絹旗「きぬはた荘、あふたー!」白井「あふたー?」その7

2011-10-15 (土) 23:02  禁書目録SS   9コメント  
前→絹旗「きぬはた荘、あふたー!」白井「あふたー?」その6
まとめ→きぬはた荘シリーズ まとめ



455 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/25(日) 23:54:06.16 ID:1BbDWZ0Ko

>>1です。
どうにか日付変わる前に来れた。

それでは、始めさせて頂きます。
前回の続きからです。



456 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/25(日) 23:56:20.41 ID:1BbDWZ0Ko


~同日 第7学区 とある大通り~


海原 「一方通行さんはこれから病院へお迎えですか」

一方通行 「ああ」

浜面 「俺はどうすっかな」

海原 「おや……みなさん、メール来てませんか?」

浜面 「え?……あ、マジだ。絹旗からだろ? 気付かなかったわ」

一方通行 「俺来てねェンだけど」

浜面 「あいつ、お前の連絡先知らないんじゃないんか?」

一方通行 「……そォいや教えた覚えはねェな」


  [[携帯電話]]<Prrrr Prrrr


浜面 「おい、電話鳴ってるぞ」

一方通行 「メールだろ」カチカチ

海原 「おそらく、絹旗さんが伝えようとしている件じゃないでしょうか」



457 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/25(日) 23:58:31.12 ID:1BbDWZ0Ko


 差出人:ワースト
      
 件名:
 日付:20yy/m/d 16:05
 ───────────────
 絹旗さんがー、みんなで温泉に行
 こうって


一方通行 「温泉……?」

浜面 「おお、絹旗から来てるのもその件だぜ」

海原 「そういえば、以前みなさんで行ったことがありましたね。懐かしいものです」

浜面 「え、俺知らないんだけど」

海原 「その頃、浜面さんはお勤め中だったじゃないですか」

浜面 「お前、俺がいない間に温泉やら海やらでハーレムか! 許さん!」ガシッ

海原 「ちょ、離っ……」

一方通行 「」カチカチ

浜面 「リア充は苦しめ!」グイグイ

海原 「ギ、ギブ……」



458 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/26(月) 00:01:30.42 ID:hm1tAznGo


 件名:Re:
 日付:20yy/m/d 16:08
 ───────────────
 いいんじゃないか?ここのところ
 忙しかったろうし、ゆっくりしてこい


一方通行 「」ピッ

一方通行 「オイ、何やってンだオマエら」

浜面 「憎きリア充に制裁を加えていた」フンス

海原 「ケホ……ドラゴンスリーパーはやりすぎですよ……」

一方通行 「アホくせェ……あ?」カチカチ


 差出人:ワースト
      
 件名:Re:Re:
 日付:20yy/m/d 16:10
 ───────────────
 え?あれ?来ないの?どうせ料金
 各自持ちなんだし、行こうよー


一方通行 「……」カチカチ



459 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/26(月) 00:03:05.26 ID:hm1tAznGo

海原 「あ、すみません。ちょっと電話に……はい、もしもし」ピッ

浜面 「……温泉か。フレメアも行きたがるかねぇ」

一方通行 「……」ピッ


 件名:Re:Re:Re:
 日付:20yy/m/d 16:11
 ───────────────
 俺がいる必要は必ずしもないだろ。


一方通行 (つって引き下がるヤツでもないンだがな……)

海原 「ショチトルですか? たしか図書館に行くと言っていたので、携帯も切ってると思いますよ」

浜面 「フレメアに一応聞いて……あ、待てよ、滝壺がもう連絡してっかな」

一方通行 (さて……どォくるかね)ピッ


 差出人:ワースト
      
 件名:Re:Re:Re:Re:
 日付:20yy/m/d 16:18
 ───────────────
 そうは問屋が卸さないんだぜ


一方通行 「……?」



460 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/26(月) 00:05:01.23 ID:hm1tAznGo

海原 「合流しますか? 分かりました。では後ほど」ピッ

浜面 「まずフレメアを迎えに行くか。今日はお友達と公園に行くとか……」ブツブツ

一方通行 「オマエらいつまでやってンだ。俺はもう行くぞ」

海原 「お待ちください。向かう先はいつもの病院ですよね?」

一方通行 「あァ」

海原 「用事が出来ましたので、お供します」

一方通行 「……勝手にしろ」

浜面 「同じ理由で俺もいくぜ。タクシーなら割り勘できてお得だろ」

一方通行 「オマエはトランクな」

浜面 「トランクは勘弁な! 乗り心地が超最悪だって前に絹旗が言ってたしな」

海原 「なぜそんなことをご存知なのでしょうね」

一方通行 「乗ったことがあるからだろ」

浜面 「誘拐でもされたのか?」

一方通行 「さァな」

海原 「彼女のみぞ知るところでしょうね」



461 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/26(月) 00:06:25.58 ID:hm1tAznGo


~同日 第7学区 とある病院 エントランス~


打ち止め 「」ポケー

一方通行 「オイ、終わったか?」

打ち止め 「あ、やっと来てくれたー!」

海原 「ご無沙汰してます」ペコリ

浜面 「よう、小さい方の姐さん。相変わらず元気なアホ毛だな」

打ち止め 「あれあれ? なんでお兄ちゃんたちも一緒なの?」

一方通行 「途中で出くわしたンだよ。それで、そのジュースはどォしたンだ?」ワシャワシャ

打ち止め 「わわ……しずりんお姉ちゃんが買ってくれたんだよ」

浜面 「麦野か……? あいつも丸くなったもんだな」

海原 「ご挨拶してきては?」

打ち止め 「でもなんか仕事が入ったって。呼ばれてどっか行っちゃった」

浜面 「そうか、仕方ねぇな。また今度ってことにしとくか」

打ち止め 「あ、そうだ! ねぇねぇ」

一方通行 「ン?」



462 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/26(月) 00:07:57.13 ID:hm1tAznGo

打ち止め 「さっきワーストから」

一方通行 「オイ」

打ち止め 「あ……お姉ちゃんから連絡があって。温泉に連れてってくれるって!」

一方通行 「あァ、良かったな」

打ち止め 「温泉初めてだからすっごい楽しみ! あなたも行くんだよね? もちろん行くんだよね?」

一方通行 「いや、俺は」

打ち止め 「行 く ん だ よ ね ?」ズイ

一方通行 「……」

打ち止め 「来てくれなきゃヤダ! 絶対ヤダ!」ギャース

一方通行 (問屋がどォこうってこういうことかよ……)

一方通行 「あのな、普通は男と女で入る場所が違ェンだ。いつもみたいに一緒には入れねェぞ?」

打ち止め 「そ、そうなの?」

海原 「いつもみたいに?」

浜面 「一緒には入れねェ?」

一方通行 「」



463 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/26(月) 00:09:29.18 ID:hm1tAznGo

海原 「いつもご一緒に入浴を?」

打ち止め 「いつもじゃないよ? お姉ちゃんと一緒のときもあるし、この人と一緒のときもあるし」

浜面 「髪とか洗ってもらってんの?」

打ち止め 「洗ってくれるよ! 流すのは乱暴だから、いつも目に入るけど」

海原 「これはこれは」

浜面 「姉妹揃ってモノにしてんのか、お前」

一方通行 「ペラペラ喋ってンじゃねェェェ!」グリグリ

打ち止め 「いたたたた!」

浜面 「おい、やめてやれよ」

海原 「可哀想じゃないですか」

一方通行 「これがウチの教育なンで」

打ち止め 「うん、これぐらいならもう全然平気」フンス

浜面 「そ、そうなのか……これはウチでも導入すべきか……?」

打ち止め 「やめてあげてーー! フレメアが死んじゃうーー!」グイグイ

浜面 「分かった! しねぇ、しねぇよ! ……あ、そうだ、フレメアだ」



464 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/26(月) 00:10:52.50 ID:hm1tAznGo

打ち止め 「?」

浜面 「フレメアを迎えにここに来てるんだった」

打ち止め 「え? フレメアも来てるの?」

海原 「折角ですし、全員で迎えに行きましょうか」

浜面 「おう、なんか悪いな」

一方通行 「ま、ついでだしな」

浜面 「ついでって言うな」


~とある公園~


浜面 「さてさて……」キョロキョロ

打ち止め 「あ、いた!」トテテテ

海原 「あれ? お一人ですか?」

一方通行 「オマエ、不用心にも程があるぞ」

浜面 「学校で知り合った友達と一緒の筈なのだが……」

海原 「まあ、ともかく回収しましょうか」

浜面 「回収って言うな」



465 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/26(月) 00:12:07.28 ID:hm1tAznGo

打ち止め 「フレメアーーー」トテテテ

フレメア 「あれれ? なんでここに?」

打ち止め 「うん、ちょっとねー」

浜面 「お前一人か? 今日、お友達と一緒じゃなかったか?」

フレメア 「みんな帰った。私は、浜面が大体迎えに来るってメール来たから待ってた」

浜面 「あぁ、そうだったのか。でもな、こんな時間に一人は危ないぞ」

海原 「そうですね。病院のロビーにでもいた方がよかったでしょう」

フレメア 「次からそうする、にゃあ」

打ち止め 「ねえねえ、フレメアも温泉行くの?」

フレメア 「温泉?」

浜面 「滝壺からの連絡はまだか。あのな、今度絹旗が温泉に連れてってくれるそうだ!」

フレメア 「ホント!?」

海原 「絹旗さんが連れてってくれる? ちょっと曲解してませんか」

浜面 「フレメアから見りゃ、大して変わらんだろ」

海原 「まあ、そうですが」



466 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/26(月) 00:13:43.72 ID:hm1tAznGo

フレメア 「ねーねー、温泉ってどんなところ?」

浜面 「ええとな、風呂だ!」

打ち止め 「テレビで見たことあるよ! すっごい大きいんだよね!?」

フレメア 「泳げる?」

一方通行 「泳ぐのはダメだ、マナー違反だからな」

海原 「それと、ただのお風呂ではなく、すごく身体にいいんですよ」

フレ止め 「「おー」」

一方通行 「他の人もいるンだから。あまり周りに迷惑かけるンじゃネェぞ」

フレ止め 「「はーい」」

浜面 「ところで、温泉ってどこにあるんだ?」

海原 「前回と同じ、と絹旗さんのメールにありましたので、第22学区かと」

一方通行 「あの地下都市か」

浜面 「あ、もしかしてあのすっごい有名なところか?」

海原 「ええ。メインは温泉ですが、ほかにも色々ある複合施設です」

打ち止め 「どんなのどんなの?」



467 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/26(月) 00:15:17.98 ID:hm1tAznGo

海原 「思いつく限りのものは大体ありますよ」

一方通行 「相当広いらしいからな」

打ち止め 「これは楽しみになってきた!」

フレメア 「大体楽しみ」

浜面 「楽しみだ!」

一方通行 「今から不安だな、こりゃ」ハァ

海原 「たまには羽目を外すのもいいではないですか」

打ち止め 「ね、いつ行くの? 明日?」

一方通行 「ンなすぐじゃねェよ。まだ決まってねェ」

打ち止め 「ぶー」

フレメア 「ねー、浜面。お腹空いた」クイクイ

浜面 「腹減った? あー、どうすっかな」

海原 「あ、ちょっとすいません……はい、もしもし」

打ち止め 「この後どうするの?」

一方通行 「帰るぞ。もォ用事はねェからな」



468 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/26(月) 00:16:31.06 ID:hm1tAznGo

海原 「ええ。こちら今3人と2人ですが……はい」

フレメア 「ねー、お腹空いたー」

浜面 「家に帰ったら晩メシだから、我慢な」

フレメア 「ちぇー」

海原 「分かりました。お待ちしております」ピッ

浜面 「結標の姐さんか?」

海原 「はい。僕らが3人でいることをお伝えしたら、向こうも3人でこちらへ来るそうなので」

一方通行 「そォいや、今日は一緒だったなアイツら」

浜面 「よし、じゃもうちょっとここで待ってるとするか」

フレメア 「えー、お腹空いたのに」

打ち止め 「キャラメル食べる?」ハイ

フレメア 「大体ありがと」パク

浜面 「お、悪いな。小さい方の姐さん」ナデナデ

打ち止め 「……あれ? 頭なでなでされても嬉しくない?」

海原 「それは相手にもよりますから」



469 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/26(月) 00:17:44.59 ID:hm1tAznGo

打ち止め 「ねー、頭なでなでしてみて」

一方通行 「はァ? なンでだよ」

打ち止め 「いーいーかーらー」

一方通行 「?」ワシャワシャ

打ち止め 「ふにゃー♪」

浜面 「え、なんかすっごい敗北感……」

フレメア 「だって浜面は大体雑なんだもん。髪洗うのも上手じゃないし」

海原 「髪洗うのも?」

一方通行 「上手じゃない?」

浜面 「」

海原 「これはこれは。浜面さんもでしたか」

一方通行 「オマエさっき人のこと散々バカにしてくれたよなァ?」

浜面 「いやいや、少なくともお天道様に恥ずかしいマネはしてないぞ!?」

海原 「まあ、詳しく」ニコニコ

一方通行 「聞かせてもらおうか」ニヤニヤ

浜面 「」

フレ止め 「「?」」



470 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/26(月) 00:19:39.76 ID:hm1tAznGo

 さて、ここまでにしておきましょう。

 この3人、恐妻家且つすごいリア充ですね。
鈍い人、不敵な人、言葉が悪い人と共通点がない3人ですが、
相手のことを何より大切に思っているという点では共通しているようです。

 さて、残る選択肢は一つです。


 済 第7学区  ファミリーレストラン
 済 第4学区  デザートバイキング
 3  第16学区 巨大ショッピングモール


 次回は、残るルート3こちらをお送りするとしましょう。



471 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/26(月) 00:22:15.25 ID:hm1tAznGo

といったところで、今回はここまでです。
ミサワさんは、打ち止めのリアクションを想定済みで
温泉の件を伝えたようです。マジ軍師。

お付き合い頂き、ありがとうございました。



472 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/09/26(月) 00:32:18.15 ID:dYmHfumW0
乙。鬼嫁的にならずとも尻に完全にしかれているところが良い。



474 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越):2011/09/26(月) 00:39:27.81 ID:/xmqQtXAO
さて温泉行くかな



476 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/09/26(月) 01:03:27.88 ID:dHaQxkD8o
一方は打ち止めと風呂入ってる
浜面はフレメアと風呂入ってる
とくれば、まさか海原はショチトルと…




477 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/09/26(月) 01:07:44.62 ID:IQjWpjtco
入ってるだろうなもげろ海原



480 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/09/26(月) 07:16:06.86 ID:lwVopE6vo
いやいやいや、ショチトルの年齢じゃアウトだろ
流石に一緒は…でもエツァリだしなぁ……




483 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州・沖縄):2011/09/26(月) 11:32:39.98 ID:Tg8rM6LAO
まだ退院直後の時に風呂が危なっかしいからと色エロ手伝うお粥



485 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/26(月) 22:36:11.74 ID:hm1tAznGo

海原は介助目的であろうとも、あわきんにブロックされるような気がしてます。

それでは、始めさせて頂きます。
今回からは最後に残ったルート3です。



486 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/26(月) 22:37:14.32 ID:hm1tAznGo


~11月上旬 第16学区 巨大ショッピングモール~


  ワイワイ
   ガヤガヤ


番外個体 「うっはぁ。さすがに人多いねぇ」

結標 「人込みは苦手なんだけどね」

滝壺 「私も得意じゃない」

番外個体 「なんかこの流れだと、私がムリヤリ連れてきたみたいじゃん」

結標 「でも行ってみたいって最初に言い出したのは貴女でしょ?」

番外個体 「えー。二人とも行こう参ろうってノリだったでしょ!」

滝壺 「楽しみにしてたのは認める。で、何からみよっか」

番外個体 「本屋行っていい?」

結標 「後になさい」

番外個体 「なんでよ」

結標 「いきなり重い荷物増やすことないでしょ?」

番外個体 「……たしかに」



487 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/26(月) 22:38:36.86 ID:hm1tAznGo

滝壺 「私コート見たいな。冬物の」

結標 「そうね。もうすぐ本格的に寒くなるんだし」

番外個体 「コートかぁ……」

結標 「貴女はいいの?」

番外個体 「去年のがまだ着れるかな」

結標 「去年のって、あのイタイの? あれまだ着るつもりなの?」

番外個体 「あー、そうだよ。淡希がさんざんエセ魔女とか殺し屋くずれとか褒めてくれたあのコートだよ!」

結標 「いい機会だし、なんか買ってったら?」

滝壺 「去年のって、どんなのだっけ」

結標 「黒いフェイクレザーのロングコートで、首周りにカラスの羽みたいなもふもふが付いてるの」

滝壺 「あ、思い出した。ビジュアル系コートだね」

番外個体 「若気の至りだったんだよぅ……」

結標 「ま、ともかく移動しましょ」

滝壺 「レディースファッションフロアは向こうだって」

番外個体 「んじゃ行くとしますか」



488 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/26(月) 22:40:24.34 ID:hm1tAznGo


~レディースファッションフロア~


滝壺 「みさわの上着」

番外個体 「ん? なんか変?」

滝壺 「ううん。なんか可愛いね、背中のこのイラスト」

番外個体 「いいでしょ」フンス

結標 「ウサ耳ドクロ……?」

滝壺 「みさわってウサギさん好きなんだっけ。前にそう聞いた」

結標 「そうそう、貴女はウサギさんがだーーーい好きなのよね」

番外個体 「えっ、いや」

滝壺 「どんなウサギさん?」

結標 「目つきの悪いウサギさん?」

番外個体 「わっ、分かっててそういう事言うんだからぁ!」ムキー

結標 「照れなくていいじゃない」クスクス



489 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/26(月) 22:41:56.66 ID:hm1tAznGo

番外個体 「ぐぬ……そっ、そういえば滝壺さんって」

結標 「あ、話題逸らしたわね」

滝壺 「?」

番外個体 「いつもその服だよね」

滝壺 「楽だし、どこにでも来ていけるから」

番外個体 「どこにでもなの……?」

結標 「なんだか私たちが間違ってるような気すらしてくるわ」


 今日の服装:
  番外個体 - 黒ブルゾン + レザーパンツ + ワークブーツ
  あわきん - ダークブラウンジャケット + ショートパンツ + ロングブーツ
  滝壺さん - いつもの


結標 「でも、旅行にいった時はノースリーブのワンピとか着てたじゃない」

滝壺 「あれは夏の砂浜らしさを演出しようと思って」

番外個体 「……つまり、どういうことだってば」

結標 (滝壺さんって、たまによく分からないわ……)



490 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/26(月) 22:43:33.61 ID:hm1tAznGo

番外個体 「他になにか着てみたら? せっかくこういうとこ来てるんだし」

滝壺 「……二人は」

結標個体 「「?」」

滝壺 「私がいつもと違う服装をしたら、はまづらは喜ぶと思う?」

結標 「きっと喜んでくれると思うわよ。浜面くんだし」

番外個体 「そりゃもう、ルパンダイブでしょ。浜面さんだし」

滝壺 「……よし、たまにはイメチェンしてみよう」フンス

番外個体 「……ねぇ、淡希。これはアレだね。場所もおあつらえ向きだし」

結標 「……そうね、やっちゃいましょうか」

滝壺 「?」

結標個体 「「滝壺さんをプロデュース!」」

 :
 :
 :



491 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/26(月) 22:44:50.39 ID:hm1tAznGo

結標 「やっぱ滝壺さんには清楚な感じが似合うと思うのよね」

番外個体 「滝壺さんの滝壺言葉は"純潔"だね」

滝壺 「でも、私「わーわーわー!!」

結標 「そんな大っぴらに宣言しなくていいわよ」

番外個体 「人も多いんだしさ」

滝壺 「? うん」

結標 (何気にこの中で一番オープンandアグレッシブなのって滝壺さんなのよね……)

番外個体 「ねえねえ、淡希」

結標 「うん?」

番外個体 「勝負してみない?」

結標 「勝負?」

番外個体 「コーディネートしてみて、どっちがお気に召すか」

滝壺 「私が審判ってこと?」

結標 「へえ……いいわよ、受けてたとうじゃない」

滝壺 「なんだか面白くなってきた」wktk



492 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/26(月) 22:46:22.97 ID:hm1tAznGo

番外個体 「露出狂に負ける気はしないけどね」

結標 「年中パンツスタイルの貴女に、滝壺さんの魅力が引き出せるのかしら?」

番外個体 「……上等じゃん」

結標 「……妥協はしないからね」

滝壺 「じゃ私ここで待ってるから。よーい、スタート」


~30分後~


番外個体 「たっだいまー♪」

滝壺 「あ、帰ってきた」

結標 「厳選してきたみたいね」

番外個体 「そりゃね」

滝壺 「どんなの?」

番外個体 「ふふっ、これ! 悪の女幹部風セット」

結標 「」バシーン

番外個体 「……なんでぶったの?」ジンジン



493 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/26(月) 22:49:04.45 ID:hm1tAznGo

結標 「真面目に選んできなさい! でないと貴女、不戦敗だからね!」

番外個体 「出直してきまーす」ピュー

結標 「まったく」ハァ

滝壺 (ちょっと着てみたかったかも)


~さらに15分後~


番外個体 「たっだいまー♪」

結標 「今度はちゃんとしたの持ってきたんでしょうね」

番外個体 「そりゃもうバッチリ」

結標 「じゃ、滝壺さん。お願いしていい?」

滝壺 「任せて」フンス


<バタン
<わ、試着室広い。


結標 「こういうとこの試着室って何気に広いのよねー」



494 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/26(月) 22:51:04.56 ID:hm1tAznGo

番外個体 「なんでだろうね」

結標 「それは、買ってもらうためでしょ」

番外個体 「そんなもんなのかなー」

結標 「海外の高級ブティックなんかもっとすごいらしいわよ?」

番外個体 「へえ、どんなの? 達磨にされるとか?」

結標 「それは都市伝説」

番外個体 「その話聞いてから、怖くて1か月ぐらい試着室使えなくなったもんだよ」ケラケラ


<着てみたよー。
<ガチャ


番外個体 「あー、この短いスカートはいかにも淡希チョイスだ」

滝壺 「脚が寒い」

結標 「……滝壺さん、ちょっと違うわ」

滝壺 「?」

結標 「まずアクセサリーベルト、これはちょっと角度付けましょ」クイクイ



495 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/26(月) 22:53:04.90 ID:hm1tAznGo

滝壺 「うん」

結標 「で、ブラウスはね、ボタン上までみっちり閉めなくていいの」

番外個体 「ちょっとぐらい開けといてもいいかもね」

結標 「これぐらい外しておいてもおかしくないわよ」プチプチプチプチ

番外個体 「ちょ、ブラチラしてるから」

滝壺 「これは空けすぎ」モドシ

結標 「えー」

番外個体 「ね、さすがに長袖ブラウスだけど寒いんじゃないの?」

結標 「カーディガンなかった?」

滝壺 「あ、これはむすじめ軍なんだ」ゴソゴソ

番外個体 「おー」

結標 「全然アリでしょ?」

滝壺 「やっぱり脚が寒い」

結標 「そこはストッキングとかブーツでカバーね」

滝壺 「なるほど」フム



496 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/26(月) 22:55:09.35 ID:hm1tAznGo

番外個体 「淡希のことだからホットパンツ+チューブトップとかだと思ったのに」

結標 「私だって季節ぐらい考えるわよ」

滝壺 「じゃ、次みさわの着てみるね」

番外個体 「待ってるよん」


<バタン


番外個体 「びっくりした。あんなに印象変わるんだ」

結標 「いつも同じ服装の滝壺さんだから余計かもね」

番外個体 「普段の服装じゃ分かりにくいけど、滝壺さんスタイルいいよねー」

結標 「何気にバランスがいいのよね」

番外個体 「あまり体型とか気にしてる風でもないんだけどね」

結標 「滝壺さんの場合、病気の経験があって食事も健康志向だから。それが効いてるんじゃない?」


<完成ー。
<ガチャ


滝壺 「これは脚寒くない」



497 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/26(月) 22:56:53.13 ID:hm1tAznGo

結標 「セミロングのシャツワンピース……やるわね」

番外個体 「色はネイビーだから、割といつでも着れるでしょ」

結標 「丈が短めのケープジャケットもいい感じじゃない」

滝壺 「このジャケット可愛いね。暖かそうだし」

番外個体 「この袖とか襟のもふもふがねー」

結標 「貴女、もふもふが好きなの?」

滝壺 「」ウーン

番外個体 「どうしたの?」

滝壺 「ゴメン、どっちもそれぞれの良さがあるから、勝ち負けは決めれない」

結標 「いいんじゃない? 私たちも何気に楽しんでたし」

番外個体 「だね」

滝壺 「とりあえず、これ全部買おう」

番外個体 「おや、思い切りがいいなぁ」

結標 「買うのなら着ていったら?」

滝壺 「それはまた今度。今日の靴だと多分合わない」

結標 「あー……」

番外個体 「それは否めないね」



498 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/26(月) 22:58:26.63 ID:hm1tAznGo

滝壺 「とりあえず着替えてくるね」

結標 「はいはい」


<バタン


番外個体 「滝壺さんも何気にノリノリだなぁ」

結標 「女の子だもの」クスクス

番外個体 「うん、まあ、気持ちは分かるよ」

結標 「懐かしいわね。貴女と最初に出かけたときもこんな感じだったかしら」

番外個体 「あー、そんなこともあったね。服買いたいと思っても、どんなのがいいか分からなかったんだよ」

結標 「それから、色々あったけど……」

番外個体 「けど?」

結標 「ありがとね。ずっと仲良くしてくれて」

番外個体 「それはお互い様だよ。私にとっては初めてできた友達だもん」

結標 「光栄ね」クスクス


<ガチャ



499 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/26(月) 23:00:29.51 ID:hm1tAznGo

滝壺 「お待たせー」

結標 「あ、終わった? じゃ、精算にいきましょうか」

滝壺 「何の話してたの?」

結標 「んー、これからもずっとこんな感じだったらいいわね、って話」

番外個体 「もちろん滝壺さんも含めて、だよね」

結標 「当然よ」

滝壺 「? よくわからないけど、私はいつでも二人を応援してるよ?」

結標 「ありがとね♪」ガシッ

番外個体 「じゃ、ささっと精算して休憩しよっか♪」ガシッ

滝壺 「??」ズルズル

結標 「休憩する前に、コート見るんでしょ?」

番外個体 「あ、そっか。忘れるとこだった」

結標 「折角なんだし、貴女もちょっと選んでいきなさいよ」

番外個体 「財布と相談だねぇ」

滝壺 「あ、そうだ。私もコート見たいんだった」



530 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/28(水) 23:31:34.35 ID:sLTF7fhxo


~同日 ショッピングモール内カフェテリア~


滝壺 「コート買えた」ホクホク

結標 「にしても。コートの選び方一つとっても性格の違いって出るのね」

番外個体 「淡希が買ったソレはコートじゃなくてダウンジャケットだと思う訳だが」

結標 「いいでしょ、暖かそうだったんだもの。それに貴女の白ランに比べれば汎用性は高いわよ」

番外個体 「コレは白ランじゃなくて白トレンチコートだよ!」フギャー

滝壺 「今は白ラン着てる人ってあんまりいないと思うな」

結標 「絹旗さんとか白井さんから聞いた話だけど、LEVEL5の第7位ってそういう服装らしいわね」

滝壺 「前々回の大覇星祭で客席から見たけど、その時は体操服だったね」

結標 「ああ、あのときね。超電磁砲とガチバトルしてたとき」

番外個体 (お姉様なにやってんの)

滝壺 「どん人なのかな」ウーン

番外個体 「LEVEL5だし、変人なんじゃない? 絹旗さんもそう言ってたよね」

滝壺 「ちょっと見てみたい気もする」



531 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/28(水) 23:34:25.59 ID:sLTF7fhxo

番外個体 「絹旗さん経由で連絡してみたら?」

結標 「やってみる?」

滝壺 「ん-……でも、きぬはたも暇とは限らないし」

番外個体 「いや、ヒマでしょ」

結標 「言い切ったら可哀想よ」

滝壺 「また今度、きぬはたと会ったときでいいや」

番外個体 「にしても、絹旗さんも意外な人脈を持ってるね」

滝壺 「こんごうでもいいよね。後輩だし」

結標 「そういえば、あの人って長点上機だったわね」

番外個体 「そなの?」

結標 「大覇星祭で見たときは長点上機所属だったわよ」

番外個体 「あー、だから婚后さんの先輩にあたるのか」

滝壺 「さすがにもう卒業しちゃってるかな」

結標 「そうね。今はどっかの大学にでも行ってるんじゃないかしら」

番外個体 「……大学といえば、さ。二人って今浪人中だったよね」



532 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/28(水) 23:37:02.02 ID:sLTF7fhxo

滝壺結標 「「うん」」

番外個体 「もうどうするか決まったの?」

結標 「先月の終わりに受かったわよ。自己推薦で」

滝壺 「合格しました」テッテレー

番外個体 「え、マジ? やったじゃん。どんなとこ?」

滝壺 「第5学区にある大学」

番外個体 「それじゃ分かんないよ。第5学区は大学だらけだし」

結標 「ほら。私も滝壺さんも、目指す先は一緒でしょ?」

番外個体 「一緒? 保母さんと能力開発教官だと違くない?」

結標 「広い括りで言えば教職じゃない。それでね、教育関係者の育成に特化した大学を見つけたのよ」

滝壺 「いろいろ調べて丁度よさげだったから、受けてみることにした」

番外個体 「なるほど。うん、いいんじゃないかな。一つ心配があるとすれば……」

滝壺 「あるとすれば?」

番外個体 「ショタコンを保母さんにするって、それ即ち盗人に鍵」

結標 「」スパーーン

番外個体 「いったぁぁぁ……!」ジンジン



533 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/28(水) 23:39:25.13 ID:sLTF7fhxo

結標 「ショタコン違うって何百回言わせれば納得するのよ貴女は!」

番外個体 「だ、だって前に子ども好きって言ってたじゃん! 海原さんだって年下じゃん!」

結標 「単純に好きってのと恋愛対象かどうかは別でしょ!」

番外個体 「……そういうもんなの?」

滝壺 「好きってだけだと、一緒に居続けることはできないんじゃないかな」

結標 「貴女だって思い当たる節はあるでしょう」

番外個体 「……」ンー

滝壺 「ねえ、みさわは私のこと好き?」

番外個体 「はい?」

滝壺 「いいから、率直に答えて」

番外個体 「好きか嫌いかで言ったら、好きだけど」

滝壺 「じゃ、私と夫婦みたいな生活できる? 昼の生活も夜の生活も、これから死ぬまでずっと」

番外個体 「……それは微妙、かな」

滝壺 「でも、あくせられーたと、だったらおkだよね」

番外個体 「……うん」



534 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/28(水) 23:42:13.88 ID:sLTF7fhxo

結標 「つまりそういうことよ。恋愛対象ってことは、好きって感情は大前提に過ぎないの」

滝壺 「好きっていう気持ちの上に、積み上げていくって言うのかな」

結標 「憧れだったり尊敬だったりね。もっと直球にペロペロしたいってのもアリよね」

滝壺 「みさわにもあるよね、そういうところ」

番外個体 「確かに……言われてみれば。私にとっては憧れの存在でもあるし、
       ずっと肌スリスリしてたい人でもあるし」

結標 「あらあら」

滝壺 「やっぱり仲良しだね」

番外個体 「だっ……だったら、じゃ、二人もそういうのあるんでしょ!?」

滝壺 「もちろん」

結標 「当然ね」

番外個体 「何々?」

滝壺 「私はずっとはまづらと一緒に居たいし。依存し合うんじゃなく、
    護り合う関係で。その為なら、なんでもできる」フン

結標 「ここまで言わせるなんて、浜面くんも果報者ね」

番外個体 「そう思わせるだけのことがあったんだろうね」



535 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/28(水) 23:44:19.38 ID:sLTF7fhxo

滝壺 「聞いとく? すっごい長いけど」

結標 「また時間があるときに」

番外個体 「で、淡希は?」

結標 「なにが?」

番外個体 「好きって感情の上に、何を積んでるの?」

結標 「えー……別になんでもいいでしょ」

滝壺 「よくない」

番外個体 「私たちは話したんだから」

結標 「む……んーと、私の自業自得なんだけど、みんな私の敵に回っちゃったことがあってね」

滝壺個体 「「……」」

結標 「そんな時に、海原だけはいつも通りの調子で何事もなかったかのように接してくれたのよね」

滝壺個体 「「……」」

結標 「こいつとなら、お互いに支え合えるかな、って……」

滝壺 「みんな敵に回ったって」

番外個体 「それ、共同生活時代の食事当番の話?」



536 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/28(水) 23:46:33.74 ID:sLTF7fhxo

結標 「なんで分かっちゃうのよ!」

番外個体 「分かるっての!」

滝壺 「敵になったつもりはなかったんだけど」

結標 「だって! みんなして未元物質とか非物質世界とか言ってたじゃない!」

番外個体 「でもフォローしたでしょ!?」

結標 「そうだけど……貴女と滝壺さんは料理教えてくれたから許してあげる」

番外個体 「なんで上から目線なの」

滝壺 「でも上達はしたよね」

番外個体 「まあ、一年かけて食べれるレベルにはなったけども」

結標 「お腹に入れば一緒でしょ」

番外個体 「それがいかんつうに」

滝壺 「とりあえず、うなばらがすごい紳士なのは分かった」

番外個体 「うん、それは認める」

結標 「もう……だから言い渋ったのに」

滝壺 「あっ、もうこんな時間……そろそろ行こっか」



537 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/28(水) 23:49:18.74 ID:sLTF7fhxo


~同日昼 レストラン街 とある洋食屋~


番外個体 「はー、お腹空いた……」

結標 「いつの間にかお昼だったのね」

滝壺 「歩き回ってるだけでも楽しいよね」

結標 「そう言えばさ、さっき大学の話したけど」

滝壺 「けど?」

結標 「貴女はこの先どうするつもりなの?」

番外個体 「どうするって?」

結標 「確か、こっち来てから学校には通ってなかったのよね」

番外個体 「うん」

滝壺 「進学とかはしないんだ?」

番外個体 「今更、学校に通いたいとも思わないしね」

結標 「じゃ、あのお店続けるつもりなのね」

番外個体 「今のところはね。なんだかんだ言って楽しいし」



538 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/28(水) 23:50:29.46 ID:sLTF7fhxo

結標 「ショチトルも楽しそうにしてるしね。こっちとしても続けてほしいわ」

番外個体 「あ、学校はあまり興味ないけど、資格は取ろうと思ってるよ」

滝壺 「資格? コーヒーとかお茶の?」

番外個体 「コーヒーのは一回受けて落ちた。次は調理師免許でも目指そうかなと思って」

結標 「え、待って。持ってないの? 飲食店勤務なのに」

番外個体 「いや、飲食店で働くだけなら別に必須じゃないから」

滝壺 「食品衛生責任者だっけ? その資格は持ってるの?」

番外個体 「それはあるよ。まだマスターがいた頃に、一緒に講習会行ってきた。……今にして思えば」

結標 「?」

番外個体 「あの講習会に連れてってくれたのも、自分が帰国するための準備だったのかなぁ」

滝壺 「かもしれないね」

結標 「貴女がさっき本屋に行きたいって言ったのって」

番外個体 「うん。参考書の類を探したくて」

滝壺 「なるほど」

番外個体 「で、調理師免許があれば、その講習って免除されるらしいんだよね」



539 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/28(水) 23:52:20.04 ID:sLTF7fhxo

結標 「そうなの? だったらあると便利かもね」

番外個体 「そういうこと」

滝壺 「頑張って。そんな前向きなみさわを応援してる」

番外個体 「ありがとね」フフリ

結標 「負けてられないわね、私たちも」

滝壺 「うん、大学で教員免許とらないと」

番外個体 「そんな二人を私も応援しておく」

滝壺 「免許と言えば、最近はまづらが運転免許とったよ」

結標 「あら、やったわね」

番外個体 「これで堂々と運転できるね」

滝壺 「うん、でもね」

結標個体 「「?」」

滝壺 「私も取ろうと思ってたんだけど、はまづらに止められた」

結標 「止められた?」

番外個体 「なんでまた」



540 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/28(水) 23:53:51.06 ID:sLTF7fhxo

滝壺 「はまづらがね」


  ――運転は俺が出来る限りやる。だからお前は運転するな。死者が出てからじゃ遅い。


滝壺 「だって」

結標個体 「「あー……」」

滝壺 「失礼だよね」

番外個体 「ま、まあ、任せちゃえばいいんじゃない?」

結標 「そうそう。滝壺さんは助手席を定位置にしちゃえばいいのよ」

滝壺 「……そうだね、それもいっか」

番外個体 「正直、滝壺さんは運転向いムグッ」

結標 (せっかくまとまったんだから、余計なこと言わない)ヒソヒソ

滝壺 「二人は免許持ってる?」

番外個体 「私も最近とった、ほら」ジャーン

結標 「店持ちの身でよく自動車学校に通う時間あったじゃない」

番外個体 「空いた時間に細々と通ってたからね。数ヶ月かかったよ」



541 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/28(水) 23:56:05.54 ID:sLTF7fhxo

滝壺 「よかったね、おめでとう」

結標 「これから色々頼めるわね」

番外個体 「いやいや、なんで頼む前提なのさ」

滝壺 「あ、でも車はどこにもないね」

番外個体 「んー……これ言っていいのかな」

滝壺 「?」

番外個体 「車、あるんだよね」

結標 「え、なんで? 気が早すぎない?」

番外個体 「いや、あのね。めでたく免許とってさ、次は大型二輪が欲しいなーって話したら」


  ――ダメだ、許さねェ。二輪は危ねェからな。車は用意してやる、引き換えに大型二輪は諦めてくれ。


番外個体 「って言われた」

結標 「相変わらずやることが極端ね、貴女の彼は」

滝壺 「極端って言うか、みさわに甘いんだよね」

番外個体 「いや、金銭感覚が健全じゃないだけだと思う」



542 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/28(水) 23:57:56.22 ID:sLTF7fhxo

滝壺 「私もはまづらと出し合って車買おうかな」

番外個体 「いいんじゃない? フレメアもいるんだし、必要になることもあるでしょ」

結標 「ちなみにどんな車種なの?」

番外個体 「んー、記念に撮った写真が……ほら、これ」カチカチ

滝壺 「あ、ランクルだ」

結標 「滝壺さんが一目で言い当てたのはなんだか意外ね」

滝壺 「はまづらが車見るの好きだから、私も詳しくなっちゃった」

番外個体 「浜面さん、よく車の雑誌見てるもんねー」

結標 「でもなんで乗ってこなかったのよ。そしたら私たちもラクできたのに」

番外個体 「雨降りそうだったし。降ったら汚れちゃうもん」

結標 「インテリアじゃないんだから」ハァ

店員 「お待たせいたしました。オムライスのお客様」

番外個体 「はいはーい」

店員 「エビドリアのお客様」

滝壺 「私」ハイ



543 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/29(木) 00:00:10.81 ID:KIGRatoio

店員 「ハムレタスサンドのお客様」

結標 「こっちです」

店員 「ごゆっくりどうぞ」ペコリ

滝壺 「それにしても、いきなり車買うって豪快だよね」

結標 「LEVEL5の1位だもの。金銭感覚は今のうちの矯正しといたほうがいいわよ?」

番外個体 「そうなんだよね……この間もさ、とんでもないスペックのパソコン買ってきて」

結標 「何に使うのよ」

番外個体 「なんかさ、在宅ビジネス始めるんだって」

滝壺 「あ、仕事するつもりなんだ」

結標 「驚いたわね……株でもやるつもりなの?」

番外個体 「いや、物書きの真似事だよ。なんか参考書とか、翻訳とか」

滝壺 「それって向いてるよね。第一位の頭脳の有効活用」

結標 「でも外には出ない仕事を選んだのね……」

番外個体 「ねー……家に食べ物がないとか、理由がないと全然外出ない」

滝壺 「仕方ないよ、家が一番」



544 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/29(木) 00:01:30.33 ID:KIGRatoio

 :
 :
 :

滝壺 「ねえねえ。二人に聞いてみたかったんだけど」

番外個体 「んー?」

滝壺 「二人って、ケンカしたりする?」

結標 「ケンカって、私とこの子で?」

滝壺 「ううん、うなばらとかあくせられーたと」

番外個体 「あ、そっちね」

結標 「疑問に疑問で返すようで悪いんだけどね。私、滝壺さんと浜面くんがケンカしてるビジョンが浮かばない」

番外個体 「そりゃアレだ。雲行きが怪しくなれば浜面さんが謝り倒すから」

滝壺 「はまづらは紳士だから」フンス

結標 (あと、滝壺さんを怒らせたらすっごく怖いのを一番知ってるからよね)

滝壺 「で、二人はどうなの?」wktk

番外個体 「んー。ケンカねぇ……」

結標 「そうね、私の場合は……うぅん、どこから話そうかな」



545 :◆8GNB4AEvC.:2011/09/29(木) 00:02:21.92 ID:KIGRatoio

といったところで、今回はここまでです。
考えてみたら一方さんの嫁内定って勝ち組よね。

お付き合い頂き、ありがとうございました。



547 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/09/29(木) 00:15:32.41 ID:wBIXuj870
乙~。
海原と結標のケンカも想像出来んなぁ




557 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県):2011/09/30(金) 11:15:56.94 ID:nPb/h0dJ0
三人ともぺろぺろ



558 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸):2011/09/30(金) 11:22:41.88 ID:KcgdyX4AO
>>557
テッラ・闇咲・ビアージオのチョイスとは渋いな…




559 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/09/30(金) 21:54:08.73 ID:xwmsyRqSO
>>558
声優だけ見たら豪華




565 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/01(土) 00:44:02.84 ID:LoqKC+hlo

番外個体 「洗いざらい喋っちゃいなよ。きっとラクになれるよ?」ポンポン

結標 「別に苦しんでるワケじゃないから」

滝壺 「で、どういう感じなの?」

結標 「ケンカっていうか……大抵の場合、私のフラストレーションが爆発して」

番外個体 「ヤだね、ヒスる女って」

結標 「黙って聞きなさい」グリグリ

番外個体 「痛いっ! それ地味に痛いからっ!」

滝壺 「鎖骨のくぼみをグリグリされるのは痛い」

番外個体 「うちの人みたいなマネしないでよね……あいたた」

結標 「何させてるのよ、貴女は。……それは後で聞くとして続けるわよ。それで言い合いになるのだけど」



 *** 回想 自宅寝室にて ***


結標 「だからぁ! 私が言いたいのは(以下略)」

海原 「ええ」

結標 「もちろん貴方だって分かってると思うけど(以下略)」



566 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/01(土) 00:46:01.99 ID:LoqKC+hlo

海原 「はい」

結標 「私だってね、普段から(以下略)」

海原 「仰るとおりです」

結標 「それで、この先だってずっと(以下略)」

海原 「もっともかと」

結標 「(ノシ*゚д゚)ノシ<ちょっと、聞いてるの!?」バシバシ

海原 「聞いてます、聞いてますから叩かないでください」


<ガチャ


ショチトル 「二人ともいい加減にしないか。何時だと思ってるんだ」

海原 「これはすみません」

結標 「ご、ゴメンなさい」

ショチトル 「全く……程々にな。あぁ、あと寝るのなら服を着てくれ」


<バタン


 *** ここまで ***



567 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/01(土) 00:47:42.46 ID:LoqKC+hlo

滝壺個体 「「……」」

結標 「ていう感じで、一方的に捲し立てるだけね。あいつは聞いてるだけ」

番外個体 「それケンカって言うかさ、淡希が一人で勝手にヒスってるだけじゃん」

滝壺 「むすじめは溜めて溜めて爆発させるタイプなんだね」

結標 「じ、自覚はあるわよ……」

番外個体 「けど海原さんらしいね。いつもの海原スマイルでじっと聞いてるんでしょ」

結標 「うん。で、時間経過でこっちの頭も冷えてきて、それでお開きになっちゃうか、もしくは」

滝壺 「もしくは?」

結標 「さっき話したみたいに、呆れたショチトルが止めに入る」

番外個体 「いい小姑だね」ケラケラ

結標 「小姑って言ってあげないでよ」

滝壺 「じゃコトメ」

結標 「専門用語の乱用は関心しないわね」

滝壺 「でもうなばらも大人なんだね。それだけ言われても反論一つしないんだ」

結標 「ホント、アイツもね……少しぐらい言い返してほしいんだけど」



568 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/01(土) 00:49:37.90 ID:LoqKC+hlo

滝壺 「言いたいことがあるなら、言ってくれたほうが嬉しいよね」

番外個体 「そういう点で言えば、うちの人は心配ないな」

結標 「そうなの? あいつって言葉が悪いだけであまり本音は言いそうにないけど」

番外個体 「言うよ。ただ言い方が不器用だから、耐性がない人には罵倒に聞こえるかも」

滝壺 「たしかに、慣れてない人だとあくせられーたはちょっと怖いかも」

結標 「不器用ねぇ……まあ、昔に比べればマシになった感はあるけど」

滝壺 「疲れちゃったり傷ついたりってことはないの?」

番外個体 「ないよ。そりゃうちの人、他意はないけど配慮もない。悪気もなけりゃデリカシーもない。
       ついでに言うと品もないけどね」ケラケラ

番外個体 「でもね、どんなに素っ気なくても言葉が悪くても、私を大事にしてくれるのは伝わってくるから」

結標 「イヤね、惚気る女って」

滝壺 「大事にしてくれるレベルなら、はまづらが一番」フンス

結標 「……う、海原だって」ゴニョゴニョ

番外個体 「んー? なんか言った?」

結標 「なっ、なんでもないわよ! で、貴女はどうなの。ケンカっていうか、殺し合いするの?」

番外個体 「しねーよ!」



569 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/01(土) 00:51:18.54 ID:LoqKC+hlo

滝壺 「みさわの方は、言い合いになったらなんだか凄そう」

結標 「二人とも変なところで頭の回転が速いしね。……あ、そういえば」

番外個体 「?」

結標 「ショチトルから聞いたんだけどさ。スーパーでケンカしてたんだって?」

番外個体 「へ? それいつの話?」

結標 「私が聞いたのは一昨日。あの子が見たってのはさらに一昨日だから、4日前ね」

番外個体 「……あ、あー、アレね」

結標 「他人の前でケンカなんてするものじゃないでしょ。貴女たち、良くも悪くも目立つ容姿してるんだし」

滝壺 「でもなんでケンカしてたの?」

番外個体 「……笑わない?」

結標滝壺 「「笑わない」」キリッ

番外個体 「んとね」



 *** 回想 とあるスーパーにて ***


番外個体 「ねー、豚バラ肉とってきてー」

一方通行 「なンに使うンだよ」



570 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/01(土) 00:52:28.19 ID:LoqKC+hlo

番外個体 「肉じゃが。食べたいって言ってたでしょ? 作ってあげるよ」

一方通行 「…………ちょっと待ってろ」

 :
 :
 :

一方通行 「ほれ」ドサッ

番外個体 「? これ牛スジなんだけど」

一方通行 「肉じゃがだろ? だったらこっちだろ」

番外個体 「いやいやいや、有り得ないから」

一方通行 「はァ? 豚肉のほうが有り得ねェ」

番外個体 「なんで? おかしいと思わないの?」

一方通行 「オマエがおかしいとは思ったな。牛と豚の区別もつかねェのか、と」

番外個体 「……はぁ? もう一回言ってみろよテメェ」ビリッ

一方通行 「あァ? 文句あンのかよ上等じゃねェかオイ」バチッ


 *** ここまで ***



571 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/01(土) 00:54:46.53 ID:LoqKC+hlo

結標 「……バ~~~カじゃないの?」

番外個体 「な、なんで!?」

結標 「買い物に行って、見知らぬ若い夫婦がそういう言葉遣いでケンカしてたらドン引きよね。ていうか近づかない」

番外個体 「……次から気をつける」

滝壺 「でも、これはあくせられーたが100%悪いよね。肉じゃがは豚肉一択」ウンウン

結標 「そ、そうなの?」

番外個体 「淡希はなに、素手で倒してきた熊でも使うの?」

結標 「使わないわよ」

番外個体 「じゃ素手で倒してきた虎?」

結標 「だからなんで素手で倒してくる前提なの!?」

滝壺 「みさわ、むすじめのレベルだとまだ肉じゃがは作れない」

番外個体 「それもそっか」

結標 「えぇ、ヒドくない!? 作れないけど!」

滝壺個体 「「作れないんじゃん」」

結標 「」ショボン



572 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/01(土) 00:56:25.82 ID:LoqKC+hlo

滝壺 「でも二人もケンカってするんだね。彼とはすごい仲良しなのに」

番外個体 「仲がいいからこそ、かな。うちの人の場合、興味ない人間はそもそも一切相手にしないからねぇ」

結標 「それはあるわよね。パートナーとして居続けたいから衝突するのであって、憎たらしい訳じゃないんだし」

滝壺 「なるほど」フム

番外個体 「んで、滝壺さんって浜面さんとケンカするの? 全然想像できないんだけど」

滝壺 「」ウーン

結標 「言い方を変えてさ、浜面さんが滝壺さんに怒ったことってある?」

滝壺 「それはあるよ。はまづらも普段は直情型だし」

番外個体 「へー、どんなシチュ?」

滝壺 「ええと」



 *** 回想 自宅リビングにて ***


浜面 「滝壺さーーん!!」

滝壺 「どうしたの?」



573 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/01(土) 00:57:36.50 ID:LoqKC+hlo

浜面 「俺、これだけは譲れないんだ!」

滝壺 「?」

浜面 「朝メシの目玉焼き、ああ、実にうまそうだ。なんせ滝壺が作ったんだからな!」

滝壺 「うん」

浜面 「でもこの付け合わせのウィンナーはイヤだ」

滝壺 「何かダメだった?」

浜面 「ウィンナーはあの赤いのじゃなきゃダメだろぉ!」

滝壺 「……赤いの?」

浜面 「ほら、よくマンガとかでさ、タコさんウィンナーになってるヤツ。あるだろ?」

滝壺 「……あー」

浜面 「俺あれがいい!」

滝壺 「でもあれって着色料」

浜面 「一向に構わんッ!」

滝壺 「……分かった。次からそうする」


 *** ここまで ***



574 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/01(土) 00:59:29.72 ID:LoqKC+hlo

滝壺 「それ以来、うちで出てくるウィンナーは全部タコさん。フレメアも喜ぶから丁度いい」

番外個体 「……なんだかなぁ」

結標 「貴女は呆れる資格ないじゃない。牛スジでケンカしてるんだから」

番外個体 「むぐ」

滝壺 「フレメアがいるし、派手なケンカは見せられないってのもあるかな」

結標 「確かにね。そろそろショチトルにも呆れられてるし、自重しないと」

番外個体 「赤の他人ならまだしも、うちの小さいのに物凄いケンカは見せたくないよな……」

滝壺 「子どもじゃないけど、子はかすがいって言葉と同じニュアンスだよね」

番外個体 「かすがいか、なるほど。どうりであの子はいつも頭を叩かれるワケだ」

結標 「止めてあげなさいよ、妹でしょうが」

 :
 :
 :

滝壺 「随分長居しちゃったね」

番外個体 「コーヒーお代わり自由なのが悪い」

結標 「飲みすぎるとバスト縮むって前から言ってるのに」



575 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/01(土) 01:01:29.01 ID:LoqKC+hlo

番外個体 「それは都市伝説。事実私は縮むどころか少し育ったし」

結標 「信じる信じないは自由だけどね」

滝壺 「じゃ、そろそろ行こっか。本屋行くんだっけ?」

番外個体 「あ、いい?」

結標 「ファッションフロアは午前中で大体回ったしね」

滝壺 「時間はあるんだし、用事思い出したらまた行けばいいよ」

番外個体 「ゴメンね、ささっと済ませるからさ」



~同日 ブックストア~


番外個体 「んー……お、これかな?」

結標 「参考書っていうか問題集ね」

滝壺 「すごい。調理師免許の試験ってこんなことまで聞かれるんだ」パラパラ

番外個体 「範囲は広くて深いってのは読んだけど、ここまでとは……」

結標 「あら? 怖気づいちゃった?」



576 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/01(土) 01:02:50.27 ID:LoqKC+hlo

番外個体 「ぜ、全然! むしろ燃えてきたね」

結標 「頼もしいこと」クスクス

滝壺 「そんな燃えてるみさわを私は応援してる」

番外個体 (引き下がるつもりはないけど、いよいよ引き下がれないぞ……)

番外個体 「じゃ、とりあえずコレ買ってくる」コツコツ...

結標 「入り口のところにいるわね」

滝壺 「入り口は向こうだね」トテトテ


 [[携帯電話]]<アイシアウーアナターダーケ フターリーミツーメーテルー♪


結標 「?」

滝壺 「メールだ」カチカチ

結標 「二人同時に鳴ったのね。何かと思ったわ」

滝壺 「きぬはたから?」

結標 「ええ、温泉に行こうって」

滝壺 「温泉」キラキラ



577 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/01(土) 01:04:42.18 ID:LoqKC+hlo

結標 「懐かしいわね。前にみんなで行ったわよね」

滝壺 「うん。たしか、全員揃っての初めてのお出かけだったと思う」

結標 「……ショチトルも連れていけないかな」

滝壺 「そこは任せるみたいなこと書いてあるよ」

結標 「そっか。なら安心ね」

滝壺 「フレメアも。さすがに一人置いていくのは可哀想だし」

番外個体 「お待たせー。なんか絹旗さんからメールきてたね」

滝壺 「うん、今ちょうどその話してた」

結標 「貴女も、彼と妹連れていってあげたら?」

番外個体 「そうだね……一応メールで聞いてみよっか」カチカチ

結標 「ショチトルはどうするのかな。ゴメン、ちょっと電話してくる」カチカチ

滝壺 (フレメアもはまづらも絶対来るだろうから、今すぐ聞かなくてもいいかな)

結標 「……つながらないわね。電源切ってるのかしら」

番外個体 (あ、返事……え、来ないの? そうはさせるか。最終信号にもメールして、と)カチカチ

結標 「あ、もしもし? 海原? あのさ、ショチトルって今どこにいるか知らない?」



578 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/01(土) 01:06:39.58 ID:LoqKC+hlo

番外個体 (よし、根回しおk。にひひ、これで逃げ道は塞いだぜ)

結標 「図書館? あ、そう……ね、とりあえず合流しない? あの公園でいい?」

滝壺 (合流……やっぱり、さっき買った服着てこうかな)ポケー

番外個体 (送信、っと。これであなたはもう引き下がれない♪)

結標 「じゃ、あとでね」ピッ

滝壺 「ねえ」

番外個体 「どした?」

滝壺 「やっぱり、さっきの服着てこうと思う」

結標 「あ、着てく?」

滝壺 「うん、それで靴も見ておこうかなと思って」

番外個体 「いいんじゃないかな。で、どっちにするの?」

滝壺 「今日はみさわチョイス」

番外個体 「ktkr」

結標 「えー」

滝壺 「むすじめのも好きだよ?」



579 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/01(土) 01:08:16.23 ID:LoqKC+hlo

結標 「……ふふ、ありがと。ま、今日は華を持たせてあげるわよ」

番外個体 「そりゃどうも」

滝壺 「じゃ、靴見に行こう」

結標 「今日は大荷物ね」クスクス



~シューズストア~


滝壺 「ささっと買っちゃったね」

番外個体 「驚くほど迷わなかったね」

結標 「3人の意見が一致したものね」

滝壺 「じゃ、このショートブーツと服と合わせて」

番外個体 「こりゃ浜面さん、驚きのあまり引っくり返っちゃうな」ケラケラ

結標 「そういえば、浜面くんって今どこにいるの?」

滝壺 「ええと、知る手段はいくつかあるけど」

番外個体 「私知ってる」



580 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/01(土) 01:09:55.54 ID:LoqKC+hlo

結標 「なんで貴女が?」

番外個体 「今さっき、こんなメール来たんだよね」カチカチ


 差出人:misaka20001@mnw.ne.jp
 件名:あの人が!
 日付:20yy/m/d 16:45
 ───────────────
 病院まで迎えに来てくれたよ♪
 なぜかお兄ちゃん二人も一緒!
 これからフレメア迎えに行くん
 だって!(≧∀≦)


滝壺 「みさわ妹?」

番外個体 「うん」

結標 「この文面見る限り、男ども3人一緒にいるみたいね」

番外個体 「だから、こっちも3人で凸すればいいんじゃないかな」

滝壺 「なるほど」フム

結標 「ちょっと待って。海原にもそう伝えてくるから」カチカチ

番外個体 「じゃ、適度に着替えていくとしましょうか。浜面さんどんな顔するかな」ニヨニヨ

滝壺 「すっごい楽しみ」フフリ



581 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/01(土) 01:11:53.35 ID:LoqKC+hlo

 さて、ルート3もここまでにしておきましょう。
女3人寄ればなんとやらと申します通り、彼女らは共通の話題を
色々持っているので、時間もあっという間に過ぎるのでしょうね。

 次回からは3つルートが統合、本章のまとめに入ります。
今しばらくお付き合いくださればと思います。



582 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/01(土) 01:12:34.34 ID:LoqKC+hlo

といったところで、今回はここまでです。
この3人の会話は書いてて楽しいなぁ。

お付き合い頂き、ありがとうございました。



588 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸):2011/10/01(土) 03:34:10.91 ID:/3BYOTGAO
番外個体……やんちゃな姐御系
あわきん……落ち着いたお姉さん系
たきつぼ……マイペース癒し系

タイプが全然違うからこそ相性が良いのかもね~。
あわきんは灰村絵を見る限り、普段着は露出してないだろうからこういう括りにした




604 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区):2011/10/02(日) 07:44:25.92 ID:u3Q/RcLq0
滝壺さん家庭板住人か



605 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸):2011/10/02(日) 08:40:13.78 ID:YMpb9kmAO
そして鬼女になる滝壺さん



606 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/10/02(日) 11:24:53.19 ID:IabDSGCSO
滝壺「○○の住所特定」



615 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/03(月) 01:01:08.21 ID:hPhr25M0o

禁書3巻が出るんですね。
また別SSの構想がそげぶされないか、
戦々恐々としながら過ごす日々が始まるお。

それでは始めさせて頂きます。
前回の続きからです。



616 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道):2011/10/03(月) 01:02:02.73 ID:Nw4z+vSp0
待ってました!!!



617 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/03(月) 01:02:50.51 ID:hPhr25M0o


~同日 とある公園~


一方通行 「で? あいつらはこっちに向かってると」

海原 「ええ。第16学区からなので、それほど時間はかからないでしょう」

フレメア 「ね、浜面。大体お腹空いた、にゃあ」グイグイ

浜面 「あぁ、もう、しょうがねぇな。なんか買ってくるか」

一方通行 「オイ、2号」

浜面 「とうとう三下2号から2号になっちまったよ……で、なんだ?」

一方通行 「クソガキの分は買ってこなくていいぞ。そっちのガキの分だけ用意してこい」

打ち止め 「え」

浜面 「なんでだ? 不公平が出来たら可哀想だろ」

打ち止め 「そうだそうだ!」

一方通行 「夕方に菓子食って、晩メシキツイとかいつもほざいてるのはオマエだろォが!」ズビシッ

打ち止め 「ふぎゃ」

海原 「はは、これは擁護できませんね」



618 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/03(月) 01:05:25.05 ID:hPhr25M0o

浜面 「うん、たしかに。それはよろしくないな」

海原 「ですが、それはフレメアさんにも言えることでは?」

浜面 「あー、言われてみれば……」

フレメア 「シロ余計なこと言っちゃダメ」

一方通行 「あァ?」

フレメア 「」サササ

海原 「浜面さんの後ろに隠れてしまいましたよ」

打ち止め 「あ」<グゥ~~

浜面 「お、小さい方の姐さんの腹も嘆いてるぞ」

打ち止め 「~~~~!!」ゲシゲシ

浜面 「痛い、痛いから!」

一方通行 「……ったく。オイ、クソガキ」

打ち止め 「?」

一方通行 「好きにしていい。その代わり、今日の晩メシ一口でも残したら制裁発動だからな」

打ち止め 「ら、らじゃ!」



619 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/03(月) 01:07:19.14 ID:hPhr25M0o

海原 「どうやら話はまとまったようですね」

浜面 「じゃ、ひとっ走り行ってくるからな。ここ動くなよ! 絶対だぞ!」


<ダダダダ


海原 「なにも全力疾走しなくても」

フレメア 「ここ動くなよ、絶対だぞ、にゃあ」

打ち止め 「てことは、絶対動けってことだよね」

一方通行 「テレビの見過ぎだ、アホ」

 :
 :
 :

浜面 「買ってきたぞ。ふたりで半分こして食うようにな」

フレメア 「やっときたー」バリバリ

打ち止め 「これ食べたことないかも」

フレメア 「はい、大体はんぶんこ」ハイ

打ち止め 「大体じゃなくてきっちり半分にしてくれると嬉しいな」



620 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/03(月) 01:08:45.61 ID:hPhr25M0o

フレメア 「」パリパリ

打ち止め 「」ポリポリ

浜面 「やっぱハッピーターンはうまいな!」バキバキ

海原 「一人だけ音がおかしくないですか」

一方通行 「そりゃ重ね食いしてりゃァな」

海原 「贅沢ですね」

浜面 「おお! ハッピーターン大人食いは俺にとって贅沢であり楽しみだからな!」

一方通行 「いいのかよ、それで」ハァ

番外個体 「おっまたせー♪」ドーン

一方通行 「ふごォ!?」


  ビターン


番外個体 「あれ? 倒れちゃった? そこは受け止めてくれるところでしょー」ユサユサ

一方通行 「後ろからいきなりレッグラリアットかましてきて何ほざきやがる!」ウガー

フレメア 「あ、ミサワのお姉ちゃんだ」



621 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/03(月) 01:10:08.55 ID:hPhr25M0o

浜面 「今、どっから現れたんだ? 直前まで気配がなかったぞ?」

番外個体 「ふふ、今日私が誰と一緒にいたのか、考えれば分かるでしょ?」

海原 「なるほど、そういうことですか」

一方通行 「いいからどけ。いつまで人の背中に馬乗りになってやがる」

番外個体 「ねー、このままキャメルクラッチやっていい?」

一方通行 「やめろバカ」

結標 「無様ね。彼女一人受け止めることもできないの?」

打ち止め 「うひゃぁ!?」ビクッ

海原 「結標さん、いきなり現れて驚かしたら可哀想ですよ」

結標 「ゴメンね、驚かせるつもりはちょっとだけあったの」ナデナデ

打ち止め 「あったんだ」

フレメア 「あれれ? 滝壺お姉ちゃんは一緒じゃないの?」

浜面 「そうだそうだ。滝壺はどうしたんだ」

番外個体 「後ろにいるじゃん」

一方通行 「どけっつってンだろォォ!」ギャース



622 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/03(月) 01:11:09.66 ID:hPhr25M0o

浜面 「?」クルッ

滝壺 「お待たせ」

浜面 「」

海原 「これはこれは、見惚れてしまいますね」

結標 「」グイ

海原 「いたたたた! しゃ、社交辞令ですよ!」

結標 「社交辞令? 本心じゃないってこと? サイテー」

海原 「いや、どうしろと」

滝壺 「どう? 変かな?」

浜面 「」

フレメア 「いつもと違う服だー」

打ち止め 「いいなー、可愛い、いいなー」

番外個体 「私が選んだのさ」フンス

一方通行 「へェ……悪くないンじゃねェの? で、そろそろどけ」

滝壺 「……はまづら?」



623 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/03(月) 01:12:40.17 ID:hPhr25M0o

浜面 「」

海原 「待ってあげてください。気の利いた返事をしようと脳内検索してるんですよ、きっと」

結標 「バグってるだけじゃないの?」

番外個体 「変に考えず、ストレートにぶつければいいのにさ」

一方通行 「下手に世辞なンざ考えりゃ墓穴ほるだけだ。で、どけ」

浜面 「……た、滝壺!」

滝壺 「うん」

浜面 「お前が可愛すぎて、太陽も引っこんじまったぜ」

滝壺 「ありがと」フフ

結標 「……どう思う?」

番外個体 「よくやった方でしょ」

海原 「ちょうど日も沈んでいますしね」

フレメア 「滝壺お姉ちゃん、いつも違ってなんかいい」

打ち止め 「かわいー」

滝壺 「二人もありがとね」ナデナデ

一方通行 「ガキぐらい単純な方が分かりやすいだろうに……いい加減、どけ」



624 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/03(月) 01:14:14.83 ID:hPhr25M0o

海原 「さて、揃ったことですし、そろそろ引き上げるとしますか」

結標 「ショチトルは?」

海原 「もう図書館も閉館時間でしょうから、帰路についていると思いますよ」

結標 「じゃ途中で連絡してみましょうか。でも、なんで図書館に?」

海原 「なにやら、読書がマイブームだそうで」ニコニコ

結標 「そういえば、入院中も本読んでばかりだったしね」

フレメア 「帰るの?」

滝壺 「うん、帰ってご飯の準備もしないとね」

打ち止め 「フレメア、またね!」ノシ

フレメア 「うん、また今度ね」ノシ

浜面 「にしても、すごい荷物だな。貸せ」

滝壺 「あ、ゴメンね。ありがと」

浜面 「こんなのは重い内に入りませんて」フンス

海原 「……あぁ、これは失礼しました。気が利きませんで」

結標 「いいわよ。自分の荷物なんだから」



625 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/03(月) 01:15:15.95 ID:hPhr25M0o

海原 「まあまあ、そう言わずに。持たせて頂きますよ」

結標 「そう? じゃ、こっちお願いね」

海原 「確かにお預かりしました」

番外個体 「」ジー...

一方通行 「……なンだよ」

番外個体 「」ジー...

一方通行 「自分で持ってろ」

番外個体 「えー、なにそれー!」

一方通行 「こっちゃ杖ついてンだ、察しろ」

番外個体 「ケーチー」ブーブー

打ち止め 「ね、みんな行っちゃうよ?」

番外個体 「おーっと、こいつは大変だ! 走れ走れ!」グイグイ

打ち止め 「走れー!」グイグイ

一方通行 「オイバカ危ねェ! 引っ張ンじゃねェ!」



626 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/03(月) 01:16:54.47 ID:hPhr25M0o


~同日夜 第7学区 常盤台新寮~


ユリコ 「( -ω-)」フピー

白井 「あぁぁぁ、わたくしとしたことがぁぁぁ!」

絹旗 「いやいやいやいや、超お疲れだったんだからしょうがないですって!」

白井 「そうであっても! 人が来てる時に寝入ってしまうなんて!」ガンガン

絹旗 「壁壊れますから! それに婚后さんですから、超気にしないですよ!」

白井 「これが婚后さんじゃなければ、きっと寝込みを襲われて」

絹旗 「あ、そっちの心配ですか」

白井 「うぅぅ、だってしょうがないではないですか。顔に仔猫が乗ってきたら寝るに決まってますの。ラリホーですの」

絹旗 「ということらしいですよ、アスカ」

アスカ 「?」

白井 「あぁ、いえ、アスカが悪いわけではないのですよ」ナデナデ

アスカ 「フミィ」

絹旗 「」ハァ



627 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/03(月) 01:18:30.44 ID:hPhr25M0o

リック 「」ウロウロ

白井 「リックは先程から何を?」

絹旗 「婚后さんを探してるんですよ。超懐いてましたから」

白井 「まあ、そこまで?」

絹旗 「それはもう。剥がすのに超苦労したぐらいですよ」

白井 「つまりリックは大きい方が好みと」

絹旗 「そりゃ私じゃ白井さんには懐かないですよね。って、超うるさいですよ!」

テスラ 「フモー」ポテポテ

絹旗 「テスラ? 携帯がどうかしたんですか?」

白井 「わざわざ持ってきてくださったんですから、何かあるのでは?」

絹旗 「?」カチカチ

白井 「そういえば、先程まで鳴りっぱなしでしたわね」

絹旗 「あー、温泉の件でした」

白井 「みなさんいらっしゃると?」

絹旗 「ええと、んと……ちょ、ちょっと紙に書いて超整理してみましょうか」カキカキ



628 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/03(月) 01:20:02.50 ID:hPhr25M0o

テスラ 「?」チョイチョイ

絹旗 「あ、こら。ペンで遊ばないでください」

白井 「さて、どれぐらい集まるでしょうか」

絹旗 「人数によっては、前使ったキャピングカーでも入らないでしょうね」

白井 「その場合は各自で移動するしかございませんわね」

絹旗 「うーん、そうなると超ちょっと面倒ですね……」カキカキ

白井 「まあまあ、それはまた考えるといたしましょう」

絹旗 「そうですね。で、ええと、全員来るみたいですよ」

白井 「全員というのは、ご家族の方も?」

絹旗 「ええ、本当の意味で超全員です」

白井 「これは賑やかになりそうですの……あら?」


  黒夜 ○


白井 「意外ですの。黒夜さんにもお声掛けしていたのですね」

絹旗 「え? あれ?」



629 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/03(月) 01:21:16.89 ID:hPhr25M0o

白井 「?」

絹旗 「なんで黒夜が入ってんですか?」

白井 「メールしたのでは?」

絹旗 「ホ、ホントですか?」

白井 「真相を知るのは絹旗さんのみですの」

絹旗 「ちょ、超ちょっと待ってくださいよ」カチカチ

アスカ 「」チョンチョン

白井 「あ、抱っこですか? もう、しょうがないですわね」ヒョイ

アスカ 「♪」

絹旗 「ぎにゃぁぁぁ、黒夜が混ざってたぁぁぁ!!」

白井 「よいではないですか、来て頂いても」

絹旗 「えぇぇぇ……あいつが風呂で暴れるとか超悪夢ですよ」

白井 「わたくし、気付きましたの」

絹旗 「何をですか」

白井 「絹旗さんが大人しくしていれば、黒夜さんが暴れることもきっとないですの」



630 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/03(月) 01:22:21.99 ID:hPhr25M0o

絹旗 「なんですか、それ。私のせいみたいじゃないですか!」

白井 「絹旗さんが挑発等に応じなければ、黒夜さんだって暴れる理由はございませんもの」

絹旗 「ぐぬぬ……」

白井 「まあ、もう引き返せないのも事実。受け入れましょう」

絹旗 「むー、何にもなければ超いいんですけどね……」

白井 「メンバーは決まったのですし、あとは日程の調整ですの」

絹旗 「じゃ超都合のいい日を教えてくださいとでも送っておきますか」カチカチ

白井 「なるべく先にならない方がよいですが」

絹旗 「それもそうですね。じゃ、今月中で、と付け加えておきましょう」カチカチ

白井 「それにしても温泉イベント……あんなことやこんなことを……」グフフ

絹旗 「なんか黒夜より白井さんの方が超心配になってきたんですが」

白井 「何を申しておられますの。わたくしとて淑女の端くれ、法に反した行為はとりませんの」

絹旗 「欲望に反した行為は超とってください」

白井 「それはちょっと」

絹旗 「おい」



631 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/03(月) 01:24:20.29 ID:hPhr25M0o

 :
 :
 :

絹旗 「よし、送信完了です」

白井 「そういえば、また夕方から向かうおつもりで?」

絹旗 「いえ、もっと早い時間ですよ。前回、時間がなさ過ぎて全然遊べなかったじゃないですか」

白井 「たしかに。もっと見て回ってみたかったですわね」

絹旗 「前回は色々と超消化不良でしたからねぇ」

白井 「だから今回は時間に余裕をもたせると」

絹旗 「超そういうことです」

白井 「これは気合いを入れていかないといけませんわね」クスクス

絹旗 「それはもう。全施設制覇する勢いでいきましょうよ」

白井 「下調べも必要になりますの」

絹旗 「そうですね。じゃ、今からHPでも見ておきますか。……ええと、施設案内、と」カチカチ

白井 「それにしても、いろいろとあるのですね。一日で足りるのでしょうか」

絹旗 「……あー、ダメです。見るのやめましょう。楽しみで超ウズウズしてきます」

白井 「ならば、当日の楽しみにとっておきますの」クスクス



632 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/03(月) 01:24:59.28 ID:hPhr25M0o

といったところで、今回はここまでです。
「#4 トライアングル△トーク」も今回をもって終幕となります。
次回からは新章をお送りいたします。

お付き合い頂き、ありがとうございました。



637 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/10/03(月) 07:22:36.50 ID:96srfuCSO
ヽ(´・∀・`)ノ >>1乙
   くく




641 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州・沖縄):2011/10/03(月) 12:23:55.82 ID:Z0e1rwbAO
黒夜が来るということはその彼氏、シルクロさんこと俺も登場するわけか
乙であった!




650 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/10/04(火) 09:44:04.07 ID:xz7Y/lKQ0
>>1乙

ひさしぶりに読み返したけどもしや関西弁女子は一回出てきたモブ子ちゃんなんだろうか




653 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/06(木) 00:15:23.30 ID:T/Yq5bhho
>>650
すっかり言い忘れてましたが、京言葉さんは名無しモブです。
前にも1回だけ、ちょろっと出てましたね。

それでは、始めさせて頂きます。
今日から新章です。



654 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/06(木) 00:16:26.67 ID:T/Yq5bhho


  ――#5 新約・温泉に行こう



655 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/06(木) 00:17:07.29 ID:T/Yq5bhho


~11月中旬 第7学区 常盤台新寮~


絹旗 「……」

テスラ 「……」

白井 「」ペラ...ペラ...

アスカ 「」スピー

絹旗 「……雑誌ですか?」

白井 「ええ」

絹旗 「……」

テスラ 「……」

絹旗 「あの……」

テスラ 「ミャゥ」

白井 「何か?」

絹旗 「もう何回目かも分からないですが」

白井 「……そのお話なら結構ですの」

絹旗 「白井さん!」



656 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/06(木) 00:18:41.37 ID:T/Yq5bhho


白井 「先にシャワー頂きますわね」


<バタン


絹旗 「はぁ……」

テスラ 「」ハァ

絹旗 「どうしたもんでしょうかね」

テスラ 「マオ」

絹旗 「そろそろ超やめさせないとマズイんですが、本人があの調子では……はぁ」

テスラ 「」ハァ

絹旗 「誰かに相談しましょうか。……あー、でも」

テスラ 「フミフミ」ペシペシ

絹旗 「……そうですね。今日一杯粘ってみて、ダメだったら誰か超頼りましょうか」

 :
 :
 :



657 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/06(木) 00:20:28.02 ID:T/Yq5bhho


<ガチャ


白井 「お風呂空きましたのー」

絹旗 「白井さん」

白井 (なぜベッドで正座を?)

絹旗 「超お話があります」

テスラ 「フミャ」

白井 「は、はあ」

絹旗 「まあ、どうぞこちらに」

テスラ 「ミャウミャウ」ポムポム

白井 「え、えぇ……それで、お話というのは?」

絹旗 「お願いですから、もうやめてください」

白井 「……」

絹旗 「同居人として、パートナーとして、もう超見てられない領域まで来ています」

白井 「……ですから、そのお話は」



658 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/06(木) 00:21:29.40 ID:T/Yq5bhho

絹旗 「なんで、そこまでしなきゃいけないんですか!?」

白井 「わたくしにも譲れない部分はありますの」

絹旗 「身体を壊す前にやめてください。私が言いたいのはそれだけなんですよ」

白井 「……」

絹旗 「何がいけなかったんですか? ケーキバイキングですか? それとも温泉イベントですか?」

白井 「敢えて言うなら……どちらもですの」

絹旗 「……」

白井 「温泉に行く日まで、あと1週間もございません。それまでに、せめて……」

絹旗 「だからって……!」

白井 「淑女たる者、人様の前でだらしのない身体を晒すわけには参りませんの!」

絹旗 「だからって、今のダイエットは超やりすぎですよ!」

白井 「それぐらいの苦労は背負って当然ですの!」

絹旗 「もう栄養失調リーチじゃないですか! 超マジ死んじゃいますよ!?」

白井 「そうはならないように気を使っております!」

絹旗 「……どうしても、やめてもらえないんですね?」



659 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/06(木) 00:23:29.25 ID:T/Yq5bhho

白井 「……ええ」

絹旗 「超分かりました。なら私にも考えがあります」

白井 「?」

絹旗 「これを見てください」スッ

白井 「これは……ウエハース?」

絹旗 「学園都市特製の災害非常食です。あらゆる栄養素と800kcalがこれ一枚で摂れます」

白井 「!? 絹旗さん、まさか!」

絹旗 「これを超力づくでも食べてもらいますからね!」バッ

白井 「ひゃっ……や、やめ……!」

絹旗 「観念しやがれですぅぅぅ! 食べちゃえぇぇぇ!!」グイグイ

白井 「いやぁぁ! せめて、せめてイベントが終わるまではぁぁぁぁ!!」ジタバタ


<バーン


寮監 「貴様ら、こんな夜更けにプロレスとはいい度胸だ!!」

絹旗白井 「「」」



660 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/06(木) 00:24:59.07 ID:T/Yq5bhho


~翌日夕方 第7学区 隠れ家的喫茶店~


絹旗 「ということがありまして、首を超痛めてます」ズキズキ

番外個体 「そりゃいけないなぁ。無理なダイエットは身体を壊すだけだよ」ケラケラ

ショチトル 「マスターはダイエットとは無縁そうだな。食事制限等しているところを見たことがない」

番外個体 「食事制限は淡希の専売特許っしょ」

ショチトル 「義姉さんも、菜食主義だからな……」ハァ

絹旗 「超好きなように食べてれば、身長もミサワさんぐらいになれるんでしょうか」

ショチトル 「ヒール込みで170は正直うらやましいぞ」

番外個体 「得したと思ったことはないけどね。ま、絹旗さんはそのままのほうがいいって、絶対」

絹旗 「なんでですか。せめて150には超届きたいですよ」

番外個体 「だって大きくなった絹旗さんとか想像できないし」

ショチトル 「この"頭なでなでしやすい高さ"は魅力の一つかもしれないな」

絹旗 「超ほっといてくださいよ!」

番外個体 「大人になってもそのまま(の大きさ)の絹旗さんでいてね?」

絹旗 「イーヤーでーすー!」



661 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/06(木) 00:27:13.13 ID:T/Yq5bhho


<カランカラン♪


ショチトル 「いらっしゃいませー」トテテテ

番外個体 「それにしても、もう今週の土曜なんだね」

絹旗 「ええ。思ったより早く日程が決まって超よかったですよ」


<お一人か?空いてる席に好きに座るといい。


番外個体 「全員参加だっけ? さすがに前回使ったキャンピングカーじゃ入らないだろうね」

絹旗 「まあ、ムリですね。だから現地集合という形になりました」

番外個体 「でも確か、第7学区中央駅から送迎バス出てるんだよね?」

絹旗 「ええ。第22学区がお隣にあるお蔭ですね」

ショチトル 「マスター、注文だ。ツナサンドとアイスコーヒー」

番外個体 「はいはーい」

絹旗 「あ、すいません。私も追加で超ハニートースト」

番外個体 「後でね」

絹旗 「」ムー



662 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/06(木) 00:28:18.42 ID:T/Yq5bhho

番外個体 「できた、持ってって」

ショチトル 「了解した」ヨイショ


<お待たせした。ツナトーストとドリンクのセットだ。


番外個体 「さて、ハニートーストだったね」カチャカチャ

ショチトル 「温泉か……考えてみたら漠然としか知らないな」

絹旗 「お湯が超いっぱいありますよ」

ショチトル 「それぐらいは分かっている」

絹旗 「身体にいいですよ」

ショチトル 「具体的には?」

絹旗 「……ええと、こう、ほやーーっと」

ショチトル 「なるほど、分からん」

番外個体 「はい、お待たせ」コトッ

絹旗 「あ、きた! 超いただきます」ハムハム

ショチトル (帰ったら調べてみるか……)



663 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/06(木) 00:29:26.41 ID:T/Yq5bhho


~同日夜 第7学区 結標海原邸~


ショチトル 「温泉というものについて調べてみた」

結標 「そういえばもうすぐね。で、何か分かった?」

ショチトル 「皮膚病や火傷に効果があるのだな。不思議だ、ただのお湯なのに」

結標 「ただのお湯じゃないのよ。すっごく大雑把に言えば、地下水が地熱で沸かされたものなの」

ショチトル 「? つまりお湯だろう」

結標 「ええと、天然の地下水だから。水道水を沸かしたのとは比べ物にならないぐらいのパワーがあるの」

ショチトル 「なるほど」フム

結標 「貴女の身体にだって、なにかしらの効果があるのかもしれないわよ?」

ショチトル 「本当か? バイトを始めてから肩凝りや脚のむくみに悩まされていたのだが」

結標 「それならきっと、いい効果が出るんじゃないかしら」

ショチトル 「これは楽しみだ」キラキラ

結標 「ちなみに。日本独自だと思うけど、ああいう場所でのマナーってあってね」

ショチトル 「マナー? 先日、テレビで旅行番組をやっていたので参考になるかと見ていたが」



664 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/06(木) 00:31:43.40 ID:T/Yq5bhho

結標 「あー……あれはテレビ用だから」

ショチトル 「というと?」

結標 「例えばテレビでやってるみたいに、タオルを身体に巻いてお湯に入るのは嚴禁だからね」

ショチトル 「なー!?」

結標 「え……当然でしょ?」

ショチトル 「じゃ、じゃあ、老若男女を問わず生まれたままの姿でうろうろしているということか?」

結標 「ま、まあ、そうなるわね」

ショチトル 「……目から逆鱗だ」

結標 「男女きっちり場所は分かれてるんだから。女同士なら別に恥ずかしくないでしょ?」

ショチトル 「そうは言うが……義姐さんやマスターのような身体と比べられると気後れするというか」

結標 「貴女だって年齢不相応なボディのくせに何を言い出すの」

ショチトル 「そうなのか? これまで比べる対象がいなかったので実感がないが」

結標 「絹旗さんとか白井さんに比べると"ホントに同年代?"って思っちゃうし」

ショチトル 「でも、あの二人は小柄な方だし」

結標 「ともかく! 人前に出しても恥ずかしくない程度には育ってるから心配しない!」



665 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/06(木) 00:33:25.83 ID:T/Yq5bhho

ショチトル 「そう易々と人前に出されても困るのだが」

結標 「はぁ……とりあえず、お湯にタオルはいれないようにね。刺すような視線で見られるわよ」

ショチトル 「こ、心得た。他にはあるか?」

結標 「泳がないこと」

ショチトル 「まあ、それはそうだろう」

結標 「髪はまとめること。これは貴女ならいっか」

ショチトル 「長い人は束ねないといけないのだな」

結標 「あと、先に身体を洗うか、最低限かけ湯してから入ってね」

ショチトル 「かけ湯?」

エツァリ 「熱湯を身体にかぶせるトラップのことです」

ショチトル 「なぜトラップがあるんだ!?」

結標 「ウソ教えない」ベシッ

ショチトル 「?」

結標 「まあ、あと細かいことは当日教えるから」

ショチトル 「わ、分かった」



666 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/06(木) 00:34:39.76 ID:T/Yq5bhho


~その頃 第7学区 浜滝邸~


フレメア 「こーして、あーして……」

滝壺 「ストップ。そういうにやったら絡まって痛くなっちゃうよ」

フレメア 「うーもー、大体やり直し」シュルシュル

浜面 「何やってんだ、さっきから」

滝壺 「髪型、自分で綺麗にアップにできるようにしたいんだって」

浜面 「なんでまた?」

滝壺 「ほら、温泉だと髪纏めないとアウトだから」

浜面 「あー、なるほどな」

滝壺 「フレメアはウェーブヘアだから、余計やりにくいよね」

フレメア 「むー」

浜面 「おい、髪弄りすぎてメドゥーサみたくなってるぞ」

フレメア 「?」モジャモジャ

滝壺 「いったん戻そうか」



667 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/06(木) 00:36:02.10 ID:T/Yq5bhho

フレメア 「うまくできなーい。浜面やってみて」

浜面 「俺に求めるな、俺に」

滝壺 「はまづらじゃムリだよ」

浜面 「分かってるんだけど、言い切られると悲しいな」グスン

フレメア 「再チャレンジ」シュルシュル

浜面 「オールバックにする必要あんのか?」

滝壺 「あ、そっか。だから変に引っ張られてうまくできないんだ」

フレメア 「なにかいけないの?」

滝壺 「前髪は残して、後ろ髪だけまとめてみよっか」

フレメア 「分かった、にゃあ」シュルシュル

浜面 「お、そうそう。相談なんだけどよ」

滝壺 「どうしたの?」

浜面 「当日な、第22学区までの足なんだけどさ」

滝壺 「うん」

フレメア 「にゃ、にゃあ」シュルシュル



668 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/06(木) 00:37:11.64 ID:T/Yq5bhho

浜面 「レンタカー借りてもいいか?」

滝壺 「レンタカー? いいけど、どうして?」

浜面 「ほら、正式に免許取っただろ? だからさ、こう、なんか運転してみたいんだよ」

滝壺 「うん、いいよ」

浜面 「ホント!? じゃ早速予約してくるわ」ウキウキ


<さて、どうすっかな。
<ここは思い切って4t車とかいっちゃうか?


フレメア 「大体できたー」テッテレー

滝壺 「あ、今度は大体じゃなくてちゃんとできたね」

フレメア 「似合う? 似合う?」

滝壺 「うん、いつもと違ってなんか可愛い」


<ドラゴンライダー……か。


滝壺 「はまづら。普通の車にしてね?」



708 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/08(土) 00:41:22.60 ID:XG/mZtL/o


~数日後 第7学区 とある駅前~


絹旗 「現在時刻12:55。はい、私たちは第7学区中央駅前に来ています」

白井 「絹旗さん、これは取材ではなくプライベートですの」

婚后 「あの取材はまだお続けに?」

絹旗 「いえ、やってませんけども」

白井 「身に着いた癖と申しますか」

婚后 「習慣とは恐ろしいものですわね」クスクス

白井 「未だにカメラアングルを気にしたアクションをすることもあって」

絹旗 「いいじゃないですか、別に。私は常日頃からアングルを超計算してるんですよ」

婚后 「見られることを意識するのは大事とも申しますわね」

白井 「当然ですの。それによって淑女は磨かれますの」フンス

絹旗 「まあ、白井さんは今日温泉で超タップリと見られてきてください」

白井 「……で、ですが、今のわたくしなど……」グス

絹旗 「別に白井さんならそのままでも超大丈夫ですから!」



710 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/08(土) 00:44:01.90 ID:XG/mZtL/o

婚后 「?」

絹旗 「いや、今日に備えて超強引なダイエットをしてですね」

婚后 「それはいけませんわ。バランスの良い食事をとるのが大事ですわよ」

絹旗 「ほらほら、聞いてます?」

白井 「婚后さんが言うと説得力がありますの……」

絹旗 「婚后さんのこのバリボーなボディの秘訣は超バランスの良い食事だそうですよ」

婚后 (バリボー?)

白井 「これは認識を改める必要がありますの」

婚后 「あ、あの、あくまでわたくしの主観ですから」

絹旗 「まあ、身体のことだから人それぞれですよね」

白井 「こうなれば、関係者にインタビューしてまわって……」ゴニョゴニョ


<あら、絹旗さん?


絹旗 「?」

結標 「奇遇ね。貴女たちもここから乗るんだ」



713 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/08(土) 00:46:19.48 ID:XG/mZtL/o

婚后 「あら、ごきげんよう」

海原 「どうも、ご無沙汰してます」ペコリ

ショチトル 「そちらも3人か」

婚后 「貴女がいらっしゃるということは、あのお店も今日は休みなのですね」

ショチトル 「ああ。まあ、マスターは気分で閉めることもあるがな」

白井 「大きいお姉様らしいですの……」

結標 「そういえば、あの子はいないわね。別ルートかしら」

ショチトル 「なんか、車で行くという旨のことを言っていたぞ」

婚后 「車?」

結標 「あぁ、アレ使うんだ」

白井 「車をお持ちですの?」

結標 「第一位の彼がね、買ってくれたんだって」クスクス

海原 「LEVEL5の第一位となると、財力も一味違うようですね」ニコニコ

絹旗 「むう、超ケチです。便乗させてくれればよかったのに」

結標 「多分あれ5人乗りだから、みんな乗せるのは厳しいんじゃない?」

海原 (それにしても一方通行さん、借金の件もなかったことにしてしまったようですね)



714 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/08(土) 00:48:41.02 ID:XG/mZtL/o

絹旗 「それで思い出しましたけど、滝壺さんたちも車で行くらしいですよ」

婚后 「まあ。では浜面さんもお車をご購入に?」

絹旗 「まさか。超浜面にそこまでの甲斐性はないですよ」

結標 「じゃ、滝壺さんが買い与えたの?」

絹旗 「ああ、そうではなく。今回は超レンタカーだそうです」

海原 「手頃でいいじゃないですか」


<プップー


結標 「あ、来たわね」

絹旗 「アレが第22学区行きのシャトルバスですか」

婚后 「私たち以外に乗る方はいらっしゃらないようですが」

ショチトル 「昼時だからではないか?」

海原 「中途半端な時間なのは否めませんね」

白井 「空いていて良いではないですか」

絹旗 「そうですね、とりあえず乗っちゃいましょうか」



715 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/08(土) 00:50:38.38 ID:XG/mZtL/o


~その頃 第7学区 番外通行邸付近~


番外個体 「全員乗った?」

一方通行 「はいよォ」

打ち止め 「乗ったー! ってミサカはミサカは運転席の背後から声を掛けてみたり!」

一方通行 「オイ、クソガキ。今は後部座席でもシートベルト必要なンだぞ」

番外個体 「一応締めといてね。点数引かれるの私なんだから」

一方通行 「つーかチャイルドシートじゃなくていいのか?」

番外個体 「あー、どうだろ……」

打ち止め 「そ、そこまで子供じゃないもん! ってミサカはミサカはあまりの扱いに憤慨してみたり!」プンスコ

番外個体 「はいはい。んじゃ行くよ」カシュシュシュ ブルン


  ブロロロロ...


一方通行 「急がなくていいからな。安全運転で頼むわ」カシュッ

番外個体 「善処する」



716 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/08(土) 00:52:25.71 ID:XG/mZtL/o

打ち止め 「ねー、なんで一人だけ缶コーヒー飲んでるの? ミサカのは? ってミサカはミサカは催促してみたり」

一方通行 「ほれ」ポイ

打ち止め 「わっわっ」パシッ

番外個体 「ちょっと零さないでよ」

一方通行 「善処する」

打ち止め 「どれぐらいかかるのかな? ってミサカはミサカはジュースを味わいつつ尋ねてみたり」

番外個体 「第22学区は第7学区の隣だから、そんな時間かからないよ」

 :
 :
 :

番外個体 「ありゃ、信号か」キキー

打ち止め 「えー、またー?」

一方通行 「よく引っかかりやがるな、今日は」

番外個体 「……」

一方通行 「どォした?」

番外個体 「ん、ちょっと昔を思い出した」



717 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/08(土) 00:54:01.08 ID:XG/mZtL/o

一方通行 「?」

番外個体 「覚えてない? あなたと最初にドライブしたのはロシアの大雪原だったよね」

一方通行 「あァ。さぞ運転しやすかったろうよ。信号も標識も対向車もねェンだからな」

番外個体 「飛ばし放題だったよね」ケラケラ

打ち止め 「なにそれ、知らないんだけど。ってミサカはミサカは疑惑の目を向けてみたり」ジトー

一方通行 「オマエ寝てたじゃねェか」

番外個体 「ガン寝だったじゃん」

打ち止め 「むむ……あ、隣の車にフレメア発見! ってミサカはミサカは手を振ってみたり」ノシ

番外個体 「なぬ!?……助手席にいるのは滝壺さんだ」

一方通行 「三下2号も何らかの手段で車を調達したってこったな」


<ブロロロロ


打ち止め 「あっ、いっちゃった。ってミサカはミサカは走り去る赤い車を目で追ってみたり」

番外個体 「……」ウズウズ

一方通行 「オイ、やめとけよ」



718 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/08(土) 00:55:18.08 ID:XG/mZtL/o

番外個体 「分かってる……さすがにこのデカイ車であの車には勝てない。分かってるからこそ悔しい」バンバン

一方通行 「さっさと行け。信号変わってるだろォが」

番外個体 「……せめて後ろくっついてやろ」ニヒヒ

一方通行 「」ハァ



~その頃~


フレメア 「ねー、なんで浜面の膝の上座っちゃいけないの」

滝壺 「危ないから」

フレメア 「ぶー」

浜面 「さすがにな。膝にフレメア乗せて運転はできねぇよ」

滝壺 「それにしても、よくこんな車レンタカーであったよね」

浜面 「あぁ、俺もびっくりしたぜ。まさかRX-7を運転できるなんてな」ウキウキ

フレメア 「すごい車なの?」

浜面 「あぁ、すげぇぞ! ロータリーエンジンだぞ!」



719 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/08(土) 00:56:48.15 ID:XG/mZtL/o

フレメア 「でも後ろが大体狭い」

滝壺 「前もあまり広くないよ」

浜面 「それはしょうがない。スポーツカーの宿命ってヤツだ」

フレメア 「次は広い車にしてほしい、にゃあ」

浜面 「そうだな、考えておく」

滝壺 「ということはワンボックスかな?」

浜面 「ワンボックスはなぁ、アイテム関連で飽きるほど運転したしなぁ……ん?」

滝壺 「どうしたの?」

浜面 「……後ろの黒い車、ずっとついてくるぞ。なにもんだ?」

滝壺 「後ろって……ランクル?」

浜面 「おお」

フレメア 「大体、みさわ妹が乗ってたよ」

浜面 「え? じゃあれ姐さんの車か?」



720 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/08(土) 00:58:24.29 ID:XG/mZtL/o

滝壺 「多分そうだよ。この間写真見せてもらった」

浜面 「もうマイカー持ちなのかよ……羨ましいぜ、畜生」

滝壺 「買ってあげようか?」

浜面 「それはそれで、男としてのプライドがだな」

滝壺 「働いて返してくれればいいよ」

浜面 「…………あの、わたくしには資格取得にまつわる出費もあってですね」

滝壺 「それも働いて返してくれればいいよ」

浜面 「……俺、定年過ぎても働いてないといけないんじゃね?」

フレメア 「馬車馬と浜面って大体似てるよね」

浜面 「似てねぇよぉぉ!!」

滝壺 「あ、浜面、右だよ」

浜面 「おお、右折か」

滝壺 「ううん、さっきの交差点を右」

浜面 「……後ろにくっついてた筈の姐さんの車がいないのはそのせいか」

フレメア 「浜面ミスった、にゃあ」



721 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/08(土) 00:59:35.37 ID:XG/mZtL/o


~同日 第22学区 スパリゾート安泰泉 入り口~


絹旗 「おお、どうやら私たちが超一番乗りのようですよ」

結標 「マイカー組はまだ来てないか」

白井 「待ち合わせの時間よりも早くついてしまいましたし」

海原 「では、ここで待たせてもらうとしましょうか」

ショチトル 「そうだな。約一名、体調に支障をきたしているようだし」

婚后 「」

絹旗 「……超大丈夫ですか?」

白井 「やはり婚后さんには、あのグルグルはきついですの」

婚后 「大丈夫ですわ……少しじっとしていれば……」

ショチトル 「それにしても……ここは本当に地面の下なのか?」

結標 「誰でも最初はそう思うわよね」

ショチトル 「あの空はなんなんだ?」

白井 「地上カメラの映像を、空のスクリーンに映しておりますの」



722 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/08(土) 01:01:50.32 ID:XG/mZtL/o

ショチトル 「……ピンとこないな」

海原 「空にとても大きなテレビが浮かんでいると思えばいいですよ」

絹旗 「間違ってはいないですが、なんか違うような」


<おっ待たせー


結標 「あ、やっときたわね」

番外個体 「安全運転で来たからね♪」

打ち止め 「」グルグル

白井 「あの……小さい大きいお姉様、どうかされましたか?」

打ち止め 「はうー」グルグル

番外個体 「地下に入るときのグルグルで目まわしちゃったんだよ」ケラケラ

一方通行 「オマエが調子乗って飛ばし過ぎるからだろォが」

結標 「どこが安全運転なのよ」

番外個体 「」テヘ

絹旗 「さて、残るは滝壺さんたちですね」



723 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/08(土) 01:02:57.10 ID:XG/mZtL/o

白井 「あと黒夜さんもですの」

絹旗 「あ、超忘れてました」テヘ

海原 「黒夜さんというと……あの写真の方ですか?」

絹旗 「写真?」

海原 「いつぞや、滝壺さんから送られてきた」

結標 「ああ、二人が抱き合ってるヤツでしょ? その子よ」

絹旗 「アレは超放送事故ですよ! 超黒歴史ですよ!」

ショチトル 「満更でもないように見えたけどな」

絹旗 「全員その写真は消してください! 超今すぐ!」ムキー

白井 「皆さん、お気になさらず。これは照れ隠しですので」

絹旗 「誰がですか!」


<やっほー


打ち止め 「あ、フレメアだ!」

フレメア 「おまたせー」トテテテ



724 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/08(土) 01:04:27.77 ID:XG/mZtL/o

フレ止め 「「いぇーい☆」」パシッ

浜面 「悪い! 駐車場の空きがなかなかみつからなくてな!」

滝壺 「ウソ、すんなり止められたよ?」

浜面 「」

番外個体 「浜面さん、道間違えたでしょ?」ニヨニヨ

一方通行 「途中から明後日の方向に走り去っていったよなァ?」ニヨニヨ

絹旗 「これだから超浜面は」ハァ

白井 「だから遅れ気味でしたのね」

ショチトル 「ルートの確認は事前にしておくべきだろう」

浜面 「すいません……」ショボン

海原 「まあまあ。誰でも道を踏み外すことはありますよ」

浜面 「おい、その言い方はなんか違うだろ」

結標 「ともかく、これであと一人ね」

滝壺 「くろよるだね」

絹旗 「……そういえば、あの窒素女はどうやって来るつもりなんでしょう」



725 :◆8GNB4AEvC.:2011/10/08(土) 01:05:05.97 ID:XG/mZtL/o

といったところで、今回はここまでです。
ようやく集合できました。次回から本格スタートです。

お付き合い頂きありがとうございました。



726 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/10/08(土) 01:11:41.47 ID:mETvQg4C0
>>1乙



731 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2011/10/08(土) 02:44:22.69 ID:p/6P+e9+o
こっそり入ってるバリボーに吹いた
ムキムキバリボー乙!




739 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2011/10/08(土) 18:50:28.91 ID:xcL92p9wo
金剛さんの2つのバリボーに包まれて逝きたい



732 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2011/10/08(土) 10:14:49.22 ID:gYc7Nk/p0
ロータリーエンジンをロリータエンジンと読み間違えて二度見してしまったのは俺だけでいい

俺だけでいいんだ……




733 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋):2011/10/08(土) 10:47:06.57 ID:8aGlix8Ao
>>732
よォ、兄弟




734 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/10/08(土) 10:47:17.39 ID:Udf600UEo
ロリータエンジンはある意味鉄板ネタ



741 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州):2011/10/08(土) 21:35:43.96 ID:0ALnollAO
助手席に女性を乗せてる辺りね、もう壁ドン



次→絹旗「きぬはた荘、あふたー!」白井「あふたー?」その8

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禁書目録SS   コメント:9   このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント一覧
13370. 名前 : 名無しの萌さん◆- 投稿日 : 2011/10/16(日) 01:30 ▼このコメントに返信する
乙!

ところで海原と結標は全裸で喧嘩してるのか・・・?
13388. 名前 : 名無しさん@ニュース2ちゃん◆- 投稿日 : 2011/10/16(日) 12:13 ▼このコメントに返信する
助手席の死亡率って高いらしいね…

※13370
事後なんじゃねえの?海原爆発しろ。
13410. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/10/16(日) 21:58 ▼このコメントに返信する
エアバッグ作動しても下手したらあばら折れるしましてや子供だと首折れる危険があるからね
そんな俺は免許持ってないから本当かどうかは知らない
13411. 名前 : 獅子戦吼!!◆- 投稿日 : 2011/10/16(日) 22:15 ▼このコメントに返信する
>>バリボー
その6だったか5だったかでもちょろ甘の件があったな
作者とテイルズ談義しながらうまい酒が飲みてえw
13479. 名前 : 名無しさん@ニュース2ちゃん◆- 投稿日 : 2011/10/19(水) 02:13 ▼このコメントに返信する
>エアバッグ作動しても下手したらあばら折れるしましてや子供だと首折れる危険があるからね
シートベルトをしてなきゃ、エアバックの影響で逆に大きなケガをする事もある
って言うか下手したら死ぬ、実際に死亡事故が起こってるし
ttp://response.jp/article/2005/12/07/77170.html

それはともかく、野郎共3人はもげろ
14046. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/11/03(木) 13:02 ▼このコメントに返信する
その8はまだか
15826. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/12/27(火) 06:55 ▼このコメントに返信する
学園都市にもFDはあるのか
29123. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2012/11/23(金) 14:37 ▼このコメントに返信する
もう三人爆散しろよ•••
32079. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2013/03/07(木) 13:28 ▼このコメントに返信する
REはフケが良いし改造しやすいけど熱に弱くて
エンジンブローしやすい・・・・
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