輩「……嵌められた!?」
先輩「あずきバー、ご馳走様。次はあずき入り雪見大福で検証してみよう!」
後輩「自分で買ってきてくださいよ、もう……」
75:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 02:05:22.85 ID:CwOzDFHD0
―25―
後輩「先輩って、髪綺麗ですよね」
先輩「私の自慢の一部だからね」
後輩「あんだけ不摂生なのに髪ツヤ良いのは凄いですね」
先輩「褒めたいのかい、けなしたいのかい?」
後輩「もちろん前者で」
先輩「うん、結構」
76:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 02:08:25.55 ID:CwOzDFHD0
先輩「綺麗でしょう?」
後輩「否定はしません」
先輩「触ってみてもいいんだよ?」
後輩「遠慮しておきますよ」
先輩「こんな機会、滅多にないよ?」
後輩「今迄からすると、何か持ちかけられる時っていつも条件付きでしたから」
先輩「今なら大特価だよ?」
後輩「危ねぇ…やっぱり条件付きじゃないですか!」
77:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 02:10:32.65 ID:CwOzDFHD0
お題を頂けると有り難いです
【>>78
>>79
>>80
78:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 02:11:01.18 ID:NqThB34A0
漫画
79:
忍法帖【Lv=34,xxxPT】 :2012/05/18(金) 02:12:10.93 ID:s/TRaqj60
2ch
80:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 02:13:39.87 ID:6s8CAg4zO
萌え属性
81:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 02:19:34.27 ID:CwOzDFHD0
―26―
先輩「この前借りていた漫画をそろそろ返すよ」
後輩「どうでした?」
先輩「うん、面白かった。当たり障りない答えに聞こえるかも知れないけれどさ。
最近の漫画ってあまり読んだ事なかったんで、面白かったし、凄く新鮮だった」
後輩「さいですか。貸した甲斐があって良かったです」
先輩「それで、物のついでにお願いなんだけれど」
後輩「何ですか?」
先輩「漫画、貸してくれないかな?」
後輩「いいですよ」
先輩「ありがとう。気持ちの良い承諾は大好きだよ」
後輩「…そ、そういうのはいいですから」
83:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 02:24:24.72 ID:CwOzDFHD0
後輩「それで、どんな本がいいんですか?」
先輩「うーん。寝る前にまったり読めそうな本。バトル系は避けてくれると有り難い」
後輩「じゃあ、これとかどうでしょう?」
先輩「お、なんか可愛い絵柄だね」
後輩「とりあえず1冊で。気に入ったら、また借りに来てください」
先輩「分かった。ありがとね、メグたん」
後輩「お気になさらず」
【先輩の自室】
先輩「さて、どんな内容の本を貸してくれたんだろう?」
先輩「タイトルは『煩悩寺』か」
先輩「また凄い題名だなぁ……」
84:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 02:27:59.20 ID:CwOzDFHD0
~後日~
先輩「この前借りた本、早速読み終えたよ」
後輩「どうでした?」
先輩「胸キュンだった」
後輩「そりゃ良かった」
先輩「……続きは?」
後輩「ありますよ」
先輩「おお!」
後輩「……嵌まってますね」
先輩「……まぁね」
86:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 02:33:34.63 ID:CwOzDFHD0
―27―
後輩「先輩はネットを利用しますよね」
先輩「そうだね。それがどうかしたのかい?」
後輩「悪いインターネットを閲覧していないか確認してみたいので、
今から出す問題を口頭で答えてもらっていいですか?」
先輩「構わないさ」
後輩「ありがとうございます。では、まず第一問」
先輩「さぁ、どんと来い!」
後輩「これはある言葉の頭文字です。何と読むでしょうか」
『ktkr』
先輩「……ほぅ」
88:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 02:37:07.91 ID:CwOzDFHD0
先輩「こんな簡単な問題か」
後輩「答えをどうぞ」
先輩「『肩こり』」
後輩「……第二問。先程と同じ趣旨の問題です。何と読むでしょう?」
『kwsk』
先輩「『川崎』」
後輩「……なんか安心しました」
先輩「何がだい?」
90:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 02:43:48.86 ID:CwOzDFHD0
―28―
後輩「『萌える』って世間一般では浸透したけれど」
先輩「いきなり何だい、ビックリするね」
後輩「僕あまり意味が分かっていないんですよね」
先輩「なんだ。私に萌えについてレクチャーして欲しいなら、そう言ってくれ」
後輩「そう聞こえてしまいましたか。誤解です」
先輩「じゃあどういう事だい?」
後輩「先輩は『萌え属性』とか分かりますか?」
先輩「勿論さ」
後輩「えらく自信満々ですね。比例して不安感も上がってくるんですが」
91:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 02:47:21.64 ID:CwOzDFHD0
先輩「いいかい、萌えとはね」
後輩「はい」
先輩「一言で言えば…胸キュンさ」
後輩「……はい?」
先輩「つまり、私にとっての萌え属性はメグたんという事になるね」
後輩「…なんか違う気がするんですが」
先輩「不服かい?」
後輩「いいえ、全く」
先輩「ふふ、それならそれでいいじゃないか」
後輩「上手くはぐらかされた気がするなぁ……」
93:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 02:51:20.47 ID:CwOzDFHD0
―29―
○○「やっ、元気?」
後輩「ん、えーと…」
○○「ほら、この間会ったの覚えてないかな?」
後輩「ああ、もちろん覚えてますよ。確か…バイソン先輩」
梅田「う・め・だ♪ はい、もう一回言ってみて」
後輩「怖いです、梅田先輩……」
梅田「年頃の女性に向かってバイソンなんて呼ぶメグたんが悪いのよ」
後輩「失礼しました。ところで、もうすぐ授業始まるけれど行かなくてもいいんですか?」
梅田「ああ、いいのよ。もう4年生だし授業取ることなんて卒論くらいしか無いから」
後輩「へぇ。就職活動はどうされたんですか?」
梅田「大学院に行くから先延ばし、って感じね」
後輩「大学院かぁ…」
94:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 02:53:12.88 ID:CwOzDFHD0
梅田「貴方こそいいの? もしかして授業取ってないとか?」
後輩「はい。今日は午前中に授業取ってませんから」
梅田「あら、じゃあ誰か待っているの?」
後輩「まぁ、そんな感じです」
梅田「もしかして、あの子?」
後輩「……会う約束はしていないんですけれど、この辺に居たらいつも会えるんで」
梅田「ハチ公め。 あっついなぁ。やばいわー、なんかこのへんすごくあっついわー」
後輩「どこの思春期中学生ですか。
それに誤解です、3限が始まるまでの暇つぶしみたいなもんですから」
96:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 02:54:51.94 ID:CwOzDFHD0
先輩「お、なんか珍しい二人が居るねぇ」
後輩「お疲れ様です」
先輩「うん、お疲れ」
梅田「じゃ、アタシはこの辺で…お邪魔したら悪いからさ」
後輩「誤解ですってば」
先輩「あれ? バイソン、もう行くのかい?」
梅田「バイソンって呼ぶなっつーの! あたしは忙しいの。無駄話してる暇なんてないんですー」
タッタッタ……
後輩「行っちゃいましたね」
先輩「うん、逃げるように行っちゃったね。
でも本当に珍しい組み合わせだったよ、君たち。何か話でもしていたの?」
後輩「いや、別に…強いて言えば」
先輩「言えば?」
後輩「無駄話、ですね」
先輩「そっか、そりゃ何より」
99:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 03:00:36.24 ID:CwOzDFHD0
―30―
後輩「先輩、一つ質問があるんですが」
先輩「うん、何だい?」
後輩「梅田先輩のニックネームの由来ですが」
先輩「ああ、バイソンの事?」
後輩「『梅田』の音読みならバイデンですよね、なんでバイソンなんですか?」
先輩「ああ、そりゃ簡単な理由さ」
後輩「?」
先輩「語呂悪いだろ、バイデン。やっぱり呼ぶなら語呂と語感が良くないとね」
後輩(不憫だなぁ、梅田先輩……)
後藤「ちなみに…僕のあだ名もひょっとしてそんな基準ですか?」
先輩「君は可愛いから、可愛く呼んでいるだけさ」
後輩「腑に落ちないなぁ……」
100:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 03:05:40.76 ID:CwOzDFHD0
―31―
先輩「うーん、うむぅ……」
後輩「悩み事ですか?」
先輩「うん、実はそうなんだ」
後輩「僕で良ければ聞きますよ」
先輩「メグたん、実は相談だ」
後輩「……」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……っ! いや、その、駄洒落じゃなくてだね」
後輩「良かった、いきなりあんな空気作られたら流石に狼狽しますよ」
101:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 03:09:26.29 ID:CwOzDFHD0
後輩「それで、一体何をそんなに悩んでいたんですか?」
先輩「最近ショッピングをした際に新しく服を買ったんだが」
後輩「きな臭いですね」
先輩「2パターンほどコーディネートして、どっちが私に似合うかと思ってね」
後輩「つまり毛並みの違う服を買ったんですね。どんな感じの服なんですか?」
先輩「なぁ、君ならどっちを選んでくれる?」
後輩「内容次第ですね」
先輩「ゴスロリとV系スタイル」
後輩「何ですかその究極の二択。どっちか選ばないと僕死んじゃうんですか」
102:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 03:14:03.10 ID:CwOzDFHD0
先輩「で、どっちだい?」
後輩「先輩はそのままで充分素敵ですよ」
先輩「え、そ、そうかな?」
後輩「いつものジーンズスタイルが一番です」
先輩「君がそう言ってくれるなら、しばらくこのファッションのままでいいかな…」
後輩「ええ、それが一番です。本当に、本当に」
先輩「なんで念を押したのかは引っかかるけれど、まぁ不問にしておくよ。
…それにしても勿体無いなぁ、あの二着」
後輩「いつかの機会に着るか、誰かに渡すかでいいじゃないですか」
先輩「いっそ二つを重ね着して、上半身はV系・下半身はフリル満載のゴスロリとかどうだろう?」
後輩「何ですかそのオシャレ超越者。時代の先を生きすぎるにも程があります…」
104:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 03:17:48.54 ID:CwOzDFHD0
―32―
先輩「先日、リップクリームを無くしたんだ」
後輩「ああ、あれって不思議な事にすぐ無くしちゃいますよね」
先輩「そして忘れた頃に出てくるんだよ」
後輩「失せ物なんて見つかるときはそんな感じですよ」
先輩「…君は今まで無くしたリップクリームの数を覚えているかい?」
後輩「数えたことありませんよ、そんなの」
先輩「私は分かるよ。全部で12本さ」
後輩「なんで数えてるんですか」
105:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 03:26:23.26 ID:CwOzDFHD0
―LAST―
先輩「今日も楽しかったなぁ」
後輩「そうですね」
先輩「人生であと何度、こんなに楽しい日々を送れるんだろうか」
後輩「貴女が望む限り、ずっとこんな風でいいんじゃないですか」
先輩「いいこと言うねぇ」
後輩「誰かさんの影響ですよ」
108:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 03:32:09.50 ID:CwOzDFHD0
先輩「ダラダラ話してばかりだけれどさ」
後輩「はい」
先輩「私はね。割と幸せだよ、メグたん」
後輩「それは何より」
先輩「君はどうかな? 幸せかい?」
後輩「少なくとも不幸じゃないですね」
先輩「素直じゃないなぁ」
109:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 03:32:56.59 ID:CwOzDFHD0
先輩「ねぇ、メグたん」
後輩「はい」
先輩「私から君に出来る娯楽提供の件で、一つ聞きたいんだ」
後輩「どうぞ」
先輩「無駄話は好きかい?」
後輩「……それなりに」
―FIN―
110:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 03:38:55.45 ID:CwOzDFHD0
作業の片手間にのんびり書かせて頂いたので投下が遅くなって申し訳ありません。
身も蓋もない話こそが無駄話の本懐だとすれば、スレタイどおりの内容になっていたかと思われます。
お付き合い頂きありがとうございました。 おやすみなさい。
【スレの〆曲】
111:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 03:42:48.10 ID:UyPyjosb0
おつ
113:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 05:02:32.42 ID:x6U6jxv80
おつ
また書いてくれー
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