帰宅部員「帰宅部ガチ勢にはついていけない」

2016-09-06 (火) 15:01  オリジナルSS   1コメント  
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 01:38:59.21 ID:Mpj/1Kv0o

放課後――

主将「部員、全員集まったか!?」



部員A「オス!」

部員B「オス!」

部員C「……オス」

部員D「オス……」

部員E「ウス……」



主将「よし! さっそく快適な帰宅ライフを送るためにトレーニング開始だ!」





2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 01:43:00.28 ID:Mpj/1Kv0o

主将「まずは腕立て伏せ一万回!」グッグッ



部員A「オォォォォス!」グッグッ

部員B「オッス!」グッグッ

部員C「くっ……」グッグッ

部員D「キツイ……」グッグッ

部員E「うええ……あと8000回……」グッグッ



主将「声が出とらんぞ! 二万回に増やす!」




3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 01:47:49.67 ID:Mpj/1Kv0o

主将「次はマラソンだ! 100kmを一時間以内に走るぞ!」タッタッタ…



部員A「オォォォォォッス!」タッタッタ…

部員B「ッシャアアッ!」タッタッタ…

部員C「横腹いてえ……」タッタッタ…

部員D「時速100kmペースっておかしいだろ……」タッタッタ…

部員E「吐きそうだぁ……」タッタッタ…



主将「どうした、どうしたぁ! そんなんじゃ一時間を切れんぞ!」




4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 01:55:35.16 ID:Mpj/1Kv0o

主将「マラソンが終わったら、ベンチプレスだ! 1000kgを持ち上げろ!」



部員A「オッシャアッ!」グンッ

部員B「ウオオオオッ!」グンッ

部員C「く、くく……」ググッ…

部員D「重い……!」ググッ…

部員E「潰れるぅ……」ググッ…



主将「この程度が持ち上げられず、なにが帰宅部かぁっ!」




5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 01:58:11.21 ID:Mpj/1Kv0o

主将「50mダッシュを一万本!」ダッ



部員A「オォスッ!」ダッ

部員B「ダッシャアッ!」ダッ

部員C「ハァ、ハァ……」ヨロ…ヨロ…

部員D「足がもつれて……」ヨロ…ヨロ…

部員E「歩くのがやっとだ……」ヨロ…ヨロ…



主将「どうした、どうしたぁ! 走らんと、さらに追加するぞぉっ! 十万本だぁっ!」




6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 02:02:32.84 ID:Mpj/1Kv0o

主将「よーし、プロテインタイムだ! 50リットル飲め飲め飲めぇい!」グビグビ



部員A「いただきますっ!」ガブガブ

部員B「オウッ!」ゴキュゴキュ

部員C「今、こんなの飲んでも全部出しちまうよ……」

部員D「しかもこのプロテイン、まずっ……」

部員E「おええ……」



主将「タンパク質を摂取せねば、せっかくのトレーニングが無駄になってしまうぞ!」




7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 02:06:34.47 ID:Mpj/1Kv0o

主将「さぁ、いよいよ帰宅だ!」

主将「本日は、小指逆立ちの状態で帰宅する! いいなッ!?」



部員A「オォスッ!」バッ

部員B「ゥオッシャアッ!」ババッ

部員C「…………」

部員D「…………」

部員E「…………」



主将「おいっ、そこの三人! 何をしておる!? 早く小指で逆立ちせんかぁっ!」




8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 02:12:08.54 ID:Mpj/1Kv0o

部員C「あの……キャプテン」

主将「なんだ!?」

部員C「今日で俺……いや俺たち……帰宅部を辞めさせてもらいます」

主将「なにィ!?」

主将「俺“たち”ということは……お前たちも!?」

部員D「はい……」

部員E「…………」コクッ

主将「なぜだ!? お前たち、部活など入らずに帰宅したいんじゃなかったのか!?」




9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 02:14:22.42 ID:Mpj/1Kv0o

部員C「たしかにその通りです」

主将「ならばなぜ辞める!?」

部員C「はっきりいいましょう……キャプテンたちにはついていけません!」

主将「…………!」

部員D「僕たちは……楽しく帰宅ができればそれでよかったんです……」

部員E「ガチで帰宅に取り組むつもりなんてなかったんですよ……」

主将「……そうか」




10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 02:18:50.95 ID:Mpj/1Kv0o

主将「どこか……行くあてはあるのか?」

部員C「帰宅部を辞めたら、俺はサッカー部に入るつもりです」

部員D「僕は野球部にすでに話を持ちかけてます」

部員E「バスケ部に入ろうかと……」

主将「それならば仕方ない」

主将「帰宅部を辞めても……それぞれの部で達者にやってくれ」

部員C「今までお世話になりました」ペコッ

部員D「ありがとうございました」ペコッ

部員E「ありがとうございました」ペコッ




12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 02:21:50.54 ID:Mpj/1Kv0o

主将「…………」

部員A「キャプテン……」

主将「なに、部活というのは人間の集まりだ。こういうこともある」

主将「我々の情熱を理解してもらえなかったのは残念だが、仕方ないことさ」

主将「楽しくやりたい者に“本気でやれ”と無理強いすることはできんからな」

部員A「…………」

部員B「…………」

主将「さあ落ち込んでる場合ではない! 小指逆立ちでの帰宅を再開するぞ!」

部員A「オスッ!」

部員B「オオオスッ!」




13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/26(金) 02:25:28.42 ID:Mpj/1Kv0o

やがて、部員Cはサッカーのワールドカップ日本代表となり、

部員Dはメジャーリーガーとなり、部員EはNBAで活躍する数少ない日本人選手の一人となった。



巨万の富と名誉を欲しいままにした彼らであるが、帰宅部を辞めた時のことは、

今でも苦い思い出として心の中に残っているという……。







~おわり~




元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1471946550/

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47403. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2016/09/06(火) 18:17 ▼このコメントに返信する
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