1:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 20:07:48.96
ID:no9yrEOq0 |\ /|
|\\ //|
: ,> `´ ̄`´ < ′
. V V 寂しい夜に、レジャーのお供に、一家に一匹
. i{ ● ● }i 今契約すれば、もれなくキュゥちゃんついてくる
八 、_,_, 八 ちなみに泣き顔を見せるだけで、すぐに発情するぞ
. / 个 . _ _ . 个 ',
_/ il ,' '. li ',__
4:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 20:13:48.50 ID:QBcNmMJd0
呼んだかい?
3:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 20:11:26.62
ID:no9yrEOq0 都会がその姿を変える前の夕暮れ時。男は近道をしようと通りがかった薄暗い公園で、
一人グッタリして横たわる美少女に気がついた。狐っぽい顔立ちにポニーテールが
良く似合っており、ホットパンツが見事な脚線美を強調していた。
男(うわっ、すげえカワイイ子……それに色っぽいけどまだ中学生位じゃねーか!?)
これは人助けだと言い訳を考えながら、前かがみで勃起を隠し、男は少女に駆け寄る。
すると少女は突然飛び起きて、鋭い眼光で睨みつけてきた。
男「い、いや君がこんな所で倒れていたからさ、どうしたのかなって思って」
華奢で可憐な第一印象とはまるで違ったその迫力に、男はたじろぎながらも取り繕う。
それでも彼女はTVアイドルのように美しかったし、勃起もしていたからだ。
杏子「……」
男「見た所まだ未成年っぽいけど……家出? お腹が空いて倒れていたのかな?」
杏子「腹だったら空いてる」
5:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 20:14:41.25
ID:no9yrEOq0男「マジ? 何だったら俺が飯奢ってやろうか?」
男の台詞に少女は不敵に、それでいて淫靡な雰囲気を漂わせて答える。
杏子「アハハッ、優しいんだぁ」
男「そんなんじゃないけど」(やっぱりカワエエ……今まで出会った中で一番かも)
杏子「なァにオジサン? あたしとイイ事したいの?」
男「えっ……それってどういう」(○○○って意味だよな?)
杏子「あんたの考えてる通りだよ」
男「嘘ッ!? マジで!? いいの!?」(超美形JCで脱童貞wwテラ勝ち組ww)
杏子「いいスーツ着てるね」
男「ど、ども!」(デュフフフwwいい匂いでござるww)
8:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 20:17:40.92
ID:no9yrEOq0 少女の白くて華奢な手が、男の襟首に伸びる。男は舞い上がっていた。しかし次の
瞬間、男は本当に宙に浮いていた。少女によって吊り上げられていたのだ。
男「うげぇっ……なっ、なにをっ」
杏子「金出しな、ボンクラ」
推定七十キロはある大の大人を軽々と持ち上げる力と、数々の修羅場を潜ってきた
かのような冷徹な瞳。男はすっかり肝を冷やし、財布ごと置いて逃げて行った。
杏子「恵まれない子どもに多くのご寄付、おありがとうございます」
少女はわざとらしく一礼し、現金だけ抜き取って財布を投げ捨てた。彼女の名は
佐倉杏子。キュゥべえによって魔法少女にされた者の一人である。
杏子には家がなく、こうして恐喝のような真似事で生計を立てている。しかし、
悪びれる様子は全くなかった。力を持つ者として、こうする事が当然だと考えていた。
自分の為に力を振るい、あるヤツから奪うだけ。その相手が魔女も人間も同じ事。
それが佐倉杏子の生きる為に身に付けた処世術であり、哲学でもあった。
9:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 20:20:44.34
ID:no9yrEOq0杏子(すっかり遅くなっちまった。キュゥべえのヤツまだいるかな?)
杏子は急ぎ、疾風のように路地を駆け抜けた。キュゥべえが来るというので、予め
近くのホテルを借り、そこで夕方に待ち合わせをしていたのだ。
杏子「よう、いるかキュゥべえ! 遅くなった!」
彼女はノックもせず、キュゥべえがいる筈の部屋のドアを開ける。その視界に飛び
込んできたのは、一生懸命に自分の○○○を○○○で慰めている淫獣の姿だった。
QB「ハァハァ……これがTENGAか……地球の文明も侮れないね」
杏子「……」
QB「ああ、まどか! さやかぁ! すごいぞ魔法少女!」
杏子「……」
QB「そ、そろそろイく! きゅっぷいきゅっぷ……あ、杏子」
11:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 20:23:32.82 ID:T4YFH3la0
QBwwwwwwwwwwwwwwww12:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 20:23:40.78
ID:no9yrEOq0杏子「……お取り込み中だったようだね」
QB「遅いよ杏子。何発分の遅刻だと思ってるの?」
杏子「そりゃすまねーな」
QB「いいよ、気にしてないから」
杏子「いいからしまえ」
QB「久方ぶりの再会なのに冷たいじゃないか」
杏子「相変わらずあんたとは噛み合わないね、キュゥべえ」
QB「そうかな? 君とは気が合うって思ってるけど」
杏子「いいから何の用? わざわざオ○ニー見せる為に呼んだ訳じゃないでしょ」
14:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 20:26:43.13
ID:no9yrEOq0QB「君も冗談が上手いね」
杏子「全然冗談じゃねーんだけど」
QB「その杏子の蔑んだ目……堪えられないよ」
杏子「そうかい。帰ろうかな」
QB「待ってくれ杏子! 大変なんだ!」
杏子「ようやく話す気になったか」
QB「ああ……その前に僕のうまい棒を食べてくれないかな?」
杏子「串カツにされたいようだね」
15:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 20:29:44.06
ID:no9yrEOq0QB「そう言うなよ。全然おさまりがつかないんだ」
杏子「今度はその……まどかやらさやかってヤツの事を」
QB「勘違いしないで欲しい。彼女達は魔法少女ではないし関係もまだない」
杏子「チッ、とぼけんじゃないよ。狙ってるんでしょどーせ」
QB「それは否定しない。埃の様に性欲も溜まってしまうからね」
杏子「ハッキリ言いやがって」
QB「ほら、くわえて」
杏子「っ……ヤダッ! きゅ、急に……ンんぐっ!?」
QB「暴れないで。歯が当たって痛いよ」
17:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 20:32:40.58
ID:no9yrEOq0杏子「……はぷはぷっ……ンッ……んくぅっ……」
QB「君を呼んだのは他でもない」
杏子「ぷはっ……うえぇっ! 離せバカ!」
QB「いたっ! やっぱり君は乱暴だなぁ。それが獣みたいでいいんだけど」
杏子「獣はお前だろ!? 急に何すんだ! バカ、バカ、バカッ!!」
QB「人が落ち着いて話をしようって時に」
杏子「どこがだ!? このド腐れ○○○野郎!」
QB「君にしゃぶらせる事によって、胎内回帰にも似た安心感を得られるんだ」
杏子「ちっとも意味がわからねえ! 死ね!」
18:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 20:35:43.81
ID:no9yrEOq0QB「すまない。ちょっと愚息がヤンチャしてしまったようだ?」
杏子「クエスチョンマークつけるまでもなくヤンチャしまくりだよ!」
QB「全く困ったヤツさ。僕は紳士なのに」
杏子「ふっざけんな! あんたまだ子どもだったあたしに何をしたか!」
QB「そういえばあった、ような」
杏子「とぼけんの?」
QB「昔は切り捨てるべきだって偉い人が言ってるらしいよ?」
杏子「忘れたなら思い出させてやる。あたしはクッキリ憶えているからね」
QB「アグネスを召喚する気かい?」
19:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 20:36:21.16 ID:TjOa5Lxr0
がんばれ
もっとやれ21:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 20:38:54.70 ID:g+xczwFz0
QBの格好が想像できないんだが13:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 20:25:35.67 ID:TjOa5Lxr0
このQBは人型でおk?22:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 20:39:33.58
ID:no9yrEOq0杏子「そうあれは――」
QB「ほあんほあんほあ~ん」
まだ幼い杏子がキュゥべえに願った事。それは神父であった父親の与太話を、
皆がちゃんと真面目に聞くようにというもの。そうする事によって大好きだった
父親の正しさが証明され、幸せになれると信じたのだ。
当然その時にはまだ、彼女にはそれがどういう結果を招くのか分からなかった
のである。
杏子『キュゥべ~、ホントに?』
QB『ホントだよ』
杏子『ホントにホントにあたしがマホー少女になれば、みんながお父さんの話を』
QB『ホントにホントにホントだよ』
26:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 20:42:42.12
ID:no9yrEOq0杏子『ホントにホントにホントにホントに』
QB『ラ~イオンだぁ~♪』
杏子『キュゥべ~ふざけないで!』
QB『杏子、君はお姉ちゃんだろう?』
杏子『う、うん! お姉ちゃんだよ!』
QB『だったら悪い魔女と戦うのも我慢できるね?』
杏子『がまんする! 杏子、セーギの味方になる!』
QB『じゃあ双方合意だ。契約って事で構わないよね?』
杏子『ソーホーえっと……うん』
28:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 20:45:42.57
ID:no9yrEOq0QB『いい子だね杏子。今から君を魔法少女にする』
杏子『い、いたい?』
QB『大丈夫、ジッとしてて。すぐ終わるから』
キュゥべえがそう伝えるなり、奴の耳のようなモノが杏子の胸の辺りまで伸びた。
杏子の身体が少し宙に浮き、光に包まれたかと思うと、宝石のように輝く何かが
取り出される。
宝石はそのまま、今自分の身に何が起こったのか分からず、面を食らったままの
杏子の小さな手におさまった。それを確認してキュゥべえがドヤ顔で言う。
QB『はい、ご苦労様。終わったよ』
杏子『終わった?』
QB『痛くなかったろ?』
杏子『うん。これな~に?』
31:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 20:48:40.61
ID:no9yrEOq0QB『それは僕が精製してあげた君のソウルジェム」
杏子『そうるじぇる』
QB『ソウルジェム。魔法少女が魔法を行使する為に使用する魔力の源さ』
杏子『フーン……よくわかんないや』
QB『じゃあちょっと僕に貸してみて。使い方教えてあげる』
杏子『ホント!? はい!』
QB『ありがとう、本当に君は素直でいい子だね』
杏子『エヘヘ……』
34:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 20:52:31.81
ID:no9yrEOq0QB『実はこれから、契約してくれたご褒美をあげることになってるんだ』
杏子『えっえっ? ナニソレ?』
QB『さあ、何かなぁ?』
杏子『おかし? 杏子おかし大好き! 妹の分もある?』
QB『惜しい! ヒントはうまい棒的というか』
そう言いながらキュゥべえは杏子を押し倒す。幼い少女とはいえ、数倍は小さい獣に
組み敷かれるというのは不思議な光景だった。異様さを感じ取った杏子は、力任せに
それを振り解こうとする。
だが、何故か身体が思うように動かない。彼女は金縛りにあったかのように僅かに
手足をバタつかせるのみで、小さなキュゥべえを振り払えず、涙を浮かべる。
36:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 20:55:43.06
ID:no9yrEOq0杏子『キュ、キュゥべ~?』
QB『動けないし声も出ないだろう? ソウルジェムが手元にある限り、君の主導権は
僕が握ってるといってもいい』
そういってキュゥべえは、そそり立ったピサの斜塔を杏子に握らせる。
杏子『やだ……アツくてビクビクしててキモチわるいよぉ』
QB『僕はとても気持ちいいなって』
杏子『そうなの?』
QB『うん。だから僕のうまい棒をお食べよ』
杏子『むごウうぅっ!?』
39:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 20:58:43.88
ID:no9yrEOq0QB『あ~、杏子すごくあったまるよ』
杏子『むぷっウ……ぐぐうくひいィッ!』(やめて! キュゥべ~くるしい!)
QB『いやぁいい暴れっぷりだね。でもお口閉じられないだろ?』
杏子『おごごンんっ……はぷハプッ!』(お父さん助けて!)
QB『はぁ~いいお口~、ビバノンノン♪』
杏子『んンッ……あぷっ……んあ……ぷァッ!』
QB『ハァハァ……上手だよ杏子……ウッ! きゅっぷい!』
杏子『うえっ!? ゴホッグスッ……ナニこのズルっとしたのぉ……』
QB『それは僕の……あ、また勃起してきた』
41:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 21:01:40.17
ID:no9yrEOq0杏子「そういってテメーは嫌がるあたしを何度も無理矢理に……」
QB「仕方ない。それは魔法少女の通過儀式の一つでもあるんだ」
杏子「ちっせー頃と同じ言い訳すんな!」
QB「ハァ……あんなにいい子だったのに、どうしてこんなにやさぐれてしまったのか」
杏子「いっぺんスカイツリーのてっぺんに、ア○ルから串刺しにしてやろーか?」
QB「ちょっと杏子、こんな所で変身しなくても」
杏子「うるさいっ! キュゥべえホントはあたしの事バカにしてんだろ!」
QB「僕が杏子を? 君は魔法少女の中でも特に目をかけてる存在だよ、本当さ」
杏子「えっ……マ、マミよりも?」
44:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 21:04:39.99
ID:no9yrEOq0QB「嫉妬かい? 彼女は確かに優秀だが、君程には有能じゃない」
杏子「そんな言葉が欲しいんじゃない、あたしは」
QB「君が僕に気に入られる為に、色々尽くしてくれてるのは知ってる」
杏子「あ、あたしがンなことするわけねーだろっ」
QB「杏子は元来賢い人間だ。察しがいいし、それでいて見返りも求めない」
杏子「う、うっせぇバカぁ……」
QB「やばい興奮してきた」
杏子「キュゥべえ……ダメッ……話は?」
QB「杏子がかわいすぎるからいけないんだ」(それに魔法少女服プレイも悪くないね)
杏子「筒抜けだバカ!」
42:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 21:02:10.74 ID:TjOa5Lxr0
あんこちゃんが犯される薄い本が売れる43:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 21:04:21.42 ID:q2opDWXe0
性感帯はソウルジェム48:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 21:07:55.95
ID:no9yrEOq0QB「あいたぁ……君はデレたりツンしたり忙しいな」
杏子「あたしはあんたのオモチャじゃない。自分の為だけに生きるって決めたからね」
QB「強がったってダメだ。君だってどうせ都会の迷い子なんだろ?」
杏子「うっさい! そんなに寂しいんならマミにでも相手して貰えばいーのさ!」
QB「もう彼女は僕がいらないらしい。どうしたらいいんだい?」
杏子「へぇ、マミに捨てられたって本当だったんだ」
QB「この溢れる情熱の発露を、一体どこに解放すれば」
杏子「キュゥべえ……まさかこのあたしをデリヘル気分で呼びつけたってんじゃ?」
QB「その為の魔法少女です」
49:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 21:10:42.05
ID:no9yrEOq0杏子「好きだったヤツを殺すって、どんな気分なんだろうね?」
QB「早まっちゃいけない。この国には死刑制度がある」
杏子「動物で死刑なんて聞いた事ないよ」
QB「少なくともキュゥべえさん愛護団体が黙っちゃいないだろう」
杏子「どうせあんたは普通の人間には見えない。無問題さ」
QB「そうさ、僕が見えるのは清純で夢のある少女だけ。彼女達に僕の無様な死体を
見せたくないんだ。そして僕は孤独である。君になら分かるだろ?」
杏子「ふん、だからってあたし達を騙していい訳ないよ」
QB「僕が君を? 君の願いは確実に叶えられた、その筈だろ」
杏子「ああ確かに叶えられた。親父の話を誰もが真剣に聞くようになった。でもある時
それに疑問をいだいた親父は、説法中にドドスコやっても同じ反応だと気付いて壊れて
しまった。その後は知っての通り、魔女退治で度々いなくなるあたしを疑って魔女扱い
した挙句、家族を道連れに心中しちまったさ。あたしを残してね」
QB「メシウマきゅっぷい」
53:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 21:13:43.78
ID:no9yrEOq0杏子「まあそれは願ったあたしの責任だよ。でもだからってキュゥべえがあたしの身体を
弄んでいい訳ない」
QB「でも僕がいなければ、君はとっくに状況に狂っていた。違うかい?」
杏子「あたしが狂ってないとでも言うのか?」
QB「君を、いや君だけは失いたくないんだ、杏子」
杏子「また調子のいいことばかり」
QB「違う。その強気でサディスティックな性格、綺麗な切れ長の瞳、かわいらしい八重歯、
謙虚な胸、ポニテetc……列挙すればキリがない。久々に会って益々美しく、魅力的に
なった君を見てしみじみ実感した。君は僕が出会った中でも最高の魔法少女だ」
杏子「キュゥべえ……」
QB「シャワー浴びてこいよ」
杏子「ちょっとでもキュンとなったあたしがバカだった」
57:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 21:16:48.41
ID:no9yrEOq0QB「そうか……ヤりたいけど仕方ない。いくら僕でも無理に誘う事は出来ないからね」
杏子「キュゥべえ、あんたにしちゃあ物分りがいいじゃないか」
QB「だけどムラムラしたら言ってよ。僕はいつでもギンギンだから!」
杏子「やっぱぶっ飛ばしていいか一回?」
QB「さて前置きはコレ位にして、そろそろ本題を話そうか」
杏子「すまないね。既に疲れたよ、あんたの相手」
QB「そうか……ならこっちおいでよ。腕枕してあげる」
杏子「変な事しねぇだろーな?」
QB「僕を信じて杏子。これでも巷じゃ紳士だって噂になってるんだ」
58:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 21:19:44.57
ID:no9yrEOq0杏子「分かったよ。少し休ませてもらう」
QB「本当にお疲れのようだね」
杏子「うん……行きがけに魔女一匹殺ってきたからね」
QB「そっか。やはり話は明日にしよう」
杏子「そうしてくれると助かるよ」
QB「おやすみ、杏子」
杏子「ああ……」
QB「……ねえ、キスしてもいいかい?」
杏子「ん……」
60:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 21:23:15.15
ID:no9yrEOq0 翌朝、といってもまだ日の出る前に杏子は目覚めた。たっぷり寝た筈だが、身体に
軽く疲労感を覚え、不思議に思ったのも束の間、自分が裸にされていた事に気付いた。
杏子は溜息をつき、寝ているキュゥべえを指先で軽く小突いた。どうやら彼女が
寝ている間に、キュゥべえが欲望のなすまま悪戯をしていたようである。
しかしこんな事をされてもあまり自分が腹を立てていない事に、杏子は驚いていた。
それは死線を潜り抜ける毎日の中では、身体を淫獣になぶられる事さえ些細な問題に
過ぎないからだ、という解釈を彼女はしていた。だがそれは間違ってはいなかったが、
一方で正解という訳でもない。
杏子(あたしもコイツにだけは、必要とされているのかな)
そんな風に思える嬉しさがなかった訳ではなかったのである。それにしても杏子に
してみると、それは胸糞が悪くなる程の甘えだったので、結果として怒ってない自分に
怒り、キュゥべえを叩き起こすに至ったのである。
杏子「……この瞬間発情マスコットが!! いつまでも寝てるんじゃないよ!!」
QB「ぎゃっぴい!?」
62:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 21:28:10.93
ID:no9yrEOq0杏子「おはようキュゥべえ。昨晩はお楽しみでしたね?」
QB「おはよう杏子! あっ、どうして裸なんだい!?」
杏子「もう!! 信じていたのにィ!!」
QB「ぐふっ……返事がない。ただの屍のようだ」
杏子「腹パン位でくたばるタマかテメーは」
QB「……」
杏子「まぁいいさ、とりあえず風呂入ってくる。逃げんなよ?」
QB「……」
杏子「あ、逃げたら両手両足ぶった切ってリフティングするからヨロ~」
QB「悪魔か君は」
63:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 21:32:26.10
ID:no9yrEOq0 数十分後、風呂から出た杏子はキュゥべえの姿を認め、ニヤリとサディスティックな
笑みを浮かべながら、手に持った牛乳を口につけた。
杏子「良く逃げなかったね。感心感心~」
QB「翼君と友達になる気はないからね」
杏子「飲むかい?」
QB「いいや、牛乳はお腹痛くなる」
杏子「そりゃあいい、あんたが腹壊して弱ってる姿を是非見てみたいもんだ」
QB「君は嫌なヤツだね。だがそれでこそ僕のパートナーにふさわしい」
杏子「誰がパートナーだって? シュートされてーのか?」
QB「このキュートな僕を蹴り飛ばそうだなんて、どうかしてるよ」
64:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 21:35:56.59
ID:no9yrEOq0杏子「ボタンがあったら押したくなるように、キュゥべえを見たら踵落としを
決めたくなる心理ってヤツだね」
QB「心理学には詳しくないが、それは相当病んでると思うな」
杏子「とにかく、あんたはあたしのストレス解消に一役買うべきなのさ」
QB「クッキーにプチプチ入ってたから、これでも潰してなよ」
杏子「ナニあたしの勝手に食ってんだよ!」
QB「あー、あんまり大きな声出さないで。実質二時間しか寝てないから辛いんだ」
杏子「そんなにあたしをいじり回してたのか。執念だね」
QB「だって君の身体、エロすぎるんだもん」
杏子「そう? 別に嬉しくないけど金取れるか?」
66:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 21:39:53.51
ID:no9yrEOq0QB「ダッ、ダメだよそんなの! 君はもっと自分を大切にするべきだ!」
杏子「冗談さ。連続レイプ犯に説教されるとはね」
QB「やっぱり君には僕がついてなきゃダメだね。危なっかしくてしょうがないよ」
杏子「キュゥべえに依存する程、危なっかしい事はないと思うけどな」
QB「あっ、日の出だよ杏子!」
杏子「ん? ああ……」
QB「綺麗だよね」
杏子「うん……悪くないね」
QB「機嫌、直った?」
67:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 21:42:23.41
ID:no9yrEOq0杏子「別に怒っちゃいないよ。ただ八つ当たりする相手が欲しかっただけさ」
QB「僕で良かったらいつでも相談に乗るよ」
杏子「アハハッ! 謹んでお断りするよ」
QB「……まあいいや。でも僕からの相談は聞いて欲しい」
杏子「なんだい?」
QB「ありがとう杏子! やはり君は頼りになる」
杏子「勘違いすんじゃねぇ! あたしはあたしのしたいようにするだけなんだぞ!」
QB「実はマミとヤれなくなって困っている」
杏子「ヤフー知恵袋でも使ってろバカ」
68:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 21:45:47.00
ID:no9yrEOq0QB「話は今をさかのぼる事、三日前」
杏子「カビ生えてカラフルになればいいのになコイツ」
時は三日前の夜、場所はマミのマンション。キュゥべえは苛立っていた。まどかと
さやかという魔法少女の素養を持つ二人と接触しながら、未だ契約を果たせていなかった
からである。
その全ての原因は暁美ほむらという謎の魔法少女に邪魔されたせいだと、キュゥべえは
自分の手際の悪さを棚に上げ、決め込んでいた。
QB『マミ、お願いがあるんだけど』
マミ『どうしたのキュゥべえ、そんなク○ニする勢いで頼みごとなんて』
QB『ペチャペチャ』(実際ク○ニしてるけどね)
マミ『やァんそこっ……キュゥべえ上手よぉ』
QB『クチュンッ、グリングリン』(僕は真面目な話をしてるんだマミ)
69:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 21:48:42.56
ID:no9yrEOq0マミ『アッあぁっ、す、すごいわぁキュゥべえ!』
QB『正直、君が一人で戦い続ける事に限界を感じている』
マミ『そんなつまらない事、口を離さなくても話せるでしょ』
QB『チロッチロチロ』(それもそうだ)
マミ『んァっ……ねぇキュゥべえ、私そんな弱くないと思ってるんだけど』
QB『ピチャピチャ』(ああマミは強い魔法少女さ。でもとても寂しがり屋だ)
マミ『……そんな事ないわよ』
QB『グチョグチョ』(今はこうして僕が君のココロのスキマを埋めてはいるが)
マミ『キュゥべえ、またいなくなる気!?』
71:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 21:52:20.29
ID:no9yrEOq0QB『ジュバジュバ』(仕方ないよ。僕だっていつまでも君一人に構っていられない)
マミ『……どうすればいイっ……の?』
QB『クチュチュチュッ』(仲間を増やす事だ。それしか方法はない)
マミ『あァッ……そンな事いったってぇ……足手まとい抱える余裕なンッ……て』
QB『ネチャッンチャ』(大丈夫だ。僕が才能ある魔法少女に心当たりがある)
マミ『はァッ……も、もう我慢出来ない……きゅっぷい、きゅっぷいが欲しいの!』
QB『ダメだ。まだ返事を聞いてない』
マミ『するぅ!! 何でもするからぁ!! キュゥべえ早くゥ!!』
QB『やれやれ……君も好きモノだね。この僕が圧倒されるとは』
72:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 21:56:37.12
ID:no9yrEOq0 そしてキュゥべえがマミを軽く三十回はイかせたその翌日。
キュゥべえ達はまどかとさやかが二人っきりになるのを見計らい、木蔭で待ち伏せて
いた。魔法少女スカウトプロジェクトの開始である。
ここで一番やっかいなのは暁美ほむら。いつものパターンであれば、必ずどこかで
彼女の邪魔は介入する。
そこでマミが生きるのである。彼女は現存でほぼ最強の魔法少女であり、さらには
キュゥべえに恩も感じており、扱い易さでもピカイチであった。
QB(ヤツが来てもマミが脅せばヘタれる、必ずヘタれる。その筈さ)
さやか『仁美も大変よね、お稽古事』
まどか『薙刀はすごいよねぇ。まるでゲルググだよ』
マミ(キュゥべえ、二人がやってきたわよ。どうするの?)
74:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 22:00:46.33
ID:no9yrEOq0QB(まず、僕が活路を開く。頃合を見て君もフォローしてくれ)
マミ(オッケー)
さやか『しっかし男なんて選り取りみどりでさぁ、誰とも付き合わないなんてね』
まどか『仁美ちゃん、誰か好きな子でもいるのかな?』
さやか『誰だ誰だ、その幸せモンは~?』
キュゥべえは素早く二人の前に踊り出た。その際、さやかに危うく踏まれそうに
なったが、耳だけで済んだ。
QB『ぎゃっぴい!!』
さやか『おっ……何だ、キュゥべえじゃないか』
QB『酷いよさやか! 僕を踏むなんて!』
まどか『ふぇっ? 何この生き物しゃべってる……』
75:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 22:05:55.16
ID:no9yrEOq0QB『ヤア! 君は鹿目まどかだね! 初めまして僕キュゥべえ!』
まどか『は、初めまして……あれ、どうして私の名前知ってるの?』
さやか『心が読めるんだコイツ。胡散臭いから関わらない方がいいよ』
まどか『それって本当なの、さやかちゃん?』
QB『おお、僕の友達! お待ちしておりました。願い事を叶えてあげましょうか?』
さやか『黙れ。まどかに手を出したらほむらが黙ってないぞペテン師』
QB『おお、すごい願い叶えれば僕は大損します! でも君は友達!』
まどか『ちょっと話聞かせてくれる?』
さやか『まどかっ!?』
76:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 22:09:53.33
ID:no9yrEOq0まどか『大丈夫だよさやかちゃん。ちょっと面白いじゃない、動物と話せるなんて』
QB『天使キタコレ』
さやか『あー、まどかちゃんメルヘンスイッチ入っちゃったかぁ』
まどか『そ、そんな言い方ってないよ、さやかちゃん……』
QB『純粋で汚れを知らないというか……君とはえらい違いだね、さやか』
さやか『クゥー! コイツこういうヤツなんだよ! おうりゃ!』
QB『そんな足技、踏まれなければどうという事はない!』
まどか『わぁ、素早いんだ!』
さやか『○○○○と一緒。白い○○○○だよ』
77:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 22:10:01.09 ID:rxbNj8JqP
アッサラーム懐かしいな79:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 22:14:04.37
ID:no9yrEOq0QB『酷い言われようだ』
さやか『なんせあんたのせいで、死にそうになったからね』
QB『暁美ほむらに何を吹き込まれたのか知らないが、事実無根だよ』
さやか『ほむらの事を悪く言わないで』
QB『僕よりあんなクール気取りを信じるなんてどうかしてるよ』
まどか『さやかちゃんいつの間に、ほむらちゃんと仲良くなったの?』
さやか『ついこの間。ちょっと変わってるけどさ、イイヤツだよ』
QB『君は単純すぎる。いい意味でバカだ』
さやか『いい意味でってつけたら許されると思ってんの?』
マミ『ちょっといいかしら?』
80:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 22:18:01.57
ID:no9yrEOq0さやか『あっ! あなたはえっと確か……』
マミ『巴マミ。貴女の先輩よ、美樹さやかさん』
さやか『そうだマミさんだ。光栄です、名前覚えていただいて』
まどか『さやかちゃん、この人とも知り合いなの?』
マミ『巴マミ、巴マミよ。巴マミをどうぞ宜しくお願いするわね』
まどか『わ、私、鹿目まどかです。よろしくお願いします!』
QB『マミ早いよ。僕はまだやれた』
マミ『すっこんでなさいキュゥべえ。私が真のコミュ能力を見せてあげる』
ほむら『それには及ばないわ』
81:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 22:21:43.45
ID:no9yrEOq0QB『あ、現れたな暁美ほむら!』
マミ『待ちなさい、今のはどういう意味かしら?』
ほむら『貴女が介入するとややこしくなると統計が出ている』
マミ『何それ? いじめられっ子の発想ね』
ほむら『……とにかく貴女は、鹿目まどかに近付かないで欲しい』
マミ『嫌よ。どうして貴女にそんな事を指図されなきゃいけないの?』
まどか『ふえぇ、二人とも、喧嘩は良くないよ……』
さやか『ほむら、あたしにも分かるように説明してよ』
ほむら『彼女はキュゥべえの友達。察してさやか』
マミ『なっ、何よ! 私だって普通の友達欲しいわよ!?』
82:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 22:24:29.00
ID:no9yrEOq0QB『マミ、落ち着くんだ。これは彼女の心理戦……惑わされては』
マミ『キュゥべえは黙ってて!』
QB『……』
ほむら『いいザマね』
QB『……ほっ、ほむらあああぁっ……!』
まどか『やめてよみんな! 良く分からないけど私の為に争わないで!』
さやか『えっ、これってまどかの為に争ってたの?』
マミ『な、何ていい子なのっ!?』
QB『末期だねコイツら』
83:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 22:27:39.59
ID:no9yrEOq0さやか『ね、ねえ、ほむら。マミさん別に悪い人じゃないんじゃ』
ほむら『彼女はキュゥべえの関係者よ。それだけで万死に値するわ』
マミ『そ、そんな』
まどか『そんな言い方ってないよ、ほむらちゃん! ひどい!』
マミ『鹿目さん……?』
ほむら『あっア、ま、まど……う、うぅっ……』
さやか『ま、まぁまぁ。ほむらは口下手なんだよ~、許してやって』
QB『いや、許すべきじゃないね。深夜の公園に縛り付けてホームレスにレイプさせよう』
マミ『……黙りなさいキュゥべえ』
84:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 22:31:04.09
ID:no9yrEOq0QB『どうしたんだマミ? きゅっぷいが切れたのかい?』
マミ『きゅっぷいは……きゅっぷいはもういらないわ……』
QB『は?』
マミ『暁美ほむらさん。キュゥべえと別れる、コレでいいのよね?』
ほむら『……それならば、私が妨害する所ではないわ』
マミ『鹿目さん!』
まどか『は、はい!』
マミ『お友達に、なってくれますか?』
まどか『喜んで! 私なんかで良かったら』
QB『ぶっ、ぶぅるぬわああぁァッ!!?』
85:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 22:34:46.17
ID:no9yrEOq0 キュゥべえはそこで一旦言葉を切り、涙ながらに机をドンと叩いた。とはいえ、
無表情は変わらなかったが。
杏子「イイハナシダナー」
QB「はあ? どこがだい? 全く訳がわからないよ」
杏子「そこであたしの出番って訳か」
QB「さすがは杏子。物分りが良くて助かる」
杏子「だが断わる」
QB「それはないよね? エンジョイ&エキサイティングな君が」
杏子「黒犬騎士団に入った覚えはないね」
QB「頼むよ。話にならないよそれじゃ」
87:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 22:39:50.37
ID:no9yrEOq0杏子「これは独り言だけどね、マミのヤツとは話をつけたいと思っていた」
QB「待ってよ杏子、暁美ほむらってヤツも危険なんだ」
杏子「降りかかる火の粉は払いのけるだけさ」
QB「ヨォーシ、今から二人で殴り込みに行こうか! 杏子姐さん!」
杏子「フン……いいだろう。決着をつけてやるよ」
杏子とマミ。二人はお互いの力を認め合っていたものの、価値観の相違はさながら
きのこたけのこ戦争。どちらも譲らない、相容れぬライバル関係であった。
キュゥべえやテリトリーの奪い合いに発展した事は、一度や二度ではない。しかし
互いにベテランであった為に引き際を心得ており、どちらかが死ぬまで、という
争いになった事はなかった。だが、今回もそうだとは限らない。
意外かも知れないが、どちらかといえばマミの方が喧嘩っ早かった所に、今度は
自分から仕掛ける訳である。杏子の表情には心なしか緊張の色が見えていた。
88:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 22:42:43.07
ID:no9yrEOq0QB「杏子、ちょっと止まって」
キュゥべえがそう言ってひらりと杏子の首に飛び付き、巻きつくような形になった。
それで緊張が少し解れた杏子は微笑んで、キュゥべえを優しく撫でてやる。
杏子「あったかい。キュゥべえはマフラーとしちゃ上出来だな」
QB「だろ? ちょっと自慢したい毛並みなんだ」
杏子「鼻息がウゼーのはこの際我慢しといてやるよ」
QB「素直じゃないね……あっ」
杏子「どうしたんだい?」
QB「あれがまどかとさやかだよ、杏子」
杏子「ふぅん」
89:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 22:45:48.70
ID:no9yrEOq0QB「リボンでツインテがまどかで、髪留めボブカットがさやか」
杏子「魔法少女になっても弱そうだね。興味ねェ」
QB「都内でも屈指の進学校に通い、優しい両親と理解ある友人に囲まれ、ついでに
さやかにはイケメンの幼馴染もいるというオマケつきだ。君が持っていないモノを
全て持っている超絶リア充達だよ。正直爆発しろって、そう思わないかい?」
杏子「別に」
QB「そう。僕は目からハイライト消えるまでレイプしたくなってきたけど」
杏子「正直キュゥべえに付け狙われてるってだけで、十分不幸な気がするよ」
QB「まどかとさやかの染みパン欲しいなぁ」
杏子「ハァ……マミはどこにいるんだ?」
杏子がキュゥべえの性癖に呆れているその時、唐突に後ろから凛とした声が響く。
ほむら「こんな所で何をしているのかしら、佐倉杏子?」
90:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 22:48:41.54
ID:no9yrEOq0杏子「あん?」
QB「で、でたぁ~……」
ほむら「……そっちこそ。木を蹴ったら落ちてくる位いる癖に」
杏子「えっと……どっかで会ったか?」
QB「コイツが暁美ほむらだよ杏子」
杏子「へぇ、例のイレギュラーってヤツか。おもしろい」
ほむら「悪い事は言わないわ佐倉杏子。そいつの言いなりになってはダメ」
杏子「暁美ほむら、あんたも魔法少女だってね。エモノは何だ?」
ほむら「それを貴女に言う必要はない」
91:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 22:51:10.54
ID:no9yrEOq0杏子「暗いヤツ……呪いのリストでも作ってそうだな、怖い怖い」
ほむら「確実性のないオカルトなど非効率だわ。それに頼るほど私は暇ではない」
杏子「アハハッ、真面目だねあんた。でも魔法少女がそれ言うかァ?」
ほむら「貴女は無駄な争いをする馬鹿なの?」
杏子「だったらどうする? 五寸釘であたしを刺すかい?」
ほむら「その程度で済むとは思わない事ね。愚か者が相手なら、私は手段を選ばない」
杏子「自信家だねぇ。嫌いじゃないよ、あんたみたいなヤツ」
ほむら「……本当は戦いたくないわ。貴女とだけは」
杏子「あたしの力も分かっているのか。こりゃホントに事情通だねぇ」
QB「前口上はそれ位にして、とっとと始めちゃいなよYOU達」
92:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 22:53:42.04
ID:no9yrEOq0ほむら「分かったわ。戦りましょうかキュゥべえ」
QB「僕じゃないよ!? そのガトリングガンどこから出したの!?」
杏子「……待ちな、暁美ほむら」
QB「姐さん! 殺人鬼です!」
ほむら「邪魔をする気?」
杏子「違う。感じないのか? 魔女の反応だ」
ほむら「魔女ですって……あっ」
杏子「案外ニブいんだね。まぁいい、一時休戦しようじゃないか」
QB「僕に構うな! 殺れ、殺るんだ杏子!」
95:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 22:58:43.38
ID:no9yrEOq0 覚悟を決めたキュゥべえをスルーし、二人はソウルジェムが共鳴する街外れの山へ
向かった。そこで首吊り自殺を図ろうとする集団を見つけ、杏子は慌ててロープを
ぶった切っていく。一方ほむらはそれを無視し、魔女の気配を探る事に集中したまま
だった。それに焦れた杏子が、思わずほむらに怒鳴りつける。
杏子「テメェ、少しは手伝いな!」
ほむら「任せるわ。その方が効率がいい」
杏子「チッ、調子狂うね。本来ならあたしが言うべき台詞なのに」
QB「冷血だね。暁美ほむらの血は一体何度なのだろう?」
ほむら「私には迷ってる余裕はない。優先順位に従って行動するだけ」
杏子「見習いたいもんだ。あたしも弁えてるつもりだったが、まだまだ甘いようだ」
ほむら「……佐倉杏子、貴女には無理」
杏子「んだとぉ!?」
96:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 23:01:42.71
ID:no9yrEOq0ほむら「貴女には情を捨て切る事は出来ない。現に無関係の人間すら助けている」
杏子「あ、あたしだってコイツらがどうなったっていいんだ! 本当だぞ!」
ほむら「訂正するわ。私の生き方は、全てを諦めた私にしか出来ない」
杏子「暁美ほむら――舐めるんじゃないよ!!」
杏子は手に持った槍で、自ら助けたばかりの魔女の口づけを受け茫然自失になった
人間の一人を突こうとした。
だがブラフとはいえほむらの端整な顔の表情は変わる事はなく、杏子は眉を顰め
槍を引っ込めるしかなかったのだった。
杏子「ハハッ、参った参った。大したタマだよあんた」
ほむら「……言った筈。全てを諦めてるだけ。褒められたモノではないわ」
QB「ああ、血も通ってないねこれは。君はマシンだよ、殺戮マシーン」
97:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 23:04:39.73
ID:no9yrEOq0杏子「随分冷たいじゃないのキュゥべえ。あいつともあんたが契約したんだろ?」
QB「そうとも言えるし、違うとも言える。確証はないが彼女は」
ほむら「下らない言い争いをしてる暇はここまでよ。油断しないで」
周りの景色が波紋状に歪んでいく。魔女の結界が開き、二人と一匹を飲み込んだ事に
間違いなかった。
KID Aのジャケみたいな荒涼とした風景の中、多くのブランコやシーソーが無人で動き、
それらが軋む金属音が不気味で不愉快なハーモニーとなって鳴り響いている。時間の経過に
より増え続けるその遊具類は空間を圧迫し、必然的に魔法少女達に襲い掛かかくる仕組みの
ようだった。
杏子「ヘッ、ガキのお遊戯は卒業したんだよ!」
QB「うわぁ! タイムタイム!」
杏子は踊るような槍捌きで、それらを破壊していく。爽快感はあるが、傍にいる
キュゥべえは巻き込まれそうになり、逃げるのに必死になっている。対照的にほむらは、
障害物を意に介する事無く、最小限の動きでそれらをかわす。
98:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 23:07:39.52
ID:no9yrEOq0杏子「暁美ほむら! ちったあ仕事しな!」
杏子がこの程度の使い魔(?)の攻撃に一人で対処出来ない筈はなかったが、
ほむらの魔法少女としての実力と能力を見定めたいが為、そう発破をかけた。
しかしほむらは一瞥もくれず、黙々と進み続けるのみ。杏子は苦笑しながらも、
内心は羨ましかった。ほむらは全てを諦めていると言いながら、何か大切な目的の為に
動いている。そう感じたからだ。
それに比べて杏子は本当に空虚だった。たった一つの願いをかけた父親は一家心中し、
その時から彼女にとって魔法少女は、ただ生きる為に惰性で続けているに過ぎない、
いわばゴールのないゲームの繰り返し。
常に魔女と戦い、命を危険にさらし続けるという自分に課せられた使命に、焦燥や
不安や孤独だけが募る。しかし誰が助けてくれる訳でもない、褒めてくれる訳でもない。
何の意味も目的も見出せず、ただ漫然と時間だけが過ぎていく。
これは罰なのだ。身勝手な願いで家族を壊してしまった自分への罰。だがこれが
家族への贖罪になるのだろうか? 答えはNOだ。ただ生きる為に仕方なくやってる事で
どうして罪が贖えよう? 自分は救いようのない罪人なのだ。杏子はそう考えていた。
杏子(だからあたしは、せめてあの世で家族に会わないよう、自分勝手に生きて地獄へ
行ってやる……そう誓ったんだ)
99:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 23:10:42.70
ID:no9yrEOq0ほむら「居たわ、佐倉杏子。魔女よ」
杏子「へっ……あれが?」
使い魔との戦いに集中するあまり軽くトランス状態だった杏子は、そのほむらの
呼びかけで夢から覚めたように間の抜けた返事をする。
目の前にシーソーで遊ぶ、真っ白いこけしと、真っ黒なこけし。魔女達は二人に
気付くと、笑いながら竹とんぼのように頭を回し、フラフラと近付いてくる。
その不気味さに、杏子は思わず後退りつつ、変わらず平静なほむらに問い掛ける。
杏子「どういう事だ、魔女が二匹いやがるぞ!?」
ほむら「双子の魔女なのかも知れないわ」
杏子「そうなのかキュゥべえ?」
QB「珍しいけど前例がない訳じゃない。対になった魔女はコンビネーションが良く、
得てしてやっかいなタイプだ」
100:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 23:13:42.51
ID:no9yrEOq0ほむら「幸いこちらも二人だわ。二手に分かれればそれを封じ込められる筈」
杏子「そいつはいい。分け前も均等に出来るってもんだ」
QB「やれやれ……杏子に命令とはリーダー気取りかい、暁美ほむら?」
それには答えず、ほむらは揃ってやって来る魔女達に向かって手榴弾を使い、
奴らを上手く分断させた。そして振り返りもせず、一言だけ杏子に添える。
ほむら「白い方を頼むわ」
QB「僕の事じゃないよね?」
杏子「上等だ! 競争しようじゃないの、暁美ほむら!」
杏子はあくまで冷静なほむらに、強者という自負から対抗意識を燃やしそう言った。
白い魔女は頭をドリルのように回転させながら、人魂のようにぷかぷかと浮かびつつ、
不規則に点いたり消えたりして襲い掛かってくる。
102:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 23:19:07.44
ID:no9yrEOq0 トリッキーではあったが、対応できない杏子ではない。彼女は恵まれた才能に頼る
猪突猛進タイプに見えるが、実は慎重で、相手の手や動きを読み取るまでは迂闊に
手を出す事はなかった。
だからこそ魔女との過酷な戦いの日々を、今まで何とか生き残ってきたと言える。
魔法少女の平均寿命は1クールアニメよりも短い。臆病なまでに手堅く、一度の
ミスが死に直結する事を認識している者でなければ、あっという間に命を落とす。
勿論、才能がなければそうであっても死ぬ。
佐倉杏子が魔法少女を続けているのはほんの三、四年に過ぎないが、それでもこの
業界では異例中の異例だったのだ。
それが彼女の年齢で、キュゥべえからベテランと言われる由縁である。
杏子「ハッ、勢い良く体当たりしてきやがって! オッパイでも吸いたいのかッ!?」
ドリルのような頭に攻撃をすれば、武器を弾かれる可能性が。身体には稀に発光し、
目くらましする特性が。不規則だがワンパターンな動き……佐倉杏子は瞬時にそう
いった白い魔女に対する分析を行いながら、自分の身を第一に考え、隙を窺う。
103:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 23:22:06.10 ID:TjOa5Lxr0
はいおっぱいすいたいです101:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 23:18:36.48 ID:NAoi+QHbO
マジなバトル描写が入るとはなww104:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 23:22:13.74
ID:no9yrEOq0 そして魔女の先を読み、的確な一撃を喰らわせ、さらには次の攻撃に入る為の態勢も
整えていたが、それには及ばず白い魔女はあっけなく断末魔を上げ、消え去って行った
のだった。
それにほむらも続き、黒い魔女を撃退。この間、僅か十五秒。キュゥべえのいらなさ
加減がシャレにならなくなってきたものの、双子の魔女がほぼ同時に事切れて、さっさと
片がついたのがせめてもの救いである。
魔女が倒れた事により結界は崩壊し、二人と一匹は現実世界への帰還を果たす。
この労力でグリーフシード二つ手に入ったのは珍しい事で、こういっては何だが、
おいしい仕事であった。
杏子「よう、やるじゃん。同時か」
ほむら「貴女の方が少し早かったわ」
杏子「アハハ、歯応えのない魔女だったね。あんたの力も見損なっちまった」
ほむら「二人だったこそ楽な相手だったのかも知れない」
QB「暗に自分のお陰って言いたいの? 恩着せがましい奴だね君は」
105:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 23:25:44.64
ID:no9yrEOq0ほむら「鉛が食べたいならそう言いなさい。胃袋に直接ご馳走してあげる」
QB「ハードボイルドだね。次元大介のつもりかい?」
杏子「あんたら何だかんだ言って気が合ってるんじゃない?」
QB「杏子ふざけないでくれるかな。暁美ほむらには性欲しか感じないよ」
ほむら「うっ……こ、この――ウェッ」
杏子「ど、どうした? 珍しく顔色が変だぞ?」
ほむら「だ、大丈夫。少しトラウマを思い出しただけ」
杏子「キュゥべえ……こんな大人しい子まで無理矢理……」
QB「残念だが本当に身に覚えがないよ。いや、暁美ほむら……まさか君は」
107:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 23:28:54.93
ID:no9yrEOq0杏子「よせよキュゥべえ。何故そんなにほむらに突っ掛かる?」
QB「こういう強がってる子を泣かせるのが僕の趣味なんだ」
ほむら「ありがとう佐倉杏子……もう平気だから」
QB「ナニ無視してんだい? ヘタレほむら」
杏子「キュゥべえ、あんたを黙らせる冴えたやり方を知ってるんだが教えてやろうか?」
QB「遠慮しておくよ。どうせトリビアにもなりゃしないだろうし」
ほむら「佐倉杏子、少しいいかしら? 私は貴女と手を組みたいと思っているの」
杏子「へぇ……突然だね。事と次第によっちゃぁ、やぶさかじゃないけど」
QB「怪しいな。騙されてはいけないよ杏子」
ほむら「二週間後、この街にワルプルギスの夜が来る」
108:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/23(水) 23:31:42.85
ID:no9yrEOq0杏子「ワルプルギス? 何だそりゃ?」
ほむら「凄まじい魔女よ。恐らく貴女も私も、一人では太刀打ち出来ない」
杏子「なるほど、今日のように二人ならって所か」
ほむら「虫のいいお願いなのは分かってる。だけど私は貴女しか頼れる人がいないの」
QB「杏子、そいつの言葉に耳を貸しちゃいけない! 孔明の罠だ!」
杏子「キュゥべえ、ほむらは信じられそうなヤツじゃないか」
ほむら「そう思ってくれたなら、私は嬉しい」
杏子「ああ、あんたのビジネスライクな所が気に入ったよ。マミよりよほど話が分かる」
マミ「随分じゃない佐倉さん? 人の陰口なんて」
112:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 00:00:40.68
ID:gFsBjXqc0 同盟話の最中、杏子達にかけられた突然の高圧的な声。そう、巴マミが腕組みしながら
草陰から現れたのだ。穏やかな表情に見えるが、目は笑っていない。
それもその筈、ここは元々マミの縄張り。そこで彼女の断りもなく勝手に魔女狩りを
したとなれば、非は当然杏子達にある。だが杏子は、怯む事無く軽口を叩いた。
杏子「遅かったじゃないマミ。魔女はもうあたしらで殺っちまったよ」
マミ「それはどうも。でも私のテリトリーでウロチョロしないで頂けるかしら?」
ほむら「緊急事態よ。やむを得なかった」
マミ「目障りなのよ、貴女達」
杏子「思い上がるなよマミ。魔法少女がどういうモンか分かってねえ甘ったれが」
マミ「グリーフシードだけが目的の女狐が、偉そうな事いわないで」
杏子「あたしが狐なら、あんたは狸だね」
QB「ポポポポーン!」
113:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 00:05:32.37
ID:gFsBjXqc0マミ「あら? 私を侮辱して、ただで済むと思っているの佐倉さん?」
ほむら「落ち着いて巴マミ。狸はかわいい生き物よ」
QB「狸に失礼だよね」
マミ「貴女……暁美さんと言ったかしら? 見た目より賢くないようね」
杏子「暁美ほむら、あんたは手を出すな。マミはあたしがやる」
マミ「相変わらずの戦闘狂ね。少し痛い目みないと分からないのかしら?」
杏子「いつでも来なよ。ウォーミングアップは済んでる」
ほむら「二人が争うのは無意味だわ。服も汚れるし考え直して」
QB「僕が言うのも何だけど、君説得ヘタだね」
116:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 00:08:49.86
ID:gFsBjXqc0杏子「ここはこれ以上ない狩り場さ、メリットはある。マミを追い出せばここは
あたしらのモノになるんだよ? 理由としちゃあそれでいい」
マミ「まるで宝くじを買って、一戸建ての購入を検討するおめでたさね」
QB「獲らぬ狸の皮算用ってヤツだね、マミ相手だけに」
マミ「先に皮を剥がされたいの、キュゥべえ?」
QB「気が立ってるね。生理前かい?」
ほむら「どうしてなの……カルシウムが足りないなら魚を摂るべきだわ」
QB「君ちょっとズレてないか?」
杏子「マミ、今あたしにはグリーフシードのストックが五十以上ある。その意味が
分かるか?」
マミ「あら、それは凄いわ。貯蓄家なのねびっくり」
117:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 00:12:04.41
ID:gFsBjXqc0杏子「ほざけ、あたしの魔力は尽きる事はない。つまりテメーは、一方的にあたしに
ボコボコにされる運命って訳さ」
マミ「そう……あいにく私は持ち合わせていないけど、負ける気はしないわね」
杏子「なっ、あたしをなめてんのかマミッ!!」
マミ「それ位のハンデは必要でしょう? 何なら暁美さんと二人がかりでも構わないのよ」
QB「誰か忘れちゃいませんかね? 小粒でもピリリと辛いアイツを……」
ほむら「佐倉杏子、私は万が一でも貴女に死なれる訳にはいかない。許可があるなら」
杏子「ふざけるな!! 手を出したらあんたから殺してやる!!」
マミ「あらあら仲間割れかしら……脆い友情関係ね」
QB「さて、どちらを応援するべきか」
118:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 00:15:42.62
ID:gFsBjXqc0マミ「ゴミ箱風情が今更私に口きいていい訳ないじゃない」
QB「死ね豚!! 頑張れ杏子!!」
杏子「誤解すんなマミ。ほむらはただの仕事仲間さ……そもそも友達なんて温い関係は
魔法少女には必要ないんだ」
マミ「そうだったの? 弱い人ってすぐつるみたがるものだから。ごめんなさいね」
杏子「ウゼェ……」
杏子はゆったりと槍を構え、戦闘態勢に入った。一気に空気が張り詰める。マミは
肩を竦め、仕方なしといった風に魔法少女に変身する。
マミは隙だらけに見えたが、それでも杏子は手を出せなかった。
もっとも、現役最強クラスの魔法少女が放つ圧倒的なプレッシャーに押し潰されず、
対峙しているだけでも立派なものだったのかも知れないが。
119:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 00:19:34.11
ID:gFsBjXqc0ほむら「佐倉杏子……貴女と巴マミでは火力が違いすぎる……なのに」
QB「止められないよ。止めに行けば君が二人にやられる事になる」
ほむら「でもこのまま彼女が死ぬのを、黙って見過ごす訳にはいかないわ」
QB「暁美ほむら、君はちょっとマミを過大評価してやしないか?」
ほむら「キュゥべえ、これ以上は寄らないで頂戴。私のイデが抑えられない」
キュゥべえとほむらが会話している間も、睨み合ったままだったマミと杏子であった
が、マミが威嚇するように杏子の足元へ向けてマスケットのトリガーを引いた所で
開戦となった。
杏子の武器の槍は近接武器だが、多節槍として生き物のように収縮自在する事も出来、
間合いを計ることは難しい。故にマスケットという単発銃で遠距離からの攻撃を得意と
するマミだが、確実に安全という距離はなく、武器による優位差がそれほどある訳でも
ない。
とはいえ、マミはその気になれば複数のマスケットを同時に操り、射撃する事が
出来る為、杏子は防御に比重を置きながらの戦いを強いられなければならなかった。
121:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 00:23:55.82
ID:gFsBjXqc0マミ「中途半端な距離からネチネチと槍を伸ばして……相変わらず臆病で野暮な戦術ね、
佐倉さん」
軽やかに杏子の攻撃をかわしつつ、そう挑発するマミ。無意味なターンをする辺り、
まだ余裕を感じる。
杏子「あんたをぶっ潰すのに一撃で決めちゃつまらないからね」
マミ「そうだったの。でも魔法少女はもっとエレガントに戦うべきものなのよ」
杏子「自分の身に起きてる事に現実感がないんだ、あんたは」
マミ「どういう意味かしら?」
杏子「どんな時もそうやってふざけて戦って……それでも強いんだろうが、そんなやり方
いつまでも続かないよ。あんたは現実から逃げて、夢の中で仮の自分が戦っている気で
いるんだ――それじゃ死ぬよ、きっと」
マミ「私が死ぬですって? 貴女如きが私を終わらせてくれると言うの?」
杏子「あたしは鏡だ。あたしと向き合ってみな、マミッ!!」
123:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 00:27:43.42
ID:gFsBjXqc0 杏子はそう叫んで、槍の柄の部分でマミを上から押さえ付けるように特攻する。
しかしマミはそれを易々とマスケットの銃身で受け止め、微笑を返す。
マミ「ウフッ……貴女はそれで私の心を鋭く切り付けたと思ってるんでしょうけど、
的外れもいい所ね」
杏子「んだぁ?」
マミ「自分の殻に閉じこもって、他人と関わる事を怖がって逃げているのは貴女」
杏子「だからどうした!? あたしらはもう魔法少女なんだぞ! 普通の連中と一緒に
笑ったりなんて出来るかよ!」
杏子はカッとなり、本気でラッシュを仕掛ける。しかし接近戦であればパワーで上回る
筈の杏子の攻撃がことごとく受け流され、何故かマミに通用しない。
杏子(バカな冗談じゃ……こんな、こんなに強かったのかマミは!?)
マミ「強くてごめんなさいねぇ」
124:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 00:28:29.03 ID:smZDWhQB0
やだ……かっこいい……127:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 00:32:00.04
ID:gFsBjXqc0杏子「ハン、こっちにはグリーフシードが腐るほどあるんだよ! 負ける筈が!」
焦りながらもそう言って、杏子は全身に炎を纏う。消費は激しいものの、攻防一体の
魔法であり、スターマリオの無敵に近い杏子の奥の手だった。
さすがのマミも距離をとり、マスケットで牽制する。しかし杏子としてもこれを
長く続けるには身体の消耗が激しすぎる。ただちに決着をつけねばならなかった。
マミ「凄い技ね……驚いちゃった」
杏子「アハハッ、マミ! 逃げるのかい!?」
マミ「でも酷い技。自分の身体がどうなってもいいの?」
杏子「この期に及んで負け惜しみかい? あんたらしくもない!」
マミ「そうやって自分を傷つけて、何もかも諦めて、自暴自棄になって。一人で生きて
行こうだなんて出来ると思ってるの? 甘えてるのは佐倉さん、貴女の方じゃなくて?」
129:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 00:36:40.54
ID:gFsBjXqc0杏子「他人から傷つけられても我慢して、興味のない話でも合わせてヘラヘラ笑う。
そんな風に自分を殺して、他人と馴れ合って何になるって言うのさ!」
マミ「そういうのを世間では、社交性がないと言うッ! ティロ・フィナーレ!!」
決め台詞と一緒にマミの大技が炸裂した。無敵状態だと高を括っていた杏子は、
マミ以上に隙だらけになってしまっていたのだ。巨大マスケットの威力は、杏子が
とっさに張り巡らせたバリアさえ貫通し、同時に杏子の身体をリボンで拘束するに
至った。
杏子「ぐへっ……」
マミ「ふふ……口でも喧嘩でも私の勝ちのようね、佐倉さん」
杏子「う、うるせぇ! 見下してんじゃねえクソが!」
マミ「ハァ……バカは死ななきゃ何とやら……かしら?」
そうマミは溜息をつき、魔法で出した紅茶を杏子に少しかけた。
杏子「アチチッ! な、何すんだテメェ!?」
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 18:20:46.59
ID:gFsBjXqc0 マミ「とどめを刺してあげてもいいんだけど。社会のダニが一匹減るし」
杏子「殺したけりゃ殺せ。あたしは負けたんだ」
マミ「でもさすがにそれは躊躇われるわ。貴女みたいのでも一応仲間じゃない?」
杏子「情けをかけるつもりか……あんたを殺す気だったあたしに」
マミ「それもおもしろいでしょ? 貴女みたいなバカの鼻っ柱なんていつでも折って
あげられるし」
杏子「……」
杏子には反論出来なかった。ここまで力の差を見せ付けられては言い返せる筈もない。
完全に敗北し呆然とする杏子に、いつの間にかやって来ていたほむらが黙って肩を貸し、
抱き起こす。
一匹狼である普段の杏子ならばその手を振り払う所だが、あまりの屈辱に放心状態に
なっており、なすがままほむらに身を任せ、うな垂れていた。
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 18:25:15.17
ID:gFsBjXqc0 杏子「大口叩いてこのザマさ……あんたも笑ってくれよ」
QB「聞こえない! もっと大きな声で!」
ようやく口を開いた杏子に、ほむらは相変わらず無表情で抑揚のない口調で返す。
ほむら「私は貴女が生きていてくれただけで良かった。巴マミにも感謝するわ」
QB「感情がこもってない! もっと大きな声で!」
そう言われてマミは穏やかにほむらに笑いかけ、上から目線でこう提案した。
マミ「ねぇ、暁美さんって鹿目さんのお友達なんでしょ? 彼女よりも私と組まない?
貴女がピンチになっても私ならすぐ助けてあげられるわよ」
QB「いいよ! 色っぽいね~!」
ほむら「遠慮するわ」
マミ「なぁに? 私より佐倉さんを選ぶの?」
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 18:25:21.14 ID:bG1hAbUvO
変態QBのSSかと思いきやちゃんとバトルしてるし、わけがわからないよ
支援 5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 18:30:06.04
ID:gFsBjXqc0 杏子「……いいんだよほむら……あたしの事は」
ほむら「巴マミ、残念だけど貴女は自分の力に慢心しすぎている」
マミ「またそれ? 雑魚に心配されるほど落ちぶれてないんだけど」
ほむら「貴女は本当に強い。でも佐倉杏子が持つ懸念が、単なる嫉妬ではないと
分かって欲しいの」
杏子「あ、あんた……」
マミ「ふぅ、分かったわ。素直じゃないのね貴女達」
QB「シワがまた一つ増えてしまうね、マミ」
マミ「今日は風が強いわね。変な音まで聞こえるわ」
QB「あんまり寂しい事いわないでよ。きゅっぷいした仲じゃないか」
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 18:35:39.35
ID:gFsBjXqc0 マミ「今日は鹿目さんと約束あるんだから、これ以上構っていられないわ。出来れば
もう二度と私の目の前に現れないで頂戴ネ☆」
巴マミは笑顔でそうほむら達に忠告すると、ウインクをして去って行った。
QB「年考えなよ。きつい」
杏子「情けねぇ……これが力の差か」
QB「思ったよりあったね。僕でも見込み違いがあるらしい」
ほむら「彼女は強すぎたわ……でもだからこそ魔法少女としても浮いた存在だし、
私や貴女以上に実は孤独なのかも知れない」
杏子「……ほむらちゃんさ、あんただったらどうだい? マミに勝てたか?」
ほむら「分からない。でも例え巴マミが相手だとしても、障害となりうるなら全力で
戦うだけよ」
QB「それよりまず君は、コミュニケーション障害をどうにかした方がいいよね」
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 18:49:27.28
ID:gFsBjXqc0 杏子「分からない、か……あれを見てそう思えるなら、あんたの覚悟も相当なもんだ」
ほむら「……」
QB「急に黙っちゃったけど悔しい? 悔しいの?」
杏子「マミ、マミはさ、あたしが初めて出会った壁なのさ。だからあいつを超えたかった。
でもそれは単にマミに甘えていただけなのかもね……」
ほむら「少しだけ分かるわ」
QB「ナニ共感しちゃってるんだい? 思考停止するのは良くないよ」
杏子「あんたにだけは甘えたくないもんだ。対等な戦友としてさ」
ほむら「ええ、それでこそ貴女よ……佐倉杏子」
杏子「フン……たりめーでしょ。もういい、一人で歩けるよ」
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 18:58:14.80
ID:gFsBjXqc0 ほむら「大丈夫なの? 強がらなくても」
杏子「ああ、そんなにヤワじゃないよ。死ぬほど痛かったけどね」
ほむら「ふっ、ふふっ」
杏子「あ、笑った。笑えるんじゃないか」
ほむら「……わ、笑ってないから」
杏子「ウソつくなってこのっ……これでどうだ!?」
杏子は強引にほむらの脇に手を滑り込ませ、小刻みにくすぐる。ほむらは軟体動物の
ように身体をくねらせ逃れようとするが、杏子は容赦なく責め続ける。中学生らしからぬ
エロテクにほむらは思わずシリアスな仮面を外し、真っ赤になって声を張り上げた。
ほむら「キャッ――ちょ……プハハッ! や、やめっ……杏子!」
杏子「ハハン何だあんた、案外弱いじゃないのさぁ」
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 19:06:16.46
ID:gFsBjXqc0 ほむら「なに考えてるの!? バカじゃないですか!?」
杏子「ワリィワリィ、あたしとした事がつい興奮しちまった」
ほむら「オホンッ……警告するわ。これ以上くすぐるなら命はないと思いなさい」
杏子「そっちのケはない筈なんだけどねぇ。あんたが可愛すぎるから」
ほむら「……」
杏子「まぁ何だ、暇なら一緒に飯でもどうだい?」
ほむら「そ、そういえばキュゥべえはどこかしら?」
杏子「うん? あぁ、気紛れなヤツだからね。それより飯……」
ほむら「ごめんなさい……折角のお誘いだけれど、私はキュゥべえを監視しないと」
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 19:14:52.27
ID:gFsBjXqc0 杏子「つれないねぇ……別にいいけどさ」
ほむら「杏子……これ私のアドレスだから。そこで待っていて」
杏子「えっ? あたしが行って大丈夫なの? 家族とかは」
ほむら「心配しないで、私だけよ。また会いましょう」
杏子「分かった。必ずだぞ!」
ほむら「ええ――約束は必ず守るわ」
ほむらはそう言って身をひるがえすと、美しい黒髪をなびかせ振り返りもせず
消えて行った。
杏子「暁美ほむら……か。ヘンなヤツ」
杏子はそれを見送りながら、笑ってる自分には気付いてなかったのだった。
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 19:20:56.40
ID:gFsBjXqc0 所変わって巴マミは、鹿目まどかと共に帰路についていた。友達になったものの、
学年が違うのでこうした機会で少しでも交友しようという訳である。
マミ「美樹さんはどうしたの?」
まどかが皆で帰ろうと言っていたので、二人切りになるとは思ってなかったマミが、
内心の嬉しさを抑えやんわりと尋ねると、まどかはにこやかに答える。
まどか「さやかちゃんは上條君のお見舞いで、仁美ちゃんはお稽古です」
マミ「そうなの。何だか忙しいのね、お二人共」
まどか「さやかちゃんは会いたがってたし、仁美ちゃんも挨拶したかったって」
マミ「そうね残念だわ……鹿目さんはいいの? 無理してない?」
まどか「ま、まさか! マミさんと帰れて嬉しいですよ!」
マミ「ウフッ、私達、暇人同士って訳ね」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 19:27:55.70
ID:gFsBjXqc0 マミは既に、まどかの事を妹でも見るように慈しんでいた。まどかの純粋さと
屈託のない優しさは、マミが理想としていた友人像そのままだったのである。
まどか「あのマミさん、お暇なら一緒にファンシーショップ行きませんか?」
マミ「それって駅前の?」
まどか「はい……ダメでしょうか?」
マミ「いいわよ、私も興味あるもの。一人では入る勇気がなかったけど」
まどか「ふぇっ、やっぱり変ですか? 子どもっぽいって思います?」
マミ「いいじゃない。貴女のそういう所、すごくカワイイと思うわ」
まどか「あははっ、ありがとうございます! もう開き直っちゃおう!」
マミ「ウフッ、その意気よ鹿目さん」
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 19:39:58.05
ID:gFsBjXqc0 まどかの提案に乗り、ファンシーショップへと寄り道する事となった二人。
まどかはかわいい小物やぬいぐるみなどを眺めたり、手に取ったりするだけで、
幼い少女のようにはしゃいでいる。
マミはそれを静かに見守っているだけのようだったが、久々に普通の友達付き合いを
している事にむしろまどか以上にテンションが上がっており、お姉さんキャラを
崩さぬよう必死に感情を抑えている様子だった。
まどか「見てマミさん! このクマさんリボンついてます! カワイイ!」
マミ「そうね……これもいいんじゃないかしら?」(鹿目さんの方がキャワイイわ)
まどか「あっ、コレどことなくさやかちゃんに似ているかも」
マミ「ウフッ、鹿目さんって感受性豊かなのね」
まどか「あうぅっ、そんな事……はは、恥ずかしいです」
マミ「恥ずかしがらなくても。貴女のそういう所、私はとっても素敵だと思うな」
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 19:44:45.16
ID:gFsBjXqc0 まどか「とんでもない、私なんか! マミさんの方が一つしか違わないのに、すごく
大人っぽいしカッコいいです!」
マミ「そう言ってもらえるのは嬉しいけど、まだ私達知り合ったばかりでしょ?」
まどか「そうですね! でもそれはお互い様というか」
マミ「あら、貴女もちゃんと口答えするのね」
まどか「ああぁっ、ごごめんなさい! 生意気言っちゃって!」
マミ「ふふ、いいのよ。むしろ嬉しいの」
まどか「えぇと……ハイ」(何だろう……あったかいのにどこか……)
マミ「私が年上だからって遠慮しちゃイヤよ? 友達なんですからね」
まどか「あの、一つ分かりましたよ、マミさんの事」
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 19:50:42.53
ID:gFsBjXqc0 マミ「あら、何かしら?」
まどか「マミさんは、とっても優しいんです!」
マミ「あ……ありがとう」
まどか「エヘヘッ」
鹿目まどか。彼女の声、笑顔、純真さ。そのどれもが巴マミにとって心地よく、
彼女といるだけで魔法少女という、破壊と痛みと恐怖だけの孤独な戦いの日々を、
マミから忘れさせる。
この子とならば、私も人間らしい生活をやり直せそうな、そんな気さえしてくる。
いや、もしかしたら本当はやり直せるのではないのか?
巴マミはそう考えて、実は何か方法があるのではないかと思い立った。『命の代償に
魔女と生涯戦い続け、普通の人としての安寧を諦めなければならない』そう決め付けて
いたのかも知れないと。
マミ(キュゥべえなら何か知ってるのかしら? この戦いから解放される方法を)
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 19:59:14.81
ID:gFsBjXqc0 まどかとマミがショッピングを楽しんでいるのと同時刻、暁美ほむらがキュゥべえを
見つけた。しかしヤツは慌てる様子もなく、かえってほむらを待ち構えていたようである。
QB「ヤア、暁美ほむら。僕を追って来てくれたのかい?」
ほむら「ええ、会いたかったわキュゥべえ」
QB「参ったな。これから女子中学生宅の残り湯に無断で浸かるのが僕の日課なんだけど」
ほむら「流石ね、淫キュベーター」
QB「なんなら君ん家でも構わないよ」
ほむら「死にたいようね」
QB「何故僕を付け狙うんだい? 理由くらい聞かせて欲しいな」
ほむら「それを言ったらお前はまどかを諦めてくれるの?」
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 20:08:19.45
ID:gFsBjXqc0 QB「そうかやっぱり……君はこの時間軸の人間ではないね?」
ほむら「……だと言ったら?」
QB「とぼけなくてもいい。そうだとすれば君の行動や知識に合点がいく。君達魔法少女は
条理を覆す存在だ、君が例え時空を超えて来たとしても驚かないよ。ウソだけど」
ほむら「そうよ。まどかはお前にメチャクチャにされた……その運命を変える為なら」
QB「暁美ほむら、君もかい?」
ほむら「クッ……」
QB「ふーん、詳しく聞きたいなぁその辺の所」
ほむら「分かったから、その汚い物をしまいなさい」
QB「生理現象なんだ。仕方ないじゃないか」
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 20:13:52.19
ID:gFsBjXqc0 ほむら「私が魔法少女になる前の話よ。まどかは既に魔法少女になっていて、私は偶然
魔女の結界に取り込まれてしまい、その時に彼女と巴マミに命を救われたの」
QB「それって間接的に僕のお陰でもあるよね」
ほむら「まどかは自分の事よりもまず他人を気にかける子で、根暗で身体が弱くて他人に
迷惑ばかりかけるだけの私にも、最初から優しくしてくれたわ」
QB「あー、そういうタイプって大体腹黒いよ」
ほむら「今すぐその白いボディに、素敵な赤でカラーリングしてあげましょうか?」
QB「済まない、話の腰を折ったね。続けて」
ほむら「とにかくまどかは優しいだけじゃないの。全ての仕草がかわいいし、癒されるし、
かと思えば時折見せる凛々しい表情が凄くカッコいいし……」
QB「もういらなくない? そのくだり」
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 20:17:21.58 ID:bG1hAbUvO
秘密言っちまったよww 31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 20:20:44.48
ID:gFsBjXqc0 ほむら「そう……まだまどかの魅力の百分の一も伝えられてないけど、ケモノ風情に
これ以上説明してもしょうがないわね」
QB「ケモノでよかったぁ」
ほむら「ある時そんな天使のような彼女の家にお呼ばれして、ウキウキしていた私。
それをお前が醜悪な肉棒でどん底に突き落としたのよ」
QB「構わん」
魔法少女になる前のほむらは垢抜けない、病弱で暗くてドジな三つ編みメガネっ娘
属性に加え転校生という、いじめられっこ役満な少女であった。
しかしそんな彼女に奇跡が起きる。鹿目まどかとの出会い。まどかはほむらに対し
初めから先入観なく接し、魔女から命を救ってくれた恩人。まどかが魔法少女である
という秘密の共有もあり、二人は一気に親密になれたのである。
まどか『ほむらちゃん、いらっしゃい!』
ほむら『おっ、おっじゃましましま!』
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 20:27:44.29
ID:gFsBjXqc0 まどか『あはは……それギャグ?』
ほむら『しましま』
まどか『高度すぎて分からないけど、とにかく上がってほむらちゃん』
ほむら『はいっ! 上がらせていただきます!』
まどか『エヘッ、こっちだよ!』
ほむら(あ……か、鹿目さんのちっちゃくてやわらかい手が!)
まどかは、まだぎこちなさを残したほむらの手を引いて部屋まで案内した。まどかの
部屋は彼女らしい、イメージ通りのファンシーさで溢れていた。
まどか『ここが私の部屋だよ』
ほむら『わぁ、ぬいぐるみが一杯……』
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 20:39:02.33
ID:gFsBjXqc0 QB『ヤア! 君は暁美ほむらだね!』
ほむら『ひいぃィッ!? ぬいぐるみがしゃべった!?』
まどか『もうキュゥべえ、ほむらちゃん驚かせちゃダメだよ』
ほむら『キュゥべえ……?』
QB『君も僕が見えるんだろ? 是非僕と契約して魔法少女になって欲しいな!』
ほむらにはこの奇妙な生き物に心当たりがあった。そういえば魔法少女になったまどかの
側にチョロチョロしてた小動物がいた。それがコイツである。
ほむら『あの……私身体弱いので激しい運動はちょっと』
QB『心配ご無用! 僕はどんな願いでも一つだけ叶えてあげられるんだよ! 例えば君が
身体を丈夫にしたいって願えば、その通りになるんだ!』
ほむら『どんな願いも……ほ、本当ですか!?』
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 20:46:16.91
ID:gFsBjXqc0 まどか『キュゥべえ、ほむらちゃんにその話はしないって言ったよね?』
QB『でもまどか、君だって仲間がもっと欲しいだろう?』
まどか『ダメッ! ほむらちゃんに変な事しないで!』
ほむら(変な事?)
QB『決めるのは彼女だ。君じゃない』
ほむら『あの……私その気はないですから。鹿目さんの足を引っ張りたくないし』
QB『エー、君ケッコウ素質ありそうなのになァ』
まどか『ほむらちゃん……ゴメンね』
ほむら『どうして謝るの? 私じゃ力になれないってだけだよ』
QB『僕に謝罪するべきだよね』
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 21:00:23.77
ID:gFsBjXqc0 まどか『エヘヘ……お茶菓子用意してくるからちょっと待ってて』
ほむら『ありがとう、鹿目さん』
まどか『そうだ、ほむらちゃんぬいぐるみ好き?』
ほむら『うん好きだよ』
まどか『良かった。好きに触ってくつろいでていいからね』
QB『それはフリって事なのかい?』
まどか『キュゥべえ! 言うこと聞かないと後でひどいからね!』
QB『やれやれ……』
ほむら『ふふっ』
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 21:18:13.65
ID:gFsBjXqc0 QB『ねえほむら。本当に魔法少女になる気はないのかい? いい事もしてあげられる
んだけど』
まどかが部屋を出て行ってすぐ、キュゥべえはそう切り出した。突然下の名前で
呼ばれてほむらは途惑いながらも答える。
ほむら『いい事?』
QB『凄く気持ちのいい事さ。まどかもすぐに気に入ってくれたよ』
ほむら『鹿目さんが……何なのそれって?』
この時のほむらには、キュゥべえに対する警戒心がまるでなかった。ヤツは愛らしい
容姿をしている上、まどかの不思議なペットだと思っていたからである。
QB『僕を触ってごらんよ、ほむら。モフモフだよ』
ほむら『や、優しくするね』
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 21:23:36.52
ID:gFsBjXqc0 ほむらは言われるがままキュゥべえを抱き起こした。するとキュゥべえはほむらに
顔を近付け、そのまま唇を奪った。
ほむら『――!』
何が起きたのか理解出来ず、ほむらは呆然とする。キュゥべえは構わずほむらの口を
こじ開け、舌を入れる。まるでナメクジが口の中を這い回るような感触と、淫猥な粘着質の
音が部屋中に響き渡り、ほむらはようやく自分がされている事を理解した。
ほむら『ぷえっ……や、やああァぁッ!!』
ほむらは力任せにキュゥべえを引っぺがし、壁に叩き付けようとした。しかしヤツは
スルリとほむらの手から抜け出し、不思議そうに首を傾げる。
QB『何だい、キスでそんなに動揺して。随分ウブなんだね』
ほむら『なっ、ななにを……キスって……キスじゃないよ! あんな気持ち悪い事!』
QB『ハァ……潔癖症かい? ディープキスくらい中学生なら知っておいてくれよ』
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 21:37:23.06 ID:ezAg7mGiO
その淫獣を殺せ!いますぐにだ! 41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 21:37:28.49
ID:gFsBjXqc0 ほむら『うっうぅ……グスッ初めてだったのに……あんな』
QB『泣くなよ……興奮しちゃうだろ』
ほむら『え……』
QB『良く見れば綺麗な顔してるじゃないか。透き通るような白い肌が、紅潮すると
見事な桜色になるんだね。君はまるで……ダイヤの原石だよ』
ほむら『ちょ、も、もうやめて! 本当にイヤなの!』
QB『いやよいやよも今いくよ』
まどか『何してるのキュゥべえ!』
QB『ワオ』
ほむら『か、鹿目さんっ!! 鹿目さあぁぁん!!』
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 21:46:54.99
ID:gFsBjXqc0 まどか『もう大丈夫だよほむらちゃん……ごめんなさい』
ほむら『うああぁっ……グスングスッ……ヒック、ヒグッ……』
QB『違うんだまどか。何がどうなってるのか、僕も何をしたのか分からなかった。
頭がどうにかなりそうだった……萌えとか僕の嫁だとかそんなチャチなもんじゃ
断じてない、もっときゅっぷいするモノの片鱗を味わったんだ……』
まどか『バカッ! 信じてたのに! 出て行って!』
QB『そんなに怒る事かい? 僕みたいな愛くるしいキャラがレイプしたとしても、
それはほのぼのと同義じゃないか。やれやれ、それともまさかとは思うが、君達
レズなのかい? マミの所へでも行ってくるよ』
キュゥべえはそう言って下半身をギンギンにさせたまま、消えるようにいなくなった。
それを確認して、まどかはほむらの頭を撫でながら優しくささやきかける。
まどか『ほむらちゃん、もうキュゥべえはいなくなったよ。落ち着いて?』
ほむら『グスッ……アイツ、アイツは鹿目さんにもひどい事を?』
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 21:52:57.33
ID:gFsBjXqc0 まどか『うん……魔女とも命がけで戦わなきゃいけないし、魔法少女になるっていい事
ばかりじゃないよ』
ほむら『そんなのひどいよ……鹿目さん頑張っているのにまるでオモチャ扱いじゃない』
まどか『でも……でもね、ほむらちゃん。私はね、魔法少女になって良かったと思ってる。
だって魔女からほむらちゃんを助ける事が出来たでしょ? ほむらちゃんを助けた事は私の
誇りなの。こんな私でも誰かの為になれたんだって。それがとっても嬉しいなって。だから
勝手かも知れないけど、ほむらちゃんが普通の女の子として暮らしてくれれば、こんなに
嬉しい事はないんだぁ……エヘヘ』
ほむら『鹿目さん……私……』
まどか『ご、ごめん! ずるいよね、恩を着せるみたいでさ。でも私、ほむらちゃんには
魔法少女になってもらいたくないの……私みたいに汚れないで欲しいの』
ほむら『か、鹿目さんは汚くなんてない!』
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 22:00:35.21
ID:gFsBjXqc0 まどか『ほむらちゃん……まだ私と友達で居てくれるの?』
ほむら『当たり前だよ! そんなの当たり前に決まってるよ!』
まどか『エヘッ……だったらもうちょっと、このままでいていいかな?』
ほむら『うん……』
もたれかかるまどかを黙って抱き締めながら、ほむらは彼女が泣いている事に気がついた。
初めて会った時からまどかは小さいけれど、ほむらにとっては大きな存在だった。
それが急に等身大になってしまった感じで、今は小さく見える。
思えばこの時以外、ほむらにはキュゥべえからの勧誘は途絶えた。まどかがヤツの
契約から、ほむらを必死に守っていた事に間違いはなかった。
そしてほむらは魔法少女にならないまま、ワルプルギスの夜がやってきた。巴マミは死に、
まどかは一人で立ち向かう事になったが、逃げる事もほむらの助けを借りる事もなく、
相打ちでこれを倒した。ほむらとこの街を守り通したのである。命と引き換えに。
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 22:06:08.07
ID:gFsBjXqc0 ほむら『ど、どうして……死んじゃうって分かってたのに……私は、私自身よりも、貴女に
生きていて欲しかったのに……うっ、うぐぐぅっ……』
QB『ヤア! とんでもない事になっちゃったね、ほむら!』
ほむら『キュ、キュゥべえ……』
QB『なんだいその目は? お願い? 僕にお願いがあるのかな、かなァ?』
ほむら『私は……私は鹿目さんとの出会いをやり直したい! 彼女に守られる私じゃなくて
彼女を守る私になりたい!』
QB『う~ん……抽象的だけど、まあモノは試しだ。やってあげよっか?』
ほむら『いい、鹿目さんがいないこの世界なんてどうでもいい!!』
QB『ハ~イ』
ほむら『鹿目さんゴメン……約束守れない。でも私がきっと必ず貴女を救ってみせる』
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 22:11:02.64
ID:gFsBjXqc0 ほむら「――そうして時間移動能力を手に入れた私。で、何週目か忘れたけど失敗続きで
今に至る」
QB「肝心な所が抜けてるな。君はまだ処女なのかい?」
ほむら「まどかが守ってくれたモノだから」
QB「ねえほむら、どうせ元に戻るんなら一発位いいんじゃない?」
ほむら「殺したいけど殺さないであげるわ。お前を殺しても無意味って分かってるし、
それ所かソウルジェムもペナルティでちょっと濁るって分かったし」
QB「君は別の時間軸では僕を殺しているのかい?」
ほむら「ええ、数えるのを諦める位」
QB「キス程度で殺されるのか。しょんべんちびりそうだよ」
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 22:16:27.94
ID:gFsBjXqc0 ほむら「お前を殺してもすぐに代わりが現れるけど、同じ様に見えて個体によって
性格が変わる事が分かったわ」
QB「そりゃ僕は僕しかいないからね」
ほむら「その中でお前は最低ではあるけれど、最悪ではなかった。だから生かして
おいてあげてるの」
QB「僕らは基本的にみんな紳士な筈なんだけどなぁ」
ほむら「話はこれでおしまいよ。とにかくまどかに肉体的に手を出したらただじゃ
おかない。勿論天使であるまどかはどんな事されても決して汚れたりしないけれど、
私は彼女の悲しむ姿を見たくないから」
QB「ちょっと目的変わってない?」
ほむら「何なら私と一緒に暮らしてもいいのよ、キュゥべえ。死の恐怖に怯えながら
生活するというのも一興でしょ?」
QB「いやいや~、そんな趣味はないから」
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 22:31:00.18 ID:bG1hAbUvO
これでもマシなら最悪は、どんだけ最悪なんだよw 49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 22:24:00.03
ID:gFsBjXqc0 ほむら「じゃあこれからどうするのお前は」
QB「マミに頭を下げにいくよ。あれでも長い付き合いなんでね、許してくれると思う」
ほむら「しつこいようだけどまどかには……」
QB「僕も君達が気に入ってるし、まだ死にたくはないからね。しばらく様子を見させて
もらうよ。君が何週もしてるって事は、運命を変えるなんて出来やしないんだろう?」
ほむら「……」
QB「失敬、希望は持ち続けるべきだよね。だって君達は魔法少女なんだから」
ほむら「もういいわ。消えなさい」
QB「分かったよ、杏子によろしく言っておいてくれ。じゃあね、ほむら」
ほむら(……私は……私は絶対に諦めないんだから……!)
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 22:29:30.68
ID:gFsBjXqc0 一方、佐倉杏子はほむらの家の前でタイヤキをほうばりながら、ほむらの帰りを
待ち続けていたのだが、その目の前に見覚えのある少女が近付いてきたのだった。
杏子「なんだい、あんた?」
さやか「あんたこそなんスか? ここ、暁美さんの家だよね?」
杏子「あたしはアイツを待ってんだ」
さやか「どういう事? 急に早退したけどやっぱり魔女が現れたの?」
杏子「あぁ? あんたどこまで知ってるんだい……魔法少女じゃないよね?」
さやか「私はほむらの友達よ。だから心配して」
杏子「友達ィ? ほむらの? アハハッ、ありえねーっての!」
さやか「な、なんだよ! 失礼なヤツだな!」
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 22:35:56.14
ID:gFsBjXqc0 杏子「あんたみたいのと、ほむらが本気で付き合う訳ないじゃない。マア、
ほむらの引き立て役位にはなるだろうけどサ」
さやか「バカじゃないの。あんたこそほむらの何だって言うの?」
杏子「ほむらは……あ、あたしの女だよ」
さやか「ハァ? な、なにそれキモいんですけど……」
杏子「テメェ言ってくれるじゃねえか……決着つけるか?」
さやか「上等よ。やってやろうじゃないの」
なんだか訳の分からない内に一触即発の二人。しかしいつの間にかほむらが、二人の
間に割って入りそれを手で制した。
ほむら「その必要はないわ」
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 22:39:20.60
ID:gFsBjXqc0 杏子「ほむら遅かったじゃないのさ! ゴミが絡んできてウザいったらなかったよ!」
さやか「ほむら、こんな不良と付き合うのは良くないよ。友達は選んだ方が」
杏子「あぁん!?」
さやか「誰がウザいって!?」
ほむら「や、やめなさい二人共。今日は何か私が奢るから」
杏子「えっ、マジかい? さすがほむら太っ腹だね~♪」
さやか「私はお金出すよ。コイツと一緒にされるのはイヤだから」
杏子「いちいち喧嘩売ってんじゃないよ、このガキ!」
さやか「あんただってガキじゃないか!」
ほむら(この時間軸でも仲いいのね、この二人)
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 22:46:15.02
ID:gFsBjXqc0 杏子達がつまらない事で小競り合ってる頃、マミのマンションにはキュゥべえが
やって来ていた。マミは帰るなりキュゥべえの顔を見る事になって、さっきまで
まどかとキャッキャウフフしていた現実が消されたような気持ちになり、顔を歪めた。
QB「ヤア、マミ。待っていたよ」
マミ「どうしているのかしら? もうグリーフシードの廃棄以外の用事では来て
貰いたくないんだけど」
QB「僕と君の仲じゃないか。抱いてやるから機嫌直してよ」
次の瞬間、キュゥべえの足が撃ち抜かれていた。キュゥべえは自分の身に何が
起こったのか分からず、間の抜けた声を出す。
QB「え……あれ? なんじゃこりゃ?」
マミ「ねぇ、キュゥべえ。私質問があるの」
QB「マ、マミ?」
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 22:53:20.67
ID:gFsBjXqc0 マミ「もし私が魔女退治をやめて普通の女の子に戻りたいって言ったら、どうする?」
QB「どうするもこうするも、それは契約違反……」
マミ「出来るか出来ないか、それを尋ねているの。飲み込みが悪いわね」
QB「無理だね」
マミ「どうして? 私頑張ったじゃない。たくさん魔女を狩ったよね? もう解放して
くれてもいいんじゃない?」
QB「そんな事を言われても困る。君はもう後戻り出来ないし、魔女に襲われている人間を
放ってはおけないだろ? 優しい子なんだから」
マミ「イヤよ! いつまで続ければいいの!? こんな……こんなの耐えられない」
QB「マミ……落ち着くんだ。素数を数えながら僕の傷を治すんだ」
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 23:00:55.90
ID:gFsBjXqc0 マミ「キュゥべえ……私思ったんだけど貴方を殺せば終われるのかしら?」
QB「それはない、僕の代わりはいくらでもいる。無駄な事だよ」
マミ「ソウルジェムを破壊すれば」
QB「やめた方がいい、ソウルジェムは君自身と連結している。壊せばただでは済まない」
マミ「じゃあ私は一生このままなの? ずっとあんな化物を相手にしなきゃいけないの?」
QB「その通りだよ、マミ。君は一生魔法少女さ」
マミ「いやああアァァッ!!」
マミはマスケットでキュゥべえを撃った。何度も、何度も、何度も。薄れ行く意識の中で、
キュゥべえは佐倉杏子の事を思い出していた。
QB(心残りはないんだけど、杏子の泣き顔……もう一度見たかったなぁ……)
それが、キュゥべえが最後に願った、割とどうでもいい望みであった。
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 23:02:19.53 ID:EX+wVLuX0
キュッぷいーー 59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 23:04:18.40 ID:bG1hAbUvO
次のQBの人格はどんなやらw 60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 23:08:51.55
ID:gFsBjXqc0 近所の焼肉店で夕食を済ませたほむらと杏子はさやかと別れ、二人並んで帰っていた。
打ち解けてるとまではいかないまでも、中々いい雰囲気ではあった。
杏子「クッソー、あのさやかってヤツ生意気すぎんだろ……一回シメないと」
ほむら「貴女の素が見えておもしろかったわ」
杏子「どういう意味だほむら? あたしはあんなヤツとはねぇ……」
その時、塀の上から聞き覚えのある声が響いてきた。猫ではない、キュゥべえである。
QB「やあ二人共。今帰りかい?」
杏子「あれっ、キュゥべえ? ほむらから聞いたんだけどマミんとこじゃないのかい?」
QB「それが追い出されちゃってね……やっぱり君にやっかいになろうかと思う」
杏子「まるで本妻から愛人にって感じじゃないか。なめられたもんだね」
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 23:14:24.45
ID:gFsBjXqc0 QB「そんなつもりはない。僕はただ自分の使命を全うしたいだけだよ」
杏子「どうしたんだキュゥべえ? 殊勝というか……やけに真面目じゃないか?」
QB「そうかな? 僕にはこれが普通なんだけど」
杏子「あんた……本当にキュゥべえ?」
ほむら「……」
QB「何言ってるの杏子。当たり前じゃない」
杏子「そ、そうだよな、アハハッ……ワリィ」
ほむら「いえ、お前は前のキュゥべえじゃないわ……巴マミに殺されたのね」
杏子「……えっ……?」
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 23:21:33.28
ID:gFsBjXqc0 QB「確かに僕は前の代わりだけど、やる事は変わらないから安心して」
杏子「キュ、キュゥべえが死んだって……マジなのかほむら?」
ほむら「ええ。キュゥべえは死ぬと、すぐに他のキュゥべえが代打俺するの」
QB「それがどうかしたのかい? 僕達にとって命なんて概念は」
杏子「黙れっ……消えろ!! テメェも殺すぞ!!」
QB「ふぅ……やれやれ仕方ない。君の頭が冷えるまで待つとするよ」
杏子に恫喝され、キュゥべえは文字通り消えるようにいなくなった。その後で
杏子はほむらにすがりつき、声を殺して泣いていた。
ほむら「杏子……」
杏子「お、おかしいよな……凄くイヤなヤツだったのに……か、悲しいんだよ……」
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 23:29:46.68
ID:gFsBjXqc0 QB『ヤア! 僕はキュゥべえっていうんだ。かわいいだろ?』
QB『ハァハァ……これがTENGAか……地球の文明も侮れないね』
QB『遅いよ杏子。何発分の遅刻だと思ってるの?』
QB『そうかな? 君とは気が合うって思ってるけど』
QB『ああ……その前に僕のうまい棒を食べてくれないかな?』
QB『いたっ! やっぱり君は乱暴だなぁ。それが獣みたいでいいんだけど』
QB『君にしゃぶらせる事によって、胎内回帰にも似た安心感を得られるんだ』
QB『全く困ったヤツさ。僕は紳士なのに』
QB『昔は切り捨てるべきだって偉い人が言ってるらしいよ?』
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 23:35:06.44
ID:gFsBjXqc0 QB『杏子、君はお姉ちゃんだろう?』
QB『いい子だね杏子。今から君を魔法少女にする』
QB『ありがとう、本当に君は素直でいい子だね』
QB『実はこれから、契約してくれたご褒美をあげることになってるんだ』
QB『僕はとても気持ちいいなって』
QB『それは僕の……あ、また勃起してきた』
QB『もっと力抜けよ。すぐ抜けてしまうじゃないか』
QB『どうだい? 家族の目の前で犯されてる気分は?』
QB『ハァ……あんなにいい子だったのに、どうしてこんなにやさぐれてしまったのか』
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 23:37:05.41 ID:9pGl7UVQP
なにかおかしい回想シーン 69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 23:40:43.09
ID:gFsBjXqc0 QB『僕が杏子を? 君は魔法少女の中でも特に目をかけてる存在だよ、本当さ』
QB『君が僕に気に入られる為に、色々尽くしてくれてるのは知ってる」
QB『杏子は元来賢い人間だ。察しがいいし、それでいて見返りも求めない』
QB『強がったってダメだ。君だってどうせ都会の迷い子なんだろ?』
QB『少なくともキュゥべえさん愛護団体が黙っちゃいないだろう』
QB『でも僕がいなければ、君はとっくに状況に狂っていた。違うかい?』
QB『君を、いや君だけは失いたくないんだ、杏子』
QB『だけどムラムラしたら言ってよ。僕はいつでもギンギンだから!』
QB『そうか……ならこっちおいでよ。腕枕してあげる』
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 23:46:15.59
ID:gFsBjXqc0 QB『……ねえ、キスしてもいいかい?』
QB『このキュートな僕を蹴り飛ばそうだなんて、どうかしてるよ』
QB『ダッ、ダメだよそんなの! 君はもっと自分を大切にするべきだ!』
QB『やっぱり君には僕がついてなきゃダメだね。危なっかしくてしょうがないよ』
QB『だろ? ちょっと自慢したい毛並みなんだ』
QB『こういう強がってる子を泣かせるのが僕の趣味なんだ』
QB『誰か忘れちゃいませんかね? 小粒でもピリリと辛いアイツを……』
QB『死ね豚!! 頑張れ杏子!!』
杏子「クソッ……アイツ……ロクな思い出もないまま死にやがって……グスッ」
ほむら(キュゥべえの性質が変わった事で、よりまどかを救うのが困難になったの
かも知れない……でも私は諦めない――いいえ、諦める訳にはいかないのよ)
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/24(木) 23:53:27.44
ID:gFsBjXqc0 ここは病院。月明かりだけが差し込む薄暗い病室で、一人の少年が苦悩していた。
上條(この手は一生動かないだって……クソッ……そしたら先生は僕の事なんて)
その時、ふいに少年の目の前に風が吹く。気がつくと美しくもかわいらしい白い獣が
現れていた。そして獣は、ふてぶてしい態度で少年にこう持ち掛けてきたのである。
上條「なっ……イタチ?」(この病院は衛生上問題あるな……訴えてやる)
QB「お困りのようだ……ならないかい?」
上條「ナニィ!? しゃ、しゃべった!?」(驚愕)
QB「乙女の心を持つ君には、僕の契約を受ける資格があるようだ。魔法少年になれば、
どんな願いでもホイホイ一つだけ叶えてあげられるよ」
上條「ど、どんな願いもだって? 本当かい?」(迫真)
QB「そうさ、例えば君の手をTENGAに変える事だって出来る。そうすれば君のハンドで
先生もドビュッシーさ」
上條「ゴクリ……」(切実)
魔法少年上條きゅんの戦いはこれからだ!! ご愛読ありがとうございました!!
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/24(木) 23:57:05.42 ID:9pGl7UVQP
!? 75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/25(金) 00:00:13.38 ID:XGJ+kagq0
前作
QB「君達は僕とさやかに、薄い本的な展開を望んでいるのだろう?」 俺がバカなりに一生懸命書いたこれと繋がってる感じなんで見てない人は見てやって下さい
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 00:05:41.38 ID:RLycK6jIO
読みゃ落ちに納得出来んのかね
探してみる 77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 00:11:25.05 ID:JUbcOkMdP
読んでくる 80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/25(金) 00:33:48.61 ID:JUbcOkMdP
これは続編があると見ていいのかなぁ
ちょくちょく"QB「"でスレタイ検索かけるか・・・
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