120:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/01(火) 18:08:05.49
ID:XMsLd2FV0
湊友希那「ねとられ」
※キャラ崩壊してます。
NTR要素はまったくないです。
121:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/01(火) 18:09:19.64
ID:XMsLd2FV0
――CiRCLE スタジオ――
今井リサ「ねとられ?」
湊友希那「ええ」
リサ「何それ?」
友希那「さっき、まりなさんがスタッフさんと話していたのよ。やけに雄弁に語っているから、ちょっと興味が出て聞いてみたの。それはどんなものなんですか、って」
リサ「そしたら?」
友希那「身近な人と離れ離れになることで新しい境地を見出すもの……らしいわ」
リサ「へぇ~。まりなさんって物知りだねぇ」
友希那「ええ。伊達に大人じゃないわね」
リサ「それで、そのねとられ? がどうしたの?」
友希那「折角だから私もそれを体験してみて、作曲の幅を広げようかと思うの」
リサ「あーなるほどね」
友希那「だから、リサ。少し協力してくれないかしら?」
リサ「友希那の頼みだもん。断る理由がないよ」
友希那「ありがとう。それじゃあ早速なんだけど、明日からちょっとアフターグロウに出向してもらえるかしら」
リサ「本当に早速だね……蘭たちはオッケーしてくれるかな?」
友希那「誠心誠意お願いすればきっと平気よ。美竹さんとはライバルだから」
リサ「ライバルってこの件に関係あるかなぁ……?」
友希那「大丈夫。私に任せて」
リサ「ん、分かったよ。……ちょっと不安だけど」
……………………
122:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/01(火) 18:10:30.21
ID:XMsLd2FV0
――翌日 CiRCLE・スタジオ――
美竹蘭「……えぇっと、今日の練習はひまりの代わりにリサさんが来てくれることになったから」
リサ「やっほー。みんなよろしくね!」
青葉モカ「おーおー、ついにひーちゃんはクビになっちゃったんだねぇ……」
羽沢つぐみ「クビではないと思うけど……」
宇田川巴「どういう風の吹き回しなんだ、蘭?」
蘭「いや、なんかお昼休みに湊さんに呼び出されて、『今日一日、ロゼリアとアフターグロウでベースを交換しましょう』とかいきなり言ってきて……」
つぐみ「頷いちゃったんだ……」
モカ「蘭ってば薄情者だなぁ。幼馴染をあっさり売り渡すなんて」
蘭「違うってば。あたしも普通に断ったよ。だけど今日の湊さん、すごくしつこくて……」
巴「はー、だから昼休みになってもなかなか屋上に来なかったんだな」
リサ「あ、あはは……ごめんね、蘭」
蘭「いえ……。スタジオ代は持ってくれるって言ってましたし、リサさんは悪くないですから」
モカ「ひーちゃんの身代金はスタジオ代と同等なんだねぇ」
つぐみ「そ、それは違うんじゃないかな」
巴「まーよく分かんないけど分かったよ。そんじゃ、今日はよろしくお願いします、リサさん」
リサ「うん、よろしくね」
123:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/01(火) 18:11:35.27
ID:XMsLd2FV0
―スタジオの外―
友希那「上手くリサがアフターグロウに入り込めたみたいね」
上原ひまり「あのー、友希那さーん」
友希那「どうしたの、上原さん?」
ひまり「私、まだイマイチ状況がよく分かってないんですけど……どういうことですか、これ?」
友希那「そういえば説明していなかったわね。これは新しい境地を見出すために必要なことなのよ」
ひまり「新しい境地……?」
友希那「ええ。昨日、まりなさんに聞いたの。なんでも身近な人と離れると何か新しい目覚めがあるんだって」
ひまり「へぇー。遠距離恋愛みたいなものですかね?」
友希那「……恋愛ではないと思うけど、きっとそういうものよ」
ひまり「なるほどなるほど。それは分かりましたけど、どうして私もこっち側なんですか?」
友希那「ベース同士を交換と言ってしまった手前、あそこにあなたがいると約束を違えてしまうでしょう? それはいけないわ。親しき中にも礼儀あり、と言うし」
ひまり「んー、別に問題ない気がしますけど……まぁいっか、たまには」
友希那「ええ。一緒にアフターグロウとリサの練習を見学しましょう」
ひまり「はーい!」
124:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/01(火) 18:12:37.73
ID:XMsLd2FV0
―30分後―
ジャーン...♪
蘭「……ふぅ」
巴「やー、リサさんがベースってどうなるかと思ったけど、案外なんとかなるもんだなぁ」
モカ「だねぇ。リサさん、あたしたちの曲も覚えてくれてたんですか~?」
リサ「友希那の頼みだからね。昨日ちょっと徹夜して、とりあえず3、4曲は最低限合わせられるようにしてきたよ」
つぐみ「最低限っていう割にはアレンジも入ってたような……」
リサ「ああ、ごめんね。ちょっと弾きづらいとこあったから勝手に簡略化してたんだ。気になっちゃった?」
モカ「いえいえ~、ひーちゃんもよく音外したりビビらせちゃうとこなんで、全然気にならなかったっすよ~」
巴「ええ。フォローに気をさかなくてよかったんで、むしろスムーズに叩けましたよ」
リサ「そっか、それならよかったよ」
蘭「…………」
リサ「あれ、蘭?」
蘭「え?」
リサ「どうかしたの? なんか難しい顔してるけど」
蘭「いえ……その……」
125:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/01(火) 18:13:48.68
ID:XMsLd2FV0
モカ「蘭のことだから、ひーちゃんの音と違うな~って違和感バリバリなんでしょ?」
リサ「そうなんだ?」
蘭「……まぁ、正直に言えば……いつも通りの音じゃないからちょっと変な感じがするっていうか……あっ、リサさんが悪いとかそういうことじゃないですからね」
リサ「フォローしてくれてありがと。でもそう思うのは当たり前だよ。みんなは中 学生の頃からずっと一緒にバンドやってたんでしょ? それでいきなりベースがアタシになって違和感がないって方がおかしいよ」
リサ「違和感があるってことは、それだけ蘭がひまりのことを大切に思ってるってことなんだし」
蘭「べっ、別にそういう訳じゃ……」
リサ「あっはは、蘭ってば照れてるな~?」
モカ「そうなんです~、蘭ってばいーっつもみんなのこと大好きオーラ放ってるのに、口では否定するんですよ~」
蘭「モカっ」
つぐみ「私も蘭ちゃんに心配されるけど、ありがとうって言うといつも『別に』ってそっけなく返してくるんですよ」
巴「なー。本当に素直じゃないやつだよなぁ」
蘭「2人まで何言って……!」
リサ「やっぱり幼馴染だねぇ。蘭のことバッチリ分かってるんだ」
モカ「そりゃあもう。ねー、蘭」
蘭「……しらない」プイッ
リサ「ありゃりゃ……ごめんごめん、ちょっとからかい過ぎたよ」
蘭「いえ、別に」
巴「……まぁ、いつものことなんで気にしないで下さい、リサさん」
126:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/01(火) 18:14:19.97
ID:XMsLd2FV0
ひまり「もー! 私そんないっつも間違えないってば! 3回に1回はちゃんと弾けるもん!」
友希那「…………」
ひまり「……あれ? 友希那さん、どうかしました?」
友希那「いえ……なんというか、心が少しざわつくというか……」
ひまり「大丈夫ですか?」
友希那「ええ、ありがとう。平気よ」
ひまり「心がざわつくって、どういう感じなんですか?」
友希那「上手く言葉に出来ないんだけど……ロゼリアの中じゃなくて、アフターグロウの子たちに囲まれて笑っているリサを見ると落ち着かない……ような感じかしらね。上原さんはそういう風に感じないの?」
ひまり「え? いえ、私は全然ですね」
友希那「そう……私がおかしいのかしらね……」
127:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/01(火) 18:15:24.82
ID:XMsLd2FV0
―さらに30分後―
つぐみ「……あっ!」ポーン
蘭「っと……」
つぐみ「ご、ごめんね? また間違えちゃった……」
巴「いんや、気にすんなって」
リサ「あれ、もう1時間も経ってたんだ。そりゃあ疲れて集中も切れてくるよね。ちょっと休憩にしよっか」
つぐみ「え、いえ、まだ私は……」
モカ「はーい、リサさんにさんせー」
蘭「だね」
つぐみ「うう……ごめんね、みんな」
巴「謝ることなんかないって。アタシもちょっと小腹が空いてきたし、休憩したかったからさ」
リサ「あ、それならさ、クッキー持ってきたからみんなで食べない?」
モカ「もしやリサさんの手作りの?」
リサ「そうだよ。口に合えばいいんだけど」
モカ「いやいや、合わないなんてことはないですよ~」
巴「ああ。音に聞くリサさんの手作りクッキーだもんな」
リサ「え、音に聞く……?」
128:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/01(火) 18:16:13.56
ID:XMsLd2FV0
巴「はい、よくあこが言ってるんですよ。リサさんと紗夜さんがクッキーを作って来てくれて、それがすごく美味しいんだーって。それだけでどこまでも頑張れる気になるって」
蘭「それをあたしたちも巴からよく聞いてるんで……」
モカ「湊さんも言ってましたねぇ。『無人島に1つだけ食料を持っていけるなら、私は迷いなくリサのクッキーを選ぶわ』って」
つぐみ「『私はまだまだですが、今井さんのものはお店顔負けの味よ』って紗夜さんも言ってましたよ。ウチのとどっちが美味しいですか、って冗談で聞いたら30分くらいずっと考えこんじゃってましたけど……」
リサ「そ、そうなんだ。そこまでハードル上げられるとちょっと困るけどなぁ……」
モカ「さーさーリサさーん、ぎぶみークッキ~」
リサ「ん、じゃあこれ。はいどーぞ」
モカ「わーい。早速いただきま~す」サク
つぐみ「ありがとうございます。頂きますね」サク
巴「いただきます!」サク
蘭「あたしも1つ貰います」サク
リサ「……どう?」
巴「おー、すっげーうまい!」
蘭「うん……聞いてた以上に美味しいかも」
リサ「そっかそっか。期待を裏切らないで済んでよかったよ」
つぐみ「ウチのお店で出せますよ、これ」
リサ「いや、それはちょっと褒めすぎだと思うよ?」
モカ「そんなことないっすよー、さっすがリサさん~」サクサクサクサク
129:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/01(火) 18:16:42.93
ID:XMsLd2FV0
ひまり「うー、みんないいなぁ~。私もリサ先輩のクッキー食べたいなぁ……」
友希那「…………」
ひまり「……友希那さん? なんだか怖い顔になってますよ?」
友希那「……リサのクッキー……思えばアレだって私だけのものだったのに……」
ひまり「あの……」
友希那「ロゼリアのみんなは別に……まったく気にしていないと言ったら嘘になるかもしれないけれどいいわ。けどアフターグロウにまで……」ブツブツ
ひまり(ひぇぇ……なんだかよく分からないけど友希那さんが怖い顔で色々呟いてるよぉ……)
130:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/01(火) 18:17:29.62
ID:XMsLd2FV0
――練習後 ファーストフード店――
リサ「今日は練習に混ぜてくれてありがとね、みんな」
モカ「いえいーえ~」
巴「むしろアタシたちの方がクッキー貰ったりしちゃってましたし、全然気にしないで平気ですよ」
つぐみ「そうですよ。色々気遣ってくれて、すごく練習に集中できましたから。ね、蘭ちゃん」
蘭「……まぁ、そうだね。いい刺激になったっていうか、リサさんとならたまにはいいかなって思いました」
リサ「あはは、蘭にもちゃんと認めてもらえてよかったよ」
モカ「もうちょっと素直な言葉を選べれば満点なんですけどねぇ、蘭も」
蘭「うるさい」
131:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/01(火) 18:18:33.93
ID:XMsLd2FV0
―少し離れたテーブル―
ひまり「…………」
友希那「…………」
ひまり(き、気まずい……)
ひまり(友希那さん、もう睨みつけるってくらい目つきが鋭くなってるし、何も喋らないし……)
ひまり(うぅ……私もあっちに混ざりたい……)
友希那「……なんなのかしらね」
ひまり「は、はいっ!?」
友希那「なんなのかしら、本当に」
ひまり「え、えと……何が……ですか?」
友希那「私の胸中を焦がすこの感情の名前よ」
ひまり「その、どんな感じの気持ちなんですか、それって?」
132:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/01(火) 18:19:31.41
ID:XMsLd2FV0
友希那「……言葉にするのが難しいわ。何かこう、大切なモノを目の前で奪われそうな焦燥感というか、手を伸ばせば届きそうなのに届かないもどかしさというか、今すぐにでもあの場に割って入りたいような気がするけどしたくないというか……」
ひまり「…………」
友希那「なんなのかしらね。無性にイライラしそうでしないような、居ても立っても居られないけど何もしたくないような……」
ひまり「うーん……?」
ひまり(確かに分かりそうで微妙に分からないなぁ……。あれ、でも確かそんな感じの気持ち、何かで見た気が……)
ひまり「……あっ!」
友希那「どうかしたの?」
ひまり(そ、そうだ……これってアレだ! 少女漫画で見たやつだ!)
ひまり(主人公の女の子が恋してる男の子が他の子と仲良くしてて、それですっごくモヤモヤしてて……それと同じやつだ!)
友希那「あの……」
133:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/01(火) 18:20:01.79
ID:XMsLd2FV0
ひまり(え、でもそれだと友希那さんはリサ先輩にって……!?)
ひまり(え!? ええー!? あ、いや、でもでも、確かにあの少女漫画でもそういう女の子同士でって話があったし……)
ひまり(キリっとしてて凛々しい友希那さんと、優しくて世話好きなリサ先輩が寄り添って……きゃーっ! なんかすっごく絵になるし素敵じゃん!!)
ひまり(これはもう、恋のキューピッドひまりちゃんの出番だよね!! そうと決まれば……)
友希那「上原さん? なんだか表情が百面相だけど、大丈夫?」
ひまり「はい、大丈夫です!!」フンス
友希那「そ、そう……?」
134:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/01(火) 18:21:15.27
ID:XMsLd2FV0
ひまり「……友希那さん」
友希那「な、なにかしら?」
ひまり「友希那さんが抱える気持ちの正体、分かりましたよ……」
友希那「え、本当?」
ひまり「はい。その気持ち、まさしく愛と呼ばれるものです!!」
友希那「あ、愛……!?」
ひまり「はい!! 友希那さんがもどかしくて焦るような気持ちを抱くのも、きっとリサ先輩を愛しているからです!!」
友希那「ちょ、う、上原さん、声が大きいわよ!?」
ひまり「あ、ごめんなさい。つい興奮して」
友希那「い、いえ……それで、その」
ひまり「愛ですよ、愛」
友希那「愛って……別に私とリサはそんな……」
135:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/01(火) 18:22:14.85
ID:XMsLd2FV0
ひまり「友希那さん、愛には色んな形があるんです」
ひまり「友達に接するものだって友愛ですし、誰かに優しくするのだって慈愛です!」
友希那「えぇと……」
ひまり「友希那さんが抱いてるものがどんな形なのかは分かりませんけど、でもリサ先輩への愛があるっていうことは間違いないハズ! リサ先輩のこと、好きですよね?」
友希那「好きか嫌いかで聞かれれば、それは確かに好きだけど……」
ひまり「なら今はそれだけでいいんです! あとは自分の思うように行動すればそれでいいんです!」
友希那「……そ、そう……なのかしら……」
ひまり「恋愛経験が(漫画とかドラマの知識で)豊富な私が言うんだから間違いありません!」
友希那「…………」
ひまり「さぁ友希那さん。あとは自分の気持ちに正直になるだけです」
友希那「正直に……」
ひまり「はい!」
136:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/01(火) 18:23:15.46
ID:XMsLd2FV0
友希那「……確かに、私はアフターグロウのみんなと仲良くしているリサを見てずっとモヤモヤしていたわ」
友希那「昔はずっと一緒だったのに、知り合いも増えて……優しくて頼りがいのあるリサのことだもの。みんなの人気者になるのは仕方がないこと……」
友希那「だけど、確かにそれは面白くない。私の目の前で……いや、それだけじゃない。私の知らない場所でリサが誰かに私に向ける以上の笑顔を見せているかもしれないなんて、そんなの我慢ならない……!」
ひまり「それです! その気持ちの赴くままに、身体を動かすんです!!」
友希那「分かったわ。……経験に基づく的確なアドバイスをありがとう」
ひまり「いえいえ! 私は愛の伝道師ですから! 全ての恋する乙女の味方ですからっ!!」
友希那「それでもありがとう。ちょっとリサと共に果てを目指してくるわ」
ひまり「頑張ってください、友希那さん!」
ひまり(ついに迷いを振り切ったんですね……! 凛とした後ろ姿からONENESSが聞こえてくるみたい……!!)
137:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/01(火) 18:24:00.47
ID:XMsLd2FV0
―アフターグロウ+リサのテーブル―
つぐみ「なんだかリサ先輩と話してるとすごく落ち着くな……」
モカ「もういっそアフターグロウに来ちゃいます、リサさん?」
リサ「いやいや、それは流石に無理だってば」
友希那「その通りよ」
蘭「わっ!?」
巴「うぉ!?」
リサ「え、友希那? どうしてここに?」
友希那「今日1日、スタジオで練習しているところからずっとあなたたちを見ていたわ」
つぐみ「え、そうだったんですか……?」
蘭「全然気付かなかった……」
巴「ああ……」
モカ「ありゃ、ひーちゃんと湊さん、ずっと扉の窓から覗いてたのにみんな気付いてなかったんだ」
巴「気付いてたなら言ってくれよ」
モカ「めんごめんご~」
138:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/01(火) 18:24:46.25
ID:XMsLd2FV0
リサ「それでどうしたの、友希那? なんだかいつも以上に力強い目になってるけど」
友希那「リサ、あなたをアフターグロウの元へ行かせるわけにはいかないわ」
蘭「え、でも1日交換って言ってきたの湊さんじゃ……」
モカ「しー、なんだかいいところみたいだから黙ってた方がいいよー」
友希那「あなたはロゼリアに……いえ、もうそんな言葉で取り繕うのはやめにするわ」
友希那「リサ」
リサ「あ、うん、なに?」
友希那「あなたは私にとって必要不可欠よ」
リサ「……え?」
友希那「ロゼリアだとか、バンドだとか、そういうのを抜きにして……私の人生において、あなたという存在は一生欠かすことができないの。だから私の隣にずっといて頂戴、リサ」
リサ「え、ええ!?」
つぐみ「こ、これってプロポーズ……?」
巴「いや、そう聞こえるけど流石に違うだろ……?」
139:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/01(火) 18:25:27.92
ID:XMsLd2FV0
友希那「さぁ、共に往きましょう」
リサ「い、往くってどこに!?」
友希那「愛が呼ぶほうへ」
リサ「どこそれ!? ちょ、友希那っ、そんな急に手を取って引っ張んないでって……!」
友希那「心が呼ぶ方へ 翔けるパルス……」
リサ「なんでONENESS歌ってるの!? せめて行き先だけでも教え――……」
蘭「…………」
モカ「…………」
つぐみ「…………」
巴「…………」
140:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/01(火) 18:27:08.20
ID:XMsLd2FV0
モカ「……行ってしまいましたなぁ」
蘭「なんだったの、アレ……?」
巴「さぁ……?」
ひまり「ふふ……青春ってやつじゃよ……」
つぐみ「わっ、ひまりちゃん!?」
ひまり「はぁー、若いっていいなぁ……これぞ恋する乙女の青春だよねぇ、うふふ♪」
モカ「まーたひーちゃんがワケ分かんないこと言ってる」
巴「『若い』って……2人ともアタシらの先輩だぞ?」
蘭「……とりあえずどうすればいいんだろ、あたしたち」
モカ「まー、みんなでゆっくりお喋りして帰ればいーんじゃない?」
つぐみ「いいのかな……先輩たちを放っておいて……」
ひまり「大丈夫。きっと愛を謳って謳って雲の上だよ」
蘭「それ別れの歌じゃん……」
それからのち、友希那さんが色々暴走するようになってリサ姉も満更じゃなさそうにそれに付き合って紗夜さんとりんりんがあこちゃんの教育に悪影響だと頭を悩ませるようになるのは別の話。
おわり
元スレ
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