前→勇者「世界も平和になったし、後は子作り三昧の毎日だな!」
231:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 21:59:53.11 ID:
GCUXPLjh0
戦士「兵士長! これはどういうことです!」
兵士長「お前も運がいいのか悪いのか」
戦士「鎖を外してください!」
兵士長「だめだ。事が済んだら開放してやる」
戦士「事……?」
兵士長「俺たちの次の戦い、何だか知っているか?」
戦士「いえ、私は隊に復帰したばかりですので」
兵士長「なら教えておかねばならんな。魔王軍の残党狩りだ」
戦士「残党狩り……魔王軍にもう戦意はありません……なんて無意味な」
兵士長「その内で俺たちの任務は最も重要な魔王一族の打倒」
戦士「魔王の娘……!」
兵士長「哀しいなお前も共犯だったとは。奴は俺たちの獲物だ。あとはわかるだろ?」
戦士「でも、あの子に罪は…」
兵士長「お前も小僧同様に肩入れするのか? 俺を悲しませないでくれ最愛の弟子よ」
戦士(勇者……・・お前はどうするつもりだ……)
234:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 22:03:42.10 ID:
GCUXPLjh0
……
僧侶「キャッ! きゃあちょっとなんなんですかあなた達ずかずかと! ここは神聖な場所ですよ!」
兵士「ええい黙れ魔物の手先め!」ジャキン
僧侶「えぇ!? 私は勇者様の一味ですよ!! 無礼です!! 訂正しなさい!」
兵士「その勇者が魔物の仲間だと判明した」
僧侶「ゲッ……」
兵士「なんだ今の可愛い顔は! どうした? まさか知らなかったとでも……?」
僧侶「……。え~~びっくりです~~っっ!」
兵士「しらばっくれるな! いいから我々と来い!」
僧侶「うう……せっかくお仕事にありついて平和な毎日を過ごせるとおもったのにぃ……」
僧侶(も~~勇者様のばかぁ。ほんとロクなことにならないんですから)
兵士「にしても君可愛いな。どう、疑いが晴れて解放されたら一杯やらない?」
僧侶「お断りします!」ムカッ
237:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 22:07:32.43 ID:
GCUXPLjh0
……
盗賊「二重尾行か……参ったな」
兵士「勇者の仲間の盗賊だな? さぁ我々と来い」
盗賊「うーん……」
兵士「お、それにしても君美人だな。どう、疑いが晴れて開放されたら一晩ご一緒しない?」
盗賊「まいったな……」
兵士「ねぇねぇ。お、おいどこへっ!」
盗賊「私を捕まえようだなんて甘かったね」
兵士「速いぞ! 追いかけろ!」
盗賊(これ、やっぱまずい状況だよなぁ……)
盗賊(勇者も見失っちゃったし。本気でそろそろずらかる準備しようかな)
240:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 22:12:05.46 ID:
GCUXPLjh0
【街の宿屋】
勇者「今日はここに身を隠すか」
魔王娘「でも宿泊費がないんじゃ」
勇者「お前2000Gはどうした」
魔王娘「家じゃ」
勇者「げっ! なんでそんな大事なことを今いうんじゃよ」
魔王娘「聞かれとらんし」
勇者「聞かれてなくても言うべきことは言わなきゃだめなんだよ!!」
魔王娘「うう……」
勇者「ほかに何かいってないことはないか」
魔王娘「えっとえっと……あ!」
勇者「なんだ。ろくな事じゃなかったらそのちっこいツノ更に短くしてやるからな」
魔王娘「そういえばわし、魔族と人間の混血じゃ」
勇者「あ……?」
242:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 22:15:04.44 ID:
GCUXPLjh0
魔王娘「……なんじゃ? それでもわしは誇り高い魔王の娘じゃ!」
勇者「混血……うん、言われてみれば」
魔王娘「なんじゃ? 人の顔をじろじろみて、恥ずかしい///」
勇者「お前の親父は青白い肌してたもんなぁ」
魔王娘「あれは貧血じゃが」
勇者「んなわけあるか!」
魔王娘「記憶の中での母上は色白で美人でのぅ。おまけに乳がでかかった」
勇者「ほぅ、会ってみたいな。美人かぁ、ほぉ」
魔王娘「でも母上はもうこの世におらんでの……」
勇者「……そうだったな」
245:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 22:19:34.91 ID:
GCUXPLjh0
魔王軍「美人薄命というやつじゃ。そう考えるとわしももう長くないかもしれんのぅ」チラッ
勇者「……へー」
魔王娘「父上もどこぞの誰様に殺されてしもうたし」
勇者「いやおまっ、やめろよしみったれた話するの。死生観違うっつったろ」
魔王娘「気にしとらんぞ! 父上は勇者に負けるのは本望じゃ言うとった!」
魔王娘「お主のことをずっと待ちわびてじゃ! 宿命じゃからな! おぬしもそうじゃろ?」
勇者「俺は魔王に殺されるのはこれっぽっちも本望じゃねーけどな」
魔王娘「……人間に殺されるのは?」
勇者「フッ……もっと御免だぜ」
魔王娘「ほぁ……今の顔かっこええのう。もう一回やって!」
勇者「……もっと御免だぜ!」
魔王娘「おぉ……! かっこいいんじゃ」
勇者「俺はだんだん調子にのるからそこらへんでおだてるのはやめときな」
247:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 22:21:22.92 ID:FuzxXjzl0
いいコンビだなwww
249:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 22:23:02.29 ID:
GCUXPLjh0
魔王娘「それよりお主の仲間の三人娘は無事かのぅ」
勇者「……うん、心配だ。戦士ちゃん、うまく逃げてるといいけど」
魔王娘「不安じゃな……」
勇者「それに僧侶ちゃんはとってもか弱いからな……」
魔王娘「見るからにな」
ダークネスドラゴン
勇者「暗黒大陸で絶望の飛龍とやり合ったときは、漆黒の炎二発でたおれちゃったし」
魔王娘「一発耐えたんじゃな……」
ガーディアンゴーレム
勇者「魔王城で門番の巨像にふみつぶされた時はさすがにダメかと思ったよ」
勇者「みんなで駆け寄って手握って泣いちゃったもん」
魔王娘「以外とあの小娘も苦労しとるんじゃな」
250:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 22:25:17.43 ID:uOyh7ED3O
なんだその厨二っぽい名前と僧侶の防御力
252:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 22:28:12.45 ID:tK10tF+Si
守備高いのな
254:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 22:28:37.89 ID:
GCUXPLjh0
勇者「僧侶ちゃんは黒焦げになってもぺしゃんこになっても俺についてきてくれる健気な子だよ」
魔王娘「おぬしが惚れるのもしかたあるまい。悔しいが闇に葬ることにしよう」
勇者「その時は俺がお前を光に変えてやる」
魔王娘「もうひとりおったじゃろ、あの細い女はどうなんじゃ?」
勇者「盗賊ちゃんはまぁ強いし速いし頭も回るしなんとかなるだろ」
魔王娘「信頼しとるんじゃな。ええ仲間じゃ」
勇者「信頼か。もちろんだ! 俺たちはずっと一緒に旅してきた仲だからよぉ!」
魔王娘「その割におぬしの扱いが雑な気がしたが……」
勇者「飯にすっか!」
魔王娘「都合の悪いことは聞こえん耳なんじゃな」
263:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 22:33:10.12 ID:
GCUXPLjh0
……
勇者「あー食ったくった。風呂入って寝るかぁ」
魔王娘「寝るのか? 明日からどうするか考えんのか?」
勇者「考えてもしゃあねぇよ。適当に逃げまわるしかない」
魔王娘「勇者ともあろうものが逃げまわるなんて情けないのう。倒せばいいじゃろう」
勇者「俺はいまは紳士だから。穏便にことを運びたいの」
勇者「……ていうかお前のせいでこうなってんだろうがぁ」グリグリ
魔王娘「うぎゅう……申し訳ないぃぃいいだだだ、紳士はどうしたんじゃああ」
勇者「おっと。あぶね」
魔王娘「乳の女にチクる」
勇者「やめろぉ! 俺は案外気が短いぞ」
魔王娘「よぅわかったわ!」
266:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 22:35:37.96 ID:
GCUXPLjh0
勇者「それと、いいか、外では絶対に帽子をとるな」
魔王娘「うむ」
勇者「角と尻尾さえ見えなきゃ人間の糞ガキにしかみえねーんだからよ」
魔王娘「わかっとる何回言うんじゃ」
勇者「じゃ、俺は風呂に入る。お前は先にねんねしてろ」
魔王娘「……むぅ、子供扱いはよさんか」
勇者「子供じゃねーか」
勇者「いいか。絶対おとなしくしてるんだぞ」
魔族「娘「ふんっ」
269:
誤字った:2012/05/17(木) 22:39:33.27 ID:
GCUXPLjh0
【風呂】
勇者「ふぅ~、あー生き返る。今日はさんざんだったなぁ」
勇者(にしてもきな臭いぜ)
勇者(魔物の残党狩りだぁ? そんなことしたって無駄に金も時間もかかってめんどくせぇだけだろうに)
勇者(あのおっさん、どうもガキを消して終わりって腹じゃねぇ)
勇者(こりゃもしかしたら俺も僧侶ちゃんたちも相当危ないか……?)
勇者(やっべぇなぁ。どうしよう)
勇者(明日は朝からみんなを探すか……)
魔王娘「ずいぶんうわの空じゃな」ヒョコッ
勇者「おわっ!! なんで入ってきてんだよ!」
魔王娘「気づかなかったのか? お背中流すのは妻の役目じゃ?」
273:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 22:42:23.52 ID:
GCUXPLjh0
勇者「……人が悩んでる時にずけずけと」
魔王娘「悩みを分かち合うのが夫婦じゃと聞いている」
勇者「……」ジトー
魔王娘「なんじゃ? どこみとるんじゃ///」
勇者「……・」ジィ
魔王娘「そ、そんなに見られたらわし……おかしくなってしまう///」
勇者「こういうのを発育障害っていうのかなぁ」
魔王娘「だからどこ見て言っとるんじゃ!」ベシッ
勇者「ってぇなぁ! お前それで俺と同じような歳とか、新手の詐欺だ!」
魔王娘「女の裸体を見てなんじゃその言い草は!」
勇者「俺は魔物相手に興奮する変態じゃないんでね」
魔王娘「なぬぅ。半分は人間みたいなもんじゃぞ!」
276:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 22:44:21.11 ID:FuzxXjzl0
パンツ脱いだ
279:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 22:46:17.46 ID:bqQmJWaJO
欲情しないとか勇者紳士だな…
280:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 22:46:26.28 ID:
GCUXPLjh0
勇者「考えてもみろよ。お前、ナメクジとかカエルの♀相手に興奮すると思うか?」
魔王娘「そんなもんと比べとるのか!!」
勇者「じゃあお前は魔族のくせに人間相手に興奮する変態ってことでいいな」
魔王娘「おぬし限定じゃが」
勇者「子作りしたいほどに?」
魔王娘「子作り三昧とやらをしたいんじゃ」
勇者「……」ピコッ
魔王娘「ぃだっ」
勇者「10年早い」
魔王娘「むっ」
勇者「だいたいお前……自分が子作りできるほど成熟した体だと思ってんのか?」
魔王娘「どういうことじゃ? 子作りどうやるんじゃ? ♀ならできるって父上から聞いとるが」
勇者「お、おいおい……」
285:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 22:48:37.60 ID:96sC7PquO
パンツ自然発火した
289:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 22:50:25.02 ID:
GCUXPLjh0
魔王娘「どうやるんじゃ!?」
勇者「知らないでいってたのか……!」
魔王娘「教えてくれ!」
勇者「教えるかあ! どこのド変態じゃ!」
魔王娘「子作りは変態なのか!?」
勇者「あぁそうだ。お前みたいなのと子作りしたら変態で大変だ」
魔王娘「そうか……がっかりじゃ。なにやらきもちいらしくて楽しみにしとったのに」
勇者「俺と僧侶ちゃんが子作りしてるとこならいくらでも見せてやるから、しっかり勉強してくれたまえ」
勇者「ま、それと俺がお前とするかは別問題だがな! あっはっはっは」
魔王娘「そろそろ泣いてもええか」
293:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 22:54:16.39 ID:
GCUXPLjh0
……
勇者「電気けすぞー」
魔王娘「うにゅ……真っ暗は嫌じゃ」
勇者「あぁ? 闇の国の住人が情けねぇ」
魔王娘「そばにいてくれるなら消してもええぞ」
勇者「おう。消した」
魔王娘「優しいのう大好きじゃ」ピトッ
勇者「いや俺も早く寝たいからな、勘違いすんなよ」
魔王娘「うふ、なんじゃ照れとるのか。暗くてもわかるぞ」
勇者「寝ろ」パスッ
魔族娘「ぐふふ」
300:
誤字は見逃せ:2012/05/17(木) 22:57:35.32 ID:
GCUXPLjh0
魔王娘「zzz」
勇者「……」
勇者「……魔王、か」
―――――
魔王『ぐふっ、見事……!』
勇者『勝負あったな! たった一瞬が命取りだぜ』
魔王『ふふははは俺が死んでも闇はいずれこの世に蔓延り』
勇者『あ、ちょっと待て死ぬ前に聞きたいことが』ガシッ
魔王『な……ぬ?』
勇者『お前の財宝全部よこせ。どこにおいてある!!』
魔王『ふ、ふふふ、ははははは! ガハッ』
勇者『やめろー! 死ぬなー! 魔王ー!』
戦士『とどめさしたのお前だろ』
盗賊『勇者! 締め上げてでも聞き出せ!! 爪とか剥げ! やれ!』
301:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 22:58:28.84 ID:big1A1Yx0
最悪やなこいつら
302:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 22:58:42.61 ID:FuzxXjzl0
これはひどい
306:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 22:59:59.45 ID:mQMC8pa00
こいつら全員盗賊だろ
307:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 23:00:01.87 ID:gXe628BtO
ワロタwwww
309:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 23:01:39.83 ID:
GCUXPLjh0
僧侶『はー早く街に帰ってお風呂はいりたーい』
戦士『あびるほど酒を飲みたい』
勇者『たっぷり貯めこんでんだろ!? なぁ!?』ユサユサ
魔王『ぐ……くくく、そんなにほしいか……』
盗賊『当然! 私たちはそれがなによりの目的だし!』
僧侶『それじゃただの押し入り強盗じゃないですか! 違いますって!』
魔王『勇者、貴様もか……・?』
勇者『おう! おら早く言え時間稼ぐな! くたばるぞ』
魔王『約束しろ、絶対に大切にすると……』
勇者『当然だろうが! へへへ財宝ってのは人の命よりもこの星よりも重いんだぜ』
盗賊『うんうん!』
戦士『それはどうだろう……』
僧侶『でもたしかに、私たちの旅の中で、お金があれば救えた人々もたくさんいましたよね』
戦士『この二人はあきらかに私利私欲な気がするけど……』
315:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 23:05:01.74 ID:tK10tF+Si
強盗はしたくないとか言った盗賊ちゃんはどこに
316:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 23:05:32.87 ID:
GCUXPLjh0
魔王『そうか……・ならこの鍵をもって三階の奥の部屋へ行け』
勇者『そこが金庫か!!』
魔王『俺の大切な大切な宝だ……! お前にならグハァ……くれてやる!!』
勇者『サンキュ! じゃあ死後やすらかにな! たたるなよ!』
戦士『軽っ!!』
盗賊『よし行こう!』
僧侶『えー私もう歩けませんよぉ。足も怪我しちゃってますしぃ』
勇者『ふへへ俺がおぶってあげるよ僧侶ちゃん、いや俺の未来のお嫁さん』
僧侶『あ、歩けました』
魔王『ふはは勇者よ聞け! 俺を倒しても闇はいずれ人間界を飲み込……えっ、おいもう行くのか(´;ω;`)」
勇者『こっちの階段だ! みんなこい』
魔王『おい! 俺の最期見届けてくれんのかガハァアアアッ――』
323:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 23:10:07.98 ID:
GCUXPLjh0
盗賊『こ、ここだ! この扉! 勇者鍵鍵!』
勇者『あせるなって。お宝は逃げも隠れもしねぇよ』
僧侶『きゃー! わたしたち大金持ちですか!』
戦士『貧乏旅はここで終わりだ。ついに苦労が実ったな』
勇者『開けるぜぇ!』カチャ
盗賊『!』ワクワク
ガチャリ……
???『どなたかの?』
勇者『は……』
盗賊『え……誰?』
???『無礼な! こっちが誰じゃと聞いておる!』
勇者『あ、勇者です』
???『ゆ、勇者!? おぬし勇者ともうしたか!? ということは父は……』
勇者『間違えましたすいません』ガチャン
???『なぁんで閉めるんじゃぁ!』ガンガンガン
327:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 23:16:23.69 ID:
GCUXPLjh0
―――――――
勇者「……」
勇者「とんでもねぇもん残して逝きやがって」
勇者「なーにがお宝だよ」
魔王娘「zzz」
勇者「あーだまされたー……」
魔王娘「zzzz」ピトッ
勇者(なぁ、俺たちにくっついて来たのは、やっぱり間違いじゃなかったのか?)
勇者(お前はどうして魔王の娘なんだ……)
勇者「さて……明日は忙しくなるぞォ」
328:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 23:17:54.21 ID:tK10tF+Si
勇者みたいな紳士だな
329:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 23:18:31.78 ID:mQMC8pa00
勇者みたいな盗賊だな
331:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 23:20:58.79 ID:
GCUXPLjh0
……
魔王娘「おはよう勇者」
勇者「ん? あぁもう朝か」
魔王娘「腹がへったぞ」
勇者「飯くったら変装して宿を出るから準備しとけ」
魔王娘「変装か」
勇者「俺が一時期使ってた鉄仮面やるよ、ほれ」
魔王娘「ほぅ……ペッ臭いんじゃ!」
勇者「最後につかったっきり洗ってねぇからな」
魔王娘「とほほ、今日もたくさん歩かなきゃならんのか」
コンコンコン
勇者「?」
「さすらいの剣客様。お手紙がとどいております」
勇者「……扉の隙間からいれてくれ」
333:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 23:25:07.71 ID:
GCUXPLjh0
勇者「……手紙?」ガサガサ
魔王娘「なんじゃ? みせい」
勇者「ちょっと待て焦るな。差出人は不明か……」
魔王娘「みーせーいー」ピョンピョン
勇者「……」
-敬愛なる勇者-
日が真上に昇るまでに魔王の小娘を連れて兵舎の訓練場へ来い。
お前の旅の仲間の女は預っている。もし来なければどうなるかわかるな。
余談だが、俺の可愛い部下たちは、今ちょうど伴侶をさがしているところでな。
誰と一番相性がいいか体で存分にためしてみるのもいいかもしれんな。
では待っているぞ。ふはははははは。
-兵士長より-
342:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 23:28:33.44 ID:
GCUXPLjh0
魔王娘「みーせーてー」ピョンピョン
勇者「……」ビリビリビリビリ
魔王娘「あ゛ー! 何やっとるんじゃァ!」
勇者(ここがわかっててわざわざ呼び出したってことは、やっぱり俺の予想は正しいみたいだな)
勇者(わかりやすい悪党で助かるぜ)
魔王娘「なんて書いてあった? 王様からか? 僧侶からか!?」
勇者「あぁ? はっはっは、ただのラブレターだ。俺はモテるからなぁ」
魔王娘「おお! それを破り捨てるということはやっぱりわし一筋なんじゃな!」
勇者「……そゆこと。さ、みんなに会いに行こうぜ」ツンッ
魔王娘「うふふ、なんじゃ今頃になって! 好きなら好きと早う言え///」
……
349:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 23:33:52.14 ID:
GCUXPLjh0
【訓練場】
兵士A「はぁ僧侶さん可愛いなぁ」クンクン
兵士B「これが淑女ってやつだよおめぇ」
兵士C「なるほど、聖職者の気品というものだな」スゥー
僧侶「う゛……昨日お風呂入ってないんでかがないでください……」
兵士長「おい、まだ手をだすなよ」
兵士A「げへへ俺僧侶さんと結婚できるなら死んでもいいぜ」
兵士B「俺もだぁ。こんな可愛い子街中さがしてもそういねぇべ」
兵士C「どうです? 私年収3万Gほどありますが、よろしければぜひ家庭を守ってもらいたい」
僧侶「……お断りします」
兵士長「俺は5万だが、どうだ?」
僧侶「……」プイッ
354:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 23:37:34.26 ID:
GCUXPLjh0
僧侶「言っときますけど。私勇者様以外と結婚する気なんてさらっさらありませんから!!」
兵士長「ほう、あのナヨナヨした男と?」
僧侶「……ええそうです! わ、私もう婚約してるんで!」
兵士A「えぇ~~!」
兵士C「うそだといってくれえええ!!」
兵士長「フフフ、だとすれば、お前を捕まえたのは正解だったな。素早い女には逃げられたが、まぁいい」
僧侶「……」
兵士長「惚れた女を捕まえたとあれば、勇者は必ずくる。そうだろう?」
僧侶「来ますよ! 魔王娘ちゃんを一度引き渡してそれで終わりです」
僧侶「国の取り決めで捕虜に手出しはできません! 重罪ですよ!」
僧侶「そしてさらに言えば子供を長期間拘束、尋問することもできません!」
兵士長「捕虜ねぇ……クックク。それがまかり通る国ならまだしも、相手は魔物の親玉の娘だぜ?」
僧侶「……!」
兵士長「この国には外道がおおい。俺にはどうなるかわからんぞ?」
僧侶「……なんて人」
360:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 23:40:37.79 ID:
GCUXPLjh0
兵士長「それにお前、あろうことか、自分が無事でここから帰れるとおもってないか?」
僧侶「え……」
兵士長「こいつらも独り身が長くて、そろそろ飢えててな」
兵士A「へへへへ早く昼にならねぇかな」
兵士B「んだ。こんなべっぴんさんと仲良しできるなんておら生きてて良かったべ」
兵士C「俺興奮してきた」
僧侶(最悪……勇者様の馬鹿ぁ……)
兵士長「さぁて来るかな。いや、来るだろうなぁあいつは馬鹿だから」
僧侶(勇者様来ちゃだめです……!)
僧侶「そ、そういえば戦士さんは……」
兵士長「可愛い弟子だ。手にはかけん。あいつには重要な任務をまかせている」
365:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 23:44:15.98 ID:
GCUXPLjh0
僧侶「重要……?」
兵士長「入り口の警備だ。勇者が娘をつれてきたら通す、一人で攻めこんで来たら娘の居場所を吐かせて殺す」
兵士長「それ以外は誰もいれないようにする。それだけの簡単な任務……」
僧侶「戦士さん……」
兵士長「お前をダシに使えば言うことを聞かせるのなんて簡単なことだ。いい友達をもって良かったな」
僧侶(うぅ……私の馬鹿。なんて失態を……)
……
【兵舎外】
戦士「……来たか」
勇者「戦士ちゃんおっす。昨日の決着をつけにきたよ」
戦士「そうか……ならば」
369:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 23:49:34.87 ID:
GCUXPLjh0
戦士「通るといい。中で兵士長が待ってる」
魔王娘「ななななんでここに来るんじゃァ!」
勇者「だまってろって」
魔王娘「でもここは……」
勇者「みんなに会いにきたんだ。今日はそういう予定だろ?」
勇者「僧侶ちゃ~~ん!」
僧侶「勇者さま!! どうして来たんですか!!」
兵士長「やはり来たか。フフフ……バカ正直なやつ」
魔王娘「うぐ……やっぱり昨日の顔いかつい奴じゃ」
勇者「おら、お望みのもん連れてきたぜ。僧侶ちゃんを離せ」
魔王娘「ゆ、勇者!?」
兵士長「まて。そこで止まれ」
勇者「早く解放しろっつってんだろ」
兵士長「あぁ解放するとも、そのためにはわかるな」
372:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/17(木) 23:55:13.57 ID:
GCUXPLjh0
勇者「……こいつを渡せばいいんだろ。交換だ!」
魔王娘「……ひぐ」
兵士長「いや、違うな」
勇者「……?」
兵士長「剣を抜け。貴様がそこでそいつを手にかけろ」
勇者「……」
兵士長「そうすれば貴様が魔物の使いでないという、身の潔白を俺が証明してやろう」
勇者「……」
僧侶「なんてことを……」
勇者「なるほど、捕虜にしてからじゃ手にかけるのは難しいから、俺に殺させようって腹か」
兵士長「察しがいいな。俺はそこらのゴロツキではなく、国の守備隊だからな、簡単に法規を破ることはできんのだ」
勇者「昨日の件はどう言い訳する気だよ。殺そうとしたくせに」
兵士長「貴様があらわれなければ秘密裏に処理できたものの。こう話が広がってはな」
勇者「……わかった。そういうことなら」
375:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:00:05.66 ID:kznsQ26c0
僧侶「勇者さま……だめですよ……私のことなんて気にせずその子と逃げて!」
兵士長「お前はだまってろ! 殺されたいのか!」
魔王娘「わしを斬るんじゃな……仕方がない。あいつに捕まるよりマシじゃ」
魔王娘「好きなようにせい。父上が倒された時点でわしの命など本来無きも同然……」
魔王娘「短い間の付き合いじゃが迷惑かけたのぅ」
魔王娘「あとは、乳の女と幸せにな……」
勇者「……ごめん」シャキン
魔王娘「おぬし……そんな哀しい顔をするな。父と同じで、おぬしの手にかかるなら本望じゃ……」
僧侶「勇者様! 勇者様ぁ! だめ!!」
兵士長「はっはっは! これで俺たちは手を汚さずに任務達成だ!」
兵士長「いいか! すべて終わるまで女を離すなよ! 不振な動きをしたらかまわん斬り殺せ」
兵士達「はっ!」
【勇者は剣を高くふりあげた】
390:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:04:21.25 ID:kznsQ26c0
僧侶「えっ! うそっ! そんなっ」
魔王娘「ひっ……」
勇者「俺は……紳士にはなれない! ごめん!!」
魔王娘「泣くな勇者……我が最愛の夫……出会えただけでも幸せじゃった……」
兵士長「はっはっは! ……は!!?」
兵士長「おいお前らァその女から離れろ!!」
兵士達「はい?」
勇者「ごめんなさい僧侶ちゃん!!」
テロリロ
【いかづちが僧侶たちの頭上に降り注いだ】
兵士達「うおああああ!!!」
僧侶「きゃあ゛ぁぁぁあああああ゛!!!」
魔王娘「!!?」
393:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:04:57.78 ID:VvLSh7dK0
勇者かっけええええええ
395:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:05:07.86 ID:5X32SbK90
僧侶になんてことを
396:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:05:13.03 ID:rPrr8WT70
僧侶のタフさが!
397:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:05:13.85 ID:88JPgn3V0
あれ伏線だったのかよwwww
403:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:05:49.58 ID:fqkeRkz60
ああ、そういえばそうだったなwww
408:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:06:03.81 ID:yN8OGXVb0
素晴らしい伏線回収
414:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:07:23.28 ID:kznsQ26c0
兵士長「き、貴様ァ……! なぜ……」
勇者「約束、したからよ」
勇者「宿命の相手からもらった、大事な大事なお宝を……」
勇者「傷つけるわけには……いかんじゃろ?」
僧侶「ゲホケホ、大事なトコで移ってますよ……ケホ、痺れま゛ず……」コテッ
魔王娘「なん……と……」
兵士長「くっ! まさかそんな非道な手が! おいお前ら立て!」
勇者「殺しちゃいねぇよ。けど丸一日はしびれてうごけねー」
兵士長「ぇ、ええいクソ! かくなる上は俺が皆殺しにしてくれる!!」ジャキン
勇者「早速法規無視かよ。楽しいやつだな」
勇者「いいぜ。昨日の決着をつけようじゃねぇか」
421:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:10:19.89 ID:kznsQ26c0
兵士長「ははは! 魔法はずいぶん達者なようだが剣の腕で俺に敵うとでも?」
魔王娘「勇者、大丈夫なのか!?」
兵士長「そうだ、俺は貴様のよく知る戦士の10倍は強いんだぜェ!!?」
勇者「かまえろよ」
兵士長「二秒だ! 貴様なんぞ二秒で血の海に沈めてくれる! はぁ!!」
勇者「……!!」ヒュン
――ザシュッ
僧侶「あ、一秒で終わった」
兵士長「がっ……! はっ……ッ」
422:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:11:07.77 ID:YA2LNwKo0
今はただの無職だが一応元勇者だしな
425:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:11:22.10 ID:al9oD7cN0
スレタイからは想像の付かないかっこよさだなおい
426:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:11:27.54 ID:PP0X509C0
勇者KAKKEEEEEEEEEEEEEEEEE
427:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:11:31.97 ID:mosNu5Q40
誰このかっこいい人
429:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:12:00.44 ID:XhpSP4X10
さっきまでおっぱい連呼してたとは思えないな
430:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:12:18.40 ID:vKp8ZoW20
クズと言われたことが懐かしい
433:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:12:46.05 ID:kznsQ26c0
勇者「10倍って、お前それ何年前の話だよ」
兵士長「ぎさま……ッ!!? がふ、う、息がっ」
勇者「戦士ちゃんはいまやお前の100倍つええ」
兵士長「ッ!!」
勇者「それと、運が良かったな……」
兵士長「な゛っ……」
勇者「もしお前らが僧侶ちゃんを傷もんにしてたら……峰打ちじゃすまなかった」
兵士長「あ゛……――――」バタリ
僧侶「勇者さま……」
446:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:16:10.15 ID:kznsQ26c0
兵士達「―――」ピクピク
勇者「あーあ、やっちまった。もうこの国には居られねーな」
魔王娘「勇者……」
僧侶「……」
勇者「僧侶ちゃん。ゴメンね? 痛かったでしょ?」
僧侶「……いいえ。私こそむざむざ捕まっちゃってごめんなさい」
勇者「ううん、元はといえば俺が僧侶ちゃんを危険な目に」
魔王娘「どれもこれもわしのせいじゃ。すまん……」
僧侶「いいんですよ? 助かったんだから悲しそうな顔しないで」
僧侶「そ、それよりも服がまる焦げなんでなんとかしてください」
勇者「え、あ、俺の上着どうぞ。汗臭いかもしれないけど」ササッ
僧侶「まったく。髪の毛もぼさぼさになっちゃったじゃないですか手加減してくださいよ」
勇者「だって、あのときは余裕なかったし」
僧侶「正直剣をふりあげた時点でもう諦めてましたけどね、実際にくらうとけっこう痺れます……」
452:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:18:33.14 ID:kznsQ26c0
勇者「ほんとすいません……えへへ」チラッチラッ
僧侶「もう!! どこ見てるんですか!! サイッテー!!」パチーン
魔王娘「なんですでに動けるんじゃ化け物か!?」
勇者「よし。きもちいビンタももらったし、さっさとトンズラしようぜ!!」
魔王娘「こやつらの口封じはせんでええのか?」
勇者「いいんだよ! つまんねーやつ斬るために俺の剣はあるわけじゃないから!」
僧侶「ふふ、戦いたくないときはいつもそれですね」
兵士長「ふふふ……はははは勇者ァ!!」
勇者「うお! もう気が付きやがった」
魔王娘「実はこいつも魔物なんじゃなかろうか」
兵士長「逃げられやせんぞ……昼をすぎて俺たちが中から出てこなければ、他の守備隊が突入する手はずになっている……ククク」
兵士長「すでにお前たちは袋のねずみだぁ!! はははははは!!」
勇者「横になりながらそんなに笑われても……」
464:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:22:53.41 ID:kznsQ26c0
僧侶「早く逃げましょう!」
勇者「おんぶしようか?」
僧侶「結構です! 自分で歩けますから!」
魔王娘「だからなんで歩けるんじゃおかしいんじゃ!」
勇者「俺の嫁は頑丈なんだよ! ドラゴンに燃やされても巨像にふみつぶされてもこのとおり!」
僧侶「ぉ、お嫁さんなんかになりませんし! ひとの事おかしな人みたいにいわないでください」ペシン
魔王娘「わしも将来頑丈になるんじゃ」
僧侶「馬鹿言ってないで早く脱出しないと! もうこれ以上のいざこざはヤですからね!」
勇者「あ~とりあえずは大丈夫だって!」
魔王娘「……誰も突入してこんのぅ?」
兵士長「一体なぜ……ググ……まさか!」
僧侶「外にでましょう」
魔王娘「あ! なんじゃこれは!」
475:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:26:52.95 ID:kznsQ26c0
【屋外】
守備隊「――――」ピクピク
戦士「あ、終わったの?」
勇者「おおおさすが俺の未来の奥さん」
僧侶「浮気者っ!」ゴツッ
勇者「ぃでっ!?!?!」
魔王娘「全部おぬしが倒したのか……? 30人くらい倒れとるぞ」
戦士「いや、兵士長に誰も通すなといわれたから……なんてね」
魔王娘「恐ろしい……」
戦士「さっき中から雷の音がきこえてさ。あー片付いたんだぁって」
魔王娘「たったそれだけで全員ぶったおしてしもうたのか!?!?」
戦士「だって勇者は負けないよ。伊達にあんたのお父さん倒してないから」
魔王娘「ほぅ……ま! 当然じゃ!」
勇者「君たちいいこと言うねぇ!」
490:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:31:14.96 ID:kznsQ26c0
戦士「僧侶もしかして巻き込まれた? 真っ黒じゃん」
僧侶「はい、このひとでなしに素っ裸にひんむかれちゃいました」
勇者「そのとき僧侶ちゃんに恋の電流走る!」
僧侶「ばかばかばか!」
戦士「事情は後で聞くよ。それより早くここ離れたほうがよくないか」
勇者「……だな。国王軍の騎士級がでてくるとさすがにめんどうだ。これ以上戦いたくねぇ」
僧侶「逃げましょう!」
魔王娘「その必要はないぞ」
勇者「?」
魔王娘「わしを国に引き渡せばええじゃろう」
戦士「!」
魔王娘「さきみたいに手荒なやつらじゃなければ、きっとお主らのことは見逃してくれる……じゃろ?」
勇者「お前……」
500:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:34:25.18 ID:kznsQ26c0
僧侶「うーんそうかもしれませんねぇ。特に私!」
僧侶「ほんとなんのいわれもないですから! 完全に被害者!」
僧侶「あ、勇者様と戦士さんは残念です! しばらく塀の向こうで暮らしてください、面会くらいはいきますよ!」
勇者「……」
戦士「……」
僧侶「……っていうのも個人的に虫唾が走るんで、みんなで逃げちゃいましょう! ね?」
戦士(なぁ、半分本気じゃなかったか?)
勇者(さすがだぜ僧侶ちゃん手厳しい! さっきはごめんね!)
魔王娘(ほんとは燃やされてキレとるんじゃなかろうか……)
戦士「でも逃げるっていっても……」
勇者「走るにしてもチビひとり抱えてとはいかねぇしなぁ」
魔王娘「うう、やっぱりわし……」
509:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:38:23.83 ID:kznsQ26c0
パカパカ
ガラガラガラガラ
盗賊「あ、みんななにしてんの? 悪巧み?」
馬「ヒヒンwww」
僧侶「わぁ!」
魔王娘「でっかい荷馬車じゃ!」
戦士「盗賊! それどうした!?」
盗賊「あぁこれ? 兵舎からちょっと拝借した。いいでしょ」
勇者「盗賊ちゃん! お願いだ乗せてくれ!! 俺たちいまから逃げなきゃなんねーんだよ!」
盗賊「え? そのつもりで盗ってきたんだけど……? 見張り誰もいなくて楽勝だった」
勇者「盗賊ちゃん……! さすが俺の嫁候補のうちの一人!」
僧侶「盗賊さんすごい!」
盗賊「はやく乗りな。やっかいなのが城の方からぞろぞろ来るよ」
522:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:42:57.68 ID:kznsQ26c0
魔王娘「わかっておったのか??」
盗賊「これでも結構長い付き合いだしね。バカの行動なんて考えなくてもわかる」
魔王娘「!」
勇者「バカ? おい戦士ちゃん、怒っていいんだぞ」
戦士「お前だっ!」
僧侶「うちにバカなんて一人で十分です」
盗賊「あははっ、僧侶真っ黒じゃん、やっぱ勇者のアレ?」
僧侶「そうなんですっ! ひどいんですよ~聴いてくださいよ~~」
盗賊「はいはい、たっぷり聞いてあげるから」
魔王娘「……・」
魔王娘(なんじゃあ……愛も人徳も、あるではないか……!)
……
528:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:47:43.19 ID:kznsQ26c0
【草原】
魔王娘「これからどうするんじゃ?」
戦士「こりゃおたずねものかな。王国騎士団入りの夢はお預けだ」
僧侶「私も仕事にありついたんですけどねー。まぁいっか」
盗賊「私は最初からこのつもりだったけど」
魔王娘「みんなすまぬ……わしのせいで」
勇者「誰のせいでもねぇよ、気にすんなって! 俺たちはもとから旅に生きる勇者一行だぜ」
戦士「『元』だな。いまは無職一行だ」
僧侶「貧乏旅は嫌ですよ?」
勇者「さっそく気分を盛り下げるのやめてくれ!」
魔王娘「しかし……旅のアテはあるのか? どこへ行くんじゃ?」
僧侶「アテ……?」ニコ
盗賊「アテ……ふふ」
戦士「アテか。はは」
532:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:51:03.87 ID:kznsQ26c0
魔王娘「なんじゃみんなしてニヤつきおって」
勇者「アテなんて! この国以外にゃありまくり! 俺らはどこでも顔が効くんだぜ!」
魔王娘「ほ、ほんとなのか……?」
僧侶「この人、腐ってますけど一応勇者ですので」
盗賊「それも、ただの職業じゃなくて、経歴としてな」
戦士「感謝されたことは数知れずってね。ま、助けた人にたかるのはかっこ悪いから、ずいぶん嫌がってたけど」
勇者「こらこら余計なことは言わない約束だろ」
魔王娘「なんと……そうであったか……」
勇者「よしあそこ行こう! あのでっけーカジノあった国! 前は3日しか滞在できなかったからなぁ!」
僧侶「お金もないくせに」
戦士「あそこは海をこえなきゃだめだからまだしばらく無理だな」
勇者「えー! そんな遠かったっけ」
盗賊「そこを目指すついでにいろいろ回ろうよ。みんな元気にしてるかな」
僧侶「わぁ! 世界旅行ですね!」
533:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:52:01.41 ID:gk7o93tb0
くっそくっそ
534:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:52:18.04 ID:Loxu/xzA0
クズだけどクズじゃなかった
536:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:54:39.92 ID:4i84dcpI0
子作りしながら世界旅行か・・・
ゴクリ・・・
537:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:55:17.46 ID:kznsQ26c0
魔王娘「……」
勇者「どした? パァーっといこうぜ!」
魔王娘「わしもついて行ってええのか……?」
勇者「……おいおい」
盗賊「なに言ってるの」
僧侶「そうですよ」
戦士「ほら、顔上げな」
魔王娘「……うぐ?」
勇者「俺たちが決死の旅で手に入れた唯一のお宝を、そう簡単に手放すかっての」
魔王娘「!」
盗賊「そうそう。結局なぁんにも報酬もらえなかったし、これくらいはとっておきたいよね」
僧侶「私なんて何回死にかけたことか……ほんと苦労続きの旅だったんですから」
戦士「あんだけ旅して、何も無しじゃ締まらないよな」
勇者「そういうこった。ま、生きてりゃいいことあるって」
魔王娘「……うん」ギュ
541:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 00:58:20.02 ID:kznsQ26c0
僧侶「めちゃくちゃぞんざいに扱ってたのにすごい心変わりですね勇者様」
勇者「そりゃあ俺は紳士ですから! な、僧侶ちゃん!」ニコッ
僧侶「え゛っ、あれまだ続いてたんですか!?」
勇者「え、まだって? 当然じゃん! 昨日の今日だぜ!」
勇者「俺は次の街で旅人に転職する! あとは僧侶ちゃんに紳士と認められれば条件達成!」
勇者「それに、神に誓ったじゃん」ボソッ
僧侶「……ウグ」
盗賊「あれ? 僧侶、結婚したいんだろ?」
僧侶「えっ」
盗賊「こっそり聞いてたよ『私は勇者様としか~」
僧侶「イヤー! だめだめだめ! 幻聴ですか!? お薬用意しましょうか!?!?」
盗賊「……あんだけ威勢よく啖呵切っといて」
僧侶「だ、だいたい女性にむかって雷おとすバカに惚れるわけないじゃないですか」
勇者「ぐぐ……根に持ってるよねぇそりゃ」
546:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 01:02:44.18 ID:kznsQ26c0
魔王娘「大丈夫じゃ! 僧侶にふられてもわしがおるぞ!」
勇者「いや俺はやっぱ人間のほうが……」
魔王娘「人間の血もはいっとる! なにが不服じゃ!」
勇者「えっと……あの……」
魔王娘「だめかの……?」
勇者「ひぃっ!」
戦士「少女性愛」
僧侶「変態」
盗賊「犯罪者」
勇者「やーめーろ!」
魔王娘「でもやっぱり。わしと父上の目に狂いはなかったの?」ピト
勇者「あ、そう? そりゃどうもって、コラァ離れろ暑いんだよお前はよぉ」
僧侶「……ふーん」
549:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 01:05:07.25 ID:kznsQ26c0
勇者「僧侶ちゃ~ん。どうやったら許してくれる?」
僧侶「責任とってその子を幸せにしてあげてください」
勇者「え゛ぇ~!? 俺は僧侶ちゃんをだれよりも幸せにしたいんだよ~~」
僧侶「ふんっ。知りません……プフ」
戦士「コゲ僧侶笑ってるよ」
盗賊「また騒がしい旅になるのかな。楽しけりゃそれでいいけどさ」
戦士「そうだな。あとお酒」
魔王娘「次の街に教会があったらそこで婚姻の義を執り行うんじゃ!」
勇者「あー俺と僧侶ちゃんな。楽しみだなぁ!」
魔王娘「こっち向いてほしいんじゃ!!」
553:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 01:08:39.87 ID:kznsQ26c0
勇者「僧侶ちゃんの焦げた髪ちょっと近くで嗅いでみていい? 貴重だから」
僧侶「きゃー! 気持ち悪いっ! あっち行ってください!!」
魔王娘「のう勇者~?」
勇者「なぁんだよいま大事なところだから!」
魔王娘「ほんとに僧侶との子作り三昧みせてくれるのか?」
僧侶「~~~っ!?」
勇者「ぶっ、おまっ!」
魔王娘「子作りのしかた教えてくれるっていったじゃろ!!」
僧侶「勇者様~??」
盗賊「勇者、それはちょっと人としてどうかと思うよ」
戦士「いつにも増して幻滅した」
僧侶「あなたって人はいたいけな少女になんて……なんてことを……私、悲しくなってきました」
勇者「こ、こいつの冗談!! 魔族ジョークってやつっ!!」
勇者「おもしろいだろ? はははっ笑おうぜ一緒にっ!!」
557:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 01:13:42.98 ID:kznsQ26c0
僧侶「なにが紳士ですか! このっド変態!!!!」ゲシッ
勇者「おわぁあぁぁあ、僧侶ちゃああぁぁ―――」ゴロゴロゴロ
魔王娘「ギャー! 勇者ぁ~~!!」
戦士「うわっバカが落ちた! 馬車止めて!」
盗賊「何、いまのジョーク? バカとめてって、あははは」
僧侶「盗賊さん、笑ってないでちゃんと走らせてくださいよぉ揺れるじゃないですか、うふふ、あははは」
魔王娘「わしの旦那蹴り落として何笑っとるんじゃあ!! 悪魔か!」
僧侶「あははは! だって、どろんこですよアレ見てっ、あははっ」
盗賊「人のこと笑えないだろ僧侶。あとで鏡みせてあげる」
魔王娘「ええから早うとめんかぁ~!」
-おわり-
559:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 01:15:08.80 ID:ej7+vfZn0
乙
清々しいSSだった
562:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 01:15:40.93 ID:/pqJo6gm0
乙
後は子作りだな
563:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 01:15:45.38 ID:al9oD7cN0
乙
寝る前に良い物読めたわ
603:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/18(金) 01:55:27.81 ID:kv85AaA5O
乙!
また書いてくれ!
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