1:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 17:27:15.81 ID:
GCUXPLjh0
勇者「な! 僧侶ちゃん!」ポン
僧侶「はい? あ、ちょっと気安く触れないでくれませんか」
勇者「……。な!盗賊ちゃん」ポンッ
盗賊「……きも」
勇者「え……せ、戦士ちゃぁん」ポニュ
戦士「……魔王の次はお前を倒せばいいのか?」
勇者「……ッ」
2:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 17:28:15.75 ID:SAhT8mUki
乳触ってんじゃねーよ
俺が主人公~ナカに入って俺がダす!~
7:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 17:31:33.75 ID:
GCUXPLjh0
勇者「な、なななんあんだよおまえら!!! 約束が違うじゃねーか!」
勇者「魔王倒したら結婚してくれるっていったじゃん!!」
僧侶「はぁ……呆れた」
盗賊「私この先なにしようかな」
戦士「私は王様の褒美で王宮付きの騎士になるんだ!」ワクワク
勇者「……・」
魔王娘「……の、のう勇者」ポンッ
勇者「……・あ?」
魔王娘「わしでよければ……そのっ///」
勇者「国へ帰れお前にも家族が、あ、俺が殺したんだった」
10:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 17:36:06.07 ID:
GCUXPLjh0
魔王娘「世界も平和になったし後は子作り三昧の毎日じゃな!」
勇者「ちくしょーお前なんなんだよこんなとこまでついてくんなよ! ここ人間の国だぞ!」
魔王娘「なんなんじゃ、って! 魔王の娘じゃ!」
勇者「知っとるわ! だからなんでここにいるんだって聞いてんだよ!!」
魔王娘「お前の妻になる女だからじゃ! 追ってきたんじゃ!」
勇者「……どこまでついてくんだよ」
戦士「よっ! 少女性愛」
僧侶「変態」
盗賊「犯罪者予備軍」
勇者「ま、まって僧侶ちゃん……僧侶ちゃん……っううう」
11:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 17:38:06.44 ID:UsugFRwx0
よく仇の妻になろうと思えるな
支援
12:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 17:39:55.41 ID:V9qoVf/k0
娘からしたら世界征服とか厨二乙
と冷めた目で見てたのかも名
14:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 17:40:56.85 ID:
GCUXPLjh0
僧侶「泣きついたってだめですよ気色悪いです」
盗賊「とにかく、私たちはここで解散するからあとは自分でなんとかするんだな」
戦士「そうだな。だいたいお前言ってたろ」
戦士「『俺は罪を犯しすぎた……この戦いが終わったら……どんな咎でも受けるつもりだ(キリリッ』 ってな」
勇者「いや、あれはその、俺の信念っていうかね、最後の戦いにおける意気込みを」
魔王娘「トガってなんじゃ?」
僧侶「はい、かいさーん♪」
戦士「じゃあ、またそのうち」
僧侶「お疲れ様でした! 今度お昼食べにいきましょう!」
盗賊「私はしばらくこの街をぶらぶらするよ」
勇者「……え」
15:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 17:45:06.43 ID:
GCUXPLjh0
……
勇者「……は、まじで解散しやがった」
魔王娘「ふたりっきりじゃのう……」
勇者「僧侶ちゃん……盗賊ちゃん……戦士ぢゃん。まさかこんな別れ方をするなんて」
魔王娘「人望がないって悲惨じゃ」
勇者「俺がいったい何を……」
魔王娘「顔にスケベってかいとるぞ」
勇者「まさかみんな生まれ故郷にすでに男が……?」
勇者「いやいやいやそれは無い、絶対無い」
魔王娘「じゃ、じゃがなそんなスケベ心丸出しのおぬしでも///」
勇者「一体なにが……おかしい何か裏があるにちがいないそうだみんな俺のことをびっくりさせようと」ブツブツ
魔王娘「……おい聞け!こっち向かんか!」
17:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 17:50:22.97 ID:
GCUXPLjh0
勇者「あ?」
魔王娘「……ゴホン……わ、わしには思う存分を粗相をはたらいてもいいんじゃぞ……?///」
勇者「ほら、帰りの駄賃だ。落とすなよ」
魔王娘「……なっ」
勇者「船の切符は船着場の入り口で子供用を間違えず買うんだぞ」
魔王娘「なぁんでそうなるんじゃ!!」
魔王娘「なしてそんなあからさまに冷たいんじゃ!」
勇者「馬鹿かお前魔物じゃねーかふざけんな誰が結婚するか!」
魔王娘「種族差別じゃあ……せっかく平和が訪れたというのに」
勇者「そうだよお前の親父をぶったおして得た平和がこれだよ!!」
魔王娘「ひ、ひどいんじゃ。それはあんまりなんじゃ」
勇者「だいたいなぁ! 宿敵の娘となにが悲しくて結婚せにゃならんのじゃ! あ移った」
19:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 17:55:05.08 ID:1ahRT8yu0
魔王倒すまでのパーティとの関係が気になる
いつも>>1みたいだったのか倒した途端態度急変したのか
21:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 17:58:56.42 ID:t5Z1Sf0J0
>>19
勇者のうろたえっぷりから察するに
倒すまではある程度仲よかったんじゃない?
20:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 17:56:24.19 ID:
GCUXPLjh0
魔王娘「……嫌なのか?」
勇者「ヤだね。だいたいお前何歳だよ青りんごじゃねーか。蒙古斑とれてんのか?」
魔王娘「こう見えて180歳くらいじゃ」
勇者「なおさら嫌だっつの!!」
魔王娘「冗談じゃ。本当はお主とそう変わらん、はず」
勇者「……まぁ、年齢はどうでもいいや」
魔王娘「なにが気に食わんのじゃ。見た目か? たしかにわしは少し幼い容姿をしとるが」
勇者「違う」
魔王娘「なら口調かのう? でもなかなか矯正できんのじゃ」
勇者「違う」
魔王娘「じゃあ……ん?」
勇者「さっきも言っただろ」
勇者「『種族』だ……!!!」ピキピキ
魔王娘「勇者ともあろうものが器の小さいこと言いよる」
勇者「俺はだいたいこんなもんだ買いかぶるな!」
22:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 17:59:21.03 ID:DQMbsj5N0
なんか楽しいな
23:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 18:00:29.08 ID:dbV0BEj7O
女って恐いわぁ
24:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 18:00:55.49 ID:/8YH107a0
続けてください
25:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 18:01:47.01 ID:
GCUXPLjh0
勇者「逆に聞くが……お前、俺のどこが……ていうかなにをもってホの字になった」
魔王娘「おぬしの顔を見てピンときたんじゃ」
勇者「そんな、おたずねものじゃあるまいし」
魔王娘「類まれなる才能! 我が父を倒す力! 体力! 勇気!」
魔王娘「そしてたくさんの仲間に支えられる愛と人徳……は無かったのぅ」ヨシヨシ
勇者「やめろ放っとけ」
魔王娘「高貴な魔王の一人娘にはぴったりじゃとは思わんか!?」
勇者「おもわない」
魔王娘「それにわし、ずっと心に決めとったんじゃ」
魔王娘「いつか勇者が父を倒すその日がきたら、抵抗せずに無理やりすべて奪われよう/// って」
勇者「どうしてそういう考えに至った」
28:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 18:06:47.42 ID:
GCUXPLjh0
魔王娘「ひとつの様式美なんじゃろ? そういうもんなんじゃろ? 父が言うとった」
勇者「はぁ?」
魔王『俺が死んだらお前は……そうだな』
魔王『勇者一行に拘束され、悪戯され、無理やり孕まされ』
魔王『いずれ快楽に溺れ、自ら身を破滅へと堕とすだろう、わはは』
魔王娘「とな……」
勇者「殺して正解だったわそんな糞オヤジ」
魔王娘「ようわからんが、わしはそれを聞いてから……おぬしがくるのも待ち望んでおった、じゃろ?」
勇者「じゃろ?じゃねーよ知るか!」
魔王娘「でも女の子は好き……じゃろ?」
勇者「あぁ! 俺はたしかに女の子は大大大、大好きだ! 正直陵辱願望もある!」
魔王娘「りょーじょく? えっと……わしは『わし』って言っとるけど女の子じゃぞ? おぬしの大好きな♀じゃぞ?」
勇者「でもな! 人間に限る!!」
魔王娘「……けっ」
32:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 18:11:54.59 ID:
GCUXPLjh0
魔王娘「ほれ、顔だけじゃなくて体もそんなに人間とかわらんぞ」ペロン
勇者「ブグッ…………しまえっ!」
魔王娘「なぁんじゃ。見とうないのか?」チラッ チラッ
勇者「俺は、あの、できた大人だから、ほらご存知のとおり」
魔王娘「そう、そんな勇者に一目で惚れたんじゃ……///」
勇者「だいたい俺は……お前の親父をぶっ殺したんだぞ……いわば仇だぞ」
魔王娘「なにを言う。おぬしらとわしらじゃ死生観がそもそも違うわ!」
魔王娘「それに父上も母上のところへ遊びにいけて、いまごろ夫婦水入らずのラブラブ中じゃ」
魔王娘「な? そういうわけで、わしらもイチャイチャしてええんじゃぞ?」ピトッ
勇者「……は、はじめてみるタイプのたくましさだ」
勇者(やっべぇ……どうするんだよ俺、これもう早速裏ボスじゃねぇか)
魔王娘「腕、けっこう太いんじゃな///」
34:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 18:17:11.09 ID:
GCUXPLjh0
……
【城下町】【繁華街】
魔王娘「この後おぬしはどうするんじゃ?」
勇者「あ? 俺? さぁなぁ」
魔王娘「世界は平和になったから勇者は用済みじゃろ? 隠居か? 金はあるのか?」
勇者「まぁーそうだなぁ。スロットでもすっかなぁぁぁあ」
魔王娘「スロット?」
勇者「おう、仕事しなくてもじゃかじゃか金を稼げる魔法の機械だ」
魔王娘「なんと! 腐っとるな人間」
勇者「冗談。娯楽だよ娯楽」
魔王娘「娯楽か……で、子作りは? 娯楽か?」
勇者「はぁ……僧侶ちゃんたちと娯楽感覚で子作り三昧できると思ったのになぁ」
魔王娘「わし……がんばる、あの三人娘の分も……」
35:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 18:19:02.72 ID:m8gAN6cC0
俺が勇者の立場なら魔王になるね
報酬に女は用意しとくべきだろうjk
36:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 18:19:58.70 ID:nx15iXXoP
>>35
俺もこの状況なら魔王娘と組んで人間滅ぼすわ
37:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 18:20:31.43 ID:3EvICn2/0
これは……魔王一択
38:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 18:21:15.81 ID:
GCUXPLjh0
勇者「はぁ~~~、あ゛~~……僧侶ちゃん……」
勇者「出会ったころから君の笑顔を快感に歪ませることをずっと夢見てきたのにぃ」
魔王娘「そんなにあの女がええのか?」
勇者「僧侶ちゃんは可愛いしお前とちがっておっぱいでかいし優しいし頭いいし」
魔王娘「……」
勇者「おっぱいでかいし、髪の毛つやっつやだし、料理うまいし、あとおっぱいでかいし」
魔王娘「何回言うんじゃぁ」
42:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 18:23:46.90 ID:
GCUXPLjh0
勇者「はぁ~~僧侶ちゃんに毎朝スープつくってほしかった……」
魔王娘「スープか……腹へったの。とりあえずどこかで飯にせんか?」
勇者「なんで俺がお前と……はぁ~~~」
魔王娘「ため息ばっかりつくな! 幸せが逃げるぞ!」
勇者「はー~~、どうだ俺の幸せの臭いは。嗅いでみろ」
魔王娘「歯みがいたほうがええんじゃ」
43:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 18:28:15.37 ID:
GCUXPLjh0
……
【飯屋】
魔王娘「わしこの魚介のスパゲッチィスープセットってやつ」
勇者「じゃあ俺もそれとあとデザートにホットケーキをください」
魔王娘「ホットケーキ? わしも!」
店員「はい、かしこまりました」
魔王娘「……人間世界の飯屋は綺麗じゃのう」キョロキョロ
勇者「おーはじめてか」
魔王娘「そうなんじゃ! 若い女から死にかけの男までいろんな人間どもが来とるのぉ」
勇者「おう、そんだけあちこち観察してたらそろそろ気づくかなと思ったから言うけど……」
魔王娘「……?」
勇者「……向かいの席に、座ってくんね?」
魔王娘「え!?」
44:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 18:32:22.23 ID:
GCUXPLjh0
勇者「お前それ人間界のルールだから」
魔王娘「す、すまん! わっ、ほんとじゃみんな向い合わせに座っとる! こりゃ失礼した!」イソイソ
勇者「あっぶねー!」
勇者「あっぶね、お前なぁ! いまので魔物なのバレてたかもしれねーわ! あーあ」
魔王娘「ひっ!」ドキッ
勇者「魔物だってバレたらあのウエイターさんに蹴り飛ばされて店追い出されるんだぜ! あぶねーなー」
魔王娘「すまん……すまん……わしが浅はかじゃった」
勇者(あ、こいつ馬鹿だわ)
45:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 18:33:58.58 ID:FuzxXjzl0
この勇者…
46:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 18:35:02.01 ID:UsugFRwx0
ワロタ
47:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 18:35:09.26 ID:2BzZw37Xi
すごく親近感がわくわ
48:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 18:35:31.55 ID:
GCUXPLjh0
魔王娘「ところで勇者よ。さっきの話の続きじゃが、今後のアテはあるのかのう?」
勇者「アテはなぁ……そうだな、無い! 俺の人生設計は白紙だぜ」
魔王娘「仮にあの三人娘の誰かと結婚してた場合、どう生活してたんじゃ?」
勇者「んー、僧侶ちゃんは天使だから俺のこと慈悲深く養ってくれるだろうし」
勇者「盗賊ちゃんと王宮の宝かっぱらって一生遊んでくらすのもわるくないし」
勇者「戦士ちゃんの稼ぎで新築建てるのもわるくないなぁ」
魔王娘「基本的に働く気ないんじゃな」
勇者「おう」
勇者「だって俺、偉業をなした英雄じゃん? 超すげぇじゃん?」
魔王娘「自分で言っちゃう辺りが可愛いんじゃ」
49:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 18:36:50.05 ID:spGP2Vh50
そうじゃそうじゃ
50:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 18:36:51.43 ID:uwrCc3Oo0
可愛い?
51:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 18:39:49.93 ID:
GCUXPLjh0
店員「おまたせしました~」
勇者「あ、ども。いただきます」ニヘラ
魔王娘「若い女相手にへらへらしおって」
魔王娘「いただきます」ペコッ
勇者「……で、その神にも等しい俺がよぉ、ズルズル……ズズッ」
勇者「いまさらしみったれた下働きからなんてズルズル……できっかよ」
魔王娘「わぁ、これうまいのう!」ガタッ
勇者「座れ」
魔王娘「魔物の国にはこんなうまいものないんじゃ! やっぱり勇者と結婚してここで暮らす!」
勇者「あーはいはい。コレ食ったら帰れよおごってやるから」
魔王娘「これが庶民の食い物……おおう、この国の王族はいったいどんなすごいもんを食っとるんじゃ」
勇者「王族? ……あ! あああっ!」ガタッ
魔王娘「座らんか」
54:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 18:43:56.61 ID:
GCUXPLjh0
勇者「そうだそうだ! 俺にはアテがあるじゃねーか!」ニヤニヤ
魔王娘「なんじゃ? たかる相手思い出したのか?」
勇者「そう! お前よくやった」
魔王娘「う……ふふ。なんじゃ急にそんなこと言われると照れる///」
勇者「さっさと食えよ。流しこめ」
魔王娘「無理じゃあそんな早う食えん」
勇者「あとお前。言うの遅れたけど、そのシロップはそっちのホットケーキのだからな」
魔王娘「なんじゃ。先に言わんか。麺と混ぜてもうたわ」
勇者「けどアホヅラでうまいっつってるし……ま、いいかなって」
魔王娘「交換して……」
勇者「……あ? ったく」カチャカチャ
勇者「……ヴ……ゲロ甘゛……」
……
55:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 18:48:29.68 ID:
GCUXPLjh0
【王宮】
魔王娘「ほぅ! 立派な建物じゃのぅ」
魔王娘「で、おぬしには無縁そうなここに何のようじゃ?」
勇者「王様の褒美だよ褒美! はっはっは! これで生活は保障されんじゃねぇのか」
魔王娘「王族が住んどるのか。どうして思い出さなかったんじゃ?」
勇者「なにか先程とても哀しい出来事があったような気がして……僧侶ちゃん……グスッ」
魔王娘「好きな相手にふられるって哀しいの。わしそんな経験ないからおぬしの気持ちはわからんが」ヨシヨシ
勇者「お前が異常に前向きなのは認める」
魔王娘「んふふ」
56:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 18:49:36.12 ID:FuzxXjzl0
可愛い
57:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 18:53:25.36 ID:
GCUXPLjh0
勇者「んで聞けよチビすけ! さらにここにはなぁ、イ~イ女がいるんだよほんと」
魔王娘「な、なにぃ!?」
勇者「ふふふ、はははは!」
勇者「きっといまごろ俺の噂を耳にして待ち焦がれているんじゃねぇかな!」
魔王娘「まさか……」
勇者「その ま さ か だよ」
勇者「その人は、たぶんこの国でもっとも金持ちで気品があって高貴な女性だ」
魔王娘「……わし?」キョトン
勇者「ちげぇよ!! お姫様にきまってんだろうが!」
魔王娘「お姫様…………ぇ、わし!?!?」ビクッ
勇者「あ、そうかお前も一応、一応だけど姫様なんだよなぁ。違うけど」
勇者「俺がいってんのはこの国のお姫様! そりゃあもうべっぴんさんでよ、んでおしとやかと来たもんだ」
魔王娘「はあ……」
61:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 18:58:15.88 ID:
GCUXPLjh0
魔王娘「僧侶とかいう女はどうしたんじゃ」
勇者「僧侶ちゃんと天秤にかけても負けず劣らずのイイ女だぜ。おっぱいもでかいしよ」
魔王娘「ほぅ、楽しみじゃな。闇に葬ってくれる」
勇者「お前ここにいろ、な?」ガシッ
魔王娘「冗談じゃ。せっかくの平和を乱したりはせん」
勇者「つっても魔王の娘だろ。お前がいるとややこしいことになる」
魔王娘「角隠せば問題ないじゃろ? どうじゃ?」
勇者(ここで機嫌損ねてだだこねられてもめんどうだな……)
勇者「言っとくけど、王様には俺しか会えねーからな」
勇者「お前は王宮の入り口あたりでボケーッと突立ってろ」
魔王「わかっとる」
63:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 19:03:29.63 ID:
GCUXPLjh0
勇者「よし、行くぞ」
門番「あ!」
勇者「お! 元気してたか!」
門番「あじゅじゃやすwww勇者先輩うぇーいwwwどっしたんスかww」
勇者「王様に報告にきたんだよ。凱旋だ凱旋」
門番「ちょマジやべぇっすねwww噂ききゃしたよなんちゅか超ぱねぇっつかヌゲェんすわwww」
魔王娘「何語じゃ」
門番「ちょちょちょぉwwwだれしゅかこの子wwwこれ?wwこれスか?ww先輩のコレwwwちょま」
勇者「違う。不審者だこの娘を取り押さえろ」
魔王娘「!!」
門番「ひひゃwwwwちょ俺ちと仕事なさすぎてにぶてんすわわwwwwむりスからwww」
勇者「お前ぇ仕事をなめすぎだろ……」
魔王娘「平和で結構じゃ」
64:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 19:06:16.43 ID:
GCUXPLjh0
【王座の間】
門番「ちょぉまじ先輩帰宅しましたみたいな感じうけましたスwwwww」
大臣「なにごとじゃあ!! ……おお! その顔!」
勇者「よ!」
大臣「これはこれは勇者どの、お久しゅうございます」
勇者「おう」
大臣「この度は世界の危機に対し、貴殿はその勇敢で誇り高い魂とともに」
勇者「あーあの前置きとかいらねぇからさ。俺の話をまず」
大臣「おお! 早速次の戦いへ赴くと申すか! さすが王の見込まれた男よ!」
勇者「えっ違う何いってんのお前! 独自解釈やめてくれよ」
大臣「では……?」
勇者「ほらぁ、約束したじゃん? 旅立つ前にさぁ」ニタニタ
大臣「お、おおそうであったな!! では王の御前へ」
66:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 19:11:34.46 ID:
GCUXPLjh0
勇者「へへ、いったいいくら貰えっかな。まさかこのまま王族になれたりして!」
大臣「……」
王「……」
勇者「王様! 私勇者、魔王を討ち、無事ここへと生還いたしました!」
勇者「つきましては約束の褒美をいただきたく」
王「……」
勇者「あの、王様聞いてます?」
王「……」
勇者「王様……じじい!? おい」ユサユサ
王「ん……!」パチクリ
勇者「あ、王様! 私こと勇者、この度魔王を討ち」
王「ぁーどうもどうもはじめましてわたすこの国の王様でひゅ御年83歳を迎えまひて恐縮ながらたいへん長生きさせてもらってます好物は母のあっぷるぱいでございましてフガ……」
勇者「…………」
68:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 19:16:24.33 ID:
GCUXPLjh0
大臣「……というわけなのです」
勇者「じじい……嘘だろ……おい!!」
王「スピー……zzz」
勇者「うほぁあああああ!!!」
大臣「というわけなのでどうかもうお静かに」
勇者「じゃあお前! かわりに褒美くれよ!!! よこせよ!!!!」
大臣「申し訳ありませんな。約束したのは国ではなく王個人ですので」
勇者「ふっっざけんなよ……!! 死ぬ気で世界救って報酬なしとかありえねぇぞ」
王「勇者!!」ガバッ!
勇者「お、おお王様ァ! 俺だよ俺!!」
王「おお勇者よ……」ジワッ
勇者「そうだぜ! 魔王たおしたぜ! 平和になったぜ!! 褒美貰いに来たゼェええ!!!」
王「死んでしまうとはなさけない……勇者が次のレベルになるには13423の経験値が必要じゃ僧侶が次のレベルになるには」
勇者「……」
69:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 19:16:58.44 ID:RmpPWSUu0
ジジィ…
81:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 19:34:16.43 ID:
GCUXPLjh0
王「盗賊が次のレベルになるには4890の経験値が」
勇者「そんな……」
大臣「たまに思い出したかのように口を開いてはこうなのです……」
王「冒険の書に記録しておくか?」
勇者「もういい。あんたが休んでくれよ……」
大臣「さぁ、王はそろそろお昼寝の時間です。どうかご退室を」
勇者「俺の褒美が……生きるアテが……」
大臣「しかしその武勇をたたえ、特別な賞状を進呈しよう。受け取れ」
勇者殿
あなたはこの混迷の時代、果敢にも悪の元凶である魔王討伐に旅立ち
見事その使命を果たされました。
よってその功績をたたえ、深甚なる感謝の意をここに表します。
大臣より
勇者「川で溺れる子供救った時にもらえるやつだろそれ!!」
84:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 19:40:01.05 ID:
GCUXPLjh0
……
魔王娘「どうじゃった!? たんまり貰えたかの!?」
勇者「……くそぉおお!!」
魔王娘「くそ? なんじゃ、お腹痛いのか?」
勇者「まだだ……まだ姫を陥落させれば、資産はまるっと手に入る!」
勇者「そのまま俺が次の国王になればいままでの損失全部取り戻せるどころか大勝利!!!」
魔王娘「ほぉ、いい気迫じゃ。ますます気に入った。でもわしを正妻に置くんじゃぞ?」
勇者「断る」
魔王娘「それで、その手にもった立派な紙はなんじゃ」
勇者「ケツふく紙だ」
魔王娘「そんなかたいので拭いたら痛いぞ」
勇者「しってる」
88:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 19:44:02.77 ID:
GCUXPLjh0
【姫の部屋前】
勇者「うぉぉ……なんか、緊張してきた。この緊張は魔王との決戦並だぜ」
魔王娘「どうどうと行け。お主は勇者じゃぞ。身分相応だとわしは思うぞ」
勇者「だ、だよな! お前いいこと言うなぁ」ワシャワシャ
魔王娘「ほふぅ……か、かわりにノックしてやろうか!?」
勇者「結構。バーンと入って驚かせてやるんだ」
勇者「きっと照れながらも飛びついてくるぜ。んで、腰をくねらせてもじもじしながら潤んだ目で俺を見つめるんだ」
魔王娘「そういうのが好きなのか。覚えておこう」
勇者「よぉし入るぞぉ……入るぞぉお! ……いや待て。何か声がする。誰かいんのか?」ピタッ
92:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 19:49:02.61 ID:
GCUXPLjh0
『あんっ、やっ、あんっ……もっと突いてぇ』
『おお、なんと可憐で美しや』
『あっ…あっ……騎士様ァ騎士様ぁ……騎士様のおっきいランス好きィ……』
『おお姫さま姫さま……中でだしまするぞ!』
『あああん、やん、んはぁ、あっ……んうぅ、あっ、だめぇ……』
勇者「 」デロッ
魔王娘「なっ! なんでいきなり腹の中のもん召喚するんじゃ! 背中さするか!?」ナデナデ
勇者「おぇえぇええ……紙、紙あってよかった……」
『あっ、あんっ! やぁんっ!!』
『はぁはぁ! ふぅ! はぁはあはぁ! おおおっううう!』
魔王娘「な、なんの声じゃ。中で何しとるんじゃ?」
勇者「もう俺かえる」
魔王娘「どこへ……? この床にちらばった昼飯片付けんでええのか!?」
勇者「しらない。もうむりここにいたら死んでしまいます」
魔王娘「おいシャキっと歩かんか危ないぞ」
94:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 19:51:43.38 ID:2BzZw37Xi
散々だな……
95:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 19:51:51.04 ID:yi5t7xY5i
これは勇者ヨシヒコも裸足で逃げ出すレベルの災難
97:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 19:52:35.85 ID:nx15iXXoP
流石に可哀想になってきた
ハーレムはともかく賞与もなしとか
98:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 19:53:23.66 ID:
GCUXPLjh0
【城外】
門番「おつかれしゃっすwwwせんぽあいどしたスかwwwww」
勇者「……」
門番「しぇんぱい?wwwwちょまっwww身投げはやめましょうやwww」ガシッ
魔王娘「おい何しとるんじゃ! 危ないんじゃ!」ガシッ
勇者「うるせー! 殺せー! しなせろー!」
魔王娘「一体どうしたというんじゃ!」
勇者「どうしたってあはは王様がっ姫がっっいひひっひひひひやべぇもうだめだ」
門番「そっすよ人生笑っときゃいいんすわwwwwwんふふふ!」
魔王娘「姫は何をしとったんじゃ? いやに艶やかな声が響いとったが」
勇者「何ってナニしてたんだろうがよぉ!!」
魔王娘「だから何じゃ!???」
106:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 19:56:57.12 ID:
GCUXPLjh0
勇者「あぁ……これが咎か……」
魔王娘「人生うまくまわらんもんじゃのう」
魔王娘「むしろわしの父を討ってすべての運を使い果たしたとしか」
勇者「それありえるわ……だってあいつ、あろうことか滑ってころんだもん」
魔王娘「最近ずっと寝る前に足痛い足痛い言うとったからのぅ……」
勇者「俺はどうしたらいいんだ……一体なんのために魔王と戦ったんだ」
魔王娘「おかしな事を言うのう。全世界のために、じゃろ?」
勇者「あ、おう……まぁな。でもさすがにその結果がコレじゃ堪えるぜ……」
魔王娘「住む家はないのか?」
勇者「借家ならあったけどそんなもん旅にでたとき引き払っちまったよ」
魔王娘「そうか。いま金ないんじゃったな」
勇者「親父もおふくろももういねぇしなぁ。あー」
魔王娘「こうなった以上頼れるのはわしだけじゃな!」ピョンピョン
108:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 20:00:41.62 ID:
GCUXPLjh0
勇者「僧侶ちゃんもだめ、戦士ちゃんも盗賊ちゃんも……王様もだめ、姫もだめ……もう俺はおしまいだぁ!」
僧侶「私たちの何がだめなんですか?」
勇者「おわっ! 僧侶ちゃん! と盗賊ちゃんと戦士ちゃん!」
僧侶「まだこんな所ほっつき歩いてたんですか」
勇者「いや、今しがた王様に……報告を」
盗賊「へぇもう褒美もらいに行ったのか。さすが強欲の塊!」
勇者「でもな……」
僧侶「わたしたちいまから三人でご挨拶に参るんですよ! うふふ」
勇者「あ、そうなんだぁ……アハハハ」
戦士「私は騎士団入りを正式に認めてもらうために!」
僧侶「私は大僧正あての推薦状かいてもらうんです! 大聖堂のシスターって素敵じゃないですか?」
盗賊「私は旅の資金をもらって世界をまわるよ。今度はゆっくりとな」
勇者「いやお前ら……聞け……実はな」
112:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 20:04:29.41 ID:
GCUXPLjh0
……
僧侶「う゛ぞっ。その話ほんとですか!?」
戦士「まじかよ……」
盗賊「はぁ……お前の泣きべそをみると冗談じゃないんだろうな」
勇者「そうなんだって……」
魔王娘「あげくの果てに姫が部屋でナニをしとってな」
僧侶「ナニ? 何ですか?」
勇者「やめてもう思い出したくない」
盗賊「……ま、こうなった以上はしかたない」
戦士「そうだな。おのおので何とかするしかねーよ」
勇者「なんで割り切れるんだよぉ……大臣しめあげてごっそりもらおうぜ」
盗賊「さすがに強盗とか脅迫は気が乗らないなぁ」
116:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 20:05:44.38 ID:UsugFRwx0
盗賊が盗賊なのにまともなこと言ってる
117:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 20:05:56.52 ID:yi5t7xY5i
盗賊ちゃん衝撃のカタギ発言だな
118:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 20:07:13.83 ID:
GCUXPLjh0
僧侶「はー、とりあえずの金策から考えないとですねぇ」
魔王娘「なんじゃ、金がないとなにもできんのかこの国は」
勇者「そういうもんなんだよ」
魔王娘「そうなのか、わしは姫じゃからそんなこと気にしたことなかった」
盗賊「勇者はこの子と結婚したら安泰じゃないか」
魔王娘「そうじゃぞ! いいこと言うのう!」
勇者「金が多少あってもめんどくせーのはごめんだっつの」
戦士「へぇ結婚かぁ。野暮な話だけど魔王家は実際どれくらい蓄えが……」
魔王娘「うーん……」
勇者「1万Gか? 10万Gか? なんにせよお前みたいなちんちくりんはごめんだけどな」
魔王娘「ざっと1億くらいじゃの」
「「「「1億!?!?」」」」
124:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 20:13:13.00 ID:
GCUXPLjh0
勇者「お、おま……1億って……」ガタガタ
魔王娘「なんじゃ血相かえて」
盗賊「0の数まちがってない!? ていうか通貨は!? Gなの!?」ユサユサ
魔王娘「間違っとらん! ばかにするな! 金もお主らが使っとるのと同じやつじゃ!」
勇者「お、おおおおっ、お前さっき食べたスパゲチィの値段おぼえてるか!?」
魔王娘「二人で14Gくらいじゃったのう。えらく安くて気に入ったってわしは言ったぞ」
勇者「うおおおおマジで1億G!? 何万回パフパフ屋いけんだよ!!!」
戦士「高いお酒飲み放題だな……」ジュル
僧侶「礼拝堂いくつ建てられるでしょう……」ゴクリ
盗賊「国家予算じゃなくて君の家の資産なんだよな!? な!?」ユサユサ
魔王娘「そうじゃと言っとるじゃろ無礼な」
盗賊「よし勇者。私とも結婚しよう。ていうかして」ポンッ
僧侶「勇者さま、末永く私が幸せにいたします」ペコッ
戦士「勇者。好きだ。お酒より好きかもしれない」ガシッ
勇者「お、おおお!?」
126:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 20:14:05.78 ID:RFXn7cwp0
クズ過ぎワロタン
127:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 20:14:34.78 ID:FuzxXjzl0
これは勇者が人間不信になるレベル
130:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 20:15:34.28 ID:RmpPWSUu0
>>127
勇者も同列のクズだしそれはない
128:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 20:14:53.40 ID:dhs9znkB0
つまり俺も金さえあれば・・・
131:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 20:15:41.16 ID:zen48fs+O
>>128
一生ないけどな…
134:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 20:17:31.04 ID:
GCUXPLjh0
魔王娘「どうしたんじゃ? さきとは打って変わってモテモテじゃのう。じゃあついでにわしも結婚してくれ!」
盗賊「うん! ていうかお願いします勇者と結婚してあげてくださいお姫様!」
勇者「なんでお前が許可してんだよ!!」
魔王娘「ふふ……勇者、よかったのぅ丸く収まって///」
勇者「いや……まぁ丸く……丸い、よな?」
僧侶「はい!」
勇者「よ、よっしゃああああ丸い!!! 全員結婚しようぜぇ!! 多重婚だ!!!」
勇者「きた……ついに我が世の春がきた!!!」
勇者「さっそく子作り三昧だぁあ!! うひ、うひひひ」
魔王娘「あ、でも金は人間たちにほとんど全部没収されたんじゃった」
魔王娘「だからいまは手元に2000Gしかないんじゃスマン」
盗賊「 解 散 。さよなら勇者お元気で」
僧侶「いましがたの婚約を破棄させていただきます」
戦士「右に同じ。さぁて仕事さがすか。そんなうまい話があるわけないんだよ結局」
勇者「はぁ……?」
146:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 20:22:36.73 ID:
GCUXPLjh0
魔王娘「おぬしらどうしたんじゃ気まぐれな」
勇者「はぁぁあ……・?」
魔王娘「な、なんじゃ……? そんなジッと見つめんでくれ///」
勇者「お前……」
魔王娘「ん/// 照れるぞ」クネッ
勇者「お前ええええええ!!!」
ガシッ グリグリグリグリ
魔王娘「あががが痛い痛いんじゃなにするんじゃ!!!」
勇者「ちくしょー! なんの恨みがあるんだよお前! あ、さてはそうか! 俺への復讐か!!」
勇者「親父を倒した俺にとびっきりの不幸を届けに来たんだなあああ!! あれもこれもお前のせいだああ!!!」
魔王娘「ご、誤解じゃ! わしは何もせんし、しとらん!」
勇者「だったらどうしてぇ……」ガクッ
150:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 20:24:51.35 ID:
GCUXPLjh0
魔王娘「2000Gじゃちょっと少ないか?」
勇者「うん……」
魔王娘「でも愛はいっぱいじゃ!!」
勇者「気持ちはうれしいけどよぉ……お前……魔物じゃぁああん……」シクシク
魔王娘「……やはり種族の垣根を越えるのはそう容易ではないということか」
勇者「いや俺の個人的な好みの話なんだけどな。普通に魔族と結婚する人とかいるし」
魔王娘「やっぱり器が小さいんじゃお主は」
勇者「自分のことはよく知ってる。あいつらのこともよくわかってる……」
魔王娘「だんだんかわいそうを通り越して哀れになってきたぞ」
勇者「早く俺に愛想をつかせてくれ……」
魔王娘「勇者……」
151:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 20:25:56.67 ID:9Nl5tLvq0
魔王娘に幸あれ!
155:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 20:28:09.77 ID:RmpPWSUu0
156:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 20:28:26.69 ID:
GCUXPLjh0
僧侶「はぁ、いつになく落ち込んじゃってますね。こうなったらめんどくさいですよこの人」
魔王娘「おお! 乳の女、まだおったのか」
僧侶「やめてくださいそんな呼び方」
僧侶「ちょっと気になって戻ってきただけですよ。私だっていまのところアテがないですしね」
勇者「そうりょちゃん……」グスッ
僧侶「ほら、鼻水ふいてください。ちーんして。カッコ悪い」
勇者「優しいな。毎朝スープつくってくれ」
僧侶「はい? スープ? それくらいかまいませんけど……」
勇者「 本 当 に !? 」
僧侶「え? ん……? うーん……あっ!」
僧侶「そ、そういう意味ならお断りします! 私、旦那様にするなら紳士な人って決めてるんで」
160:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 20:33:06.24 ID:
GCUXPLjh0
勇者「さっきは自分から婚約申し込んできたのに……」
僧侶「あれはちょっと……あまりの大金と場の空気に気が動転しただけです! 今思えばなんてはしたない事を」ペコリ
勇者「だよなー! 1億Gは人間狂うわ。うん僧侶ちゃんのせいじゃないよ大好き。あははは」
僧侶「はい、恥ずかしながら精神の修行がまだまだ足りないってことですね、うふふ」
魔王娘「なんか仲良いみたいじゃ……」
勇者「みたいじゃなくて! 良いんだよ仲! な?」
僧侶「えぇ、なんだかんだで長い旅の付き合いですしねぇ」
勇者「だろぉ? 仲間のよしみで養ってくれよ」
僧侶「お仕事さがしたらどうです?」
勇者「だって俺勇者だぜ?」
僧侶「……え?」
勇者「あ、聞こえなかった? だって俺ってば勇者だぜ?」
僧侶「無職の間違いでしょう?」
勇者「……」
163:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 20:37:43.28 ID:
GCUXPLjh0
僧侶「私、なにもしないぐうたらな人なんて断じて御免ですからね」
勇者「……う゛、なんかまた吐き気が……」
魔王娘「そうかおぬし無職か」
勇者「嘘だろ……魔王を倒したのに無職!? ていうか倒したゆえに無職!?」
魔王娘「乳の女は無職じゃないのか?」
僧侶「私は僧侶の資格も薬師の資格ももってますから」
魔王娘「なるほど、できる女と言うやつじゃな」
勇者「僧侶ちゃんすげぇだろ!? さすが俺の妻だよな」
僧侶「はいはい。で、無職の旦那様はこれからお仕事探されるんですか?」
勇者「旦那様っていった!?」
僧侶「の、ノリですよ……馬鹿ですねぇ」
僧侶「それにさっきも言ったとおり私紳士な人が好きなので」
勇者「じゃあ仕事を探して紳士になったら結婚してくれる!? 子作り三昧してくれる!?」
僧侶「う゛……うーん……そんなこと言ってる時点で紳士になれない気が」
165:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 20:41:09.76 ID:
GCUXPLjh0
僧侶「それになれたとしてもお約束なんてできませんよ……そりゃあ多少好きになる努力はしてみますけど」
勇者「すこしでも僕の方に傾いてくれるなら僕は君のためになんでもやるよ!」
魔王娘「なんでいまさら僕っていうんじゃきもいんじゃあ」
勇者「おまえはひっこんでろ」スコン
魔王娘「ぎゃっ」
僧侶「あ、そういうの減点ですよ。暴力なんてもってのほかです」
勇者「うぐ……」
魔王娘「やーい怒られとる」
僧侶「あ、じゃあこういうのはどうです?」
勇者「?」
僧侶「一週間あげます。その一週間は仕事をさがしつつ、その子に紳士的な振る舞いをしてあげてください」
勇者「お、おおお!?」
166:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 20:44:10.39 ID:
GCUXPLjh0
勇者「紳士的ってこいつに対して!?」
僧侶「紳士とは常に人に平等です」
勇者「こいつ人じゃないよ」
魔王娘「魔物じゃ。怖いぞー」
僧侶「……ゴホン、イインデスヨそんなの気にしなくて」
勇者「じゃあこいつに紳士的態度をとって、なおかつ仕事がみつかったら僧侶ちゃんその時は!」
僧侶「……はい、がんばって好きになってあげます……たぶん、きっと」
勇者「たぶんとかずるいよ! 俺のしってる僧侶ちゃんはそんな曖昧なこと言わない」
僧侶「……じゃあなります」
勇者「 神 に 誓 っ て ? 」
僧侶「ウグ……ち、誓います」
勇者「よっしゃああ!」
171:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 20:48:14.85 ID:
GCUXPLjh0
勇者「聞いた!? 聞いた!? 神に誓うって!」
魔王娘「神に誓って好きになるってなんじゃ。ままごとか」
勇者「ちがうって。俺たちくらいの歳になると好きの延長線には結婚しかねーの」
僧侶「……」ジトォ
勇者「だよね!? そういう意味で誓ったんだよね!?」
魔王娘「なるほど」
僧侶「あ、あっ、でも少しでも紳士的な態度を崩したらその時は、これ以上のご縁は無かったということで!」
勇者「はい!!」
僧侶「それじゃあがんばってくださいね」
勇者「え、行っちゃうの!?」
僧侶「私も教会をまわって仕事場を見つけなくちゃだめですから、さよなら」
勇者「残念……」
173:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 20:52:22.98 ID:
GCUXPLjh0
魔王娘「またふたりっきりじゃな」
勇者「……やった……僧侶ちゃんとグフフ、結……グフ」
魔王娘「紳士のう……」
勇者「よし、俺いまから紳士だから。お前も紳士相手の振る舞いってものを考えろよド田舎娘」
魔王娘「はあ……」
勇者「ゴホン。では仕事を探しに行こうかお嬢さん。ついてきなさい」
魔王娘「……なんだか思ったより人生楽しそうじゃな」
勇者「はっはっは。勇者は廃業した。俺は紳士だ」
魔王娘「無職の、をつけ忘れとるぞ」
勇者「なぁに一週間もあれば道具屋の見習いくらいにはなれる」
魔王娘「あれほど下働きはしたくない言うとったのに……」
勇者「僧侶ちゃんはいつも俺のやる気に火をつけてくれるのさ」
魔王娘「あやつも罪な女よのぅ……」
176:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 20:56:38.85 ID:
GCUXPLjh0
……
僧侶「それでは一週間よろしく頼みます」
盗賊「うん。しっかり監視するよ」
僧侶「うふふ、どうせ勇者さまのことです。3日も経てばあの子を買収か懐柔にかかるでしょう」
盗賊「あのチビッコは勇者に心底惚れてるみたいだしね」
僧侶「態度を崩したらすぐに報告してください」
盗賊「任せてくれ。ヌカリはない」
盗賊「尾行や隠密行動は大の得意だ」
僧侶「はい」
盗賊「報酬は二割引きでいいよ。仲間だからな」
僧侶「え゛っ、ちょ……お金、え?」
盗賊「任務開始」 ヒュン――
僧侶「……あの……お金…とるんですか……?」
183:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 21:02:14.56 ID:
GCUXPLjh0
……
【繁華街】
道具屋「はぁ、元勇者ねぇ……」ジロジロ
勇者「はい。剣の腕には多少自信があります」
道具屋「じゃあ行商屋に弟子入りしたら? ここは平和だから剣の腕なんていらんよ」
勇者「いえ、行商屋では毎日子作り三昧ができませんので」
道具屋「はあ……? そちら奥さん?」
魔王娘「うむ!」
勇者「いえとんでもない……まさか道具屋さん、あなたも『視える人』だったとは。ますますご縁があることでしょう」
勇者「視える人にしか視えないこの悪霊、じつはとんでもなく格の高い困った奴でしてね例えば寝てる間に商品を」
道具屋「悪霊憑きを雇う気なんてないよ。帰った帰った」
勇者「え、待って俺なら仮に悪霊からでも商品を守って見せますよっていうアピールを」
道具屋「あんた、絶対騒動引き起こすタイプだから。俺にはわかる、じゃあな」
186:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 21:05:08.12 ID:
GCUXPLjh0
魔王娘「これで四軒目じゃな」
勇者「……クッ」
魔王娘「まったく、人を悪霊に仕立て上げおって」
勇者「悪霊ならまだましだ……お前はそう、俺にとっての貧乏神だよ」
魔王娘「魔王の娘じゃ! 噛むぞ!」
勇者「にしてもなんだ、どいつもこいつもあの取りつく島のなさは……そ、そうか!」
魔王娘「なんじゃ、いつも一人で納得するのはやめい」
勇者「平和になった代償に、職にあぶれた奴が巷を埋め尽くしてるんだ」
魔王娘「どういうことじゃ」
勇者「たとえばよー、いままでは国の予算で国境に兵隊とか置いたり、傭兵雇ったりしてたろ?」
勇者「平和になったら兵隊なんてそんなにたくさんいらないからなぁ」
魔王娘「なるほど……就職難というやつじゃな?」
188:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 21:09:02.01 ID:
GCUXPLjh0
勇者「まずい……この街には思ったより仕事がないのかもしれない……」
魔王娘「はよう探さんと」
勇者「魔王たおしたあと浮かれて豪遊してる場合じゃなかったな。いやあのときはまさかこんなことになるとは」ブツブツ
魔王娘「父上にまさかそれほどの影響力があるとは思わんかったぞ」
スロット
勇者「こうなったら魔法の機械で……」
魔王娘「だ、だめじゃあこれ以上人間が腐ったら二度と紳士にはなれんぞ!」
勇者「……そうだったな」
魔王娘「やはり剣の腕を思う存分活かせる仕事がむいとるんじゃないか?」
勇者「うーん……あんまり好きじゃないんだけどなぁ」
魔王娘「ほれ、仲間に剣をもった娘っ子がおるじゃろ? あやつはどうしたんじゃ?」
勇者「なるほど、戦士ちゃんが仕事をみつけたなら俺も縁故でなんとか潜り込めるかもな」
魔王娘「探すんじゃ!」
190:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 21:12:52.76 ID:
GCUXPLjh0
【守備隊-兵舎-】
戦士「え? 剣士になりたい?」
勇者「そうなのだ」
戦士「なのだ?」
勇者「俺も戦士ちゃんと一緒に世のため人のために剣を振るいたいんだよ」
戦士「といってもなぁ。私は単純に元の鞘にもどったというか」
勇者「え?」
戦士「ここ、もともと私が旅立つ前にいた街の守備隊の兵舎なんだ」
勇者「あー……あー……」
戦士「どういう心変わり? できれば剣はもう使いたくないって言ってたよな?」
勇者「ははは……あまりに仕事がなくて、この際しょうがねぇかなって」
戦士「そうなんだ? うーん、どうしよっかな。私の一存じゃどうにもならないんだよな」
192:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 21:16:43.77 ID:
GCUXPLjh0
戦士「兵士長にあってみる?」
勇者「紹介してくれるのか!?」
戦士「うん、勇者ならきっと受け入れてくれるんじゃないかな」
魔王娘「そりゃよかったのう!」
勇者「おう! あの、ちなみにここは人員整理はされてないの……?」
戦士「なにを気にしてるんだらしくない」
勇者「え、でも俺が入りこめる余地なんてあるのかなぁって」
戦士「大丈夫! 次の戦いにむけて少数精鋭の手練をあつめてるところだ!」
勇者「次の戦い……はぁ、大臣のおっさんもなんかそんなこと言ってたな」
魔王娘「人間は戦ってばっかりで大変じゃのう」
戦士「いましがた世のため人のためって言ったろ?」
勇者「うん……紹介して」
……
195:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 21:20:41.25 ID:
GCUXPLjh0
兵士長「ほう、噂には聞き及んでいたが、まさか君のような青年とはな」
勇者「恐縮です兵士長殿」
兵士長「歴戦の勇者と言うほどだ、もっと顎髭などを蓄えたたくましい豪傑かとおもっていたが」
勇者「正直ルックス的には兵士長のほうが勇者には向いてるかとおもいます」
兵士長「わはは! 俺の手にかかれば魔王なんぞイチコロだったろうよ」
魔王娘「なんじゃと! お前みたいな中途半端な髭もじゃに父上gもがふがフガ」
勇者(こらっ、あほっ! 面接中だぞ!)
魔王娘「ふがふが」ジタバタ
兵士長「? その子は?」
勇者「あーえっと、妹です。いえ嘘です従姉妹でした」
兵士長「ほう、君ににて勇ましいな」
魔王娘「失敬な。こいつと一緒にせんでくれ」
兵士長「ははは。ずいぶんと気が強い」
197:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 21:22:58.12 ID:
GCUXPLjh0
勇者「で、兵士長! 俺、腕にはそこそこ自信があります!」
兵士長「ほう! では試してみるか、入隊試験だ」
勇者「……」ゴクリ
兵士長「戦士、相手をしてやれ」
戦士「わ、私ですか!?」
勇者「げぇ! 戦士ちゃん!?」
兵士長「君なら俺以上によく知ってるだろうが、コイツは優秀な兵士だ。君ほどの相手には十分だろう」
勇者「……よし、わかりました」
戦士「兵士長がそういうなら……」
兵士長「広場へでよう。危険ですので付き添いの方はこちらへ……」
魔王娘「がんばるんじゃぞ勇者!」
勇者「おう!」
200:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 21:26:43.25 ID:
GCUXPLjh0
【訓練場】
勇者「うお、こんなにギャラリーがつくのか」
戦士「お前と私、世紀の戦いといっても過言ではない……ごめん言いすぎた」
勇者「ところで兵士長は? 見守ってくれるんじゃないの?」
戦士「あれ? どこいったんだろう」
勇者「ふうー緊張してきた」
戦士「私と刃をまじえるのは出会った頃以来だな」
勇者「おもいだしたくもねー、あの時はこてんぱんにされたからな」
戦士「むろん今回も手は抜かないぞ」
勇者「当然! っとそのまえにちょっといいかな?」
戦士「え?」
勇者「お花をつみに……へへへ」
戦士「相変わらず緊張に弱いなァ……すぐ戻れよ。あそこの通用口入って右に曲がればすぐだから」
勇者「どうもすみません、みなさんすぐ戻りますのでどうぞそのままで~」ペコペコ
201:
忍法帖【Lv=34,xxxPT】 :2012/05/17(木) 21:27:36.95 ID:2dCAI6c70
お花……
203:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 21:28:13.53 ID:ba1Fsavji
こいつ外面は良いな
204:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 21:31:27.62 ID:
GCUXPLjh0
……
魔王娘「わしらはどこへ行くんじゃ? 特別席かいのう」
兵士長「……」
魔王娘「勇者は強いぞぉ! お主も一度戦ってみるといい!」
兵士長「……ふっ、まさか。着いたぞ」
魔王娘「なんじゃここは。なんもないぞ」
兵士長「ここは、お前の処刑場だ」
魔王娘「え……?」
兵士長「ふ、ふふふふ、ははは! 俺は運がいい」
兵士長「まさか次の目標がのこのことやってくるとは」
魔王娘「な……」
兵士長「お前が魔王城から消えたと報告されたのち、あちこちの街で目撃情報が入るようになった」
魔王娘(こやつ……!)
兵士長「覚悟はいいな? 子供であろうが容赦はせんぞ」
209:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 21:35:03.80 ID:
GCUXPLjh0
兵士長「魔王の娘……お前を殺せばすべて片がつく」
兵士長「人に化けて勇者に近づき、仇討ちの隙をうかがっていたか悪魔め」ジャキン
魔王娘「ちが……わしは勇者の!」
魔王娘「そ、その物騒な剣を収めるのじゃ!! 絶対痛いじゃろそれ!」
兵士長「もはや問答無用! 残党狩りは俺たちの使命! 成敗!!」ギラリ
魔王娘「ひぅ!! 助っ」
ギィィィン……
兵士長「……なに……? 防いだ……?」
魔王娘「はぅ……?」パチクリ
勇者「あー、あーあー。お手洗いをさがしてるんですが迷ってしまって……」
魔王娘「勇者……」
兵士長「……なぜ邪魔をする。いまごろ君は戦士と戦っているはずだが?」
勇者「兵士長いなくちゃ始まるもんも始められませんよ。やだなぁ」
210:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 21:36:42.53 ID:pz+yM40P0
勇者がかっこいい・・・だと?
211:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 21:37:14.06 ID:VavpQh720
紳士的だ
212:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 21:38:06.35 ID:
GCUXPLjh0
兵士長「それよりいますぐ剣を引け。いいか勇者、この娘は」
勇者「あ、やべ! すんません兵士長! 入隊の話はやっぱ無しで! 俺実は剣の腕なんてたいしたこと無いんですよ」
兵士長「ほぅ……やはり運のいいだけの男か、私の見込み違いだったようだ」
勇者「つーわけでさよなら! おい行くぞ」
魔王娘「う、うむっ」
兵士長「ま、待て! その娘はおい! 聞け! お前は魔物に騙されているんだ!!」
兵士長「……とまれ!」
兵士長「逃したか……なんて逃げ足の速さ」
兵士長「騙されている……? いや、違う……何が目的か知らんが」
兵士長「あいつは魔物の味方をしている……これは許されるものではない」
兵士長「逆賊だ!!」
218:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 21:40:34.48 ID:
GCUXPLjh0
兵士「兵士長! なにごとですか!」ドタドタ
兵士長「逃げられた以上はしかたあるまい」
兵士長「お前たち、いますぐ勇者とその一味をひっとらえろ、まだこの街にいるはずだ」
兵士「兵士長!? なぜ勇者様を」
兵士長「やつらは魔物に肩入れし、その身を匿う悪魔の手先だ」
兵士「まさか勇者殿が……信じられません」
兵士長「俺のことは信用ならんか? 今俺がこの目でみたのだ、そして目標の処刑を阻止された」
兵士「な、なんと! 魔王の娘がこの街に!?」
兵士長「あぁアイツの連れの小さい女がそうだ。しかしこれは好機。この街で片をつけるぞ」
兵士「は!!」
……
222:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 21:44:19.08 ID:
GCUXPLjh0
【街の宿屋】
勇者「……っぶねー」
魔王娘「勇者ァ……」ヒシッ
勇者「あー、やばかった。兵士長まじこええ。あれ絶対何人か殺っちゃってる目だぜ」
魔王娘「勇者ぁ、わし怖かったー」スリスリ
勇者「あぶなかったなー」
魔王娘「ありがとう助けてくれてぇ」
勇者「当たり前だろ……お前に傷ひとつでもつけたら……約束が違うから」
魔王娘「約束……なんのじゃ?」
勇者「……」
魔王娘「まさか……なにか父上と……?」
勇者「紳士にしないと僧侶ちゃんと結婚できないじゃん!」
魔王娘「が……」ガクッ
勇者「あと一週間まもりきれば、うん!」
魔王娘「お、おいその後は見捨てる気か! 正気か! 妻じゃぞ!」
223:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 21:48:48.71 ID:
GCUXPLjh0
勇者「いいかよく聞け。お前は魔物だ。しかも最悪なことに魔王の娘だ」
魔王娘「そうじゃが……」
勇者「残念だけど、どんな目にあってもしかたない、ここは人間の国だ」
魔王娘「そんなのって非道じゃ」
勇者「でも! 俺が守ってやるから」
魔王娘「一週間だけじゃろ……?」
勇者「だから死にたくなけりゃ、その後は安全な場所へ逃げろ。それはお前の自由だ」
魔王娘「とはいってものう……いまさら安全な場所なんて……それにおぬしと離れるのも嫌じゃ」
勇者「とにかく言えるのは、俺といても危険ってことだな」
勇者「魔物には魔物の帰る場所があるんだ。お前もこの街に来てわかっただろ?」
勇者「強制はしないけど、俺は他人の生き死にに責任はとれない」
魔王娘「うぅ……」
……
224:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 21:51:35.37 ID:1tjgUFFDO
勇者が何故勇者なのかちょっと理解出来た
225:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 21:53:10.32 ID:IpcZrm5tO
まるで勇者みたいだ
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勇者「世界も平和になったし、後は子作り三昧の毎日だな!」【後編】
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