1:
◆ag9TZfREZs 2016/09/06(火) 23:17:56.20
ID:BYon3W/M0
CGプロ――東京――
P「お疲れ様! 今日もバッチリだったぞ!」
凛「当然だよ」フフン
卯月「がんばりました!」
未央「どうどう? 私のファン増えた?」
P「俺が知るかよ! 視聴率計算するマシーンじゃあるまいし!」
4人「「HAHAHAHA」」
■この作品はフィクションです
2:
◆ag9TZfREZs 2016/09/06(火) 23:19:22.19
ID:BYon3W/M0
P「さて、お前たちにもそろそろ伝えておく必要があるな」
凛「何が?」
P「本当はまだ企画段階だから他言厳禁なんだが……」
P「俺の見立てでは十中八九、お前たちの仕事になりそうだからな」
未央「えっ! 新しいお仕事?!」
P「そう! うちのアイドル3名をパーソナリティにすえた、インターネットラジオだ!」
卯月「もしかしてそれ、CGプロ独占ってことですか!?」
P「その通り! あのニヤニヤ動画に週1で放送することが、ほぼ決定した!」
NG「「おぉ~!!!」」パチパチ
3:
◆ag9TZfREZs 2016/09/06(火) 23:20:12.86
ID:BYon3W/M0
P「俺の方からはNGの3人を強く薦めておいたぞ」
P「実際には、今度の総選挙の結果も加味されるから、少し変わるかも知れないが……」
凛「でも、頑張れば私たち3人で、ラジオに出られるんだよね?」
P「もちろん! 上位30位に入れば、確実と思っていいだろう」
卯月「凛ちゃん! 未央ちゃん! 絶対一緒にでようね!?」
凛「うんっ」
未央「あたしに任せなさーい!」
P「いや、俺は未央が心配だなぁ」
未央「おいおーい! ここでテンション下げてどうするのさー!」ビシッ
4人「「HAHAHAHA」」
5:
◆ag9TZfREZs 2016/09/06(火) 23:21:13.13
ID:BYon3W/M0
美嘉「……」キキミミ
美嘉「聞いちゃった……」
美嘉「ネットラジオ……しかも、CGプロの顔として……」
美嘉「出たい……アタシだって出たいのに……!」
美嘉「いくら売り出しの時期だからって、NGばっかりずるい……!」
美嘉「アタシだって……!」ギリッ
6:
◆ag9TZfREZs 2016/09/06(火) 23:22:09.55
ID:BYon3W/M0
【Part 1 カリスマJKの憂鬱】
トレーニングルーム――
P「お疲れ様です」
ベテトレ「おや、君か」
ベテトレ「珍しいな、ここまで足を運ぶなんて、滅多にないはずだろう?」
P「いやぁ、あいつらの様子を見ておきたいと思って……」
ベテトレ「……フッ、君はどうやら、あの子達に夢中と見える」
P「でしょうね。何せ俺は、NGのファン第1号ですから」
ベテトレ「彼女たちは先ほど終わったばかりだ、今は着替えているところだろう」
ベテトレ「簡単でよければ、今日のレッスンの報告をまとめておくが、どうだ?」
P「お願いします」
ベテトレ「了解した、では適当にくつろいでいてくれ」
美嘉「……」
7:
◆ag9TZfREZs 2016/09/06(火) 23:23:09.75
ID:BYon3W/M0
美嘉「あっれー? Pさんじゃん、ひさしぶりー★」
P「やぁ、美嘉。元気そうだな」
美嘉「莉嘉には負けるけどね」
P「今度のライブの練習ははかどってるか?」
美嘉「うーん……今以上にTOKIMEKUにはどうするか、悩んでるんだー」
美嘉「今日思いついたのは『終盤になるまで、ずっと仲間にならない』って方法なんだけど……」
P「なるほど、さすがカリスマJKだな! それはすごくTOKIMEKUこと請け合いだぞ!」
美嘉「へっへーん★」
8:
◆ag9TZfREZs 2016/09/06(火) 23:24:28.66
ID:BYon3W/M0
美嘉「……風の噂に聞いたんだけどさ」
美嘉「なんか、大きな仕事が決まりそうなんだって?」
P「おっ、よく聞きつけたな?」
P「……絶対に内緒だぞ」ヒソヒソ
美嘉「アタシを信じて、ね?」
P「実は、CGプロ独占ネットラジオの企画が、ほぼ決定したんだよ」
美嘉「それは凄いじゃん!」
P「あぁ! あとは、パーソナリティを3人決めるだけだ」
9:
◆ag9TZfREZs 2016/09/06(火) 23:25:38.51
ID:BYon3W/M0
美嘉「それ、何で3人なワケ?」
P「所属だよ」
P「うちのアイドルはキュート・クール・パッションのどれかに所属するだろ?」
P「CGプロの紹介も入るから、全所属から代表として1人ずつ出演してもらうわけだ」
美嘉「へー」
P「俺はNGを推薦しているんだが……ま、総選挙次第だな」
美嘉「3人とも、有名になってきたもんね」
P「スカウトからずっと見てきたから、感慨深いなぁ……」
美嘉「おじいちゃんみたいなこと言ってたら、すぐ老けちゃうぞー」アハハ
P「ハッハッハ」
美嘉「……」
10:
◆ag9TZfREZs 2016/09/06(火) 23:26:45.34
ID:BYon3W/M0
【Part 2 13回目の記念日】
喫茶店『宇佐見ん家』――東京――
店員「いらっしゃいませ~! お1人様ですか~?」
客「は、はい……」
店員「奥のテーブル席へどうぞっ! キャハッ☆」
客「えっと、ここかな……?」ガラガラガツンッ!
客「あ……背中、ご、ゴメンなさい」
美嘉(変装)「あ、いえ、大丈夫です」
客「……」ペコリ
美嘉(少し小さい店だから、あまり椅子を出して座ってると、ぶつかっちゃうな……)
美嘉(今来た後ろの子のために、ちょっと椅子を引いておこうっと)ガラッ
11:
◆ag9TZfREZs 2016/09/06(火) 23:27:38.34
ID:BYon3W/M0
美嘉「……」ゴクゴク
美嘉(と、とうとう、ここまで来ちゃった……)
美嘉(昨日の新聞に掲載してもらった、この三行広告……)ガサッ
『13回目の記念日を祝ってくれた方へ、いつもの場所で』
美嘉(これでプロフェッショナルとコンタクトが取れるって聞いたけど……)
美嘉(まだかな……?)
「それで、依頼はなんですか?」
美嘉「えっ?!」クルッ
12:
◆ag9TZfREZs 2016/09/06(火) 23:28:40.78
ID:BYon3W/M0
ボノノ「あ、そのまま! そのまま! こっちは見ないで!」
美嘉「えっと……ゴメンなさい」
ボノノ「前を向きながら、私にしゃべって下さい」
美嘉「はい……」
美嘉(い……一体いつの間に!)
美嘉(ドリルヘアーの小柄な女の子が座った場所に、いつの間にか噂のプロフェッショナルが座ってた……!)
美嘉(これが……プロの仕事……!)
美嘉「……」
ボノノ「……」
美嘉「……」
ボノノ(劇画調)「早くしてほしいんですけど(おこ)」
美嘉「あっ、ゴメンなさい……///」
13:
◆ag9TZfREZs 2016/09/06(火) 23:29:31.59
ID:BYon3W/M0
美嘉「……今度、うちの事務所で総選挙が開かれるんだ」
美嘉「そこで、あるアイドルを圏外にして欲しいの」
ボノノ「……それが本田未央というわけですか」
美嘉「ど、どうしてそれを?!」
ボノノ「私の耳を甘くみないでください」
美嘉「さすがはプロ、情報にも強いんだね」
美嘉「そう。未央を圏外に落とせば、私がラジオのパーソナリティに選ばれる可能性が高くなる……!」
美嘉「先にこの業界で活躍したのはアタシなんだから、チャンスの1つや2つあっても、いいと思わない?」
ボノノ「……」
14:
◆ag9TZfREZs 2016/09/06(火) 23:30:15.61
ID:BYon3W/M0
美嘉「とにかく、アタシの依頼は、未央を圏外にすること」
ボノノ「でも、CGプロの集計システムは、とても正確な機械を導入するという話です」
ボノノ「一度集計が始まれば、一瞬で数値がたたき出されるでしょう……」
ボノノ「なので、この依頼はむーりぃーということで――」
美嘉「ま、待って!」
15:
◆ag9TZfREZs 2016/09/06(火) 23:31:52.79
ID:BYon3W/M0
美嘉「確かに集計が始まれば、不正は難しいと思う……」
美嘉「でも、今回に限り、それは大丈夫です!」
ボノノ「……続きを」
美嘉「アタシが調べたところ、その日はラジオの関係者が立ち会うって情報を手に入れたんだ」
美嘉「そんな重要なときに、投票券の不備で集計ができない、なんてことは出来ない……!」
美嘉「未央の投票券が狙撃で大量に集計不可になっても、それを理由に集計を中止することは事実上不可能……!」
美嘉「他のアイドルに黙ったまま、ゴミ箱にポイするしか道はない」
美嘉「どう? これは依頼遂行しやすい条件のはずだよ」
ボノノ「……」
16:
◆ag9TZfREZs 2016/09/06(火) 23:32:46.22
ID:BYon3W/M0
美嘉「お願いします、この依頼を受けてください!」
ボノノ「……」
ボノノ「分かりました、やりましょう」
美嘉「やった★」
ボノノ「報酬は、収録中に困っている森久保乃々を4回助けることです」
美嘉「えっ、なんでそこで乃々ちゃんが?」
ボノノ(劇画調)「いいから(おこ)」
美嘉「アッハイ」
17:
◆ag9TZfREZs 2016/09/06(火) 23:33:30.42
ID:BYon3W/M0
ボノノ「では、開票日まで――」ス
美嘉「待って!」
ボノノ「……」
美嘉「乃々ちゃんも助けるけど……」
美嘉「この業界に首突っ込んで疲れてるあなたも……助けていい、かな?」///
ボノノ「……」
美嘉「これは、アタシの個人的な頼みなの……!」
美嘉「先輩だから平気な顔してるけど、NGに全部持ってかれるんじゃないかって、毎日不安で……!」グス
美嘉「お願い……私を楽にして……」ギュ
ボノノ「……」
18:
◆ag9TZfREZs 2016/09/06(火) 23:34:36.44
ID:BYon3W/M0
【Part 3 カリスマ★ブレイク】
某お城のような建物――
美嘉「あおぉぉ~!」
ボノノ「……」パンパン
美嘉「すごい! やっぱりアンタすごい!」
ボノノ「……」パンパン
美嘉「今だけはカリスマをただの女にして~!」
ボノノ「……」ドピュッ
美嘉「いぃ……フヒ……★」
19:
◆ag9TZfREZs 2016/09/06(火) 23:35:46.50
ID:BYon3W/M0
ピロートーク中――
ボノノ「……」
美嘉「依頼人の私が言うのもアレだけど……」
美嘉「どうやって未央の投票だけを無効にするつもりなの?」
美嘉「総選挙は、全国から送られてくる投票券を、区別なしに機械に投入する仕組みなのに……」
美嘉「ねぇ、分かってる? 他の子の票を無効にするのは、無しなんだからね?」
ボノノ「……」
美嘉「……もうっ! つれないなぁ……」フンッ
ボノノ「……」
20:
◆ag9TZfREZs 2016/09/06(火) 23:38:30.17
ID:BYon3W/M0
【Part 4 前夜の調整(ラスト・アライメント)】
開票前夜――
CGプロ――第1会議室――
『第1回総選挙運営特設本部』
晶葉「よし、こんなものかな」
泉「それじゃ試運転ね」
晶葉「チェック用の投票券はバッチリだぞ」
志希「……おっ、やってるねぇ」テクテク
泉「お疲れ様ー」
晶葉「せっかくだ、見学していくかい?」
志希「良いの? やったー!」
21:
◆ag9TZfREZs 2016/09/06(火) 23:42:09.03
ID:BYon3W/M0
晶葉「それじゃ、いくぞ!」ヒョイヒョイ
志希「おー! 挿入口に入れた投票券が、どんどん吸い込まれていくねー!」
晶葉「泉、カウントはどうだ?」
泉「……うん、今のところ大丈夫」
志希「なるほどー、投票券の文字を読み取って、自動的に投票数をカウントしてくれるのかー、賢いなーチミチミー」ナデナデ
投票システム「ウス」ウィーン
22:
◆ag9TZfREZs 2016/09/06(火) 23:43:28.07
ID:BYon3W/M0
志希「でもさ、読み取れないくらい汚い字の時は、どうするつもり?」
晶葉「この投票システムは精度が重要だからな。だがそこも抜かりはない」
晶葉「このような悪筆の投票券の場合……」ヒョイ
投票システム「ぺっ」
志希「あ! 別の箱に吐き出した!」
泉「ここに、確実といえない投票券を集めてくれるの」
泉「全ての投票が終われば、ここの投票券を目視でチェックすれば良いでしょ?」
志希「にゃるほどにゃるほど……機械と人間のダブルチェックというわけかー」
23:
◆ag9TZfREZs 2016/09/06(火) 23:44:06.48
ID:BYon3W/M0
泉「……うん、大丈夫」
晶葉「よし、これで調整は完了だな」
志希「いやー……2人が担当しただけあって、立派なシステムが出来上がったねぇ」
志希「これじゃ、不正は無理かな?」
晶葉「もちろんだ! 市販品ならともかく、これは私たちの共同製作による完全オリジナルだぞ!」
晶葉「物理的にも電子的にも、細工は不可能だと保証しよう!」
24:
◆ag9TZfREZs 2016/09/06(火) 23:46:12.81
ID:BYon3W/M0
志希「それじゃ、そんな素晴らしいシステムを作り上げたお2人に、ご飯を奢ってあげちゃおー!」
晶葉「そういえば、最近叙々苑に寄っていなかったな」
泉「私、一度銀座の久兵衛に行ってみたかったんだ」
志希「ちょ、ま、2人とも遠慮無さすぎ!」アセアセ
「「HAHAHAHA」」
ボノノ(……)
25:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/06(火) 23:49:35.27 ID:sZJhahrB0
劇画調ボノノでいつも吹く
ラブシーンも劇画調ですか?
27:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/06(火) 23:52:13.87 ID:dbjJDPb/0
30:
◆ag9TZfREZs 2016/09/06(火) 23:59:22.13
ID:BYon3W/M0
>>27
画像ありがとうございます!!!!!!!!
お礼に今度ディアボノでキンクリしますから!
26:
◆ag9TZfREZs 2016/09/06(火) 23:49:41.07
ID:BYon3W/M0
ボノノ(思ったとおり、投票システムに不正の介入は不可能……)
ボノノ(やっぱり、仕掛けるとするなら……!)
ちひろ「……えっ、誰ですか?!」ガタッ
乃々「私ですけど……」
ちひろ「なーんだ、乃々ちゃんか」
ちひろ「私はてっきり、劇画調のプロの狙撃手かと思っちゃいました……」
乃々「そんな不審者、見てませんよ……」
ちひろ「うーん……総選挙前日だから、ちょっとピリピリしすぎてるのかしら……?」
28:
◆ag9TZfREZs 2016/09/06(火) 23:55:55.79
ID:BYon3W/M0
乃々「それなら……私、お手伝いしますから……」
ちひろ「……えぇ!? 乃々ちゃんが、お、おお、お手伝い!?」
ちひろ(いつもお仕事に消極的な乃々ちゃんが、こんなに積極的だなんて……!)
乃々「ちひろさん……明日も忙しいから……」
乃々「私が、手伝います」
ちひろ「……そうね。後は戸締りするだけだし……」
ちひろ(それに、このやる気をそぐようなことはしてはいけない……)
ちひろ「それじゃ、お願いしちゃいます」
29:
◆ag9TZfREZs 2016/09/06(火) 23:57:43.92
ID:BYon3W/M0
ちひろ「後はこのフロアの戸締りの確認と施錠だけだから」
ちひろ「特に、投票システムのある第1会議室と、投票券の詰まったダンボールの置いてある第2会議室は、必ず施錠してください」
乃々「はい」
ちひろ「これがその鍵です。なくさないようにね?」つ鍵
乃々「任せてください」ウケトリ
ちひろ「それでは、乃々ちゃんのお言葉に甘えて、今日は失礼します」ペコリ
乃々「あの……明日、頑張ってください」
ちひろ「お姉さんに任せてちょうだい!」コッコッコッ...
乃々「……」ペコリ
ボノノ「……」
31:
◆ag9TZfREZs 2016/09/07(水) 00:00:17.37
ID:uP6dyUrD0
【Part 5 ちゃんみおは不憫】
開票当日――
CGプロ――第1会議室――
『第1回総選挙運営特設本部』
ちひろ「投票システム、特に異常ありません」
P「よし、それじゃ集計開始!」
凛「ついにはじまったね」
卯月「緊張します……」
未央「へぇ~、あの機械で全部済ませちゃうんだ~!」
杏「もう帰っていいかな?」
きらり「ダーメっ。最後まで立ち会うにぃ!」
32:
◆ag9TZfREZs 2016/09/07(水) 00:00:58.98
ID:uP6dyUrD0
乃々「どうして私たちまで……」
美玲「そうだそうだ! ウチらは入社日の都合で、参加してないんだぞッ!」
輝子「私が参加しているから……らしい」
輝子「面倒かけて……す、すまない」
美玲「謝るくらいなら、上位に入れよなッ!」
輝子「が、がんばる……フヒ」
乃々「ダメでも、パーティを開いて、慰めてあげますから……」
33:
◆ag9TZfREZs 2016/09/07(水) 00:02:08.12
ID:uP6dyUrD0
ラジオディレクター(以降D)「やぁ、君たちがNGだね?」
P「今日はここまでお越しいただき、ありがとうございます」ペコリ
D「なぁに、こんなに面白いものが見られるんだ、気にしてないよ」
P「凛、卯月、未央! この方が今度のラジオのディレクターさんだ」
NG「「こんにちは!!!」」ペコリ
D「うんうん、行儀良くて良い子たちじゃないか」
美嘉(くっ……!)
美嘉(私には、声をかけてくれないんだ……!)ギリッ
34:
◆ag9TZfREZs 2016/09/07(水) 00:02:52.54
ID:uP6dyUrD0
P「ふぅ~……個人票はこんなものかな?」
P「1枚ずつ入れてみましたが、特に問題はなさそうです」
ちひろ「それじゃ、本番を開始しましょうか」
ちひろ「残りの個人票は見つけ次第、追々やっていきましょう」
P「そうですね」
P「よぉし! それじゃ、運んできます!」タッタッタ
ちひろ「お願いします」
美嘉「?」
美嘉「あれ、Pさんは何してるの?」
美嘉「まだ開票途中だってのに?」
未央「あれ? 美嘉ねぇ、知らないの?」
美嘉「何が?」
35:
◆ag9TZfREZs 2016/09/07(水) 00:04:23.49
ID:uP6dyUrD0
未央「総選挙の投票って、大きく分けて2種類あるんだって」
未央「1つは今みたいに、1枚ずつ投票されるもの」
未央「もう1つは、一度に大量に投票されるもの」
未央「そういうのは郵便局の方で、輪ゴムでとめられて郵送されてくるんだってさ」
未央「だから先に、ダンボールでアイドルごとに仕分けておいてあったんだよ」
未央「機械に一気に投入したいからって」
P「まずは、凛からなー」ドサッ
美嘉(こ、これか――!!)
36:
◆ag9TZfREZs 2016/09/07(水) 00:05:02.13
ID:uP6dyUrD0
美嘉(私は今まで、すべての投票券が1枚単位で送られてくるものとばかり考えていた……)
P「これはかな子のだなー」ドサッ
美嘉(でも実際は、こうして束で送られるケースが存在する……)
P「おっ、杏のも大量だぞー」ドサッ
杏「げっ! 休ませてよもう……」
美嘉(特に人気のアイドルは、塊で送られることがほとんどのはず……)
P「愛梨のは……なんだこれ、重っ!?」ズンッ
美嘉(それをまとめたダンボールを狙撃すれば、他の子に迷惑をかけることなく、大量の無効票を作ることができる……!)
P「今回は、パッションの子が人気みたいだなー」ドサッ
美嘉(つまり、ボノノ13の真の狙いは――!)
37:
◆ag9TZfREZs 2016/09/07(水) 00:05:34.74
ID:uP6dyUrD0
P「これも相当あるぞ……未央の票だ」ドサッ
未央「うわぁ……!」キラキラ
卯月「未央ちゃんの票、すごい量ですね!」
凛「これ、私たちよりも多くない?」
P「パッション景気のおかげかもな」
P「さ、全部機械に投入するから、ちょっと下がってなさい」
NG「「はーい」」
ボノノ(……)
38:
◆ag9TZfREZs 2016/09/07(水) 00:06:14.41
ID:uP6dyUrD0
ズキューン!!
39:
◆ag9TZfREZs 2016/09/07(水) 00:07:10.27
ID:uP6dyUrD0
ダンボール『ぼわっ!!』
未央「きゃあっ!?」
凛「火が……!」
卯月「あわわわ……」
P「おい、全員離れて!」
ちひろ「Pさんコレを!」つ消火器
P「ありがとうございます」ウケトリッ!
消火器『ぶしゅー!』
未央「しまむー、大丈夫?!」
卯月「だ、大丈夫……」
40:
◆ag9TZfREZs 2016/09/07(水) 00:07:44.13
ID:uP6dyUrD0
凛「誰か、火傷した子はいる?!」
きらり「ソファ側、大丈夫……!」
加蓮「高校生組は大丈夫だよ!」
桃華「年少組は全員無事ですわ!」
幸子「中 学生組も問題ありません!」
美波「大人組、全員の無事を確認しました!」
ちひろ「けが人がいないのは幸いですね」
41:
◆ag9TZfREZs 2016/09/07(水) 00:08:31.99
ID:uP6dyUrD0
P「鎮火確認!」
P「それにしても……うわぁ……」
卯月「あっ……!」
凛「投票券が……!」
未央「黒こげ……」
P「くそ! 未央の分はまだ入れる前だったから……!」
卯月「あ、あの! これ……どうなっちゃうんですか!?」
P「……」
P「規定では、破損した投票券は無効となる……」
P「この箱の投票券は全部……無効ということだ」
卯月「そんな……!」
42:
◆ag9TZfREZs 2016/09/07(水) 00:09:21.17
ID:uP6dyUrD0
卯月「Pさんも、みんなも、見たじゃないですか!」
卯月「未央ちゃんに、あんなにたくさん投票されてたところを!」
凛「卯月……」
未央「しまむー……」
卯月「全部は無理でも、せめて厚みから大体の数を投票すれば――!」
杏「バカ言っちゃダメだよ」グデーン...
きらり「杏ちゃん?」
43:
◆ag9TZfREZs 2016/09/07(水) 00:10:36.63
ID:uP6dyUrD0
杏「よっと」スタッ
杏「たとえば……この焦げ山の上から130枚目」
杏「実はこれ、杏の投票券なんだよ」
卯月「……へっ?」
杏「いやー残念だなーせっかくの投票券が無効になっちゃったよー」
卯月「えっでも、これは未央ちゃん宛の――!」
杏「……ね?」
杏「いくら同時にたくさん送られてきたからって、この1枚が杏のだってこと、否定も肯定もできないでしょ?」
杏「それが分からないまま、全てを未央ちゃんの票にするのは……良くないんじゃないかな?」
卯月「うぅ……」
44:
◆ag9TZfREZs 2016/09/07(水) 00:11:41.91
ID:uP6dyUrD0
杏「そういうことにならないようにするための、ルールなんだよ」
杏「投票券の破損は全て無効――最初からそう決まってるんだから、それに従わなきゃ」
杏「……杏だって、杏への投票は受け止めてるんだから……この処置も受け止めるべきでしょ?」
卯月「……うん……」
杏「……あ~……長いこと喋ったから疲れた~……」フワァ...
杏「きらり、膝枕」ポフッ
杏「終わるまで起こさないでねー……」ダラーン
きらり「……うん」ナデナデ
45:
◆ag9TZfREZs 2016/09/07(水) 00:21:17.96
ID:uP6dyUrD0
未央「杏ちゃんの言うとおりだよ」
未央「ルールは守らなきゃ」
卯月「でも……でも゛……!」グスッ
卯月「これじゃ……未央ちゃんが……!」
凛「Pさん!」
P「……どうですか?」
D「……仕方ないでしょう……」ムゥ...
P「……そういうことだ」
P「今度のラジオのMC……残念だが未央は、選ばれないだろう……」
凛「くっ……!」
46:
◆ag9TZfREZs 2016/09/07(水) 00:21:50.21
ID:uP6dyUrD0
未央「もう良いよ」
未央「私は選ばれなかった……ただそれだけだから」
卯月「私、や゛だよ……! 一緒にラジオしたかったのにぃ……!」グスッ
未央「これが運命だったんだよ、なら受け入れなきゃ」
卯月「だからって……こんな゛の、可哀想……!」ヒッグ
未央「大丈夫」
未央「確かに、私の票数は少ないけど……」
未央「あのたくさんの投票券の姿は、私たちの心の中にあるじゃん……!」
卯月「ぐすっ……う゛ん……!」
凛「うん……そうだね……!」
47:
◆ag9TZfREZs 2016/09/07(水) 00:22:21.65
ID:uP6dyUrD0
未央「あれだけで私は、頑張っていける!」
未央「そして絶対、返り咲いてみせる!」
未央「だからしまむーたちは、私を信じて頑張って!」
未央「それまで、私の席を確保しといてよねっ」
卯月「う゛ん……うん……!」コクコク
凛「約束するよ」
凛「それまで絶対、ラジオを続けてみせるから」
凛「でも、早めにお願いだよ?」
凛「いくらヒーローが遅れてやって来るって言っても、待たせて良いってワケじゃないんだから」
未央「フフン! この本田未央に、まっかせなさい!」
48:
◆ag9TZfREZs 2016/09/07(水) 00:24:03.31
ID:uP6dyUrD0
P「未央、本当にすまない……」
未央「ホラホラ! Pさんまで湿っぽくなってどうするのさ!」
未央「まだまだ投票券は残ってるんだよ?」
P「……あぁ!」
P「同じことが起こらないよう、細心の注意をはらって、作業を続けよう!」
P「みんなも気をつけてくれ!」
P「それでは、集計作業を再開する!」
美嘉(すごい……本当に未央の票だけが消えた……!)
美嘉(流石……ボノノ13……!)
49:
◆ag9TZfREZs 2016/09/07(水) 00:24:59.41
ID:uP6dyUrD0
【Part 6 試合に勝って……】
CGプロ――屋上――
美嘉「……」
――
――――
P『この間話したネットラジオの件だが……』
P『パッション代表を、美嘉にしようと思う』
P『カリスマギャルとしての実績があり、知名度が高い上、今回の総選挙で良好な結果を出している』
P『期待しているぞ!』
――――
――
美嘉(結局、パッション代表は私に決まった……)
50:
◆ag9TZfREZs 2016/09/07(水) 00:25:30.51
ID:uP6dyUrD0
未央「……」ガチャリ
未央「あ、いた」
美嘉「……?!」
未央「さっきPさんから聞いたよ」
未央「MCおめでとう」
美嘉「あ、ありがと★」
未央「今回は、こんな結果になっちゃったけどさ……」
未央「でも私は、美嘉ねぇが選ばれて、本当にうれしいんだ!」
51:
◆ag9TZfREZs 2016/09/07(水) 00:26:05.57
ID:uP6dyUrD0
未央「美嘉ねぇなら、無愛想な凛や、意外と繊細な卯月のことを、支えてくれるって信じてるから」
美嘉「あ、アタシにできるかな……?」
未央「絶対できる! 私が言うんだから、間違いなし!」エッヘン
未央「……」
未央「2人を、お願いします」ペコリ
美嘉「あ、あぁ……うん、オッケー!」
美嘉「ラジオは絶対に盛り上げて見せるから、心配しないで!」
未央「……やっぱり、美嘉ねぇで良かった……」ポツリ
美嘉(――!)
未央「それじゃ、おやすみなさーい!」タッタッタ
美嘉(……)
52:
◆ag9TZfREZs 2016/09/07(水) 00:26:43.01
ID:uP6dyUrD0
美嘉(結局、私の思惑通りに全てが進んだ……)
美嘉(なのにどうして、こんなに胸が苦しいの……?!)
美嘉(ダメ……どうしても、あの未央の投票券の山が、頭から消えない……!)
美嘉「くっ……こんなハズじゃ……!」ガクッ
53:
◆ag9TZfREZs 2016/09/07(水) 00:27:47.82
ID:uP6dyUrD0
【Part 7 全ては燃えた】
第1会議室――
早苗「……やっぱり!」
P「何か見つかりましたか?」
早苗「わずかだけど、燃料オイルのにおいがするわ」スンスン
早苗「投票券にはあらかじめ、この可燃性オイルがまかれていたのよ」
早苗「これなら、わずかな火種で、投票券を損傷させることができるわね」
P「しかし、そういうオイルはたいてい、揮発性が高いですよね?」
P「元から投票券に染み込ませていたとしても、もう乾燥しているハズですよ」
54:
◆ag9TZfREZs 2016/09/07(水) 00:28:26.39
ID:uP6dyUrD0
早苗「……」
早苗「つまり、内部犯の仕業でしょう」
P「ば、バカな!」
P「そんなことをするやつが、CGプロにいるなんて……!」
早苗「まぁ、内部犯は私の想像だけど……」
早苗「どちらにしても、犯人が可燃性オイルで投票券を焼いたのは事実よ」ガサゴソ
早苗「発火装置は……コレね」つ弾丸
P「これは……銃弾?!」
早苗「このダンボールの底に、鉄板が仕込まれていたわ」
早苗「底部分に鉄板をガムテで貼るという、かなり単純な仕掛けよ」
早苗「中には大量の投票券が入っていたから、多少重くなってても分からなかったでしょうね」
55:
◆ag9TZfREZs 2016/09/07(水) 00:29:00.48
ID:uP6dyUrD0
早苗「犯人は鉄板に向けて弾丸を衝突させ、火花を発生させる……」
早苗「それが可燃性オイルに引火し、投票券を焼いた……」
P「バカな! ここは密室ですよ!?」
P「部屋の中で、ダンボールに発砲した犯人がいるって言うんですか!?」
早苗「証拠はそう物語っているわ」
早苗「だけど……犯人につながる目撃証言が、存在しない……!」
56:
◆ag9TZfREZs 2016/09/07(水) 00:30:04.06
ID:uP6dyUrD0
P「くっ……一体誰が、そんなことを……!」
P「箱を開けた直後はすぐそばに、小道具の猟銃を持った乃々が銃口を箱に向けていたこと以外、何もおかしいところはなかったのに……!」
早苗「これは……迷宮入りね」
P「くそっ!」ダンッ
早苗「……」
早苗(この手際のよさ……まさか、あの伝説の……?!)
早苗(……いえ、邪推はやめておきましょう)
早苗(真相はもう、燃えてしまったんだから……)
END
58:
◆ag9TZfREZs 2016/09/07(水) 00:34:37.60
ID:uP6dyUrD0
依頼主である女性が自ら抱かれにいくパターンでした
実際にあった出来事をもとにしたストーリーは、書いていてなかなか楽しかったです
以上です、ありがとうございました
59:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/07(水) 13:39:53.85 ID:R4YC/RB+0
乙
美嘉姉ェのベッドシーン的に、乃々に生えてるのかゴルゴが森久保のコスプレしてるのか…
61:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/07(水) 17:55:57.81 ID:kmwSq8gxO
乙
元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1473171475/
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