6:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 18:00:38.44 ID:
qUn5yzag0
理樹「い、いったい誰に……」
恭介「わからん……来ヶ谷は口を閉ざしたままだ」
理樹「……彼女は今どこにいるの?」
恭介「部屋だ。小毬たちが一緒にいてくれている」
理樹「……ぼ、僕も行ってくるよ」
恭介「やめろ、理樹」
理樹「ど、どうしてさ!?」
恭介「今行ってもお前にしてやれることは何もない。逆にあいつを怯えさせるだけだ」
理樹「そ、そんな……」
リトルバスターズ! パーフェクトエディション TVアニメ化記念版
7:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 18:02:49.41 ID:iJtE9fjR0
素手相手ならプロの格闘家でも手こずるだろう人間だぞ
9:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 18:04:17.11 ID:bT4BJTXR0
10対1で勝てる気がしないのは姉御ぐらいだわ
29:
よし、じゃあ>>6からいく:2013/02/17(日) 18:22:48.79 ID:
qUn5yzag0
翌日
ガラッ
真人「よう、理樹」
理樹「……おはよう、真人」
真人「んだよ、元気ねえな」
理樹「……そりゃあ、ね」
真人「……」
謙吾「……お前も、来ヶ谷のこと聞いたんだな」
理樹「うん……」
33:
よし、じゃあ>>6からいく:2013/02/17(日) 18:31:15.26 ID:
qUn5yzag0
真人「……っ、犯人はどいつだよ……くそっ!」ダンッ
理樹「真人……」
真人「締め上げて、頭の形が歪むくらいにボコボコにしてやりたいぜ……っ」
謙吾「……だが、それで来ヶ谷は救われるのか?」
真人「あぁ……? なんだよ、謙吾……お前は我慢できんのかよっ!」
真人「あいつを犯したクソ野郎は、今ものうのうと生きてやがるんだぞ!」
理樹「……っ」
謙吾「……俺だって犯人のこと許せない。だが、俺たちが今すべきことはそいつを見つけることか?」
36:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 18:38:44.10 ID:
qUn5yzag0
謙吾「来ヶ谷の傷ついた心を癒してやることの方が大事なんじゃないのか?」
謙吾「それが……仲間というものなんじゃないのか?」
理樹「謙吾……」
真人「……っ、だが俺たちに何ができる!」
真人「男の俺たちは、あいつの傍によって話すことすらできねえんだぞ……」
謙吾「……それでも、祈るくらいはしてやれる」
真人「祈りって……俺はキリスト教徒じゃねえんだ」
真人「むしろ、こんな理不尽を許すクソみてえな神様とやらが憎たらしいくらいだぜ……」
38:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 18:43:16.78 ID:
qUn5yzag0
キーンコーンカーンコーン
謙吾「……予鈴だ。席に着こう」
理樹「うん……」
真人「……っ」
ガタッ
理樹「……」
理樹(来ヶ谷さんの席……誰もいない席)
理樹(いつも通りのように思えるけど……全然違う)
理樹(授業をさぼって、中庭で缶コーヒーを飲みながら気さくに笑う彼女は……)
理樹「……っ」ギリッ
理樹(もういなくなってしまったんだ……)
40:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 18:51:20.85 ID:
qUn5yzag0
ガラッ
小毬「……」
理樹(小毬さん……来ヶ谷さんのところにずっといたんだろうか)
小毬「あ……おはよう、みんな」
理樹「小毬さん、来ヶ谷さんの様子は……」
小毬「……っ、少し落ち着いてきたみたい。けどまだ……」
理樹「そ、そっか……」
小毬「今はクーちゃんたちが傍にいてくれてるんだ」
小毬「私はずっと昨日から付いてて大変だろうって。だから少し休んだらって……」
理樹「うん……」
42:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 18:57:52.20 ID:
qUn5yzag0
小毬「……っ、で……でもっ」ポロポロ
小毬「や、休めるわけないよ……だ、だって唯ちゃんが……」
小毬「……唯ちゃんがつらそうにしてる時に、私……っ」
小毬「ぅう……っ」
理樹「小毬さん……」
理樹(小毬さんも辛いんだ……本当は泣きたいだろうに、無理して笑顔を作って……)
謙吾「神北……保健室に行こう」
小毬「……っ」コクッ
44:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 19:01:08.47 ID:
qUn5yzag0
理樹「謙吾、小毬さんをよろしくね……」
謙吾「……理樹」
理樹「ん、なに……?」
謙吾「……お前なら、来ヶ谷も会ってくれるかもしれない」
理樹「えっ……」
スタスタ...
理樹(謙吾……でも、昨日は恭介に止められたし……)
理樹(……いや、このまま何もしないままなんて……そんなのイヤだよ)
47:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 19:07:02.03 ID:
qUn5yzag0
ピピッ
『放課後にこい (∵)』
真人「なんだって?」
理樹「えっと、放課後に来てって」
真人「そうか……理樹、頼んだぞ」
理樹「……うん」
------------------------------------
スタスタ...
理樹「なんとかばれずにこれたな……」
??「ちょっとそこのあなた!」
理樹「うわっ!」
52:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 19:12:20.26 ID:
qUn5yzag0
佳奈多「って、直枝理樹じゃない」
理樹「そういう君は……二木さん」
佳奈多「男子のあなたがこんなところで何して……」チラッ
『来ヶ谷 唯湖』
佳奈多「あぁ……来ヶ谷さんの」
理樹「うん……たぶん知ってるとは思うけど」
佳奈多「ええ……生徒会の方でも、この事件については調査中よ」
理樹「な、なにかわかったことは?」
佳奈多「……ごめんなさい、何もないわ」
佳奈多「今わかってるのは、彼女が体育倉庫で複数人に暴行を加えられたって……ただそれだけ」
佳奈多「学内の人間による犯行なのか、それとも外部の人間なのか……それすらわからないわ」
53:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 19:16:49.86 ID:
qUn5yzag0
理樹「そっか……」
佳奈多「……早く行ってあげたら?」
理樹「え、御咎めはなしなの……?」
佳奈多「あら、もしかして罰則を受けたいの?」
理樹「いや、そうじゃないけど……」
佳奈多「今回だけは大目に見てあげるわ……じゃあね」
理樹「……ありがとう、二木さん」
コンコン
??「っ、はいはーい!」
60:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 19:33:45.02 ID:
qUn5yzag0
ガチャ
葉留佳「どちらさんで……おぉ、理樹君」
理樹「ごめん……鈴から聞いてるとは思うんだけど」
葉留佳「うん、入って入って」
理樹「し、失礼します」
クド「来ヶ谷さん、リキがきてくれたのですよ」
??「ひっ……!」
そこにいたのは……
髪をバッサリと切りおとし、顔のあちこちに痣をつけ、
毛布に包まりながら小刻みに震える、彼女だった……。
来ヶ谷「い、いや……いやだ……っ!」
来ヶ谷「ご、ごめんなさい……ごめんなさいごめんなさい……っ!」ガタガタ
61:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 19:34:37.77 ID:1NTy/bGE0
oh...
66:
保守アリでした:2013/02/17(日) 19:49:31.89 ID:
qUn5yzag0
鈴「くるがや、こいつは理樹だ……!」
美魚「そうです……あなたを傷つけようとする人ではありません」
来ヶ谷「っ……ご、ごめん……ごめんなさ……っ」ガタガタ
...ギュ
葉留佳「……姉御、大丈夫だよ。安心して」
来ヶ谷「……ぅ……ぁ」
来ヶ谷「ぅぁあ……ああ……っ」ポロポロ
理樹「来ヶ谷……さん……」
それは、思わず目を背けたくなるような光景だった……
あの来ヶ谷さんが、泣いている……とても苦しげな表情で……
僕の知っている……お茶目で、人をからかうのが好きで、
それでいて誰よりも頼りになる同級生の面影は……もはやどこにもなかった……。
67:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 19:57:57.81 ID:
qUn5yzag0
葉留佳「ごめんね……理樹君」
理樹「いや……」
葉留佳「姉御、まだ本調子じゃなくってさ……男の人相手だと、どうしても怯えちゃって」
理樹「ぼ、僕……やっぱり帰った方が……」
葉留佳「ううん……ここにいてあげて」
理樹「でも……」
美魚「……来ヶ谷さんも、直枝さんのことを忘れたわけではないんです」
クド「だから、一緒にいてあげれば少しずつ慣れてくるはずなのです」
理樹「そっか……」
74:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 20:06:14.71 ID:
qUn5yzag0
カァー...カァー...
来ヶ谷「……みず……のみたい」
クド「水ですね! 今汲んできます!」
理樹「僕が行ってくるよ」
クド「あ、はい……じゃあ直枝さんお願いしますです」
ジャー...
理樹「……はい、来ヶ谷さん」
来ヶ谷「……っ」
葉留佳「大丈夫だよ、姉御」
来ヶ谷「……っ、ぁあ……っ」ガタッ
バシャッ
76:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 20:10:23.28 ID:
qUn5yzag0
来ヶ谷「……っ、す、すみません……っ!」
理樹「大丈夫大丈夫! 僕より、来ヶ谷さんの方こそ……」
来ヶ谷「……ぁ……っ」
葉留佳「あらら、着替えた方がよさそうっすネ」
鈴「理樹……お前、いったん外に出ろ」
理樹「う、うん」
------------------------------------
バタン
理樹「……ねえ、鈴」
鈴「……なんだ」
理樹「来ヶ谷さんは……ずっとああなの?」
82:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 20:16:31.72 ID:
qUn5yzag0
鈴「……」
理樹「そっか……髪の毛は、もしかしてあれ……」
鈴「……見つかったとき、無造作に切られてた。だから、小毬ちゃんが整えてくれたんだ」
理樹「そんな……じゃあ、顔の傷も」
鈴「……ん」
理樹「……っ」
理樹(どうして……どうして来ヶ谷さんが……っ)
鈴「……理樹」
理樹「な、なに?」
鈴「くるがやは……元に戻るのか?」
84:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 20:21:28.30 ID:
qUn5yzag0
理樹「……」
鈴「あたし……くるがやに元気になってほしい」
理樹「鈴……」
鈴「……なあ、戻るのか?」
理樹「それは……わからない」
鈴「なっ……」
理樹「でも、僕らがこうして傍にいてあげれば……きっと元気になるよ」
理樹「だから、鈴もがんばろう?」
鈴「……うん」
87:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 20:26:54.54 ID:
qUn5yzag0
ガチャ
美魚「……お二人とも、入って平気です」
理樹「あ、うん……」
スタスタ...
クド「私と美魚さんは、ちょっと着替えを持ってきますね」
鈴「……わかった」
美魚「……それでは、少しの間よろしくお願いします」
バタン
葉留佳「姉御、お腹すきませんか?」
来ヶ谷「……」コクッ
葉留佳「よし、理樹君たちも手伝って!」
88:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 20:31:34.33 ID:
qUn5yzag0
理樹「なにを作るの?」
葉留佳「そりゃもちろん、はるちん特製シフォンケーキですヨ!」
鈴「……あれを食わせる気か」
葉留佳「あ、なにそれ! もしかしてまずいって意味~?」
鈴「……い、いやうまいぞ! くちゃくちゃうまい!」
葉留佳「だよね~♪」
理樹「あはは……」
鈴(……理樹、なんとかしてうまく仕上げるぞ!)ヒソヒソ
理樹(……そ、そうだね)ヒソヒソ
91:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 20:40:17.39 ID:
qUn5yzag0
葉留佳「鈴ちゃん、お砂糖とって~」
鈴「……こ、これか?」
葉留佳「そうそうそれそれ!」
葉留佳「シャッフルシャッフル~♪」シャカシャカ
理樹(葉留佳さん……辛いだろうに、弱音ひとつ吐かずに場を和ませようと……)
理樹「って、それ塩だよ!」
葉留佳「やはは、ごめんごめ~ん!」
理樹「もう!」
葉留佳「仕方ない! 今度はスクランブルエッグに挑戦だー!」
理樹「最初からそっちにしておこうよ……」
93:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 20:45:16.67 ID:
qUn5yzag0
葉留佳「よーし……そろそろかな」
鈴「皿とってきたぞ」
葉留佳「おぉ、気が利くね~♪ 鈴ちゃん、ありが……」
「いやぁあああああああ!!!」
理樹「っ!?」
葉留佳「あ、姉御……!」
ダダッ
葉留佳「ど、どうしたの……!?」
鈴「あ、あれ見ろ……!」
理樹「えっ……」
95:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 20:50:04.99 ID:
qUn5yzag0
鈴が指差した先……
窓の向こうには、数人の男子生徒が群がり、
もの珍しそうに、来ヶ谷さんを見て……そして、笑っていた。
理樹「あ、あい……!」
葉留佳「お前らぁ!!」
ダダッ
「わ、三枝だ……!」「なんだよ、いたのかよ」「逃げろ!」
ガラッ
葉留佳「二度と近づくなっ!!」
鈴「く、くるがや……大丈夫か?」
来ヶ谷「……っ、……ぅあ……」ガタガタ
103:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 21:03:01.89 ID:
qUn5yzag0
葉留佳「はぁ、はぁ……っ」
ピシャ
葉留佳「……あ、姉御っ!」
ダキッ
葉留佳「大丈夫だよ……もう大丈夫」ギュ
来ヶ谷「……っ、ぁ……ぁあ……」
理樹「……あいつら、どこから入ってきたんだろう」
葉留佳「……生垣を越えてきたか、もしくは隣の女子部屋からだろうね」
鈴「と、とっちめてやる!」
理樹「あ、鈴……!」
バタン
葉留佳「……人の不幸を物笑いの種にするなんて……最低のゲス野郎だよ、ほんと」
109:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 21:13:22.61 ID:+4p2bTdZ0
泣きそうだわ
ハッピーエンドで頼む
112:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 21:19:35.03 ID:
qUn5yzag0
理樹「そうだね……」
葉留佳「……って、ああ! スクランブルエッグが!」
ダダッ
葉留佳「こ、焦げちゃってる……」
理樹「ま、また作り直そうよ」
葉留佳「……」
理樹「……葉留佳さん?」
葉留佳「え、あぁ! ……うん、そうだね」
葉留佳「……」
理樹(葉留佳さん……)
119:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 21:34:40.61 ID:
qUn5yzag0
それから、クドと西園さんが部屋に戻ってきたので、僕は鈴を探しに出かけた。
鈴は先ほどの男子生徒たちと取っ組み合いになっているところを教師に見つかり、反省文を書かされていた。
鈴「ぐぅぅ……」
真人「鈴、そんなもんゴミ箱に捨てちまえよ」
理樹「それはダメだよ、真人。そんなことしたら、ますます鈴の立場が悪くなる」
謙吾「それに、先に手をあげたのが鈴の方だというのは事実だ」
鈴「でも、悪いのはあいつらだ!」
謙吾「それはわかっている……だが、あんなのをいちいち相手にしていたら身が持たんぞ」
謙吾「世の中には、お前らが思う以上に心の腐った連中が多いんだ……」
理樹「……」
理樹(謙吾も、許せないんだ……来ヶ谷さんを襲った犯人が)
121:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 21:42:08.26 ID:
qUn5yzag0
数日後
ガラッ
来ヶ谷「……」
ザワザワ...
理樹「く、来ヶ谷さん……」
小毬「唯ちゃん、こっちだよ~」
来ヶ谷「っ……ぅ、うん……」
「来ヶ谷、大丈夫なのかよ」「レイプされたんだろ?」「なんで髪短くなってんの?」
真人「てめーら、うっせーぞ!」
「「「ひぃいいっ!! す、すみませーん!!」」」
123:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 21:48:22.85 ID:
qUn5yzag0
真人「ちっ、うるせえ外野どもだぜ……」
来ヶ谷「っ……ぁあっ……!」ガタガタッ
小毬「真人君、やめてください! 唯ちゃんが怖がっちゃう!」
真人「お、おお……悪ぃ」
理樹「……来ヶ谷さん、なにか困ったことがあったら僕たちを頼ってね?」
来ヶ谷「ひっ……!」
理樹「あ、ごめん……怖がらせちゃったかな」
小毬「だ、だいじょ~ぶ! ……唯ちゃん、理樹君たちは味方だよ~」
真人「そうだぜ、ライライ谷! ほぉら、俺の上腕二頭筋もよろしくねーって言ってるぜ!」
125:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 21:51:19.17 ID:vK9eTVh70
真人は良いやつだよね
126:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 21:54:01.88 ID:yNec8HSQ0
リフレインの鈴以上にアカン状態やな
127:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 21:57:04.26 ID:
qUn5yzag0
鈴「きしょいんじゃボケ」
真人「んだとぉ! 俺の筋肉のどこがきしょいっていうんだよ!」
鈴「全部だ!」
真人「てめえ!」
小毬「だから、うるさくしないで~!」
来ヶ谷「……」クスッ
小毬「えっ……唯ちゃん、今……」
理樹「笑った……?」
来ヶ谷「……ぁ、す、すみません……」
真人「な……なに謝ってんだよ! もっと笑え、もっと!」
理樹「そうだよ、来ヶ谷さん。真人は笑われるために存在するようなものなんだから」
真人「……おい、理樹。そりゃどういう意味だ」
ハハハッ
132:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 22:07:00.99 ID:
qUn5yzag0
放課後
恭介「今日は久々にメンバー全員がそろったからな。野球の練習をするぞ!」
真人「よっしゃあ! 最近、運動してなかったせいで筋肉がなまってたんだよなぁ!」
理樹「いつも筋トレしてるじゃない……」
鈴「アホだな」
小毬「けど恭介さん、唯ちゃんはまだ……」
恭介「わかってる。だから、本格的な練習はまた今度だ」
恭介「今日はみんなで大きく輪になってキャッチボールだ。このゴムボールを使ってな」
------------------------------------
恭介「んじゃ、始めるぞ!」シュッ
理樹「おおっと!」パシッ
理樹「それじゃ……」
理樹「来ヶ谷さん、いくよーっ!」
135:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 22:13:41.92 ID:
qUn5yzag0
来ヶ谷「っ!」ビクッ
クド「大丈夫ですよ。いつもの通りにやればバッチグーなのです!」
美魚「……自信を持ってください」
来ヶ谷「……」
理樹「せーのっ!」シュッ
理樹「あっ……」
謙吾「おいおい……」
真人「こりゃ盛大なファールボールだな」
恭介「理樹、お前に『ノーコンの伝道師』の称号を付与する!」
理樹「来ヶ谷さん、無理しないでー! ……って」
ダダダッ
138:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 22:22:27.62 ID:
qUn5yzag0
来ヶ谷「……っ」パシッ
鈴「おお」
小毬「唯ちゃん、すご~い!」
来ヶ谷「……ふぅ」
恭介「さすが来ヶ谷じゃないか! こりゃゴムボールなんて使う必要なかったかもな」
謙吾「まぁ、たまにはのんびりキャッチボールというのも乙なもんだろう」
理樹「そうだね」
真人「おい、来ヶ谷~! 今度は俺の方に投げてこーい!」
来ヶ谷「ぅ、うん……!」シュッ
ビュンッ
真人「ぐほっ!」メリッ
ドッシャーッ
理樹「あはは……投球も相変わらずすさまじい……」
145:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 22:30:30.49 ID:
qUn5yzag0
真人「いてて……やるじゃねえか」
真人「だが、俺様のこのライジング筋肉ボールは受けきれるかなっ!」シュッ
鈴「パクるな!」
ダダッ
来ヶ谷「……っ」パシッ
理樹「おお!」
真人「なに!?」
クド「すごいのですー! わふー!」
葉留佳「うわ~、真人君だっさ~い!」
美魚「……情けないです」
真人「ぬぅぉおおおおおお!!!」
来ヶ谷「ふふっ……」
理樹「はは……」
そのとき、僕は思っていた……
来ヶ谷さんが元気を取り戻すのも、そう遠い先の話ではないだろうと。
147:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 22:37:35.22 ID:
qUn5yzag0
数日後
小毬「お洋服屋さんにやってきました~」
クド「なのですー!」
理樹「はは……なんで僕まで……」
鈴「荷物持ちだ」
来ヶ谷「ご、ごめん……理樹君」
理樹「い、いいんだよ! どうせ僕もヒマだったわけだし」
来ヶ谷「そ、その……ありがとう」
理樹「うん」ニコッ
葉留佳「姉御はこんなの似合うんじゃないですかネ?」
小毬「ええ~、唯ちゃんはそういうのよりこっちのかわいい方が似合うと思うな~」
美魚「……両方とも奇抜すぎます」
151:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 22:48:48.77 ID:
qUn5yzag0
クド「じゃあ私はどんな服が似合うでしょうか?」
小毬「クーちゃんはこれかな~」
葉留佳「うん、クド公はこれ一択ですネ」
クド「……お二人とも、それは幼児服です」
小毬「ええっ! ご、ごめん~」
葉留佳「やはは、冗談冗談!」
クド「ひ、ひどすぎますー……」
カランカラン
「いらっしゃいませー」
ガヤガヤ...
小毬「わわ……なんか怖そうな人たちがきたね……」
クド「なのです……」
来ヶ谷「……っ」ブルブル
理樹(っ、来ヶ谷さん……)
154:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 22:57:20.54 ID:
qUn5yzag0
「どの服にするよ?」
「うっわ、これくそ高けえ」
「よっしー金もってる?」
「もってるけど貸さねえよ」
「お、あそこにいる子たち、めっちゃかわいくね?」
「マジじゃん、つか上物じゃん!」
「ナンパしちゃう?」
ゾロゾロ...
鈴「こ、こっちきたぞ……」
理樹「み、みんな逃げ……」
「おおっと……なになに、なんで逃げんの?」
葉留佳「ぐっ……」
157:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 23:02:22.67 ID:
qUn5yzag0
葉留佳「っ、そこどいて」
「ええ、なんで?」
葉留佳「邪魔だからだよ!」
「おお、こわ……つかなにキレちゃってんの?」
「お前さっそく嫌われちゃってんじゃん」
「うるせーよ」
「ねえねえ、君たち。これから俺らと遊ばない?」
小毬「い、いえ……あの、私たち……」
「いいじゃんいいじゃん! ちょっとくらいなら奢ってあげるからさ」
「とりあえずそこのファミレスいこうよ、ね?」
164:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 23:12:54.16 ID:cBb7IWn30
165:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 23:13:48.72 ID:gLYcW8QB0
>>164
本当そうだよ
158:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 23:03:11.04 ID:qCY55ksqI
くそッ!
見てるだけなんて歯がゆいぜ!!
162:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 23:10:01.50 ID:
qUn5yzag0
理樹「あ、あの……やめてください」
「はぁ? なんだよ」
「つかこいつ男じゃん」
「なんで男いんの? 彼氏?」
理樹「か、彼氏じゃありません。友達です」
「友達です! だってw」
「マジうぜえわこいつ」
「とりあえずしめちゃう?」
「ばっか、店の中じゃまずいだろ」
葉留佳「あんたたち……どけって言ってんでしょ!」ゲシッ
「いって!!」
「おい、てめえなにしてんだよゴラァ!」
「あんま舐めんのもいい加減にしろよ」
167:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 23:14:06.77 ID:
qUn5yzag0
葉留佳「っ、こまりんたちは逃げて……!」
小毬「う、うん……!」
クド「わふっ!」
「おいおい、だから逃げんなって……!」ガシッ
美魚「っ、痛……!」
理樹「に、西園さん……!」
葉留佳「や、やめろってば! 離して!」
理樹(誰か……誰か助けを呼べる人はいないのか!?)
理樹(っ……こんな時に限って、なんで店員の人がいないんだ!)
「おいこら!」ゴスッ
理樹「ぐ、はっ……!」
小毬「り、理樹君……!」
170:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 23:20:10.22 ID:
qUn5yzag0
理樹「ぐっ……」
理樹(僕が……僕がみんなを守らないと……)
「ほら、こんな奴おいて一緒に遊びに行こうよ」グイッ
クド「や、やめてくだひゃい!」
小毬「く、クーちゃんから手を放して!」
葉留佳「このぉおっ!!」
「てめえ、女のくせに生意気なんだよ!!」ドスッ
葉留佳「うぇっ……!」
「ほら、もうすぐ人きちゃうから」
美魚「……い、いやです」
「おい、いいからこいってば!」
シュッ
174:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 23:24:47.01 ID:
qUn5yzag0
ドゴォッ
「ぐっ……いてえっ! な、なんだぁ!?」
来ヶ谷「……」
「て、てめえ……なにしやが」
ドカッ
「っ、ぐふぅ!」
「お、おい! やまぴー!」
「な、何もんだよ……この女……!」
来ヶ谷「……お前ら、さっさと失せろ」
「は、はぁ? てめえみたいな女、すぐに捻りつぶして……」
来ヶ谷「二度も言わせる気か……? さっさと失せろ、ゲスども!!」
「……っ、ち……ちくしょう! 覚えてやがれ!」
ダダッ
179:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 23:26:26.95 ID:YQf2om8O0
姉御のご帰還や!!
183:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 23:28:34.65 ID:
qUn5yzag0
来ヶ谷「……はぁ、はぁ……っ」
来ヶ谷「は、葉留佳君……!」
ダダッ
来ヶ谷「だ、大丈夫か!?」
葉留佳「う、うん……」
来ヶ谷「……っ、すまない……私が、初めからこうしていれば……」
葉留佳「ううん……姉御だって本当は怖かったはずだよ」
葉留佳「でも、こうして私たちを助けてくれた……いつもみたいに」
葉留佳「ありがとう、姉御……そして、おかえり」
来ヶ谷「……っ」
来ヶ谷「り、理樹君も! 大丈夫か!?」
理樹「な、なんとかね……はは」
186:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 23:33:04.17 ID:
qUn5yzag0
理樹(来ヶ谷さんの……みんなを助けたいって強い想いが)
理樹(彼女の心を覆い閉ざしていた殻を……打ち破ったんだ)
理樹(本当にありがとう……来ヶ谷さん)
来ヶ谷「よ、よかった……」
小毬「ゆ、唯ちゃん……っ」ポロポロ
クド「く、来ヶ谷さん……っ」ポロポロ
小毬・クド「わぁあああああああああん!!」ダキッ
来ヶ谷「お、おいおい……」
美魚「……よかったです、本当に」
来ヶ谷「し、心配をかけてしまったな……美魚君」
美魚「……いいえ、信じていましたから」
理樹「うん、だって僕たちは仲間だもん」
来ヶ谷「……っ、うん……うん」グスッ
192:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 23:38:23.67 ID:
qUn5yzag0
僕たちの証言を元に、あの不良少年たちは逮捕された。
彼らはこの近所で悪さを働く不良グループとして有名で、余罪も次々と見つかっていった。
そこから芋づる式に来ヶ谷さんをレイプした犯人も見つかり、その人たちも逮捕されたそうだ。
色々辛いことはあったけれど、
こうして、僕たちの来ヶ谷さんは帰ってきた。
196:
ごめん、最後の場面で鈴を忘れてた:2013/02/17(日) 23:46:32.98 ID:
qUn5yzag0
数日後
来ヶ谷「ほれほれ、鈴君。恥ずかしがるな」
鈴「さ、触るな変態がぁ!」
ワイワイ...
小毬「……ふふ、唯ちゃんとっても楽しそう」
クド「なのです!」
真人「へへっ……ライライ谷、完全復活だな」
美魚「……以前にもましてその変態行為に拍車がかかっている気もしますが」
理樹「まぁ、やっぱり来ヶ谷さんはこうじゃないとね」
恭介「あぁ、あいつもまたリトルバスターズには決して欠かすことのできない、大切な仲間だ」
謙吾「そうだな」
199:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 23:50:40.38 ID:
qUn5yzag0
葉留佳「姉御~、私も混ぜてくだせい!」
来ヶ谷「いいだろう。では、葉留佳君には鈴君の太ももをかわいがる権限を与えよう」
葉留佳「ラジャーであります!」ビシッ
鈴「や~~め~~ろ~~!」
来ヶ谷「ふふっ……」
やはり……私の居場所はここだったんだな。
こうして仲間に囲まれていれば、
どんなに辛いことが降りかかろうとも、
それを乗り越えられる。
彼らとともにいる限り、来ヶ谷唯湖は永久に不滅だ……!
おわり
212:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/18(月) 00:04:01.37 ID:UGy2e1vGO
乙
重かったけど面白かった
今度はもっと明るいのをお願いします
201:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/17(日) 23:51:02.87 ID:Ec3ljsqA0
乙
よかったよ
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