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古畑任三郎「学園都市・・・・・・?」
175:『古畑、学園都市に行く』 ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 01:34:20.41 ID:MgIckzx/0
―同日 午後5時02分 常盤台中学校 校舎前―
今泉「まさか、常盤台中学に入れるとはなぁ~」
古畑「……」
今泉「興奮してきませんか? 古畑さん! フヒヒッ!」
寮監「ちょっと、あなたたち!」
今泉「へ?」
寮監「何ですか、あなたたちは」
今泉「あ、ボク実は……この学校の生徒と」ゴキィッ!……ドサッ
寮監「……まったく、ここ最近、変質者が増えたな……」
今泉「」ピクッピクッ
176:『古畑、学園都市に行く』 ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 01:40:01.81 ID:MgIckzx/0
古畑「え~、この学校の方でいらっしゃいますか?」
寮監「ええ、女子寮の寮監をしております。それで、あなたは?」
古畑「刑事の古畑と申します」
寮監「刑事……?」
古畑「アンチスキルから権限をもらって、今、ある事件の捜査を。これがIDと、権限委譲の証明書です」
寮監「……我が校の生徒が、この事件に関わっている、と?」
古畑「いいえ。あくまで参考までにお話しをうかがいたいだけです。
話が終われば、すぐに退散します~……フフ。
少しだけ、中に入らせていただいても構いませんでしょうか」
寮監「……アンチスキルから権限が委譲されているとなれば、仕方がありません。
しかし、くれぐれも妙な行動は起こさないようにして下さい。ここは女子寮です」
古畑「はい。しっかり心に留めておきます……フフ」
寮監「ご帰宅されるときは、そこの警備に一言声をかけて下さい。それでは」
古畑「あ、ちょっと」
寮監「はい、なんでしょう」
古畑「御坂美琴さんの部屋まで案内して下さると、大変助かるのですが……」
179:『古畑、学園都市に行く』 ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 01:45:47.62 ID:MgIckzx/0
―同日同刻 常盤台中学校学生寮 廊下―
古畑「いや~、やっぱり有名校ともなると違うものですね~。
どこもかしこも気品に満ちあふれている……フフ」
寮監「古畑さん」
古畑「はい」
寮監「あまり騒ぎ立てないで下さい」
古畑「あ、これは失礼」
??「あ、ちょっとそこの殿方」
古畑「ん~、あれ? 私? 私ですか?」
??「あ、あの……御名前は、何とおっしゃいますの?」
古畑「……え~、古畑と申します」
??「古畑様とおっしゃいまして……。どうしてこんな場所にいらしたのですか……?」
古畑「ん~……フフ……ちょっとした、ヤボ用です」
182:『古畑、学園都市に行く』 ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 01:50:58.65 ID:MgIckzx/0
寮監「婚后、なぜ貴様がここにいる」
婚后「わたくしも、『ちょっとした、ヤボ用』というやつですわ。それよりも古畑様、
不躾で申し訳ありませんが、是非ご連絡先を教えていただけないでしょうか……?」
古畑「……」ポリポリ
寮監「婚后」
婚后「わたくし、貴方のような素敵な殿方と出会うのを待ち望んでおりました……!」
ガシッ
寮監「古畑さん、御坂と白井の部屋は突き当たりです。それでは私たちはここで」
婚后「ちょっ! な、何をするんですか! わたくしを婚后光子と知っての狼藉ですの!?」
寮監「知ってるに決まってるだろ、馬鹿者」ズルズル
婚后「ふ、古畑様、古畑様ぁ~!」ズルズル
古畑「……」
185:『古畑、学園都市に行く』 ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 01:56:52.20 ID:MgIckzx/0
―同日同刻 常盤台中学校学生寮 美琴と黒子の部屋―
ガチャッ
美琴「あ、古畑さん」
古畑「どうも」
美琴「聞こえてきましたよ、婚后さんの声」
古畑「フフフ……今のお嬢さんは積極的ですね~」
美琴「悪い人じゃないんですけど、ちょっとクセのある人なんですよ」
古畑「ん~フッフッフ……世の中、色んなタイプの人がいるものです」
美琴「あ、すみません、立たせてしまって……。そこのベッドに腰かけてもらってもいいですか?」
古畑「いいんですか? ……それでは、失礼して」
美琴「寮なもので、接客用の椅子がなくって。ごめんなさい」
古畑「いえいえ、お構いなく」
美琴「……」
古畑「……」
186:『古畑、学園都市に行く』 ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 02:02:04.19 ID:MgIckzx/0
美琴「古畑さん……」
古畑「……はい」
美琴「古畑さんは……今回の事件、どうお考えですか……?」
古畑「どう、と言いますと?」
美琴「犯人は初春の知人で、女の人。そして、テレポート能力を持っている。
そう、考えてるんですよね」
古畑「んぅ~……確かに、状況証拠は、すべてその人物を示唆しています」
美琴「黒子以外、その条件が当てはまる能力者、いましたか?」
古畑「……いいえ」
美琴「……古畑さん、私は、黒子は事件に無関係だと思っています」
古畑「……」
美琴「黒子は、私の大切な友だちです。
確かに、人がシャワーを浴びているところにテレポートしてきたり、媚薬を飲ませようとしてきたり、
人の下着を盗んだり、盗撮した写真をアルバムにして持っていたり、
他にも数え切れないくらいの変態行為を、私にしでかしていますけど」
189:『古畑、学園都市に行く』 ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 02:07:43.64 ID:MgIckzx/0
美琴「――でも、私たち、いくつも、一緒に事件を解決してきました。
だから、黒子は犯人なんかじゃない。
黒子に罪を着せようとしている人間が別にいるんです」
古畑「……」
美琴「そして、あなたなら、必ずその真犯人を見つけ出してくれる」
古畑「……」
美琴「だから、私、本当のことを話そうと思いました。
少しでも、事件の手がかりになるかもしれないから」
古畑「本当のこと、ですか……?」
美琴「実は……事件が起きたあの時間……私、この部屋にいなかったんです」
古畑「……詳しく、お聞かせ願えますか、御坂さん」
美琴「はい。私……ある人にメールで呼び出されて、ここから歩いて15分くらいの河原にいたんです」
190:『古畑、学園都市に行く』 ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 02:13:34.24 ID:MgIckzx/0
―回想:事件当夜 午後11時45分 学園都市某所―
美琴(約束の時間まであと15分……なんだか早く来すぎちゃったかな)
美琴(アイツ、いったいこんな時間に呼び出して、何のつもりなんだろ)
美琴(ついに、完全に決着をつける気になった、とか……)
美琴(アイツの性格から考えて、そんなわけないか……)
美琴(くそっ! なんでこんなことで胸が苦しくなるのよ!)
美琴(とりあえず、飲み物でも飲んで落ち着け、私!
……久しぶりに四ッ矢サイダーでも飲んで、気分を爽やかに)カチャリカチャリカチャリ
美琴(そういえば、アイツに缶ジュース2000円分おごってやったことあったっけ……)ガコンッ
美琴「ハァ……」プシッ! ……ゴクゴクゴク
192:『古畑、学園都市に行く』 ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 02:18:59.80 ID:MgIckzx/0
―回想:事件当夜 午前0時45分 学園都市某所―
美琴(……)イライライライラ
美琴(……)シュッ ピッピッピッピッピッシャ
美琴(……)イライライライラ
美琴(……)シュッ ピッピッピッピッピッピピシャッ
美琴(……)イライライライラ
美琴(……)シュッ ピッピッピッピッシャッ
美琴「だぁぁぁああああああああああああッッ!!
いつまで待たせる気だあのボケナスーッ!
何が悲しくて深夜にひとり川で水切りしてなきゃいけないのよ私はッ!!」
美琴(……)
美琴(……これってやっぱり)
美琴(……フラれたってことなのかな……)
美琴(……アイツにとって、あたしなんて、どうでもいいのかな……)ゴクゴク
美琴「もう、帰ろう……」コトン
193:『古畑、学園都市に行く』 ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 02:24:17.40 ID:MgIckzx/0
―回想終了―
美琴「――という感じで、ずっと、私、河原にいました」
美琴「だから、事件が起きた11時50分から0時15分頃まで、私、黒子のことを見てないんです」
古畑「なるほど……そうです、か……」
美琴「何の参考にもならないですよね……」
古畑「いいえ」
美琴「え……?」
古畑「確かに、『今は』、まだこのお話にどういった意味があるのかは分かりません。
しかし、正しい情報は、必ず捜査を正しい道へ導いてくれます。
御坂さん、あなたが告白してくれたことは、決して無駄にはなりません」
美琴「古畑さん……」
古畑「真実とは、そういうものです」ニコッ
194:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 02:24:42.93 ID:u0qPEJZZ0
伏線回収乙
この>>1は出来る子
196:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 02:25:33.27 ID:R89IcMzB0
寝れないではないかッ!
198: 忍法帖【Lv=20,xxxPT】 :2011/07/14(木) 02:28:13.16 ID:AnNt3ZT7i
寝れなくても私は一向に構わんッッ!
199:『古畑、学園都市に行く』 ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 02:29:29.55 ID:MgIckzx/0
バンッ
今泉「古畑さんッ! ひどいじゃないですか! なんでいつもボクばっかりのけ者にするんですかっ!」
美琴「い、今泉さん、どうしてここに!?」
古畑「……騒ぐと、また寮監さんにやられるよ」
今泉「くっ……」
バンッ
婚后「古畑様ッ!」
美琴「こ、婚后さんまで……」
婚后「御坂さん、この私を差しおいて、古畑様と二人きりで一体何をしていらしたのかしら!?」
今泉「うわっ、ここが女子寮……! この部屋で、白井さんと二人で住んでるんですねっ!」
美琴「い、今泉さん、勝手に色々触られちゃ困ります!」
婚后「事と次第によっては貴女と一戦交えることも辞さなくてよ!」バッ!
美琴「ちょ、ふ、古畑さん、何とかして下さい!」
今泉「ふおぉっ! これはっ!」ガチャッ
200:『古畑、学園都市に行く』 ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 02:34:46.58 ID:MgIckzx/0
寮監「――それには及ばん」バゴキィッ!
今泉「ゲフッ!」
婚后「ゴフッ!」
寮監「さて、古畑さん。そろそろお引き取り願いましょうか」
古畑「え~……、また、うちのバカがご迷惑をおかけしてすみませんでした」
寮監「まったく……『外』の刑事さんの品格を疑いますよ」
古畑「こいつは例外中の例外だと思って下さい」
寮監「ともかく、もうお時間です。これ以上の長居は許されません」
古畑「承知しました。すぐ退散します」
寮監「それでは」ズルズル
婚后「」ズルズル
美琴「古畑さん……」
古畑「いや~、すみません、お恥ずかしいところをお見せしてしまって」
201:『古畑、学園都市に行く』 ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 02:39:59.68 ID:MgIckzx/0
美琴「……」
古畑「御坂さん」
美琴「……何ですか?」
古畑「佐天さんが言ってました。
御坂さんはいつも落ち着いていて、どっしり構えてる人だ、と」
美琴「佐天さんが……?」
古畑「そんな弱気な姿は、あなたには似合いません」
美琴「古畑さん……」
古畑「この事件は、必ず私が解決します。
ですから、心配なんかしないで、あなたは、あなたらしくあって下さい」
美琴「……はいッ!」
美琴「何だか、ちょっと心が楽になった気がします……。
私がしっかりしなくちゃ、ですよねぇ!」
美琴「……ありがとう、古畑さん」
古畑「……」ニッ
204:『古畑、学園都市に行く』 ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 02:45:59.03 ID:MgIckzx/0
―同日 午後6時18分 学園都市某所―
古畑「……ふぅ~……」
今泉「いつまで考えこんでるんですか」
古畑「……んん~~……」
今泉「ハナっから、こんな超能力を使った犯罪なんて、解決はムリだったんですよっ!」
古畑「……」
古畑「……今泉君さぁ……」
今泉「はい?」
古畑「何か飲み物ない? ずっと動きっぱなしだったから喉かわいちゃったんだよ~」
今泉「は、はい、買ってきます!」
古畑「……」
206:『古畑、学園都市に行く』 ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 02:51:36.80 ID:MgIckzx/0
~5分後~
今泉「はいっ! 買ってきました!」
古畑「何これ」
今泉「ホットの、スープカレーの缶ジュースです。学園都市にしか売ってないやつ!」
古畑「こんなに暑いのに、こんな温かいもの誰が飲むんだよ」
今泉「発汗作用が、逆に身体を冷やすんですよっ!」
古畑「いらないよ。何か別の物。……あれ、君、何持ってるの?」
今泉「!?」
古畑「そっち冷たいじゃない。そっちちょうだいよ」
今泉「こ、これはだめですっ!」
古畑「つべこべ言わない」ペチッ
今泉「あ痛ッ!」
古畑「……ん~? 何だぁ、これ?」
211:『古畑、学園都市に行く』 ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 02:57:26.41 ID:MgIckzx/0
古畑「ほとんど中身入ってないじゃないか。
しかも、飲み口のところがシールで止めて……」
古畑「……今泉君」
古畑「これ、この缶ジュース、どこで手に入れた?」
今泉「……」
古畑「……」
今泉「さ、さっきの、御坂さんの部屋の……冷蔵庫から……」
古畑「……ッ!」
今泉「ど、どうしたんですか古畑さん、急に携帯なんか取り出して!」
古畑「……」ピポパポピピピ
プルルルルル……
古畑「……あ、どうも、古畑です。先ほどはどうも。
実はですね、ちょっと至急お聞きしたいことが出てきまして。
はい。実は――」
213:『古畑、学園都市に行く』 ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 03:01:25.69 ID:MgIckzx/0
――画面暗転 通話を終えた古畑にスポットライト――
チャラッ♪ チャ~♪ チャ~♪ チャ~♪ チャ~♪ チャラッ!♪
古畑「え~……非常~に変わった事件でした。過去、エセ超能力者が犯人だったことはありますが、
本物の超能力者が関わった事件は、さすがに今回が初めてです。
そして、おそらくこれからもないでしょう。
チャラッ♪ チャ~♪ チャ~♪ チャ~♪ チャ~♪ チャラッ!♪
この事件では、すべての状況証拠がある人物を指しています。
しかしぃ? 物的証拠は何もありません。果たしてその人物は、本当に犯人なのか。
もしそうでないとしたら、別に真犯人がいるのか……?
チャラッ♪ ダダッ チャ~♪ ダダッ チャ~♪ ダダッ チャ~♪ ダダッ チャ~♪ ダダッ チャラッ!♪
ヒントになったのは、コレ。
御坂さんの部屋の冷蔵庫で見つけた、『ほとんど中身の入っていない缶ジュース』。
それから、もうひとつ、『初春さんの部屋の状態』。ンフフフフ……。
このスレを読んでいるみなさんも、ちょっと考えてみてください。
ちなみに、『とある科学の超電磁砲』を知っていても知らなくても、
ちゃんと真相の近くまで、たどりつくことができるように書かれてあると思います、多分。
――古畑任三郎でした。
チャララ チャチャチャチャ~!!♪
217:『古畑、学園都市に行く』 ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 03:11:07.02 ID:MgIckzx/0
と、いうところで問題編は終了になります。
このまま解答編に移ろうかとも思ったのですが、時刻が予想をはるかに超えてしまったので、
解答編は明日にしたいと思います。’(楽しみにしていた方、いらっしゃったらすみません)
おそらくみなさん、真相にたどりつくことは簡単だと思います。
ただ、解答編も飽きがなく読めるように作ってあるつもりですので、今日、この物語が楽しめた方は
同じように楽しめるのではないかと思います。
さて、最後にこのスレですが、保守していただければありがたいのですが、お手数かとも思います。
保守していただければそれに超したことはないのですが、dat落ちしても、今日「解答編」として
22時~23時ころにスレを立てるつもりです。(問題編読んでない人はわけ分かんなくなっちゃうでしょうが)
ここまでお読みいただきまして、誠にありがとうございました。
また数時間後、お会いしましょう。
それでは、失礼します。
214:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 03:01:51.93 ID:GX0S0NkZ0
今泉やり過ぎだろwww
244:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 07:52:34.34 ID:C8seaben0
これは回答編期待せざるを得ない
287:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 13:32:03.29 ID:yFn+WVNaO
VIPで何気人気のある古畑
288:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 13:36:48.11 ID:+poTwxgy0
古畑任三郎の魅力は視聴者が犯人を分かっている状態で古畑がどうやって犯人を割り出していくかだから
291:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 14:09:29.27 ID:JLMe6wccP
>>288
犯人に感情移入して見るもんだよな
特に玉置浩二の回が神だった
飛行機の機長に成りすまして、乗務員と古畑たちの間で板ばさみになる話のやつ
何気ないやりとりも全部伏線になってるし
327:『古畑、学園都市に行く』 ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 17:51:00.13 ID:MgIckzx/0
予定より大分早いですが、せっかくスレが残っているので、解答編を始めたいと思います。
スレを保守して下さった方々、どうもありがとうございました。
昨晩は見事にさるを食らったので、5~10分おきくらいの投稿になると思います。
それでは、よろしくお願いします。
329:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 17:54:57.77 ID:/0GDyCEi0
よっし
333:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 18:01:13.73 ID:OF8rM6Wz0
思いがけずリアルタイムに読む事になるとは wktk
330:『古畑、学園都市に行く』~解答編~ ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 17:56:42.55 ID:MgIckzx/0
―同日 午後7時 学園都市某所―
黒子「まったく、何ですの? こんな時間にこんな場所に呼び出して」
古畑「んぇ~……、この事件の真相が分かったので、それをお伝えしようと」
美琴「本当ですかッ!?」
佐天「そ、それって……ッ!」
初春「だ、誰が犯人なんですかっ!?」
黒子「……ッ!」
古畑「……まずその前に。初春さん」
初春「は、はい?」
古畑「もうおケガは?」
初春「は、はい。特に異常はないそうです」
古畑「それはよかった」
335:『古畑、学園都市に行く』~解答編~ ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 18:02:14.26 ID:MgIckzx/0
佐天「それでっ! 古畑さん、犯人はどんな奴なんですかっ!」
古畑「犯人は、やはり『空間移動(テレポート)』の能力者です。
この能力でない限り、あの場から逃走することはできません!」ビシッ!
黒子「……」
古畑「え~……どうしても分からなかったのはですね、犯人は初春さんの部屋で、
約30分もの間いったい何をしていたのか、ということでした」
古畑「30分あればですよ? タンスや机を荒らして、物取りの犯行にみせかけることもできたはずです。
初春さんを殴った後、適当に金目の物を奪って、すぐにそこから逃走すればよかった!」
古畑「なぜ~……犯人はそうしなかったんでしょう。充分な時間があったのに……」
黒子「もうその答えは分かっておいでなのでしょう、古畑さん? あまり、じらさないで下さいまし」
古畑「フフ……ヒントは……これでした」ピラッ
337:『古畑、学園都市に行く』~解答編~ ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 18:08:01.92 ID:MgIckzx/0
古畑「んぇ~……これ、現場の写真です~……。この写真を見て、どう思いますか?
……初春さん」
初春「あ、あたしですか? ……え、え~っと、かなり、散らかってますね」
古畑「いつもは片付いている」
初春「……はい、一応、整理整頓を心がけているつもりです」
古畑「そうなんです……私てっきり、最初、この部屋が荒らされているのだと思いました。
しかし、そうじゃなかったんです。
この部屋、『荒らされている』んじゃなくて、『散らかされている』んです」
佐天「あ、あの~……、古畑さん? それってそんな大事なことなんですか?」
古畑「……非常に重要です……!
なぜなら! ここに空白の30分を埋める手がかりがあるからです~……」
古畑「犯人はですね! どうしても部屋から出るわけにはいかなかった。
しかも、犯人はこの30分間、か~な~り、焦っていました……フフ」
339:『古畑、学園都市に行く』~解答編~ ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 18:14:30.11 ID:MgIckzx/0
美琴「犯人が焦っていた? どうしてそんなことまで分かるんですか?」
古畑「え~……もし犯人がテレポートの能力を持っているとしたらですね、
絶っ対にしてはいけないことを、犯人はしてしまっているからです」
黒子「……例の、ベランダの鍵の件ですわね」
古畑「はい。もし~……、犯人がテレポート使いであれば、
部屋を密室にしておいてはならないと、気づくはずなんです……ふつうなら、ば」
古畑「部屋が完全な密室ならば、学園都市の誰もが真っ先に考えます!
『犯人の能力はテレポートなのではないか』と!
もし、犯人が冷静な判断力を持っていたとしたら、こんな初歩的なことは見落としません!」
古畑「何度も言うように、犯人には30分という時間的余裕がありました。
気持ちを落ち着け、冷静な思考力を取り戻すには、充分な時間と言っていいでしょう。
だとすれば? 犯人は、自分から疑いの目をそらすために、
ベランダの鍵を開けておくくらいのことは、していて当然なんです」
古畑「……しかし、犯人は気づかなかった。いや、気づけなかった!
まったく別のことで頭がいっぱいだったからです!」
341:『古畑、学園都市に行く』~解答編~ ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 18:21:52.83 ID:MgIckzx/0
古畑「事件当夜。まず犯人はですね、佐天さんと入れ違いで初春さんの部屋に訪ねてきます。
そして、犯人は初春さんと口論になり、
おそらく、もののはずみで初春さんを鈍器で殴りつけてしまった」
古畑「倒れた初春さんに動揺して、いったん犯人は凶器を持って自室に戻ります。
そして、少しずつ冷静さを取り戻していった……。ここまでは、よかった。
しかし、そこで、初めに犯人の頭によぎったのは、ベランダの鍵のことではなかったんです」
古畑「犯人が真っ先に気づき、戦慄したこと……。
それは、『自らの持ち物を初春さんの部屋に落としてきてしまった』という致命的なミスだったんです!」
古畑「犯人がそのミスに気づいたのは、自室に戻って、ある程度時間が経ってからでした。
焦ったでしょうね~……。その証拠が発見されれば、自分が犯人だと一発でバレてしまう。
そこで犯人は、テレポートを使って、初春さんの部屋に慌ててとんぼ返りしたんです」
古畑「そう! この部屋がこんなに散らかっているのは、犯人が焦ってさまざまな場所を探し回ったせいなんです。
タンスや机が閉まったままだったのは、決定的な証拠を『落とした』か『飛ばした』かしたからだったんです」
古畑「そして……、その証拠を、犯人は結局、見つけられませんでした」
美琴「な、何でそんなことが分かるんですか!?」
古畑「アンチスキルが突入してくる直前まで、部屋に電気が点いていたからです。
自分の影を見られるのを嫌ったのでしょう、犯人は佐天さんたちの声を聞きつけて部屋の灯りを消しました。
……ということはですね、そのとき、犯人はまだ探し物をしている最中だった、ということになります~」
344:『古畑、学園都市に行く』~解答編~ ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 18:27:11.11 ID:MgIckzx/0
美琴「30分間、犯人はボーっとつっ立っていたわけじゃなくて、
しっかり自分にとって重要なことをしてたってことか」
黒子「で、でも、アンチスキルや、あなたがたも何も発見できなかったのでしょう?」
古畑「はい」
黒子「では、その決定的な証拠品とやらは、いったいどこに消えたのですか?」
古畑「フフフ……。それはまた、後ほど。
それより先にですね、この中に二人、『嘘』をついている人物がいるんです。
真相を知るためには、まず、彼女たちに、本当のことを話してもらわなければなりません」
美琴「嘘!?」
黒子「嘘ですって?」
初春「嘘ですかっ!?」
佐天「嘘?」
古畑「んぇ~……フフフ……」
349:『古畑、学園都市に行く』~解答編~ ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 18:33:09.43 ID:MgIckzx/0
古畑「あの夜、本当はここで何が起きていたのか……。話して下さいますね?
――初春飾利さん」
初春「……わ、わたし……」
美琴「う、初春さんが!?」
黒子「あ、ありえませんわ!」
佐天「そ、そんな、なんで初春が……!」
初春「わ、わたし、嘘なんか……」
古畑「事件当夜のこと、あなた、頭を殴られたショックで忘れてしまった、とおっしゃっています。
にもかかわらず、なぜかドアを開けたときに殴られ、それからベッドで気絶した、とはっきり証言している!
おまけに、犯人が現れた時間まで正確に憶えている。実に、ミョーです~……」
初春「わ、私……そのあたりの……ことも……、記憶が……混乱してて……」
古畑「あなた……、ある人物をかばってますね~……?」
初春「……っ!」
353:『古畑、学園都市に行く』~解答編~ ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 18:39:58.51 ID:MgIckzx/0
古畑「あの夜、あなたはドアで殴られたわけじゃなかったんです。
ドアから入ってきた知人を部屋の中まで招き入れた。
そこでその知人と言い合いになり、もつれ合って、そして殴られてしまった。
この一連の争いのときです! 知人、つまり犯人の持ち物が部屋に落ちたのは!」
初春「……」
古畑「……あの日、あなたが見たのは……、白井さんですね?」
黒子「ッ!?」
初春「……」
古畑「え~……お友だちをかばおうとするお気持ちは分かります。
しかし、あなたはジャッジメントです。学園都市で起きた犯罪を隠蔽してはいけません……」
初春「……」
初春「……分かりました。……本当のことを……お話しします……。
あの夜、部屋に来たのは……」
初春「……来た、のは……」
初春「……白井さんでした……」
黒子「初春……!」
古畑「それは間違いない?」
初春「……間違い……ありません……」
359:『古畑、学園都市に行く』~解答編~ ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 18:45:32.54 ID:MgIckzx/0
古畑「これで、事件は解決です」
初春「……」
黒子「初春……どうしてですの……」
美琴「……」
佐天「……」
美琴「……そんなッ! そんなはずありません!
黒子が犯人なわけない! 古畑さんッ!」
佐天「そうです! 白井さんが初春を傷つけるなんて、私は絶対に信じません!」
古畑「んぅ~……フッフッフッフ……フフフフ……
え~……すみません、ちょっと、え~……慣れないことをしたもので、
ちょっと笑いが……フッフフフ……」
美琴・黒子・初春・佐天「?」
古畑「んぇ~……御坂さん、佐天さん、誰が、誰がぁ~……
白井さんが犯人だって言ったんですか?」
美琴・佐天「え?」
364:『古畑、学園都市に行く』~解答編~ ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 18:50:46.17 ID:MgIckzx/0
古畑「私、一言も、『白井さんが犯人だ』なんて言ってませんよ~?」
佐天「で、でも今……」
古畑「んぇ~……実はですね……フフフ……コレが、犯人の筋書きだったんです」
美琴「それは……どういう……」
古畑「『私が今言った推理に辿りつくこと』 これこそが、犯人の真の狙いだったんです!」
古畑「私……あえて犯人の思惑に乗ったんです。
いえ、乗せられたフリをしていた、というべきでしょうか。
……今までそんな茶番を演じたことがなかったものですから、思わず笑いが、フッフッフッフ……」
古畑「え~、いつもはもっとちゃんと推理するんですが、今回はつい、やっつけな感じになってしまって……。
フフ……お見苦しいところをお見せしました~」
美琴「じゃ、じゃあ、今、古畑さんは……犯人が用意した、偽の答えを言いってたってことですか?
でも、どうしてわざわざ、犯人の罠にハマったふりなんか……」
古畑「え~……私言いましたね、この中には『二人』事件当夜のことで嘘をついている人がいる、と」
古畑「話して下さいますね?
――白井さん。あなたが事件の起きた時間、本当は、どこで、何をしていたのかを!」
367:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 18:54:32.25 ID:jgk3qaQQO
ワッフルワッフル
369:『古畑、学園都市に行く』~解答編~ ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 18:57:33.74 ID:MgIckzx/0
黒子「わ、わたくしは……」
古畑「え~……、白井さん、コレ、見覚えありますね? あるはずです~」
美琴「それ、四ッ矢サイダーじゃないですか。さっき古畑さんが、電話で言ってた」
古畑「そうなんです! これ、事件のあった時間に、御坂さんが飲んでいた缶ジュースなんです!
御坂さん、これを飲んだのは久しぶりだそうですね?」
美琴「はい、しばらく飲んでないなと思って、あの夜、河原で買ったんです」
古畑「御坂さんは飲みかけのまま、河原のベンチに放置したそうです。
しかし~……なぜかこの缶ジュース、御坂さんと白井さんの寮室から見つかってるんです……。
そして、フフ……この缶ジュースには、御坂さんともうひとり……白井さんの指紋が」
美琴「まさか……黒子、あんた……! でも、どうして……?」
黒子「……」
古畑「おそらく、あなたに叱られると思ってあえて黙っていたのでしょう。
それから、私には不信感を覚えていたので、正直に話す気になって下さらなかった。
……そう、私は考えているんですが~……、違いますか~、白井さん……?」
371:『古畑、学園都市に行く』~解答編~ ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 19:03:01.30 ID:MgIckzx/0
古畑「事件当日、御坂さんはある人物からメールで呼び出しを受けています。
メールを受け取ってから、かなりソワソワしていたそうですね、御坂さん」
美琴「してませんよ?」
佐天「してました」
黒子「してましたわ」
古畑「してたんです~」
古畑「白井さんは御坂さんに、変態的……おっと……過剰とも言える愛情を抱いています。
あの夜も、御坂さんが別の男性と密会するのではないかと目を光らせていた。
そして、その勘は見事、当たりました!」
古畑「相手の男性を確認するためだったのでしょう、あなたはこっそりと御坂さんの跡を尾けた。
しかし、結局、御坂さんを呼び出した相手は現れませんでした。
御坂さんはそのまま寮に帰りました……飲みかけの缶ジュースを置いて」
古畑「大好きな人の、飲みかけの缶ジュース……う~ん……フッフッフッフ……。
今泉は、小学生の頃、好きな女の子の縦笛をなめるのが日課だったそうです。
それと似た心理なんでしょう。
白井さんは、その飲みかけの缶ジュースを、寮に持ち帰ったんです」
美琴「黒子、あんたってやつは……」
373:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 19:04:13.93 ID:jniwjJ180
黒子wwwww
375:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 19:06:12.10 ID:QjE3lbsAO
今泉くん何やってんすかwwwwwww
378:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 19:10:17.95 ID:OF8rM6Wz0
今回の今泉変態すぎると思ったらこういうことか
376:『古畑、学園都市に行く』~解答編~ ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 19:08:44.19 ID:MgIckzx/0
古畑「つまりですね! 事件当夜! 白井さんには完璧なアリバイがあるんです!
白井さんは御坂さんのメールの内容を知りませんでした!
相手とどこで会うか? 相手が誰なのか? いつ現れるのか?
白井さんは何も知りません。
つまり、一瞬たりとも、御坂さんから目を離すことはできなかったんです!」
古畑「さぁ、今度こそ、話していただけますね……?」
黒子「……そんな缶ジュース一本で、よくもここまで……。
あなたに対する評価を、大幅に改めないといけませんわね」
古畑「ンフフ……ありがとうございます」
黒子「すべて、古畑さんのおっしゃったとおりです。
わたくし、あの晩、ずっとお姉様を尾行しておりました。
わたくしには、お姉様を世間のケダモノからお守りするという義務と使命がありますからっ!」
美琴「はぁ……、もう怒る気にもならない」
佐天「ちょ、ちょっと待って下さい古畑さんっ!
白井さんに完璧なアリバイがあるんなら……!」
古畑「そう……この事件の真犯人……それは――」クルッ
初春「ッ!」
古畑「――あなたです、初春さん」ニッ
380:『古畑、学園都市に行く』~解答編~ ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 19:15:11.26 ID:MgIckzx/0
古畑「この事件、実に巧妙に作られています~……。
ちゃんと、たどればたどるほど、疑惑は白井さんに向かうようになっている……」
古畑「実のところ、かく言う私も、途中までほんのちょっとだけ白井さんを疑っていました。
……あ~……ほんのちょっとだけですよ? 誤解のないように」
古畑「しかし、白井さんの『嘘』が発覚した時点で、すべてがくつがえりました。
もし白井さんが事件に無関係なら、犯人は初春さん――あなたしか! あなたしかありえませんっ!」
古畑「そもそも、この事件、我々は知らないうちに、『ある前提』に立って、すべてを考えていました」
佐天「あるゼンテイ?」
古畑「はい。ここは学園都市です。『犯罪が起きたのなら、そこには必ず、能力が関わっているはずだ』
誰もがそれを信じて疑いませんでした。一見、不可能な犯罪も、能力を使えば簡単に実行できてしまう。
初春さんは、その先入観を利用したんです!」
初春「――ッ!!」
古畑「しかし? 言うまでもなく、犯罪は超能力なしでも起こすことができます。
たとえば、そう、今回の密室犯罪のように~……」
384:『古畑、学園都市に行く』~解答編~ ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 19:20:33.20 ID:MgIckzx/0
古畑「しかも! あなたの賢いところは、最後の最後まで犯人を明言しなかったことです~……フッフッフ……。
最初から白井さんが犯人だと言えば、自作自演であることを見破られる可能性が高くなりますからね。
古畑「だから、あなたは、外堀が充分埋まってから……つまり、状況証拠がそろい、
全員の疑いの目が白井さんに向いた、だめ押しのタイミングで証言したんです。
あたかも、ずっと親友をかばっていた被害者であるかのように!」
古畑「思い返せば、この事件、不自然なほど白井さんに不利な証拠がそろっています。
『偶然にも』御坂さんに来たメール、『偶然にも』泊まりに来ていた友だち、
『偶然にも』熱を出したあなた、『偶然にも』あなたのベランダを見ていたアンチスキル……」
美琴「まさか……」
古畑「ほとんどすべて、あなたが仕組んだことですね、初春さん」
初春「……」
385: 忍法帖【Lv=34,xxxPT】 :2011/07/14(木) 19:20:43.08 ID:IFxetK160
このじわじわ感がたまらんなwwwwww
388:『古畑、学園都市に行く』~解答編~ ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 19:25:35.84 ID:MgIckzx/0
古畑「まずあなたは、犯行の当日に、佐天さんを自分の家に泊まりに来るよう誘いました。
もちろん、事件の一部始終を知る目撃者を作るためです」
古畑「それから、犯行当日、タイミングを見計らって、今度は御坂さんに偽のメールを送ります。
あなたは、学園都市でもトップクラスの超一流ハッカーだそうですね。
サーバをハッキングして偽装メールを送るくらい簡単なことだったはずです」
美琴「じゃあ、あのメールは……」
古畑「上条さん、約束を破ったわけじゃなかったんです、御坂さん。
あのメールは、あらかじめ初春さんが用意していた偽のメールだったんです」
古畑「御坂さん、あなた、上条さんの能力を初春さんにデータベースで調べてもらったことがあるそうですね。
レベル5であるあなたが、レベル0の、他校の、しかも男子を調べる……
しかも、上条さんのこととなると、あなたあからさまに動揺します」
美琴「し、しませんよ!」
佐天「します」
黒子「しますわね」
古畑「するんです~」
391:『古畑、学園都市に行く』~解答編~ ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 19:30:50.99 ID:MgIckzx/0
古畑「佐天さんが言っていました。御坂さんが上条さんに気があると『初春さんから』聞いた、と。
初春さん、あなた、確信していたんです。メールで呼び出せば、絶対に御坂さんはそれに応じると」
古畑「実際、御坂さんは午後11時45分に、寮から15分かかる河原に行っています。
約束の時間は0時だったそうですが、おそらく、じれた御坂さんが、少し早く寮を出ることも
ある程度、織りこみずみだったのでしょう」
古畑「これで、11時45分から0時15分まで、白井さんのアリバイは完全になくなった……はずでした。
誤算でしたね~……。まさか白井さんが御坂さんの後を尾けていたなんて……フフフ……。
皮肉にも、完璧を期すための仕掛けが、逆に白井さんの無罪を証明してしまった……!」
初春「……」
佐天「ちょ、ちょっといいですか? 古畑さん」
古畑「何でしょう」
佐天「初春が風邪を引いたのは、偶然じゃないんですか?
私、はっきり見てます。具合を悪くした初春を」
古畑「もちろん、それも初春さんの計画のひとつです……フフ。
初春さん、あなた、あのとき、風邪なんて引いてなかったし、熱もなかったんです」
392:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 19:31:08.28 ID:Xuj9fpzl0
美琴可愛い
393:『古畑、学園都市に行く』~解答編~ ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 19:35:19.51 ID:MgIckzx/0
佐天「でも、私が計ったときは、確かに初春は熱を……」
古畑「『定温保存(サーマルハンド)』」
初春「ッ!」
古畑「あなたの能力です。触れた物を一定の温度に保つ力……
あなた、この能力を使い、自分が熱を出したように見せかけたんです」
古畑「……ベッドに入る直前、あなたは佐天さんとお風呂に入っています。
そして、体温が上がったまま床についた。
そこで、あなた、こうやって……手で顔を覆っていたんです。顔の火照りを保つために……!」
美琴「す、すごい……そんなことまで計算してたなんて……」
古畑「この犯行を成立させるためには、あの場から佐天さんを一時的に遠ざける必要がありました。
部屋に風邪薬がなかったのは、そのためだったんです」
古畑「あなたは佐天さんがドラッグストアに向かった後、部屋に鍵をかけ、チェーンロックをかけました。
それから、部屋を散らかしました。もちろん、白井さんに不利な状況証拠を作るためです」
古畑「――そして……ベッドの柱かどこかに、思い切り自分の頭を打ちつけたんです。
頭皮というのはですね、こう、皮膚がひっぱられているので、ちょっとした衝撃でも血が出るんです」
古畑「そこについた血を、あなたはきれいにふき取ります。ふき取ったタオルはすぐに洗ったのでしょう。
あなたの出血の量はそれほど多くありませんでした。
血をふき取るのに苦労はなかったはずです」
395:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 19:37:37.98 ID:+85jgCe9O
ここで初春の能力とは…
396:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 19:37:46.28 ID:d53xh6ss0
一応能力は使ってんだな
398:『古畑、学園都市に行く』~解答編~ ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 19:41:23.51 ID:MgIckzx/0
古畑「そして、あなたは、佐天さんが異常を察し、アンチスキルを呼ぶのを待ちました。
部屋で具合の悪い友だちがいて、しかも内側からチェーンロックまでかかっている。
こんな状況で心配しない友だちはいません。
まして、ふだんからトラブルに巻きこまれているあなたなら、なおさらです」
古畑「そして、アンチスキル、佐天さん、大家さんがやって来る音を聞いて、
あなたは部屋の電灯を消し、ベッドで気を失っているフリをした……
これが、本当の、事件の一部始終です」
初春「……古畑さん、あなた、ひとつ見落としています」
古畑「……はい……?」
初春「あの日、私のベランダから誰も人が出ていかなかったのは、確かにアンチスキルの人が見ています。
でも、それは偶然です。私がそんな『偶然』まで操ったとおっしゃるんですか?」
古畑「いいえ。もちろん、あなたはそんな偶然に頼るなんてことはしませんでした。
……ちゃんと、抜かりなく用意しておいたんですよ。ハッキングした監視カメラを」
初春「ッ!」
古畑「苦しい言い訳でしたね~……ンフフ。あの日、監視カメラがふだんとは別の、
全然違う方向を向いていたのは、偶然なんかじゃなかったんです。
あなたはあらかじめ、自分のベランダを映しておくために、監視カメラもハッキングしていたんです」
400:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 19:43:55.14 ID:WWGVxWsi0
しかしそんな事をする動機は何だ?
401:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 19:45:03.46 ID:+37wUu+K0
あせるなよw
403:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 19:46:37.90 ID:e9vLXlVk0
おもしろいな
404:『古畑、学園都市に行く』~解答編~ ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 19:46:47.67 ID:MgIckzx/0
初春「で、でも、古畑さん! 今のはすべて……古畑さんの推測ですっ!」
古畑「……」
初春「すべて、私の仕業だという、ちゃんとした証拠はあるんでかっ!」
古畑「……んぅ~……フッフッフッフ……。
お忘れですか? あなたさっき、ご自分できっぱり言い切っているんですよ。
『自分を殴ったのは白井さんだった』と……!」
古畑「……あのとき、私が『これで事件は解決です』と言ったのは、あなたが『自白』したからなんです。
まぎれもなく! この事件を仕立て上げたのは、自分に他ならない、と!
あなたすでに、はっきり自供しているんですッ!
――いかがですか、初春さんッ!」
初春「ぐッ!」
406:『古畑、学園都市に行く』~解答編~ ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 19:52:16.12 ID:MgIckzx/0
古畑「んぇ~……ちなみに~、こんな物も見つけました」ゴソゴソ……パッ
初春「そ、それは……ッ!」
佐天「ぼ、ボタン……?」
黒子「そ、それ……もしかして……、わ、わたくしのパジャマのボタンでは……?」
美琴「あ、あんたの?」
古畑「そうです、コレ、白井さんの服のボタンなんです。
白井さんの指紋と、初春さんの指紋がついていました」
黒子「そ、そんなもの、どこで……」
古畑「初春さんの、鍵のかかった机の引き出しです。私、さっき言いましたね。
『犯人は部屋で探し物をしていた、しかし見つからなかった』と。
初春さんは、白井さんを犯人にする『決定的証拠』として、あらかじめこれを用意しておいたんです。
……おそらく、白井さんの服からとっさにちぎりとった、とでも証言するつもりだったのでしょう……」
美琴「そんなものまで……」
410:『古畑、学園都市に行く』~解答編~ ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 19:58:30.67 ID:MgIckzx/0
初春「古畑さん……」
古畑「……はい」
初春「……何が……いけなかったのでしょうか」
美琴「初春さん!」
黒子「初春……」
佐天「初春っ!?」
古畑「んぇ~、引っかかったのはですね、アンチスキルと佐天さんたちが部屋に入る直前に、
部屋の灯りが消えたことでした」
初春「そうですか……やっぱり、不自然でした……?」
古畑「さっき私は『自分の影を見られたくなかったから消した』と言いました。
……しかし~……自分で言うのも何ですが、この推理は……フフ……少し強引すぎます」
古畑「あなたはどうしても、アンチスキルと佐天さんが部屋に到着したとき、犯人が部屋の中にいた、と
推理してもらわないといけませんでした。
そうしないと、白井さんに容疑がかかりにくくなりますからね~」
411:『古畑、学園都市に行く』~解答編~ ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 20:03:43.32 ID:MgIckzx/0
初春「何だか、嫌な予感は……してたんです。あなたを初めてみたときから……」
古畑「……」
黒子「初春……あなた、どうしてこんなことをッ!」
美琴「そうだよ、初春さん! 何で黒子に罪を着せたりなんか……!」
佐天「初春……」
古畑「白井さん」
黒子「何ですの!」
古畑「え~、私の勘が正しければ、初春さんがこの計画を実行したのは、
おそらく、あなたのためを思ってのことだと思いますよ」
黒子「え?」
美琴「は?」
佐天「へ?」
古畑「……違いますか? 初春さん……?」
414:『古畑、学園都市に行く』~解答編~ ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 20:08:50.01 ID:MgIckzx/0
初春「さすがです……そこまで、お見通しでしたか……」
黒子「どういうことですの、古畑さん!?」
古畑「え~……さきほどアンチスキル第73支部で、指紋を検証するついでに、記録を見せていただきました。
白井さん、あなた、一週間前に、暴漢との戦闘で肋骨にヒビを入れられていますね」
黒子「ッ!」
美琴「なっ! 本当なの黒子!」
佐天「そ、そんなこと隠してたんですか、白井さん!?」
古畑「あなたはアンチスキルでも有名な存在だとうかがいました。
事件を戦闘で鎮圧する暴力的なジャッジメントだと」
黒子「よ、余計なお世話ですわっ!」
古畑「しかしですね……。それを、『余計なお世話』と考えなかった人物がいたんです」
初春「……」
419:『古畑、学園都市に行く』~解答編~ ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 20:18:52.54 ID:MgIckzx/0
古畑「佐天さん」
佐天「は、はい?」
古畑「あなたおっしゃってましたね。少し前に初春さんと白井さんがケンカをしているところを見た、と」
佐天「はい」
古畑「そのケンカの原因、白井さんのケガだったんじゃないでしょうか。
初春さんは、白井さんが重傷を負ったことを知って、それをいさめた。
しかしそれでも、白井さんは、今のように自分のスタンスを曲げなかった」
古畑「元々、『風紀委員(ジャッジメント)』は戦闘をもって治安を維持する組織ではありません。
にもかかわらず、自分が傷つくのも恐れず犯罪者と戦う白井さんを、
初春さんは見ていられなかった……」
黒子「そ、そうなんですの、初春……?」
初春「……」
422:『古畑、学園都市に行く』~解答編~ ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 20:22:25.66 ID:MgIckzx/0
古畑「……白井さんを説得できないと悟ったあなたは、強制的に白井さんを
ジャッジメントの職から外すことはできないか、と考えました。
そして、今回の事件を思いついたんです。
……無実の人間に傷害を与えたとなれば、ジャッジメントを続けることはできませんからね」
初春「……白井さんに、ジャッジメントを辞めさせようとは……思っていませんでした……。
後でちゃんと、『白井さんともつれ合いになって、自分でベッドの隅に頭を打った』と言おうと……。
そうすれば、白井さんの処分は、少しの間ジャッジメントを離れるくらいで済むと思って……」
黒子「……」
美琴「初春さん……」
佐天「初春……あんた……」
古畑「……」
初春「私……わずかな間でも……危険なことから、白井さんを遠ざけたかったんです……」
黒子「初春……」
429:『古畑、学園都市に行く』~解答編~ ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 20:26:29.83 ID:MgIckzx/0
古畑「え~……、私は……他人をおとしめるため、傷つけるために犯罪を犯した人間を数多く見てきました。
しかし、他人のためにここまで手のこんだ事件を起こしたのは、あなたが初めてです……初春飾利さん」
初春「……」
古畑「白井さん」
黒子「なんでしょうか、古畑さん」
古畑「え~……今回、初春さんは、かなり強引な方法を取りました。しかしそれは――」
黒子「古畑さん」
古畑「……」
黒子「それ以上は、おっしゃらなくとも分かりますわ」
黒子「……初春」
初春「はい……」
黒子「わたくしのために、ずいぶんと面倒なことをしでかしてくれましたわね。
アンチスキルまで巻きこんで……。まったく、仕方のない友人ですわ」
初春「白井さん……ごめんなさい……」
431:『古畑、学園都市に行く』~解答編~ ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 20:31:09.47 ID:MgIckzx/0
黒子「顔を上げなさい、初春。……あなたの言うとおり、
これから荒事はつつしむようにしますわ。……できるだけ、ですけれど」
初春「……白井さん……っ!」
初春「……ご、めんなさひ……」グスッ
黒子「もう、何を泣いてますの。ジャッジメントたる自覚が足りませんわよ」
古畑「……」
美琴「古畑さん」
古畑「……はい」
美琴「あなたは、やっぱり、最高の刑事さんでした」
佐天「ありがとうございました。私、信じててよかったです!」グスッ
古畑「……」ニコッ
438:『古畑、学園都市に行く』~解答編~ ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 20:37:00.46 ID:MgIckzx/0
黒子「わたくしからも、お礼を申し上げますわ。
それと、数々の無礼な振る舞い、つつしんでおわびいたします」
初春「色々とご迷惑をおかけして、すみませんでしたっ!」
古畑「御坂さん、白井さん、初春さん、佐天さん」
古畑「私が思うにですね……あなたたちを結びつけているのは、単なる友情よりも、もっと強い力
――いわば『絆』です。
この学園都市で、もしかしたらあなたたちは、今回の事件なんて比べものにならないくらい
大きな困難に直面するかもしれません」
古畑「しかし、その『絆』がある限り、あなた方は、どんな危機も乗り越えていけるはずです。
――私は、そう信じています」
美琴「はいッ!」
黒子「もちろんですわ」
初春「古畑さん……」
佐天「トーゼンですっ!」
443:『古畑、学園都市に行く』~解答編~ ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 20:41:31.40 ID:MgIckzx/0
??「古畑様~ッ!」
黒子「ッ! こ、このいかがわしい声は……っ!」
婚后「古畑様、ぜぇ~っ、ぜぇ~っ! お探し申し上げておりましたのよ!」
美琴「婚后さん……またあなたですか……」
??「古畑さ~んっ!」
佐天「この声……もしかして……」
今泉「毎度毎度ボクだけ置いていかないで下さいよっ!」
??「で、駅にはどう行けば良いのかな?」
初春「き、木山先生じゃないですかっ! な、何でここにっ!?」
木山「ああ、君達か。実はこのオデコの刑事さんに、駅までの道を案内して貰っている所だったんだが」
古畑「ちゃんと案内してあげなさいよ今泉君」
今泉「だって、絶対ボクをここに置き去りにして帰る気だったでしょ、古畑さん!」
古畑「よく分かったね」
444:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 20:43:12.34 ID:bK3iWISh0
ここに来て木山先生登場だと……!?
446:『古畑、学園都市に行く』~解答編~ ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 20:45:08.05 ID:MgIckzx/0
美琴「……というわけで、木山先生は私たちが送っていきますから」
木山「いつも、すまないね」
黒子「で、こっちですけれど」
婚后「『こっち』とは何ですの『こっち』とは! 古畑さm」
ヒュン
黒子「これでよし」パンパン
黒子「っと……古畑さん」
古畑「はい」
黒子「これ、捨ててしまってもかまいませんので、取っておいて下さいましな」
古畑「え~……これは?」
黒子「婚后光子の扇子ですわ。彼女、あなたに自分のことを憶えていてほしいでしょうから」
古畑「フフ……それでは~……いただいておきます。婚后さんには、よろしくお伝え下さい」
黒子「了解ですわ」
448:『古畑、学園都市に行く』~解答編~ ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 20:49:57.03 ID:MgIckzx/0
初春「本当に、色々とありがとうございました」
佐天「また、遊びにきて下さいね」
美琴「今度は私たちがこの街を案内しますから」
古畑「はい、またうかがいます」
黒子「約束、しましたわよ、古畑さん」
古畑「はい、必ず」
今泉「また来ますっ!」
古畑「それでは、失礼します」ニコリ
チャッチャッ♪ チャチャチャッ♪ チャッチャッ♪ チャチャッ♪ チャッチャッ♪ チャチャチャッ♪ チャッチャッ♪ チャチャッ♪
古畑任三郎:田村正和 今泉慎太郎:西村雅彦
457:『古畑、学園都市に行く』~解答編~ ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 20:52:15.78 ID:MgIckzx/0
チャチャチャチャチャチャ チャチャチャチャ~♪ タララララララララララララ♪
御坂美琴 白井黒子 初春飾利 佐天涙子
チャチャチャチャチャチャ チャチャチャチャ~♪ タッタラタラタ~♪
鉄装綴里 黄泉川愛穂 アンチスキルA
チャラ~ラ ラ~ララ パッパーパラララー♪
寮監 婚后光子 木山春生 マンションの管理人 隣人A
チャラ~ラ ラ~ララ パッパーパーララー♪
脚本:『古畑、学園都市に行く』◆k6VgDYkyGI
チャ~チャチャ~♪ チャ~チャチャチャ♪ チャッ チャッ チャッ チャチャチャッ♪
掲載スレ:2ch ニュー速VIP板
458:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 20:52:23.90 ID:/MBn0AIR0
久しぶりの良スレだったな
461:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 20:53:55.55 ID:IFxetK160
うおおおおおおおおおおおおおお乙!!!
ひさびさに良いSSを見た!
463:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 20:54:25.12 ID:sDFhzo2Z0
乙
また古畑が見たくなってきた
464:『古畑、学園都市に行く』~解答編~ ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 20:54:31.79 ID:MgIckzx/0
この事件は創作であり
古畑任三郎は架空の刑事です。
~引き続き、おまけ「巡査・今泉慎太郎『慎太郎、学園都市に行ったの巻』」をお楽しみ下さい~
468:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 20:54:50.54 ID:Vlu+Gzya0
おまけだと・・・
470:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 20:55:23.40 ID:C8seaben0
続くのか
475:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 20:56:23.03 ID:zITrKfho0
続くのかよ気づかなかったwww
477:おまけ『慎太郎、学園都市に行ったの巻』 ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 20:57:51.48 ID:MgIckzx/0
今泉「え~、お久しぶりです。今泉、慎太郎です。
突然ですがみなさん、超能力者って信じますか? コインをすごい速さで飛ばしたり、
瞬間移動したり、温かい物を冷めなくしたり。
嘘みたいな話ですが、今回はちょっと、そんな人たちがいる場所に行ってきました、フヒヒッ!
チャッチャッ♪ チャチャン♪ チャッチャ♪ チャッチャ♪
チャッチャッ♪ チャチャン♪ チャチャッ♪ チャッチャ♪
しかも、そこにいたのは……なんと……美少女ばかりでした……ッ!
え、ボクの好みですか?
……年上です。
決して、中学生が好きなんていう、おかしな性癖は持っていません。
ボクは、ロリコンではありません、本当です。
でもっ……最近、恋愛に年齢は関係ないんじゃないか、と思うんです。
これはつまり、純愛というやつでチャチャチャチャチャチャラララ~♪ ドンドコデンドンドコドコデン♪
西村雅彦
チャチャチャチャチャチャラララ~♪ テケテケテケテー♪
今泉慎太郎
481:おまけ『慎太郎、学園都市に行ったの巻』 ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 21:00:48.29 ID:MgIckzx/0
チャララララ~ララ♪ パッパーパラララー♪
チャララララ~ララ♪ パッパーパーラララッ♪
チャッチャッ♪ チャチャチャ♪ チャッチャ♪ チャッチャ♪
チャッチャッ♪ チャチャチャ♪
チャチャチャチャチャチャチャチャチャーン♪ デンデケデンデンデケデン♪
西村雅彦
チャチャチャチャチャチャチャチャチャーン♪ デンゲケデケデケデデデン♪
伊藤俊人
チャチャチャチャチャチャ チャチャチャチャーン♪
チャチャチャチャチャチャ チャチャチャチャーン♪
デドッデドッデド♪ チャラララ~ チャラララララ♪ チャッチャッ チャッ チャチャチャン♪
483:おまけ『慎太郎、学園都市に行ったの巻』 ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 21:03:45.00 ID:MgIckzx/0
―某月某日某時刻 警視庁鑑識課 科学研究室―
桑原「聞きましたよ~、今泉さん。古畑さんと『学園都市』に行ってきたんですって?」
今泉「そうなんだよ~」ニヤニヤ
桑原「見た? 超能力?」
今泉「それが俺さぁ~、テレポートで瞬間移動しちゃったっ!」
桑原「へ~ッ! すごいじゃないっ!」
今泉「一瞬にして、辺りの風景が、パッと変わるんだよっ! そしたら全然知らない場所にいて」
今泉「しかも、一般人もめちゃくちゃ強いんだよ! 俺、一瞬で首を180度曲げられてさぁっ!」
桑原「激しい街だね~……」
今泉「でもね、キレイな子が、多かったんだよ、クククククッ!」
桑原「へぇ~、超能力者は美人が多いんだ」
今泉「中学生だったけどね」
桑原「ロリコンじゃないですかッ!」ガタッ!
488:おまけ『慎太郎、学園都市に行ったの巻』 ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 21:08:21.04 ID:MgIckzx/0
今泉「えっ」
桑原「だーかーら、中学生はマズいでしょ、中学生は」
今泉「でも、すっごく可愛いんだよ。オ、オッパイも大きいし。佐天さんっていう子なんだけどさっ」
桑原「今泉さん」
今泉「な、何?」
桑原「あなた、警察官でしょ?」
今泉「う、うん、まぁ」
桑原「『まぁ』じゃなくて! 警察官が女子中学生に好意を抱いちゃだめでしょ!
しかも、胸が大きいとか、よこしまな思いまで抱いちゃって!」
今泉「何で?」
桑原「な、『何で?』って……」
今泉「こ、恋に年齢は関係ないと思うなぁ、ボクは」
桑原「あのねぇ……」
493:おまけ『慎太郎、学園都市に行ったの巻』 ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 21:11:11.78 ID:MgIckzx/0
今泉「実は、メルアドも交換してきたんだっ!」
桑原「えぇっ!?」
デデーン♪
今泉「いわゆる、メル友ってやつ? ンフ、ウフフッ! こ、これから送ってみるから。
桑原君、文面、考えて」
桑原「やめなさいよ~。僕は協力しないよ?」
今泉「『佐天さんへ 今、何してるの? 今度、また会いに行くからね 今泉』
こ、こんなんでいいかなぁ?」
桑原「だから、やめなさいって。ヘタすりゃ捕まっちゃうよ?」
今泉「大丈夫大丈夫。古畑だってねぇ、女子中学生から扇子もらってたもん!
好きだって言われてたもんっ!」
桑原「古畑さんは魅力があるから、一方的に好かれてただけなんじゃないのぉ?」
498:おまけ『慎太郎、学園都市に行ったの巻』 ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 21:13:59.23 ID:MgIckzx/0
今泉「え~っと……初めて送るから、ドキドキするなぁ……」
桑原「ちょっと今泉さぁ~ん」
今泉「送信っと」ポチッ
桑原「あ~あ……」
今泉「は、早く返信、来ないかなぁ! フヒィーッ!」
桑原「そんな早く来るわけ……」
ピロリロリン♪
今泉「き、来たぁっ! フヘェッ!」
桑原「もう来たのっ!? 最近の中学生はメール書くのに慣れてるんだなぁ……」
今泉「ク、クククククッ!」
499:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 21:17:27.48 ID:+jhzOF1j0
今泉くん・・・
501:おまけ『慎太郎、学園都市に行ったの巻』 ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 21:18:28.36 ID:MgIckzx/0
今泉「え~っと、なになに……」
桑原「何て返って来たの?」
今泉「……」
桑原「今泉さん?」
今泉「……桑原君、佐天さん、帰国子女だった」
桑原「は?」
今泉「文面が英語なんだよ~。俺、英語読めないからなぁ、くそっ!」
桑原「まさか……」
今泉「桑原君、英語読める? 読んで? これ」
桑原「英語はちょっとしか読めませんけど、多分、書いてあることは分かります」
今泉「ね、何て書いてあるの? 何て?」
桑原「mailer-daemon……」
503:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 21:19:17.13 ID:C8seaben0
ワロタ
506:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 21:20:20.56 ID:d53xh6ss0
こwwwれwwwはwww
507:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 21:20:55.01 ID:e9vLXlVk0
泣いた
508:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 21:21:15.25 ID:NFeK9SKB0
良スレや……
513:おまけ『慎太郎、学園都市に行ったの巻』 ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 21:26:06.20 ID:MgIckzx/0
今泉「め、めいらー、何?」
桑原「mailer-daemon! これ、宛先不明って意味です」
今泉「えっ?」
桑原「今泉さん、偽のアドレスを教えられたんですよ」
今泉「えぇっ!?」
桑原「何となくそうじゃないかと思ったんだよなぁ。
軽々しく今泉さんにメールアドレスを教える女子中学生なんているわけが……」
今泉「送信っと……」ポチッ
ピロリロリン♪
桑原「何してるんですか! 無駄ですよ、そんなことしても!」
今泉「……」
今泉「……桑原君っ!」ガバッ
桑原「……はいはい、結局、いつもと同じオチだったね……」ポンポン
チャ~チャチャ~♪ チャ~チャチャチャ♪ チャッ チャッ チャッ チャチャチャッ♪
515:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 21:28:52.35 ID:IACy/sdu0
部屋を出ていくシーンが容易に浮かぶw
516:おまけ『慎太郎、学園都市に行ったの巻』 ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 21:28:58.32 ID:MgIckzx/0
この事件は創作であり
今泉慎太郎は架空の刑事です。
520: ◆k6VgDYkyGI :2011/07/14(木) 21:31:00.44 ID:MgIckzx/0
これで、『古畑任三郎』×『とある科学の超電磁砲』SSはおしまいです。
お別れを言う前に、ひとつお詫びを。
>>213で古畑がヒントとして挙げている『初春の部屋の状態』ですが、
描写が足りず、>>341のような推理をするのをほとんど不可能にしてしまいました。
ちゃんと推理をした方、申し訳ありません。
保守して下さった方含め、ここまでお付き合いいただきまして本当にありがとうございました。
できれば、感想など書いていただけましたら幸いです。
それでは失礼します。
528:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 21:36:19.75 ID:0auChXzv0
非常に楽しかった!ありがとう!
532:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 21:42:34.99 ID:KkDfTAz+O
俺もメーラーダエモンさんからよくメールくるんだよな
しかもすぐに返事返ってくるし
544:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 22:03:31.63 ID:H6vYILfM0
>>86で御坂が上条にブチ切れてるのもちゃんと伏線になっててすげえと思った。
538:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 21:51:35.74 ID:jgk3qaQQO
◆k6VgDYkyGI先生の次回作にご期待下さい
559:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 22:49:06.48 ID:a3fHEE6TO
脳内再生させながら読んでたら時間かかった
面白かったよ>>1ありがとう
564:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/14(木) 23:23:18.83 ID:fpPcj6WR0
乙!
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