1:
◆WA7qvdXHqc 2019/01/02(水) 16:04:41.36
ID:zfVx+gag0
ゆうぎり「サキはん」
サキ「姐さん?」
ゆうぎり「ちょっと訊きたいことがあるんどすが」
サキ「なんね?」
ゆうぎり「わっちは、そない貫禄がある女なんどすか?」
サキ「急にどがんしたと?」
2:
◆WA7qvdXHqc 2019/01/02(水) 16:05:50.66
ID:zfVx+gag0
ゆうぎり「チェキ会とかで度々ファンのお人が」
「5号さんの貫禄すげー」
「あら間違いなく、修羅場を潜ってきとる風格たい」
「なんか、持っとるもん持っとらすね」
ゆうぎり「って、言わはったんどすわ」
3:
◆WA7qvdXHqc 2019/01/02(水) 16:06:35.27
ID:zfVx+gag0
サキ「まぁ、確かに姐さんは持っとるもん、持っとるけぇなぁ」
ゆうぎり「ほんまに?」
サキ「いやまぁ、時代劇とかだと花魁って『姐さん』と呼び慕われとるし」
ゆうぎり「確かにお仲間の娘達からも、そない呼ばれてましたわ」
サキ「それにグラサンもゆっとったけど、明治維新の裏にこの人ありの『伝説の花魁』ってことは、そりゃもうすごか人なんやろなぁって想像出来るたい」
4:
◆WA7qvdXHqc 2019/01/02(水) 16:07:12.97
ID:zfVx+gag0
ゆうぎり「サキはんも『伝説の特攻隊長』でありんすが」
サキ「あたしはあくまで特攻隊長。総長……つまりリーダーである麗子には敵わんばい」
ゆうぎり「やけども、今はリーダーやってはります」
サキ「んまぁ、まとめ役として適任やかなかとかねぇ」
ゆうぎり「ふふっ」
サキ「?」
ゆうぎり「サキはんも貫禄がありすんなぁ、って」
サキ「いやいやぁ」
5:
◆WA7qvdXHqc 2019/01/02(水) 16:07:43.93
ID:zfVx+gag0
ガチャ
純子「あっ、いらしてたのですか」
ゆうぎり「あら、純子はん」
サキ「よっ」
純子「お二人が珍しいですね」
サキ「そうか?」
純子「何の話をしていたのですか?」
サキ「貫禄、かな?」
純子「貫禄?」
6:
◆WA7qvdXHqc 2019/01/02(水) 16:08:16.01
ID:zfVx+gag0
ゆうぎり「純子はんから見て、わっちは貫禄ある方に見えはります?」
純子「えっ、あっ、はい」
ゆうぎり「どの辺りが」
純子「その、なんと言いますか……ダイナマイトというかミサイルというか」
ゆうぎり「言ってる意味がよく分かりまへんけど」
純子「いえ、こっちのことです。はい……」
サキ(なんとなく気持ちは分かるばい)
7:
◆WA7qvdXHqc 2019/01/02(水) 16:09:13.50
ID:zfVx+gag0
純子「あぁでも、踊ってるゆうぎりさんは貫禄がありますね」
ゆうぎり「ほぉ」
純子「練習の時もそうですが、動きがとても綺麗で堂々としていて」
サキ「花魁だからやなかと?」
ゆうぎり「舞はありんしたが」
8:
◆WA7qvdXHqc 2019/01/02(水) 16:10:08.70
ID:zfVx+gag0
純子「舞とダンスでは動きが違いますが、それでも気品と迫力があります」
ゆうぎり「芸事も花魁の勤めどす」
サキ「姐さんは位的にはどの辺りで?」
ゆうぎり「太夫でありんしたかなぁ」
サキ「すごかと?」
純子「確か花魁の位でもトップだったかと」
サキ「姐さんもトップスターやんけ! さすがの貫禄や」
9:
◆WA7qvdXHqc 2019/01/02(水) 16:10:52.29
ID:zfVx+gag0
ゆうぎり「とっぷすたー?」
純子「なんと言いますか、頂点にいる人のことを指します」
ゆうぎり「でしたら、純子はんも愛はんもリリィはんも、そのとっぷすたーどすなぁ」
純子「いやいや、私はまだそんな」
サキ「謙遜するんやなか」
ゆうぎり「そうどす。幸太郎はんも言ってたました」
純子「えっ、なんてですか?」
ゆうぎり「純子はんのイケボは貫禄がある、と」
10:
◆WA7qvdXHqc 2019/01/02(水) 16:11:51.38
ID:zfVx+gag0
純子「イ、イケボ?」
サキ「姐さん、それ何?」
ゆうぎり「知りまへん」
純子「えぇ……」
11:
◆WA7qvdXHqc 2019/01/02(水) 16:12:55.31
ID:zfVx+gag0
ゆうぎり「この前、幸太郎はんが箱を見ながら」
サキ「箱?」
ゆうぎり「愛はんが調べものしてたあの」
純子「もしかしてパソコンですか?」
ゆうぎり「その『ぱそこん』や思はるんどすけどな。それを見ながら」
幸太郎「4号の歌声はイケボだなぁ、って書き込みが多いなぁ……」
ゆうぎり「そない、言うてはりましたわ」
純子「は、はぁ」
12:
◆WA7qvdXHqc 2019/01/02(水) 16:13:43.20
ID:zfVx+gag0
サキ「純子。イケボってなんね?」
純子「し、知りませんよ。最近の言葉なら私はあまり詳しくありませんし」
サキ「んー、言葉のニュアンスからしてアレだな」
純子「アレ、とは?」
サキ「池の草がボーボー」
13:
◆WA7qvdXHqc 2019/01/02(水) 16:14:16.79
ID:zfVx+gag0
純子「ちょっ、それのどこがイケボなんですか!?」
サキ「『池』の草が『ボ』ーボー」
純子「意味が分かりません!」
サキ「言ってるあたしも分からん」
純子「もぉ!」
14:
◆WA7qvdXHqc 2019/01/02(水) 16:15:12.08
ID:zfVx+gag0
ゆうぎり「難しいことは愛はんに調べてもらいましょ」
サキ「そういや愛の奴、朝から見とらんけど」
純子「愛さんなら日の出前に出掛けましたよ」
サキ「何処に?」
純子「猪狩りに」
サキ「なんで?」
純子「さぁ」
サキ「あいつも何考えてっか分かんねぇなぁ」
ゆうぎり「それもまた、愛はんの面白いとこどす」
15:
◆WA7qvdXHqc 2019/01/02(水) 16:16:08.72
ID:zfVx+gag0
サキ「話を戻すとして、あたしらみんな伝説なんやし、そら貫禄の一つや二つは持っとらすよ」
純子「それが大きいか小さいかは別ですけどね」
ゆうぎり「わっちは大きいんどす?」
純子「確実に一番です」
サキ「純子。多分おめぇの考えだと、ちんちく除いたあたしは一番小さくなるんやなかと?」
純子「な、何を言ってるんですか!?」
サキ「やっぱそっち方面か!」
16:
◆WA7qvdXHqc 2019/01/02(水) 16:17:29.93
ID:zfVx+gag0
純子「そっち方面でなくとも、ゆうぎりさんには母親のような貫禄があります」
ゆうぎり「母親?」
純子「みんなが争っていても、それを鎮めてまとめるような貫禄が」
ゆうぎり「わっちに母親は早いでありんす」
17:
◆WA7qvdXHqc 2019/01/02(水) 16:19:07.16
ID:zfVx+gag0
純子「母親や生まれた時代順に」
サキ「それやと、たえが分からん」
純子「では享年順に」
サキ「たえが母親やぞ」
ゆうぎり「なら、たえはんはみんなの母親どすな」
サキ「あんなオカンおったら怖い」
ゆうぎり「では、わっちの次の純子はんが母親に」
サキ「純子がオカンやったら、小言うるさそうでグレるな」
純子「はいぃぃぃ!?」
サキ(かと言って姐さんやとビンタ一発ジ・エンドやけぇ、逆らわれへんなぁ)
18:
◆WA7qvdXHqc 2019/01/02(水) 16:20:01.27
ID:zfVx+gag0
ガチャ
さくら「ここにおったんや」
サキ「おぅ、さくら」
さくら「何話しとるん?」
純子「まぁ、ちょっと」
ゆうぎり「貫禄やら母親やら」
さくら「??」
19:
◆WA7qvdXHqc 2019/01/02(水) 16:20:40.94
ID:zfVx+gag0
サキ「あたしら伝説持ちやから、貫禄とかそこら辺云々を」
さくら「へぇー」
さくら「でも私には伝説ついとらんよ」
20:
◆WA7qvdXHqc 2019/01/02(水) 16:21:07.52
ID:zfVx+gag0
サキ「あっ」
ゆうぎり「あっ」
純子「あっ」
21:
◆WA7qvdXHqc 2019/01/02(水) 16:22:07.37
ID:zfVx+gag0
さくら「私には伝説や貫禄……なかとね?」
サキ「いや、ある! あるぞ!」
さくら「なら、ゆーてみてよ!」
純子(どうするのでしょうか?)
サキ「あのよ、グラサンが言っとったとよ」
さくら「幸太郎さんが?」
サキ「あぁ」
さくら「な、なんて?」
サキ「さくらの後ろ姿、貫禄あるとね」
22:
◆WA7qvdXHqc 2019/01/02(水) 16:22:34.38
ID:zfVx+gag0
さくら「えっ?」
純子「えっ?」
ゆうぎり「えっ?」
サキ「……」
23:
◆WA7qvdXHqc 2019/01/02(水) 16:23:11.61
ID:zfVx+gag0
サキ「グラサンがパソコン見ながら言っとったと」
幸太郎「ここのさくらの後ろ姿、よかよかよかったいんじゃい」
サキ「てな」
24:
◆WA7qvdXHqc 2019/01/02(水) 16:23:40.52
ID:zfVx+gag0
さくら「はぁ」
純子(本当なんでしょうか?)
ゆうぎり(よー、分からしまへんけど)
サキ(適当に誤魔化したんだが……ダメか?)
25:
◆WA7qvdXHqc 2019/01/02(水) 16:24:13.59
ID:zfVx+gag0
さくら「ま、まぁ、私にも持っとらすもんの一つや二つはあるっちゃね」
サキ(マジか!? 食い付いた!)
さくら「幸太郎さんはステージ裏からでも、私達のことよー見とるんやなぁ」
ゆうぎり「後ろ姿がお好きとは、幸太郎はんも変わってるでありんすなぁ」
純子「隠してるか否かの違いですけど、世の中に変な人間は沢山います」
さくら「ちょっと幸太郎さんとこ行ってくるね!」
サキ「お、おぅ」
26:
◆WA7qvdXHqc 2019/01/02(水) 16:24:50.87
ID:zfVx+gag0
純子「良かったのでしょうか?」
サキ「あっ、うん。まぁ、本人が納得したんなら」
ゆうぎり「ほな、わっちは水浴びして来るでありんす」
サキ「ほーい」
27:
◆WA7qvdXHqc 2019/01/02(水) 16:25:19.25
ID:zfVx+gag0
シュボッ、スパッ
ゆうぎり「ふぅー」
28:
◆WA7qvdXHqc 2019/01/02(水) 16:26:31.59
ID:zfVx+gag0
貫禄、風格、個性……
それらは誰もが持っている。
いや――
仮に持っていても、
気付いてないか表に出さないだけかも知れまへん。
小さな発見、大きな発見、
探せば色々と見つかる宝物、
わっちも探して行きたいどす。
以上、ゆうぎりでありんした――
ぱそこんの練習もやってみましょ
29:
◆WA7qvdXHqc 2019/01/02(水) 16:27:22.66
ID:zfVx+gag0
さくら「♪」
幸太郎(さくらはさっきから何をしたいのか分からん)
さくら「♪」
幸太郎(何をそんな嬉しそうに後ろ姿を見せるのか?)
さくら「どうですか!!」
幸太郎「えっ、まぁ、よかったいのぉ……」
さくら「やったぁ」
幸太郎(さくら……何がしたいのか俺には本気で分からん)
さくら「どやどやどやんすっす♪」
幸太郎(だが、それもさくらを含めたフランシュシュの良い所なのかもしれない)
おしまい
30:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/02(水) 21:21:59.48 ID:5qsfofkj0
よか……
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