絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」

2011-04-28 (木) 18:12  禁書目録SS   9コメント  
1 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 06:12:05.17 ID:R4l9SP6o

 ・"とある魔術の禁書目録"の二次創作SSです
 ・たぶん全年齢向け
 ・キャラ崩壊および独自設定、独自解釈を含みます
 ・ラブロマンス、バトル、シリアスの要素は薄め(予定)です
 ・要はダラダラした日常をダラダラと書きます


それでは、始めさせていただきます



2 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 06:13:02.83 ID:R4l9SP6o



  第三次世界大戦集結から数ヶ月

  戦争で傷ついた人々も、徐々にではあるがその傷を癒していった

  季節は移ろい、ここ学園都市ではもうすぐ桜の咲く季節

  柔らかな日差しが降り注ぐ空港、一人の少女が何かを待ち焦がれていた



3 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 06:13:51.51 ID:R4l9SP6o

~第23学区~

絹旗「むう……遅いですね。そろそろ時間の筈なのですが」

絹旗「目をつけてた映画を投げてまで駆けつけたというのに……まったく」ブツブツ

 :
 :
 :

絹旗「超おかしいです。いくらなんでも遅すぎでは」

絹旗「まさか私が時間を間違えた? いや、何かに巻き込まれたとか……」


 コツコツコツ...
 トテトテトテ...


??「あれ? そこのちっさい人影はもしや」

??「きぬはた?」


絹旗「Σ」クルッ



4 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 06:14:54.41 ID:R4l9SP6o

滝壺「やっぱりきぬはただ」

絹旗「滝壺さん!…………ついでに浜面」

浜面「ついで!? 俺ついでなの?! これでも命張ったんだよ?!」

絹旗「うっさいです! この私に待ちぼうけさせるとは、超偉くなりやがりましたね!」

浜面「しょうがねえじゃん! 飛行機の運航スケジュールなんてこんなもんだろ?!」

絹旗「責任転嫁とは超見苦しいですね。
    これから滝壺さんとの再会の感動に浸りたいので超黙っててください」

浜面「お前俺の扱い相変わらずなんだな?! 泣いてやるゥ!」

絹旗「泣いて気が済むなら超泣いててください。私の視界の外で」

浜面「ヴォォォォォ!」



5 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 06:15:57.66 ID:R4l9SP6o

<ヴオォォォォォ


絹旗「滝壺さんも元気そうで何よりです。最後に見たときは弱りきってましたし」

滝壺「ごめんね、心配かけちゃって。後遺症は少しあるけど、普通に生活する分には問題ないから」

絹旗「それを聞いて超安心です。これからは滝壺さんも普通の生活が出来ますね」

滝壺「うん、きぬはたも。それにしても、きぬはた」

絹旗「?」


ポスン


滝壺「ちょっと見ない間に背伸びたね」ナデナデ

絹旗「超! 成長期ですから!」フンス

滝壺「それに……」

絹旗「?」

滝壺「薄くだけど、化粧してるね。髪も伸びたし、大人っぽくみえるよ」

浜面「なぁにいぃぃぃぃ? 化粧だとぉ?! お父さん許しまへんでぇ!」



6 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 06:16:45.11 ID:R4l9SP6o

絹旗「ばっ……/// 超うっさいです! 超ウザいです! 超浜面は黙っててください!」

浜面「まったく、お前もしばらく見ねえ内に女らしくなったな。お父さんそっちの方が良いと思うぜ」

絹旗「はーーーまづらぁぁぁぁ!!」ウガー

浜面「ヒッ…!」ビクッ



浜面「……あれ?」

絹旗「//////」プシュー

浜面「え?! なにその反応?! そこはちっそパーンチとかブレーンバスターとかする場面だろ?!」

絹旗「むぅ……///」

浜面「ほら、こいよ! 自慢じゃないが、打たれ強さなら自信あるんだぜ?!」

絹旗「こんの超朴念仁!」メメタァ

浜面「ボルシチッ?!」


<ドゴォォォォォォォン



7 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 06:17:58.99 ID:R4l9SP6o

絹旗「はぁはぁ……このままじゃ滝壺さんが超苦労します! 浜面は乙女心を超学んできなさい!」

滝壺「大丈夫だよ、きぬはた。そんなはまづらも私は応援してる」

絹旗「滝壺さんは超優しすぎです!」

滝壺「そんなこと……あれ? はまづら?」

絹機「? あっ、あれは警備員?」




浜面「あたたたた……相変わらず容赦しねえのな、あいつ」

???「よーぅ、浜面。元気そうで安心したじゃん?」

浜面「あ?……げぇっ、巨乳警備員!?」

黄泉川「ロシアでは大活躍だったらしいじゃん? いやー、男をあげたじゃん♪」

浜面「な、なんだよ、何しにきたんだよ、アンタ」

黄泉川「……決まってるじゃん?」ニヤリ



8 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 06:19:04.84 ID:R4l9SP6o

絹旗「超待ってください! いくら警備員でもキモイだけで連行するなんて超無体です!」

滝壺「はまづらはまだ何もしてません」

浜面「キモイだけで?! まだ何も?! アンタ達相変わらず辛口だね!」

黄泉川「お? そっちのは確かあの時の……元気になったみたいでなによりじゃん」

滝壺「その節はお世話になりました。あの、はまづらが何かしたんですか?」

黄泉川「まー、あえていうなら貯金じゃん? 日本にいた時に重ねたショッボイ軽犯罪の」

絹旗「……浜面」ジトー

浜面「うっ、何も言い返せねえ」

黄泉川「そんなワケだから、ちょっとお勤めに出てもらうじゃん♪……おい、連れていけ」

警備員達「イエス、マム!」

浜面「滝壺、すまねぇ! こんなことになっちまって!」

滝壺「はまづら、私待ってるから。10年でも20年でも待ってるから」



9 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 06:20:02.97 ID:R4l9SP6o

黄泉川「あー、お前の態度次第では半年ぐらいで一回出てこれるじゃん」

浜面「何?! ホントだな?!」

黄泉川「昔と違って可愛い彼女がいるんだし、今度は本気で頑張ってみるじゃん?」

浜面「よぉぉし、やってやらぁ!」

絹旗「警備員さん、これ以上滝壺さんを困らせないように、超ビシビシやっちゃってください」

黄泉川「そういうことならお任せじゃん」

警備員「さ、歩いた歩いた」ゲシゲシ

浜面「ちょ、痛ぇっての! もっと優しくしてくれよ!」

黄泉川「じゃ、こいつはちょっとお預かりするじゃーん」ノシ



絹旗「……行っちゃいましたね」

滝壺「……」



10 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 06:20:53.88 ID:R4l9SP6o

絹旗「これからどうしましょう」

滝壺「これ」チャリ

絹旗「? 鍵ですか?」

滝壺「むぎのが個人的に使ってた家の鍵。むぎのはロシアで暮らすから使っていいって」

絹旗「なんと、麦野が? 超気前のいいことですね」

滝壺「アイテム時代の隠れ家だと何が起こるか分からないから、って言ってたよ。
    だから、もし住むところが見つからなかったら使えって」

絹旗「確かにその通りですね……では、超お世話になりましょう」

滝壺「第7学区にあるから、行ってみよう」



11 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 06:22:11.43 ID:R4l9SP6o

~第7学区 某所~


滝壺「ここだね」

絹旗「なんですか、これ……映画のセットですか?」

滝壺「違うと思うよ?」

絹旗「ツタに覆われた洋館……魔女でも住んでるんですかね?」

滝壺「とりあえず入ろうよ」ガチャガチャ


ガチリ

ギィィィィィ


滝壺「おじゃまします」

絹旗「ち、超おじゃま、します……」



12 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 06:22:53.99 ID:R4l9SP6o

滝壺「きぬはた?」

絹旗「違います! 超誤解です!
    ホラー映画チックなドアの開閉音に超ビビったとかじゃないですから!」

滝壺「そうか、きぬはたは怖いんだね」

絹旗「い、いえ、ですから……!」

滝壺「大丈夫だよ。そんなきぬはたも、私は応援してる」ナデナデ

絹旗「っ///」

 :
 :
 :

絹旗「よ、よしっ。それじゃ超探検してみましょう!」

滝壺「おー」



13 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 06:23:54.14 ID:R4l9SP6o

~1階~

絹旗「超立派なキッチンですね。むしろ超厨房というべきでしょうか」

滝壺「レストランみたいだね」

絹旗「あまり使った形跡はないようですが」



絹旗「おおお! 風呂が超広いです!」

滝壺「きぬはたが好きな健康ランドみたい」

絹旗「いえ、さすがに超健康ランドには負けるかと」



絹旗「これは……食堂ですか?」

滝壺「(ツー)むっ、こんなにホコリが」

絹旗「麦野は使ってなかったのでしょう。ここで一人メシは超寂しいですから」



14 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 06:24:48.83 ID:R4l9SP6o

~2階~

滝壺「ドアがいっぱい」

絹旗「全部同じデザインの部屋でしたね。客用でしょうか」



絹旗「卓球台にビリヤード台に……」

滝壺「おお、きぬはた、ピアノがあるよ」

絹旗「遊戯室って言うんですか? アイテムが使ってた会員制サロンにもありましたね」



15 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 06:25:52.93 ID:R4l9SP6o

~所戻って1階~


絹旗「だいたい見終わりましたね」

滝壺「……」ウーン

絹旗(電波受信中でしょうか?)

滝壺(なんだろう、この違和感)

絹旗「滝壺さん?」

滝壺「……あっ、きぬはた。どうしたの?」

絹旗「時間も時間ですし、とりあえず超晩ご飯にしませんか?」

滝壺「うん、そうだね。私つくる」

絹旗「私食べる」

滝壺「手伝わなかったら、ご飯は冷蔵庫にあった消費期限切れの鮭弁だよ」

絹旗「さて、何からしましょうか? 超なんなりとお申し付けください」キリッ



16 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 06:26:47.76 ID:R4l9SP6o

絹旗「ほえにひても、ほほはふたひでふむには超おおひいでひゅね」モギュモギュ

滝壺「こら。行儀悪い」

絹旗「ゴクン 超失礼しました」

滝壺「もう一回」

絹旗「それにしても、ここは二人で住むには超大きいですね」

滝壺「そうだね……」ポク

絹旗「?」

滝壺「……」ポク

絹旗「……」

滝壺「…………」ポク

絹旗「」モギュモギュ

滝壺「!」チーン



17 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 06:27:42.79 ID:R4l9SP6o

滝壺「きぬはた、空き部屋がたくさんあるから、困ってる人に貸そう」

絹旗「はい? 確かに、2階には同じようなデザインの部屋がいくつもありましたが……」

滝壺「うん、それを使うの」

絹旗「でも、個室以外のスペースは超共有することになりますよ」

滝壺「なんか、そういう生活も楽しそうだな、って」

絹旗「むむ、確かに……アイテム時代のノリを思い出しますね」

滝壺「だからね、こういう感じで募集するといいと思う」カキカキ



18 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 06:28:33.09 ID:R4l9SP6o

┌────────────────────┐
│☆きぬはた荘☆                    .│
│                            ....│
│入居者超募集中!                  │
│風呂/トイレ/キッチン/リビング/玄関 共同   ..│
│家賃 4800円/月                    .│
│身分経歴一切超不問                │
└────────────────────┘




19 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 06:29:44.48 ID:R4l9SP6o

絹旗「きぬはた荘、ですか?」

滝壺「うん」

絹旗「あの……なぜ私なんですか」

滝壺「きぬはたの方が私よりしっかりしてるから、管理人さん」

絹旗「……は、はぁ」

滝壺「ね、面白そうだし。やろうよ」キラキラ

絹旗(滝壺さんがたまに見せるこの超行動力はいったい……)

滝壺「きぬはた?」

絹旗「ま、まあ、人が住んでたほうが家は傷みませんし、
    空き部屋として超ほっとくよりはいいかもしれませんね」

滝壺「決まりだね」

絹旗「滝壺さんも共同管理人ということで超お願いします。流石に私一人は超不安ですので」



20 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 06:30:55.87 ID:R4l9SP6o

滝壺「じゃあ、この紙は明日にでも何枚か近所に貼ってくるよ」

絹旗(今気付いたけど、身分経歴超不問ですか?! 何が出てくるやら……)

滝壺「♪」



 ――こうして軽いノリではじまった「きぬはた荘」
    だが、このときの彼女たちは知る由もない
    集まる入居者たちが一癖も二癖もある上に、ある"共通点"を抱えていることを



21 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 06:32:03.12 ID:R4l9SP6o
今回はここまでです
次回以降、何回かに分けて住人が増えます
次回投下は本日21時の予定です

それでは、これにて


25 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 08:30:28.16 ID:T7.5fIM0
超期待してます


24 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 08:13:21.28 ID:w3JKMEAO
ひだまり荘のオマージュ?


27 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 09:34:00.45 ID:iGH9QUSO
共通点ってのは暗部だったり魔術サイドに関わってたりとかかな?

いずれにしろ超支援



31 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 13:26:12.82 ID:nYHdhAAO
浜面…頑張れっ(≧ω≦)b
っていうか え?マジで!?半年もっ!?
出番がしばらくまったくねぇな(汗)

もしかして >>1 は浜面が嫌いなのか?



32 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 13:28:00.24 ID:6UTTeJco
滝壺NTRの為の布石じゃね?ww


43 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:00:37.46 ID:R4l9SP6o
おばんです、帰宅したら予想以上に反響があって少しビビリ気味の>>1です
投下の前に、頂いたご質問に返答させて頂きたく

>>24
いえ、>>1の妄想劇場です

>>27
魔術サイドの出番は今のところの予定では1名のみなのです

>>31
むしろ好きです。なのですが、"共通点"から外れるのでさっさと退場願いました
が、今後も出番はあります


それと、今回投下分で"共通点"についてはお気付き頂けるかもしれません
何名かの方のご期待に沿えなくなってしまいますので、その点については予めお詫びさせて頂きます

それでは、始めさせて頂きます
今回は二人のお嬢様のちょっとした物語です



45 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:02:36.02 ID:R4l9SP6o

~第7学区 某所~


白井「はあ……どうしてこうなったですの」トボトボ

婚后「そもそもの原因は、貴女にあるのではなくて?」

白井「わたくしは風紀委員としての勤めを全うしたまでですの!」ムキー

婚后「分からなくもないですが……」



 ――前日深夜 常盤台学生寮208号室


白井「迷子を保護したのはいいですが……困りましたわね。
    この時間では風紀委員支部も閉まってますし……」

打ち止め「Zzzzzz...」スピー

白井「……全く、こんな可愛らしい子をこんな真夜中に放り出すなんて。
   保護者が見つかったらとっちめてやりますの」

打ち止め「だめだよぉ…………-た……」スピー

白井「……よくよく見たら、この寝顔、お姉様に瓜二つですの。
    ……ちょっとだけ、ちょっとだけですの。ウヒヒヒヒ」



46 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:03:45.90 ID:R4l9SP6o

<ガガーーーン


白井「? 今のは?」


ガシャーーーーン


??「打ち止めァァァァァァァァ!」

白井「な、なんですの、貴方は?!」

??「……てめェかァ、うちのクソガキ誑かしやがったのはァ!」

白井「誑かすとは心外ですの! わたくしは風紀委員として迷子を保護しただけですの!」

??「迷子だァ?」ギロリ

白井「うちの、ということは貴方が保護者ですのね? こんな小さい子を
    真夜中に放り出すなんて、何を考えてますの!」

??「俺がコンビニ行ってる間に勝手に抜け出しやがったンだよォ!」

白井「言い訳なんて見苦しいですの! 挙句、女子寮の壁を破って侵入とは
    殿方失格ですの! 神妙にいたしなさい!」

??「うるせェェェ!」ウガー



47 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:04:55.84 ID:R4l9SP6o

??「俺はあの極寒の地で誓ったンだよ! 護りてェンだ! 失いたくねェンだ!!
    たった一つの幻想を守り抜くためなら、どんな現実とだって向きあってやる!!!」

白井(なんという覇気……これは本当に人間ですの?!)

??「クソガキを誑かす変態にはお仕置きが必要だなァ……」ドドドドドドド

寮監「白井! なんだ今の音h……な、これは何事だ?!」

白井「寮監! お逃げください!」

??「自転パーーーーーンチ!!」


 ドズズ...ン



 ――今に至る


白井「まさか拳一つで寮の一角を吹き飛ばすとは……お陰で、十数人の生徒が
    路頭に迷う羽目になりましたの……」

婚后「その殿方、いったい何者だったのでしょうね」

白井「とんでもない能力者だということは確かですの。あの惨事で、怪我人が出ていないのは奇跡ですの」



48 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:05:52.04 ID:R4l9SP6o

白井「ひとまず、部屋を失った寮生の仮住居は確保して、残りはわたくし達だけですわね」

婚后「まったく、翌日まで待たせるなんて何事ですか。このわたくしを常盤台の婚后光子とs」

白井「後輩を優先してたらそうなりましたの。常盤台の婚后光子サマなら、きっとご自身の
    後輩を優先するだろうと思っての配慮ですの」

婚后「とっ、当然ですわ! この婚后光子、いつでも可愛い後輩を第一に考えておりますのよ!」

白井(ちょろいですの)

婚后「そういえば御坂さんはどうされましたの? 貴女と同室だったのでは?」

白井「……お姉様は……行く宛があるからいい、と……あの類人猿の部屋に……」ブツブツ

婚后「し、白井さん?」

白井「嗚呼! お姉様ァァァ! 黒子は! 黒子はァァァァァァ!」ガンガンガンガンガン

婚后「白井さん! どうか落ち着きなさって! 人様のご住居の壁に頭突きはいけませんわ!」

白井「hjauお姉ahia様saljislw!」ガンガンガンガンガン

婚后「だっ、誰か! 風紀委員! 風紀委員を!」



50 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:06:54.31 ID:R4l9SP6o


 :
 :
 :

婚后「落ち着きまして?」

白井「は……お恥ずかしいところを……穴があったら入れたいですの……」ズーン

婚后「いいえ、わたくしもNGワードを発してしまったようですので……気を付けますわ」

白井「気を取り直して……寮の改修が済むまでの仮住居を探さないといけませんの」

婚后「学舎の園の寮はすでに満室……自力で探すしかないということですわね」ハァ

白井「では、不動産の仲介業者さんのところに参りましょう」



51 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:07:57.62 ID:R4l9SP6o

~monimoni 第7学区駅前店~


業者「こちらの物件などいかがでしょう?」ニコニコ

婚后「わたくし、ユニットバスは苦手ですわ」


 ――15分経過


業者「こちらの物件などいかがでしょう?」

婚后「窓が南向き? 暑くて駄目ですわ」


 ――さらに30分経過


業者「こちらの物件などいかがでしょう?」アセアセ

婚后「キッチンがIH? 論外ですわね」


 ――さらに2時間経過


業者「こちらの物件など……いか、が、でしょ……?」ゼーハー

婚后「インターネット回線がADSL? どこの遺跡ですの?」

白井「あの、ちょっとすみません。もう一度よーく話合ってから出直しますの」

業者「は、左様ですか……お力になれず、申し訳ございません(もう来んなバーカバーカ)」

白井「いえ、親身になって頂いて感謝しておりますの」ペコペコ



52 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:09:00.03 ID:R4l9SP6o

~第7学区 とある公園~


白井「婚后さん! あなた、仮住まいを決めるつもりがおありですの?! わがままばっかりで!」

婚后「わたくしとて譲歩してますわ! エカテリーナちゃんをペットホテルに預けて、
    ペット不可の部屋でも入れるように配慮しましたのよ!」

白井「あぁ、今日の婚后さんに何か足りないと思ったらあの蛇ですの」

婚后「蛇ではなくエカテリーナちゃんです! ああ、エカテリーナちゃん、今頃寂しい思いを……
   それもぜーんぶ不甲斐ない飼い主とそこの風紀委員が悪いのですわ……」

白井「蛇の面倒までみれませんの!」ウガー

婚后「先程から蛇、蛇と……わたくしのエカテリーナちゃんを愚弄するのは許しませんわよ?」キリッ

白井「もう付き合いきれませんの。公園でも橋の下でも、お好きなところでお休みになるといいですわ」

婚后「(ヒクッ)白井さん、貴女……このわたくしを常盤台の婚后光子と知っての狼藉でして?」

白井「わたくしとて風紀委員の端くれ、譲れないときもございますの!」シャキン



53 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:10:07.49 ID:R4l9SP6o


 ――15分後


警備員「……で、能力を行使してケンカしたと」

婚后「わたくしが全て悪いのですわ……つい不遜な態度を……悪い癖だと自覚しておりますのに……」グスッヒグッ

白井「あ、あの、もう泣き止んでくださいな。その、わたくしにも至らない点がございましたので……」

婚后「白井さん……なんとお優しい……」ウルウル

白井(誰ですのこれは)

警備員「あー……十分に反省しているようだし、今回はここまでとする。今後は気をつけるようにな」

白井「ご迷惑おかけしましたの」orz

婚后「申し訳ございませんでした」orz



54 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:10:58.93 ID:R4l9SP6o

~第7学区 某所~


白井「はあ……どっと疲れましたの」トテトテ

婚后「白井さん……先程は……」コツコツ

白井「もう気にしていませんの。それより日が暮れてますわ。早く仮住まいを……」

婚后「」スッ

白井「? 握手ですの?」

婚后「わたくしが涙を見せることができるのは、貴女ぐらいですわ。誇りに思って頂きたいですわね」

白井「……本当に口は達者ですのね」ガシィ

婚后「お互い様ですわ」クスッ



55 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:11:49.39 ID:R4l9SP6o

婚后「それにしても、どういたしましょう。今からだとホテルも取れないでしょうし……」

白井「学舎の園から遠いという理由でホテルを外したのは失敗でしたの」ショボーン

婚后「いっそ、わたくし達も御坂さんのところに……あら?」

白井「どうしましたの?」

婚后「いえ、学園都市にもこのような趣のある建物がございましたのね」シミジミ

白井(なんですの、これは。魔女の館?)

婚后「……あら?白井さん、こちらご覧になって」

白井「?」



56 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:12:39.66 ID:R4l9SP6o

┌────────────────────┐
│☆きぬはた荘☆                    .│
│                            ....│
│入居者超募集中!                  │
│風呂/トイレ/キッチン/リビング/玄関 共同   ..│
│家賃 4800円/月                    .│
│身分経歴一切超不問                │
└────────────────────┘




57 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:13:48.30 ID:R4l9SP6o

白井「入居者超募集中……ですの」

婚后「白井さん、これは幸運かもしれませんわよ?」

白井「ですが……怪しさ爆発ですの」

婚后「こんなお洒落な洋館に住めるなんて、そうない機会でしてよ?」

白井(お洒落……?)

婚后「この共同というところも、普段から寮住まいのわたくし達には気になりませんし」

白井「それはそうなのですが……」

婚后「まあ、見学だけでもいたしましょうよ。ね」

白井「……しかたないですの。お供いたしますわ」



58 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/16(月) 21:14:40.17 ID:R4l9SP6o

婚后「呼び鈴は……こちらかしら?」ポチットナ


<ジャーンジャーン


ギィィィィィ


絹旗「はい、どちらさんですかね?」

婚后「突然申し訳ございません。見学希望なのですけれど」

絹旗「(常盤台の生徒? いったいどうして……)まあ……どうぞ中へ」

婚后「お邪魔いたします」

白井「お邪魔いたしますの」



 ――その後、部屋の造りをお気に召した二人のお嬢様は長時間迷い、
    大声で罵り合い、議論をし尽くした上で入室を決めた



71 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 12:21:18.48 ID:SU.TdeQo

~???~

「そう、学園都市に帰るんだね」

「なンだ? "私も連れてって"とか言い出すつもりじゃねェだろォな?」

「こっちの研究所での調整があるし。そうでなくても、なんであなたなんかと一緒に?」

「ハッ! 俺も随分と嫌われたもンだぜェ」

「まっ、命を拾ってくれたことには一応感謝してあげてもいいけどね」クスッ

「あァ? なんだ、お前もそんなツラできンのか」

「えっ?」

「初めて会ったときは、腹ペコのカメレオンみたいなツラだったのによォ」ケラケラ

「うっわ、久々にムカついた」



72 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 12:22:00.12 ID:SU.TdeQo

 :
 :
 :

「なにこれ? 名刺?」

「こっちの研究所でもなンとかなるンだろうけどな。
 どうしても、って状況になったらそいつに頼れ。なンとかすンだろ」

「ふーん……まあ、記憶の片隅には置いといてあげるよ。最終信号と仲良くしなよ?」

「分かってらァ……ンじゃもう行くわ。せいぜい達者でなァ」




(……一緒に行けるんなら行きたいよ。でも今は……まだダメだから。
 ……誰が腹ペコカメレオンだよ……人の気も知らないで、このモヤシ、朴念仁)

「…………死んじゃえ、バカっ……」グスッ



73 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 12:22:55.09 ID:SU.TdeQo

~数ヵ月後 第7学区 とある病院~


冥土返し「うん、バイタルチェックは正常、脳波も異常なし。問題なしだね?」

????「……うん」

冥土反し「メンタル面はどうかな?」

????「気分はどうかってこと?フツー」

冥土返し「問題なし、と。キミが学園都市に来たいと、僕に接触してきたときはどうなるかと思ったけど」

????「……」

冥土返し「まぁ、色々な意味で落ち着いたみたいで、僕としても一安心だね?」

????「ゴメンね。先生にはお世話になりっぱなしだね」

冥土返し「まぁ、僕の患者となった以上はできる限りのことはさせてもらうからね?」

????「患者に必要なものを揃えるのが仕事、だっけ?
       ……ところで、先生。最後のワガママを聞いてもらっていいかな」

冥土返し「最後?なにかな?」



74 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 12:23:57.70 ID:SU.TdeQo

????「この病院を出ようと思う。いつまでも先生の優しさに縋ってられないしね」

冥土返し「詰まらないことを気にするんだね。キミは僕の患者だ、患者に優しくするのは当然だろう?」

????「そうじゃないよ。ミサカは他の姉妹と境遇や立場が違う。
       ここに置いてもらえてるのだって、無償のボランティアなんでしょ?」

冥土返し「……」

????「だからここにいつまでも留まる訳にはいかない。
       それで最後のワガママ。病院の外で生活するために、ID発行できないかな?」

冥土返し「やれやれ……どうして僕の患者は問題児ばかりなんだろうね?
       とはいえ、キミも今のままでは暮らしづらいだろうね?」

????「……」

冥土返し「番外個体、ではなくより人間らしい名前があった方がベターということだね?」

番外個体「あくまで外見せ用の偽名だよ。この名前にも少なからずの愛着はあるんだからね?」



75 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 12:24:52.82 ID:SU.TdeQo

~数日後~


番外個体「へー、これがIDカードってヤツかー」ナデナデペシペシ

冥土返し「三澤真琴、17歳、能力はレベル4の発電能力ってことになってるからね」

番外個体「ミサカワースト、でミサワか。……写真もっとマシなのなかったの?」

冥土返し「僕の手元にはそれしかなかったものでね?」

番外個体「……ま、贅沢をいえる立場でもないよね」

冥土返し「キミの体調も安定しているし、いつでも出発していいからね?
      但し、週に1回は必ず診せにくること。これは約束してくれ」

番外個体「うん、分かった。……それじゃ、もう行くよ。迷いが出ない内に、ね」

冥土返し「気をつけるんだよ……それと、キミは僕の患者だ。これは忘れないでくれ。
       何かあれば、いつでも頼るんだよ?」

番外個体「うん、ありがとうね。先生」



76 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/17(火) 12:26:01.88 ID:SU.TdeQo


 コツコツコツコツ...
 ゴロゴロゴロゴロ...


????「あっ、番外個体じゃないですか、とミサカは怯えつつ声をかけます」ゴニョゴニョ

番外個体「? あ、19090号。……あなた、なんでいつもミサカのこと怖がるのさ」

19090「え、えーと、そのケモノ目が、怖いです、とミサカは目を逸らしつつ回答します」ゴニョゴニョ

番外個体「ひっどいなぁ。これも個性だと思ってよ、ねー?」ズイッ

19090「ぴゃうっ?! 至近距離から顔を覗き込まないでください! とミサカは既に涙目です」

番外個体「フヒヒ、ごめんごめん。あなたってばいじりがいがあるよねー」ケタケタ

19090「番外個体はイジワルですね、とミサカは怒りと恥ずかしさにプルプルしながら指摘します」プルプル

番外個体「ゴメンって。また今度、病院の食堂でケーキ食べさせてあげるから」

19090「ケーキよりも低カロリーな甘いものを、とミサk……なんでもないです」ゴニョゴニョ



77 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/17(火) 12:27:08.37 ID:SU.TdeQo

19090「時に番外個体、今日はやけに大荷物ですね、とミサカはキャリーバックを眺めつつ尋ねます」ゴニョゴニョ

番外個体「あ、うん。今日で退院だから」

19090「えっ」

番外個体「あなた達にもお世話になったよね。これでも感謝してるんだよ?」

19090「いえ、そんな、ミサカはなにも……」ゴニョゴニョ

番外個体「ここに来てすぐの頃。右も左も分からないミサカに、色々と教えてくれたよね?」

19090「ま、まぁ、売店や食堂や喫煙所の場所ぐらいなら……」ゴニョゴニョ

番外個体「それに、一番最初に話しかけてくれたのもあなただよね」

19090「え、ええっ?そうだったのですか?とミサカは驚愕を露にします」

番外個体「ミサカの目が怖い怖い言ってるクセにさ、顔合わせば何か話してきたし」

19090「ミ、ミサカは色々な人と話して見聞を広めたい、とミサカは……」ゴニョゴニョ



78 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/17(火) 12:28:01.06 ID:SU.TdeQo

番外個体「ともかく、さ。感謝してるんだよ、"お姉様"?」

19090「確かに製造されたのはミサカの方が先ですが、番外個体の方が肉体年齢は上ですので、
     この場合、ミサカから見て番外個体の方が姉にあたるのでは、とミサカはゴニョゴニョ」

番外個体「あはっ、細かいことは気にしないの。……それじゃ、もう行くね」

19090「えっ、あのっ、あっ……」

番外個体「他の姉妹にもよろしくね」ノシ

19090「あ……み、番外個体!」

番外個体「ん?」クルッ

19090「あの……また会えますよね?と、ミサカは恐る恐る確認をとります」ゴニョゴニョ

番外個体「週イチで診察があるから、そのときに会えるんじゃない?」クスッ

19090「よ、よかったです。あの、ケーキ楽しみにしてます、とミサカは別れを惜しみつつ手を振ります」ノシ

番外個体「またね」ノシ


 コツコツコツコツ...
 ゴロゴロゴロゴロ...


19090「……"お姉様"って呼ばれた……」ホワーン



79 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/17(火) 12:30:06.59 ID:SU.TdeQo

~第7学区 某所~


番外個体「勢いで飛び出してきたけど……住む所見つけてからでも良かったかも」

番外個体「まあ、2~3日ぐらいなら野宿でも問題ないか」

番外個体(あの人に遭えるといいな……先生も居場所は知らないらしいけど)

番外個体(MNWに繋げば分かりそうだけど、また負の感情を拾い集めてあの頃のミサカに戻るのもヤだし)

番外個体(……あの人もそれは望んでないよね、きっと)

番外個体(…………)

番外個体(って、19090に聞いてもよかったんじゃ)ハッ

 :
 :
 :

番外個体「サングラスを買った。これでケモノ目が怖いなんて言わせない」スチャ


<キャンペーンチューデース


番外個体「あ……携帯電話か。そういえば持ってないなぁ」



80 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/17(火) 12:30:54.40 ID:SU.TdeQo

番外個体「…………」

番外個体(IDカードあれば……か、買える、んだよね?)ドキドキ

番外個体(口座もあるし……うん、大丈夫なハズ!)

番外個体「あの、すいません!」ドキドキ



~30分後~


番外個体「買えた……///」

番外個体「誰か番号交換……って相手がいないや」

番外個体(あの人はロシアに来るときに壊れちゃったって言ってたし)

番外個体「……ま、その内、ね」



81 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/17(火) 12:32:25.65 ID:SU.TdeQo

 :
 :
 :

番外個体「はー、もう夕方か……今夜はどこの公園で寝ようかな」トボトボ

番外個体「……ん、んん?なんだこれ」



82 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/17(火) 12:32:55.99 ID:SU.TdeQo


┌────────────────────┐
│☆きぬはた荘☆                    .│
│                            ....│
│入居者超募集中!                  │
│風呂/トイレ/キッチン/リビング/玄関 共同   ..│
│家賃 4800円/月                    .│
│身分経歴一切超不問                │
└────────────────────┘




83 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/17(火) 12:33:57.00 ID:SU.TdeQo

番外個体「身分経歴一切超不問、か……」

番外個体「ここかな……なにこれ、お化け屋敷?」

番外個体「この際なんでもいいや。ごめんくださーい」


 ギィィィィィ


絹旗「はいはい、どちらさんですか?」

番外個体「入居者募集のチラシを見てきたんだけど」

絹旗「ああ、そういうことなら、どうぞ。中で超詳しい話をしますので」



 ――その後、大荷物を抱えた自称帰国子女は
    大して説明も受けずにさっさと入室を決めた



116 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/18(水) 21:04:20.18 ID:X1Wqpngo

~某日夜 学園都市某所~


土御門「……今日の仕事は完了だ。みんな、お疲れさん」

海原「久しぶりの仕事だというのに、全く、簡単なお掃除でしたね」

土御門「海原、慢心と油断はいい結果に繋がらんぞ?せいぜい気を付けることだな」

海原「ご忠告痛みいります」

結標「一方通行はどうしたの? とうとう行き倒れたかしら?」

土御門「一方通行なら直帰だ。ま、やることやったんだから問題あるまい」

結標「よほど若奥様が恋しいのかしらね」クスクス

土御門「あいつのロリコンっぷりはもはや尊敬の域だにゃー」

 :
 :
 :

一方通行「おォ?」ツー

打ち止め「あれ? あなたが鼻血なんて、またミサカでいけない妄想してたのね。ってミサカはミサカは頬を赤らめてみたり///」

一方通行「違ェよバカ! どォせ誰かが噂でもしてンだろォよ」ゴシゴシ

打ち止め「それはくしゃみだよってミサカはミサカは(ズビシッ)っていったーーい!」



117 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/18(水) 21:05:15.80 ID:X1Wqpngo

土御門「さーて、俺も愛する妹の料理が待ってるから失礼するぜい」ノシ

海原「お疲れ様でした」

結標「お疲れ様」

海原「僕らはどうしましょう。朝までボウリングでもします?」

結標「能力使用アリなら受けてたつけど?」

海原「はは、勝てるわけないじゃないですか」

結標「ダーツなんてどう? 能力使用アリで」

海原「なんですか、いじめですか。まるで僕がウザい人間みたいですね」

結標「ようやく分かってもらえたみたいで嬉しいわ」

海原「ふふふ、これは手厳しい」



118 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/18(水) 21:06:16.16 ID:X1Wqpngo

結標「貴方こそ、愛する妹の顔でも見に行ってくればいいじゃない」

海原「そう思ってましたが、病院の面会時間も終わってましてね」

結標「あら、残念ね。じゃあ、どうせ暇なのでしょう。夕食ぐらい付き合いなさい」

海原「同居人と一緒なのでは?」

結標「小萌は飲み会よ。ああなったら朝まで帰ってこないわ」

海原「そういうことならご同伴させて頂きましょうか」



~第5学区 とある飲食店~


海原「年頃の男女が、ディナーにファーストフードとはね」

結標「あら、奢ってもらう側の発言とは思えないわね」

海原「おっと、失言でした」

結標「私だって、ちゃんとした相手ならちゃんとした店を選ぶわよ」



119 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/18(水) 21:07:08.54 ID:X1Wqpngo

海原「そもそも、その格好ではドレスコードにひっかかるのでは?」

結標「うっ、うるさい///」

海原「あ、ナゲットもらいますね」ヒョイパク

結標「ちょっと、それ最後の1個じゃないってあああ!」

 :
 :
 :

結標「食べ終わったし帰ろうかしら」

海原「おや、腹ごしらえも済ませて熱いオールナイトでは?」

結標「ごめんなさい、理解できない」

海原「つれないですね」

結標「……貴方、さっきからやけに食い下がるじゃない。なに、寂しいの?」



120 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/18(水) 21:08:04.76 ID:X1Wqpngo

海原「いえいえ、今日の寝床を確保したいだけですよ」

結標「おうちに帰りなさいよ」

海原「ないですよ?」

結標「は?」

海原「普段は公園とか漫画喫茶とかで睡眠をとってますね」

結標「いや……グループの隠れ家を使ってもいいのよ?」

海原「いやー、土御門さんや一方通行に遭遇する恐れがあると思うと」

結標「いい気分はしないだろうけど、問題なの?」

海原「逆に聞きますが、いつ猛獣が侵入してくるか分からない部屋で休めます?」

結標「……まあ、無理よね」



121 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/18(水) 21:09:05.35 ID:X1Wqpngo

結標「じゃあ、現状は宿なしのその日暮らしってこと?」

海原「そうなりますね」

結標「貴方、それは問題よ。部屋を探したほうがいいわ」

海原「しかし、現状でもあまり不満はありませんが」

結標「屋根とドアがあるだけでも大分違うんだから、経験談的に考えて」

海原「そういうものなんですかね」

結標「……そうね、ちょうどいいわ。明日にでも部屋を探しにいきましょう」

海原「ちょうどいい?」

結標「私も部屋を探そうとしてたのよ。いつまでも小萌のところにいるわけにもいかないしね」



122 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/18(水) 21:10:19.64 ID:X1Wqpngo

海原「ははぁ、それでちょうどいい、と」

結標「そういうこと。第7学区なら手頃な物件もあるでしょ」

海原「世にも珍しいあなたからのお誘いですし、乗っておきましょう」

結標「馬鹿にしてるの?……まあ、いいわ。今日は遅いから、また明日ね」



~翌日 第7学区~


海原「あの、結標さん」

結標「なにかしら」

海原「なぜこんな住宅街のど真ん中に? 仲介屋さんなら駅前にありましたよ?」

結標「はぁ、わかってないわね。個人経営の不動産屋の方が地域に密着してる分、
    お得物件を知ってたりするのよ。もちろん、当たり外れもあるけどね」



123 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/18(水) 21:11:03.55 ID:X1Wqpngo

海原「成程、勉強になりますね」

結標「……」ジッ

海原「結標さん? 立ち止まって何を凝視しているんです?」

結標「これ」



124 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/18(水) 21:12:09.17 ID:X1Wqpngo


┌────────────────────┐
│☆きぬはた荘☆                    .│
│                            ....│
│入居者超募集中!                  │
│風呂/トイレ/キッチン/リビング/玄関 共同   ..│
│家賃 4800円/月                    .│
│身分経歴一切超不問                │
└────────────────────┘




125 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/18(水) 21:13:18.92 ID:X1Wqpngo

海原「……これはこれは……」

結標「ねえ、もうこれでよくない?」

海原「いや、しかしですね……」


   風呂/トイレ/キッチン/リビング/玄関 共同


海原「これ、マンションとかじゃなくてどこかの家の一室ってことですよね?」



126 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/18(水) 21:14:23.41 ID:X1Wqpngo

結標「? 何か問題なの?」

海原(ああ、そうだ。この人は居候ライフが長くて逞しくなったんだ)

結標「それより私たち……というか貴方の場合はここに着目すべきよ」


   身分経歴一切超不問


海原「むむ……」

結標「貴方、これまでは良かったかもしれないけど、調べたら即ダウトなんじゃないの?」

海原「まあ、皮剥かれたらバレますよね」

結標「そうじゃなくても、そもそもが学園都市の人間じゃないんだし。
    こういうところのほうが都合がいいんじゃない?」

海原「……まぁ、見るだけならタダですし」

結標「決まりね。行ってみましょう」



127 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/18(水) 21:15:54.76 ID:X1Wqpngo

 :
 :
 :

結標「あら、お洒落なお屋敷じゃない」

海原「そうですか? 僕には呪いの館に見えますが」

結標「ま、見方は人それぞれよね。インターホンはこれかしら?」ポチットナ


<ジャーンジャーン

ギィィィィィ


絹旗「はい、どちら様でしょうか」

結標「入居者募集の張り紙を見てきたのだけれど」

絹旗「……ご夫婦ですか? ウチは独り身向けですが、大丈夫ですかね」

海原「夫婦なんてとんでもない! ただの同僚ですよ」

結標「全力で否定しなくてもいいじゃない」

絹旗「まぁ、とりあえず中へどうぞ。まだ空き部屋はありますので」



 ――その後、奇妙な二人組は女性側の意見が押し切られる形で採用され、入室を決めた



128 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/18(水) 21:20:15.16 ID:X1Wqpngo
以下、今回分で区切りですので、補足を兼ねてちょっと語ります

さて、今回投下分できぬはた荘は満室となりましたので住人のおさらい

 絹旗(家主)、滝壺(家主)、白井、婚后、番外個体(偽名:三澤真琴)、結標、海原

殆どの方はお気付きでしょうが、>>20で書いた"共通点"は大能力者(Level4)であるということです
海原は能力者ではありませんが、本物のほうが Level4 だからってことで一つ
あわきんも今計測したら Level5 じゃね?という気もしますが、気にしない

以前、このネタで小ネタスレに書いたときは釧路さんもいたのですが
さすがに一言もセリフが無い人のキャラは掴めなかったので、止む無く切りました

大能力者6人+1人が一つ屋根の下、これから日常たまに非日常な彼女らの生活を綴ります

それでは、これにて


132 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/18(水) 22:05:34.83 ID:Gf8KTUU0
前門の黒子、後門のエツァリ。
番外個体包囲網が出来上がったわけだ、ふう。



142 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 06:39:37.39 ID:1WGBNhwo
おいおい海原・・・っつーかエツァリの野郎、ハーレムじゃねぇかどういうことだおい


147 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 10:13:03.91 ID:V7kpUPIo
海原が入居したときあれ?って思ったがそういうことか、納得。
これは面白そうだ。会話のテンポも好きだし期待してる



129 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/18(水) 21:28:30.03 ID:zHmTlKso
当然一部屋ずつ借りたんだよね?


131 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/08/18(水) 21:30:37.78 ID:llXqhqoo
おつ
現在5人で1ヶ月24000円の収入か……
暗部での貯金があるとしてもけっこう厳しいかもな
暗部の報酬っていくらぐらいだっけ?



139 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/08/19(木) 01:42:12.00 ID:KBYMZIAO
家賃48000って脳内変化してたが4800が正解なのか?


141 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/19(木) 03:43:50.53 ID:YmlUcTUo

>>129
一人一部屋です
最低限の家具(ベッド・机・クローゼット)は付属

>>131
暗部時代の貯蓄+Level4 の奨学金で暮らせるぐらいはあるもんだと思ってます

>>139
4800円です。学園都市の相場が調べても出てこなかったので
「これは絶対おかしいだろw」ってぐらいに安く設定しました
まあ、家主二人も収入源として始めた訳じゃありませんし、そんなもんと思って頂けると幸いです


それでは、始めさせていただきます
今回初めて、住人全員が一堂に会します



154 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/19(木) 22:01:37.72 ID:YmlUcTUo

絹旗「超思いのほか、早く埋まりましたね」ベリベリ

滝壺「みんなどんな人なんだろうね」

絹旗「そうですね。個室以外は超共有スペースなんですし、
    どうせですからみんな集めて自己紹介でもしてもらいましょうか」



~同日夜 自宅1階 食堂~


絹旗「という訳で超集まってもらいました。じゃ、そっちの方からどうぞ」

滝壺「きぬはた、急ぎすぎ。それに、まずは私たちから始めるべきじゃない?」

結標(なんであのツインテールが……!)

白井(なんであのピンクサラシが……!)

婚后(みなさまと自然に接するようになれれば良いのですけれど)

番外個体(ねっみィ)

海原(驚きました、これだけいて男は僕だけですか)



155 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 22:02:37.10 ID:YmlUcTUo

絹旗「んじゃ、私から。絹旗最愛っていいます。モアイって言ったヤツは超殴る。
    能力はレベル4の窒素装甲です。超よろしく」

結標「え? 能力まで言っちゃうの?」

番外個体「別にいいんじゃなーい? ここにいる人間同士で闘う訳でもないしさ」

結標「……え、えぇ、そうね(彼女の言う通りね……ここは従っておきましょ)」

滝壺「じゃ、私ね。滝壺理后。能力はレベル4の能力追跡……だったけど、
    身体壊しちゃったから今はあんまり使えない。よろしくお願いします」ペコリ

白井「お二人とも高位の能力者でしたのね……」

絹旗「大したことじゃないです。じゃ、そっちの席から時計周りでどうぞ」



156 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 22:03:39.60 ID:YmlUcTUo

結標「あら、私ね。この中には面識がある人もいるようだけど……
    結標淡希、能力はレベル4の座標移動よ。よろしくね」

白井(レベル4? あの反則能力でわたくしと同じ強度?! ウソですの!)

結標「ほら、次、貴女よ?」ツンツン

番外個体「……っあ、起きてる起きてる。ええと、ミサk……あ」

滝壺「?」

番外個体「(一人称ミサカはよしたほうがいいか)
       ええと、三澤真琴だよ。適当にミサワとでも呼んでくれていいから。
       能力はレベル4の発電能力、よろしく」

海原(発電能力ということは御坂さんと同じですね……心なしか、似ているような)

白井(……気のせいでしょうか。最高に不機嫌なときのお姉様のお顔に似てますの)



157 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 22:04:43.48 ID:YmlUcTUo

婚后「次はわたくしですのね。コホン……常盤台の婚后光子とは私のことですわ!
    能力はレベル4の空力使い。皆さま、よろしくお願い致しますわね」

結標(根っからのお嬢様なのね、育ちの良さが表れてるわ)

婚后(あぁぁぁ! またやってしまいましたわ……高圧的な態度はやめたいと思っていますのに……)

白井「真っ白に燃え尽きた婚后さんはほっといて。同じく、常盤台中学の白井黒子ですの。
    能力はレベル4の空間移動ですの」

海原「驚きましたね。なんとレベル4の空間移動系能力者が二人もいるなんて」

白井「いえいえ、わたくしの能力などそちらの結標さんに比べると大したことありませんの」ジトー

結標(な、なによう……まさか、まだ根に持ってるの……頭上に4520kg転送しただけじゃない……)

番外個体「」スピー



158 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/19(木) 22:05:27.94 ID:YmlUcTUo

婚后「こら、起きなさいな」チョンチョン

番外個体「ふぇ?」

海原「おっと、僕で最後ですか(ここは海原として振舞っておきましょう)
    海原光貴と申します。能力はレベル4の念動力です。よろしくお願いします」

結標(あ、海原のプロフ借りるんだ)

婚后(なんと整った顔立ちですの……///)



絹旗「……あ、次は私ですか?私は絹旗最愛っていいます。モアイtt」

結標「ちょっと、何周させるつもりなのよ」

滝壺「きぬはた、1周で十分だよ」



159 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/19(木) 22:06:54.51 ID:YmlUcTUo

絹旗「じゃ、これで超全員ということですので。改めてこれからよろしく」

「「「「「「超よろしく」」」」」」」

絹旗「……」

滝壺「夕飯を用意してあるから。みんな食べてって」

 :
 :
 :

絹旗「超おーなーかーすーきーまーしーたー」チンチンチン⌒☆

白井「絹旗さんでしたかしら? 少しは手伝ってくださいな」

滝壺「いいの。今日はきぬはたが作ってくれたから」

番外個体「」スピー

結標「この子も?」

滝壺「叩き起こして」

婚后「ほら、起きなさいな」ガンガン



160 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/19(木) 22:08:02.60 ID:YmlUcTUo

~夕食~


海原「おお、これは結構な塩梅ですね」

絹旗「この絹旗サマの手料理を食べれることに超感謝することです」フンス

結標(な、なんてこと……こんな小さい子にまで完敗だなんて……)

滝壺「あのさ、みんなに提案があるんだけど」

白井「なんですの?」

滝壺「この家、見ての通り個室以外は全部共有スペースなの……今日までは適当にやってたけど。
    これからはお風呂の順番とか食事の当番とかで揉めないように決めたほうがいいと思う」

婚后「それは入居時に受けた説明の通りですし、みなさまも問題はないのではなくて?」

番外個体「集合住宅ってよりは下宿って感じだよね。絹旗さんが寮母さん(笑)」

絹旗「なんか超引っかかる言い方ですね……」

番外個体「( ゚3゚)~♪」



161 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/19(木) 22:09:24.94 ID:YmlUcTUo

白井「食事係は、ちょうど7名おりますし、曜日毎に交代でいかがですの?」

海原「ですが、突発的な用事とかもあるでしょう」

白井「その場合は次の日の方と交代とか、回避策はございますの」

結標「白井さんに婚后さんだったかしら? 貴女達は学校があるでしょう。
    土日は貴女達に任せて、平日は私達でまわす。どうかしら?」

婚后(むしろ、学校に通ってるのが私と白井さんだけというのが不思議ですわ……)

白井「私は問題ありませんの」

滝壺「あ、あと3食全部は大変だから、夜だけ。朝と昼はみんな好きなようにする形で」

絹旗「とりあえずそれでやってみましょう。やらなきゃ超見えない問題点もあるでしょうし」

番外個体(ちっちゃいのにしっかりしてるよなぁ、この子)



162 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/19(木) 22:09:59.95 ID:YmlUcTUo

┌────────────┐
│   ~夕食当番表~    .│
│                  │
│          ○月○週......│
│                  │
│  月 きぬはた        │
│  火 たきつぼ       ..│
│  水 みさわ         │
│  木 むすじめ      ......│
│  金 うなばら       ....│
│  土 しらい        .....│
│  日 こんごう         .│
└────────────┘



163 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/19(木) 22:11:12.06 ID:YmlUcTUo

滝壺「できた」フンス

番外個体「じゃ、壁にでも貼っておこうか」ペタペタ

絹旗「今日が私だったので、明日は滝壺さんですね」

滝壺「夕食の時間に帰ってこれないときは絶対に連絡すること、みんな約束ね」

一同「らじゃ」



 ――その他、食材の調達など、共同生活に必要なルールが順次決められた
    こうして、奇妙な偶然から集った大能力者たちの共同生活は始まるのであった



187 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/20(金) 21:03:14.23 ID:CBJK5vQo

~火曜日 たきつぼの食卓~

 ☆本日の超メニュー☆

  鯖の味噌煮
  肉じゃが


滝壺「それじゃみんな、いただきます」

絹旗「……鯖を見ると、昔を思い出しちゃいます」

海原「? アレルギーか何かだったんですか」

絹旗「いえ、超ちょっとした思い出ですよ(最近お墓を掃除してあげてませんね……)」

白井「常盤台の寮は洋食中心でしたから、こういったメニューは新鮮ですわね」

番外個体「……どうしたらこんなに美味しくできるんだろう」マグマグ



188 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/20(金) 21:04:15.36 ID:CBJK5vQo

結標(肉じゃがか……今度作り方教えてもらおうかしら)

絹旗「んあー!? 肉じゃがにグリーンピースが入ってます!」

婚后「こら、好き嫌いしてはダメですわよ」

滝壺「そうだよ、きぬはた。わざと入れたんだし。この家では好き嫌いは許さない」

絹旗「むぅ……」

番外個体「食べさせてあげよっか? はい、あーん☆」

絹旗「超! 結構です!」ウガー

滝壺「じゃほら、食べて食べて」

絹旗「ううう……モグ」ウルウル

番外個体(なにこれ可愛い)



189 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/20(金) 21:05:25.21 ID:CBJK5vQo

~水曜日 みさわの食卓~

 ☆本日の超メニュー☆

  ビーフストロガノフ
  蒸し野菜


番外個体「メシだぞーー」ガンガンガンガンガンガン

絹旗「超うるさいです! おたまでフライパンを叩くのはやめてください!」

番外個体「え? 日本ではこれが食事の合図だって、前に教えてもらったんだけど」

結標「誰から教えてもらったのよ、それ」

番外個体「一方通行」

結標海原((なにやってんだ、あのもやし))

婚后「フライパンはともかく……お料理はずいぶんと本格的ですわね」

滝壺「すごくいい香り」スンスン



190 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/20(金) 21:06:27.34 ID:CBJK5vQo

白井「これは……ロシア料理ですの?」

番外個体「うん、日本に戻ってくる前に覚えてきたんだよ」

結標「帰国子女とは聞いてたけど、ロシアの方だったのね」

海原「ロシアか……すごい寒そうですよね」

絹旗「滝壺さんも行ってたんですよね? 寒かったですか?」

滝壺「日本に比べると寒いけど、あったかい服着れば平気」

絹旗「寒いのが超苦手な私には縁がなさそうですね」

白井「普段からボトムスを履き忘れているのでは、寒いに決まってますの」

絹旗「着るのを忘れてるのではなく、こういう服なのです! ワンピースなんです!」ムキー

番外個体「着るのを忘れてるんじゃ、ただのアホだよね」



191 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/20(金) 21:07:37.22 ID:CBJK5vQo

~木曜日 むすじめの食卓~

 ☆本日の超メニュー☆

  わけのわからないもの
  よくわからないもの


絹旗「……ええと、ですね……」

海原「ハハハ」

番外個体「……ねえ、なにこの未元物質」

滝壺「ユニーク」

白井「」

婚后「」

結標「ちょ、ちょっと! 昨日までの夕食と雰囲気違いすぎじゃない?!
    お通夜じゃないのよ?!」



192 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/20(金) 21:08:23.58 ID:CBJK5vQo

白井「これ、動いたりしませんわよね……?」ツンツン

結標「クレームなら食べてから受け付けるわ! 悪いのは見た目だけなの!」

海原「そういうことなら頂いてみましょうか」ヒョイパク

他全員(や、やった?!)

結標「ど、どうかな……?」ドキドキ

海原「見た目に難アリですが、味は普通ですよ。いや、いけますよ、全然」

結標「!」パァ

番外個体(お、すっごい笑顔)



 ――海原が病院に搬送されたのはそれから2時間後のことであった



滝壺「大丈夫だよ、お米を合成洗剤で洗うむすじめも私は応援してる」

結標「(´・ω・`)」



193 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/20(金) 21:09:26.61 ID:CBJK5vQo

~金曜日 うなばらの食卓~

 ☆本日の超メニュー☆

  タコス


婚后「今日はエスニックな料理ですのね」

海原「ミサワさんに対抗して、僕も故郷の料理を振舞おうと思いまして」ニコニコ

結標(ちょ、ちょっとアンタ!!)

白井「え? あ、あの、海原さん、ご出身は……」

海原「(あああああ! しまったぁぁぁぁぁぁぁぁ!)
    ええと、その、第二の故郷ってヤツです。思い出深い土地なんですよ、アステカ。じゃなかった、メキシコ」

婚后「まあ……なんと申しますか、素敵ですわね、そういうのって」

結標(なんだこの反応)



194 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/20(金) 21:10:09.17 ID:CBJK5vQo

絹旗「~~~~!!!~~~~~!!!!」ゴロゴロゴロ

番外個体「ちょっと、どうしたの! なんで床を転がってるの?!」

滝壺「きぬはたは辛いの苦手だから。あ、うなばら、ソース足して」ムグムグ

結標「ほら、牛乳よ。少しはマシになるわ」

絹旗「ち゛、超あ゛り゛か゛と゛う゛こ゛さ゛い゛ま゛す゛……」ゴキュゴキュ

海原「ちょっと辛くしすぎましたかね……大丈夫ですか?」

絹旗「」ジー

結標「?」タユンタユン

絹旗「どこ産の牛乳ですか?」

結標「はい? ムサシノ牛乳よ?」

白井「かっ、からっ、かrあbbbbbbbbbbb」



195 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/20(金) 21:11:26.44 ID:CBJK5vQo

~土曜日 しらいの食卓~

 ☆本日の超メニュー☆

  ハンバーグ
  サラダ


絹旗「普通のメニューが超久しぶりのような気がします」

白井「料理は久しぶりですので……お口にあいますかどうか……」

海原「いやいや、美味しそうじゃないですか」

結標(盗む……料理ができる人の"技"を……全身全霊で!)

番外個体「結標さん、なんか眼が怖いんだけど」

結標「貴女に言われたくないわよ」



196 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/20(金) 21:12:30.68 ID:CBJK5vQo

番外個体「……」チョイチョイ

滝壺「みさわ、付け合せのニンジンも食べなきゃダメ」

番外個体「」ギクリ

絹旗「あっれー?ミサワさんはニンジンが超苦手なんですかー?」ニヤニヤ

番外個体「そ、そんな訳ないでしょ、やだにゃー……」

絹旗「では超特別にこの絹旗サマが食べさせてあげますよ!」ズズイ

番外個体「ちょ、待っ(ガシッ)滝壺さんと結標さん?! なんで抑えてくるの?!」

絹旗「はい、あーん☆」

番外個体「やっ、放して! いやぁぁぁぁぁ!……モグ」ウルウル

結標(なにこれ可愛い)

白井(このお顔立ちで、ニンジン嫌いな発電能力者……お姉様成分が補給できましたの!)ハァハァ

白井(……これから、わたくしの当番の際にはニンジンをふんだんに使わなければ)



197 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/20(金) 21:13:27.37 ID:CBJK5vQo

~日曜日 こんごうの食卓~

 ☆本日の超メニュー☆

  シーフードカレー
  サラダ


滝壺「おお、カレーだ」

婚后「わたくしにとっての得意料理であり、思い出の味でもありますわ♪」

結標「シーフード? 手間かかったでしょう」

婚后「それほどでもありませんわ。あ、ミサワさん、
    今日はニンジンを使っておりませんので、警戒なさらないでくださいな」

番外個体「うう……いじられネタになるなんて」

白井「大きいお姉様、食べないと克服できませんわよ?」ニコニコ

絹旗(大きいお姉様? たしかにミサワさんは背が高めですが……はて?)



198 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/20(金) 21:14:30.07 ID:CBJK5vQo

結標「うん? 随分と控えめなのね」

番外個体「ホントだ、辛くないね」

婚后「絹旗さんの味覚に合わせましたのよ」

絹旗「えっ? あ、ありがとうございます」

滝壺「よかったね、きぬはた」ナデナデ

海原「ははは、たまには甘口も悪くないですよ」

結標「よかったわね、貴女愛されてるわよ?」ナデナデ

絹旗「……」

白井「ここのみなさまは小さい子供が好きなのですね」ニコニコ

絹旗「こうみえても超中学生です!」ウガー



199 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/20(金) 21:15:40.20 ID:CBJK5vQo



 ――ふとした偶然で集った大能力者達、彼らの食卓は思いのほか和やかなものだった
    なお、致命的なメシマズであることが発覚した結標の当番日には
    滝壺か番外個体がサポートに入り、犠牲者の増加を食い止めたのであった











超オマケ ある日のしらいの食卓


番外個体「わー、ニンジンが超いっぱいだー」←棒読み

白井(レイプ目の大きいお姉様……さらにこの後、食べされられて涙目の大きいお姉様)ハァハァ

海原 「REC●」



200 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/20(金) 21:16:53.90 ID:CBJK5vQo

今回はここまでです
お付き合い頂きありがとうございました
それでは、これにて


205 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/20(金) 22:48:02.28 ID:MXM6QtMo
やはりオッパイの成分は武蔵野牛乳なのか


210 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 00:09:19.66 ID:B.fCoMSO
あわきんの料理に挑んだ海原は男としての義務を分かってるな


212 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 00:22:56.96 ID:wwIsYe.0
番外個体のレイプ目だと?
胸が熱くなるな



203 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/20(金) 22:07:51.52 ID:mF1F0JUo
さいあいかわいいよさいあい


208 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/20(金) 23:38:45.97 ID:TPa4pkAO
ハンバーグより肉じゃがのほうがニンジン多そうだけど…


221 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/21(土) 19:59:18.74 ID:5cPyW42o
>>208
なに、肉じゃがにはニンジンが入ってるのが普通なのですか……え、マジで?


223 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/21(土) 21:29:23.00 ID:0BpK17o0
……なん、だと……?ニンジン入ってるのが普通じゃないの!・
えっ?えっ?どっち!?


ちなみにうちの肉じゃがにはこんにゃくも毎回入ってる。



224 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/21(土) 22:00:25.32 ID:5cPyW42o
>>223
「肉じゃが」で画像検索したら、多くはニンジンが入ってた……すいません
ちなみに、ウチのカーチャンが作る肉じゃがは豚肉、じゃがいも、糸こん、グリーンピースですた


それでは、始めさせていただきます
今回はきぬはた荘住人それぞれの休日をお送りします



225 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/21(土) 22:01:29.31 ID:5cPyW42o


 きぬはた荘オープンから1ヶ月

 部屋は10日ほどで満室となり、その後も大きなトラブルが発生することなく

 むしろ住人同士の親睦も徐々に深まり、静かな日常を送っていた

 ここでは、とある大能力者達の日常を垣間みれる



226 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/21(土) 22:02:16.56 ID:5cPyW42o

~某日夜 滝壺個室~


絹旗「滝壺さん、浜面に会いに行ってみませんか?」

滝壺「はまづら……」

絹旗「1ヶ月経ちますし、そろそろ面会ぐらい行ってやるのも良いかと」

滝壺「元気にしてるかな」

絹旗「超浜面は原子炉に放り込んでも死なないから、きっと大丈夫ですよ」

滝壺「でも、寂しがってるかも」

絹旗「だから、ここいらで超美少女二人の顔を見せにいってやるんです」

滝壺「………よし」



227 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/21(土) 22:03:25.59 ID:5cPyW42o

<ゴソゴソ


絹旗「滝壺さん?」

滝壺「前にむぎのがプレゼントしてくれたこれを着てく」

絹旗「…………バニー、ですか?」

滝壺「うん」

絹旗「滝壺さん! お願いですぅ! 超思い直してください!」

滝壺「はまづらのためだから」

絹旗「麦野も何をプレゼントしてやがるですか! あんのエロ魔殿が!」

滝壺「……ああ、そっか。きぬはた、大丈夫だよ」

絹旗「分かって頂けたようでな 「はい、これ」

滝壺「きぬはたのもあるから」

絹旗「」

滝壺「赤と黒、どっちがいい?」

絹旗「……む、むぎのぉぉぉぉぉぉ!!!」



228 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/21(土) 22:04:25.82 ID:5cPyW42o

~同時刻 結標個室~


<ムギノォォォォォォ


結標「……賑やかな夜ね」


<コンコン


結標「鍵なら開いてるわよ」


<ガチャ


番外個体「やっほう、お邪魔します」ヒョコッ

結標「いらっしゃい、適当にかけてちょうだい」

番外個体「ゴメンね、こんな時間に。あ、これお土産の缶コーヒー」コトン

結標「あら、いただくわね。……貴女、ブラックが好みなの?」カシッ

番外個体「……うん、恩人っていうか、ある人の影響でね」カシッ

結標「(……まさか、ね) で、どうかしたの?」

番外個体「相談があって、さ。一番頼みやすそうなのがあなただったから」



229 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/21(土) 22:05:17.20 ID:5cPyW42o

結標「相談? 私に出来ることだったらいいんだけど」

番外個体「あ、大したことじゃないんだ。その、買い物に付き合ってくれないかな」

結標「買い物?」

番外個体「うん、ミサk……私、着る物をあまり持ってないんだ。
       買おうにも、お店の場所とかこっちの子が着る服とか分からなくて」

結標「あぁ、それで私に一緒に来いってことね」

番外個体「そういうこと。あなたなら年齢も近そうだったし……駄目かな?」

結標「お安い御用よ。なんなら、私の趣味でいいなら見立ててあげるわ」

番外個体「ホント?」パァ

結標「(この子、笑うと結構可愛いのよね) さっそく明日なんてどう?」

番外個体「全然問題ナシだよ」

結標「じゃ、今日はさっさと休まないと。……ふふ、缶コーヒーは失敗だったわね」



230 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/21(土) 22:06:30.37 ID:5cPyW42o

~同時刻 白井個室~


婚后「白井さん、相談があるのですけれど」

白井「貴女から相談なんて珍しいですわね。どうされましたの?」

婚后「今度、調理実習でパンを作ることになりましたのよ」

白井「まあ、随分と手の込んだことですの」

婚后「この家には立派なオーブンがあったので、是非予習しておきたいのですが……」

白井「問題ないと思いますの」

婚后「たしか、明日の夕食当番は白井さんでしたわよね?」

白井「……あっ、言われてみれば」

婚后「それで、もしよろしければご一緒しませんこと? パンは夕食として献上いたしますわ」



231 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/21(土) 22:07:24.19 ID:5cPyW42o

白井「うーん……明日は特に予定もございませんし。いいですわ、お付き合いいたしますの」

婚后「ありがとうございます♪」

白井「それで、どんなパンをお作りに?」

婚后「特に指定はございませんの。ですので、白井さんのリクエストにお応えしますわ」

白井「リクエストですの?……では、わたくしが愛してやまないクロワッサンを」

婚后「クロワッサンですか……難易度が高そうですわね」

白井「それぐらいしないと、見劣りしますわよ?」

婚后「うーん……そういえば、御坂さんはカエルパンを作ったらしいですわね」

白井「……カエルパン?」

婚后「ええ、カエルのキャラクターの形をしたパンだとか」

白井「お姉様……」ハァ



232 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/21(土) 22:08:22.99 ID:5cPyW42o

~翌朝 朝食後~


海原「では、僕はちょっと出かけてきます。夕方には戻りますので」

白井「あら、お出かけですの?」

海原「ええ、親しい知人が病院にいるので、お見舞いに」

結標「知人なんて白々しい。可愛い妹じゃない」

婚后「妹様が? あらあら、大変でございますわね……」

海原「妹分ですよ。可愛いことは可愛いですが、血のつながりはありません」

番外個体(訳アリ兄妹……)

結標「"お兄ちゃん"って呼ばせてるくせによく言うわね」

海原「ははは……えっ?」



233 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/21(土) 22:09:26.66 ID:5cPyW42o

番外個体「隅におけないなあ、お兄ちゃん☆」

絹旗「お兄ちゃん☆」

滝壺「おにいちゃん」

白井「気を付けて行ってらっしゃいませ、お兄様♪」

婚后「お兄様♪」

結標「あら、大人気ね、お兄さん♪」

海原「あっ、あの、えっ?……あ、えっと、それでは行ってきます」シュタッ

番外個体「フヒヒ、見た今の顔」

絹旗「超照れ顔でした」ニヤニヤ

結標「みんなしてからかいすぎよ」クスクス



234 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/21(土) 22:10:25.97 ID:5cPyW42o

滝壺「きぬはた、私達もそろそろ行こう」

絹旗「そうですね、そろそろ丁度いい時間でしょうか」

結標「あら、貴女達もお出かけ?」

絹旗「面会に行ってきます」

番外個体「ああ、滝壺さんの彼氏だっけ? お勤めに出てるって」

滝壺「うん、だから応援しに行ってくる」

白井「待ち続ける滝壺さん……なんと健気ですの」

婚后「彼氏さまはどのような殿方ですの?」

滝壺「ばかだけど、かっこよくて逞しくて肝心なときに傍にいてくれて……///」ホワーン

絹旗「彼女補正込みです」

結標「余計なこと言わないの」



235 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/21(土) 22:11:22.35 ID:5cPyW42o

滝壺「夕飯までにはもどるね」

絹旗「超いってきます」ピッ

他全員「いってらっしゃい」ノシ

 :
 :
 :

結標「それじゃ、私達もそろそろ行きましょうか」

番外個体「準備おっけー」

白井「んなっ?!(ポニー?! ポニーテールですの?! なんたる破壊力!)」

婚后(なんか白井さんの様子がおかしいですわ)

結標「夕方までには戻るわね」

番外個体「行ってくるねー」ノシ

婚后「行ってらっしゃいませ」

白井「ハァハァハァハァハァハァハァハァ大きいお姉様ハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァ」



236 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/21(土) 22:12:31.99 ID:5cPyW42o

婚后「白井さん、現実にお戻りになって」ペシペシ

白井「はっ、わたくしはいったい」

婚后「さ、わたくし達も準備いたしましょう」



~きぬはた荘1階 キッチン~


白井「材料は揃ってますの?」

婚后「流石にイーストはありませんわね……小麦粉も、残りの量が不安ですわ」ゴソゴソ

白井「では、まずはお買い物ですわね」

婚后「言い出しておいてなんですけれど、イーストなんて近所で売ってますかしら」

白井「行ってみなければ分かりませんわよ。どの道、イーストがないと先に進まないでしょう?」

婚后「確かに……では、わたくし達も出掛けましょうか」



265 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/22(日) 22:16:28.65 ID:/MM6mL6o

~タクシーで移動組~


海原(何を買っていきましょうか……)

海原(前に暇つぶしにと女性誌を買っていったら、気に入った様子でしたね)

海原「あ、次の交差点を右にお願いします」

海原(そういえば、日本の和菓子は美味しいって言ってましたね)

海原(えびせんでも買っていきましょうか、どっさりと)

海原「あ、そこを左で」

海原「え? 言わなくても大丈夫ですか? これは失礼しました」

海原「…………」

海原(気まずい)



266 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/22(日) 22:17:04.54 ID:/MM6mL6o

~モノレールで移動組~


滝壺「♪」←はまづらに会えるので超ご機嫌の滝壺さん

絹旗(バニーでモノレールとかいうどこぞの未来人みたいなプレイは回避できました……しかし……)

滝壺「きぬはた、何か買っていったほうがいいのかな」

絹旗「差し入れってヤツですか? 菓子折あたりが無難かと思いますけど」

滝壺「暇そうだから本とかどうかなって思ったんだけど」

絹旗「浜面が超大好きなジャンルの本は没収されるでしょうね」

滝壺「うん、だから"俺と猫とAIM拡散力場"とか。あれ面白かった」

絹旗「浜面には難しいのでは……」

滝壺「ちょっと難しいぐらいが丁度いいんだよ」

絹旗「まあ、途中で本屋に寄って適当にチョイスしてやりますか」



267 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/22(日) 22:18:14.50 ID:/MM6mL6o

~バスで移動組~


結標「ポニーテールなんて珍しいわね」

番外個体「変かな? 髪が伸びてきて、邪魔だったからさ」

結標「似合ってるわよ。このうなじとか溜まらないじゃない」ツツー

番外個体「ひゃぅっ?! ちょ……ダメ……」ゾクゾク

結標「それにしても、貴女肌が白いのね……あら?」

番外個体「ふにゃ……><」ブルブル

結標(首から後頭部にかけて傷痕? これって手術痕よね……)

番外個体「も、もうやめてよ……」

結標「あ、ゴメンなさい。反応が可愛くて調子に乗っちゃったわ」

番外個体「次やったら釘飛ばす……」

結標「(きっと訳アリなのね、この子も)お詫びに、あとで甘いモノを奢ってあげるわよ」



268 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/22(日) 22:19:09.93 ID:/MM6mL6o

~徒歩で移動組~


婚后「規模の大きいスーパーに行けば、イーストもあるでしょうか」コツコツ

白井「行かなければ分かりませんの」トテトテ

婚后「スーパーになければ……あとは……」

白井「もしかしたら薬局にあるかもしれませんわね」

婚后「その発想はありませんでしたわ」

白井「では大きなスーパーに薬局に、とりあえずまわってみますの」

婚后「なんだか悪いですわ……買い物まで付きあわせてしまいまして」

白井「乗りかかった船ですの、お気になさらず」

婚后「これは気合を入れて、美味しいものを仕上げないといけませんわね」



269 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/22(日) 22:20:10.30 ID:/MM6mL6o

~第7学区 とある病院~


海原「ショチトル、具合はいかがですか?」

ショチトル「……問題ない」

海原「もし外出の許可がおりるなら、たまには外食などどうですかね?」

ショチトル「……考えておく」

海原(なんか機嫌が悪いですね)

ショチトル「…………」

海原「そういえば、差し入れた故郷の服はどうでしたか?」

ショチトル「悪くはなかった。だが、看護師さんに笑われたので着ていない」

海原「物珍しかったのでしょうね、きっと」

ショチトル「…………エツァリ、聞きたいことがある」

海原「なんでしょう?」



270 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/22(日) 22:21:25.83 ID:/MM6mL6o

ショチトル「少し前から6人の女性と同居しているらしいが、本当なのか?」

海原「えっ?」

ショチトル「数日前、朝起きたらドアに手紙がさしてあった。誰からなのか分からないが……」ガサガサ

海原「えっ? えっ?」

ショチトル「この手紙によると……"海原は6人のおにゃのことひとつ屋根の下だにゃー"」

海原「」

ショチトル「"ロリ、脱力系女子、ツインテお嬢様、高飛車お嬢様、ビリデレ、ショタコンと
       選り取りみどりだにゃー、ハハハ、裁かれろ"……とあるが」

海原(こんなことしたのは誰だぁぁぁぁぁぁぁ!!!!)

ショチトル「両手に花どころか、両手両足でもまだ余るな。どの人が本命なんだ?」

海原「いや、それはですね、結果的にそうなったというかですね」ダラダラ

ショチトル「"結果的にそうなった"ということは、この手紙に書いてあることは真実か」

海原「」

ショチトル「とにかく、詳しく話を聞かせてもらおうか(#^ω^)」

海原(あ、この顔は知ってる。すごく怒ってるときの顔だ)



271 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/22(日) 22:22:14.56 ID:/MM6mL6o

~第10学区 留置所 面会室~


浜面「いやぁ、悪いな! 来てくれるなんてな!」

滝壺「はまづら、元気そうでよかった」

浜面「お前も元気そうでなによりだぜ。少しでも早くここを出れるように頑張るからな!」

滝壺「うん、私、はまづらのこと応援してるから」

浜面「お前のためなら、どんなに辛くても切り抜けられるぜ!」キラッ☆

滝壺「///」



絹旗「警備員さん、この部屋空調が超効きすぎです」パタパタ

警備員「ははは、あついあつい」パタパタ



272 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/22(日) 22:23:12.66 ID:/MM6mL6o

滝壺「それでね、これが着替え、あと差し入れ」

浜面「あー、悪いけどあとで窓口で手続きしてくれないか? 検品とかもあるらしくてな」

絹旗「まったく、超めんどいですね」

滝壺「……でも、窓口で手続きできないのもあるの」

浜面「?」

滝壺「きぬはた」

絹旗「ううう……超マジでやるんですか?」

滝壺「うん。超マジ」

絹旗「くぅ……そりゃ私も深夜のテンションで乗ってしまいましたけど、でも……」


 プチ プチ


浜面「た、滝壺さん?! なんで服を脱ごうとしてるのでせうか?!」

警備員「ちょ、君、なにを……」



273 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/22(日) 22:24:17.47 ID:/MM6mL6o

絹旗「……ここで滝壺さんだけやらせる訳には超いきませんね……浜面!!」

浜面「は、はい!」ビクゥ

絹旗「この絹旗サマの一世一代の大舞台です! 目を逸らしたら超許しませんからね!」


 シュル バサッ


浜面「絹旗まで?! おいやめろ! 政府勢力に目付けられるぞ!」

警備員「」ポカーン

浜面「おまっ、それ……まさか家から着てきたのか……」

滝壺(白バニー)「あとは耳をつけて完成」スポッ

絹旗(赤バニー)「うぅぅ……超どうしてこうなった」スポッ



274 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/22(日) 22:25:18.19 ID:/MM6mL6o

浜面「」

滝壺(白バニー)「どう、はまづら? もっと元気でたでしょ?」

絹旗(赤バニー)「もうどうにでもなーれ……」モジモジ

警備員「」

浜面「」

滝壺(白バニー)「はまづら?」

浜面「ふにゃー」ブシューーーーーーッ

絹旗(赤バニー)「ばっ……何鼻血だしてやがるんですか! バカ面!」

警備員「……はっ、私はいったい……こ、これは?! いかん! この出血量はまずい!」

滝壺(白バニー)「はまづら、倒れちゃったけどすごくいい笑顔」

警備員「衛生兵! 衛生兵! あと君たちもなんて格好してるんだ! 早く着替えなさい!」ポタポタ

絹旗(赤バニー)「あなたまで鼻血出さないでください! 言われなくても超着替えてやります!!」



275 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/22(日) 22:26:24.57 ID:/MM6mL6o

~第7学区 セブンスミスト~


番外個体「わあ、すっごい……」キョロキョロ

結標「こういうお店は初めてなの?」

番外個体「うん、ここまでの規模なのは初めて」キラキラ

結標(あーもう、さっきから可愛いなぁ)

 :
 :
 :

結標「それで、貴女はどんな服が好みなの?」

番外個体「うーん……好みって言われても」

結標「聞き方を変えるわね。どんな服を着てみたい?」

番外個体「モノトーンとかいいかも。あと、動きやすいのがいいかな」

結標「そうね、貴女スレンダーだし上背もあるから、可愛い系よりはシックな方がいいわね」



276 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/22(日) 22:27:19.82 ID:/MM6mL6o

結標「ほら、このタンクトップなんかどう?」

番外個体「背中の蜘蛛の巣の模様がいい感じだね」

結標「だったらほら、試着してみる」


シャッ


<バサッ
<ゴソゴソ


番外個体『……ねえ、結標さん』

結標「サイズは大丈夫?」

番外個体『これ、すっごい短いんだけど。へそ丸出しなんだけど』

結標「出してナンボよ」

番外個体『そ、そうなの?』



277 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/22(日) 22:28:13.28 ID:/MM6mL6o

結標「ねえねえ、さっきのタックトップにこのショートパンツ合わせてみなさいよ」

番外個体「う、うん」


<バサッ
<ゴソゴソ


番外個体『ねえ、布の面積が少ないよこれじゃ』

結標「何言ってるの、まだ多い方よ」

番外個体『いや、ミサk……私としてはもうちょい落ち着いた方が……』

結標「いいから一回見せてみなさい」シャッ

番外個体「わっ?! 急に開けないでよ!」

結標「……貴女、細いのね。なにこのウェスト、羨ましすぎてムカついてきたわ」

番外個体「ちょっ、とりあえずこれは保留!」シャッ

結標「何よ、見せても恥ずかしくないものを持ってるのに」

番外個体『いや、恥ずかしいよ』ゴソゴソ



278 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/22(日) 22:29:15.77 ID:/MM6mL6o

~第7学区 某スーパー~


白井「という訳でやってきましたの」

婚后「普段こういったお店に来ないので……なんだか新鮮ですわ」キョロキョロ

白井「ささ、目的のものを探しましょう」

婚后「まあ白井さん! 見てくださいまし! お肉がこんなお値段で売ってますわ!」

白井「? ええ、売ってますわね」

婚后「不自然に安すぎですわ……いったい何のお肉なのでしょう」

白井「牛ロースと書いてありますが」

婚后「牛ロース? ありえませんわ、このお値段は。きっと偽装ですのよ。なんてお店なのかしら」

白井「……婚后さん、店員さんがイタイ視線を送っておられるので、どうかその辺で……」ダラダラ



279 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/22(日) 22:30:38.18 ID:/MM6mL6o

 :
 :
 :

白井「婚后さん、イーストがありましたの」つ□

婚后「ドライイースト?」

白井「ドライイーストですの」

婚后「ドライじゃないイーストもございますの?」

白井「……さあ?」

婚后「……まあ、パン用って書いてありますし、きっと大丈夫ですわね」

白井「あとは小麦粉ですわね」

婚后「ストックもないようですし、多めに買いましょう」

白井「そうでs……(?! この感じ……お姉様拡散力場!)」

白井「あっちですの!」ダダダダダ

婚后「え? あっ、白井さん、お待ちになって!」



280 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/22(日) 22:31:29.26 ID:/MM6mL6o

白井「確かにこっちの方か……ら……」

 :
 :
 :

白井「…………」

婚后「はあはあ……白井さん、こっちはお魚のコーナーですわ。小麦粉は……」

白井「婚后さん」

婚后「は、はい?」

白井「はやく材料を調達して、家でパンを焼きますの」

婚后「白井さん……?」

白井「何か別なものに打ち込まないと、わたくし……お姉様の幸せを邪魔してしまいますの……」

婚后(何を見てしまったのでしょうか……)



281 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/22(日) 22:32:24.91 ID:/MM6mL6o

~第7学区 とある病院 ロビー~


海原「あいたたたた」

海原「ははっ、顔にモミジが出来てしまいました」

海原「まあ、どうにか分かってもらえましたし……よしとしましょう」

海原「お見舞いのお菓子と雑誌も受け取ってもらえましたしね」

海原「さて、そろそろ戻りますか」

海原「不機嫌なのはそのままですから、ご機嫌をとりませんと」



~その頃病室~


ショチトル「……」

ショチトル(こんな怪しい手紙、嘘だと思いたかったのに)グシャ

ショチトル「お兄ちゃんのバカ……」



282 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/22(日) 22:33:24.55 ID:/MM6mL6o

~第10学区 某飲食店~


絹旗「」ポケー

滝壺「きぬはた、食べないの」

絹旗「あっ、食ぶ、食べます」

滝壺「……」

絹旗(うう、人前でバニー……今になって超恥ずかしくなってきました)

滝壺「きぬはた、ゴメンね、付きあわせちゃって」

絹旗「いっ、いえ、浜面のニヤけたアホ面が見れたんで超OKです!」

滝壺「うん……はまづら、喜んでた」ホワーン

絹旗(愛されてますよね……滝壺さんを泣かせたらメガトンパンチの刑ですよ、浜面)



283 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/22(日) 22:34:23.40 ID:/MM6mL6o

滝壺「でも、はまづらのためと言っても」

絹旗「?」

滝壺「冷静になってみると、人前であんな格好はちょっと恥ずかしかった///」

絹旗(シェイクスピアの劇でありましたね、なんでしたっけ)

滝壺「むー……」ホワホワ

絹旗(確か"恋は盲目であり、恋人たちは自分たちが犯す愚行に気づかない")

絹旗(世のバカップルを超的確に表現してますよね)

滝壺「とりあえず、きぬはたは早く帰って着替えないとね」

絹旗「そうですね。服の下とは言え、超落ち着かないです」モジモジ



284 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/22(日) 22:35:45.04 ID:/MM6mL6o

 :
 :
 :

浜面「あの二人は何をやっておるか……」

浜面「気持ちはすんげえ嬉しいけどさ、ここでの俺の立場を危ういものにしてるってのよ」

浜面「……滝壺が白バニー、絹旗が赤バニー」

浜面「絹旗とか胸がスカスカだったぞ……サイズあってねえじゃねえか」

浜面「滝壺は……うん」

浜面「(ツー)あっ、やべ、また鼻血だ。誰か噂でもしてんのか」

浜面「……くそ、悶々としてきた」

半蔵「お前さっきから何ブツブツ言ってんだよ」

浜面「なあ半蔵、バニーは真理だな」

半蔵(とうとうイカれちまったのか?)



285 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/22(日) 22:36:34.11 ID:/MM6mL6o

~第7学区 セブンスミスト内 カフェテリア~


番外個体「♪」

結標「その顔を見る限り、今日は満足なお買い物ができたようね」

番外個体「うん、すごい感謝してる。ちゃんとお礼しないとね」

結標「お礼ね……だったらさ、私の相談も聞いてくれない?」

番外個体「?」

結標「料理を教えてほしいのよ、本格的に」

番外個体「料理? ミサk……私、純和食とかはよく知らないけど、それでもいいかな」

結標「人が倒れないレベルになれるならなんでもいいわ」

番外個体(あ、気にしてるんだ)

結標「どうかしら……?」

番外個体「断る理由はないよね?」

結標「ありがとうね、色々とお世話になるわ」



287 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/22(日) 22:37:28.82 ID:/MM6mL6o

番外個体「!」ピンポン

番外個体「ねえ、折角だから。もう一つ買いたいものができた」

結標「? なにかしら」

番外個体「フヒヒ」

 :
 :
 :

番外個体「買ってきた?」

結標「ええ、バッチリよ」

番外個体「はい、じゃあどうぞ」つ□

結標「貴女もね」つ□

番外個体「ね、開けていい?」ガサゴソ

結標「どうぞ。エプロン買って交換なんて、粋なこと思いつくわね……って」ガサゴソ

番外個体「気に入ったかにゃーん?」ニヤニヤ



288 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/22(日) 22:38:42.30 ID:/MM6mL6o

結標「ちょっと、ハザードシンボルってどういうことよ。 何が言いたいの?」

番外個体「べっつにィ~? ( ゚3゚)~♪」

結標「うう……いつか見返してみせるんだからね……!」

番外個体「さて、ミサk 私のは……うっ」

結標「お気に召したかしら?」

番外個体「なに、このイタイ新婚さんがつけてるようなフリフリエプロン」

結標「普段から眼光鋭い貴女にはよく似合うと思って♪」クスクス

番外個体「むぅぅ……人が気にしてることを……」

結標「お互い様じゃない」

番外個体「着てやるとも……これが似合う女の子になってやる……」



289 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/22(日) 22:39:47.48 ID:/MM6mL6o

~きぬはた荘1階 キッチン~


白井「予定より遅くなりましたが、超始めますの」フンス

婚后(気のせいでしょうか、最近ここの皆さんに絹旗さんが感染ってきてるような)

白井「まずは何からしますの?」

婚后「まずは生地作りですわね。ボウルを用意しまして……」ゴトン

白井「>>1の実体験によりますと、小麦粉、牛乳、イースト、砂糖を混ぜて混ぜて混ぜて……」

婚后「小麦粉ですわねってあ」ツルッ ボサッ


ボワボワボワボワ


婚后「ケホッ……やってしまいましたわ」

白井「出始めからこんな……あ、婚后さん、動かないで下さいまし、静電気が……」

婚后「静電気……?」

白井「下手に動きまわると、余計に粉が舞い上がりますの……それに、粉塵爆発ってご存知?」

婚后「」ゾクッ



290 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/22(日) 22:40:49.12 ID:/MM6mL6o

 :
 :
 :

婚后「小麦粉を多めに買っておいて正解でしたわね」

白井「気を取りなおして、生地作りですの」

婚后「だいぶ固まってきましたわね……ここからは力仕事ですわ」ゴネゴネ

白井「……婚后さん、お疲れではなくて? 交代いたしましょう」

婚后「ではお願いしますわね」

白井「類人猿!(バコォン)類人猿!(ベチィン)類人猿!(メメタァ)」

婚后(なんという迫力……ですが、類人猿?)



~しばらく後~


白井「」ドカドカドカドカドカドカドカ

婚后「し、白井さん。もうその辺にして、次の段階に移りましょう」



291 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/22(日) 22:41:50.55 ID:/MM6mL6o

白井「はあ、なんだか清々しい気分ですの」

婚后「次は発酵でしたわね。ケースに入れて……と」

 【生地】パコン

白井「どれぐらいかかりますの?」

婚后「ええと……30分ほどとありますわね」

白井「では、休憩も兼ねてお茶にいたしましょう」



~30分後~


白井「……なんですの、これは」

 【  生  地  】<ハーイ

婚后「わたくし達が作った生地って、こんなにありましたか……?」

白井「きっと、これが発酵パワーですの」ガクブル

婚后「生地は生きているということは実感いたしますわ」ガクブル



292 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/22(日) 22:42:53.16 ID:/MM6mL6o

~なんだかんだで焼く段階~


婚后「オーブンの温度は190度……準備よくてよ」

白井「では、投入いたしますの」ガコン バタン

婚后「あとは焼き上がりを待つだけですわね」

白井「形はクロワッサンになりましたが……出来上がらないと味は分かりませんの」


<ギィィィィィ バタン


海原「ただいま戻りました。なんだかいい匂いがしますね」

婚后「ええ、パンを焼いてますの。今夜の夕食に出ますのよ」

海原「おお、これは楽しみですね。腹を空かせて帰宅した甲斐がありました」

白井「そのパンに見合うメニューにしないといけませんわね……そろそろ夕食の準備も始めませんと」

婚后「ところで、そのお顔はどうされましたの? 手形?」

海原「ははは、裁かれました」



293 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/22(日) 22:43:44.25 ID:/MM6mL6o

~帰りのモノレール~


滝壺「」ウトウト

絹旗「」ムズムズ

絹旗(超落ち着きません……!)

絹旗(今朝からですからね……流石に長時間着続けるモノではありませんね)

滝壺「」スピー

絹旗(替えのインナーを忘れてくるなんて……私の超バカバカバカ……)

滝壺「むー……」コテン

絹旗「はっ」

滝壺「」スピー

絹旗「……超今回だけですからね」



294 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/22(日) 22:44:28.70 ID:/MM6mL6o

~帰りのバス~


結標「疲れた疲れた。なんだかんだ言って、私も楽しんじゃったわね」

番外個体「私で遊んでた、の間違いじゃないの?」

結標「なかなか言うわね、貴女も」

番外個体「結標さんには負ける気がするけどね」

結標「……ねえ、名前で呼び合わない? 貴女とは仲良くやれそうな気がするのよね」

番外個体「……ええと、淡希さん? だっけ?」

結標「"さん"はなくてもいいわ、真琴」

番外個体「淡希……なんかムズ痒い」

結標「なんか久しぶりだわ、この感覚」

番外個体「」クスクス

結標「」クスクス



296 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/22(日) 22:45:27.25 ID:/MM6mL6o

~夕暮れの第7学区~


滝壺「あれ? むすじめとみさわだ」

絹旗「え? おお、偶然ですね。おーーい」ノシ

結標「あら、貴女たちもお帰り?」

絹旗「はい、超お帰りです」

滝壺「みさわは外に出る時はいつもサングラスなんだね」

番外個体「え? う、うん、まあね」

結標「自分の目付きを気にしてるのよね」

番外個体「……うるさい」ムスー

滝壺「ねえ、ちょっと貸して」

番外個体「あ、うん、どうぞ」

滝壺「どう、似合う?」スチャ

絹旗「滝壺さんらしさがないですね」

滝壺「むぅ」



297 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/22(日) 22:46:17.09 ID:/MM6mL6o

~きぬはた荘1階~


番外個体「ただいまー」

結標「ただいま」

絹旗「ただいま戻りました……私はちょっと部屋に」ソソクサ

滝壺「……なんかいい匂い」スンスン

婚后「あら、みなさん。お帰りなさいまし」

海原「おや、皆さんご一緒でしたか」

結標「偶然出会ってね」

滝壺「あれ? しらいは?」

婚后「夕飯の支度をしておりますわ」

番外個体「夕食まで時間あるよね。ちょっと荷物の整理を……」パタパタ

結標「あ、ちょっと。私も混ぜなさいよ」パタパタ



298 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/22(日) 22:48:05.92 ID:/MM6mL6o

~夕食~


海原「お、これがお話にあったパンですか。美味しそうな焼き色ですね」

白井「パンに合わせて、夕食はシチューにしましたの」

婚后「白井さんとわたくしで作りましたのよ。お口に合うとよろしいのですが……」

結標「ふーん、器用なのね……あら美味しい」

番外個体「」パク サクサクサク ムグムグムグ

絹旗「」ムグムグムグムグ

滝壺「おいしいのは伝わってきたけど、感想は言ったほうがいいよ」

婚后「お気に召したようで、良かったですわ」ホッ

白井「ま、わたくし達なら当然……と言いたいところですが。やりましたわね、婚后さん」ハイタッチ

婚后「お付き合い頂いて感謝してますわ、白井さん」ハイタッチ



299 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/22(日) 22:49:00.20 ID:/MM6mL6o

今回はここまでです
次回投下は今のところ未定です、間が空くようでしたら当スレにてご連絡致します
次回は学園都市の学生なら誰でも経験するであろう行事をお送りする予定です

それでは、これにて


302 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/08/22(日) 22:59:07.38 ID:BrmNVASO
超乙です!!!


304 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/22(日) 23:04:44.84 ID:HUrdRvko
野郎共の和気藹々も良いがこれも最高っす
涙出てくるっす



305 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/22(日) 23:08:49.24 ID:IGA1DoDO
結局、面白いわけよ!

…天国からでした。



307 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/23(月) 00:10:46.73 ID:TN3Br2DO
絹旗が1日着たバニースーツをクンカクンカしたいと思ったのは俺だけじゃないはず……と信じたい


308 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/08/23(月) 00:13:08.78 ID:zUYQUAAO
>>307 その発想は無かった


310 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/23(月) 00:20:09.29 ID:HT8ygcSO
>>307オレなら着てる


348 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/25(水) 21:07:11.78 ID:QCQRG02o
始めさせて頂きます
今回は学生なら(多分)誰でも受けるもの、身体検査のお話です



349 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/25(水) 21:08:34.66 ID:QCQRG02o

~某日早朝 絹旗個室~


絹旗「スカートの長さは……よし、こんなもんですね」

滝壺「きぬはた、すごい可愛い」

絹旗「滝壺さんも超似合ってますよ」

滝壺「変じゃないかな? すごい久しぶりに着たけど」ヒラヒラ

絹旗「完璧です。溜息がでる可憐さです」

滝壺「ありがと。……なんか緊張するね。在籍っていっても、管理書類上の話だったし」

絹旗「これまでは研究所でやってもらえてたんですけどね。アイテムも活動休止ですし。
    "上"も戦争の後遺症で資金が超カツカツらしくて、そこまで面倒見きれないらしいです」

滝壺「私たちも"返品"されちゃったしね」

絹旗「一昔前なら"処分"だったんですけどね。超ありがたいことです」



350 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/25(水) 21:09:27.79 ID:QCQRG02o

~きぬはた荘1階 リビング~


滝壺「おはよう、みさわ」

絹旗「おはようございます、ミサワさん。私達にも珈琲をくれると超嬉しいです」

番外個体「あ、おはよ。ちょっと待ってね……って、どうしたの二人とも?」

結標「あら、やっぱり貴女達も制服なのね」

番外個体「あれ、淡希まで? 今日仮装パーティでもあるの?」

結標「身体検査よ。普段訳ワリで登校してない生徒も、この日ばかりは別なの」

絹旗「おや? 滝壺さんと結標さんの制服、もしかして同じですか?」

結標「そうみたいね……正直私も驚いたわ」

滝壺「むすじめも霧ヶ丘女学院だったんだね」

番外個体「そういう絹旗さんの制服も、あの二人と同じように見えるけど?」

絹旗「あの二人?……って、あああ!」



351 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/25(水) 21:10:18.72 ID:QCQRG02o

白井「おはようございますの」

婚后「おはようございますわ、朝から賑やかですわね」

絹旗「Σ」

白井「……絹旗さん? そのお召し物は常盤台の……」

絹旗「あ、えっと」

婚后「もしや、今日から常盤台に編入なのですか?」

絹旗「いえ、元々常盤台の生徒ですよ。研究協力(嘘)で殆ど登校してませんけど」

婚后「あら、正直意外ですわ」

白井「まあまあ、そういうことでしたら、みんなで一緒に行きますの」

絹旗(うぅぅ……やっぱりこうなった……みんなで登校なんて超緊張します)



352 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/25(水) 21:11:22.31 ID:QCQRG02o

~今日はみんなで朝食~


結標「真琴は身体検査ないの?」

番外個体「うーん、今はどこにも籍おいてないし、ないんじゃない?」

結標「帰国子女は一味違うわね」

番外個体「ただのニートだよ」

滝壺「むすじめ、霧ヶ丘はここから遠いから。そろそろ出ないと」

結標「え? あら、もうこんな時間……それじゃ行きましょうか」

滝壺「おー」

番外個体「いってらっしゃーい」ノシ

白井「少々早いですが、わたくし達も参りましょうか」

婚后「そうですわね。たまにはのんびり歩くのも悪くないですわ」

絹旗「あ、もう出ますか、そうですか(心の準備が……)」



353 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/25(水) 21:12:28.11 ID:QCQRG02o

白井「行ってまいりますの」

婚后「行ってまいりますわ」

絹旗「ミサワさん、超申し訳ありませんが食器の片付けと留守番をお願いします」

番外個体「はいよー」ノシ

海原「みなさん行ってしまいましたね」

番外個体「あ、海原さん。おはよう」

海原「いや、僕はミサワさんの次に起きたんですけどね。とても話に入れませんでした」

番外個体「海原さんもないんだ、身体検査」カチャカチャ

海原「ええ、ないですよ。あ、僕も手伝いましょうか」

番外個体「いいよいいよ。その代わり、あとで付き合ってよ。暇なんだよね?」

海原「お安い御用です」



354 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/25(水) 21:13:29.79 ID:QCQRG02o

~霧ヶ丘組~


結標「ねえ、滝壺さん」

滝壺「?」

結標「たしか貴女って、身体壊して能力使えないんじゃなかった?」

滝壺「うん。でも、完全に無能力って訳じゃないの。なんていうのかな、本気モードになれないだけ」

結標「あら? そうなの? よかった、ちょっと心配だったのよ」

滝壺「心配?」

結標「ほら、ウチの学校って能力開発に力いれてるでしょ?
    過去には、能力が使えなくなって退学になった生徒もいるぐらい」

滝壺「私も退学になるかも、って思った?」

結標「そういうことね」

滝壺「ありがとう、むすじめ。でも大丈夫だよ」ギュゥ

結標「ちょ、ちょっと抱きつかないで、場所考えなさいよ///」



355 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/25(水) 21:14:31.59 ID:QCQRG02o

~常盤台組~


白井「今回こそは評価を上げたいところですの」

婚后「平時より鍛錬を積むことにより……といっても、わたくしも伸びやんでますわ」ハァ

白井「レベル4になってからが長いですわね……絹旗さんもそうでなくて?」

絹旗「まあ、私は人生初検査でレベル4でしたので長いっちゃ超長いですね」

白井「まぁ……天才型でしたのね」

絹旗「……ええ、そんなところですね……」

婚后「(……なにやら不穏な空気ですわね)
    そういえば、絹旗さんの能力……"窒素装甲"でしたかしら? どんなことができますの?」

絹旗「超端的にいうと、窒素を操る能力です」

婚后「ぜひ拝見させていただきたいですわ♪」

絹旗「大した芸はないですよ、こんなことができるぐらいです」ヒョイ

婚后「え? ええ?!」

白井「車を軽々と……!?」

絹旗「あ、ここ路駐禁止区域ですね。ついでに片付けてやりましょうか」ポイッ

白井婚后「」



356 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/25(水) 21:15:25.02 ID:QCQRG02o

~その頃 きぬはた荘~


番外個体「やった、迅竜の天鱗ゲット」

海原「おめでとうございます。次は僕のリクエスト、古龍の大宝玉ですね」

番外個体「何倒せば出るんだっけ」



~霧ヶ丘女学院~


結標「じゃ、私は向こうだから」

滝壺「うん、また後でね」

結標「……(あの方向は特別教室? 特殊な機材とか必要なのかしら)」

結標「おっと……人の心配ばかりしてられないか」

結標(前よりはマシとはいえ……嫌なこと思い出しちゃうわね)



357 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/25(水) 21:16:40.06 ID:QCQRG02o

~霧ヶ丘女学院 第2グラウンド~


計測係「まずは最大重量、最大距離、平均転移時間の3点を計測します。
     体調に著しい変化が見られた場合はすぐに申告してください」

結標「はいはい。さっさと始めましょ」

計測係「では、最大重量計測から始めます」

結標(1000kg以上だと腰にくるのよね……)

 :
 :
 :

計測係「計測完了です。最大重量4520kg、最大距離802M、一度の転移に要する時間は平均0.9秒」

結標(ここまでは現状維持か……まあまあってところね)

計測係「次はご自身を連続で複数回転移して頂きます。昼休み後に再開です」

結標(ここからが正念場ね……)



358 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/25(水) 21:17:37.15 ID:QCQRG02o

~霧ヶ丘組 昼休み~


結標(あー、お腹空いた。この時間になれば食堂も空いてるわね……あれは、滝壺さん?)

滝壺「」グテー

結標「お疲れ様、大丈夫?」ツンツン

滝壺「南南東から信号が来てる」

結標「?」

滝壺「あ、むすじめだ」

結標「……ちょっと貴女、本当に大丈夫? 朝より顔色悪いわよ?」

滝壺「あ、うん。ちょっと疲れただけだから、大丈夫」

結標「ヤバそうだったらすぐに言いなさい。病院ぐらいはひとっ飛びだからね」

滝壺「ありがと、私を心配してくれるむすじめを私は応援してる」ギュゥ

結標「だーかーらー///」



359 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/25(水) 21:18:31.90 ID:QCQRG02o

結標「さて、午後もあるからお昼にしないと」

滝壺「見学してていい? 私はもう終わったから」

結標「え? 早いのね、どうだったの?」

滝壺「現状維持」ブイ

結標「まあ、落ちるよりはマシよね」

滝壺「逆に、上がる見込みもないんだけどね」

結標「……それは……」

滝壺「大丈夫だよ、気にしてない。今は能力以外にも大切なものはたくさん持ってるから」

結標「……それもそうね」クス

滝壺「よし、お昼ごはんにしよう」



391 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/27(金) 23:26:24.24 ID:AOwIuyUo

~常盤台中学~


絹旗(うっわ、見るからにお嬢様な人ばっかり……私とか超場違いじゃないですか)

白井「わたくしと婚后さんは校庭ですのね」

婚后「絹旗さんは……ちょっと系統が違うようですし、別メニューでしょうか」

絹旗「そうですね、私はあっちn


<ドパァァァァァン


絹旗「? なんですか、今の……ひゃ、冷たっ! 水!?」

白井「ああ、お姉様……今日も絶好調ですの……」ホワーン

婚后「あれは御坂さんですわね。常盤台の超電磁砲と呼ばれる方ですわ」

絹旗「なっ……(超電磁砲!? あれが!?)」


<ドパァァァァァン


白井「威力が高すぎるあまり、プールの水で緩衝させないと計測できませんの」

絹旗(これがレベル5……麦野やホストモドキもそうでしたが、次元が違いすぎです)



393 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/27(金) 23:27:19.42 ID:AOwIuyUo

~常盤台中学 校庭~


 【物体】

白井「……」

             【物体】ヒュッ

白井「うーん、もうちょっと伸ばしたいですの……」


 【物体】

婚后「それっ」

                   ─=三【物体】シュポーーン

婚后「あらあら、飛距離ではわたくしの勝利のようですわね」

白井「12tトラックを弾丸代わりに飛ばす人に、飛距離で勝てる訳ございませんの」



394 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/27(金) 23:28:29.31 ID:AOwIuyUo

<ソォーーーイ!
<ドガグワゴシャァァン


白井「?」

婚后「聞き慣れない音ですわね……なんでしょうか」

白井「こっちの方から聞こえましたの」

婚后「きっと、どなたかの能力測定……って」


絹旗「ちぇすとぉーーー!」ドガァン

絹旗「ちぇいさーーーー!!」バゴォン


白井「絹旗さん……?」

婚后「すごい……あんなに分厚いコンクリート板を素手で粉々に」

白井「考えてみれば、車を持ち上げるぐらいの力量で殴られれば一溜まりもありませんの」

婚后「殴られて無事な方がいるならば、ぜひお目にかかりたいですわね」



浜面「へっくし」



396 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/27(金) 23:29:33.14 ID:AOwIuyUo

~常盤台組 昼休み~


絹旗(白井さんは、超電磁砲に会いに行ったようですね)

絹旗(婚后さんは子分みたいな方々と合流して……私も誘われましたが、流石に超きまずいです)

絹旗「……お、常盤台の食堂は超おいしいですね」

絹旗「……」ムグムグ

絹旗「さ、寂しくなんてないです」



~その頃 きぬはた荘~


番外個体「お昼どうする? 宅配ピザとかでいいよね(ガサガサ)どれにしよっかにゃー」

海原「僕はアンチョビが入ってなければ、なんでも良いですよ」

番外個体「えっ」

海原「いやー、アレは人間が食べるものじゃないですよね」

番外固体「そっか、じゃ私は人間じゃないんだね……海原さんなんてキライ」プイッ

海原「」ガビーン



397 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/27(金) 23:30:35.98 ID:AOwIuyUo

~霧ヶ丘組~


計測員「総合評価、レベル4。これをもちまして検査は終了です。お疲れ様でした」

結標「はあっはあっ……疲れたぁ……」ペタン

結標(自己転移もやれるようにはなったけど、連続はまだ苦手だわ……)

滝壺「むすじめ、お疲れ様。タオル使う?」

結標「あ、ありがとう。洗って返すわね」

滝壺「すごいスピードで移動してたね、位置を掴むのがやっとだった」

結標「自分を連続で飛ばしてるから、実質高速移動でしょうね」

滝壺「これで終わり? 喉が渇いたし、どこか寄っていかない?」

結標「それもいいわね。とりあえず、着替えてくるから待っててくれない?」



398 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/27(金) 23:31:36.10 ID:AOwIuyUo

 :
 :
 :

結標「お待たせ」

滝壺「? ブラウスはどうしたの?」

結標「あ、あら? いつものクセで布巻いただけだった……」

滝壺「ブレザーの前閉めて」グイッ

結標「外ならともかく、校内でこの格好はマズイわよね」

滝壺「外でもまずいよ」

結標「うっ」

滝壺「待ってるから、ちゃんと着替えてきて」

結標「わ、分かったわよ。ちょっと待ってて」



399 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/27(金) 23:32:33.05 ID:AOwIuyUo

~常盤台組~


絹旗「総合評価レベル4。ま、こんなもんですね」

絹旗「やることも超終わりましたし……帰りましょうか」

絹旗(ここは居心地が……やはり私はお嬢様というガラじゃありませんね)

絹旗(そういえば、あのお二人は朝別れて以来見かけませんね……まあ、お二人の都合もあるでしょうし)

絹旗「はあ、さてさて……」トテトテ

 :
 :
 :

絹旗「…………あれ?」

白井「あら、ようやくいらっしゃいましたのね」

婚后「どれだけ待たせるおつもりですの? このわたくしを常盤台のこ(ry」

絹旗「あれ? あの、どうして……?」

白井「? 何か不思議ですの?」

婚后「同じ家に帰るのですから、ご一緒するのは当然ではなくて?」



400 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/27(金) 23:33:32.50 ID:AOwIuyUo

絹旗「私に合わせることはないのでは……その、お二人にも用事が」

白井「それは、昼休みに寂しい思いをさせてしまった」クスクス

婚后「埋め合わせ、ですわよ」クスクス

絹旗「さっ、寂しい思いなんて超してないです! 超誤解です!」ウガー

婚后「はいはい。それよりも、今日の夕食当番は絹旗さんではなくて?」

白井「早く帰りますの。もしかしたら買い物も必要かもしれませんし」

絹旗「むー……わ、分かりましたから、さっさと行きましょう」



~きぬはた荘 リビング~


番外個体「」スピー

海原「REC●」



401 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/27(金) 23:34:24.53 ID:AOwIuyUo

<ギィィィィィ バタン


白井「ただいまですの」

婚后「ただいま戻りましたわ」

絹旗「ただいま戻りました」

海原「おや、皆さんお帰りなさい。なにか飲み物でも用意しましょうか?」サッ

絹旗「冷たいのでお願いします、超クタクタです」グター

海原「では、何かお持ちしましょう」

婚后「これは申し訳ございません」

絹旗「ミサワさん、ソファーに寝っ転がって独占しないでください」ボスン

番外個体「ふぎゃっ……起きるから、背中に座らないでよ。あ、海原さーん、私コーヒー」ノシ

白井(寝起きの大きいお姉様! ああ、この乱れた髪、気だるい瞳……堪りませんの!)ハァハァ

番外個体「?」ポケー



402 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/27(金) 23:35:31.07 ID:AOwIuyUo

海原「はい、どうぞ。麦茶でよろしいですか?」

白井「わざわざありがとうございますの」

絹旗「」ゴキュゴキュプハー

番外個体「背中のがどかないと飲めないんだけど」

海原「ミサワさんのはここに置いておきますね」コトッ

婚后「白井さん、先に買ってきたものを冷蔵庫にいれませんと」

白井「あっ、そうですわね。ちょっと失礼しますの」

絹旗「夕食作る前に着替えないと……だー、超めんどくせー」

番外個体「ちょっと、いつまで人の背中でくつろいでるのさ」

絹旗「超気に入りました。今日から私の指定席です」

番外個体「……(ま、そのうち飽きるでしょ)」

絹旗「わっ、ブラック苦っ! なんでカフェオレじゃないんですか!」

番外個体「ちょ、それ私の! なに勝手に飲んでるの!」



403 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/27(金) 23:36:33.44 ID:AOwIuyUo

<ギィィィィィ バタン


結標「ただいま。……何してるのよ、貴女たち」

滝壺「仲良し姉妹みたいだね」

番外個体「こんな妹いらない……淡希ー、背中のこれ片付けてくれない?」

絹旗「さっきから失礼ですね。私に乗っかってもらえることに超感謝してください」

番外個体「あなたに乗っかられて感謝する人間なんているの?」

絹旗「何を言ってますか、世界中に超溢れてますよ」

結標「……絹旗さん、その座り方だとスカートの中が全見えよ?」

絹旗「」

滝壺「そうやって膝をたたんで椅子に座るの、きぬはたの癖だよね」

結標「癖って……まさか今日一日、外でもそうやってたの?」

絹旗「……あっ、ち……超着替えてきますっ!」ドタタタ バタン

番外個体「……私のコーヒー、半分以上なくなってるし」



404 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/27(金) 23:37:38.13 ID:AOwIuyUo

~夕食後~


白井「あら、じゃあ結局みなさんレベル4のままですのね」

婚后「まあ、そう簡単にはレベル5にはなれないということですわね……」

番外個体「私も自分の強度気になるなー。いつもの病院で計測してもらおうかな」

結標「面白そうじゃない、やってみなさいよ」

番外個体「海原さんもどう? 今回検査受けてないよね」

海原「いや、僕は今回は遠慮しておきましょう」ニコニコ

絹旗「なぜですか? 超折角の機会ですのに」

海原「いやぁ、ははは」

滝壺「?」

番外個体「無理強いはしないけどさ、誰だって都合と事情はあるしね」

海原(……まさか見破られてる訳じゃないですよね?)ダラダラ

滝壺(そういえば、うなばらってAIM拡散力場がない……ま、いっか)



405 : ◆r462iqU2Ag:2010/08/27(金) 23:38:15.56 ID:AOwIuyUo

今回はここまでです
次回からは初めての全員でのお出掛けをお送りする予定です
土日どちらかの夜に投下できればと思います

お付き合い頂きありがとうございました
それでは、これにて


406 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/27(金) 23:44:23.30 ID:bI92pCk0
海原ァァァァァァァああああ!!!ワーストの寝顔動画ァ全て渡せェェェェェえええええ!!!!!


409 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/27(金) 23:57:15.69 ID:Eqmi33Ao
ぼっち絹旗かわいい


411 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします:2010/08/28(土) 00:01:06.33 ID:evddXnwo
絹旗様に超座られると超喜ぶ超烏合の衆の1人です



絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」その2

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禁書目録SS   コメント:9   このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント一覧
6381. 名前 : 名無し@SS好き◆QfU8/X0I 投稿日 : 2011/04/28(木) 23:07 ▼このコメントに返信する
穴があったら入れたいってなんだよwwww
6384. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/04/29(金) 00:12 ▼このコメントに返信する
入居の下りのせいで
『インシテミル』って小説みたいなのかと
身構えてしまった。
6387. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/04/29(金) 01:31 ▼このコメントに返信する
野暮だけども、パン初心者がいきなりクロワッサンはねーよ、と突っ込み入れたい
クロワッサン用のバターシートはパン菓子専門店でもないと売ってないし
自力で作るにはそれなりに面倒だし
それを生地にはさんでクロワッサンまで成形するとか
何度かパン作ったことないと絶対失敗する
…常盤台に入れる頭脳があるからなんとかなる…でOKなのか?
6456. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/05/01(日) 12:53 ▼このコメントに返信する
滝×淡だと・・・
その発想はなかったぜ・・・
6499. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/05/02(月) 23:14 ▼このコメントに返信する
絹旗様に超座られると喜ぶ烏合の衆のその2です
13277. 名前 : ななしクン◆- 投稿日 : 2011/10/13(木) 18:12 ▼このコメントに返信する
メゾン絹旗だったらワロタのに。
26421. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2012/09/13(木) 00:32 ▼このコメントに返信する
クロワッサン、バターを溶かして塗る方法も有る。
31168. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2013/02/01(金) 20:03 ▼このコメントに返信する
学園都市はウチらより技術が二、三十年進んでいるんだ。クロワッサンという物自体が違うのかもしれん。あるいはオーブンが俺たちの常軌を逸しているのかも
42633. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2014/04/02(水) 19:36 ▼このコメントに返信する
伝説のハジマリである
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