1:
◆C2VTzcV58A 2015/12/09(水) 21:20:32.38
ID:294vVOGJ0
3:
◆C2VTzcV58A 2015/12/09(水) 21:24:10.56
ID:294vVOGJ0
ベテトレ「大石! 同じところでステップが遅れているぞー!」
泉「は、はいっ!」
P「泉、だいぶきつく言われてたけど大丈夫か?」
泉「大丈夫。ダンスがウィークポイントなのは前からわかってる」
泉「少しつまづくことくらい、計算のうちよ」
P「そうか、頼もしいな。信じてるぞ」
泉「うん。期待に応えられるよう、頑張るわ」
ありす「………」
4:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/09(水) 21:25:51.00 ID:n+FjiAUM0
お、続きか。期待
5:
◆C2VTzcV58A 2015/12/09(水) 21:28:53.57
ID:294vVOGJ0
翌日
ベテトレ「橘! 足に気を取られすぎて上半身が硬いぞ!」
ありす「は、はいっ」
P「ありす。今度のダンスの振りつけ、苦戦してるみたいだな」
ありす「はい、少し。でも心配いりません」
ありす「この程度は……計算のうちです」キリッ
P「ははは、そーかそーか頑張れ」ナデナデ
ありす「………」
P「あれ、どうかしたか? 頭撫でられるのは嫌か」
ありす「いえ、それは正直まんざらでもないというか……じゃなくて」
ありす「おかしくないですか?」
P「おかしい? 何が」
ありす「態度が全然違うじゃないですか」
ありす「泉さんが同じようなことを言ったら『頼もしい』なのに、どうして私が言ったら微笑ましい視線を向けるんですか」
6:
◆C2VTzcV58A 2015/12/09(水) 21:31:52.64
ID:294vVOGJ0
P「いや、そんなことを言われてもな。泉の『計算内』と、ありすの『計算内』じゃ……うん」
ありす「ひとりで納得しないでください。異議ありですっ、異議あり!」ビシイッ
P「俺相手に裁判を挑もうというのか」
ありす「その通りです。Pさんなんて簡単に論破してあげます」
P「いいだろう。そっちがその気なら俺も」
ガチャリ
凛「ただいま」
泉「撮影、無事に終わりました」
P「俺も……俺も泉を弁護士として迎え入れよう」
ありす「とっさのアドリブでずるいことしないでください!」
P「仲間を増やすことの何がずるいと言うんだ。それとも、ありすは泉を論破する自信がないからそんなことを言うのか?」
ありす「正直言ってありません。Pさんや凛さんならともかく」
凛「事情はわからないけど、なんか私馬鹿にされてない?」
泉「いったい何を言い争っているの……?」
7:
◆C2VTzcV58A 2015/12/09(水) 21:34:28.60
ID:294vVOGJ0
P「――というわけだ」
泉「なるほど、そういうことだったのね」
凛「ありすとしては、もっと自分もしっかり者に思われたかったってことだね」
ありす「思われたかった……ま、まあ、だいたいそんな感じです」
P「まだありすは小●生だ。泉くらいの歳になったら、『計算内』っていうセリフが映える子になれるさ」
凛「そうだね。背も伸びるし、これからもっといろんなことを勉強していくんだから」
ありす「……わかりました。今はそれで納得しておきます」
泉「すぐに理解できるところは、ありすちゃんの賢いところだと思うわ」
8:
◆C2VTzcV58A 2015/12/09(水) 21:38:21.52
ID:294vVOGJ0
P「ところで凛。今度出演するドラマの役、演技に苦労してるみたいだな」
凛「あ……うん。結構大変かな。なんかいろいろ難しいことを考えている人物だから、それっぽい振る舞いがイメージしづらくて」
P「そうか。なんとかなるといいんだが」
凛「心配しないでよ。演技の経験とか、そういうのはこれから磨いていく時間もあるし」
凛「最初に少しつまづくくらい、計算のうちだよ」
P「………」
P「そっかーなら大丈夫そうだなー」
凛「なんで今視線逸らしたの」
泉「声に力が伴っていないけど」
P「そ、そんなことはないぞ?」
凛「誤魔化さないでよ、逃げないでよ」
ありす「凛さん、凛さん」トントン
凛「なに」
ありす「仲間です」b
凛「小●生のありすと同レベル……」ズーン
泉「ま、まあ、人には似あう言葉、似あわない言葉というものがありますから」
泉「というかプロデューサー、ちゃんとフォローして」
P「おっと、おしゃべりしている間にもうこんな時間か。悪いけどこれから会議だから、あとは頼んだ泉」
泉「ええっ!?」
P「信頼してるぞ!」ササッ
泉「そんな信頼はいらないってば!」
9:
◆C2VTzcV58A 2015/12/09(水) 21:41:56.40
ID:294vVOGJ0
凛「泉はいいよね……頼もしいとか頭いいとか言われて」
ありす「私たちには眩しすぎます……」
泉「な、なに……二人とも、まるで地獄を見てきたかのような暗いオーラ……なんでそんな下向いてるんですか!?」
泉「そんな感じで、悪乗りした地獄姉妹の気が収まるまで10分ほどかかったわ」
亜子「いずみはどこにおってもそんな立ち回りやね」
さくら「そういうイメージついてるもんね!」
泉「そのイメージがついたのは主にあなた達のせいだけどね」
10:
◆C2VTzcV58A 2015/12/09(水) 21:45:51.00
ID:294vVOGJ0
数日後、日曜日
P「今日は休みだ」
P「が、いつもの癖で早めに目が覚めてしまった」
P「二度寝する気にもなれなかったので、朝早いが外に出ることにした」
P「少し足を伸ばして、朝食はどこかの店のモーニングでもいただこうかと考えたのだ」
P「ふう、食った食った。朝から贅沢するのもたまにはいいな」
P「腹ごなしに、少し歩いて帰ろうかな……ん?」
11:
◆C2VTzcV58A 2015/12/09(水) 21:47:49.83
ID:294vVOGJ0
凛「こら、ハナコ。あんまり走りすぎると危ないよ」
ハナコ「ワン! ワン!」
P「あっちも散歩中か……おーい、凛!」
凛「え……ああ、なんだ。プロデューサーか」
凛「こんな朝早くに誰が声かけてきたのかと思ったよ。どうしたの?」
P「ちょっとリッチな朝食を楽しんできたところで、偶然君とハナコを見かけたんだ」
凛「ふーん、そうなんだ。こっちは見ての通り、朝の散歩」
ハナコ「ワン!」
P「まだ9時前だよな……いつもこの時間にしてるのか」
凛「休みの日はね。さすがにこの季節は寒いけど、この子が外に出たがるから」
P「偉いな。俺だったら絶対にサボるようになる」
凛「プロデューサーはペットとか飼っちゃダメなタイプだね」
12:
◆C2VTzcV58A 2015/12/09(水) 21:49:46.94
ID:294vVOGJ0
P「だろうな。こうやって、人のペットを見てかわいがるくらいがちょうどいい」ナデナデ
ハナコ「くぅーん」
P「この反応は喜んでるのか?」
凛「多分ね」
P「ならよかった。散歩、付き合ってもいいか」
凛「いいよ。その辺歩くだけで、特別なことなんて何もないけど」
P「それが散歩だろう」
凛「ふふ、それもそうだね。じゃあ、行こうか」
13:
◆C2VTzcV58A 2015/12/09(水) 21:51:25.00
ID:294vVOGJ0
ハナコ「ワン! ワンッ!」
P「朝から元気だな、ハナコは」
凛「本当にね。ちょっとわけてほしいくらい」
P「俺なんて、もう足が疲れてきたよ」
凛「私も少し……ちょうど近くに公園あるし、休んでいく?」
P「そうしようか」
P「よっこらしょっと……あー、ベンチに座るだけで安らぐな」
凛「ふふっ……なんか今の、おじさん臭いよ?」
P「なにっ! まだ20代半ばだというのに、もう老いが進行してるのか……はあ」
凛「そんな本気で落ちこまなくても……私の個人的な感想なんだから」
P「ま、それもそうか」
凛「切り替え早いね」
P「そのほうがストレス溜めずに長生きできるしな」
14:
◆C2VTzcV58A 2015/12/09(水) 21:52:47.11
ID:294vVOGJ0
凛「今日は晴れだね」
P「予報通りだな。雲がほとんどない」
凛「………」
P「………」
P「なんか、かき氷食べたくなってきたな」
凛「急にどうしたの」
P「いや、本当になんとなくだけど」
凛「今、冬だよ?」
P「冬だからこそ恋しくなったのかもしれない。かき氷は夏しか食べないし」
凛「わかるようなわからないような……私は夏に食べるだけでいいかな」
P「やっぱりハワイアンブルーか?」
凛「なんで」
P「蒼いから」
凛「色の好みと味の好みは一致しないよ」
P「じゃあ何味が好きなんだ」
凛「んー……メロンとか?」
15:
◆C2VTzcV58A 2015/12/09(水) 21:55:26.54
ID:294vVOGJ0
P「じゃあ緑色のシロップ(メロン味)と蒼色のシロップ(メロン味)があったとしたら、その時はどっちを選ぶ?」
凛「……どっちでもいい」
P「……だよなあ」
凛「かなり中身のない会話だったね」
P「ははは、まったくだ」
P「凛とプライベートで会うことはあんまりないから、どんな話すればいいのか、いまいちつかみづらい」
凛「そっか。ほとんど事務所とかで会うだけだもんね」
凛「………」
ハナコ「わう?」
P「どうしたんだ、急にぼーっとして」
凛「……考えてみれば、私、仕事以外であんまり付き合いのない人と、これだけ自然に話せてるんだなって」
凛「つまり、それだけ事務所に入り浸ってることになって」
凛「……私、アイドルなんだなあって思った」
P「……今さらだな」
凛「うん。本当に、今さら」
16:
◆C2VTzcV58A 2015/12/09(水) 21:58:50.19
ID:294vVOGJ0
凛「今でもたまに不思議に思うんだ。自分の置かれてる状況が」
凛「私、特に取り柄があるわけでもなかったし」
凛「……そりゃ、見た目はいい方なのかなとは思ってたけどさ。周りにも言われてたし。でもそれだって、男子から大人気だとか、告白されまくるとか、そういうレベルじゃなかった」
凛「そんな私がアイドルになって、だんだん人気もついてきて……なんでだろうって」
P「………」
P「……確かに、凛は頭がいいわけでもないし、愛想も正直悪かった」
P「けど、一番大事なものを持っていた」
凛「一番大事なもの?」
P「ああ。それは……輝きだ。俺は君にそれを見出したから、スカウトを決めた」
P「凛は輝ける子だ。俺はそう信じている」
P「それで十分だろう」
凛「プロデューサー……」
凛「……ごめん、クサくて軽く引いた」
P「なんでだよ! 結構いいこと言ったのに」
凛「時と場合によるというか……朝っぱらからそこまで真面目な話は求めてないというか」
17:
◆C2VTzcV58A 2015/12/09(水) 22:01:25.47
ID:294vVOGJ0
P「なんだよ。自分だって結構クサいこと言うくせに」
P「この前ライブで『翼を広げて!』とか言ってただろ。奈緒が微妙についていけてなかったぞ」
凛「あ、あれはライブだったからで……とにかく、プロデューサーよりはマシだから!」
P「いやそんなことはない。凛のほうがイタい!」
凛「プロデューサー」
P「凛」
凛「………」
P「………」
凛「ねえハナコ、どっちがマシだと思う?」
ハナコ「ワン!」←凛にすり寄る
凛「はい、私の勝ち」
P「せこいぞ飼い犬使うなんて」
凛「勝ちは勝ちだよ。不正はなかっ――」
泉「朝からにぎやかですね……喧嘩の種はなんですか」
P「ん?」
凛「泉……どうしたの、こんなところで」
18:
◆C2VTzcV58A 2015/12/09(水) 22:03:50.09
ID:294vVOGJ0
泉「早くに目が覚めてしまって、暇だったからその辺をぶらついていたんです」
泉「でも……思いのほか、収穫はありました」
泉「こうして朝の静かな空気に触れていると、なんだか落ち着いて……頭も整理されて、いいアイデアが浮かんできそう」
泉「早起きは三文の徳って言いますけど、本当ですね」
凛「………」
P「………」
泉「……どうか、したの?」
凛「プロデューサー……私たち、なんか小さいね」
P「胸が?」
凛「110番してあげようか」
P「冗談だ」
凛「はあ……器だよ、器」
泉「あの、夫婦漫才ならよそでやってもらえると」
19:
◆C2VTzcV58A 2015/12/09(水) 22:06:13.95
ID:294vVOGJ0
ハナコ「ワン! ワン!」
泉「かわいいですね。ハナコちゃん」
ハナコ「クゥーン」スリスリ
P「なんか俺に対してよりも懐いてないか。ハナコ」
凛「ハナコにだって選ぶ権利はあるし」
P「おっさんよりはJCか。まあ、俺がハナコでもそうするな」
凛「実際、犬ってどんなこと考えてるんだろうね。ねえ泉、科学が進歩したら、犬の言葉がわかる翻訳機みたいな物も作れるの?」
泉「翻訳機、ですか……言葉はともかくとして、思考を正確に分析して表示する機械とかなら、そのうち普及する可能性はあると思います」ソロソロ
凛「そんなに臆病にならなくても、普通に撫でてあげて大丈夫だよ」
泉「あ、はい……なでなで」
ハナコ「わうわう」
泉「ふふっ、喜んでいるのかな……」
20:
◆C2VTzcV58A 2015/12/09(水) 22:09:37.40
ID:294vVOGJ0
P「でも翻訳機なんてない方がいいのかもしれないぞ。もしかしたら飼い主の悪口を言ってたりして」
凛「そ、そんなことはないよ。多分」
ハナコ「わん!(あー散歩だりー)」
凛「鳴き声に勝手にセリフ被せないでよっ」
P「はは、ごめんごめん」
泉「………」
ハナコ「わんっ」
泉「……なでなでされて気持ちいいワン♪」ボソッ
泉「とか、思っていてくれたらいいな……」
凛「………」
P「……今のは、キュンときたな」
凛「……同感」
泉「……はっ! 今の、声に出てた!?」
P「出てなかったワン」
凛「大丈夫だワン」
泉「わ、忘れて、忘れてくださいっ!」ブンブン
22:
◆C2VTzcV58A 2015/12/09(水) 22:17:59.69
ID:294vVOGJ0
~散歩再開~
ハナコ「ワン!」
泉「わわっ……そんなに走ると、ついていけないよ」
凛「少しくらいリード引っ張っても、首は締まったりしないから」
泉「ぶ、物理的にそうなのはわかっていますけど……」
P「さすがの泉もハナコにはたじたじだな……リード離しちゃだめだぞー」
泉「それはわかってるわよ……っと。ほら、少し落ち着きなさい」
ハナコ「ワン」
凛「ちょっとずつ慣れてきたかな」
P「みたいだな。……そういえば、三姉妹の末っ子は何してるんだろうな」
凛「三姉妹? 末っ子?」
P「ほら、凛と泉とありすで三姉妹」
凛「まだ言ってたんだ、それ」
P「雰囲気似てるだろ?」
泉「ありすちゃん、昨日は遅くまでお仕事で疲れてそうだったから……まだ寝ているんじゃないかな」
23:
◆C2VTzcV58A 2015/12/09(水) 22:23:42.13
ID:294vVOGJ0
同時刻 ありすの部屋
ありす「……すぅ……すぅ」
ありす「ぁ……そんな、あたまなでないで……えへへ」
ありす「………すぅ」
P「確かに寝てそうだな」
凛「そうかも」
泉「でしょう?」
ハナコ「ワン!」
おしまい
24:
◆C2VTzcV58A 2015/12/09(水) 22:24:46.31
ID:294vVOGJ0
おまけ
翌週
P「新しくアイドルが入ることになった」
雪美「………」
P「佐城雪美ちゃん、10歳だ」
凛「かわいい子……」
ありす「ついに私より年下の子が……」
泉「先輩風、吹かせるとか?」
ありす「そ、そんなんじゃありません」
凛「ところでプロデューサー。その子が抱いてる黒猫は」
P「ああ。これは彼女の飼い猫だ。どうしても連れて行きたいというから一緒に来てもらった」
雪美「………ペロ」
泉「ペロっていうの」
凛「ふーん。猫、好きなんだ」
25:
◆C2VTzcV58A 2015/12/09(水) 22:26:06.36
ID:294vVOGJ0
P「凛は犬派だからな」
雪美「………猫、だめ?」
凛「いや、別に犬派じゃないとダメとか思ってないから。そんな怯えた目しないで」
ありす「動物が好きということには変わりありませんからね」
凛「そう、ありすの言う通り」
泉「いいこと言ったわね」
ありす「そ、それほどでもありません。普通のことです、普通のこと」
P「ま、少しずつ仲良くなっていければいい。これで四姉妹になったことだしな」
凛「四姉妹って、まさかその子も加えて?」
P「なんか似てるだろう?」
雪美「………姉妹?」
P「いいか雪美ちゃん。四姉妹というのはだな――」
泉「そんなことより先に説明すべきことがいろいろあるんじゃないの?」
凛「正論」
ありす「正論ですね」
おまけおわり
26:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/09(水) 22:28:02.80 ID:upK2C67J0
乙
俺も飼ってくれ
27:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/09(水) 22:32:49.63 ID:1RMWR6vZO
いずみんはなぜ人気がでないのか
まあライバル多いからなCoは
乙
28:
◆C2VTzcV58A 2015/12/09(水) 22:33:11.88
ID:294vVOGJ0
33:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/09(水) 22:55:05.81 ID:H/ul3qaV0
分かるわ
イズミン可愛いよな
元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1449663632/
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