1:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 19:43:15.49
ID:wEDI6mln0
2:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 19:45:01.86
ID:wEDI6mln0
CGプロ――
窓「ざーざー……」
加蓮「あーあ……私、雨って嫌いなんだよねー……」
P「分かる、濡れると気が沈むよな」
加蓮「そう! せっかくおしゃれしてるのに、ビショビショになるんだよ?」
P「そうそう! スーツが濡れると、後処理が面倒なんだよなぁ」
加蓮「子供の頃は、あんなに好きだったのに……」
P「年を取ると逆に好きになるらしいぞ?」
加蓮「んー……おばあちゃんはまだ先かな」
P「俺も同じだ。まぁ、年相応を楽しめば良いさ」
加蓮「そうだねー……」
P「……時間だな、車をまわすから、先に下におりてくれ」
加蓮「はーい」
3:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 19:46:18.97
ID:wEDI6mln0
数時間後――
撮影現場――
加蓮「え?! 迎えに来てくれないの?!」
P『悪い、用意していた車のエンジンがイカれてしまったらしいんだ』
P『直るのに、2時間はかかるらしい』
加蓮「そんなに? 美世さんだったら、もっと早く直せるでしょ?」
P『その美世に頼んだ結果が2時間なんだ』
加蓮「あっそれは仕方ないね」
P『ちかたなくてすまない』
P『しかも、うちは今、無駄遣い撲滅週間だろ?』
P『ちひろさんに掛け合ってみたが、近い距離なら電車でお願いします、と釘を刺されてしまった』
加蓮「まぁ、近いしね」
P『近いしな』
加蓮「電車で1本だもん」
P『近いよな』
4:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 19:47:35.81
ID:wEDI6mln0
P『悪いが今日は直帰で良いか?』
加蓮「うん、私は大丈夫」
P『交通費はこっちで申請しておくから』
加蓮「おっ、流石Pさん! 気が利くね♪」
P『おいおい、誉めても何も出ないぞ?』
加蓮「仕事がくるじゃん」
P『枕営業みたいな言い方はやめろォ!』
加蓮「アハハ……それじゃ、また明日~」ピッ
加蓮「……ふぅ」
加蓮「それじゃ、お疲れさまでーす」
スタッフ「あ、お疲れさまですー!」
5:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 19:48:33.57
ID:wEDI6mln0
東京某所――
加蓮(うわぁ……これもう土砂降りじゃん)
天気「どっじゃああああ……!」
加蓮(早く帰って、今日はさっさと寝ちゃおっと)トコトコ
加蓮(湿気でウィッグがゴワゴワになる前に……!)キリッ
加蓮(……)トコトコ
6:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 19:50:15.03
ID:JtBw4aoy0
加蓮(仕事が重なってるから、しばらく学園艦には戻れないなぁ)
加蓮(でも、練習メニューは河嶋先輩に渡してあるし、次の合同合宿の打ち合わせの準備は済ませてあるし……)
加蓮(皆もだいぶしっかりしてきたから、特に問題はないよね)
加蓮(特に華さんの運営能力が格段に上がってきていて……)
加蓮(もしかしたら、次の生徒会長になったり……なんてして)フフ
加蓮(あ、もう女子寮に着いた)
加蓮(近いなぁ)
7:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 19:51:03.09
ID:JtBw4aoy0
加蓮(……あれ?)
加蓮(女子寮の前に、誰かいる……)
加蓮(なんか、戦時中の日本軍みたいな格好だけど……女の子みたい……)
??(……)ザーザー
加蓮(……って、ちょっと!? あの子、びしょ濡れじゃない?!)
??(……)ザーザー
加蓮(うっ……どうしよう……身元不明のびしょ濡れの女の子……助けるべきか、見過ごすべきか……)
8:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 19:52:16.74
ID:JtBw4aoy0
加蓮(土砂降り……)
みほ『川に転落!?』
通信手『はい! 崖に落ちて、そのまま増水した河川に……!』
みほ『っ……!』ガチャッ
通信手『あ! 副隊長?!』
砲手『副隊長?!』
加蓮(っ……!)ギュ
9:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 19:53:59.79
ID:JtBw4aoy0
加蓮(私は……私は……!)
みほ『これで……全員……!』バシャバシャ
操縦手『けほっ……けほっ……!』
通信手『怖かったよぉ……!』
砲手『よしよし……』
装填手『……』ボーゼン
小梅『みほさん……ありがとうございます……!』ギュ
みほ『大丈夫……もう大丈夫だから……!』ギュ
小梅『ありがとう……本当に、ありがとう……!』グスッ
みほ『……』ギュゥ...
加蓮(助けたいって気持ちから、逃げたくない……!)キッ
10:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 19:54:46.39
ID:JtBw4aoy0
??(……)
加蓮「ねえ、ずぶ濡れだよ?」
??「!?」ビクッ
加蓮「風邪引いたら大変でしょ?」
??「うぅ……」クルリ...
福田「……」グスッ
加蓮(えぇ?!)
11:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 19:55:37.45
ID:JtBw4aoy0
福田「で、でも……」
加蓮「あなた……福田ちゃんじゃない?」
福田「ふぇ?!」ビクッ
加蓮「知波単学園戦車道の子だよね? 戦車道雑誌にのってたよ(嘘は言ってない)」
福田「はい……」
加蓮「おいで、お風呂くらいはいれてあげるから」
福田「でもここは、不審者が入れる場所じゃ……」
加蓮「……え? よく知ってるね?」
福田「!!!!」ギクッ
12:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 19:56:33.65
ID:JtBw4aoy0
福田「し……失礼します!!」ダッ
加蓮「待って!!」ガシィッ
福田「ひっ?!」
福田(は、速い!?)
加蓮「びしょ濡れのままってわけにはいかないよ」ザーザー
福田「あ……あなたまでびしょ濡れにならなくても……」
加蓮「……ホント、おかげで2人で暖まる必要があるね?」
福田「あ……」
加蓮「大丈夫、私に任せて?」
福田「……はい……」
13:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 20:00:24.53
ID:JtBw4aoy0
女子寮玄関――
加蓮「ただいまー」ビッショリ
福田「……」ビッショリ
凛「……え! どうしたの加蓮、びしょ濡れじゃない!」
奈緒「あれ?! その子ってまさか、知波単学園の福田ちゃんじゃね?!」
凛「加蓮……悪いけど、ここは事前連絡無しじゃ部外者は入れないんだよ?」
奈緒「おいおい、怒られるぞ?」
加蓮「……」スゥ
加蓮「こいつを風呂にいれてやりたいんですがかまいませんね!!」
凛「……」つ鍵
加蓮「ありがとう♪」
奈緒((アイドルの方の)荒木先生から借りたジョジョ読んでますわコレ)
14:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 20:01:43.72
ID:JtBw4aoy0
加蓮「持つべきものはシンデレラガールの友達だよねぇ」
凛「そのまま泊まっても構わないから」
加蓮「ありがとう、今度勉強教えてあげるねー」
加蓮「さ、行こ?」スタスタ
福田「あ……はい……」トコトコ
凛「ゆっくりしてね」フリフリ
15:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 20:02:55.61
ID:JtBw4aoy0
奈緒「なあ凛、さっきの鍵ってもしかして……」
凛「シンデレラガールだけが使える、最上階の部屋の鍵」
奈緒「ここって、元はホテルなんだろ? スイートルーム使い放題とか、羨ましいなー」
凛「部外者は立ち入り禁止だけどね」
奈緒「……ところで、凛は5部読み終わったのか?」
凛「今6部読んでるところ」
奈緒「最低3回は読めよ? 理解不能を連呼するのはそれからだ」
凛「? 分かった……」
16:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 20:04:16.84
ID:JtBw4aoy0
女子寮最上階――
シンデレラガールーム――しぶりんの間――
加蓮「お邪魔しまーす」ガチャリ
福田(ここが、あの噂の……)
加蓮「着いてきて、こっちがお風呂だから」
福田「な、慣れているでありますね?」
加蓮「よくTPでお泊まり会してるから」
福田「そうでありますか……」
17:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 20:06:02.33
ID:JtBw4aoy0
脱衣所――
加蓮「あっちゃ~……服が張り付いて気持ち悪いね」クスクス
福田「うぅ……不肖福田、知らない方にほいほい着いていってしまったであります……」
加蓮「私は取って食わないから、安心して?」
福田「そこは信用しているでありますが……」
加蓮「……それじゃ、知り合いなら良いよね?」
福田「え?」
加蓮「珍しいこともあるよね」ウィッグハズシテ
加蓮?「世界はこんなに広いのに……」メイクオトシテ
みほ「こうして偶然出会うなんて」
福田「お、大洗の西住殿?!?!?!?!」
18:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 20:07:05.91
ID:JtBw4aoy0
みほ「私、ここでアイドル活動しているんです」
福田「全然気付かなかったであります……!」
みほ「どうですか? 私とならお風呂に入れますよね?」
福田「は! 西住殿とあれば、何も問題ないであります!」バッ
みほ「それじゃ入ろ? これ以上は風邪引いちゃうよ」クスクス
福田「はいであります!」
19:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 20:07:52.13
ID:JtBw4aoy0
浴室――
かぽーん
福田「ふぅ……」
みほ「しっかり暖まってね?」
福田「ありがとうございます、西住殿」
福田「実は身支度もせず、路頭に迷っていたであります……」
みほ「うん、何となく想像ついてた……」
福田「……」チャプ
みほ「福田さんが良ければ、相談に乗りますよ?」
福田「でも……」
みほ「一緒に戦った仲間じゃないですか」
福田「西住殿……」
20:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 20:08:43.87
ID:JtBw4aoy0
福田「うぅ……」ジワ...
福田「うわあぁぁ……」ビエーン
みほ「よしよし」ナデナデ
福田「助けてください……西住殿ぉ……!」エグエグ
みほ「うん」
みほ「その前に……泣けるだけ泣いちゃいましょう」
福田「ひっぐ……うぅぅ……ぐすっ」グスグス
みほ「……」ナデナデ
21:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 20:09:18.88
ID:JtBw4aoy0
お風呂上がり――
みほ「んっ……んっ……」
福田「んぐ……こく……」
2人「「ぷはー!!」」
22:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 20:10:47.31
ID:6H3QCMxg0
福田「やはりお風呂上がりの牛乳は最高であります!」
みほ「どう?」
福田「はい! 落ち着いたであります!」
みほ「良かった」ニコリ
みほ「着替えは用意しましたので、どうぞ」
福田「こ、こんなにしていただけるなんて……!」
みほ「その代わり、風邪引かないでくださいね?」
福田「は! 福田、風邪を引かないであります!」
みほ「あはは……」
23:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 20:15:01.35
ID:6H3QCMxg0
みほ「サイズはどうですか?」
福田「ピッタリであります!」
みほ「ふふ、良かった」
福田「でもこれ……どうやって用意したでありますか?」
福田「福田、かなり背が、その……あれなので、丈が合うことは滅多に無いでありますが……」
みほ「背丈のほぼ同じ子(双葉杏)がいるから、その子から(きらりを経由して)借りました」
福田「なるほどであります!」
みほ「濡れた服は(きらりにお願いして)乾かしてもらっているので、それまではこの部屋でゆっくりしてください」
福田「お世話になりっぱなしで、申し訳無いであります……」
みほ「私がしたいだけだから、あまり気にしないでください」
24:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 20:16:41.72
ID:6H3QCMxg0
みほ「福田さん、言いにくいことだとは思うけれど……」
みほ「どうして雨の中、ずぶ濡れでさ迷っていたんですか?」
福田「はい……」
福田「福田は……福田はもう、自分が何なのか、分からなくなったであります……」
みほ「自分が……?」
福田「誰にも言えない秘密を抱え過ぎて……嘘で周りを騙し続けて……自分でも制御出来なくなって……」
みほ「それは大変だったね……」
福田「だから、ここで秘密を洗いざらい明かしたいであります」
みほ「私で良いの?」
福田「あなたじゃなきゃ駄目であります!!」
福田「だって……」
25:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 20:17:47.18
ID:6H3QCMxg0
福田「私も……CGプロのアイドルだから……」
みほ「へぇー、そうなんですか……」
みほ「えぇ?! そうなんですか!?」
26:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 20:21:26.33
ID:6H3QCMxg0
みほ「え、誰!? 誰だろ?!」
福田「……変装用具だけは、持ってきているであります」
福田「おかしな話であります……皆を騙している罪悪感で飛び出したのに、皆を騙す道具はしっかり用意しているなんて……」ガサゴソ
みほ「ううん……その気持ちは凄く分かるよ」
みほ「確かに、変装中のもう1人の自分は、皆にとっては嘘かも知れません」
みほ「でも、自分にとっては、大事な人間ですから」
福田「……この気持ちを理解してもらえたのは、あなたが初めてであります」
福田「だからこそ、この秘密を知ってもらいたいと思うであります……」
27:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 20:22:43.83
ID:6H3QCMxg0
福田「髪は束ねて、頭の上へ持っていくであります」ヨジヨジ
福田?「これは、かつらをかぶった時、黒髪が見えないようにするためであります」ファサッ
みほ「あれ?! 急に見覚えるのある顔になったちゃった……!?」
福田?「眼鏡を外し……コンタクトレンズをつけさせてもらうであります」ヨイショ
福田?「あとは、知波単魂を調整して……」アーアー
みほ(あ、やっぱり必要なんだソレ……)
28:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 20:25:12.06
ID:tqFhY4aM0
??「出来ました」
智絵里「こ、こんばんは……緒方智絵里です」
29:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 20:29:07.65
ID:tqFhY4aM0
みほ「嘘……まさか福田さんが、智絵里さんだったなんて……」
智絵里「ずっと騙していて、ごめんなさい……」
みほ「あ、いえ……それは私もなので」
智絵里「そう……私はずっと、皆を騙してきました」
智絵里「知波単の皆を……CGプロの皆を……そして自分さえも……」
みほ「……」
みほ「全部聞かせてください」
みほ「私なら、もう覚悟していますから」
智絵里「みほさん……ありがとうございます……」
30:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 20:30:26.27
ID:tqFhY4aM0
智絵里「事の発端は、弱気な自分を変えたいと思ったことです」
智絵里「それまでの私は、黒髪のお下げに眼鏡をかけた、弱々しい性格をしていました」
みほ「それって、福田さんの姿をした智絵里さん、ということですか?」
智絵里「はい、まさにそんな感じです」
智絵里「そこで私は、強い女の子になれる高校に入ろうと思い、高校試験を経て、入学しました」
みほ「それが、知波単学園……!」
智絵里「これが知波単での自分――福田智絵里の誕生です」
みほ「あ、智絵里は本名なんですね」
智絵里「はい、福田智絵里が本名です」
31:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 20:32:22.01
ID:tqFhY4aM0
智絵里「私の目論見は、半分当たりました」
智絵里「知波単魂を学び、軍人のような生活(※ドラマCD参照)を経て、入学前よりもずっとずっと、世間を生き抜いていける強さを手に入れました」
みほ「でも、残りの半分は……?」
智絵里「……それまでの自分の生活と違いすぎて、馴染めなかったんです」
智絵里「でも、そこで逃げ出すのも悔しかったので……」
智絵里「『知波単の福田』として……もう1人の自分がいるものとして、その子に全部任せていました」
智絵里「ここで私は、性格を騙していることに、罪悪感を抱えるようになったんです」
32:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 20:33:26.32
ID:tqFhY4aM0
智絵里「Pさんにスカウトされたのは、その頃でした」
智絵里「見た目じゃなくて、素の自分を見てもらえたのが、その時は本当に嬉しくて……」
みほ「うん、それは嬉しいですよね」
智絵里「知波単で性格を偽っていた分、アイドルではそのままの自分を見せられるんだって、思っていたんですけど……」
智絵里「私、自分の姿にはコンプレックスがあって……」
みほ「そうですか? 可愛いと思いますけど……」
智絵里「可愛いのは良いんですけど……もっと大人として扱われたかったから……」
智絵里「私、見た通り……小s――小柄なので、もっと大きくなりたかったんです」
33:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 20:35:06.94
ID:tqFhY4aM0
みほ「それで、変装することにしたんですね」
智絵里「はい」
智絵里「スタイリストの人と何度も相談して、
……」
智絵里「その結果、この『緒方智絵里』が出来ました」
智絵里「弱気な性格でしたけど、なりたかった自分になれて、毎日が凄く楽しかったです」
みほ「うん、その気持ち、凄く分かる」
智絵里「ただ……今度は見た目を騙していることに、罪悪感を抱えるようになってしまいました」
みほ「そっか……」
みほ「ちなみに『緒方』を選んだ理由は……?」
智絵里「響きがお洒落だからです!」
みほ「あっ……意外と普通の理由……」
34:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 20:38:27.01
ID:tqFhY4aM0
智絵里「そして、両親がケンカするようになったのは、この頃からです」
みほ「それは……辛いですね」
智絵里「強い女の子『知波単福田』派の母と、可愛い女の子『緒方智絵里』派の父の間で、子育ての方向性が分かれちゃったらしくて……」
智絵里「でも私にとって、その2つはどちらも嘘なので……自分は、両親すら騙しているんだって思うようになりました……」
みほ「……」
35:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 20:41:57.89
ID:tqFhY4aM0
智絵里「でも、ここで、私が限界に達してしまいました……」
智絵里「『突撃は駄目だった』、『突撃は良かった』……」
智絵里「それを考えているうちに、物事の正否がグチャグチャになるのを感じたんです……」
智絵里「それと同時に、自分のしている偽りが、ひどく醜く思えてきて……!」
智絵里「知波単の皆を騙している自分……事務所の皆を騙している自分……両親を騙している自分……!」
智絵里「立ち向かっているんじゃなくて、逃げていただけの自分……そのせいで皆を騙している自分……!」
みほ「……」ギュ
智絵里「自分の全てが曖昧で、全てが醜くて……意味がわからなくなって……」グスッ
智絵里「気付いた時には……泣き叫びながら、学園艦を飛び出していました……」ポロポロ
36:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 20:44:22.51
ID:tqFhY4aM0
みほ「そっか……」
みほ「辛いことを思い出させて、ごめんなさい……」
智絵里「ううん……秘密を明かすって、私が決めたことだから……」
みほ「智絵里さんの陥った症状……聞いたことがあります」
みほ「キャラ作りによって、人を騙している事に罪悪感を覚える『アイドル嫌悪感』に『戦車道鬱』が併発したみたいですね」
智絵里「戦車道鬱……?」
みほ「そもそも戦車道は、スポーツというよりも道なんです」
みほ「自分の人生を反映させることで、自分らしさと戦車を一体にし、心技体全てを向上させる……」
みほ「戦車道が道を強調しているのは、これが根底にあるからです」
37:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 20:45:49.93
ID:tqFhY4aM0
みほ「そんな戦車道にとっての最大の弱点は、その道がぶれることです」
みほ「特に知波単の皆さんは『知波単魂』という強固な道がありましたから……」
みほ「もしそれの存在が揺らいだとき、戦車道鬱を発症する子が多発するんじゃないかな……とは思っていました」
みほ「幸い、西さんは求心力の高い隊長へ育っているのが分かったので、特に問題はないと考えていましたけど……」
みほ「『アイドル嫌悪感』も持ってた福田さんが発症したのは、仕方ないことだと思います」
智絵里「みほさん……」
智絵里「でも、こんなことになっちゃったのは、私の弱さが原因で……」
38:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 20:47:24.57
ID:tqFhY4aM0
みほ「それは違います!!」
智絵里「えっ?」
みほ「智絵里さんは、逃げてなんかいません」
みほ「だって……逃げていないから、辛いと思っているんじゃないですか?」
智絵里「……ぁ……」
みほ「弱気な智絵里さんが、どうしてアイドルを続けてこられたか、分かりませんか?」
みほ「それは、福田さんが学んだ『知波単魂』を活かしているからじゃないですか!」
智絵里「知波単……魂……」
39:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 20:48:37.79
ID:tqFhY4aM0
みほ「初めて会った時から智絵里さんは、弱気な割には正面からぶつかっていく、凄くタフな子だと思っていました」
みほ「……あ、今のは加蓮さんの意見です」
智絵里「そう、かな……?」
みほ「『知波単の福田』さんに投げて自分は逃げたと言いましたよね?」
みほ「本当に逃げたなら、こうして芸能界に立ち向かっていけましたか?」
みほ「私は……智絵里さんは、ずっと立ち向かい続けていたと思います!」
みほ「でも、そのままでは大変だから、『知波単の福田』さんを呼んで、彼女と一緒に成長していったんじゃないですか?」
みほ「私はそれを『逃げた』とは思いません」
智絵里「みほさん……」
40:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 20:49:20.86
ID:tqFhY4aM0
みほ「『緒方智絵里』さんも同じです」
みほ「自分がなりたい姿があって、それが楽しくて、皆にも愛されて……」
みほ「芸能界って言うくらいなんですから、そうあるべきだと思うし、智絵里さんはそれを成し遂げています」
みほ「それに、ステージに立つあなたの姿は、本当に素敵です」
智絵里「す、素敵……///」
41:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 20:51:06.43
ID:tqFhY4aM0
みほ「折角です! この際、どちらもものにしちゃいましょう!」
智絵里「えぇ?!」
みほ「元気一杯でタフな福田さんも、優しくて可愛い緒方さんも、智絵里さんの素敵な一面です」
みほ「そのどちらもマスターしたら、智絵里さんは完璧じゃないですか!」
智絵里「そ、それは、そうかも知れないけど……」
智絵里「でも、相容れない2つを、ものにするなんて……」
みほ「できます!」
みほ「だって『永遠の17歳』をものにしている人だっているんですよ?」
みほ「時の流れに逆らえるなら、正反対のキャラをマスターするくらい簡単です!」
智絵里「そう……なのかな……?」
みほ「あとは……『メドローア』とか……」
智絵里「私、自信が出てきました!」
みほ「そっちで自信が出たんだ……」
42:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 20:52:32.58
ID:tqFhY4aM0
智絵里「でも、本当に頑張れるのかな……?」
智絵里「今までだって、ずっと頑張ってきているのに……」
みほ「……智絵里さんは真面目だから、頑張ること以外知らないのかも知れませんね……」
みほ「それじゃ、私の質問に答えてくれますか?」
智絵里「あ……はい」
みほ「簡単な質問ですし、たった1つしかありません」
みほ「戦車道とアイドル……好きですか?」
智絵里「……!」
43:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 20:53:39.91
ID:tqFhY4aM0
智絵里「それは、どっちも最初は大変でしたけど……」
智絵里「でも、みんなに助けられて、それでどんどん覚えていって……」
智絵里「あのでも、辛くなかったってわけではないんです。時には何度も辞めようと思ったことはありましたから……」
智絵里「でも、実際に辞めようとか、それとは違って――」
みほ「智絵里さん! 長い! 長いです!」アセアセ
智絵里「あ、ご、ゴメンなさい……!」
みほ「一言でお願いします! 戦車道とアイドル、好きですか?!」
智絵里「え、その、えっと……」
智絵里「好き、好きです! 大好きです!」
44:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 20:55:21.41
ID:tqFhY4aM0
みほ「……それだけで十分なんです」
みほ「私も、アイドルを辞めたいって思ったこと、何度もありますよ」
智絵里「みほさんでも、ですか?」
みほ「戦車道なんて、一時は見たくもないと思っていましたから」アハハ
智絵里(わ……笑えない……!)ゴクリ
みほ「……好きだから頑張る、好きだから頑張れる……」
みほ「そんな単純なことで、良いじゃないですか」
みほ「もし頑張れなかったり、嫌いになりそうな時は、私に相談してください」
みほ「ズル休みでもして、一緒にどこか出掛けましょう」
みほ「そうして元気が出たら、その時にまた頑張れば良いんです」
智絵里「みほさん……」グスッ
みほ「オススメはボコランドですね」
智絵里「えっ」
みほ「ボコはいいぞ」
智絵里「アッハイ」
45:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 20:56:17.50
ID:tqFhY4aM0
後日――
知波単学園艦――甲板――
みほ「あれから、ご両親と話しましたか?」
智絵里「はい」
智絵里「『戦車道もアイドルも、どっちの私も見て』って言えました」
智絵里「そうしたら『やっぱり智絵里は何をしてても可愛いね』って言われて……///」
みほ「良かった、それじゃ夫婦喧嘩は終わったんですね?」
智絵里「はい、それはもう、嘘のように……」
みほ「それはそうですよ、なんたって家族なんですから」
みほ「そう……家族ですから……」
智絵里「はいっ」
46:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 20:56:46.90
ID:tqFhY4aM0
みほ「アイドル活動はどうですか? やっていけそうですか?」
智絵里「はい。たくさん泣いたから、スッキリしました」
智絵里「今は、やってみたいお仕事がたくさんあって、むしろそれで悩んでいます」
みほ「うんうん、こっちも大丈夫みたいだね」
47:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 20:57:38.42
ID:tqFhY4aM0
みほ「……ずっと気になっていたことを、聞いていいですか?」
智絵里「えっと、何でしょうか?」
みほ「福田さんって、凄く小柄ですよね?」
智絵里「あー……はい、そうです、けど……」
みほ「小さいですよね?」
智絵里「あの、あんまり小さいとか言わないでください」ムッ
智絵里「私、身長はコンプレックスなんです」プンスカ
みほ「あ、その、ゴメンなさい……でも聞かせてください」
みほ「福田さんって身長いくつですか?」
智絵里「……」
智絵里「135……」ボソッ
みほ「智絵里さんって、公式プロフィールでは身長156って書いてありますけど……」
みほ「20センチもの差を、どうやって埋めたんですか?」
智絵里「……」
48:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 20:59:38.80
ID:tqFhY4aM0
智絵里「靴底の厚いヒールを履いて……」
みほ「それでも10センチが限界なんです」
智絵里「……」
智絵里「……詐称しました……」
みほ「……」
みほ「あっ! 本当に足りないんですか?!」
智絵里「156になりたかったから……」
みほ「上げ底と詐称のコンボでプラス20センチを!?」
智絵里「……アイドルの時くらい……大きくなりたくて……」
みほ「あー……でも、納得しました!」
みほ「智絵里さんのファンがいつも『ちえりん本当に156あるの? 俺には天使にしか見えないんだけど』って言ってますけど……」
みほ「ファンの目は節穴じゃなかったんですね!」
みほ「はい、節穴アイなんかじゃありません……」
智絵里「それに、調子が良ければ……アイドルオーラで、こう……ぶわっと大きく見せて……」
みほ「さすが大天使チエリエル」
49:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 21:00:26.76
ID:tqFhY4aM0
みほ「ちなみに、バストはやっぱり……?」
智絵里「豊胸ブラで」
みほ「ウェストは……?」
智絵里「さすがにそれは……」
みほ「じゃあヒップは……?」
智絵里「もう! バスト以外はいじってません!」プンスカ
みほ「ご、ゴメンなさい」タハハ...
みほ(智絵里さんは135の超安産体形……!)ゴクリ
50:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 21:01:04.65
ID:tqFhY4aM0
みほ「……そろそろ来る頃ですね」
智絵里「それでは、私はここで……」
みほ「いつでもメールしてくださいね?」ニッコリ
智絵里「はいっ」ニッコリ
智絵里「それじゃ、また今度」テクテク
みほ「『また今度』……うん、そうだよね」
みほ(私たちは、ここでさよならじゃ無いよね!)
51:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 21:02:09.39
ID:tqFhY4aM0
しばらくして――
西「お待たせしました、西住殿!」ビシッ
みほ「こんにちは」ペコリ
西「今度の合同合宿の件について、本来ならば我々が伺うべきところを、申し訳ありません!」
みほ「いえいえ、ちょうど近くだったので」
みほ「むしろ、予定を変更させてしまって、ゴメンなさい」ペコリ
西「私たちは構いません」
西「やはり学園艦間は距離があるので、近くにいる者が訪れた方が、何かと都合がつきますし……」
みほ「ですよね」
52:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 21:03:16.81
ID:tqFhY4aM0
みほ「それに……今日は皆さんに、紹介したい人がいますから」
西「紹介したい人……でありますか?」
みほ「おーい! おいでー!」
福田「……ふ、福田! 僭越ながら帰ってきたであります!」ビシッ
西「ふ、福田……!」
53:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 21:04:02.49
ID:tqFhY4aM0
知波単ズ「「福田ァ!!!!!!!!」」ズラァ!
福田「ひゃあ?!」
みほ「ビックリした!!」
54:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 21:05:21.64
ID:tqFhY4aM0
知波単生「福田ァ! 何故会議中に飛び出した!」ズラズラ
知波単生「敵前逃亡だぞ福田ァ!」ズラズラ
知波単生「分かっているのか福田ァ!」ズラズラ
福田「う、その……!」
西「……福田」ヌッ...
福田「た、たた、隊長……!」ヘナヘナ
西「会議中の突然の脱走、数日にわたる失踪……」
西「戦車道だけでなく、艦全体に衝撃を与えることとなった……」
福田「……か、覚悟はできているでありますぅ……!」ガクブル
西「……」
55:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 21:06:12.38
ID:tqFhY4aM0
西「よく戻ってきてくれた……!」ギュ
福田「はひぃ?!」
56:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 21:07:08.70
ID:tqFhY4aM0
知波単生「隊長! 我々にも抱擁させてください!」ギュー
知波単生「全員心配したんだぞ福田ァ!」ギュー
知波単生「いつでも相談しろと言っていただろ福田ァ!」ギュー
知波単生「福田ァ! 抱き締めずにはいられない!」ギュー
福田「ぐ、ぐるじぃ……!」タップタップ
みほ「ふふ……良かったね、福田さん」ニコリ
みほ(ジョジョ読んでる子がいる……)
57:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 21:08:29.26
ID:tqFhY4aM0
西「あの日、突然泣き叫ぶものだから、全員心配したんだぞ?」
知波単生「自分は、福田は気が狂ってしまったのだと思いました!」
知波単生「自分は、あれが福田の最後の姿になると思いました!」
知波単生「自分は、すぐに福田のあとを追いました!」
知波単生「しかし、当時の調査で我々は……何の成果も!! 得られませんでした!!」
みほ(あの子、進撃の巨人読んでる……!)
58:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 21:09:40.23
ID:tqFhY4aM0
知波単生「そんなに私の提案した突撃が嫌だったのか福田ァ!」
知波単生「福田専用の突撃も考えたんだぞ福田ァ!」
福田「えっ何でありますかそれは(真顔)」
みほ(福田さんですら引いてる――!!)
知波単生「我々自慢の可愛い福田が、白旗を持って離反を宣告、その隙をついて全員で旗車両に突撃する作戦だ!」ホラッ
みほ(しかも騙し討ち――!?)
福田「……」ジー
59:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 21:11:43.56
ID:tqFhY4aM0
福田「……これでは、ダメであります」
知波単生「ど、どうしてだ!?」
知波単生「完璧な作戦ではないか!」
福田「だって……だってこれでは……」
福田「自分だけ優遇され過ぎであります」
福田「これを通すなら、皆さんの突撃も用意するべきであります!」
知波単ズ「「福田ェ……!!」」
みほ(コレどうやって発音したの――!?)
60:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 21:13:43.34
ID:tqFhY4aM0
知波単生「よし! これから全員分の突撃を考案するぞ!」
知波単生「空き教室に突撃だ!」
西「あの、これから西住殿との打ち合わせが……」
知波単生「福田を先頭に、全員続けー!」
西「あのーみなさーん?」
知波単ズ「「うおぉおぉぉー!!」」ドドドドド
西「……」ポツン
みほ「……」
西「……」
みほ「……」
西「……」テヘッ
みほ「……教育ですかね?」
西「まあ、それは追々やるとして……」
みほ(このやりとり……間違いない……アンツィオもやってる……!)
61:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 21:14:27.93
ID:tqFhY4aM0
西「西住殿が、福田を連れてきてくれたのですね?」
みほ「はい、偶然出会いまして……」
西「以前にも増して、良い目付きになっていました……素晴らしい師に出会ったのでしょう」
みほ「西さんも、素敵な師になると思います」
西「恐縮であります!」ビッ
62:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 21:16:23.21
ID:tqFhY4aM0
みほ「それにしても、福田さんってあんなに愛されていたんですね」フフ
西「はい、我々の自慢です」
西「皆、何故か福田のことが、天使に思えて仕方ないのであります」
みほ(あれー?!)
西「最近隊員の中から、緒方智絵里という愛弗(あいどる)と瓜二つとの報告を受け、いっそう福田崇拝が進んでいます」
みほ(あっれー?!?!)
西「……す、すみません西住殿……早く私も、福田のそばにいないと……!」フルフル
西「何日も離れていたせいで、これ以上は……体が……!」ブルブル
みほ(チエリン(ミホニウム的なアレ)中毒だコレ!!!!!!!!)
64:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 21:18:55.84
ID:tqFhY4aM0
みほ(この後すぐ、西さんは福田さんのそばへ駆けつけ、事なきを得ました)
みほ(福田さんが皆から愛されていると知って、私はホッと一安心)
みほ(しかし、アイドルオーラが漏れていることは厳重注意しておきました)
みほ(ちょっとしたトラブルはありましたが、これで福田さんの抱えていた問題は、じきに解消されるでしょう)
みほ(ちなみに――)
みほ(チエリン中毒となった知波単の皆さんは、麻子さんによる『ちょっと熱っぽいから助けに来てくれない?』的な歌を聞いて回復したらしいです)
みほ(……どういう意味でしょうか?)
65:
◆ag9TZfREZs 2016/10/04(火) 21:22:19.94
ID:tqFhY4aM0
後日――
聖グロリアーナ学園艦――
アッサム「最近知波単で、学内アイドルが流行っているようですね」
ダージリン「アイドル……って、え? あのアイドルのこと?」
アッサム「それ以外にどんなアイドルがありまして?」
オレンジペコ「ダージリン様、落ち着いてください。耳を疑う気持ちは分かりますが」
ダージリン「私、アイドルに関してはさっぱりだわ。誰か詳しい人はいるかしら?」
アッサム「申し訳ありませんが……」フルフル
オレンジペコ「戦車のアイドリングぐらいしか……」フルフル
??「……え、その……わたくしも知りませんですわ!」
ダージリン「そう……あなたが最後の砦でしたのに……」
ローズヒップ「うちは大家族なので、テレビのチャンネル争いはいつも戦争ですの!」オホホホ...
続く?
79:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/08(土) 17:10:44.25 ID:/+LI/XC9o
乙
元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1475577794/
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