前→
ほむら「そうだわ、魔法少女のことを漫画にしましょう」
172:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 00:23:52.20 ID:HSHeyzN40
超展開はお好きですか?
第6話『シリアスなんてあるわけない』
投下します。
173:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 00:24:39.98 ID:HSHeyzN40
~朝・通学路~
ほむら「もうっ! 私ったら転校早々に寝坊するなんて、おバカさんなんだからっ!」タッタッタ
ほむら「はあはあ……朝ご飯も食べる時間がなかったし……」タッタッタ
ほむら「授業中にお腹が鳴ったらどうしよう? きっと皆に笑われちゃうよね」タッタッタ
ほむら「そんなことになったら恥ずかしくて眼鏡が脂でベトベトになっちゃうよお……」タッタッタ
ドシーン!
ほむら「きゃ! 急いでたから曲がり角で誰かとぶつかっちゃった!」
マミ「大丈夫かい? 子猫ちゃん?」
ほむら(ドキッ☆ 私がぶつかってしまったのは超美形のお姉様だったわ!)
174:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 00:25:27.84 ID:HSHeyzN40
ほむら「ご、ごめんなさい! 私ったらドジで……あっ!?」
ドサドサッ!
ほむら(焼き土下座した拍子に私の描いた漫画が散らばっちゃった!)
マミ「おや、これは……へえ、君が描いたのかい?」
ほむら「は、はい……」
ほむら(どうしよう、見られちゃったよう……恥ずかしくて内臓が粉砕しそうっ!)
マミ「上手なんだね。もし良かったら今度ゆっくり読ませてほしいな」ニコッ
ほむら(ずっきゅーん☆ 何て素敵な笑顔なのかしら!?)
175:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 00:26:29.60 ID:HSHeyzN40
ほむら「あ、あのっ!」
マミ「大丈夫。言わなくてもわかるよ、暁美ほむらさん」
ほむら「ええっ!? 何で私の名前を知ってるんですかあ!?」
マミ「ふふっ、何となくわかったのさ」
ほむら「ほえー。さすがマミさんですねー」
マミ「それじゃあまた明日ここで会おう。一緒に漫画のことを語り合おうじゃないか」
ほむら「はいっ! わかりましたぁ!」
ほむら(巴マミさん……何て素敵なお姉様なのかしら……☆)
176:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 00:27:17.74 ID:HSHeyzN40
~昼休み・屋上~
……………。
ほむら「と、いうわけで巴マミとは知り合ったのよ」
まどか「そ、そうなんだ、すごいね」
さやか「いや意味が分からないわ。分からないけど……もう良いや」
ほむら「そう言ってもらえると助かるわ」
ほむら「私と巴マミの関係は置いといて……私の漫画を読んでもらえるかしら?」
177:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 00:28:37.81 ID:HSHeyzN40
さやか「うん、読む読む! 昨日は結局読めなかったから気になってたんだよねー」
まどか「…………」
さやか「まどか? どうしたの、ボーッとしちゃって」
まどか「え? あ、ううん。何でもないよ?」
さやか「そう? じゃあさっそく漫画観賞会といきますか!」
ほむら(……まどか? 何か様子がおかしいわね)
178:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 00:29:23.29 ID:HSHeyzN40
――漫画鑑賞中――
さやか「うわ、とうとうオクタヴィアが魔女になっちゃったよ」
まどか「……魔法少女は魔女になっちゃうんだ?」
さやか「インキュベーターの陰謀も段々と明らかになってきてるね」
まどか「……うん」
ほむら(やっぱり……まどかが変だわ。何か悩み事でもあるのかしら……)
179:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 00:30:50.27 ID:HSHeyzN40
――漫画を読み終わった!――
ほむら「さて、それじゃあ二人の感想を聞かせてもらおうかしら」
まどか「あ、うん」
さやか「そーだなあ、今回あたしが印象的だったのは……」
さやか「やっぱりオクタヴィアが魔女化したことかな」
さやか「恋は報われず、しかもバケモノになっちゃうなんて悲惨過ぎでしょ!」
さやか「……あ、でもオクタヴィアが簡単にキョウスキーを諦めちゃったのは納得いかなかったな」
さやか「告白もせずに身を引いちゃうなんて、腑抜けてるよねー」
180:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 00:31:45.90 ID:HSHeyzN40
ほむら「まどかはどう思った?」
まどか「…………」
ほむら「……まどか?」
まどか「……ほむらちゃん、酷いよ……!」グスッ
ほむら(な……泣いてる!?)
181:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 00:32:31.69 ID:HSHeyzN40
まどか「どうしてこんな酷いお話を描くの……? こんなのってないよ、あんまりだよ……」グスグス
さやか「ちょ、まどか?」
ほむら「い、一体どうしたの? そんなに悲しい内容だった?」
まどか「グスッ……ねえ、ほむらちゃんはどうしてこれを私達に読ませるの? 何が目的なの?」
ほむら「えっ……?」
まどか「ほむらちゃんは……あの子のことを虐めて、楽しんでるだけなの?」
さやか「あの子? ねえまどか、何を言って……」
ほむら「……まどか、貴女まさか……!?」
まどか「可哀相だよ……こんな風に描かれて、悪者扱いされて……キュゥべえが可哀相だよ……!」
ほむら「っ!!」
183:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 00:34:02.06 ID:HSHeyzN40
ほむら「やっぱり……会ったのね、キュゥべえに!」
まどか「……うん」
さやか「九兵衛? ああ、ウッカリさんの?」
まどか「あの子から聞いたの。キュゥべえのこと、魔法少女のこと……」
ほむら「知ってしまったのね……」
さやか「ってそりゃハチベエやないかーい!」
まどか「うん……それに、ほむらちゃんがキュゥべえを虐めてたことも……聞いたよ」
ほむら「……!!」
184:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 00:35:22.74 ID:HSHeyzN40
まどか「何でキュゥべえを虐めたの? あの子を玩具みたいに扱って、ほむらちゃんは楽しかったの!?」
さやか「ハチベエじゃないとなると……みなしごの蜂さんのことかな?」
ほむら「そ、それは……アイツが悪いのよ。アイツは貴女を陥れようと企んでいるのよ!」
まどか「キュゥべえはそんなコじゃないよっ! 泣き虫だけど優しくて、とっても良い子だよ!」
さやか「ゆーけーゆけーハッ○ー、ミツバチ○ッチー……はっ!? じゃすらっくに怒られる!?」
185:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 00:36:01.36 ID:HSHeyzN40
まどか「あの子、ほむらちゃんから酷いことされて……身体も心もボロボロに傷付いてたんだよ?」
さやか「ミツバチハッチでもない? ……ああ、分かった! ご主人さまの帰りを待つ忠犬のことね!」
ほむら「そ、それは平気なのよ、アイツは痛みなんて感じないし、死んでも問題ない生き物なのよ!」
まどか「っ!? なにそれ……どうしてそんな酷いことを言えるの!? 見損なったよほむらちゃん!!」
さやか「そうよ! ハチに代わりなんか居ないわよ!」
ほむら「…………」
まどか「さやかちゃん……ごめん、少し黙ってて貰える?」
さやか「はい」
186:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 00:37:14.50 ID:HSHeyzN40
まどか「……ほむらちゃんは、キュゥべえを虐めても心が痛まないんだね」
ほむら「それは、その……アイツは沢山の人を騙してきて……私にとっては敵みたいな存在だから……」
まどか「だからって傷付けて、こんな嘘ばっかりの漫画描いて、キュゥべえを虐めても良いと思ってるの?」
ほむら「? ……待って、まどか。この漫画は全てが嘘なわけじゃあないわ」
ほむら「魔法少女の仕組みに関しては本当のことを描いて……」
まどか「……私、ほむらちゃんのこと友達だって思ってるよ」
まどか「でも、どうしてかな……ほむらちゃんの言ってることが信じられないよ……」
ほむら「――――!!」
187:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 00:38:17.26 ID:HSHeyzN40
♪~♪~♪~
さやか「あ……昼休み終わっちゃったけど……」
まどか「……教室、戻ろうか」
ほむら「待って! お願い、私の話を聞いて!」
まどか「……ごめんね、ほむらちゃん。私、今はほむらちゃんの話を聞いてあげられない」
まどか「気持ちの整理がついたら……また、お話を聞くから。今は……ごめん」
ほむら「…………っ」
さやか(……二人とも電波ちゃんだったんだ……友達やめようかなあ)
188:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 00:39:12.86 ID:HSHeyzN40
~放課後・ほむホーム~
ほむら(あのあと、まどかは口を利いてくれなかった)
ほむら(まどかは完全にキュゥべえの味方をするつもりみたいだわ)
ほむら(魔法少女が魔女になることも、キュゥべえが魔法少女を騙していることも……)
ほむら(信じてはくれなかった)
ほむら(…………)
ほむら(……また、結局同じなの……?)
ほむら(何を話しても、どうやっても信じて貰えない……)
ほむら(私のしていることは、やっぱり全部無駄な足掻きなの……?)
189:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 00:40:32.49 ID:HSHeyzN40
ほむら(……いいえ、私は諦めないわ。絶対に)
ほむら(そうよ……話を聞いてくれないなら、また漫画を描けば良いんだわ!)
ほむら(顔を合わせると言いづらいことも……きっと漫画なら伝えられる!)
ほむら(…………)
ほむら「……とは言ったものの」
ほむら「今まで通りのやり方では、まどかも読んでくれそうにないわね」
ほむら「まどかは私がキュゥべえを陥れるために漫画を描いてると思いこんでいるもの……」
190:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 00:41:06.88 ID:HSHeyzN40
ほむら「……」
ほむら「……少し、別のことを描きましょう」
ほむら「魔法少女のシステムのことじゃなくて……」
ほむら「キュゥべえの企みのことでもなくて……」
ほむら「……一人の女の子の物語を」
ほむら「同じ時を繰り返してきた、無力な少女の物語を」
191:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 00:42:18.89 ID:HSHeyzN40
ほむら「あるところに、身体が弱く、心も弱々しい少女が居ました」
ほむら「彼女は長い間入院していたため勉強も運動も全くこなせず、人づきあいも苦手でした」
ほむら「転校初日から学校へ通うことが嫌になり、落ち込んでいた彼女を救ったのは……」
ほむら「可愛いリボンがとても良く似合う、クラスメートの女の子でした」
ほむら「彼女と出会い、毎日が楽しくなり始めてきて、ひと月ほど過ぎたころ……」
ほむら「街を、絶望が襲いました」
ほむら「……そこから、長い長い戦いが始まったのです」
ほむら「リボンの少女を救うための戦いが――――」
192:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 00:43:11.19 ID:HSHeyzN40
…………。
ほむら「描き上げたわ……私の想いを」
ほむら「脚色や嘘を交えない、本当の想いを」
ほむら「今度は誰かを貶めるような内容じゃあないし……」
ほむら「これならまどかも読んでくれるに違いないわ」
ほむら「きっと、分かってくれる……」
ほむら(…………)
ほむら(本当にそうなのかしら……?)
193:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 00:44:09.73 ID:HSHeyzN40
ほむら(漫画なら信じてもらえると思って、漫画を描いて……)
ほむら(それで結局、今の状況があるんじゃない……)
ほむら「これも、また無駄になるかもしれない……」
シュウウ……
ほむら「っ……ソウルジェムが濁っていく……」
ほむら「諦めることを考えてしまったからだわ……」
ほむら「だめよ、私は魔女になるわけにはいかない」
ほむら「エロノートで穢れを浄化しないと……」
ほむら「……今日は、こんなシチュエーションで……」
194:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 00:45:52.81 ID:HSHeyzN40
――――――――――
まどか「ほむらちゃん! 一緒に遊びに行こうよ!」
ほむら「ええ、喜んで」
さやか「今日はどこ行こうか?」
杏子「駅前にできたクレープ屋が美味いらしいよ? 食べにいこーぜ!」
マミ「ふふ、佐倉さんはいっつも食べることばっかりね?」
杏子「べ、別に良いだろ!? 甘いもんが好きなんだよアタシは!」
さやか「それでいて太らないんだからズルイよね、杏子は」
ほむら「全くだわ。たまには体重計の上で頭を抱える経験もすればいいのに」
まどか「あはは、ほむらちゃんもそういう経験があるんだ?」
――――――――――
195:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 00:47:20.60 ID:HSHeyzN40
ほむら「…………」カキカキ
ほむら「ふふ……」
ほむら「こんなの、くだらない妄想よね」
ほむら「現実は、こんなに甘くない」
ほむら「まどかを救うことを願ったくせに……まどかを救えないでいる私が」
ほむら「こんな幸せな未来を作り出せるわけがない」
ほむら「でも……ほんの少しだけなら……」
ほむら「夢を見たっていいわよね……」
ピ シ ッ
ほむら「……え?」
196:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 00:48:34.10 ID:HSHeyzN40
ほむらの部屋に渇いた音が響く。
ほむら「今の、音は……」
過去に幾度か聞いた覚えがある音だった。
……それは希望がひび割れ、絶望が生み出される、破滅の音色。
最悪の結末が脳裏を過ぎる。
狼狽しながらもソウルジェムを確認するとそこには――――
ほむら「嘘、そんな、何で……!?」
197:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 00:49:26.53 ID:HSHeyzN40
~鹿目さんの家~
まどか「ただいま……」
QB「あ、まどか! おかえりなさーい!」
QB「ねえ聞いて聞いて! 今日ね、パパさんがおやつにケーキを作ったんだよ!」
QB「とっても美味しくてね、ボク三切れも食べちゃった!」
まどか「え、キュゥべえ……ケーキ食べちゃったの?」
QB「うん! とっても良い香りがしてね、まろやかな舌触りでね……」
まどか「ねえキュゥべえ、あなたってパパには見えないんだよね?」
QB「そうだよ? 僕の姿は魔法少女の素質がある子にしか見えないから」
まどか(じゃあ……パパの目には、いきなりケーキが消えたように見えたのかな……)
198:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 00:50:28.42 ID:HSHeyzN40
QB「まどかも後で一緒に食べよう! おいしすぎてビックリすると思うよ!」
まどか「キュゥべえったら、まだ食べるつもりなの?」
QB「えへへ……駄目かな?」
まどか「うーん、まあいっか」
QB「わーい! ケーキ、ケーキ!」
まどか「ふふ、そんなに気に入ったんだ?」
QB「うん! ボクね、ケーキ大好きなんだ!」
QB「ボクのお友達がケーキ大好きでね、だからボクもケーキが大好きになったんだ!」
まどか「へー、そうなんだ?」
199:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 00:51:21.32 ID:HSHeyzN40
まどか「その子は今どうしてるの? もしかしてこの町に住んでる?」
QB「あっ…………」
まどか「?」
QB「……うう、うわあああん……!」
まどか「ええっ? ど、どうしたのキュゥべえ?」
QB「友達だって、友達だって思ってたのにいぃい……!!」
まどか「大丈夫、大丈夫だから、ね? 落ち着いて?」
200:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 00:52:39.71 ID:HSHeyzN40
……………………。
まどか「……落ち着いた?」ナデナデ
QB「うん……ごめんね、かっこ悪いところ見せて……」
まどか「良いんだよ、男は涙を踏み台にして強くなるものだって、たっくんも言ってた」
QB「……ありがとう、まどか……」
まどか(…………)
まどか(『友達だと思ってたのに』、かぁ……)
まどか(……きっと、キュゥべえはそのお友達と喧嘩しちゃったんだろうなあ)
まどか(私と同じ……)
『アイツは貴女を陥れようと企んでいるのよ!』
まどか(…………ほむらちゃん)
201:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 00:53:54.80 ID:HSHeyzN40
まどか「……ねえキュゥべえ。私ね、今日……友達と喧嘩しちゃったんだ」
QB「え……?」
まどか「その子はね、とっても綺麗で、ユーモアもあって、絵も上手で……素敵な女の子なの」
まどか「でもね、その子はとっても酷いことをしてたんだ」
まどか「私はそれを知って……その子を信じられなくなっちゃった」
まどか「だってその子を信じると、今度は他のお友達を疑うことになっちゃうから……」
まどか「本当は信じたい。どっちの子も、大切な友達だから。なのに、私は……」
QB「まどか……キミは……」
202:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 00:54:57.67 ID:HSHeyzN40
――――ゾワッ
QB「っ!?」
まどか「え……なに、この感覚……周りの雰囲気が変わった!?」
QB「魔女の結界だ!! 不味い……!!」
まどか「魔女って、昨日キュゥべえが話してくれた、あの!?」
QB「うん……でも、なんだコレ、変だ……規模が大きすぎる!!」
まどか「ど、どういうことなの?」
QB「一体の魔女の力とは思えない! まるで、何人分もの、何十人分もの呪いで作り上げたみたいな……」
まどか「それって、えと、つまり?」
QB「まどか! ボクは家の外を見てくる!」
まどか「えっ!? ちょ、ちょっと待って!!」
203:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 00:56:09.00 ID:HSHeyzN40
~屋外~
QB「なにこれ……この辺り一帯、いや町全体が魔女の結界に包まれてる!!」
まどか「キュ、キュゥべえ!! あれ見て!!」
QB「な……あれは……」
まどか「巨人……!? ねえ、あれが魔女なの?!」
QB「う……うわあああああああっ!!」
まどか「ど、どうしたの? だいじょうぶ? あれが何だか知ってるの?!」
QB「あれは、あの子は嫌だ!! またボクを苛める気なんだ!!」
まどか「なに? 何を言ってるのキュゥべえ!?」
QB「この魔力の感じは間違いない、間違えるもんか!!」
QB「あれは――――暁美ほむらだ!!」
まどか「…………え?」
205:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 00:57:59.55 ID:HSHeyzN40
時の歯車に捕らえられ、幸せな結末を望む少女が生み出したソレは、
かつて別の時間軸で世界を『救済』した魔女に酷似していた。
何かを求めるかのように両手を掲げ、声を発することはなく、ただ立ち尽くす。
魔法少女の呪いから作り出された巨大な人影。名もなき魔女。
その性質は――――――
『萌え』
206:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 00:58:17.73 ID:CPU9gakqo
え
207:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/22(日) 00:58:25.80 ID:HSHeyzN40
次回へ続きます
213:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都):2011/05/22(日) 01:46:18.68 ID:1v3YrgwLo
前々から気になっていて、今日初めて読んでみたが…
…なんだこれ…(褒め言葉)
214:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国):2011/05/22(日) 02:08:42.51 ID:wHS8JSlAO
盛大にずっこけたぞどうしてくれるwwwwww
228:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 21:29:40.24 ID:kKp4z1SH0
まどか「嘘……嘘だよね、あそこにいるのが……ほむらちゃん?」
QB「うあ、ああ……」
まどか「ねえ、答えてよキュゥべえ! 嘘って言ってよ!」
マミ「恐らくあれは……本当に暁美さんよ」
まどか「っ!? 貴女は……!?」
マミ「一度お会いしたことがあったわね? 私は巴マミ……魔法少女よ」
229:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 21:30:38.25 ID:kKp4z1SH0
まどか「あのっ! あそこに見えるのがほむらちゃんって本当なんですか!?」
マミ「ええ……間違いないと思うわ。彼女のアニマを感じるもの……」
まどか「そん、な……じゃあ魔法少女が魔女になるって話は……本当だったの……!?」
マミ「そうみたいね……私も実際に目にするのは初めてだけれど……」
マミ「その辺りの話は貴方のほうが詳しいわよね、キュゥべえ?」
QB「……え? あ、マミっ……!? どうして此処に……!?」
231:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 21:31:21.20 ID:kKp4z1SH0
マミ「貴方を探してきたのよ。……貴方に、謝りたくて」
QB「え……」
マミ「ごめんなさい。私……貴方に酷いことをしたわ」
マミ「現実を受け入れるのが怖くて、貴方を虐めることで気を紛らわそうとしてた……最低よね」
QB「マミ……」
マミ「いくら謝っても足りないと思うけれど……」
マミ「今は目の前の問題を片付けるために、貴方の力を貸してくれるかしら、キュゥべえ」
QB「………………うん。わかったよ」
232:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 21:31:56.95 ID:kKp4z1SH0
まどか「それで、あの、マミさん! どうすればほむらちゃんは助けられるんですか!?」
マミ「それは……」
QB「助ける方法は……ないよ」
まどか「っ!! そんなっ!」
QB「魔法少女は絶望に呑まれた時、魔女になる……そこに希望はないんだ」
まどか「……やだ……そんなの嘘だよ……!」
233:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 21:32:34.76 ID:kKp4z1SH0
まどか「そ、そうだ! 私が魔法少女になれば……」
QB「だ、ダメだよ! そんなの僕が許さない!」
まどか「どうして!? 魔法少女になればどんな願いも一つだけ叶うんでしょう!?」
QB「そのかわりキミが魔女になってしまうよ! そんなの……そんなのボクは嫌だ!」
まどか「でもっ!」
マミ「……貴女は暁美さんの遺志を無駄にするつもりなの?」
まどか「……えっ?」
234:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 21:33:32.58 ID:kKp4z1SH0
マミ「暁美さんは言っていたわ。『友人を魔法少女にしないために、漫画を描いている』って」
まどか「ほむらちゃんが……!?」
マミ「貴女を魔法少女に、そして魔女にしないために暁美さんは戦っていたのよ」
マミ「……だというのに貴女が魔法少女になってしまっては……彼女が報われないわ」
まどか「でもっ……でもっ!!」
杏子「――――それなら、別の方法で奇跡を起こしてやればいいじゃねーか」
まどか「!」
235:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 21:34:24.86 ID:kKp4z1SH0
マミ「佐倉さん……貴女も来てくれたのね」
杏子「まーね。正義の味方を気取るつもりはないけど……アイツを放っておけないしね」
まどか「魔法少女の人ですか? あのっ、別の方法でって、どんな……!」
杏子「期待させて悪いけど、確実な方法があるってわけじゃあないよ。……けど、試したいことはある」
まどか「試したいこと……!?」
杏子「アイツに、呼び掛けてみるんだ」
QB「感情に訴えかけようっていうのかい? ……無駄だよ。魔女に人間だったころの意識なんて残っていない」
杏子「そんなの、やってみなきゃわかんねーだろ!」
236:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 21:35:19.65 ID:kKp4z1SH0
杏子「……アンタ、まどかって言ったっけ?」
まどか「は、はいっ」
杏子「ほむらから話は聞いてるよ。……大切な友達だってな」
まどか「友、達……」
杏子「アンタなら……ほむらが一番に想っていたアンタの声なら、アイツを正気に戻せるかもしれない」
まどか「でもっ、私、ほむらちゃんに酷いことを言って、傷付けてっ」
まどか「きっともう嫌われてるよ! 私が話し掛けたって、ほむらちゃんは……」
237:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 21:36:25.35 ID:kKp4z1SH0
杏子「じゃあ諦めて逃げ出すか? それともアイツの気持ちを裏切って魔法少女になるか?」
まどか「っ!!」
杏子「……どっちも嫌だ、ってツラしてるな。なら、試してみようじゃんか。アイツにアンタの声が届くかどうか」
まどか「……」
マミ「鹿目さん……」
まどか「私…………ほむらちゃんを助けたい!」
まどか「無駄かもしれないけど、私なんかじゃ何の力にもなれないかもしれないけどっ……」
杏子「……決まりだな。なら行こーぜ、ほむらのとこへさ!」
まどか「……うんっ!」
238:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 21:37:08.66 ID:kKp4z1SH0
マミ「でもそうなると、鹿目さんを連れて接近する必要があるわね……」
杏子「コイツを守りながら敵を蹴散らして行くしかないな」
QB「成功するかどうかも分からないのに、まどかを危険に晒す気なの!? 訳が分からないよ!」
まどか「でも、それでも私は行くよ。ほむらちゃんの所へ!」
「――――安心して。まどかは私が守るわ」
まどか「えっ……この声は……!?」
さやか「あたしが来たからにはもう大丈夫よ、まどか!」
239:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 21:37:52.17 ID:kKp4z1SH0
まどか「さやかちゃん! 来てくれたんだね!」
マミ「…………えーと?」
杏子「……は? 何だアンタ。アンタも魔法少女なのか?」
さやか「いえ、一般人です」
杏子「……帰ったほうが良いんじゃね?」
マミ「ま、まあ彼女の気持ちを尊重してあげましょう」
杏子「はあ……とりあえず魔法で強化した棒切れでも持たせておこうか」
マミ「分かったわ……はい美樹さん、コレ」
さやか「おお、マジカルな武器だ! これで鬼に金棒、猫に小判ね!」
まどか「さやかちゃん格好良い!」
240:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 21:38:50.49 ID:kKp4z1SH0
QB「……どうしても行くって言うんだね、まどか」
まどか「うん、ごめんねキュゥべえ。私……行かなくちゃ」
QB「止めても無駄なんだね……分かったよ、ならボクも一緒に行く」
QB「ボクじゃあ使い魔も倒せないけど、絶対キミの力になるよ」
まどか「キュゥべえ……ありがとう」
マミ「……うん、話は纏まったわね。それじゃあ行きましょうか」
杏子「簡単な道のりじゃねーぞ、覚悟決めろよ」
さやか「よしっ! それじゃあ全員、行くわよー!」
『おーっ!』
241:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 21:39:48.83 ID:kKp4z1SH0
………………。
さやか「……と、意気込んだ割には何も起こんないね」
杏子「使い魔も出て来ないな。……逆に薄気味悪ぃ」
マミ「まだ魔女と距離があるせいかしら? それとも……誰にも頼らないという意志の現れ?」
QB「そうだとしたら……寂しいね」
まどか「ほむらちゃんっ……!」
さやか「いやー、このマジカル棒切れ素敵だわー。あたし舞い上がっちゃってますねー」
マミ「気に入ってもらえて何よりだわ。そうね……その子は『第十七使徒タブリス』と名付けましょう」
さやか「ひゅー! カッコいいっすマミさん!!」
242:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 21:40:44.80 ID:kKp4z1SH0
魔女『……ァァァォォォカァァァ……』
マミ「っ! 動いた……こっちを見てるわ!」
杏子「へっ、ようやく気付きやがったか! ここからが本番だ、気を引き締めろよ!」
まどか「う……うん!」
マミ「私は暁美さんを拘束するわ! 佐倉さんは二人を守ってあげて!」
杏子「よし、任せ――――」
杏子「――――っぐあああ!?」
マミ「佐倉さんっ!?」
243:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 21:41:57.43 ID:kKp4z1SH0
まどか「え、え? 何? 何が起こったの!?」
QB「分からないっ、気が付いたら杏子が吹き飛ばされてた!」
さやか「攻撃されたの!? 何も見えなかったわよ?!」
マミ(私にすら何も感じ取れなかった……!)
杏子「くそっ! 何だっていうんだ!?」
QB「無事かい、杏子!?」
マミ「くっ……一度退きましょう! 相手の手の内が見えない――――」
マミ「――――きゃああああっ!」
杏子「なっ!? マミ!?」
さやか「そんなっ、またなの!?」
まどか「大丈夫ですかマミさん!」
マミ「ええ、何とか……くっ……とにかく撤退よ!」
244:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 21:42:47.99 ID:kKp4z1SH0
………………。
さやか「さやかちゃんと愉快な仲間達は物陰に隠れました」
杏子「……畜生、話し掛ける余裕すらなかったじゃねーか!」
マミ「攻撃が見えなければ防ぎようもないわね……」
QB「一体、暁美ほむらはどんな力を使って……?」
さやか「二人とも本気で吹っ飛ばされてたよね、ダメージは平気なの?」
マミ「少し痛むけど……動きに支障は出ないわ」
杏子「あれくらい魔法少女ならどうってことないよ」
さやか「はー、まるっきり漫画の世界だね……」
まどか「…………漫画?」
QB「ん? どうかしたのかい、まどか」
まどか「もしかしたら……ほむらちゃんの魔法は、時間を止めるもの、かも……」
杏子「何だって!?」
245:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 21:43:48.19 ID:kKp4z1SH0
まどか「ほむらちゃんは魔法少女のことを漫画にしてたよね?」
さやか「うん、そうだね」
杏子「アタシをモデルにしたりもしてたな……それがどうしたって言うんだ?」
まどか「あの漫画に、ほむらちゃんに似たキャラが出て来るんだけど……その子の魔法が時間を止めるものだったの」
まどか「だから、もしかしたらほむらちゃんの魔法も……」
マミ「成る程……確かに暁美さんは実体験を基に漫画を描いていた、と話していたわ」
マミ「自分の分身たる登場人物に、自身と同じ能力を持たせてる可能性はある、か」
杏子「それに時間停止がアイツの魔法なら、さっきの攻撃も説明がつくな」
杏子「たぶん、時間を止めている間に攻撃を仕掛けてきたんだろ。……だから何も見えなかった」
247:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 21:45:21.96 ID:kKp4z1SH0
さやか「……でもさあ、その予想が正しかったら……対抗手段がないような気がするんだけど」
さやか「例えばこうして隠れてても時間を止めて捜されたら――――」
さやか「見つかった瞬間に一網打尽だよね……」
QB「ちょ、止めてよ! 不吉なこと言うとホントになるってお祖母ちゃんが言ってたでしょ!」
マミ「……!?」
マミ「ちょっと待って……鹿目さんは!?」
杏子「え? あ、居なくなって……!?」
248:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 21:46:25.13 ID:kKp4z1SH0
魔女『……マァァァォォォァァァ……』
まどか「きゃっ!? あ、あれ、私……!?」
まどか(ほむらちゃんに……掴まれてる!?)
まどか(じ、時間が止まっている間に捕まったんだ!)
ヒュォォオオ……
まどか(ひっ!? た、高い……! ビルなんかより、ずっと空の上だ……!!)
まどか(ほかの皆は!? 何処にいるの!? みんな無事なの!?)
魔女『……ァァァォォォァァァ……』
まどか(ほむらちゃん……そうだ!)
まどか(……この距離なら……私の声も聞こえるはず!)
250:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 21:47:24.58 ID:kKp4z1SH0
まどか「ほむらちゃん、お願い! 目を覚まして!」
魔女『……カァァァォォォェェェ……』
まどか「ほむらちゃん……ううっ!?」
ギリッ……
まどか「ゲホッ! あ……う……!」
まどか「ほむらちゃんっ……ほむらちゃ」
ギリギリギリ……
まどか「あっ! ぎぃ……っ!」
まどか(駄目なの……? やっぱり私の声は、ほむらちゃんには届かないの……?)
251:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 21:48:24.39 ID:kKp4z1SH0
まどか「ほむら、ちゃ……ごめん、ね……」
まどか「私、ほむらちゃんに酷いことしたよね……」
まどか「許して、なんて、言えないよね……でも」
ギリッ……
まどか「うぐっ! かはっ……!」
まどか「はあ、はあ……こ、こんなこと、言うと、笑われるかもしれないけど……」
まどか「私ね、ほむらちゃんと、昔から……知り合いだった、ような気がしてたんだっ……」
252:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 21:49:10.42 ID:kKp4z1SH0
まどか「なぜか他人とは思えなくて……ずっと友達だったような気がして……!」
まどか「へ、変だよね……こんなこと言って、気持ち、悪いよね」
まどか「けど、この気持ちに嘘はないの……私は、ほむらちゃんのこと、本当に、友達だと……」
……メキッ……
まどか「う……ああああっ!?」
魔女『……ァァァォォォカァァァ……』
まどか(ああ……やっぱり、駄目なんだ……)
まどか(そうだよね……いまさら……もう、遅いよね……)
まどか「ほむらちゃん……」
まどか「ごめん、ね……」
253:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 21:49:49.93 ID:kKp4z1SH0
祈るように重ねられた魔女の両手の中で、まどかは静かに目を閉じた。
少女の願いは人外の者には届かず、奇跡など起こるはずもなく。
行き過ぎた愛情から生まれた呪いは、無慈悲に両の手に力を込めていく。
声を上げることも諦めた少女は死を覚悟し……
――――そして鮮血が飛び散った。
254:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 21:54:49.68 ID:kKp4z1SH0
少し、時間を遡る。
255:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 21:55:35.84 ID:kKp4z1SH0
~ほむらの部屋~
渇いた音が、部屋の中に響いた。
ほむら「今の、音は……」
過去に幾度か聞いた覚えがある音だった。
……それは希望がひび割れ、絶望が生み出される、破滅の音色。
最悪の結末が脳裏を過ぎる。
狼狽しながらもソウルジェムを確認するとそこには――――
ほむら「嘘、そんな、何で……!?」
傷一つなく、光り輝くソウルジェムがあった。
256:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 21:56:06.22 ID:kKp4z1SH0
ほむら「ど、どういうこと? でも、確かにソウルジェムが割れる音が……」
ほむら「それにこの禍々しい気配……間違いなく魔女が生まれるときの……」
ピシッ
ほむら「また……!? でも、どこから……?」
ピシピシッ
ほむら「……ソウルジェムの中……いえ、盾の中から……!?」
ほむら「いったい何が原因なの?」ゴソゴソ
257:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 21:57:03.76 ID:kKp4z1SH0
ほむら「……これだわ!」
ほむら「――――エロノート!!」
ほむら「っ!? ひょ、表紙が裂けて……呪いが噴き出している!?」
ほむら「単なる市販のノートだったのに、どうしてこんなことに?」
ほむら「…………!!」
ほむら「そうか、そういうことね……!」
258:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 21:57:57.00 ID:kKp4z1SH0
ほむら「私は今までソウルジェムを浄化するためにエロ妄想を書きなぐってきた……」
ほむら「でも、私が浄化したと思っていた穢れは消滅したわけではなく……」
ほむら「私のソウルジェムから、エロノートに移っていただけだったのね……!?」
ほむら「そしてノートに移った穢れが一か所に集められて、互いに干渉しあって……」
ほむら「それが今、許容限界を超えて呪いを生み出し始めたんだわ!」
259:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 21:58:38.68 ID:kKp4z1SH0
ズルズル……
ほむら「くっ!? 呪いが実体化して……絡みついてくる!?」
ピシッ
ピシピシッ
ほむら「不味い……! 今までため込んできた穢れが暴走しているわ!」
ほむら(このままじゃ、私のエロノート10万3001冊分の呪いが……)
ほむら(魔女になってしまう……!?)
ごばああああああ!!
ほむら(ノートの呪いが一斉に噴き出して――――!?)
ほむら(時間を止め……駄目、間に合わない!!)
260:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 21:59:16.71 ID:kKp4z1SH0
……………………。
ほむら『此処は……? 真っ暗だわ、何も見えない……』
ほむら『なんなの、この闇は……ざらつくような、まとわりつくような……気持ちが悪いわ』
ほむら『これは……穢れ? 私が生み出した呪い?』
ほむら『まさか此処は……魔女の体内なの?』
ほむら『くっ!? う、あ……やめてっ! 私の中に入ってこないで!!』
261:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:00:20.63 ID:kKp4z1SH0
『えへへ、ほむらちゃーん』
ほむら『ま、まどか……?』
『そんなに緊張しなくても良いんだよ? ほら、肩の力を抜いて?』
ほむら『あ……ええ……あなたが……言うなら……』
『ね、ほむらちゃん。私なんだかね、ぎゅーってしてほしくなっちゃたなあ』
ほむら『もう……甘えん坊さんね、まどかは』
『早く早くぅ、ぎゅーしてよお』
ほむら『うふふ、良いわよ。ほら、ぎゅー……って』
『むぎゅー……えへへ、ほむらちゃんだぁい好き……』
まどか「ほむらちゃん、お願い! 目を覚まして!」
ほむら『――――――っ!!』
262:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:01:07.16 ID:kKp4z1SH0
ほむらは意識を取り戻し、掌の内に小さな小さな少女が収まっていることに気が付いた。
いや、少女が小さいのではない。ほむらの身体が巨大すぎるのだ。
そして彼女が今まさに握りつぶさんとしている少女は……
ほむらにとって最愛の友人、鹿目まどかであった。
263:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:02:06.75 ID:kKp4z1SH0
ほむら『私は、いったい、何を……?!』
ほむら『この身体は……この巨大な肉体は何なの? 私はなぜまどかを握り締めているの?』
ほむら『私は……魔女になってしまったというの?』
まどか「ほむらちゃん……ううっ!?」
ギリッ……
ほむら『まどか……!! くっ、手が……勝手に……!』
『ほむらちゃんは私のこと大好きなんでしょう?』
ほむら(何……? 頭の中に、声が……)
ほむら『お前は……ノートの呪いね!?』
『うんそうだよ。私はほむらちゃんが生み出したノートの呪い』
『そしてアナタが描いた、空想上の鹿目まどか』
ほむら『……!?』
264:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:02:56.38 ID:kKp4z1SH0
『ね、まどか【わたし】のこと抱きしめてよ。いっぱい、思いっきり』
ほむら『出来るわけないでしょう! そんなことしたらまどかが……!』
『潰れちゃうくらいにハグするのも愛情表現の一つだよ、ほら、はぐはぐして?』
ほむら『ふざけないで!』
『ふざけてなんかないよー? 私よく潰れ饅頭とか呼ばれるし、潰れたくなる時もあるよー』
ほむら『五月蠅い! まどかの声で勝手なことを言わないで!!』
『ふふ……でもほむらちゃん、体は正直みたいだよ?』
ギリギリギリ……
まどか「あっ! ぎぃ……っ!!」
『ほら、まどか【わたし】のことをあんなに締めつけて……いやらしいなあ』
ほむら『やめて! 私は……こんなことしたくない!!』
265:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:03:41.26 ID:kKp4z1SH0
まどか「ほむら、ちゃ……ごめん、ね……」
ほむら『まどか……!!』
まどか「私、ほむらちゃんに酷いことしたよね……」
ほむら『そんなことないっ、私の方こそ、貴女を救えなくて、何度も何度も傷つけてきた……!』
まどか「許して、なんて、言えないよね……でも」
ギリッ……
まどか「うぐっ! かはっ……!」
ほむら『まどか、まどかっ!! 嫌っ!! この両手ッ……言うことを聞きなさい!!』
266:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:04:36.05 ID:kKp4z1SH0
『この身体はほむらちゃんが作り出したんだよ? ほむらちゃんの妄想を叶えてるだけなんだよ』
『歪んだ妄想。受け入れられぬ妄想。醜い妄想。……すなわち「萌え」!!』
『それが私! そして貴女の全てなんだよ、ほむらちゃん!!!』
ほむら『違う……! 私はこんなこと望んでいない!!』
まどか「ほむらちゃん……」
まどか「ごめん、ね……」
ほむら『――――まどかああああああああ!!』
267:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:05:31.22 ID:kKp4z1SH0
圧倒的な力で押し潰す。
その直前に……魔女の両手はまどかから離れた。
ほむら『うああああああああああ!!』
一瞬だけ、呪われた肉体の制御を得たほむらは――――
『抗うんだ? 無駄だと思うけどなあ』
ほむら『黙れ……!!』
――――迷うことなく、その両手で自身の……いや、魔女の眼球を貫いた。
『い、ぎあああああ!?』
ほむら『お前が私の妄想ならっ……大人しく私に従いなさい!!』
激痛が走る。視界が完全に塞がれた。
――――そして鮮血が飛び散った。
268:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:06:37.02 ID:kKp4z1SH0
『もうっ! ほむらちゃんたら酷いことするなあ。両目が潰れちゃったよ!』
『それにまどかを放り出すなんてどうかしてるよ! あのままじゃあ墜落死しちゃうよ?』
ほむら『言われなくたって分かってるわ……だから……私がっ、助ける!!』
『どうやって? こんな魔女の身体でまどかを助けられると思ってるの?』
ほむら『……確かに、この肉体は私の呪いが作り出した魔女の肉体だわ』
『なんだ、わかってるんだ。そうだよ、魔女になってしまった以上、ほむらちゃんは呪いを撒き散らすしか――――』
ほむら『でも、私は魔女なんかじゃない!』
269:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:07:29.12 ID:kKp4z1SH0
『魔女じゃない? ほむらちゃんたら、まだそんな甘い考えをもってるんだ?』
ほむら『そうよ、私は魔女じゃない!! だって――――』
ほむら『私のソウルジェムは砕けていない!! 私の魂は此処にある!!』
ほむら『だから……わたしはまどかを助けに行ける!!』
270:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:08:31.65 ID:kKp4z1SH0
――――どす黒い肉の塊、巨大な魔女の肉体から、渦巻く呪いの心臓部から。
『あーあ』
ほむらは、飛び立った。
『行っちゃうんだね』
魔女の支配から抜け出し、少女は生まれたままの姿で空を駆ける。
『呪い【わたし】を置き去りにして』
271:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:09:36.72 ID:kKp4z1SH0
ほむら「やった……!! 私の身体、取り戻せた……!!」
ほむら「何故か装備が盾とストッキングしかないけど……!」
魔女『ぁぁぁぁぁぁぁォォォォォォォォォ』
ほむら(くっ、魔女は……まだ生きているのね……!!)
ほむら(いいえ、今はそれよりも……まどか!!)
まどか「…………」ヒュゥゥゥゥゥ……
ほむら「――――見つけた!」
ほむら「今助けるわ、まどか!!」
ほむら(時間、停止!!)
272:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:10:45.36 ID:kKp4z1SH0
――――――――――
ほむら「まどかっ……!!」
ガシッ!
ほむら「っ!! 酷い怪我だわ……でも必ず助ける!!」
魔女『ァァァァァォォォォォォォォ!!』
ほむら(なっ……!? アイツも止まった時の中で動けるの!?)
魔女『ッァァァァァァ!!!』
ほむら(さすがは私から生まれた魔女、といったところね……けど、動きは遅いっ!)
ほむら(悪いけれど、逃げ切らせてもらうわ!!)
――――――――――
273:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:11:34.90 ID:kKp4z1SH0
……………………。
魔女『ォォォォォォォォォォォォォォォッ!!…………』
まどか(……ほむらちゃんの声が……遠ざかってく)
まどか(不思議……なんだか空を飛んでるみたい)
まどか(死ぬ、ってこういうのだったんだね……)
まどか(あったかい……誰かに抱っこされてるみたい……)
まどか(…………)
まどか(あれ……? 私、生きて、る?)
ほむら「――――遅くなってごめんなさい、まどか……!!」
まどか「ほむら、ちゃん……?」
274:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:12:44.19 ID:kKp4z1SH0
まどか「ほむら、ちゃ、……何、で……」
ほむら「無理に喋らないで! 身体に障るわ」
まどか「ほむらちゃん……良かっ、た……」
ほむら「帰って、来てくれたんだね……」
ほむら「……貴女のおかげよ、まどか」
魔女『マアアアアアアドオオオカアアアアアア』
ほむら「あっちの私はお怒りみたいね……」
ほむら「少し飛ばすわ、しっかり掴まってて!」
まどか「うんっ……!」
275:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:13:55.93 ID:kKp4z1SH0
~ビルの屋上らしき場所~
ほむら「……これで応急処置は済んだわ」
まどか「ありがとう、ほむらちゃん……やっぱり魔法って凄いんだね」
ほむら「私はあまり得意ではないのだけれどね」
まどか「そうなんだ……と、ところで、ほむらちゃん?」
ほむら「何かしら?」
まどか「その、ほむらちゃん、ほとんど裸だよ……?」
ほむら「ええ、そうね」髪バサァ
276:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:14:53.49 ID:kKp4z1SH0
まどか「そうね、って、恥ずかしくないのっ?」
ほむら「貴女以外に見ている人間もいないし、構わないわ」
まどか「で、でも私のほうが目のやり場に困るって言うか……」
ほむら「……服を再生するのも魔力を消費するのよ。少しでも節約したいからこのままで良いわ」
まどか「そ、そうなの? あ……もしかして、私の怪我を治したせいで魔力が……?」
ほむら「……そういうわけではないわ。気にしないで」
277:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:17:17.81 ID:qgp1OnoQ0
ほむほむマジ(変態)淑女
278:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:17:28.78 ID:kKp4z1SH0
まどか「……ごめんね、ほむらちゃん」
ほむら「……どうしたの、改まって」
まどか「だって! 私、ほむらちゃんのこと信じられないとか、最低だとか、キモオタだとか、酷いこと言って……」
まどか「私、ほむらちゃんに嫌われて当然なのに、今もまた足を引っ張って……!」
ほむら「そんなことないわ! 私のほうこそ、貴女を傷付けてしまった……謝るのは私のほうよ」
まどか「でもっ」
ほむら「何も気に病む必要はないわ、まどか。だから……」
魔女『マアアアアdooooookaaaaaaモeeeeeeeeeeeeeeeee!』
ほむら「……私がアイツを片付けるのを、貴女は待っていてくれれば良い」
まどか「……ほむらちゃん、まさか一人でアレと戦う気なの!?」
ほむら「……ええ」
279:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:18:24.32 ID:kKp4z1SH0
まどか「駄目だよ、そんなの危ないよ! そうだ、マミさん達も来てるんだよ、一緒に協力したほうが……!」
ほむら「いいえ、アイツと戦えるのは私だけよ」
ほむら「アイツは私と同じ、時間停止能力を持っている……止まった時間の中で戦えない者では歯が立たないのよ」
まどか「そんな……!」
ほむら「…………」
ほむら「……まどか、貴女にこれを預けておくわ」
まどか「え……? (盾の中から……何か取り出した?)」
ほむら「私の漫画……最新話よ」
ほむら「私が歩んできた時間を、私の本当の気持ちを記した第十話。……読んで貰えるかしら?」
280:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:19:11.42 ID:kKp4z1SH0
まどか「……うん。でも……」
ほむら「アイツを倒して、私が帰ってきたら……感想を聞かせて頂戴?」
まどか「……本当に、帰ってきてくれるの?」
ほむら「勿論よ」
まどか「…………」
まどか「……うん、わかった。漫画……読ませてもらうね」
ほむら「……ありがとう、まどか」
まどか「絶対、絶対帰ってきてね。いっぱい、いっぱい感想を聞かせてあげるから」
ほむら「ええ、必ず。それじゃあ……行ってくるわね」
まどか「うん……いってらっしゃい」
まどか「ほむらちゃん……頑張って……!」
281:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:20:09.02 ID:kKp4z1SH0
――――――――――
『あれ、ほむらちゃん! 帰ってきてくれたんだね!』
ほむら「……両目が潰れてるくせに分かるのね?」
『見えないけど分かるよ、だってほむらちゃんのこと大好きだもん!』
ほむら「魔女に好かれたって嬉しくないわ」
『酷いなあ……確かに私は魔女だけど、ほむらちゃんの一部なのに!』
『私がほむらちゃんのことを大好きなのも、ほむらちゃんがそう妄想したからなんだよ?』
『ほむらちゃんの妄想に従い、無条件でほむらちゃんを愛する、都合の良いまどか【わたし】……とっても魅力的でしょ?』
282:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:21:14.87 ID:kKp4z1SH0
ほむら「私に従う? その割には、さっきは中々言うことを聞かなかったじゃない」
『それは私のせいじゃないよぉ。ほむらちゃんがそう妄想しちゃったから、そうなっただけだもん』
ほむら「魔女が私の言うことを聞かず、まどかを害する、と……そう私が妄想したから?」
『そう、そういうこと! でもそれだけじゃあないよ?』
『「思い通りにならないまどかなんてメチャクチャにしちゃえ」って考えがあったから、私はその通りに動いたんだよ』
ほむら「私はっ! そんなこと考えてなんか……」
283:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:22:19.31 ID:kKp4z1SH0
『恥じなくて良いんだよ! 仕方ないよ、まどかが悪いんだもん!』
『せっかくほむらちゃんが助けてあげようとしてるのに、耳も貸さないで自滅する馬鹿な女の子、鹿目まどか!』
『……でもね、私は違うよ。思い通りにならない現実のまどかとは違うんだよ!』
『ずっと愛してあげる! 何をされたって愛してあげる!』
『アソコにナニをぶち込んだって良いし、どんなアブノーマルなプレイだって出来るよ!!』
『何だってほむらちゃんの思い通りになるの! それが私!』
284:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:23:59.04 ID:kKp4z1SH0
ほむら「…………」
ほむら「そう……それが貴女という存在、つまり『萌え』なのね?」
『うん!』
ほむら「何でも思う通りなる? ふふ……素晴らしいわね」
ほむら「――――なら、天国まで付き合って貰うわよ……妄想の魔女っ!!」
285:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:24:44.41 ID:kKp4z1SH0
…………………………
…………………
…………。
まどか(ねえ、ほむらちゃん。魔女は強かった? 怪我とかしてない?)
まどか(ほむらちゃんは止まった時間の中で戦っていたから……)
まどか(私達には、ほむらちゃんの戦いを見ることもできなかったんだ)
まどか(分かるのは、ほむらちゃんが魔女に勝った、っていう結果だけ)
286:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:26:13.63 ID:kKp4z1SH0
まどか(気が付けば魔女は消えていて、辺りも元通りになってたんだもん、ビックリしちゃった)
まどか(あとね、街の人達は結界に飲み込まれてた間の記憶がないらしいんだ)
まどか(大騒ぎになるんじゃないかと思ったけど、平和そのものだったよ)
まどか(……ほむらちゃんがこの街を守ったことも、誰も知らないんだ)
まどか(私とか、マミさん達しか知らないの)
まどか(ほむらちゃんはそんなこと気にしないかもしれないけど……私はちょっと寂しいな)
287:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:27:48.44 ID:kKp4z1SH0
まどか(キュゥべえは、私とは会ってくれなくなっちゃった)
まどか(魔法少女を騙して、魔女にしてきたことを後悔して……自分を責めてるみたいだった)
『僕みたいな悪魔に優しくしてくれてありがとう。さよなら、まどか』
まどか(それが私の聞いたキュゥべえの最後の言葉)
まどか(マミさんや杏子ちゃんとは時々会ってるみたいだけど……私とは絶対会わないつもりなんだって)
まどか(せっかくお友達になれたと思ったのにな……)
288:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:28:46.03 ID:kKp4z1SH0
まどか(そうそう、マミさんと杏子ちゃんは一緒に魔女退治を続けているんだよ)
まどか(最近、二人で身寄りのない女の子の面倒を見てあげてるらしくて、一緒にお買い物してるところも見かけたよ)
まどか(まるで家族みたいに手を繋いでて、何だかあったかい感じがしたなあ……)
まどか(それを見たさやかちゃんが『いやー、お似合いの夫婦ですなあ』なんて言っちゃって……)
まどか(顔を真っ赤にした杏子ちゃんに怒られちゃったんだ。うふふ)
まどか(……皆、とっても仲良くやってるよ)
289:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:29:46.26 ID:kKp4z1SH0
まどか(ほむらちゃんが貸してくれた漫画も読み終わっちゃったよ)
まどか(同じ時間を繰り返して、大切な友達を救おうと頑張った女の子のお話……)
まどか(帰ってきたら私の感想を聞いてくれるよね?)
まどか(それに、早く続きも読みたいな)
まどか(この物語の結末は、ちゃんとハッピーエンドになるんだよね?)
まどか(誰かが救われないまま終わるなんて、そんなことないよね?)
まどか(ねえ、ほむらちゃん……)
まどか(早く、帰ってきてね……)
290:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:31:58.23 ID:kKp4z1SH0
――――約一ヶ月後――――
マミ「いよいよね……」
杏子「ああ。アイツの漫画によれば、今日現れるはずだ」
マミ「Walpurgis nacht……ワルプルギスの夜、か」
杏子「なーに、アタシ達にかかれば余裕さ。ちゃちゃっと片付けて、家に帰ろうぜ」
マミ「そうね。あの子も待っているもの」
杏子「ふふ、マミが『あの子』なんて言うとお母さんみたいだな」
マミ「あら、私がお母さんなら貴女はお父さんかしら?」
杏子「ばッ、馬鹿なこと言うなよ!」
マミ「うふふ……」
291:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:32:41.98 ID:kKp4z1SH0
杏子「……風が、怪しくなってきたな」
マミ「さて……鬼が出るか蛇が出るか? ってところね」
杏子「この辺の住民は避難したらしいな」
マミ「ええ……避難所に被害が出ないように頑張りましょう、お父さん」
杏子「まだ続けるのかよそのネタ……」
マミ「だって佐倉さんの反応が楽しいんですもの」
杏子「やれやれ……」
二人『――――――っ!!』
杏子「この感じ……」
マミ「来る……!」
292:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:33:35.62 ID:kKp4z1SH0
~避難所~
まどか「……二人とも、大丈夫かな……」
タツヤ「まどかー」
まどか「あ、たっくん。ごめんね、ただの独り言だから……」
タツヤ「しんぱいー?」
まどか「……やっぱり分かっちゃう?」
タツヤ「わかるー」
まどか「えへへ……たっくんには隠し事出来ないね」
293:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:34:33.84 ID:kKp4z1SH0
まどか「私に、出来ることはないのかな……」
タツヤ「あるよー」
まどか「そうかな……でも、単なる中学生に出来ることなんて……」
タツヤ「信じろ」
まどか「え?」
タツヤ「お前のダチを信じてやれ。何が起ころうとな」
まどか「たっくん……」
まどか「うん、私信じるよ。マミさんを、杏子ちゃんを……」
まどか「そして……ほむらちゃんを……」
294:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:35:23.11 ID:YDMdxWASo
お前、カミナだろ!wwwwww
296:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:35:57.36 ID:IPJ2V3v+o
タ……タッさん
295:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:35:44.98 ID:kKp4z1SH0
夜「アハハハハハハ!」イーツーカキミガー
杏子「クソッ、全然攻撃が効かねーじゃねーか!」
マミ「まさか……ここまで強力だったなんて……!」
夜「アハハハハハハ!」ヒトミニトモス
杏子「また使い魔が来るぞ!」
マミ「迎撃するわっ!」
夜「アハハハハハハ!」アイノヒカリガ
杏子「うぉぉぉぉ!」
マミ「はあああああっ!」
夜「アハハハハハハ」エート ナンダッケ
298:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:36:39.71 ID:kKp4z1SH0
杏子「ぐはっ……」
マミ「佐倉さんっ!」
杏子「畜生……こんな、とこで、負けるわけには……」
マミ「しっかりして! 傷は浅いわ!」
杏子「へへ、心配すんなって、ちゃんと……帰るって、言ったろ……」
マミ(意識が混濁している……危険な状態だわ……)
マミ「いったいどうすれば…………」
『――――私に任せて、巴マミ』
マミ「…………え?」
299:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:38:58.41 ID:kKp4z1SH0
まどか「…………あ」
タツヤ「どしたのー?」
まどか「ほむら、ちゃん……?」
パパ「ん? まどか、どこへ行くんだい?」
タツヤ「だい?」
まどか「す、すぐ戻るから! 心配しないで!」
パパ「ええっ? ちょっ、待ちなさい!」
タツヤ「……行かせてやれよ。女にだって退けない時があるもんさ」
パパ「貴方誰なんですか!? 娘とどういう関係なんだ!?」
300:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:40:09.00 ID:kKp4z1SH0
避難所から飛び出した少女は、二つの巨大な影を見た。
一つは、ワルプルギスの夜と呼ばれる魔女。
逆さまの姿勢で空を征く舞台装置の魔女。
もう一つは、天を衝くほどの巨人。
まどか「……ほむら、ちゃん……?」
かつて暁美ほむらが倒したはずの、妄想の魔女であった。
301:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:41:19.94 ID:kKp4z1SH0
まどか「うそ……何で? アレはほむらちゃんがやっつけたんじゃ……」
まどか「……まさか、ほむらちゃんは、やられちゃったの……?」
まどか「そんなの、そんなのって……!」
『大丈夫よ。安心して、まどか』
まどか「え……? ほむらちゃん? ほむらちゃんなの?!」
『ええ。ごめんなさい、心配掛けたわね』
まどか「いったい何がどうなっているの? ほむらちゃんは、今どこに……」
『話は後にしましょう。今からもう一仕事、片づけなければならないから』
302:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:42:33.09 ID:kKp4z1SH0
マミ「あの巨人は……魔女ではなく、本当に暁美さんなのね」
杏子「あいつ、ようやく戻ってきやがったんだな……まったく、遅ぇんだよ」
『遅れて悪かったわ。今……終わらせるから』
マミ「あ……」
杏子「おう、遅刻した分しっかり働いてけよなー」
『大船に乗った気でいなさい』
マミ「……お願いするわね、暁美さん」
303:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:44:47.69 ID:kKp4z1SH0
巨人が……いや、暁美ほむらがワルプルギスの夜を掴む。
『ワルプルギスの夜……貴女ももう疲れたでしょう?』
舞台装置の魔女は抵抗するが……逃げられない。
構わずほむらは両手に納まった魔女を天に掲げる。
『最期に、素敵な贈り物をあげるわ』
ほむらの背に、翼が現れた。
その体格に見合った長大な翼を羽ばたかせ、ほむらは宙に浮かび上がる。
ワルプルギスの夜がどれだけ抗おうと、その両手を放さず。
空へ、天へ、高く舞い上がるほむら。
『貴女に、星空をプレゼントしてあげる』
304:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:45:57.32 ID:kKp4z1SH0
――――そして、見滝原市を襲った大災害は、消え去った。
305:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:48:15.36 ID:kKp4z1SH0
ほむら「……ただいま」
まどか「おかえりなさい、ほむらちゃん」
まどか「これで……ぜんぶ終わったの?」
ほむら「ええ、これで私の物語は完結よ。……感想をきかせてもらえるかしら、まどか」
まどか「うーん……まあまあ、かな」
ほむら「その言い方から察するに……どこか不満があったのね?」
まどか「うん。だって、これじゃあ戦いが終わっただけでしょう?」
ほむら「?」
まどか「だからさ、続編を書いてよ。私と、ほむらちゃんと、皆で仲良く過ごすような……」
まどか「そんな幸せな物語を……ね?」
306:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:51:09.88 ID:kKp4z1SH0
完結です。
今までレスをくださった皆さん、どうもありがとうございました。
なんでこんなシリアスもどきになったのか訳が分からないよwwwwww
308:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県):2011/05/25(水) 22:52:53.28 ID:ThonsVhEo
乙です
魔女化した瞬間詰みと思ってたけど、逆転できてよかった
310:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府):2011/05/25(水) 22:54:01.97 ID:lySLdye+o
妄想は世界を救うのか…
312:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 22:55:02.43 ID:IPJ2V3v+o
劇団乙カレー
この世界もやっぱり安定の美樹さやかちゃんなのかしら
318:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/26(木) 00:05:34.61 ID:9fESb2280
>>312
さやかは漫画の影響で上条君に告白する勇気を得て
どうのこうのする予定はあったんですけど……因果律の糸に阻まれて消滅しました。
317:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/25(水) 23:33:03.39 ID:YDMdxWASo
おつかれさまでした!
是非番外編でマミさんとQBとのプレイを!
325:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/26(木) 19:25:43.07 ID:9fESb2280
QB「朝起きたら股間から変なモノが生えてた……」
QB「何なんだろコレ、気持ち悪いよぉ……」
QB「うう、キノコみたいな形してるけど……」
QB「さ、触っても平気なのかなあ?」
ツンッ!
QB「ひゃう!?」ビクン!
QB「な、なに今の……身体に電気が走ったみたいだった……?」
326:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/26(木) 19:26:43.52 ID:9fESb2280
QB「も、もう一度、触ってみようかな……」
ツンツン!
QB「ひゃっ! あうう!?」
QB「うう、何なのコレ……触ってると、何だか……頭がモヤモヤしてくるよ……」
ムクムク……
QB「あ……どんどん腫れ上がってくる……!?」
327:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/26(木) 19:27:46.28 ID:9fESb2280
QB「……まさか変な病気なのかな? ど、どうすればいいんだろう?」
QB「もしこのまま悪化して命に関わるようなことになったら……!」
QB「うわーん、そんなの嫌だ! ボクはまだ死にたくないよぉ!」
QB「でも医者に行くお金なんて持ってないし……」
QB「誰か……誰かに助けてもらわないと……」
QB「……そうだ! マミのところへ行こう!」
QB「マミは治療魔法も得意だし、きっと助けてくれるよ!」
QB「……助けてくれるよね?」
QB「助けてよぉ……」グスッ
328:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/26(木) 19:28:49.12 ID:9fESb2280
~マミさんち~
QB「やあ、マミ。今日は君にお願いがあるんだ」
マミ「お願い? 良いわよ、話してみて?」
QB「……僕の身体に異常が現れたんだ。キミたち人間に例えると『病気』というやつだね」
マミ「まあ……それなら獣医さんにでも診てもらいましょうか?」
QB「それは無理だよ。僕は魔法少女にしか見ることが出来ないしね」
マミ「ああ……そうだったわね。でもそうなると……」
QB「でもマミ、君の力なら治療が可能かもしれない。試してみてくれないかい?」
マミ「うーん。私はあんまり病気に詳しいわけでもないし……」
QB「そんなことを言わずに頼むよ」
マミ「治してあげたいのは山々だけど……難しい病気となると、下手をすれば逆効果になってしまうかもしれないし……」
QB「………………ぐすっ」
329:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/26(木) 19:30:03.20 ID:9fESb2280
マミ「?」
QB「うう……やっぱりダメなのかな……ボクはこのまま病気で死んじゃうのかな……」
マミ(な、泣いてる……!?)
QB「……グスッ……お医者さんになんて行けなくて……マミにも治せないなら……ヒグッ……ボクはもう……」
マミ「わ……分かったわ! 上手くいくかは分からないけど力になってあげるから、泣かないで、ね?」
QB「マミ……! ありがとう……」
QB「で、でもボク、な、泣いてなんかっ……グスッ……ないんだからね!」
330:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/26(木) 19:31:12.23 ID:9fESb2280
マミ「……それで、どこが悪いの?」
QB「ああ、それは……股のところなんだけど」
マミ「股?」
QB「そうなんだ。変なモノが出来ちゃったんだ」
マミ「そう。じゃあ見せてもらえるかしら?」
QB「うん。ちょっぴりグロテスクだけど……驚かないでね?」
QB「コレなんだけどさ……」
M字開脚っ!
マミ「……きゃっ!?」
331:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/26(木) 19:32:34.32 ID:9fESb2280
マミ(な、何よコレ……浅黒くて、太くて、長くて、ビクビクしてる!)
マミ(コレって、どう見ても……お、おちん……)
マミ(まさかキュゥべえったら私にセクハラを……? いえ、違うわよね、キュゥべえがそんな……)
QB「ねえ、どうかな? どう思う……?」
マミ「すごく……大きいです……」
QB「は?」
マミ「い、いえ。なんでもないわ」
332:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/26(木) 19:35:22.00 ID:9fESb2280
マミ「と、ところでコレは感覚があるのかしら? 触ると痛みとかは?」
QB「そ、それがさ、スッゴい敏感で……少し触っただけでも腰が抜けそうになっちゃうんだ……」
マミ「そ、そうなの……?」
ツンっ
QB「あひゃあっ!?」
マミ「きゃっ!?」
QB「きゅ、急に触んないでよっ、敏感なんだからあ……!」
マミ「ご、ごめんなさい……」
マミ(触った瞬間、ビクンッて跳ねたわ……まるで別の生き物みたいに)
マミ(あ……それに凄い勢いで大きくなってる……!)
マミ(やっぱりこれって……)
QB「あ……どんどん大きくなってるよぉ……怖いよぅ……!」
マミ「だ、大丈夫よ! 安心しなさい」
333:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/26(木) 19:36:26.07 ID:9fESb2280
QB「……コレが何なのか分かるの? どうすれば治る?」
マミ「コレは……その、たぶん、おちん……」
ほむほむ「それはインキュベーター族特有の病よ」
QB「っ!?」
マミ「貴女は……暁美さん!? いつの間に……!」
ほむほむ「二人とも、お困りのようね」
QB「ねえほむら! コレが何だか知ってるんだね!?」
ブランブラン
マミ「ちょ、ちょっと……振り回すのは止めてくれないかしら?」
QB「え? あ、ごめんね?」
334:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/26(木) 19:37:53.29 ID:9fESb2280
ほむほむ「今言った通り、それはキュゥべえだけがかかる病気のようなものなの」
ほむほむ「QB。貴方は最近グリーフシードを沢山食べたわね?」
QB「そういえばそうだね。ここのところマミが大活躍してくれたから……」
ほむほむ「それが原因よ」
ほむほむ「キュゥべえの身体に溜まった汚れが肉体に影響を与えてしまったの」
マミ「その結果がコレだというの?」
ほむほむ「ええ。体内で消化しきれなかった汚れが、瘤を作り出してしまったんだわ」
QB「こ、瘤? コレって瘤なんだ……」ブランブラン
マミ(おち○ちんとか言わなくて良かった……)
ほむほむ『そう、瘤よ。おちん○んなんかじゃないわよ……巴マミ』テレパシー
マミ「ぐっ!?」
335:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/26(木) 19:38:54.02 ID:9fESb2280
QB「こいつの正体は分かったよ。それで? 治す方法は?」
マミ「……消化しきれなかった汚れが原因なら、消化を待てばいいんじゃないかしら?」
QB「そっか、確かにそうだね!!」ブランブラン!
ほむほむ「いえ、残念ながらそう簡単にはいかないわ」
ほむほむ「肉体の一部になってしまった汚れを解放するには、特別な方法が必要になるの」
マミ「特別な方法?」
QB「何それ、早く教えてよ!!」
ほむほむ「うん。めんどくせーから理由は省略するけど……」
ほむほむ「巴マミがQBのそそり立つ肉棒をシゴいたりしゃぶったりすれば治るわよ」
336:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/26(木) 19:39:55.28 ID:9fESb2280
マミ「しゃぶっ……!? コレを、私が!?」
QB「ま、待ってよ! ただでさえ敏感なのにそんなことされたら……」
ほむほむ「気持ち良すぎて頭が真っ白になるだろうけど大丈夫。医療行為だから何も問題ないわよ」
マミ「し、信用できないわ。貴方の言い分が本当とは限らないもの」
QB「そうだ! だ、騙そうとしてるかもしれないもん!」
ほむほむ「私は嘘をつかないわ」
ほむほむ「あ、最終的にQBの凶暴な肉器官から謎の白い液体が出るけど魔力だから何の問題もないわよ」
ほむほむ「むしろ少量なら健康に良いわ」
ほむほむ「さあ早く治療を始めなさい! 私は治療記録を撮影するから!」ジーッ
QB「で、でも……心の準備が……」
マミ「いきなり、そんなこと出来ないわ……」
ほむほむ「うっせーな、いいから早くチュパチュパ始めなさい! 私は説明シーンが大嫌いなのよ!!」
337:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/26(木) 19:40:52.13 ID:9fESb2280
QB「う、ぐあああっ!?」ビクンビクン
マミ「!? どうしたのキュゥべえ!」
ほむほむ「やれやれ、早く治療しないからよ。限界を超えそうな汚れが暴走を始めたんだわ」
QB「そ、そんな……なにソレっ……!」
ほむほむ「さあ急ぐのよ巴マミ。このままではQBが手遅れになってしまうわ」
マミ「………………分かったわ」
QB「っ!? マミっ……! キミはまさか……」
マミ「安心しなさい、キュゥべえ。私が貴方の病気を治してあげるから」
338:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/26(木) 19:41:44.02 ID:9fESb2280
QB「ほ、本気なのかい!? こんな気持ち悪いモノを舐めたりするなんて……!」
マミ「……平気よ。暁美さんの言うとおり医療行為だと思えばなんてことないわ」
QB「ううううう……ごめんね、マミ……じゃあ頼むよ……」
マミ「ええ、任せなさい。……あまり自信はないけれど」
QB「え?」
マミ「私……こういうの初めてだから……痛くしてしまったら御免なさいね」
ツゥ……
QB「あひぃ!?」
QB(これっ、ダメ、あっ……! マミの指、ひんやりしてて気持ちいいっ……!)
339:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/26(木) 19:43:40.87 ID:9fESb2280
マミ「と、いう漫画を描いてみたのだけれどどうかしら」
杏子「う、うわあ……やっぱり、マミの趣味は良く分かんねえよ」
杏子「まあ、これでマミのソウルジェムが浄化されるなら別に良いけどよ……」
QB「やあ、二人とも。何を読んでるんだい?」
杏子「あ」
QB「……ああーっ!? またエッチな漫画を描いたんだね?!」
マミ「こ、これは違うのよ! 医療漫画よ!」
QB「もうっ! マミってば、こんな漫画描かなくたって……」
マミ「え?」
QB「……ボクが何でもしてあげるのに……」
マミ「キュゥべえ……!! 大好きっ!!」ギュウ!
QB「あっ! だ、ダメだよマミっ、杏子が見てるよぉ……!」
杏子(なんだろ……マミがキュゥべえとイチャついてるのを見ると……何だか胸が……)ドキドキ
おしまい。
340:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府):2011/05/26(木) 19:57:23.39 ID:AhE3DmQ0o
Qマミは素晴らしいなッ!乙!
341:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/26(木) 20:18:36.01 ID:UQzssPGVo
乙!
あんこちゃんNTR属性持ってるの?
342:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/05/26(木) 20:54:56.92 ID:Ubhs0jKKo
乙
QBのそちんじゃ駄目だおれが代わる
346:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県):2011/05/27(金) 23:01:04.36 ID:22Q/uUmO0
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