ディアボロ「このわたしがアイドルのプロデューサーだと?」【後編】

2013-08-24 (土) 18:01  アイドルマスターSS ジョジョの奇妙な冒険   9コメント  




558:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 22:50:39.38 ID:TWfMUI+n0

・・・

翌日
---765プロダクション事務所---

高木「えぇっ!?やはりプロデュース交代を戻したいって!?」


ディアボロ「そうだ。あいつらはわたしが引き受ける……」

ディアボロ「それに……ほんの少しではあったが、竜宮小町のメンバーとも接した」

ディアボロ「彼女達に必要なのは秋月律子だ」

ディアボロ「……勝手だろうか」


高木「えっ……いや、それはだね……う~~~む」
高木(妙案と思ったんだが……やはり上手く行かなかったか)


律子「プロデューサー」

ディアボロ「ム」

律子「顔つきが変わりましたね。何か、ミニライブで手に入れましたか?」


ディアボロ「……そんなところだ」



560:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 22:52:00.47 ID:TWfMUI+n0

律子「ふふっ、これは本当に強力なライバルが出てきましたね」

ディアボロ「フフ……あがいても無駄だ……律子」

ディアボロ「帝王に弱点はない……ッ!」

律子「帝王帝王いってられるのも今の内かもしれませんよ?ふふっ」


ディアボロ「……ほう」

ディアボロ「ならば見せてもらおうじゃあないか……え?」



高木(え……なんかすごいイイ感じの流れになってるんですが)
高木(何?これはプロデュース交代は失策だったとかそういう感じではないの?)


高木「り、律子くんはプロデュースを元に戻すことについて賛成なのかい?」

律子「えぇ。春香たちと仕事をするのもすごくいい経験になったけど……」

律子「やっぱり、竜宮には私がいないとダメですから」


高木「あ……そうなの」



561:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 22:55:16.39 ID:TWfMUI+n0

ディアボロ「それでは律子、これを」

ディアボロ「竜宮の今後のスケジュールを纏めておいた」


高木「え、えっ!今日から!?」


律子「は~い……。どれどれ」ピラッ

律子「ふむふむ……」

律子「……さすがプロデューサー、私がプロデュースしていた時とほとんど同じペースでやっていますね」


ディアボロ「勘違いしてるんじゃあないぞ……お前にできる程度のペースにしているんだ……」

ディアボロ「オレなら更に高みへ行けるがね……」


律子「あらそう?」




高木「え、何!?そう言うのってちゃんと手続きを踏んで」



562:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 22:55:50.77 ID:TWfMUI+n0

高木「……」



律子「ふふっ」

ディアボロ「……クク」



高木「【Pは社長より強し】……ンッン~名言だな……これは」

高木「自分で言って悲しくなるよ」



567:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 22:59:47.14 ID:TWfMUI+n0

・・・

<ガチャ

春香「おはようございま―――」



「えっ!兄ちゃん戻って来るの!?」
「何っ!?それは本当なのかプロデューサー!」ワイワイ
「これはまた大変な日がやってきそうね……」
「スケジュールはこのままやるんですか?」ガヤガヤ
「兄ちゃん行っちゃうのー……?」
「どうせ毎度顔を合わすんだから変わらないでしょ……」ワイワイ


貴音「おはようございます。春香」

春香「あっ、おはようございます四条さん」

春香「あはは……すごく盛り上がってますね」

貴音「わたくしも驚きました……昨日の今日で」

春香「行動がはやいんですねえ……いいことですけど」



568:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 23:00:21.79 ID:TWfMUI+n0

パンパン



ディアボロ「貴様ら!聞け……ッ!」




「…………?」




ディアボロ「今日から、プロデュース交代していたわたしと律子は元のグループに戻る」

ディアボロ「……と、言うわけだが……。わたしにとってこれは【再開】ではなく【始動】だ」

ディアボロ「今日から始まる……今まではほんの前置きだと思え」



千早「前置きって、プロデューサー……」

響「……ぁはは。まあらしいといえばらしいぞ」

高木「……」
高木(え……?らしいの?)



570:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 23:01:21.37 ID:TWfMUI+n0

ディアボロ「よって!まずは自己紹介から行きたいと思うッ!」

ディアボロ「わたしのグループのメンバー全員だッ!」



ザワッ
ザワッ



ディアボロ「分かっている。あぁ分かっている」

ディアボロ「フフ……まずはわたしからと……そう言うのだな?」

ディアボロ「良いだろう……」



ゴゴゴゴゴゴゴゴ
  ゴゴゴゴゴゴゴゴ






ディアボロ「『P』はこのディアボロだッ!依然変わりなくッ!」
ズギャァァァァァァァーーーーーン



571:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 23:02:03.31 ID:TWfMUI+n0

……
 ……


真「でた」

雪歩「ふふっ……」

千早「はぁ……まったくもう」

真美「そう言うわりにはニヤけてるよ千早お姉ちゃん?」

千早「……ふふっ」

響「わかったよ、プロデューサー!自分たちもそーいう感じでやれって事でしょー?」

美希「なんだかハプロデューサー元気になったね!」

やよい「うっうー!なんだか楽しくなってきました!」




貴音「……」

春香「……」



573:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 23:03:53.92 ID:TWfMUI+n0

貴音「……」

春香「……」



春香・貴音(依然変わりなく……?)



・・・

真美「はいはーい!じゃあ真美からいくYO!」


真美「双海真美だよ→!765イチ……いや、宇宙イチのセクシーなアイドル目指して頑張るYO!」

真美「んっふっふー……今に兄ちゃんもコウサツしちゃうんだから!」


ディアボロ「なんというか……うむ、将来に期待しようじゃあないか」

ディアボロ「あと絞め殺すのはやめてもらおう……お前は暗殺向きとは思えないしな」



574:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 23:05:21.53 ID:TWfMUI+n0

美希「はいっ!次はミキ!ミキがいくよー!」


美希「星井美希なの!好きな食べ物はおにぎりで、好きなプロデューサーは……」

ディアボロ「やめておけッ!」

美希「何をあせったのかな~?……ふふっ!ミキもトップ目指してがんばるよ!」


ディアボロ「お前は油断も隙もないやつだな……相当の腕を持っているよ……」

ディアボロ「……誇っていいぞ……そこだけはな……全く」



真「よしっ!じゃあ次はボクで!」


真「菊地真ッ!17歳ですッ!」

真「キュートでプリティなカワイイアイドルを目指して!トップをつかみ取りましょう!」


ディアボロ「キュートでプリティ……?」

ディアボロ「あ、あぁ……頑張ってくれ。実現目指してな……いや、マジに」



576:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 23:10:14.47 ID:TWfMUI+n0

響「じゃあ、次は自分の番だな!」


響「我那覇響16歳!相棒のハム蔵を始め、家ではイヌ美とへび香とシマ男とオウ助とうさ江と――」

ディアボロ「よし響ッ!もういいぞッ!」

響「え~っ、いいのか……?」

響「そうだな、えっと……みんなで完璧なアイドルを目指してるさー!そこにプロデューサーも加わったら、きっともっと完璧だよね!」


ディアボロ「無論ッ!帝王に負けは無いッ!」



やよい「あっ!じゃあ私行きますねー!」


やよい「うっうー!高槻やよいです!年は……14歳です!」

やよい「えーっと……みなさんと一緒に、楽しくアイドルやれたらいいかなーって、思います!」


ディアボロ「生き抜く力……最も重要な事の一つだ……」

ディアボロ「お前はそれを持っている……誇れ」



577:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 23:14:29.28 ID:TWfMUI+n0

千早「やはり皆やるノリなのですね……次は私が」


千早「如月千早、16歳です……。趣味は歌う事、特技は歌う事です」

千早「その……。このグループでやれて、幸せに……思ってます」


ディアボロ「一級品の歌はお前の武器だな」

ディアボロ「それと……まあなんだ……いや、やはり なに もない」



雪歩「えと、じゃあ私行きますね」


雪歩「萩原雪歩17歳ですううう……。」

雪歩「えっと……その……こんな改まって自己紹介なんてすると余計恥かしい……穴ほってうま」

ディアボロ「……お前それは何とかしないといけないんじゃあないか?」



579:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 23:18:53.01 ID:TWfMUI+n0

貴音「それでは、わたくしが」

貴音「四条貴音18歳の水がめ座です」

貴音「プロデューサーがやってきてから色々な事がありましたが……ここに立っている今この瞬間があることを、幸せに感じます」

貴音「……必ず、やり遂げてみせましょう」


ディアボロ「……」

ディアボロ「お前とパーティー会場での一件が無ければ、この日はやってこなかった」

ディアボロ「……幸か不幸かな」

貴音「これから、幸にすれば、よいと思います」

ディアボロ「G・E・Rに……立ち向かえれば……な」



580:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 23:22:44.26 ID:TWfMUI+n0

春香「あ、最後になっちゃいました?」

春香「私は天海春香、17歳です!趣味はお菓子作りやカラオケですっ!」

春香「なんだかみんなが自己紹介してるのを見てると、少しずつでもみんな前に進めてるんだなあって思いますよね!」

春香「そして……プロデューサーさんも!私たちと一緒にきてくれて本当にありがとうございます!」

春香「IA大賞のノミネート発表まで時間は少ししかないけど、できる事を、全力で!」

春香「プロデューサーさん?よろしくお願いしますね!」


ディアボロ「よろしく」

ディアボロ「お前の言っていた【半分】の意味……まだ分からないが」

ディアボロ「……おもしろい。これもG・E・Rの出題ということだな」

ディアボロ「その真実……必ず解き明かしてみせよう」



583:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 23:37:11.21 ID:TWfMUI+n0

・・・



ノミネート発表
---765プロダクション事務所・夜---



584:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 23:37:53.06 ID:TWfMUI+n0

高木「うぉっほん!それでは……」


ディアボロ「……」

律子「……」


高木「ディアボロくん、おめでとう!ノミネート書類が届いているよ!」





ディアボロ「……!」


ディアボロ「そ……そうか……わたしたちは、やったのだな」

ディアボロ「フ、フフ……」


律子「プロデューサーさん、おめでとう!」

律子「竜宮はだめだったけど……うん、きっと来年そこに行きますから!」

律子「待っていてください!……そして、きっとIA大賞、とってくださいね!」


ディアボロ「当然だッ!そのためにオレはここにいるんだからなッ……!」



587:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 23:42:16.79 ID:TWfMUI+n0

ディアボロ「見ているんだな……高木社長そして律子……ッ」

ディアボロ「街道を……あいつらの栄光のな」














・・・

数週間後

---765プロダクション事務所---



588:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 23:43:40.13 ID:TWfMUI+n0

律子「【765の誇る敏腕プロデューサー・ディアボロ氏】……!?」


ドドドドドド
 ドドドドドド


ディアボロ「当然だよなあ~~~~?」



律子「いやいや……」

律子「っていうか、いつの間にこんな取材受けてたんですか……」

律子「ノミネートされたからでしょうけど……」

ディアボロ「記者の方からやって来たぞ……よほどIA大賞ノミネートしたわたしの腕が目立っているらしい」

律子「はぁ、そうなんですか……」
律子(確かに目立ちそうですけどね……ルックス的にも)

ディアボロ「なに、わたしのやり方を教えてやっただけだ」

ディアボロ「【どんな手を使ってでも勝つ】……これだけだ」


律子「えぇー……また妙な事を」



589:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 23:50:24.40 ID:TWfMUI+n0

律子「なんだか黒井社長とかが言いだしそうな事だけど……大丈夫なんですか?」


ディアボロ「ちがうな律子……お前何か勘違いをしているんじゃあないのか?」

ディアボロ「このIA大賞への勝負ではこれ以上スタンドを含め汚い手は使わない」

ディアボロ「……それは奴らには似合わないからな。それに」

ディアボロ「この勝負、そのような事をしなくても勝てる……」

ディアボロ「このッ!本気になったディアボロとッ!……奴らがいればな……!」


律子「そ、そうなんですか」
律子(スタンドとかなんとか訳が分からないんですけど……)


ディアボロ「必要なのは臨機応変に行動する能力だ」

ディアボロ「状況を見極め、何をするべきか判断するということ」

ディアボロ「決められた事だけをする兵士のようなアイドルでは不可能だからな。……違うかい?」


律子「うーん……まあ、確かに……」



592:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 23:56:43.93 ID:TWfMUI+n0

・・・

数日後

---765プロダクション事務所---


春香「プロデューサーさん!雪まつりですよっ!雪まつり!」


ディアボロ「おおっ!?」

ディアボロ「なんだ、春香……突然」


春香「来週行く、東北エリア一のお祭り【こんこんライブ】ですよ!」

春香「プロデューサーさんっ!もちろん遊べる時間はあるんですよね!?」

真美「んっふっふー……はるるん、それは聞くまでもないんじゃないかい?」

真美「当然!あるに決まってるっしょー!」


ディアボロ「え」

ディアボロ「……なに?」


春香・真美「……えっ?」



593:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/19(月) 23:58:50.90 ID:TWfMUI+n0

真「プロデューサーさん……まさか」

真「まさか、何もないなんて事……」

美希「信じられないの……」

やよい「残酷すぎますっ!」


ディアボロ「な、……なんだなんだお前たちッ!」

ディアボロ「わたしは聞かされてないぞッ……そんな事ッ!」


春香「は~……ですよねえ」

響「まあ正直そうなると思ったさー……」


ディアボロ「雪まつり……【こんこんライブ】は雪まつりの一環だったのかッ!」



595:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 00:04:02.89 ID:XdfSWu8Z0

ディアボロ「おい……しかし待て」


真「どうかしました……?」


ディアボロ「どれほど遊ぶのかは知らないが、ライブ出演が終わってすぐ帰らないのであれば」

ディアボロ「かなり遅い時間になるぞ……帰って来るのが」

ディアボロ「飛行機のチケットも変えるなら……時間も見直してキャンセルも考えねば」


春香「……え?」

美希「!?」


ディアボロ「おい、なんだ……なぜ驚いている」

ディアボロ「東北エリアからここまで帰って来ると考えたら当然じゃあないのか……?」


春香「いやあ……ダメだって一蹴されるかと思って」

真「えっえっ!?プロデューサー、本当にいいんですか!?」


ディアボロ「いや待て、まだ分からん……十分に熟考してその上で決めないと」



597:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 00:10:58.97 ID:XdfSWu8Z0

ディアボロ「キャンセル料……お前たちの翌日の仕事……席の空き状況も見なくてはな」

ディアボロ「フム……さて、どうしたものか。まずは仕事の日程から調べよう」


美希「ねえハ、プロデューサー……もしかして」

響(ちょっと乗り気になってる……?)

雪歩(やる気になってる……?)


ディアボロ「……ベネ(良し)」

ディアボロ「全員OFFじゃあないか……翌日」


やよい「大丈夫なんでしょうか」

千早「さあ……でも、乗り気なのは確かなようね」



599:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 00:15:23.74 ID:XdfSWu8Z0

貴音「時にプロデューサー」


ディアボロ「貴音か、なんだ」

ディアボロ「すまないが調べ物をしているのでな……片手間でよければ続けてくれ」


貴音「はい、それは構いません……。ひとつだけ、どうしても気になる事が」

貴音「この雪まつり……かき氷はあるのでしょうかっ!?」


ディアボロ「かき氷……だと~~~?」

ディアボロ「この真冬に……感心するよ。マジにな」

ディアボロ「いやしかし、どうなんだろうな。実際のところ」

ディアボロ「雪まつりと名を打つほどだからな」

ディアボロ「……今調べたが、氷像なんかも作っているそうじゃあないか」

ディアボロ「だとしたらかき氷くらいはあるのか……?」


貴音「!」

貴音「なんとしてでも行きましょう!!」



600:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 00:21:56.67 ID:XdfSWu8Z0

ディアボロ「いや、もともと行くのは行くんだが……」

ディアボロ「……っと。ベネ(良し)。ディ・モールトベネ(非常に良しッ)!」

ディアボロ「空き状況も良好だ」


ザワッ
 ザワッ


春香「ぷ、プロデューサーさん……もしかして」

真美「真美たち、ほんとに遊んじゃってもいいの?」


ディアボロ「えっ?……あっ、ああそうだな」

ディアボロ「そうだな……ウム」

ディアボロ「そこはなんとかしてやろう」

ディアボロ「雪まつり……だからな。ああ」


千早「……」

雪歩「……」

響「もしかしてプロデューサー……?」



601:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 00:27:54.55 ID:XdfSWu8Z0

ディアボロ「なッ!……やめろっ!そんな目でオレを見てるんじゃあないぞッ!」

ディアボロ「違うッ断じて!」


真「プロデューサー……自分も興味あるならそう言えばいいのに」

やよい「うっうー!楽しくなりそうですー!」


ディアボロ「く……くそ」

ディアボロ「まるでオレが行きたくて仕方ないみたいじゃあないか」

ディアボロ「……ネアポリスには滅多に雪が降らないので興味を持っただけだッ……くそ」


春香「なんだあやっぱり行きたいんじゃあないですかー?」

真美「上手い事いってよかったねーはるるん!」


・・・



602:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 00:35:09.17 ID:XdfSWu8Z0

一週間後
---東北エリア・雪まつりライブ会場---


真美「こ……凍え死ぬよぅ……」

響「じ、自分こんな寒さ初めてさー……」

真「だっ!だだ大丈夫だよきっと……スステージに、た立てば……ああっ寒すぎっ!」

千早「真も耐えきれてないじゃない……っくしゅん!」

千早「ティッシュ……プロデューサー、ティッシュを」

雪歩「控室は暖房あったのに、どうして舞台袖にはないんだろう……うぅ」


ディアボロ「お前たち……耐えるんだ……真の言うようにな」

ディアボロ「ほらティッシュだ」

ディアボロ「舞台に出てしまえば……ライトもあるしダンスもある。体は温まるだろうしな」

ディアボロ「そして……このディアボロも……同じ痛みを味わおうじゃあないか」


美希「え?プロデューサーなにをするの?」



604:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 00:40:47.49 ID:9KrMNjtm0

ボスは歴代ラスボスの中じゃ一番常識的だよな



606:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 00:43:26.56 ID:XdfSWu8Z0

やよい「痛み……ですか?」


ディアボロ「ああそうだ……お前たちが舞台に出たら始めてやる」


春香「プロデューサーさん、何をするつもりなんだろう」

貴音「皆目見当がつきませんが……」

真「ああっ!大変です!もう出番次ですよ!」


ディアボロ「よしッ!……行ってくるがいい!」


『はい!!』



ワァァァァァァァァァァアアアア……!
ピューーーーーーーーーーッ!



ディアボロ「そして……オレも」

ディアボロ「え?共有しようじゃあないか」



608:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 00:47:32.99 ID:XdfSWu8Z0

ディアボロ「……これは【試練】だ」

ディアボロ「寒さに打ち勝てという【試練】とオレは受け取った」





ヌギヌギ……


春香(!?)



609:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 00:48:50.17 ID:XdfSWu8Z0

真(!!??)

美希(なんで……)

美希(なんで服を脱いでるの?)


ディアボロ「うぉぉぉぉぉおおおおッ!!!」


響(突然ですがこれは何の雄たけびですか!?)

響(意味が分からないぞ……っ自分!)


真「っ!?」
真(っていうか下に来てる服ッ!)


真美「一番最初に会った時に来てたやつ……!」



610:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 00:53:26.00 ID:XdfSWu8Z0

雪歩「……ッ!」
雪歩(ダメ、見ちゃ……)
雪歩(見れば見るほどおかしい服に見えてくる)


千早「……っ」
千早(笑ってはいけない)
千早(笑ってはいけないわ。落ちつこう……)


やよい(同じ痛みに留まるどころか、それを遥かに超えて凍えてますっ!)


ディアボロ「……フフ」


真美「」
真美(笑ってる……?)


春香(やっぱりテンションが上がってるんじゃないですか~~~~!)

春香(そんなにナポリって雪降らないんだ……)


貴音(というか本当に寒そうにしていますが大丈夫なのでしょうか)



612:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 01:02:24.89 ID:XdfSWu8Z0

・・・
---雪まつり・ライブ会場---


『―――続きまして、961プロダクションの……』



ディアボロ「……よし、御苦労だったな」


『はいっ!』


ディアボロ「ステージの方はよく出来ていた」

ディアボロ「さて、ではこれからだが―――」


春香(あの服の事には触れないんだ……)

真(ホントにちょっとテンションが上がっちゃっただけなんだね……)

雪歩(すごく聞きたい)

やよい(あの服を売っているお店があるという事にも驚きですー)

千早(もはや服と言っていいのかも疑問に感じるレベルだったわ)



615:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 01:11:15.46 ID:XdfSWu8Z0

ディアボロ「ん?おい、聞いているのか?」


春香「あっ、はい!もちろんですとも!」


ディアボロ「……ならいいが」

ディアボロ「さて、着替え終わったらライブ会場裏で再集合だ」

ディアボロ「その後解散して自由時間としよう」


『はいっ!』

・・・・・・



616:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 01:16:58.83 ID:XdfSWu8Z0

---雪まつり会場---


ディアボロ「な、なんだこれは……あり得ない……ッ!」

ディアボロ「雪像・氷像エリア……?これが」

ディアボロ「雪や氷の塊からこれを削りだしているというのか……信じられない」


真美「あっ!兄ちゃんじゃーん!」

真美「こんなとこで何してんの?」


ディアボロ「ム……真美か」

ディアボロ「それと 千早と春香もいるんだな」


千早「プロデューサー、雪像を見ていたのですか?」

春香「わあー……すごくきれいですねえ」



619:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 01:22:20.25 ID:XdfSWu8Z0

ディアボロ「ああ……こいつなんか特にすごいぞ」

ディアボロ「見てみろ、これだ」


春香「どれ?どれですかー?」


春香「??……こ、これですか」

千早「……え、ええ。そうですね。とてもリアルな造形で」

千早(カエル……)

春香(カエル……?)

真美「うぇっ!?何これっ!?ヘンテコだねえ」


ディアボロ「!?」


真美「カエル……?こんなのが好きなの?」


ディアボロ「……」

ディアボロ「……そうか」



622:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 01:29:19.90 ID:XdfSWu8Z0



千早「すごい、雪で作られたステージとかもあるのね」

春香「いろんな雪像と記念撮影……!?」


ディアボロ「フム……悪くない発想だ」


真美「ねえねえ兄ちゃん!せっかくだし写真撮ろうよ!」

春香「あっ!それいいね!」


ディアボロ「貴様ら……このディアボロに写真を撮らせるつもりか……く」

ディアボロ「ググ……て、帝王に……ふさわしい一枚を撮ってやろう」


真美「ねー兄ちゃん?何言ってるのか分からないよ?」

春香「プロデューサーさんも写るんですよ!ほらこっち!」

千早「あ……これ、すべらないよう工夫されてるのね」


ディアボロ「わたしはそういうのは苦手なんだ」

ディアボロ「いいから黙って並ぶんだな……もうすこし右がいい」



623:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 01:37:48.55 ID:XdfSWu8Z0

真美「ちぇー!つまんないの!」

春香「うーん、仕方ないですねえ」

千早「春香、もう少しこっちへ来た方がいいんじゃないかしら」

春香「あれっ、そうかな」

春香「じゃあ……っと」


春香「わわっ……!」

真美「はるるん!」

千早「春香っ!?」


ドンガラガッシャーン



ディアボロ「……」

ディアボロ「ベネ(良し)」


ディアボロ「悪くない一枚だ……」



627:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 01:41:38.15 ID:XdfSWu8Z0

・・・

ディアボロ「しかし、あいつらといては体力がいくらあっても足りんな……マジに」

ディアボロ「……ん?」


響「ええっ!?貴音まだ食べるのか!?」

貴音「まだ【世界の味覚】を制覇していませんので」

響「コンプリートするつもりだったの!?」


ディアボロ「貴音と響か……」

ディアボロ「こいつらも毎度頭の痛くなりそうな会話をしている……」


響「あ!プロデューサー!いいところに」


ディアボロ「ム」


響「プロデューサーも何か言ってやってよ~!」


ディアボロ「はぁ?……急にそんなことをいわれても」



628:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 01:44:03.98 ID:XdfSWu8Z0

響「貴音が屋台の制覇をするつもりなんだってー」

響「なんというか……ねえ?」


ディアボロ「……おい貴音、何を食べるつもりなんだ?え?」

ディアボロ「貴様アイドルだろう……多少は節度を――」


貴音「次は、このナポリのピッツァというものを」


ディアボロ「ベネ(良し)」

ディアボロ「誇れ貴音……いい目をしている……」

ディアボロ「そこの屋台か……この祭りに屋台がある事も驚きだがね」

ディアボロ「オレはマルガリータがいい」


響「なんか自然に混ざってる!?」



631:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 01:48:40.15 ID:XdfSWu8Z0

貴音「響、日本だけでなく世界へ視野を広げる事は大事です」

貴音「食を通じて世界を知るのです」


響「それっぽい事言ってるけど、別に雪まつりで知らなくてもいいと思うぞ……」

響「っていうか、自分雪まつりでこんな屋台が並ぶとは思わなかったぞ」


貴音「祭り……ですから」

貴音「祭り、……⇒屋台?」


響「うん、そうだね貴音……祭りは屋台が出るものだね」

響「……あれっ、そういえばプロデューサーどこ行ったんだ?」





ディアボロ「さすがだな……ネアポリスのマルガリータそのままだ」

ディアボロ「ほら……見ろ。モッツァレラチーズもふんだんに使ってあるぞ」


響「もう買ってきてる!?」



635:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 01:53:17.41 ID:XdfSWu8Z0

ディアボロ「お前らにも食わせてやろう……これがネアポリスのピッツァだッ!」

ディアボロ「熱いので気をつけるんだな……」


貴音「なんと……わざわざわたくし達の分まで!?」

貴音「感謝いたします……感謝いたします……いただきます、はふはふ」


響「あ、ありがとう。いただきます」
響(自分頼んでないんだけど……でも美味しそうだな)

響「はふはふ……」

響「……」



響「これはッ……!そんな……まさかっ!あり得ないッ!」


ディアボロ「ウム……美味いがこれはトマトソースが少し強すg―――」


響「ゥンまああ~~~~~いっ!!!」


ディアボロ「!?」ビクッ



642:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 01:59:48.77 ID:XdfSWu8Z0

貴音「プロデューサー、御馳走様でした」

貴音「真……美味でした」


ディアボロ「お、おう……」

ディアボロ「いや、しかし待て……何か言っているぞ、響のやつ」


響「これはッ!この味はっ!」

響「サッパリとしたチーズにトマトのジューシー部分が絡みつくうまさだぞ!!」

響「チーズがトマトを!トマトがチーズを引き立てるッ!」


ディアボロ「……あ、ああそうだな」


((こいつ、グルメリポーターもできるんじゃあないのか?))

((……延々としゃべり続けているぞ、響))



643:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 02:04:29.86 ID:XdfSWu8Z0

響「例えるならサイモンとガーファンクルのデュエット!」

響「ウッチャンに対する―――」


ディアボロ「分かった!もういいぞ響ッ!」

ディアボロ「美味さは十分に分かる!というかオレたちも食ったんだから分かるに決まっている!」



響「いや~参ったぞ……まさかこんな所であんな味に出会うとは」

貴音「いつも食べているピザとは違い、シンプルでありながら飽きないものでしたね」


ディアボロ「そうか……気に入ったならいいが」

ディアボロ「このマルガリータは本場と比べると少し味が強すぎるな……」


響「え?そうなのか?」

響「美味しかったのには変わりないけど、普段のピザと比べたらだいぶ味の濃さは控えめだったぞ」


貴音「ええ……上品に感じましたが」



645:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 02:10:06.79 ID:XdfSWu8Z0

ディアボロ「フフ……まだ甘いな」

ディアボロ「本場ネアポリスのマルガリータは更に美味いぞ」

ディアボロ「トマトソースが強すぎる主張をしないので、モッツァレラと生地の素材そのものの味がより際立つ」

ディアボロ「【生地】【トマト】【チーズ】この三要素がバランスよく引き立て合うので、ここで食べた物とはまるで違う風味を醸し出すのだ」

ディアボロ「さらに、そこに新鮮なイタリア産バジリコの爽やかな風味が絡み合い、最高のハーモニーを奏でるというわけだな」


響「お、おお……さすが本場って感じだな……!」

貴音「聞いているだけで食べたくなります……」


ディアボロ「フフ……そうだろうそうだろう」

ディアボロ「ネアポリスにはまだインサラータ・カプレーセとか色々な料理があるからな」

ディアボロ「フム、興味があるならネアポリスに足を運んでみれば……」


ディアボロ「……ッ」

ディアボロ「……いいと、思う……ぞ」



650:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 02:13:18.28 ID:XdfSWu8Z0

響「あ~~~、なんだか本当に興味が湧いてきちゃったぞ……」

貴音「素晴らしいプレゼンでした……またお腹が減ってまいりました……」


ディアボロ「……」



((オレは何を言っているんだ……))

((こいつ達にネアポリスへ行ってみろと……?))

((どの口が言う……荒廃した街へ……オレがそうさせた))

・・・



652:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 02:21:43.84 ID:XdfSWu8Z0

・・・

---雪まつり会場・夜---

ディアボロ「……」

ディアボロ「もうこんなに暗くなっているのか」


((貴音はもう少しだけ屋台を回ると言っていた))

((恐らく響もそれに着いていくのだろうが))


ディアボロ「……さて、あと少ししたら皆を集めだすか」


トォルルルルルン
 トォルルルルルン


ディアボロ「っと」

ディアボロ「電話か……美希?」


『ハニー!いまどこにいるの!?』


ディアボロ「今か……今はライブエリアの近くだが」



653:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 02:26:56.39 ID:XdfSWu8Z0

『今すぐ雪像エリアに来てなの!すっごいよ!』


ディアボロ「いや……昼間行ったからもう知ってるぞ」


『えー……でも皆集まってるよ?ライトアップも綺麗なの』


ディアボロ「全員集まっているのか……」

ディアボロ「……ふむ、丁度いいな」

ディアボロ「よし、分かった。今から行こう。待っていろ」


『早く来てなのー!じゃあねー!』


ディアボロ「はあ、振り回されてばかりだよ……マジにな」

ディアボロ「……」

ディアボロ「というか今、ナチュラルにハニーって言わなかったか……あいつ」


・・・



654:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 02:31:38.51 ID:XdfSWu8Z0

---雪像・氷像エリア---


美希「おーい!ハニー!こっちだよー!」


ディアボロ「おい……!こんな公衆の面前で……貴様……ッ!」

ディアボロ「ええいッ!手を振るなッ!……走っていくか……仕方ない」



美希「思ってたより早かったの!」

美希「ハ、プロデューサー大丈夫?すごい走ってたけど」


ディアボロ「ああ……美希のおかげでな」

ディアボロ「……それで?他のメンバーは?」


美希「……ごめんなさいなの。でも」

美希「丁度ロマンチックなところなんだから、もうちょっとミキにキョーミ持って欲しいな」


ディアボロ「……は?」



657:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 02:37:20.45 ID:XdfSWu8Z0

ディアボロ「!」

ディアボロ「おいバカ、やめろ……ッ!腕を組もうなんて」

ディアボロ「ファンがいたらどうする……というか、ファンじゃなくともマズいだろうが……ッ!見られるのは」

ディアボロ「離せ……」


美希「ちぇー!今日くらいいいムードになればなーって思ったのに……」

美希「皆はあっちだよ!ほら!あのライトアップされてる氷像がすごいの!」


ディアボロ「そうか……」

ディアボロ「ん」


『プロデューサーさーん!こっちこっち!』


ディアボロ「あっちか」



659:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 02:45:37.87 ID:XdfSWu8Z0

((……))

((……ん))

((これは……!))





ディアボロ「……なんだ、これは」


真「綺麗、ですねえ……これ」

雪歩「私も、最初に見た時は何も言えませんでした」

やよい「ほんとに……すごいです」

やよい「うまく言えませんけど、とってもキレイですー……!」


ディアボロ「氷でできた……船、か」

ディアボロ「驚いた……マジに。この船……!」



661:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 02:54:01.76 ID:XdfSWu8Z0

春香「すごいですよねえ……これ。てっぺんの旗?かな。あの旗も」

春香「風にはためいてるのがすごく丁寧に……」

千早「黄色のライトに照らされているのだけど、氷の濡れている表面がそれを輝かせているわ」

千早「まるで……黄金みたいに」


ディアボロ「風を……感じるようだ」

ディアボロ「言ってしまえば氷から感じている冷気なのだろうが……」

ディアボロ「まるで、この船の周りに吹いている風を受けているような」

ディアボロ「船が、その風を感じているような」



664:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 03:00:33.80 ID:XdfSWu8Z0

響「もう夜で、周りが暗くなってるから余計に引き立って見えるよね!」

響「それに、なんだか不思議に魅入っちゃうな……」

貴音「はい……何か勇気のようなものを感じます」

貴音「ただ単に、わたくしがこの船をそう受け取ったというだけなのでしょうが」


ディアボロ「いや……この船からはそれを感じる」

ディアボロ「これを掘りだした者は何を思いこの形にしたのだろうか」

ディアボロ「時折考えるのだが……彫刻家という者は、自分の魂を目に見える形にしているのではないかとな」


貴音「魂を……」


ディアボロ「そうだ……まるでスタンドだと思わないか……これを」

ディアボロ「いや……まさにそうだろう……時を超えたスタンドだ……」



666:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 03:07:31.58 ID:XdfSWu8Z0

春香「……あれっ?」

春香「ところで千早ちゃん、これってどう読むのかな?題名」


千早「どれ?……これ?」

千早「えっと……んん……」

千早「見た事の無い単語だわ。英語じゃないのかしら」


真美「はいはいっ!真美参上!」

真美「英語習いたての真美ならヤキ飯前っしょ!」


ディアボロ「ヤキ飯前……全く意味が分からん……」


真美「さて、どれどれ……?」

真美「……んん?」

真美「……ヴぇ、ヴぇんとぉ……あう?」

真美「あーうん、分かんない!」


春香「だよねー」



667:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 03:09:14.53 ID:XdfSWu8Z0

千早(それよりヤキ飯前について知りたいわ)


ディアボロ「しかし、フム、題名か?……見てみよう」


春香「英語じゃないんだ……何語だろう?」


ディアボロ「これは……」

ディアボロ「……!」


ディアボロ「……なるほど」

ディアボロ「そうか、そういう題名か……納得というやつだな」


春香「えっ!?プロデューサーさん、分かったんですか!?」

千早「これはどういう意味なのでしょうか」



670:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 03:14:05.05 ID:XdfSWu8Z0

ディアボロ「これはな……」




ディアボロ「【黄金の風】……だそうだ」


響「うん、なるほど……【黄金の風】かあ」

春香「へえ~、そういう意味なのかあ」

真「さすがプロデューサー!何でも知ってるんですね!」


ディアボロ「フン……当然だな?」



671:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 03:21:26.37 ID:XdfSWu8Z0


ディアボロ「あ、そうだ、お前たち」


美希「なになに?」

貴音「何でしょう?」


ディアボロ「昼間、この先でこれと同じような氷像を見たのだが……中々良い造形をしていた」

ディアボロ「もう帰る時間だが、最後にそれを見て行こうじゃあないか」


春香「わああっあ!ダメですよ!最後にあんなの!」

千早「この船でキレイに終われるところが……!」

真美「真美パスで」




ディアボロ「……」

ディアボロ「……そうか、残念だ」

←To Be Continue



673:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 03:24:22.03 ID:XdfSWu8Z0

・・・
数週間後
---ライブ会場---


ザワザワ
 ザワザワ


ディアボロ「わたしが再びお前たちのプロデューサーになってから一ヶ月が過ぎたわけだが……」

ディアボロ「どうだ……?わたしは、それなりの決意をもってプロデュースを再開した」

ディアボロ「お前たちの思うトップアイドルへ近づいているか……?」


「プロデューサー、それは聞くまでもないかと」
「真美たち、色んな事やってきたもんね!」
「その……ここ最近でも、失敗、たくさんしましたけど」
「……自分たち、その度にプロデューサーから叱られたけど」
「正直、初めてプロデューサーに会った春頃はただ失敗しないためにステージに立ってました」


ディアボロ「ああ……」



674:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 03:28:38.94 ID:XdfSWu8Z0

「……でも、この一ヶ月は、ただ前に進むのが私たちでした」
「ボク、考えたんです……きっとその失敗が、ボクたちを強くしてくれたんだって」
「今日、ここに来るまで……無駄だった事なんて何もなかったの!」
「プロデューサーさん!私たち、今ならきっとやれる!」
「どんなことも!」


ディアボロ「……そうか」

ディアボロ「今日は本番だ……わたしが今から言える事など何も無いが」

ディアボロ「ただ……これだけは言わせろ」

ディアボロ「この先、絶対にやめるなよ……決めた生き方を……」



『はい!』



ウォーーーー
 ワァーーー


キャアーーーー
 ピューーー



676:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 03:32:16.12 ID:XdfSWu8Z0

・・・
・・



ディアボロ「なあ、見ているか……ゴールド・E・レクイエム」

ディアボロ「お前がわたしに何を見せるつもりなのか」

ディアボロ「何が目的なのか……それは分からないが」


ディアボロ「十分、分かったよ……これ以上ないほどにな」

ディアボロ「圧倒的な白だ……正しく生きるという白の中に、あいつらはいる」

ディアボロ「絆だとか……信じるだとか……わたしの生きてきた世界ではクソの役にも立たないようなものが」

ディアボロ「あいつらの真実であり全てだとな」



677:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 03:36:44.67 ID:XdfSWu8Z0

ディアボロ「そして、……パッショーネでわたしは壊して来たのだとな……これを」

ディアボロ「表面的に……こいつらの輪には……入っているのかもしれない」

ディアボロ「だが、ここにいるべき人間ではない」

ディアボロ「邪悪……フフ、今さらになってか?ええ?」

ディアボロ「……大丈夫だ」


ディアボロ「やる事をやったら去るさ……GERの真意を掴もうと、掴めなくとも」


ディアボロ「IA大賞を必ず勝ち取る……ッ!それが最後だ……ッ!」



679:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 03:40:45.77 ID:XdfSWu8Z0

・・・・・

---765プロダクション事務所外・夜---

((こいつ達の輪になじめばなじむほど……痛感する))

((罪悪感だとか……そんなちっぽけでアホらしい感情ではなく))

((ただ単純に……生きる場所が違う))


ディアボロ「っ!」


((気付けば……そんな事ばかりを考えている))


ディアボロ「なんだ……同じ事を何度も何度も……馬鹿か、わたしは……」

ディアボロ「結論はでているはずだ……」


春香「プロデューサーさんっ!」


ディアボロ「……春香か」

ディアボロ「こういう時によく会うな……お前とは」



680:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 03:44:00.07 ID:XdfSWu8Z0

ディアボロ「……何の用だ?」


春香「いやっ……はぁっ……はぁっ……つ、疲れたあ~~~」

春香「プロデューサーさん追いかけてきたんですけど……はぁっ……」


ディアボロ「……はあ」

ディアボロ「何やってんだお前は……」


春香「あれっ!?……はぁっ……ふぅ……」

春香「そ、そんな感じですか!?」


ディアボロ「そんな感じもなにも……意味が分からんぞ」

ディアボロ「IA大賞の発表も近い……」

ディアボロ「なかなか落ちつかないのは分かるが……これは」


春香「あぁっちょっとプロデューサーさん!ちょっと待って!引かないでください!」



682:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 03:48:29.21 ID:XdfSWu8Z0

春香「ち、違うんです……どうしても話しておかないといけない事があって……!」


ディアボロ「……?」



---公園---


ディアボロ「それで?」


春香「あっ、はい!それはですね……」
春香(公園で……ベ、ベンチで二人っきり)

春香「もう、IA大賞が目前だから……」

春香「いま、今日、聞かなきゃって」


ディアボロ「……」

ディアボロ「【半分】……のことか?」


春香「そ、そうです!それ……!」



683:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 03:51:04.59 ID:XdfSWu8Z0

ディアボロ「そうか……春香 あいにくだが」

ディアボロ「分かってないんだ……何の事か。【半分】……いまだに」


春香「……そっか……」


ディアボロ「……春香 よければ」

ディアボロ「教えてくれないか……その……【半分】」

ディアボロ「もう、IA大賞だ それが終われば、……」


春香「え?」


ディアボロ「……」

ディアボロ「節目 だからな……知っておきたい」



685:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 03:56:54.05 ID:XdfSWu8Z0

春香「そうですねえ……うん」

春香「私たちが……プロデューサーさんの【半分】になれてるかどうかを聞きたかったんですけど……」

春香「そもそも、【半分】がなんのことなのか……」

春香「その、実は、私も分かってないのかも」


ディアボロ「お、おい……なんだそれは」

ディアボロ「マジに……訳が分からないぞ……自分から振っておいて」


春香「あはは……ごめんなさい」

春香「そう、だから……聞きに来たんです。分かってるかもと思って」

春香「私、人づてに聞いただけで、理解したつもりでしたけど……」

春香「勝手にそう思ってるだけかもしれませんし……ね」


ディアボロ「……はあ、参ったよ……マジにな」



686:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 04:02:18.43 ID:XdfSWu8Z0

ディアボロ「そんなモヤモヤとした物に頭を悩ませていたわけだ……わたしは」

ディアボロ「春香も」


春香「みたいですね……ごめんなさい」


ディアボロ「……ふぅ。ならばお互い気にする事はないだろう……」

ディアボロ「もう、IA大賞発表は目の前だ……それまで」

ディアボロ「それまで、なりふり構ってはいられない。そうだろう?」


春香「そう、ですよね。……はい!」


ディアボロ「あぁ、それがいい……」

ディアボロ「もう帰ろう……風邪をひくなよ」


春香「そうですね。……ごめんなさい、時間使っちゃって」


ディアボロ「いや、いい」

ディアボロ「悩み事が、お互い一つ消えたわけだからな……違うかい?」



688:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 04:11:55.19 ID:XdfSWu8Z0

春香「うん、そうですよね」

春香「それじゃ、私帰りますね!また明日!」


ディアボロ「ああ……じゃあな」




((前みたいに、失敗だけはしないようとにかく走れとは考えないが……))

((しかし、こればかりは考える必要がないだろう……))

((全く……ゴールド・E・レクイエムは何を考えて……………))

((……))

((……?))


ディアボロ「お、おい待て……ッ!春香ッ……!」


春香「はい?」


ディアボロ「待て……何かひっかかっているぞ……オレは……おかしい」



690:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 04:15:31.05 ID:XdfSWu8Z0

ディアボロ「何か大事な事を……」



((ゴールド・E・レクイエム……))

((そうだ……!ここはレクイエムの世界だ……ッ!))

((忘れていた訳ではないが……ッ!そうかッ!))



ディアボロ「撤回だ……!」

ディアボロ「忘れる必要はないぞ……ッ!春香、これはッ!」

ディアボロ「そうだ、むしろ……!」

ディアボロ「むしろオレは忘れてはいけないッ!……IA大賞……頂点でッ」



696:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 04:26:47.91 ID:XdfSWu8Z0

春香「ど、どうしたんですかプロデューサーさん……!」

春香「もしかして、【半分】に思い当たりでも?」


ディアボロ「いや……思い当たることは無い 依然……」

ディアボロ「しかし、IA大賞……頂点に登りつめたその時、見える……見えるのかもしれない」

ディアボロ「春香ッ!お前の疑問……【半分】になれているかどうか……」

ディアボロ「もうすぐ、分かるかもしれないぞッ!」


春香「ほ、本当ですかっ!?」

春香「IA大賞を獲ったら……か。……よく分りませんけど、プロデューサーさんの言う事ですから何かあるんですよね」

春香「よし、信じましょう……!」


ディアボロ「ああ……」


((レクイエムの世界……意味の無い事など、ない))



698:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 04:30:44.24 ID:XdfSWu8Z0

((今日ここに来るまで……何か意味無き事などあっただろうか))

((この春香の疑問にも、意味はあるはず……それをオレは))

((必ず……知ることになるッ!))

((……もしかして、それが……ゴールド・E・レクイエムの見せようとしている何かなのか……?))

((分からない))


ディアボロ「しかし、もはやここで止まる事は許されない……」

ディアボロ「オレだけではない、……このIA大賞に全てをかけているのは」

ディアボロ「春香……お前からも、見えるのかもしれない」


春香「へっ?私にも……って?」



699:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 04:35:45.91 ID:XdfSWu8Z0

ディアボロ「必ず勝ち取ろう……その時見えた答えを照らし合わせば……」

ディアボロ「……」


((何を言っているんだオレは……答え合わせをしようだと?))

((妄想と思われても仕方ない……バカな))

((……))



春香「……はい、分かりました!」

春香「答え合わせ……しましょうね!」


ディアボロ「!」


春香「約束、です!」


ディアボロ「ああ……ッ!」



702:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 04:42:18.21 ID:XdfSWu8Z0

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■





((そして時は動き出す IA大賞発表))





---アイドルアカデミー大賞発表会場---



703:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 04:47:53.90 ID:XdfSWu8Z0

『会場へお越しの皆様へご連絡申し上げます』


『授賞発表は15分後より執り行います……』


『マスコミ各社の取材をされる方は、授賞発表後に―――』



ディアボロ「ついに……きたか」


千早「私たちのやって来た事が……ついに、結果になって出る」

真美「真美たち……ちゃんとやってきたよね?こわいけど……でも、全部、信じてるよ」

真「あぁ……今までで一番大きな舞台だね……雪歩」

雪歩「真ちゃん……そうだね……私、もう涙が」

やよい「ああっ雪歩さん!泣かないで下さい……なんだか、私も」

美希「二人とも、泣くのは早いの!ミキは、どういう結果でもきっと大丈夫って思うな!」



704:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 04:49:44.22 ID:XdfSWu8Z0

響「自分、みんながやって来た事分かってるから……この一年は……この一年だけは嘘じゃないから」

貴音「皆……胸を張りましょう。この大舞台に、わたくし達は立っているのです」

貴音「それは決して嘘ではない……画面を通して見ているのではない……わたくし達自身の、舞台なのです」

貴音「そして……プロデューサー」


ディアボロ「どうした?」


貴音「本当に……ありがとうございました」

貴音「ここまで、連れてきていただき」


ディアボロ「……当然だ」

ディアボロ「今日くらいは言ってやるさ……わたしの組んだスケジュールによく耐えてきた」

ディアボロ「……お前たちは間違いなくやり抜いた」



706:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 04:56:26.37 ID:XdfSWu8Z0

春香「……はい!」

春香「プロデューサーさん……私いま、緊張……すごくしてますけど」

春香「きっと……分かりますよね。その時に」

春香「答え合わせ……忘れないでくださいね?」





ディアボロ「……ああ」

ディアボロ「行って来い……お前たちの、お前たちのための最高の舞台だ」





『はいッ!!!』






『それでは、ノミネートされた各グループの皆さんから、それぞれ意気込みを聞いていきましょう!』
『まずは、961プロダクションの―――』



707:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 05:00:33.03 ID:XdfSWu8Z0

ディアボロ「……」


((外の空気を、吸おう))





---アイドルアカデミー大賞発表会場・外---


((ここは、静かだな……))

((会場内の緊張感も、騒がしさも……何も無い……))


ディアボロ「…………」





少年「こんにちは」


ディアボロ「……?」



710:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 05:04:27.53 ID:XdfSWu8Z0

少年「良い風が、吹きますね」


ディアボロ「……!」

ディアボロ「……フフ……そうだな」


少年「いいんですか?会場にいなくて……」

少年「プロデューサーさん……でしょう?」


ディアボロ「フフ……やめてくれ。わたしには似合わないさ」

ディアボロ「それに、これは彼女たちの舞台だ……しかし、マジに」

ディアボロ「なあ……随分久しぶりじゃあないか」

ディアボロ「だが……しかし。……まずはこう言うべきかな」







ディアボロ「【はじめまして】」



711:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 05:07:16.66 ID:j6MQ9IpU0

┣¨┣¨┣¨┣¨



712:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 05:07:56.28 ID:XdfSWu8Z0

少年「ずっと……見てきました」

少年「はやく、こうして会いたかったけど……」

少年「今日この時になるまでは、会ってしまえば全てを壊してしまっただろうから」

少年「どうですか……?今なら、きっと」

少年「……ようやく、……本当に長かった」




ドッピオ「ボス……!」


ディアボロ「……ドッピオ、わたしの、ドッピオ……」

ディアボロ「お前……大丈夫なのか」



713:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 05:14:30.15 ID:XdfSWu8Z0

ドッピオ「大丈夫、ボス……分かってます」

ドッピオ「ぼくは、会えただけで……それだけでいいんです」

ドッピオ「それだけが……目的なんですよ」

ドッピオ「電話も……なにもなく。顔を合わせて……それだけで十分」

ドッピオ「っていうか、これが限界……これ以上はもう無理みたいだから」


ディアボロ「!」

ディアボロ「お前……!体が……!」


ドッピオ「元々もういないはずですから。……くそ、もう時間なのか」

ドッピオ「ほんのちょっぴり……もらえた時間なんです」

ドッピオ「できる事なら、またボスの下で働きたいけど……」

ドッピオ「それは許されない事だ」



715:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 05:19:14.94 ID:XdfSWu8Z0

ドッピオ「ふふ……でも、そうだ」

ドッピオ「あの時までは……一番近い所に、ボスはいたんですよね……」



ディアボロ「そうだ……お前は……最も近い場所に」

ディアボロ「ああっ……!ドッピオ……!」

ディアボロ「消えるのかッ!?……待て……!」

ディアボロ「ドッピオ……!話はッ……それだけなのか!?」

ディアボロ「もう、終わるのかッ……!?」



ドッピオ「……最後に、……ボス」

ドッピオ「ボス……ぼくはもうボスの【半分】にはなれませんけど……」

ドッピオ「空っぽのままじゃ……スースーするでしょう?」

ドッピオ「はやく見つけてください……」


ドッピオ「いや、もしかするともう……」



718:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 05:24:26.68 ID:XdfSWu8Z0

ディアボロ「ドッピオ……!ドッピオ……!」


ドッピオ「……」



ディアボロ「お前は……最高の……ッ!」

ディアボロ「この上無い……ッ!ディアボロの……ッ!部下であったッ!」

ディアボロ「一生忘れんぞッ……!この先、何があろうとも……ヴィネガー・ドッピオという魂をッ!」


ドッピオ「……満足です……ボス」

ドッピオ「さて……僕は、どこへ……行くん……だろうな……」

ドッピオ「ありがとう……ありがとうボス……」


・・・


ディアボロ「……」



719:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 05:30:40.59 ID:XdfSWu8Z0

ディアボロ「……」

ディアボロ「行った……か……」


ディアボロ「【理解した】……ようやく……マジにな……呆れるよ」

ディアボロ「【半分】の意味……今になって。ドッピオ、そう言う事か……ええ?」


ディアボロ「なあ、ドッピオ……お前はどう思っていたんだ……」

ディアボロ「彼女たちが……オレの【半分】になるか?」

ディアボロ「こんな……こんなに、生きる場所も、魂の色も……なにもかもが違うのに」


ディアボロ「フフ……そうか、【何も無い】そういう意味か」

ディアボロ「そうだろうさ……ドッピオのいた場所には……何も無い」

ディアボロ「そこに……何かが入る事を……何かを入れる事を……」

ディアボロ「恐れていた……」


ディアボロ「そうか……ええ?」



720:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 05:34:23.25 ID:XdfSWu8Z0

ディアボロ「やっと、オレは真実に辿り着いた……そういうのか?」

ディアボロ「なんだ……ゴールド・E・レクイエム」

ディアボロ「随分あっけない……真実じゃあないか……これは」




ディアボロ「……ん?」

ディアボロ「何か聞こえる。会場からか……これは?」



ディアボロ「……!!」



721:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 05:38:21.27 ID:XdfSWu8Z0

■■■■■■
START始まる、今日のSTAGE……♪
CHECK マイク、メイク、衣装……♪
■■■■■■




ディアボロ「!?」

ディアボロ「こ……ッ!これはッ!」

ディアボロ「この曲は……!」

ディアボロ「この曲は、あいつらの……」

ディアボロ「あ……あ……」

ディアボロ「【この曲が流れるという事はッ!!!】」



723:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 05:42:50.56 ID:XdfSWu8Z0

■■■■■■
IT's SHOW TIME TRY CHALLENGE……♪
 STARDOM光り光るSPOT LIGHT……♪
■■■■■■




ディアボロ「……やったのか、あいつらッ!!??」

ディアボロ「やった……やったぞ……ッ!」

ディアボロ「……IA大賞を……ッ!獲得した者たちは舞台での記念ライブ……ッ!!」

ディアボロ「……やった……やった!!!」



725:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 05:48:46.40 ID:XdfSWu8Z0

■■■■■■
眩しい輝きまっすぐDEBUT……♪
■■■■■■




ディアボロ「……ははははははッ!!」

ディアボロ「見たか……!?おい、今までにあいつらをバカにした奴らは……これを見たか!?」

ディアボロ「これがッ!一年前、何もかもてんでダメだったアイドルだ……ッ!勝ったッ!」

ディアボロ「ええおい!……ははははははッ!!!……やったぞ!」

ディアボロ「報われた……!」


((G・E・R……!お前は……知っているか!?))

((壁にぶつかったあいつらをッ!))

((その度に乗り越えたあいつらをッ!))

((これが白の……力))



727:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 05:52:35.93 ID:XdfSWu8Z0

■■■■■■
夢は叶うもの……♪
 私、信じてる……♪
■■■■■■




ディアボロ「……はっ!?」

ディアボロ「……そうだ……ッ!」

ディアボロ「そして、まだあるぞ……運命は、このディアボロを選んだ……ッ!」

ディアボロ「まだ、真実には奥がある……ッ!」

ディアボロ「オレだけしか辿り着いていない……まだ真実は掴んでいない」



ディアボロ「春香の、春香と……約束をした!」

ディアボロ「忘れていたわけではないが、まさかここでやってくるとは……!」

ディアボロ「【答え合わせ】だッ!【答え合わせ】をする、その瞬間にッ!」

ディアボロ「辿り着く……ッ!それまではまだ道中なんだッ!!」



728:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 05:56:35.67 ID:XdfSWu8Z0

■■■■■■
さあ位置についてLET'S GO……♪
■■■■■■





ディアボロ「フフ……フフフ……遂に!」

ディアボロ「ええおい、泣いているんじゃあないのか……あいつら。嬉しすぎて……」

ディアボロ「……はははッ!……だが、この舞台だ。それは許されるだろうが……」

ディアボロ「顔を……見てやろうじゃあないか…………どれ」

ディアボロ「会場に、戻ろう……!」



730:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 06:01:47.13 ID:XdfSWu8Z0

■■■■■■
ARE YOU READY……♪
 I'm LADY……♪
■■■■■■




ブーーー………--ン

ブーーーーーー…ーーン

ブロロンブロロン
 ブォーーー



ディアボロ「ん?」



ブロロンブロロン
 ブォーーー



ディアボロ「なんだ?……この音は?」



731:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 06:07:06.39 ID:XdfSWu8Z0

ブロロンブロロン
 ブォーーー



「お、おいっ……!?なんだあの車……!?」

「暴走だああぁぁぁーーーーーーッ!!!」

「逃げろおおおぉぉぉーーーッ!!ひかれるぞッ!!!」



ブォーーーーー
 ブォーーー



ディアボロ「……!?」

ディアボロ「!?……!?」


((なんだあの車……!?))

((おい、まずいぞ……こっちへ向かって……ッ!))


ディアボロ「……ッ!!!」



733:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 06:12:42.97 ID:XdfSWu8Z0

■■■■■■
歌を歌おう……♪
 ひとつひとつ……♪
■■■■■■




ディアボロ「うおおおおおおぉぉぉぉッ!!!」バッ



ブォーーー
 ブォーーーー



ディアボロ「……はぁっ……はぁっ……避けた……が」

ディアボロ「なんだあの車は……」

ディアボロ「!……いや」

ディアボロ「あれは……!Uターンして、戻って来る……!」

ディアボロ「まさか……そんなバカなッ……!」



ディアボロ「オレが……狙われている……ッ!?」



737:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 06:24:04.42 ID:XdfSWu8Z0

■■■■■■
笑顔と涙は……♪
 夢になるENTERTAINMENT……♪
■■■■■■




ディアボロ「なぜ……ッ!なぜオレなんだ……ッ!?」

ディアボロ「なぜ……!何をした……!オレが……ッ!」

ディアボロ「クソがッ……!どうしてこのタイミングなんだ!!」



暴走男「……スカッ……とおおお~~~~~ッ!」


ディアボロ「……!?」



暴走男「……してたのによおおお~~~~~~ッ!!この野郎避けやがったぜ~~~~~ッ!?」


ディアボロ「……こいつは!」



740:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 06:26:16.83 ID:XdfSWu8Z0

■■■■■■
ARE YOU READY……♪
 I'm LADY……♪
■■■■■■




ディアボロ「見覚えがある……この目……ッ!」

ディアボロ「オレの……オレが……金の為に作らせてばら撒いた……!」

ディアボロ「アッパー系の麻薬……ジャンキーか……!」

ディアボロ「クソックソッ……なぜ今……なぜオレが……!!」



暴走男「オラァッ!!!行くぜブンブンッ!」


ディアボロ「ハァッ……ハァッ……おちつけ……」

ディアボロ「落ちつけば……可能だ……避け続ける事は」

ディアボロ「逃げる素振りで……ぶつかる直前に、横へ跳べばいい……ッ!」

ディアボロ「落ちつけ……この程度の修羅場……幾度となく超えてきたッ!!」



741:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 06:32:59.16 ID:XdfSWu8Z0

暴走男「ブゥゥゥゥーーーーーーン」

ブゥーーーン
 ブゥーーーン


ディアボロ「はぁっ……!はぁっ……!」

ディアボロ「まだだ……まだ、引きつけなくては……」

ディアボロ「はぁっ……!……っ!」

ディアボロ「うおおおおおおおおおおおっ!!今だ!跳べッ!!!」



743:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 06:39:12.78 ID:XdfSWu8Z0

■■■■■■
始めよう……♪
 やればできる……♪
■■■■■■




ディアボロ「……はぁっ……はぁっ……」

ディアボロ「冗談じゃあ……ないぞ……まさか」



暴走男「フゥ~~~~~」


ディアボロ「オレが跳ぶ直前に【止まっていた】……こいつ……やる……!」

((そして……まずい……今、アクセルを……ッ!))

ディアボロ「よ、避けられない……ッ!くそ!」



暴走男「死ねや」


ブゥゥーーーン



744:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 06:47:34.33 ID:XdfSWu8Z0

■■■■■■
きっと……♪
  絶対……♪
■■■■■■




ディアボロ「……ゴフっ……ク、クァ……」

ディアボロ「辛うじて……急所は……しかし」

ディアボロ「……う、動けない……ッ」

ディアボロ「……!」

ディアボロ「勘弁……してくれ……マジに」


ブゥーーーン
ブロロンブロロンブォーーー


暴走男「せ~~んろ~~はつ~~づく~~よ~~」

暴走男「ど~~こま~~で~~も~~」



745:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 06:55:13.55 ID:XdfSWu8Z0

ディアボロ「あ……あ……」

((まだ……死に、たくない))

((死ねない……オレは死ねない……まだ))

((……ッ!!!!))


ブロロンブロロン
 ブォーーー









■■■■■■
私 No.1……♪
■■■■■■



777:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 10:58:30.28 ID:XdfSWu8Z0

・・・


『ありがとうございました!!』





「765エンジェル最高~~~~ッ!!」
「IA大賞おめでと~~~~~~ッ!!」
「うおおおお~~~~~~~~~ッ!!」



ピューーーー
 キャアアアアア
  ワァァーーーー





MC『……これにてIA大賞発表会を終了します』

MC『本日はお越しいただいただき、誠にありがとうございました』

MC『気をつけてお帰りになられますよう……』

MC『取材をされるマスコミ各社は、専用のブロックを用意しておりますのでそちらで……』



779:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 11:00:58.14 ID:XdfSWu8Z0

律子「みんなお疲れ様……!最高のステージだったわ!」

律子「これから受賞インタビューと取材があるんだけど……」

律子「プロデューサーは一体どこに……?」

律子「まったく!こんな時にどこへ行っているのかしら?」


春香「……」

春香「……答え合わせを」


律子「?」

春香「どこへ……」


真美「はるるん?なんだか様子が変だよ?」

響「まだ実感が湧いてないんじゃないの?……えへへ、何をかくそう実は自分も―――」


春香「みんな、ごめんっ!プロデューサーさん探してくる!すぐ戻って来るから!」

春香「本当すぐ戻って来るから!」ダッ



781:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 11:04:31.85 ID:XdfSWu8Z0

千早「えっ!?春香!?ちょっと……!」

貴音「春香……」
貴音(きっと、プロデューサーと何か約束をしているのですね)


・・・
・・


MC『えっ!?……何だそれは!?』

MC『……申し訳ありませんッ会場にお越しの全ての皆さま!ご連絡いたします!』

MC『ただいま、会場前広場にて一台の乗用車が暴走しており、多数の負傷者を出しているという連絡が入りました!』

MC『警察および病院には既に出動しているという事ですが、事態が収まるまでは決して会場を出ないようお願いします……!』

MC『繰り返します!ただいま……』





千早「……ッ!!」

貴音「なん、と……!?」



782:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 11:07:28.05 ID:XdfSWu8Z0

「……!」



千早「春香がッ!」

貴音「参りましょう!」ダッ



律子「ま、待ちなさい二人とも!」

律子「決して出てはいけないわ……二人にもしもの事があったら」

律子「春香は私が追うから!絶対ここにいて!!」ダッ




春香「はぁっ……はぁっ……」

春香「プロデューサーさん……どこだろう……」

春香「すぐに……会わなきゃ……っ!」

春香「……会場にはいないのかな」

春香「外?」



784:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 11:11:30.57 ID:XdfSWu8Z0

春香「よし、こっちか」

春香「……わあ、すごい、人がたくさん」

春香「……」
春香(なんだか雰囲気が……?)

春香(何かあったのかな?)



春香「あれ?……あれって」

春香「…………」

春香「……!!!」


・・・
・・




788:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 11:16:37.94 ID:XdfSWu8Z0

((まさか……そうか))

((これが……オチだと……いうのか))

((こんな……事、が……))


((ゴールド……エクスペリエンス、レクイエム……))

((【真実には…………到達、できない】))

((こんな……時に……こんな、こんな……))


ディアボロ「ゴフッ」

ディアボロ「……ぁ、ハッ」


春香「プロデューサーさん……!……ゔっ……ひぐっ……ねぇ……!」

春香「血がっ……!ゔっ……んっ……!はぁっ……はぁっ……!」

春香「死な゙ないで!ねぇ……プロデューサーさん……!!!」

春香「どうじで……こんな……ぐっ……うっ……!!!」



((春香……お前、いつの間にここへ))



790:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 11:17:41.78 ID:XdfSWu8Z0

((春香……お前、いつの間にここへ))


((受賞後の取材は……?お前……すっぽかしたんじゃあないだろうな))


((それにしても……))


((そんな顔……おい、待て……アイドルには……ふさわしく無いんじゃあないか))


ディアボロ「……ぁ……ガフッ!……ゴホッ……ぅ」



春香「ねぇ……プロデュ、サーさん!……く……う」

春香「死なな……い、で……ふっ……うぅっ」

春香「死な゙ないで……よぉ……っ!」



((ああ……春香……お前の今の顔、すごいことになってるぞ))

((そしてあんまりえずくな……オレの顔に吐かれたらたまったもんじゃあない))



792:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 11:20:43.50 ID:XdfSWu8Z0

((……悪かったよ。オレも必死にやったんだ))

((これがオレの運命だっただけだ))

((ほら、人が増えだしたぞ……こんな所撮られたら……))



暴走男「へ、へへぁ……!ヘハアァーーーーッ!やったぜ。」

暴走男「スッキリしたぜええええ…………ん?」


ドンッ


暴走男「痛えッ……なんだ……?」

暴走男「あン?現行犯?逮捕?……んなこたどーーーーーだっていいだろがよォーーーーッ!」

暴走男「……?」

暴走男「……」

暴走男「……!おい、あれって……」

暴走男「手錠……!?」

暴走男「ふざけてんじゃあねええええぞおおおおてめえええっ!!」



793:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 11:23:33.12 ID:XdfSWu8Z0

暴走男「どけっ!どけっ!……うおおおおっ!」

ドンッ

暴走男「……ゥッ!!」

暴走男「なんだよなんだよ……いてえ……!」

暴走男「クソがぁ……」

暴走男「オレっちが……悪いのかよ……?」

暴走男「クソが……うっ」

暴走男「………………あぁ」

・・・

((泣くな春香……))

((お前の涙は……ここで流すようなもんじゃあないはずだ))

((え?くそ……なぜ……こっちへ来ちまったんだ))

((どうだろうかな……あと、あとどれくらい、喋れるか……?))



794:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 11:28:18.20 ID:XdfSWu8Z0

((何を言うべきだ……))

((何を、オレは残す……?))


ディアボロ「……は、るか」



春香「!!」

春香「プロデュ、サ、さん……!はぁっ……はぁっ……!」

春香「ひっ……ぐ、う……プロデューサー、さん……!」

春香「聞゙いてます……私っ!……ゔっ、す……聞いてる、から……!」



((【真実には辿り着けない】))

((今、春香に【半分】について聞いても……真実に近づくだけ))

((近づけばG・E・Rが許さない……オレは……辿り着けない))

((だから、それは聞いても無駄だ……違うものに、しなければ))



795:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 11:33:32.14 ID:XdfSWu8Z0

((……何を))

((……))



ディアボロ「……は、はん……ぶん。……とは?」

ディアボロ「聞かせて……くれ……答えを」



春香「……!!」

春香「……っ……ん゙……っ!!」



((オレは……何をやってるんだ))

((今更……分かりきってる事を……辿り着けない、のに))

((目に見えている……のに))

((春香))



796:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 11:38:49.53 ID:XdfSWu8Z0

春香「喋っちゃ……ダメ……プロデューサー……さ、ん……」


ディアボロ「!……」




((そうか……やはり))

((【真実には辿り着けない】……))

((ああ、確かに。辿り着いてはいない))

((G・E・Rが……そうさせているのか?))

((ダメだったじゃあないか))

((ああ……終わる……終わってしまう))





((駄目だ))


ディアボロ「ッ……ダメ、だ」

ディアボロ「【今】、じゃないと……ダメだ」



799:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 11:44:32.63 ID:XdfSWu8Z0

ディアボロ「答えを……」


春香「!?……そんなに……」

春香「治ったら……言いますから……!その時にしましょうよ……!ねえ!」


ディアボロ「諦めないぞ……オレは……」

ディアボロ「グッ!……うっ……」

ディアボロ「【今】じゃないと……終わってしまう」

ディアボロ「その、前に……ッ!」


春香「ダメ――す……!!」

春香(そんなの、今言っちゃったら……プロデューサーさんが納得してしまう……)

春香(納得したら……きっと本当に……!)

春香(認めちゃダメだ……!)


ディアボロ「……」



801:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 11:47:33.89 ID:XdfSWu8Z0

ディアボロ「……」

ディアボロ「頼むよ……もう、終わってしまうんだ……」

ディアボロ「どうしても、だ……どうしても知りたい」

ディアボロ「【真実】……辿り着けなくても……」

ディアボロ「ああっ!……」


春香「プロデュー―――ん……っ!」

春香(どうしたらいいの……私はどうしたら)


ディアボロ「諦め……られない……やめては」

ディアボロ「いけない……そう、思うのだ」


((ここが終わった後……【次】からは、こんなに手を伸ばしたいと思える真実はなくなるかもしれない))

((やめてはならない……辿り着けるかどうかなど……ッ!))

((二の次だ……ここで、やめてしまう事が何より恐ろしい……))

((オレは……依然 向かい続けるぞ……ええ?G・E・Rよ))



802:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 11:52:14.00 ID:XdfSWu8Z0

ディアボロ「感じろ……春香……」

ディアボロ「この先はない……分かるだろう」

ディアボロ「【今】……これが最初で最後の……」

ディアボロ「答え合わせのできる……チャンスなのだ」


春香「ひっ……――」

春香「―――デュ、サっー……そんな……」

春香「そん―――……」


((魂を……感じろ……))

((オレは……お前を知りたい))

((お前はどうだ……春香))


春香「…――」

春香(言う……私……言わないと……)

春香「【半分】…―――は」



803:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 11:55:33.84 ID:XdfSWu8Z0

ディアボロ「ああ……」


春香「―――、……――」


ディアボロ「……」

ディアボロ「……よく、聴こえない……」

ディアボロ「春香……すまないが、もう一……度」


((次は……体の限界か))

((世界すべてが……オレを……遠ざける))

((真実へ……辿り着かせまいと……))

((……何も聴こえない……もはや視界さえも))

((…………くそ))

((………))

((……))

((…))

(())



805:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 11:59:38.07 ID:a7qTOJNrP

ボス…



807:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 11:59:59.49 ID:XdfSWu8Z0

春香「!!!」


春香「ぁ……っ!!!」

春香「あ、ぁぁっ……!」

春香「あ、あああぁあああぁ……」



ザワザワ
 ザワザワ


律子「ちょっと……!どいて!どいてください!」

律子「そこをどいて………………、っ!?」

律子「……」

律子「春香……?」



律子「春香ッ!」ダッ



808:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 12:05:46.67 ID:XdfSWu8Z0

タッタッタッタ……

律子「春香……あなたそこで何、を……」


タッタッタ……

律子「…………」


タッ……タッ……

律子「え」


……

律子「……プ……プロ、デューサー……?」






春香「ぅ……っ……」

春香「……」


律子「……!」



809:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 12:09:28.44 ID:XdfSWu8Z0

律子「は、春香……?ねえ……」

律子「プロ……デューサー……?ねえ」



救急隊員「次はこっちだ!二人倒れているぞッ!」

救急隊員「あと一人こちらへ回してくれ!」

救急隊員「何やってる!まだか!?」

救急隊員「よし、運ぶぞッ!」

救急隊員「……!ーーー……!……」

救急隊員「………!……」

救急隊員「ー……!」

「……!」

「…」







811:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 12:14:49.67 ID:XdfSWu8Z0

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
数週間後
---765プロダクション事務所・朝---


春香「…………」

「…………」

「…………」


律子「みんな………」

律子「………その」

律子「もうすぐTV番組の収録が、あるから」

律子「……行こう?」


春香「……はい、そうしましょう」

春香「みんな……行こうよ」



真「うん……そうだね」

雪歩「……はい」



812:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 12:22:14.49 ID:XdfSWu8Z0

響「ふふっ……自分、最近何のためにアイドルやってるか分からないよ」

春香「響……そんなこと言っちゃダメだよ……」


響「あっ……ごめん……」


美希「ミキ……もうアイドルやめたいの」

美希「意味ないよ……やっててもつまらないんだもん……って、そう思うな、ミキ……」

春香「美希、……もう、そういうのよそうよ……」


美希「……」


真美「うっ……うぅ兄ちゃん……兄ちゃん……っ!」

春香「真美……泣いちゃだめだよ……取材で、困るよ?」


真美「ぐすっ……でも……!」



814:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 12:25:44.87 ID:XdfSWu8Z0

やよい「……プロデューサー、ずっと眠ったままだから……」

やよい「もう……起きないのかな……」

春香「やよい!……頼むから……やめてよ」



貴音「皆……とにかく準備を」

貴音「局の方を待たせてはいけません」


律子「そうよ……」

律子「……ほら、急ぎましょう」

・・・



815:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 12:29:47.97 ID:XdfSWu8Z0

---車内---

運転手「はい、じゃあ行きますよ」

ブロロンブロロン
ブォーーー


「……」


運転手(重いなァ……。アイドルってのは皆こーなのかね)

運転手「いやー、今日も良い天気ですなあ!」


「……」


運転手(マジかよ)


律子「ええ、そうですね……雲ひとつない」

律子(誰も何も言わないから……私が言わないと、いけないじゃない)


運転手「ええ、まったく。はっはっは……」

運転手(はあ)



817:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 12:35:17.34 ID:XdfSWu8Z0



---TV局・控室---

スタッフ「765の皆さんそろそろスタンバイおねがいしまーす!」


「……はい」


スタッフ(ええぇ……?)



819:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 12:36:48.52 ID:XdfSWu8Z0

---TV局・スタジオ---

MC「~~~という訳で、今週も終わりに近づいて参りましたが!」

MC「最後に……うーん、そうだな。よし、じゃあ天海春香さんにしめていただきましょう!」

MC「何か一言!」


春香「えぇっ!私ですか!?……えっと、えっと」

春香「ら、来週もぜひご覧ください!」


……


春香「……あはは、こんな感じで」


ワハハ
 アハハハ


MC「はい、ではまた来週!」

MC「見てね~……」



821:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 12:42:14.19 ID:XdfSWu8Z0

・・・

スタッフ「以上ですお疲れ様でした!」



MC「いや~やっぱり765の皆はそれぞれ味があって面白いねえ!」


春香「そうですか?ありがとうございます」


MC「うん!是非またいらして下さい。今日はありがとうね!」




春香「……ふう」

貴音「春香、お疲れ様です」

春香「四条さん……お疲れ様です」

貴音「皆は、もう控室の方に」

春香「あっ、そうなんだ……急がなきゃ」

・・・
・・




823:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 12:51:45.52 ID:XdfSWu8Z0

---765プロダクション事務所・昼---


律子「ただいま帰りました」


小鳥「お帰りなさい!みんな」

高木「諸君!今日の仕事はどうだったかね?」


春香「ええ、いつも通りですよ……」

美希「いつも通り……普通に、やってきたの」


響「……はーあ。よっ」ドスッ

真「ふう」


「……」


高木「うむ……そうか」

高木「きっと、ディアボロ君も心配しているだろうから……」



824:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 12:53:55.35 ID:XdfSWu8Z0

春香(……やめてよ)

春香(プロデューサーさんを、過去の人みたいに言わないでよ……)

春香(……)


・・・

---765プロダクション事務所・夕---


春香「……」

貴音「春香」

春香「あ、ああ四条さん……どうしたんですか?もうこんな時間なのに」


貴音「春香こそ、どうしたのです?」

貴音「他の皆はだいぶ前に帰っているのに」

春香「私?私は……」


春香「あはは……どうしちゃったんでしょうね」

春香「……あれから」



826:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 12:59:23.01 ID:XdfSWu8Z0

貴音「あれから……?」


貴音「……IA大賞授賞の日、ですか」

春香「はい……」


春香「約束、したんですけど」

春香「結局……果たせなくて」

春香「プロデューサーさんの……【半分】になれてたかどうか」

春香「答え合わせ……できなくて」

春香「分からなくて……それで」

春香「お仕事は……プロデューサーさんがいないから、私たちは失敗しちゃダメだって思うから頑張らないといけないし……それに」

春香「えへへ……気が付いたら、ずっとこのソファに座ってて」



827:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 13:03:23.46 ID:XdfSWu8Z0

貴音「そうだったのですか……」

貴音「わたくしには、その半分が何の事なのか未だに分かってはいませんが……」

貴音「……プロデューサーはきっと、わたくし達のためにこの選択をしたのだと思っています」


春香「え……?」

春香「四条さん、どういう意味?」


貴音「プロデューサーは、自身ではなくわたくし達を選んだという事です」

貴音「ですから……わたくしは、そのためにも、生き方を貫かなくてはならない」

貴音「彼の選択を胸に……そして誇りに」



828:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 13:05:17.70 ID:XdfSWu8Z0

春香「意味が……分からないです」

春香「やめてくださいよ……四条さん」

春香「彼の選択とか……誇りとか」

春香「まるで……過去の人みたいな言い方はやめてください」


貴音「過去の人……ですか」

貴音「わたくしはそういうつもりで言ったわけではなく」

貴音「ただ、プロデューサーがその身を削ってまでわたくし達を選んだ事を、誇りに思っているだけです」

貴音「プロデューサーが賭けたもの恥じぬに生き方を、するのです」

貴音「それが、わたくし達の役目だと思うから」



831:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 13:09:40.70 ID:XdfSWu8Z0

貴音「半分……とは」

貴音「いえ……きっと言葉にすると安く見えてしまう」

貴音「春香、……わたくしは、信じています」

貴音「プロデューサーはわたくし達の事を、それほどまでに考えていたと」


春香「四条さん……?」

春香「こんな事、言いたくないけど……」

春香「何のことを言っているのか……分からないですよ」

春香「私たちのために……って」


貴音「約束は果たされなかった……」

貴音「春香」


春香「え……はい」



832:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 13:13:28.31 ID:XdfSWu8Z0

貴音「春香は、恐れているのではないですか?」


春香「!」


貴音「今の春香は……当初のディアボロプロデューサーと同じ……怯えている目をしている」

貴音「気付いていましたか?」


春香「そんなこと……ないですよ」

春香「何の、……はぁっ……ことですか」


貴音「春香……」

貴音「わたくしは、春香とプロデューサーが交わした約束を知りません」

貴音「他の皆は、心に重りはあれど、時が流れればそれぞれの道を見出し、立ち上がるでしょう」

貴音「ですが……」


春香「はぁっ……はぁっ……」



834:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 13:19:09.88 ID:XdfSWu8Z0

春香「四条さん……もうだめ」

春香「ごめんなさい……」


貴音「!」
貴音(わたくしは、何という事を)

貴音「春香……!」

貴音「申し訳ありませんでした……何も考えず勝手な事を」

貴音「汗が……これで拭きますか?」


春香「ごめんなさい……大丈夫ですから、ごめんなさい」

春香「ごめんなさい……怖いんです……」

春香「知るのが、怖いんです……プロデューサーさんを」

春香「その後、どうなってしまうか」

春香「その時が、来てしまうのが……」

春香「はぁ……はぁっ……んっ」



842:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 14:26:44.02 ID:XdfSWu8Z0

貴音「落ちついて……春香」

貴音「春香の事を考えず、……酷い事を言いました」


春香「間違ってません……私は、怖がって」

春香「きっと……プロデューサーさんは待ってる」

春香「……今だって……ずっと……」

春香「諦めないって……言ってたから」

春香「……」

春香「四条さん」


貴音「春香?大丈夫ですか……?」



844:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 14:29:18.76 ID:XdfSWu8Z0

春香「ねぇ、四条さん……少しだけ、いいですか」

貴音「はい」


春香「泣かせて、くれませんか」

春香「今だけ……」

春香「その後は……ちゃんと、行きますから」

春香「今だけ……」


貴音「……」

貴音「わたくしで、よければ」



846:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 14:37:27.94 ID:XdfSWu8Z0

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


オレは死んだ。

次は、どこへ行くのか。

はたまた、どこへも行かず、このまま無を泳ぐのか。

どうなるのか分からない……なぜ、このような世界へ来たのかも分からない。



848:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 14:39:30.91 ID:XdfSWu8Z0

『ボス』


……なんだ

ドッピオか


『ボス……まだ……引っかかってますよ』


何が……どこに?

それよりお前……ドッピオ……行ったんじゃなかったのか?


『ボスが、まだ気付く事を恐れてるから……』

『ボスの精神や記憶の中の僕ですよ。完全に別個の魂である僕は消えてますから』

『ボスが、気付く事を恐れているから、来ました』


そうか……それならいい。



850:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 14:42:55.92 ID:XdfSWu8Z0

そして……引っかかってるってなんだ……?気付く事を恐れるとは……。


『彼女たちは【半分】になれていたかどうか』

『ボスはまだ、これに気付く事を恐れている』

『でも、ボス自身、気付きたいと思っていて』

『それが引っかかっているんでしょう』


……何を言ってるんだ?お前……。

そんな事……最初から気付いている。

彼女たちはオレの【半分】ではない。

魂のステージが違う。

プロデューサーとして、あいつらを導いてきたのは……ケジメだ。

レクイエムに……選ばれたから……この世界が。

春香たちにも……深く関わってしまったから……だからケジメだ。……ここまでは。



851:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 14:46:56.51 ID:XdfSWu8Z0

真実を……掴みたかった

掴めなかった……オレからの回答のままになってしまった

答え合わせをできなかった……!

そしてあの時、未完のまま終えてしまった……それだけだ。ちがうのか?


『恐れないでください……』

『自分で、自分の心を救えなくしているだけです』

『僕、分かってるんですよ……?』


……。



853:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 14:53:55.14 ID:XdfSWu8Z0

『本当は、彼女たちをどう思っていたか』


オレが担当していたアイドルだ。

それ以外にはなにもない……。

何かあってはいけない……。

オレのような人間が、いてはいけない。


『ボス』

『ほんの少しです』

『あとほんの少しで、ボスの気持ちに答えが出る』


……。

バカにしているのか?オレを……。

オレの答えはさっき言ったはずだ。

それが答えではないというなら、オレがあの時向かおうとした真実はどうなる。



855:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 14:59:05.16 ID:XdfSWu8Z0

『向かう意志は消えません』

『たとえ、あの時辿り着けなくとも』

『あの時、正しき真実を見つけていなくても』

『全ては無駄ではなかった』


全く……混乱させる事ばかりだ。

どういう意味だ


『本当なら、こんな結末になる必要はなかったはずです』

『あの車……。ボスなら、いくらでも避ける事は可能だったはずだ』

『たとえ、肉体が動かなくとも……あなたには力がある』


……。

お前、ドッピオ……。


『でも、そうすると彼女達の舞台が―――』


分かった……もういいドッピオ。



857:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 15:01:00.25 ID:XdfSWu8Z0

分かった……もういいドッピオ。

分かる……。お前の言いたい事は。

その通りだ。降参だよ……マジに。


……別に、今の自分をみじめな姿とは思わない。

これでいい。こうしたかったからこうしたんだ。

オレは、あいつらを選んだ……。

オレだけが分かっていればいい。

それに、あいつらにはには伝わらない。

無駄なんだ、無駄無駄……。



『伝わる……としたら?ボス?』

『ボスの言葉が……』

『伝わるとしたら?』



858:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 15:02:09.03 ID:X/U9lJ8G0

無駄無駄ってGERの影響なのかwww



859:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 15:05:45.89 ID:XdfSWu8Z0

……どういう

意味だ。


『ほら、ボス』

『気がつけば、もう真実は目の前だ』

『あとは、すべてを終わらせるだけでしょう』

『色んな壁があったけど……』

『【真実に向かおうとする意志】は、決して無くならなかった』

『たとえあの時、何度も真実から遠ざけられていたとしても……間違いなく、ボスは真実へ向かっていた』

『すこしずつでも……向かって歩いていたわけですからね』

『そうしたから、いつしか、目の前までやってきた』

『……時間が来ますよ』


!!!



862:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 15:11:10.68 ID:XdfSWu8Z0

『ボス、さあ、目を開けましょう』

『肉体のもつ時間はそう長くは無い』

『あなたのアイドルです……待たせてはいけないでしょう?』




『ボスの【半分】ですよ』

『きっと……』





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



865:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 15:16:03.06 ID:XdfSWu8Z0

……?


オレは?


死んだと思っていた……


いや、オレは……ッ!!






ディアボロ「……!……っ!」

ディアボロ「はぁっ……はぁっ……」

ディアボロ「ここは……」




---病院・夜---



866:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 15:20:16.08 ID:XdfSWu8Z0

ディアボロ「はぁっ……はぁっ……」

ディアボロ「クァ……」


((今のは……夢か?))

((わからない……しかし……あまりにリアルすぎる……))

((車に……はねられた後))

((そうだ……あれからどれくらい経っている?))

((春香たちはッ!?))





春香「おはようございます、プロデューサーさん」

春香「……といっても、夜ですけど」



ディアボロ「……」

ディアボロ「春香……!」



869:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 15:25:08.15 ID:XdfSWu8Z0

ディアボロ「春香ッ、お前―――」

ディアボロ「……ッグァ……!」



春香「プロデューサーさん!いきなり起きちゃだめですよ!」

春香「もう……何週間も、ずっと眠ったままだったんですから」

春香「……」



ディアボロ「ハァッ……ハァッ……」

ディアボロ「春香……よかった……お前は無事だったか」



春香「……私は、大丈夫ですよ。何も……なかったし」

春香「プロデューサーさん」



ディアボロ「……ああ、ああ」


((時間が……無いんだろう 分かってる))



871:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 15:29:37.29 ID:XdfSWu8Z0

((オレに……ほんの少しだけ、許された時間))

((……歩いてきたから、向かってきたから……ようやくここまで))

((ああ、既に時間は減り始めている……))

((徐々に終わっていくのが分かる……))



春香「……答え合わせ、しましょう?」



ディアボロ「全ては……この時のために……」


ディアボロ「いや、そんな事は無い」

ディアボロ「全ては無駄ではなかった……というだけのこと」

ディアボロ「小さな事も……大きな事も、一つ一つが集まって……この瞬間を作っている」

ディアボロ「これが【結果】であるというだけ」



874:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 15:32:53.79 ID:XdfSWu8Z0

((ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム……!))

((貴様が、何を求めていたのか……ッ!))

((これがオレの回答だッ!……ここがッ!))



ディアボロ「ここへ向かって歩いてきた……その意志こそが……」




ディアボロ「【決して滅びぬ真実】」

ディアボロ「ジョルノ・ジョバァーナさえも気付いていないレクイエムの終焉……ッ」



春香「……プロデューサーさん?」



ディアボロ「春香……」

ディアボロ「トップアイドルになった……その瞬間」

ディアボロ「お前には、……何が見えた?」



875:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 15:33:31.90 ID:mGtoTEUj0

全米が泣いた



877:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 15:36:25.77 ID:XdfSWu8Z0

ディアボロ「オレは……知りたい」

ディアボロ「約束したから。じゃない」

ディアボロ「純粋に、春香が何を感じたのか」



春香「私には……」


春香「私には……何も、見えませんでした」



ディアボロ「何も……か」



春香「眩しいライトと、たくさんの見てくれている人達。それだけでした」



878:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 15:38:39.29 ID:XdfSWu8Z0

春香「空気が震えて、ああ、ここまで来たんだなあっていう実感が後からやっと湧いてきて」

春香「同じライトが照らす輪の中には皆がいて……」

春香「この一年間、もっと言えば事務所に入ったその時からずっと一緒にやってきた仲間たち」

春香「……でも、そのライトの輪の中に、プロデューサーさんがいなくて」

春香「それがなんだか空しくて」



ディアボロ「そう、か」



春香「そうなんです」

春香「それが、【半分】の答えなのかなって」

春香「それまではただ単に、【半分】っていうのは、プロデューサーさんの中における存在の大きさだって思ってたんですけど」

春香「違いました」



ディアボロ「ああ……」



880:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 15:44:07.18 ID:XdfSWu8Z0

春香「あの輪の中に、一緒にいて……喜びとか、感動を」

春香「分かち合いたい……共有したい」

春香「そんな風に思えるものが……答えかなって」

春香「自分自身と、同じ感覚を共有できる。半々の、1:1で」

春香「本当の仲間が……【半分】なのかな」

春香「だから……」



ディアボロ「……ああ」



春香「プロデューサーさんだけじゃなかった……」

春香「私にも、メンバーの皆にも、律子さんやもっと言えば高木社長にだって【半分】はあるんです」

春香「誰にだってあるもの……その【半分】」



882:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 15:52:30.12 ID:XdfSWu8Z0

ディアボロ「……」



春香「プロデューサーさん、私たちは……半分になれてましたか」

春香「不安で……聞けなかった」

春香「プロデューサーさん、ずっと待っていたのに」

春香「ごめん、なさい……っ!」

春香「……うっ……んんっ」

春香(泣かないよ……泣かないって決めたんだから)



ディアボロ「満足……だ」

ディアボロ「春香……オレはいま、満足したよ」

ディアボロ「ここまで、辿り着きたいと思えたものは無かった」

ディアボロ「レクイエムが……許さないからな」

ディアボロ「しかし、ここまでこれた」



884:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 15:57:03.53 ID:XdfSWu8Z0

ディアボロ「フフ……え?春香」



春香「はい……っ!」



ディアボロ「嬉しいんだ、手放しに……」

ディアボロ「オレは……やっと真実に辿り着いた」

ディアボロ「しかも……な」

ディアボロ「……」

ディアボロ「…………く」



春香「……」

春香「プロデューサーさん?」

春香「え……?」



ディアボロ「………ぁ」



885:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 16:00:41.92 ID:XdfSWu8Z0

((……!?))

((お、おい……G・E・R まだ話は終わっていないぞ……))

((もう終わりだっていうのか……え?))

((オレが真実に辿り着いたから、もう終わりだっていうのか?))

((ふざけてんじゃあないぞ……くそ))

((まだ……辿り着いていないだろうが……春香が……!!))

((このまま、春香は辿り着けないまま生きて行くのか……!?))

((……))

((大概にするんだな……おい))

((動けよ……動け……ッ!))



春香「プロデューサーさん、まだ……まだ私、分かってないですよ」

春香「ずるいですよ……プロデューサーさんだけしか、答え合わせできないなんて」

春香「もう、行っちゃうんですか……?」



886:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 16:07:36.64 ID:XdfSWu8Z0

((このまま行ってたまるか……くそ))

((引っ張られていく……G・E・Rによる永遠の死から解放され))

((今にも……くそ、終わってしまいそうだ))

((伝え……なくては))









ディアボロ「【キング……クリム ゾン】」

ディアボロ「……」


((キング・クリムゾンで……スーツの……そこにかけてある))

((ポケット……中身を))

((取り出した……これしか))

((能力を使わずとも……スタンドを出す事自体を躊躇っていたのに))

((最後の最後に、使わせるなんて、な……とことん、……抉られる))



891:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 16:15:29.08 ID:XdfSWu8Z0

ヒラッ……
 ヒラッ……


春香「……!」

春香「プロデューサーさん、これは……?」

春香「どういう事ですか……?」


春香「765エンジェルの集合写真……」



ディアボロ「……」


((伝えた……確かに伝えたぞ))

((……分かるか))

((分かってくれ……どうか))

((裏面……写真の……頼む))
((……))
((…))
(())



893:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 16:22:40.67 ID:XdfSWu8Z0

春香「あ……」

春香「……!」

春香「……また……あ、あぁ……ッ!」

春香「プロ……プロ、デューサー……?」

春香「……っ!」

春香「まだ……っ!お礼も何も言ってないのに……っ!」

春香「プロデューサーさんっ!……プロデューサーさん!!」





春香「まだ……行かないで……っください……!!」

春香「う……ゔっ……行かないで……っ……」

春香「ディアボロさん…………!!!」

・・・
・・




894:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 16:29:49.65 ID:XdfSWu8Z0





((オレのレクイエムは、遂に終わった))

((だが……))

((彼女たちは))


((春香たちは、まだ道の途中だ))

((時は止まらない))

((海の流れが、決して無くならないように))

((春香たちそれぞれの終着点へ辿り着くまで、道は続くものだ))







二ヶ月後



896:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 16:36:13.65 ID:XdfSWu8Z0

---TV局・スタジオ---

MC「よし、今週のお別れは春香ちゃんで行こう!」


春香「わ、私ですかっ!?」

春香「わかりました……!こほん」


春香「来週も是非ご覧くださいっ!」

春香「今週よりももっと楽しく……できたら、いいなー」


……


春香「……あはは、天海春香でしたー」


ワハハ
 アハハハ


MC「はい、ではまた来週!」

MC「見てね~……」



898:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 16:41:03.01 ID:XdfSWu8Z0

・・・

スタッフ「収録以上です。お疲れ様でしたァー!」



MC「ブラボー!おお……ブラボー!」

MC「765のみんな、ここ最近なんだか沈んでたように思ってたんだけど、そうでもないみたいだね!」

MC「ブラボー!おお……ブラボー!」


春香「あはは、そうですかね?」

春香「でも、そう思って頂けたなら嬉しいです!」

春香「これからも、私たち、一丸となってアイドル頑張っていきますから!」


MC「ブラボー!おお……ブラボー!」

MC「……あっ。ところでさあ」


春香「はい、なんでしょう?」


MC「君たち【元・765エンジェル】は、どうしてグループ名を変えたんだい?」



899:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 16:42:02.81 ID:Ug8IAUt+0

ブラボー言い過ぎwwww



903:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 16:47:06.32 ID:XdfSWu8Z0

MC「しかも……ええと、なんだっけ。未だに読みづらいよね、あれ。」

MC「……ベントー……なんちゃらだっけ?……ああ、分かんないや」

MC「どうして難しくて……正直覚えづらい名前にしたんだい?」


春香「あぁ、その事ですか」

春香「うん……それはですね」

春香「すべては……【写真の裏】に……書いてあったんです」


MC「??」


春香「この名前は……いや、この船は、私たちにとって大事なものだから」

春香「【私たち】っていうのは、もういないけど……あの人も含めてのこと……」

春香「それに……メンバーのみんなも、これに込められた意味、分かってると思うから」

春香「あはは……私の気持ちが当たってるかどうかは分からないんですけどね……」


MC「???」


春香「……あっ、と!」



904:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 16:50:40.17 ID:XdfSWu8Z0

春香「えへへ、すみません。こんな話、分からないですよね……」

春香「まあですね、つまりは765プロダクションの総意という事ですね!」



MC「ふうん、そうなんだ……」

MC「でも、なんだかんだで成功してるからね!きっとこれからも売れると思うし」


春香「そうですか!?嬉しいなあ……ありがとうございます!」


MC「ブラボー!おお……ブラボー!」

MC「春香ちゃんのその笑顔で、日本中いや世界中のファンを癒してあげてね!」

MC「それじゃあまたね!」



907:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 16:53:56.24 ID:XdfSWu8Z0

・・・


((どんな暗闇が心に影を落とそうとも))

((闇にまとわりつかれ、周りの海が見えなくなろうとも))

((進むべき道を失わない))




---初夏のアイドルフェス・ライブ会場---



908:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 16:54:50.58 ID:XdfSWu8Z0

春香「よしっ!皆!気を抜かず行こう!」

千早「全力で歌って!」

真「全力で踊って!」

美希「全力で笑うの!」

響「自分たち負けないぞ!」

貴音「決して諦めない!」

やよい「うっうー!みんな揃って!」

雪歩「絶対、泣かない!」

真美「当然っしょ!真美たちならできるよNE!」


『ファイト』


『オー!』



909:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 16:57:38.94 ID:XdfSWu8Z0

((どんな邪悪に負けそうでも、心の船は航路を行く))

((目指すべき真実、到達点へ向かい続ける))

((【真実に向かおうとする意志】))

((たとえ、その時は失敗しても、向かい続ければいつかは辿り着く))

((心の船に、風は吹く))



910:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 16:59:10.20 ID:XdfSWu8Z0

『961プロダクションのジュピター ありがとうございました』

『続いての出演アイドルグループ―――』





((運命や……過去から目をそむけ、真実から逃げようとしていたわたしにとって))

((お前たちこそが……その風だった))


((……グラッツェ))



911:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 16:59:55.99 ID:XdfSWu8Z0

『765プロダクションより参加―――』




ワァァァァァァァァァ……
 ウオォーーーーー!
  ピューーーーッ!!!










((ああ……そして))


((【トップアイドル】は、お前たちだ……))


((依然、変わりなくッ!!!))



912:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 17:00:48.85 ID:XdfSWu8Z0

『IA大賞受賞グループ……ッ!!』















    (黄金の風)
『【V E N T O  A U R E O】ですッ!!』






Fine



914:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 17:01:37.28 ID:4M+CUj0R0

ブラボー



934:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 17:09:39.19 ID:6H33W5xP0

ブラボー…おお、ブラボー…



913:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 17:01:36.39 ID:a7qTOJNrP

フラボーー!
長々とお疲れ様だ!



917:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 17:02:04.10 ID:P7ds9yURO

ボスがお礼を言った!!



919:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 17:03:04.99 ID:Abszvof+0

ディ・モールト乙



927:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 17:05:06.00 ID:Ug8IAUt+0

グラッツェ!>>1!
いいスレをありがとう



937:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 17:14:14.76 ID:T0zdlWt+0

アイマスssんなかじゃもうトップクラスの面白さだったよ!
1おっつー!!!



955:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/08/20(火) 18:54:13.53 ID:kW05vhokO

ディアブロさんのおかげでアイマスに興味がわきました
乙です



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アイドルマスターSS ジョジョの奇妙な冒険   コメント:9   このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント一覧
37759. 名前 : 名無しのSS好き◆- 投稿日 : 2013/08/24(土) 23:15 ▼このコメントに返信する
ディ・モールト!
最高だッ!

これって支援絵なかったっけ?
37765. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2013/08/24(土) 23:56 ▼このコメントに返信する
ずっと待ってた
37768. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2013/08/25(日) 00:29 ▼このコメントに返信する
スレタイから抱くイメージと反して良作だった
37785. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2013/08/25(日) 14:08 ▼このコメントに返信する
【真実に向かおうとする意志】か……
5部のテーマにここまでちゃんと向き合ったSSであると誰が予想したか

ブラボー!おお……ブラボー!
37811. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2013/08/26(月) 01:09 ▼このコメントに返信する
ギャグかと思ったらこの感動…
読み終わった後に終わって欲しくない、と思える素晴らしいSSだった。いやマジに
37814. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2013/08/26(月) 02:09 ▼このコメントに返信する
ジョジョは原作のテーマが重いからな
長編SSになれば名作になりやすいってはっきりわかんだね
37825. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2013/08/26(月) 19:12 ▼このコメントに返信する
なにこれ書いてる人変わったの?前編とは打って変わってジョジョ成分が消え去ってる。前編のディアボロが上手に書けてた分残念でしょうがない。
43490. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2014/06/18(水) 19:53 ▼このコメントに返信する
>37825
最初のジョジョ成分からアイマス成分が強くなるこの感じがすごく好きなんだけどそれはダメかい?
45999. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2015/08/11(火) 21:14 ▼このコメントに返信する
自分の好み以外は駄作って人なんだろ
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