1:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/30(月) 06:03:49.25 ID:
irvo6zTE0
多々良「(見崎さん今……私を呼んだの、かな?)」チラッ
鳴「……」
多々良「(違う……こっちじゃなくて勅使河原君たちの方に向いている……
自意識過剰だうわ恥ずかしい……でも、それじゃぁなんだろう……なんかの挨拶?)」
勅使河原「……」ポリポリ……
高林「……」ンー……
多々良「(二人ともすっごい微妙な顔している!?挨拶でもなんでもない、見崎さんの無茶ぶりだ!)」
勅使河原「……タタラッティ!」
高林「タタラッティ……!」
多々良「(釈然としない顔のまま乗った!お疲れ様!)」
望月「三神ッティ!」ニコッ
多々良「(貴方は平常運転ですね!!)」
その話し方では軽すぎます! エグゼクティブが鍛えている『人前で話す技法』
3:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/30(月) 06:06:57.18 ID:
irvo6zTE0
勅使河原「今日はサカキは一緒じゃないのか?」
多々良「(普通の会話を振った……なかったことにしようとしているの……?)」
鳴「今日は会わなかった、それだけ」
多々良「(見崎さんも普通に返している……)」
高林「何処かで待ち合わせしているわけではないんだ?」
鳴「うん」
多々良「(……何気ない雑談……でも……)」
多々良「(タタラッティって……なんなんですか……!?)」
4:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/30(月) 06:11:42.03 ID:
irvo6zTE0
多々良「(私の名字に関連しているように思えるからか、とても気になる……
なんかそんな名前の生理用品があるし……うぅ……見崎さんに聞きたいけど、
でもあんまり話したことないし話掛けづらいからなぁ……せめて二人が意味を追及してくれれば……
良かったのに……)」
多々良「(挨拶?だよね?多分?だってタタラッティって言って二人がそう返したんだし……望月君が
三神先生の名前を使って同じようなことを言っていたから、やっぱり私の事……?いやいや考えすぎ、
まずどうして……?)」
多々良「(誰か……どなたか常識人の方はいらっしゃいませんか?タタラッティの謎を解き明かしてください……)」
ガラッ
恒一「おはよー」
多々良「(常識人キター!)」
5:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/30(月) 06:14:43.98 ID:
irvo6zTE0
勅使河原「よぉ、さか――」
鳴「榊原君、多々良ッティ」
多々良「(早速タタラッティ行った!良いぞ、その調子だ!さぁ榊原君、お願いします!)」
恒一「おはよう、皆」
高林「おはよう、榊原君」
望月「三神ッティ、榊原君」
多々良「(さぁさぁ!おかしな挨拶をしている二人が居ますよ、榊原君!遠慮なく突いてあげてください!)」
恒一「見崎、先に行っちゃうなんてひどいじゃないか」
多々良「(あっるぇー?)」
6:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/30(月) 06:18:26.23 ID:
irvo6zTE0
鳴「どうして?」
恒一「どうしてって……待っててくれても良かっただろ」
鳴「だからどうして?」
恒一「……」
勅使河原「鳴ちゃん、サカキをいじめてやるなよ」
鳴「別にいじめてない。榊原君がいきなり怒ってきたから、理由を聞いているだけ」
鳴「榊原君、どうして私に怒ったの?」
恒一「……僕が悪かったよ」
多々良「(榊原君……これは可哀想……)」
多々良「(これはタタラッティの謎以前の問題だよ……見崎さん、榊原君の淡い思いに気付いてあげて……
榊原君はもっと勇気を出して……!)」
7:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/30(月) 06:23:36.45 ID:
irvo6zTE0
鳴「だからどうして怒ったの?」
恒一「……ちょっとトイレ行ってくる」
勅使河原「あー待て待て、俺も行く」
高林「……僕も、行こうかな。……此処に居るのは心臓に悪いよ」
望月「それじゃぁ僕は職員室にでも」
多々良「(見崎さん……本当に気付いていないの?うわぁ榊原君……すごく悲しそうな顔してる……)」
多々良「(……良い機会だから、見崎さんに話しかけてみようかな?ついでにタタラッティの意味も……)」
多々良「(あぁでもなぁ……なんで貴女が出てくるの、とか、タタラッティは別に多々良さんに関係ないとか……
言われたら私ただの変な人だ……)」
多々良「(どうしよう……誰か助けて……)」
赤沢「恵、おはよう」
多々良「(救世主キター)」ガタッ
8:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/30(月) 06:27:06.98 ID:
irvo6zTE0
赤沢「!?ど、どうしたの、いきなり……?」
多々良「う、ううん、なんでもない……あはは……」ストンッ
赤沢「……大丈夫?」
多々良「……うん……はい……」
多々良「(絶対変な奴だって思われてる……いないものになりたい……)」
赤沢「まぁ……それなら構わないけど……あのさ」コソッ
多々良「ん?……どうしたの?」コソコソ
赤沢「……さっき恒一君とすれ違ったんだけど、なんだか元気が無かったみたいですんごくテンション低くてさ……
何か知らない?」コソコソ
多々良「あ、うん……ちょっと、ね」コソコソ
赤沢「!!何があったのか、教えて!」キーンッ
多々良「(うるさい……)」
9:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/30(月) 06:31:13.65 ID:
irvo6zTE0
多々良「(教えろって言われても……良いのかな、教えて……)」
多々良「(赤沢さんは……多分、いや確実に榊原君が好き……だけど、榊原君はきっと……)」
多々良「(それを教えるのって……え?良いの?いやいや、でも……)」
赤沢「お願い恵……貴方だけが、頼りなのよ……!
……これで一気に恒一君と距離が、ぐふふふふ……!」
多々良「(……この人は救世主じゃなかった……魔物だ。それもとっても無様な……)」
多々良「(お願い誰か私を助けてください……!)」
鳴「赤沢さん、タタラッティ」
多々良「(四面楚歌っ!!)」
10:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/30(月) 06:35:15.27 ID:
irvo6zTE0
赤沢「見崎さん?えっと……」
多々良「(――いや、ある意味で救世主!さぁ赤沢さん、それは貴方の得意分野です!
馬鹿みたいに質問してやってください!タタラッティの謎を、今!)」
赤沢「今、なんて言ったの?」
鳴「赤沢さん、多々良ッティ」
多々良「(良いぞ、その調子だ無能!)」
赤沢「……?」ポカーン
多々良「(しまった!あまりの頭の悪さに見崎さんが何を言ったのか全く理解できていない!!
早くしろ、無能!間に合わなくなってもしらんぞー!)」
鳴「多々良さん」
多々良「!?は、はいっ!」
鳴「多々良ッティ」
多々良「」
多々良「」
多々良「(お、終わった……何もかも……全部……)」
11:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/30(月) 06:38:49.91 ID:
irvo6zTE0
綾野「おはよー」
小椋「おはよう」
多々良「(殺せ……災厄よ最初の死者はわたすだ……)」
鳴「多々良ッティ、綾野さん、小椋さん」
小椋「?何それ?」
綾野「めーちゃん、多々良ッティって何?」
鳴「挨拶。多々良ッティ」
綾野「多々良ッティ♪」ニパッ
小椋「多々良ッティ☆」カッ
鳴「その調子」
鳴「多々良さんごめんね」
多々良「へっ?」
13:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/30(月) 06:42:16.00 ID:
irvo6zTE0
鳴「勝手に貴女の名前で挨拶を作って。でも悪気があったわけじゃないの。
信じて」
多々良「えっ、あっ、そうなんですか……はい、許します」
鳴「ありがとう」
多々良「(やっぱり私の名前が関係していたんだ……いや、でもなんで……?)」
小椋「なんで恵な訳?」
鳴「なんだか多々良さんの名字って、楽しいから」
多々良「(なんて安直な!)」
綾野「あぁー。タッタラッタータッタター的な?」
鳴「うん」
多々良「(訳が解からないよ!)」
14:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/30(月) 06:43:56.07 ID:F82FD+n10
タッタッタッータラッタラッタッター
15:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/30(月) 06:46:03.22 ID:xgn3OA/J0
多々良ッティ
16:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/30(月) 06:49:03.90 ID:
irvo6zTE0
赤沢「――あぁなるほど」
多々良「(今更か!)」
赤沢「挨拶だったのね」
多々良「(そこか!)」
鳴「勅使河原君と高林君には浸透した」
多々良「(全然してないよ!二人ともその問題から即刻逃げ出したから!)」
鳴「最初の目標は三年三組の皆。ゆくゆくは夜見北、夜見山制覇」
多々良「(なんでそんな無駄に野心的なの……?)」
19:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/30(月) 06:52:59.63 ID:
irvo6zTE0
鳴「対抗馬は望月君。……三神ッティ、意味が分からない……」
多々良「(貴女も十分意味☆不明だ!)」
綾野「じゃぁあたしは小椋ッティーを流行らせようかな?」
小椋「ちょっと彩、何それ止めてよ……じゃぁあたしは全力で多々良ッティーを推すから」
鳴「仲間」スッ
小椋「なんとしても小椋ッティの浸食を阻止する!」ギュッ
綾野「果たしてできるかな、君たち如きに」ゴゴゴゴゴゴゴ
鳴「敵は大きい」ペターン
小椋「でも、あたしは諦めない!」ペターン
多々良「(何故無駄に壮絶に?)」
20:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/30(月) 06:54:42.22 ID:
irvo6zTE0
赤沢「……へ?小椋ッティ?多々良ッティじゃないの?あれ?三神ッティって何?」
多々良「赤沢さん、自分の席に行こう。ね?」グイッ
赤沢「ちょっ、恵?何?なんなの?」
多々良「良いから。もう頭痛の種はいらないから、ね?」
赤沢「多々良ッティは挨拶だけど小椋ッティと三神ッティってなんなの?なんでティいっぱいあるの?」
多々良「黙って、ね?」
赤沢「なんなの……?」
21:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/30(月) 07:01:49.13 ID:
irvo6zTE0
赤沢「解からないわ……一体何が起きているの……?」チョコーン
ガラッ
恒一「あ、見崎。丁度良かった。あのさ」
綾野「こういっちゃん!小椋ッティ!」
恒一「おはよう綾野さん。それよりも見崎」
小椋「チッ!一足遅かった!」
鳴「榊原君にはさっき多々良ッティをした。よって綾野さんの小椋ッティは無効」
綾野「いつから無効だと錯覚していた?」
小椋「なん……だと……!?」
22:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/30(月) 07:05:24.72 ID:
irvo6zTE0
鳴「騙されてはだめ。あ、中尾君、多々良ッティ」
綾野「抜け駆けとは卑怯な!あ、そこの君!小椋ッティ!」
中尾「多々良ッティ、小椋ッティ、否!時代は泉美ッティだろ!……名前で呼んじゃった///」
綾野「うわ」
小椋「きも」
鳴「いないものの相手をしては駄目。風見君、多々良ッティ」
風見「ゆかりッティ」
多々良「(どんどん挨拶が増えていく……なにこれ……私が悪いの……?いやもう……何も考えたくない……
眠ろう……これは悪い夢なんだ……そう……すべて悪い夢なんだ……)」
25:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/30(月) 07:09:50.56 ID:
irvo6zTE0
恒一「見崎聞いてくれ、大事な話があるんだ」
鳴「榊原君、邪魔をしないで。猿田君、多々良ッティ」
小椋「鳴、此処は榊原君にもこっちに参加してもらうのが先決だ」
鳴「その手があった。榊原君、協力して」
恒一「そんなことよりも」
鳴「きょ・う・りょ・く・し・て」
恒一「……はい」
26:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/30(月) 07:12:01.57 ID:
irvo6zTE0
綾野「ふはははは!無駄無駄ァ!!てっしー、いっくん!ジェットストリーム小椋ッティを掛けるぞ!!」
勅・高「「オグラッティー」」
望月「三神ッティ♪」ニコッ
多々良「これは悪夢……覚めない悪夢……ふひひ……きっと……きっとこの悪夢を終わらせる方法があるはずだ……
私は諦めない……諦めないぞぉ……悪夢め……絶対に許さない――ひーひっひっひっひっ!」
鳴「」ビクッ
結局見崎さんは多々良ッティを一日で止めた。私は悪夢に勝った。
でもそれから見崎さんは私を極端に怖がるようになった。あれを気に少しだけ仲良くなれると思ったのに。
勝ったのに負けた。そんな気分。
恒一「……あれから見崎を小椋さんと多々良さんに取られた」
終わり
31:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/30(月) 07:22:43.14 ID:
irvo6zTE0
楽しかったです
読んでくれた人ありがとう
32:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/30(月) 07:24:32.15 ID:F82FD+n10
おっかれー
33:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/30(月) 07:49:04.23 ID:FXOfRNTD0
乙
35:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/30(月) 08:14:00.20 ID:JSrk9JRM0
現象のせいで小さくなった多々良さんが恒一宅でひっそり暮らす
借り暮らしの多々良ッティを想像して来てみたというのにもう終わってた
34:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/30(月) 08:13:29.98 ID:gIOgMuhoO
なかなかシュールであった乙
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