1:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/14(金) 23:59:56.67
ID:yIpw14cEo
みーくん「ん……」ムクッ
ゆき「あ、気が付いた?」
みーくん「あの……ここは?」
ゆき「ここは学校だよ。私たちの通ってる学校」
みーくん「……学校」
ゆき「ん? あ、そうだよね、めぐねぇ。うん、まずは自己紹介からするね」
みーくん「……?」
ゆき「私の名前は何でしょう?」
みーくん「知りませんよ!」
2:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 00:03:16.61
ID:pJ2MEVsuo
ゆき「冗談、冗談。わたしの名前は『たけやゆき』。この学校の三年生だよ」
みーくん「三年生……先輩なんですね。あ、私の名前は『なおきみき』です」
ゆき「うん。よろしくね。それで、こっちにいるのが、めぐねぇ。この学校の先生」
みーくん「……?」
ゆき「え? あ、ごみぃ。だって、めぐねぇのが言いやすいんだもん」
みーくん「…………」
ゆき「違うよ。違うって、めぐねぇ。そういう意味じゃないからさ。親しみやすいっていうか」
みーくん「?」
ゆき「あ、そうだ。ねぇ、みーくん、喉乾いてない? 良かったらお水飲む?」
みーくん「あ、はい。頂きます」
ゆき「」ゴクッ、ゴクッ
みーくん「」
3:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 00:06:28.58
ID:pJ2MEVsuo
ゆき「ふーん。みきだから、ミキティって呼んで欲しいんだ」
みーくん「一言も言った覚えないです」
ゆき「それじゃあ、みーくんだね。早速学校を案内してあげるよ」
みーくん「水は?」
ゆき「ほら、みーくん、おいで。こっちだよ、こっち」
みーくん「あ、ちょっと、ドア開けっぱなしなんですけど」
ゆき「大丈夫、大丈夫。あれ、自動ドアだから」
みーくん「何でそんなまるわかりの嘘つくんですか!?」
4:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 00:09:45.38
ID:pJ2MEVsuo
【音楽室】
ゆき「まずここが、音楽室。部活のみんな、いるかなー」
みーくん「……部活? 部活って、合唱部とか軽音部とかの、あの部活ですか?」
ゆき「そうだよ。もうすぐ文化祭があるから、多分、みんな今日も練習してると思う」
みーくん「……そんな、まさか」
5:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 00:13:00.22
ID:pJ2MEVsuo
みーくん(もしかして……あれは全部夢の中の出来事だったの……?)
みーくん(そうだよ……ゾンビなんているはずがない。あれは私の夢だったんだ)
みーくん(このドアの向こうには、軽音部の人がいて、ギターやドラムを使って練習してて……)
みーくん(そんな何でもない光景がきっとあるんだ……)
6:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 00:16:13.28
ID:pJ2MEVsuo
ゆき「じゃあ、開けるね」
ゆき「お邪魔しまーす」ガラッ
みーくん「……!」
ゆき「あ、やっぱりいた。みんな、練習してるね」
みーくん「…………」
ゆき「それにしても、音楽室ってすごいよね。楽器とかいっぱいあってさー」
みーくん「……本当に、すごいですね……」
7:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 00:19:24.51
ID:pJ2MEVsuo
くるみ「エライヤッチャ、エライヤッチャ、ヨイヨイ、ヨイヨイ!」ズンドコ
りーさん「踊る阿呆に見る阿呆! 同じアホなら踊らにゃ損、損!」ズンドコ
くるみ「ア、ヤットサー、ヤットサー!」ズンドコ
りーさん「ア、ヤットサー、ヤットサー!」ズンドコ
みーくん「…………」
8:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 00:24:54.77
ID:pJ2MEVsuo
くるみ「あれ、気が付いたのか?」
りーさん「あら、おはよう。もう起きても大丈夫なの?」
みーくん「……はい。それで……二人とも一体、何をしてたんですか?」
くるみ「ああ、それはわかる。気になるよな。でも、その前にまず自己紹介しとかないと」
みーくん「あ、はい……」
くるみ「私は一体誰でしょう?」
みーくん「だから、テンドンとかやめて下さい!」
9:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 00:28:03.64
ID:pJ2MEVsuo
りーさん「まったく、ゆきちゃんもくるみも冗談ばかり言ってちゃダメよ。きちんと自己紹介しなきゃ」
みーくん「そう言いつつ、あなたも絶対似たような事を言いますよね? もう騙されませんよ」
りーさん「そんな事言わないわよ。私の名前は『わかさゆうり』。この学校の三年生よ」
みーくん「え? あ、はい……」
りーさん「これから、よろしくね」
みーくん「はい……。よろしくお願いします」
りーさん「それで、あなたのお名前は?」
みーくん「あ、すみません。私の名前は『なおきみき』です」
りーさん「またの名をリュシータ・トゥエル・ウル・ラピュタと」
みーくん「いえ、なおきみき、です」
りーさん「君の一族はそんな事も忘れてしまったのかね」
みーくん「なおきみき、です」
りーさん「こいつの体が金属で出来ているのか粘土で出来ているのか、それすらも今の我々の科学力では」
みーくん「人間です(怒)」
10:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 00:31:08.85
ID:pJ2MEVsuo
みーくん「それよりもさっきから気になってたんですけど、ゆき先輩」
ゆき「……!!」
みーくん「どうしたんですか?」
ゆき「俺の名を言ってみろ」
みーくん「ゆき先輩……ですよね?」
ゆき「せ・ん・ぱ・い♪」
みーくん「……大丈夫ですか?」
ゆき「めぐねぇ。聞いた? わたし、先輩だよ。すごくない?」
みーくん「ですから……」
11:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 00:34:28.53
ID:pJ2MEVsuo
みーくん「ゆき先輩」
ゆき「ん? なになに、みーくん、何?」
みーくん「その、めぐねぇって、誰ですか?」
ゆき「え……」
くるみ「!」
りーさん「!」
みーくん「さっきから一体、何と話をしてるんですか?」
ゆき「……え、や、やだなあ、みーくん。そんな事言ったらめぐねぇが傷ついちゃうよ……」
くるみ「みーくん、ちょっとこっちに」
りーさん「ええ、早く」
みーくん「え……?」
12:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 00:38:22.24
ID:pJ2MEVsuo
【屋上】
みーくん「……何ですか、大事な話って」
くるみ「どうしても言っておかなきゃいけない事があるんだ……」
りーさん「ええ……。みきさんがここにいる以上は伝えておかなきゃいけない事なの」
みーくん「でも……何でこんな屋上まで……」
くるみ「それは、ここにお墓があるからだよ」
みーくん「お墓……?」
りーさん「ええ、これ……」
みーくん「本当だ……。でも、誰の何ですか?」
くるみ「ここがお前の墓場だ」
りーさん「あなたの死に場所よ」
みーくん「」
13:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 00:41:42.70
ID:pJ2MEVsuo
くるみ「本当は……さっき言ってた、めぐねぇのなんだ……」
みーくん「めぐねぇの、お墓……?」
りーさん「もう亡くなってしまったの……」
みーくん「そうだったんですか……」
くるみ「ああ。だから、私たちはめぐねぇを供養する為に阿波踊りを踊ってたんだ……。踊り念仏を知らないから」
みーくん「自分の言ってる事に何か疑問はないですか?」
くるみ「だけど、ゆきはめぐねぇが死んだっていう、その現実を受け止めきれなかった。だから……」
りーさん「ゆきちゃんの中では……めぐねぇも死んでいないし、ゾンビが発生もしてはいないわ。いつもと変わらない日常が続いてるの……」
みーくん「…………」
くるみ「めぐねぇはゆきの支えだったんだ。とてもいい先生だった……」
りーさん「本当に……。優しい人だったわ……。自分の事よりも私たちの事を心配するような、そんな先生だったの……。あの時もそうだったわ……」
みーくん「…………」
14:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 00:44:58.41
ID:pJ2MEVsuo
【回想】
ゆき「今日のご飯は、お雑煮、お雑煮♪」
めぐねぇ「お餅は日持ちするから、助かったわね」
りーさん「ええ、本当に。お腹もふくれますし」
くるみ「それじゃ、みんな、食べようぜ。美味しそう」
「いっただきまーす」
ゆき「」ガツガツ、モグモグ
くるみ「おい、ゆき。そんなに慌てて食べると、餅を喉に詰まらせるぞ」
りーさん「そうよ。お正月に毎年一人ぐらいは救急車で運ばれる人が出るんだから」
めぐねぇ「うっ!」ドサッ
「めぐねぇぇぇぇぇ!!」
15:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 00:46:50.97 ID:oiwh4ZOvO
よかった…ゾンビに噛まれためぐねえなんていなかったんや…(目そらし
16:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 00:49:38.55
ID:pJ2MEVsuo
【回想、終】
くるみ「その時、雑煮の餅を喉に詰まらせてめぐねぇは亡くなったんだ……」
りーさん「悲しい出来事だったわね……」
みーくん「その回想……必要でしたか?」
くるみ「ただ、ゆきの中では今でもめぐねぇが生きてる事になってる……」
りーさん「だから、みきさんもゆきちゃんの話に合わせてあげて欲しいの。今は、それが必要だと思うから」
みーくん「でも……そんなの納得出来ません。ゆき先輩にはきちんと教えて、治ってもらった方がいいと思います」
りーさん「知った風な口をきかないで!」
みーくん「……!?」
くるみ「私たちが毎日どんな気持ちで過ごしてると思ってるんだ! 来たばっかのお前に何がわかるって言うんだよ!」
みーくん「…………」
17:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 00:53:02.13
ID:pJ2MEVsuo
りーさん「……冷たい事を言うようだけど、今は私たちの言う通りにして。ゆきちゃんに話を合わせてあげて」
くるみ「ゆきが、めぐねぇがいるって言うなら、めぐねぇはそこにいるんだ。死んでなんかいない」
みーくん「だけど……」
りーさん「今は、あなたもここの事がよくわかってないわ。私たちの事も、ゆきちゃんの事も」
くるみ「だから、少なくともわかるまではこのままにしてくれ。ゆきは私たちにとっての大事な仲間だし、友達だ。それだけは確かだから」
みーくん「……わかりました。でも、ここの事を、ゆき先輩の事をちゃんと理解するまでです。それなら……」
りーさん「ええ、今はそれでいいわ」
くるみ「そうだな」
みーくん「…………」
19:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 00:56:45.56
ID:pJ2MEVsuo
くるみ「それじゃあ、戻るか……。ゆき一人にしとくのも心配だし」
りーさん「そうね。ゆきちゃん、危なっかしいから」
みーくん「…………」
くるみ「この前も、勝手に家に帰りそうになったしな」
りーさん「あの時はめぐねぇが止めてくれたから良かったけど……。でも、また止めてくれるとは限らないし……」
くるみ「ああ、早く戻ろう」
りーさん「そうね」
みーくん「…………」スッ (ドアに手をかける)
ドンッ! ドンドンッ!!
みーくん「」ビクッ
くるみ「どうした!? おい!?」
りーさん「なに!? 誰がドアを叩いてるの!?」
20:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 01:00:03.30
ID:pJ2MEVsuo
シーン……
くるみ「おい! ゆき!? ドアをさっき叩いてたのはゆきなのか!?」
りーさん「ゆきちゃんなの!? 返事をして!?」
ドンドンッ!! ドンドンドンドンッ!!
みーくん「ひっ!」ビクッ
くるみ「なんだよ、これ! ゆき! ゆき!! 返事をしてくれ!!」
りーさん「まさか……ゆきちゃん、ゾンビに……」
くるみ「やめろよ、りーさん! 違う! ゆきがゾンビなんかになるはずがっ……!」
みーくん「ゆき先輩! ゆき先輩なんですよね!? 返事をして下さい!!」
くるみ「ゆき! ゆきなんだろ!?」
ドンドンドンッ!! ドンドンドンドンドンッ!!
みーくん「!!」ビクッ
くるみ「ゆきじゃない……っ!? 」
りーさん「ゆきちゃんっ!!」
21:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 01:03:13.87
ID:pJ2MEVsuo
『あ゛あ゛あ゛……』
ドンドンドンドンドンッ!! ドンドンドンドンドンッ!!
みーくん「いやー!!」
くるみ「そんなっ……!」
りーさん「嘘でしょ……!!」
『フルコンボだドン!』ドンッ!
みーくん「え……」
くるみ「なんだ、和田ドンかよ、もう……」
りーさん「あー、びっくりした……」ホッ
みーくん「ええええ!?」
22:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 01:06:27.50
ID:pJ2MEVsuo
くるみ「」ガチャッ (ドアを開ける)
ゆき「もう一曲遊べるドン!」ドヤァ
りーさん「また太鼓の達人ごっこをしてたの、ゆきちゃん?」
ゆき「えへへ」
みーくん「」
くるみ「あれ、びっくりするからやめろよな。心臓に悪いぜ」
りーさん「そうよ。ゆきちゃん。まったくもう」コツン
ゆき「ごみぃ。つい」テヘヘ
みーくん「」
くるみ「さ、じゃあ戻ろうぜ」
りーさん「そうね、行きましょ」
ゆき「うん!」
みーくん「……何なの、この人たち」
23:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 01:07:28.56
ID:pJ2MEVsuo
今日はここまで
18:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 00:53:15.57 ID:sfIoxF0c0
なんだこの妙に緊張感が無いズレた感じ
期待
25:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 01:33:02.95 ID:K1VbSJ/pO
なんだこれワロタ
27:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 05:34:00.00 ID:Pt2zLsnrO
ゴミィはやめなさいwwwwwwwwwwwwwwww
28:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 14:06:52.16 ID:YLR9pADf0
このなんとも言えないズレたかんじがいい
29:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 15:01:20.48
ID:pJ2MEVsuo
【部室】
ゆき「体育祭をしよう!」
みーくん「え」
くるみ「また、唐突だな、ゆき。どうした?」
ゆき「さっきね、このボッスン帽子にビビッと来たの。今日は体育祭をやりたいって」
みーくん「そんな……。こんな時に体育祭だなんて……」
くるみ「じゃあ、しょうがないな。今日は阿波踊りを中止して、体育祭にするか」
みーくん「え」
りーさん「そうねえ。ゆきちゃんがそう言うならねえ」
みーくん「え」
ゆき「言っとくけど、新入りのみーくんに拒否権はないからね」
みーくん「え」
くるみ「諦めな、みーくん」
みーくん「えええ……」
30:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 15:04:35.39
ID:pJ2MEVsuo
【50メートル走】
ゆき「位置について」
みーくん「」サッ (クラウチングスタート)
くるみ「」サッ (鳳凰の構え)
ゆき「よーい……」
みーくん「」ジリッ
くるみ「フォオオオオア……」
ゆき「へっくしょん!」
みーくん「え……!」ダダダダッ (ダッシュ)
くるみ「みーくん、フライングー!」
31:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 15:07:52.93
ID:pJ2MEVsuo
【二人三脚】
ゆき・みーくんチーム
くるみ・りーさんチーム
ゆき「みーくん、勝つよ。タイミング合わせてね。さっきみたいにフライングしちゃダメだよ」
みーくん「何で私のせいみたいになってるんですか……」
くるみ「飛べないみーくんはただの豚だ」
りーさん「見ろ、みーくんがゴミのようだ」
みーくん「ひどくないですか、先輩たち!?」
32:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 15:11:17.42
ID:pJ2MEVsuo
くるみ「それじゃ、位置について……」
りーさん「時間だ、答えを聞こう!」
ゆき「バルス!」
くるみ・りーさん「」ダダダダッ (ダッシュ)
ゆき・みーくん「」ベタッ (転倒)
ゆき「ちょっと、みーくん! タイミング合わせてよ!」
みーくん「先輩のスタートの号令、おかしいんです!」
33:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 15:14:35.52
ID:pJ2MEVsuo
【玉入れ】
くるみ「玉入れだー」ポイッ、ポイッ
ゆき「それー」ポイッ、ポイッ
りーさん「うふふ」ポイッ、ポイッ
みーくん「ようやく普通に……」
くるみ「あははっ。ゆきの玉はカーット!」ペシッ
ゆき「もう、くるみちゃん、何するのー。ひどいよー」
くるみ「悔しかったら、入れてみろってー」アハハッ
ゆき「負けないもん、それー」ポイッ、ポイッ
くるみ「甘い甘い、全部カーット!」ペシッ、ペシッ
ゆき「もう、くるみちゃんのイジワルー」キャッキャッ
くるみ「あ、コラ、叩くなよ、ゆきー」キャッキャッ
みーくん「…………」
34:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 15:18:25.84
ID:pJ2MEVsuo
【綱引き】
ゆき「うー! うー……!!」(渾身の力を込めて引く)
りーさん「ふふ」(片手持ち)
みーくん「なにあの人、すごい……」
くるみ「よっ、みーくん。どうだ、体を動かすって楽しいだろ? ……意味がないってわかってるけど、でも、それが必要な時もあるんだよ」
みーくん「それより、りーさんの怪力の方が気になります」
ゆき「んー!! んんーっ!!」(顔真っ赤)
りーさん「うぬの全力はこれしきか」(阿修羅顔)
くるみ「ゆきはさ……。こういう風に、それが必要な時に必要な事を言い出すんだ。私たちがショッピングモールに行ったのも、ゆきが最初に言い出した事だし」
みーくん「そんな事より、りーさんの顔面の方が気になります」
35:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 15:21:38.08
ID:pJ2MEVsuo
【部室】
りーさん「みんなー、ご飯ができたわよー」
ゆき「おお! 今日はシチューだー。美味しそー」
くるみ「たっぷり運動したから、余計にそう思えるよな」
りーさん「お代わりもあるから、みんな遠慮なく食べてね」
ゆき「はーい!」
みーくん「……いい匂い」
36:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 15:25:15.92
ID:pJ2MEVsuo
ゆき「」ガツガツ、モグモグ
くるみ「相変わらず、その食べ方直らないなあ、ゆきのやつ」
りーさん「ふふ。そうね」
みーくん「…………」ソッ (スプーンですくう)
みーくん「」パクッ
みーくん「……!」
みーくん「美味しい……」
くるみ「味音痴の西洋人が作ったこんなゲスな食べ物を私に食わせるのか!」
りーさん「女将を呼べ! この私に豚の餌を食わすとはいい度胸だな!」
ゆき「美味しいよねー」
みーくん「はい。とても」
37:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 15:28:45.75
ID:pJ2MEVsuo
ゆき「めぐねぇも、美味しい?」
みーくん「あ……」
ゆき「だよねー。やっぱりお肉美味しいよねー。今日の疲れが吹き飛んじゃうっていうかさー」
みーくん「…………」
ゆき「え? そんな事ないよー。めぐねぇ、スタイルいいもん。本当だよ」
みーくん(……いない人が見えてるゆき先輩。普通なら治さなきゃいけないけど……)
みーくん(でも、ゆき先輩はとても明るくて、こんな状況でも楽しそうで……)
みーくん(……必要な事を必要な時に言い出す、か)
みーくん(こんな状況だからこそ……ゆき先輩は本当に必要なものがわかっているのかも……)
みーくん(だとしたら……)
38:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 15:32:26.69
ID:pJ2MEVsuo
ゆき「ねぇ、みーくんもそう思うよね?」
みーくん「え……?」
ゆき「だから、めぐねぇの事。めぐねぇ、綺麗だし太ってなんかいないよね?」
みーくん「あ……はい。そうですね」
ゆき「ほら、みーくんもこう言ってるよ。だから、自信持ってよ、めぐねぇ」
みーくん(これで……いいのかも)ニコッ
ゆき「ほらほら、みーくんも、もっと言ってあげて。めぐねぇどんどん落ち込んじゃうから」
みーくん「そうですね。めぐねぇはとても綺麗ですよ。だから、安心して下さい」
ゆき「あ、めぐねぇ、今、向こうだから。なに壁と話してるの、みーくん?」
みーくん「」
39:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 15:36:08.94
ID:pJ2MEVsuo
【シャワー室】
みーくん「…………」トコトコ (全裸)
みーくん「」キュッ (シャワーのコックをひねる)
ジャバー……
みーくん「あっつ!! 熱湯! 熱湯!」ピョン、ピョン
40:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 15:39:30.22
ID:pJ2MEVsuo
【シャワー後】
みーくん「はぁ……」トコトコ (バスタオル一枚)
りーさん「あら……?」
みーくん「あ、シャワーありがとうございます」
りーさん「いいのよ、気にしないで」
りーさん「それで……」
みーくん「はい」
りーさん「今日一日、どうだった?」
みーくん「……なんて言うか……楽しかったです。こんな風な気持ちになれたの、本当に久しぶりで……」
りーさん「そう。良かった」ニコッ
みーくん「はい」
41:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 15:42:56.37
ID:pJ2MEVsuo
みーくん「それで……あの……ゆうり先輩」
りーさん「あら、なに? どうしたの?」
みーくん「私も学園生活部に入部させて下さい。仮入部とかでもいいですので!」ペコッ
りーさん「え……」
みーくん「今日一日、過ごしてわかりました。私もこの部に入りたいんです!」
りーさん「…………」
みーくん「ダメ……ですか?」
りーさん「」スッ (手を差し出す)
みーくん「あ……!」パアッ
りーさん「だが断る」
みーくん「」
42:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 15:47:08.68
ID:pJ2MEVsuo
りーさん「この『わかさゆうり』の好きな事は!」
りーさん「相手を期待させてから一気に奈落の底に蹴落とす事だ! 今のお前のようにな!」
みーくん「」
りーさん「ふふっ。歓迎するわ。『なおきみき』さん。学園生活部へようこそ」
みーくん「え、じゃあ……」
りーさん「ええ、さっきのは冗談よ。これからよろしくね」ニコッ
みーくん「あ、ありがとうございます!」
りーさん「と、言うとでも思ったのか?」
みーくん「どっちなんですか!!」
43:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 15:50:55.98
ID:pJ2MEVsuo
りーさん「嘘よ、嘘。本当の本当に、あなたを歓迎するわ」
みーくん「良かった……」
めぐねぇ「これからよろしくね、みきさん」
みーくん「はい、よろしくお願いしま……誰ですか」
めぐねぇ「私が餅を喉に詰まらせて死んだと言ったな。悪いな、それは嘘だ」
みーくん「」
ゆき「ドッキリ!」
くるみ「大成功!」
りーさん「やったわね」ニコッ
めぐねぇ「ええ」ニコッ
みーくん「何してるんですか、あなたたちはっ!!」
44:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 15:54:22.85
ID:pJ2MEVsuo
【現在】
くるみ「ああ、懐かしいなあ。そんな事もあったけ」
みーくん「私は絶対にあの時の事を忘れません」
ゆき「だって、普通の歓迎会じゃつまんなかったから、りーさんが何かしようって言い出してさあ」
りーさん「そうそう。それで、影が薄いっていつも言われてるめぐねぇを、本当にいない事にしたらどうかなって話になったのよね。懐かしいわ」
めぐねぇ「私、あの時はずっと見つからないように、教室の掃除道具入れの中に隠れてたのよねえ。もう蒸し暑くて蒸し暑くて、大変だったんだから」
ゆき「みーくん、まんまと騙されたよね。ぷぷぷー」
みーくん「誰だって騙されます、あんなの!」
太郎丸「わんわん!(帰ってきた! 黄泉の国から戦士たちが帰ってきた!)」
45:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 15:57:36.44
ID:pJ2MEVsuo
くるみ「いやー、でも、面白かったよな、あれ。ビデオカメラで確か隠し撮りしてたよな、あの時」
みーくん「そんな事までしてたんですか!?」
りーさん「あのテープならちゃんと編集してあるわよ。今から見てみる?」
みーくん「や、やめて下さい! 恥ずかしい!」
ゆき「そうだね、見よう! 今からビデオ鑑賞会だよー! めぐねぇ、いいよね?」
めぐねぇ「ふふ。いいですよ。じゃあ早速準備してきましょうか」
みーくん「めぐねぇまでやめて下さい! 私、晒し者じゃないですか!///」
くるみ「よっしゃ! 手伝うぜ、めぐねぇ!」
めぐねぇ「あら、ありがとう。それじゃ一緒にこっちに来て」
みーくん「ま、待って下さいよ!///」
46:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 16:01:02.57
ID:pJ2MEVsuo
ゆき「ねぇねぇ、みーくん」
みーくん「な、何ですか?」
ゆき「これからもこうやって、いっぱい、いーっぱい、楽しい思い出作ってこうね」ニコッ
みーくん「……ゆき先輩」
ゆき「そしたら、救助が来るまで、みんなでずっと笑っていられるよ」
みーくん「……そうですね」ニコッ
ゆき「それに、みーくんの隠し撮りまだ他にもたくさんあるし」
みーくん「!?」
ゆき「よだれ垂らしてる寝顔とか、屋上でダンスを踊ってゾンビ相手にアイドルコンサートを一人でやってたところとか」
みーくん「や、やめて下さい!/// なにこっそり撮ってるんですか!」
『おーい、みんなー、上映会の準備出来たぞー』
ゆき「お。きたー、楽しみだね、みーくん♪」
みーくん「ちょ、え、中止して下さい! 恥ずか死にます! やめて下さいよ!///」
ゆき「ダーメだっよー♪ 部活に入りたいって言ったの、みーくんの方なんだから」
みーくん「それとこれとは別です!///」
完
50:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 21:01:04.32 ID:guZe3DqQo
そのアイドルコンサート動画、言い値で買おう
49:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/15(土) 20:23:03.79 ID:ptea+oB4o
乙!
みーくんまで何してるんだww
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