1:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 01:38:59.21
ID:Mpj/1Kv0o
放課後――
主将「部員、全員集まったか!?」
部員A「オス!」
部員B「オス!」
部員C「……オス」
部員D「オス……」
部員E「ウス……」
主将「よし! さっそく快適な帰宅ライフを送るためにトレーニング開始だ!」
2:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 01:43:00.28
ID:Mpj/1Kv0o
主将「まずは腕立て伏せ一万回!」グッグッ
部員A「オォォォォス!」グッグッ
部員B「オッス!」グッグッ
部員C「くっ……」グッグッ
部員D「キツイ……」グッグッ
部員E「うええ……あと8000回……」グッグッ
主将「声が出とらんぞ! 二万回に増やす!」
3:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 01:47:49.67
ID:Mpj/1Kv0o
主将「次はマラソンだ! 100kmを一時間以内に走るぞ!」タッタッタ…
部員A「オォォォォォッス!」タッタッタ…
部員B「ッシャアアッ!」タッタッタ…
部員C「横腹いてえ……」タッタッタ…
部員D「時速100kmペースっておかしいだろ……」タッタッタ…
部員E「吐きそうだぁ……」タッタッタ…
主将「どうした、どうしたぁ! そんなんじゃ一時間を切れんぞ!」
4:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 01:55:35.16
ID:Mpj/1Kv0o
主将「マラソンが終わったら、ベンチプレスだ! 1000kgを持ち上げろ!」
部員A「オッシャアッ!」グンッ
部員B「ウオオオオッ!」グンッ
部員C「く、くく……」ググッ…
部員D「重い……!」ググッ…
部員E「潰れるぅ……」ググッ…
主将「この程度が持ち上げられず、なにが帰宅部かぁっ!」
5:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 01:58:11.21
ID:Mpj/1Kv0o
主将「50mダッシュを一万本!」ダッ
部員A「オォスッ!」ダッ
部員B「ダッシャアッ!」ダッ
部員C「ハァ、ハァ……」ヨロ…ヨロ…
部員D「足がもつれて……」ヨロ…ヨロ…
部員E「歩くのがやっとだ……」ヨロ…ヨロ…
主将「どうした、どうしたぁ! 走らんと、さらに追加するぞぉっ! 十万本だぁっ!」
6:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 02:02:32.84
ID:Mpj/1Kv0o
主将「よーし、プロテインタイムだ! 50リットル飲め飲め飲めぇい!」グビグビ
部員A「いただきますっ!」ガブガブ
部員B「オウッ!」ゴキュゴキュ
部員C「今、こんなの飲んでも全部出しちまうよ……」
部員D「しかもこのプロテイン、まずっ……」
部員E「おええ……」
主将「タンパク質を摂取せねば、せっかくのトレーニングが無駄になってしまうぞ!」
7:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 02:06:34.47
ID:Mpj/1Kv0o
主将「さぁ、いよいよ帰宅だ!」
主将「本日は、小指逆立ちの状態で帰宅する! いいなッ!?」
部員A「オォスッ!」バッ
部員B「ゥオッシャアッ!」ババッ
部員C「…………」
部員D「…………」
部員E「…………」
主将「おいっ、そこの三人! 何をしておる!? 早く小指で逆立ちせんかぁっ!」
8:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 02:12:08.54
ID:Mpj/1Kv0o
部員C「あの……キャプテン」
主将「なんだ!?」
部員C「今日で俺……いや俺たち……帰宅部を辞めさせてもらいます」
主将「なにィ!?」
主将「俺“たち”ということは……お前たちも!?」
部員D「はい……」
部員E「…………」コクッ
主将「なぜだ!? お前たち、部活など入らずに帰宅したいんじゃなかったのか!?」
9:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 02:14:22.42
ID:Mpj/1Kv0o
部員C「たしかにその通りです」
主将「ならばなぜ辞める!?」
部員C「はっきりいいましょう……キャプテンたちにはついていけません!」
主将「…………!」
部員D「僕たちは……楽しく帰宅ができればそれでよかったんです……」
部員E「ガチで帰宅に取り組むつもりなんてなかったんですよ……」
主将「……そうか」
10:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 02:18:50.95
ID:Mpj/1Kv0o
主将「どこか……行くあてはあるのか?」
部員C「帰宅部を辞めたら、俺はサッカー部に入るつもりです」
部員D「僕は野球部にすでに話を持ちかけてます」
部員E「バスケ部に入ろうかと……」
主将「それならば仕方ない」
主将「帰宅部を辞めても……それぞれの部で達者にやってくれ」
部員C「今までお世話になりました」ペコッ
部員D「ありがとうございました」ペコッ
部員E「ありがとうございました」ペコッ
12:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 02:21:50.54
ID:Mpj/1Kv0o
主将「…………」
部員A「キャプテン……」
主将「なに、部活というのは人間の集まりだ。こういうこともある」
主将「我々の情熱を理解してもらえなかったのは残念だが、仕方ないことさ」
主将「楽しくやりたい者に“本気でやれ”と無理強いすることはできんからな」
部員A「…………」
部員B「…………」
主将「さあ落ち込んでる場合ではない! 小指逆立ちでの帰宅を再開するぞ!」
部員A「オスッ!」
部員B「オオオスッ!」
13:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 02:25:28.42
ID:Mpj/1Kv0o
やがて、部員Cはサッカーのワールドカップ日本代表となり、
部員Dはメジャーリーガーとなり、部員EはNBAで活躍する数少ない日本人選手の一人となった。
巨万の富と名誉を欲しいままにした彼らであるが、帰宅部を辞めた時のことは、
今でも苦い思い出として心の中に残っているという……。
~おわり~
元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1471946550/
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