1:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 01:48:08.20 ID:
miI8AUn+0
シェゾ「ほら、これでいいだろ」
ウィッチ「あら、シェゾにしては仕事が早いですわね」
シェゾ「……」
ウィッチ「なんですのその目は? あなたが売り物の魔法薬が入ったビンを割ったのが悪いんでしょう?」
シェゾ「ちっ……」
ウィッチ「あーら、わたくしとしては壊した分の代金を頂ければ構いませんでしたのに。弁償する代わりに労働して貰ってるんじゃない」
シェゾ「もういいだろう。オレは帰るぞ」
ウィッチ「あっ……ま、待ちなさいよ」
ぷよぷよ!! 3DS 20th anniversary
55:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 03:54:19.69 ID:KZ17OWiW0
ぷよSSとは珍しい
2:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 01:48:55.88 ID:
miI8AUn+0
ウィッチ「実は、修理してもらっている間にお茶の準備をしてたのですよ」
シェゾ「お茶だあ?」
ウィッチ「紅茶一杯飲んでいくくらいの暇はあるでしょう。というより、いつも暇でしょう?」
シェゾ「オレは忙しいんだ! 魔導力を上げるために文献を読んだりダンジョンに潜ったりな!」
ウィッチ「あらそうですの。言っときますけど、損失分は今日の労働だけじゃとても賄えませんからね」
シェゾ「な……」
ウィッチ「さっき計算してみたところ、あなたが無駄にした魔法薬はざっと一週間分の労働で得られる金額に相当しますわ」
シェゾ「おい、一週間働き続けなきゃいけないのかよ!?」
ウィッチ「そういうことになりますわね」
3:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 01:49:31.15 ID:
miI8AUn+0
シェゾ「なんてこった……」
ウィッチ「わたくしも鬼じゃありませんから、労働の後にはちょっとしたサービスも用意して気遣ってさしあげてるのですわ」
シェゾ(ねぐらに置いてある本や道具を売って金を作るか……いや、どれも必要なものばかりだ)
ウィッチ「お湯も湧いたみたいですわ。さあ、大人しく私の厚意を受取りなさいな」
シェゾ「くそ……用意してあるなら早く持ってこいよ」
ウィッチ「ふふ……まあ、お待ちなさいな」
5:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 01:50:27.84 ID:
miI8AUn+0
――――――
―――
―
ウィッチ「どうですか?」
シェゾ「何がだ?」
ウィッチ「紅茶の味に決まっているでしょう! どれだけ鈍いのかしらね」
シェゾ「飲めないレベルではないな」
ウィッチ「ふん!」ゲシッ!
シェゾ「いてっ!……脛けるんじゃねえよっ!!」
ウィッチ「せっかく人が淹れてあげたのにそんな物言いはないでしょう! 礼儀も知らないのかしらこのヘンタイは!」
シェゾ「ヘンタイじゃねえし、そもそもそれとこれとは全然関係ねえだろうが」
9:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 01:52:09.84 ID:
miI8AUn+0
ウィッチ(まったく……せっかくとっておきの茶葉を使いましたのに)
シェゾ「で、明日からはいつ来ればいいんだ?」
ウィッチ(紅茶がそもそも好みじゃないのかしら? 意外とカフェオレとか飲んでるのかも……)
シェゾ「おい、ウィッチ」
ウィッチ「はっ……何かしら?」
シェゾ「オレは一週間おまえにこき使われることになったんだろう。これからはいつ来ればいいんだ?」
ウィッチ「そうですわね……じゃ、じゃあ、店じまいしてからでお願いしますわ」
ウィッチ(開店しているときに脇で動かれたら変な噂が立ってしまうかも知れませんからね)
10:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 01:53:20.07 ID:
miI8AUn+0
シェゾ「そうか。さて、もう日もとっぷりと沈んじまった。そろそろ帰らせてもらうぜ」
ウィッチ「明日遅れたら承知しませんわよ!」
シェゾ「分かってるわい!」
バタン!
ウィッチ「ふう……嫌がってた癖に自分から働く時間を聞いてくるなんて、シェゾも意外と律儀なところがありますわ」
ウィッチ「明日もアイツと二人きりで……」
ウィッチ「……」カアァァ
ウィッチ「ま、まあたっぷりと働いて貰いますわ! 荷物運びに掃除に陳列に……」
11:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 01:53:51.58 ID:
miI8AUn+0
シェゾ「まったく、明日も労働か……嫌になるぜ」
アルル「あれ、シェゾじゃん」
カーバンクル「ぐー」
シェゾ「アルルか。こんな夜遅くに何やってんだ?」
アルル「ボクはね、基礎の呪文を練習してたのさ」
シェゾ「……いつもだったら魔力を奪ってやるところだが、今のオレはそんな気分じゃない。幸運だったな」
アルル「……どうかしたの? なんか元気ないみたいだけど」
シェゾ「おまえには関係無い」
アルル「あ、わかった~。拾い食いでもしてお腹壊したんでしょ? シェゾいつもギリギリな生活してるもんね!」
シェゾ「……おまえって奴は本当にお気楽で能天気なガキだな。羨ましくなることはないが」
13:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 01:55:10.90 ID:
miI8AUn+0
アルル「……の、ノーテンキだって~~! このっ!」ゲシッ!
シェゾ「いてえっ! 脛蹴るなよ!」
アルル「シェゾが馬鹿だから悪いんだよ! 行こうカーくん! こんなヘンタイほっといてさ!」
カーバンクル「ぐー!」
シェゾ「ちっ……くそ……今日はいつもにもましてツイてねえ!!」
――――――
―――
15:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 01:55:56.80 ID:
miI8AUn+0
アルル(なにさ、シェゾの奴……ボクだって最初は心配してたんだよ?)テクテク
アルル(話す気が無いようだったからちょっとした冗談で場を和ませてからから聞くつもりだったのに)テクテク
アルル「ああ、もう、思い出したらまた腹が立ってきた!!」
アルル(……ん? でもこんな時間まで何してたんだろ? 来た道はダンジョンの方じゃ無かったし)
アルル(確か……シェゾが歩いてきた道を辿ればウィッチの店に着くよね?)ピタッ
アルル「…………」
カーバンクル「ぐー?」
アルル「あ、ごめんカーくん。足止めちゃってたね」
カーバンクル「ぐぐっ?」
アルル「うん、大丈夫。心配してくれてるんだね、ありがとう」
25:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 02:09:59.81 ID:5Ps0Spo90
いやあ、ボクっ娘っていいもんですね
20:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 02:01:53.72 ID:
miI8AUn+0
~次の日~
【ウィッチの店】
アルル「ウィッチ、これくれないかな」
ウィッチ「はいはーい」
アルル「…………」チラッ チラッ キョロキョロ
ウィッチ「……どうされましたの? 落ち着きなく店内を見回されて」
アルル「あ、いや、なんでもないよ! ところでさ、ウィッチ……」
ウィッチ「なんですの?」
アルル「昨日特訓の帰りにシェゾに会ってさ。とってもデリカシーないこと言われちゃったよ!」
ウィッチ「そうですの。まあ、シェゾが唐変朴なのは私も存じておりますけど……」
22:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 02:06:14.34 ID:
miI8AUn+0
アルル「あいつも進歩ないよねー。腹立ってきたよ。次会ったら勝負仕掛けてふっ飛ばしちゃうよ!」
ウィッチ「そ、そうですの……」
アルル「いつも困らされてるのにね。ウィッチもうんざりでしょ?」
ウィッチ「そうですわね。昨日も……あ」
アルル「?」
ウィッチ「いえ、なんでもありません」
アルル「! まあいいや。そろそろいくね」
ウィッチ「はい。ありがとうございました」
24:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 02:09:13.24 ID:
miI8AUn+0
アルル「またあいつに会わないように祈っておいてよ!」
ウィッチ「そう邪険にするほど悪いヤツでは……」ボソッ
アルル「ん、なんか言った?」
ウィッチ「いえ、なんでもありません! お気をつけて!」
アルル「……うん」
バタン
アルル「ウィッチも昨日……シェゾと何かあったんだ……!」
26:
忍法帖【Lv=15,xxxPT】 :2012/04/25(水) 02:10:07.55 ID:JWAHyBdw0
昼ドラ的展開wwwwww
27:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 02:10:39.10 ID:rd7j1xmv0
アルルするどい
18:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 01:58:54.32 ID:bt4DZAIc0
28:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 02:17:30.00 ID:
miI8AUn+0
アルル(もっと深く聞けば……いやいや、変に追求したら二人のことをボクがすごく気にしてるみたいじゃないか!)テクテク
アルル「くっそー……なんかモヤモヤするなあ。気付くとウィッチとシェゾのことばっかり考えてる」テクテク
アルル「ボクってそんなに噂好きな方じゃないのになあ……あっ」テクテク
シェゾ(もうそろそろ仕事の時間だな。ウィッチはうるさいから少し早めに行くか)
アルル「シェゾ!」
シェゾ「うおいっ! アルルか、驚かせるな!」
アルル「こんなところで会うなんて奇遇だね。勝負しようよ!」
シェゾ「……悪いな。今はそんな気分じゃねえんだ」
31:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 02:30:50.15 ID:
miI8AUn+0
アルル「どうして? いつもはシェゾの方から仕掛けてくるのに」
シェゾ「今は時間がないんだ」
シェゾ(あいつの店で働かされてるなんて知られたらオレの沽券に関わるな)
アルル「そんなこと言って~~本当はボクのこと怖いんでしょ。
奮発して魔導力を増加させる薬を買ったから試させてよ!」
シェゾ「へえ。値が張るのによく買えたな」
アルル「そうだよ、ボクはキミと違って貧乏って訳じゃ……って、なんで高いものだって知ってるの?」
シェゾ「! そりゃ、ウィッチの店に置いてあったもんだから……」
アルル「……ボクは今日初めて見かけたんだけど、結構前から置いてたのかな」
シェゾ「オレも知らんが多分そうだろ。ていうかもういいだろ。あばよ!」
フッ
アルル「あっ! テレポート……」
33:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 02:39:41.79 ID:
miI8AUn+0
【ウィッチの店】
パッ
シェゾ「ふう……」
シェゾ「店内に直接ワープしたが……ウィッチはどこだ。閉店時間にはまだ早いはずだが……」
「ふんふんふ~ん♪」
シェゾ「風呂場か。そういや、店の奥に居住スペースがあるんだったな。でもなんでこんな時間に……」
【風呂場】
ウィッチ(今日はシェゾをまた二人きりになりますからね。あんなヤツとはいえ男ですから、汚れたところは見せたくありませんわ)ゴシゴシ
ウィッチ(~~♪)
ウィッチ(今日はカフェオレでも出してやりましょうかしら……♪)
35:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 02:45:58.32 ID:
miI8AUn+0
ウィッチ「ふう……さっぱりしましたわ」
「おーい」
ウィッチ(シェゾの声!?)
ウィッチ「ちょ、ちょっとなんで既にここにいるんですの? 約束の時刻より大分早いですわよ!」
「いいだろ、別に!」
ウィッチ「ぜ、絶対にこっちに来てはいけませんわよ! 来たらメテオの刑ですわよ!!」
ウィッチ(あああ! きっと遅刻ぐらいしてくると思ってましたのに!)
36:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 02:51:56.95 ID:
miI8AUn+0
――――――
―――
―
ウィッチ「お待たせしましたわ」
シェゾ「こんな時間に風呂かよ? 女ってやつはよく分からんな」
ウィッチ「お、お店で働いているときに汚れてしまったのですわ!」
シェゾ「それで仕事にならなくなって閉店時間を繰り下げたのか」
ウィッチ「そうですわ!」
ウィッチ(本当は汚れてなんかいませんでしたけど、そういうことにしておきましょう)
37:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 03:01:57.31 ID:
miI8AUn+0
ウィッチ「本来なら閉店後の仕事で汗をかくのですが、今日はシェゾが代わりに働いてくれますからね」
シェゾ「ま、お手柔らかに頼むぜ。で、今日の仕事は」
ウィッチ「商品の陳列を頼みますわ。需要が減ってきたものは取り除いて、売れ筋をより目立つように。
利益率が高いものはその隣に置いて目に付くようにします。店内用のポップも作りたいのですが……これは私がやりますわ」
シェゾ「……結構本格的に営業してるんだな。いろいろ考えてるわけだ」
ウィッチ「な、なんですのその意外そうな目は! わたくしだって遊びでお店を開いてる訳ではないんですからね!
ヘンタイ魔導師には分からない世界でしたかしら!?」
シェゾ「ちっ。そう突っかかってくんなよ。並べる品は奥だな? まずは需要が低いものを取り除こうぜ」
ウィッチ「……そ、そうですわね」
シェゾ「商品入れる木箱なり籠なりがあるだろ。どこにある」
ウィッチ「ああ、それなら―――」
40:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 03:13:13.57 ID:
miI8AUn+0
――――――
―――
―
シェゾ「ふいー……疲れた」
ウィッチ「お疲れさまでしたわ! はい、どうぞ。カフェオレですわ」
シェゾ「お……」
ウィッチ「シェゾ、今日はありがとう。陳列だけやって貰うつもりだったのに、棚の配置換えまでやって頂いて……」
シェゾ「時間が余ったからついでに片づけただけだ!」
ウィッチ「ふふふ。結構いいとこあるじゃない」
ウィッチ(塔でおばあちゃんを助けてくれたときといい、シェゾってば妙に面倒見がいいところがありますわね)
シェゾ「それより作業中ずっと気になってたが、おまえは風呂上りにそんな薄着でいいのか? 薄い生地に半袖で……」
ウィッチ「もう春ですから大丈夫ですわ。わたくしだっていっつもあの服装というのは暑くて困りますからね」
41:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 03:20:02.21 ID:
miI8AUn+0
ウィッチ(ふふふ……♪ なんだか変に嬉しい気持ちになってきましたわ)
シェゾ「どうした。ぼーっとして……熱でもあるんじゃないか?」
ウィッチ「い、いえ! それよりもうそろそろお帰りにならなくていいのかしら!?」
シェゾ「……なあ、ウィッチ」
ウィッチ「なんですの……?」
ウィッチ(まさか……「今日は帰るつもりはない」とか…………)ドキンドキン
シェゾ「カフェオレおかわりあるか?」
ウィッチ「へ?」
44:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 03:22:37.54 ID:Lv8gudgD0
カフェオレ派か気が合うな
46:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 03:24:22.35 ID:dFMfD0DE0
俺もカフェ・オー↑レ派だわ
47:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 03:27:54.95 ID:
miI8AUn+0
――――――
―――
―
シェゾ「ふわぁあ……柄にもなく熱心に働いちまったな」
シェゾ「もうテレポートで帰るか。昨日みたく風に当たって気を鎮めたい気分でもないし……お?」
カーバンクル「ぐっぐー!」
シェゾ「げ、おまえか。一人か? アルルはどうした?」
カーバンクル「ぐぐっぐー!」ゲシッ
シェゾ「いてっ! 脛蹴るなって!」
50:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 03:33:49.98 ID:
miI8AUn+0
カーバンクル「ぐぐー!」ゲシッ! ゲシッ!
シェゾ「やめろっつってんだろうが!! この……」ハッ
シェゾ(蹴り飛ばしてやりてえがアルルに恨みごと言われて面倒なことになるかも……)
シェゾ「くそっ……」
カーバンクル「ぐぐっ……ぐっ!?」
ドカッ
カーバンクル「ぐうっ!?」
てのりぞう「ぱおーん!」ドカッ
シェゾ「お、おまえかあ! 面倒見れないから逃がしたのに」
51:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 03:38:46.24 ID:
miI8AUn+0
シェゾ「助かったぜ! ほら、こっちこい! ビームで焼かれるぞ!」
てのりぞう「……」コクリ
フッ
カーバンクル「ぐぐぅ」
「カーくん、いくらシェゾでもいきなり蹴ったらダメだよ」
カーバンクル「ぐー」
アルル「うん? ボクを困らせるからだって? あ、気付かれてたかあ……」
アルル「やっぱり、ウィッチの店の方から歩いてきたよね……二日連続で……」
アルル
53:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 03:44:28.04 ID:
miI8AUn+0
~次の日~
【ウィッチの店】
アルル「こんにちは」
ウィッチ「おいっす!」
アルル「ちょっと、昨日買った薬のことで聞きたいんだけどさ」
ウィッチ「はい」
アルル「これっていつ頃から店先に並べてあったものなの?」
ウィッチ「ああ、それならアルルさんがお越しになられた日の朝に店の奥から出したものですわ」
アルル「そっか。ところで昨日はシェゾは来たのかな?」
ウィッチ「は……い、いえ」
アルル「ふーん……」
ウィッチ「な、なんでそんなことをお尋ねになるのかしら?」
54:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 03:49:15.73 ID:
miI8AUn+0
アルル「いやー別に」
ウィッチ「そ、そうですの……くしゅん!」
アルル「どうしたの? 風邪?」
ウィッチ「風邪というほどのことでは……くしゅん!!」
アルル「なにか身体を冷やすような真似でもしたの?……はっ」
アルル(まさかシェゾと……)ポワポワポワ~ン
アルル(な、何を考えてるんだよボクは!!)カアァァァ
57:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 03:56:37.10 ID:
miI8AUn+0
アルル「そっか……お大事にね。じゃあボクは行くから……」
ウィッチ「またのお越しを……くしゅん!!」
バタン
アルル「絶対だよ! 絶対シェゾとウィッチは二人でなんかやってる!!」
カーバンクル「ぐぐっ?」
アルル「べっつにシェゾが誰と何してようが構わないけど、なんかイライラするなあ……」
アルル「……そうだ! もういっそのことウィッチの店を張ってようかな!
どうせボクの想像なんて外れてるに決まってるんだし、それを確かめるだけだよ」
カーバンクル「ぐー!」
アルル「そうだよ、うん。精神衛生上の問題になってるからね」
アルル(でも、もし……想像通りの関係だったら……ボクは……)チクリ
58:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 04:03:47.25 ID:
miI8AUn+0
――――――
―――
―
【ウィッチの店】
パッ
シェゾ「よう」
ウィッチ「ひゃあ! 突然現れるから驚きましたわ! テレポートは控えて!」
シェゾ「歩いていこうとすると面倒なヤツに会うんだよ」
ウィッチ「まあ、いいですわ。今日の仕事は……くしゅん! ううぅ」ブルブル
シェゾ「おい、風邪か? 大丈夫かよ」
ウィッチ「心配には……くしゅん!……及びませんわ……」フルフル
シェゾ「……無理すんなよ」
59:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 04:10:41.47 ID:
miI8AUn+0
シェゾ「窓もカーテンくらい引けよ、結構室温変わるぞ。今日は昨日より寒いのに」
ウィッチ(やってくるシェゾが見たかったからなんて言えませんわ)
ウィッチ「今日の仕事は……そうですわね、お掃除でも頼みましょうかね」
シェゾ「ああ……顔真っ赤だが、平気なのか?」
ウィッチ「道具は……っ」フラッ
シェゾ「! おっと!」トサッ
ウィッチ「はぁ……はぁ」
シェゾ「おい、大丈夫か!?」
60:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 04:14:56.28 ID:
miI8AUn+0
シェゾ「と、とりあえず奥の部屋に運ぶぞ!」
ウィッチ「……ふぅ……はぁ……」フルフル
シェゾ「持ち上げるぞ。よっと」ヒョイ
ウィッチ「シェ、シェゾ……」
ギュッ
シェゾ「ど、どうした!?」
ウィッチ「行かないでね……」
61:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 04:19:47.34 ID:
miI8AUn+0
アルル「遠巻きにウィッチの店を張ってるけど……シェゾ来ないなあ」
アルル「やっぱりボクの思い過ごし?」
アルル「きっとそうだよね。帰る前にちょっと窓を覗いていこっと……」トテトテ
シェゾ「わかったわかった。居てやるから。じゃあベッドに行くぞ」
ウィッチ「そっと運んでね……」ギュッ
シェゾ「おう。でも服を掴むなよ……」
アルル「…………………………!!」
64:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 04:25:19.20 ID:
miI8AUn+0
シェゾ「うん?……ア、アルル!? 何をやって……」
ウィッチ「アルルさん……!? み、見られ……」ボンッ!
シェゾ「ちっ!」
【ウィッチの部屋】
シェゾ「下ろすぞ」
ポスッ
ウィッチ「……うう……うううぅぅ」カァァァァ
シェゾ「こりゃひどい熱だ。顔もますます紅潮してるな」
ウィッチ(それは別の理由ですわ……)ドキドキドキ
65:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 04:30:56.63 ID:
miI8AUn+0
シェゾ「風邪薬も置いてたな。取ってくるから待ってろ」
ウィッチ「ありがとう……」
シェゾ「安静にな」
バタン
シェゾ(アルルに知られちまったかもな……こんなカッコつかねえところを……くそ)ゴソゴソ
シェゾ(思えば俺は『神を汚す華やかなるもの』だったはず……どうしてこんな真似してるんだろうな)
シェゾ「あった。水を汲んで持っていってやるか」
66:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 04:38:31.73 ID:
miI8AUn+0
――――――
―――
―
シェゾ「落ち着いたかよ?」
ウィッチ「ええ。薬に毛布に氷枕に……助かりましたわ……くしゅん!」
シェゾ「水、また入れて来てやろうか?」
ウィッチ「お願いできますかしら」
シェゾ「ああ」
バタン
ウィッチ(アルルさんには、やはり前々から疑われていたんでしょうね)
ウィッチ(先ほどのアルルさんの顔……単純な驚きだけが浮かんでいるのではありませんでした)
ウィッチ(ごめんなさい……シェゾと一緒にいたいのは私だけではなかったのですね)
67:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 04:49:03.52 ID:
miI8AUn+0
アルル「はぁっ、はぁっ、はぁ…………」
アルル(思わず走って逃げ出しちゃった)
アルル「やっぱり想像した通りだった。外れてて欲しかったけど……的中しちゃった」
カーバンクル「ぐぐっ……」
アルル「二人ともボクには黙ってたのに! はぐらかしたり嘘ついたりさ!」
アルル「どうして本当のことを言わなかったんだよ! ボクには関係ないことなのにどうして……」
アルル「目立つ関係になるのが嫌だったから? それとも単に面倒だったから?」
アルル(まさか、ボクの気持ちに気付いてて……それで……二人で笑ってたのかも……!?
秘め事のときにボクを笑って話の肴にしてたのかな)
アルル「いや、そんな訳ない! でも、嫌な想像ばっかり湧いてくるよっ……!」
カーバンクル「ぐぐっ……ぐっ!」
アルル「うん? どうしたの? ……え?」
68:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 04:54:32.05 ID:
miI8AUn+0
シェゾ「…………」
ウィッチ「ねえ、シェゾ。悪いんだけど着替えを置いてくれませんか?」
シェゾ「き、着替えだと? 構わねえけど、お、おまえはいいのかよ!?」
ウィッチ「ええ。そこの箪笥の下から二段目にパジャマが入っていますの
間違っても一番上の段は開けないでくださいね」
シェゾ「お、おう。この箪笥だな」
シェゾ「…………」ゴソゴソ
ウィッチ「……なにか想像してませんか?」
シェゾ「なわけねえだろ!」
69:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 05:01:52.12 ID:
miI8AUn+0
シェゾ「ほらよ。薬を飲んだんだから安静にしてろよ」
ウィッチ「ええ……そうだ。シェゾ、退勤時間を大幅にオーバーしていますわね」
シェゾ「そうか。もう深夜になるな」
ウィッチ「……」ドキドキ
シェゾ「…………」
ウィッチ「もう、帰ってもいいですわよ。あなたに風邪が移るかもしれませんわ」
シェゾ「いいのか? いや、おまえが『行かないでね』なんていうからよ。帰るタイミングがつかめなかったのも事実だが」
ウィッチ「な! わたくしがいつそんなことを!?」
シェゾ「倒れたときだよ。俺の服掴みながら呟いてたじゃねえか」
70:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 05:06:00.53 ID:
miI8AUn+0
ウィッチ「えっと……あ、そう言えば……」カアァァァ
シェゾ「帰らせてもらえるならありがたい。明日は大人しくしてろよ。店も開けるなよ」
コンコン
シェゾ「ん? 来客か?……まさか」
ウィッチ「……」
シェゾ「どうする?」
ウィッチ「シェゾは下がってて。店の主人はわたくしですから」
71:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 05:10:51.91 ID:
miI8AUn+0
ウィッチ(恐らくアルルさんでしょうね……わたくし、逃げませんわ)テクテク
ガチャ
アルル「ウィッチ! 大丈夫!?」
ウィッチ「え? は、はい。なんとか」
アルル「風邪ひいてるんでしょ!? 果物とかよく風邪に効く草を持ってきたよ!」
カーバンクル「ぐー」
てのりぞう「ぱうぅぅ」パシャ
ウィッチ「え、ええ!?」
アルル「おかゆ作ってあげるね。ささ、大人しくベッドに戻って!」
73:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 05:18:01.48 ID:
miI8AUn+0
シェゾ「アルル……!?」
アルル「やあ、シェゾ。お勤めご苦労さま。もう二度とお店のもの壊しちゃだめだよ!」
シェゾ「は? おまえ、俺がここで働いてることを知ってるのか」
アルル「うん! この子が教えてくれたんだ」
てのりぞう「ぱおー」パシャ
シェゾ「こいつが?」
アルル「シェゾ~~キミ、この子に写真取られてることに気付かなかったの?
ビンを割ったシーンとか棚作ってるシーンとか、珍しいシェゾがたくさん見られたよ!」
シェゾ「そっか……」
シェゾ(まあ、てのりぞうのおかげで拗れずに済んだのは事実か)
74:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 05:30:13.91 ID:
miI8AUn+0
アルル「ウィッチ、台所借りるね。そうだ、シェゾの分も作ったげるよ! 二人分も同じだし。
栄養が付く野菜も入れてるから、不摂生なシェゾにはぴったりだよ」
シェゾ「そういや、オレも腹が減ってるな。ごちそうしてもらえるとはありがたい」
ウィッチ「アルルさん……」
アルル「ふんふんふ~ん♪」トントントン
アルル(まったく、本当のこと知ったら拍子抜けしちゃったよ。
てのりぞうくんが言ってたことをカーくんに翻訳してもらわなかったら、ずっと勘違いしたままだったなあ)
アルル「え~と、お鍋は……」
ウィッチ「あ、しばらく使わなかったもので天井近くの棚に置いていますわ」
アルル「あそこかあ。う~ん、背伸びしてもギリギリか……なかなか取れない」グイグイ
ズボッ
アルル「あっ!」フラッ
シェゾ「!」トサッ
てのりぞう「ぱおーん!」パシャ
75:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 05:41:35.68 ID:
miI8AUn+0
――――――
―――
―
~二日後~
シェゾ「ふう! 予定より早く解放されたぜ!」
てのりぞう「ぱおーん!」
シェゾ「しかし、どうしてだろうな? やっぱりウィッチが風邪ひいたとき長時間働いたからか?」
てのり「……」パシャ
シェゾ「そういや、おまえのおかげで面倒ことが増えるのを避けられたんだよな。ありがとよ」
アルル「やあ、シェゾ」
シェゾ「アルルか。むう……今日は見逃してやる。行け」
アルル「ボクだって戦う気はないよ」
シェゾ「なら好都合だ。オレはこれ以上女どもに掻き乱されるのは勘弁だぜ」
アルル「ふん、ベーだ!」
76:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 05:50:02.26 ID:
miI8AUn+0
【アルルの家】
アルル「さてと、カーくんはてのりぞうくんと遊びに行ったし」ゴソゴソ
アルル「シェゾがボクを支えてくれた写真をじっくり見れるね!」パッ
アルル「ふふ、シェゾってばいいとこあるのに、もったいないなあ。顔も悪くないのに」ニコニコ
【ウィッチの家】
ウィッチ「てのりぞうから譲って貰ったこの写真……いつ見てもいい気分になりますわ」
ウィッチ「その代わりシェゾを閉店後の労働から解放するよう頼まれましたけど、安いものですわ」
ウィッチ「うふふふふ……カッコいいですわね。交渉に手間取った甲斐がありましたわ。
王子と言っても通用するのに、なんでああも抜けてるんでしょうか」
77:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 05:54:09.18 ID:
miI8AUn+0
ウィッチ「ふふふ……いつも携帯しておきましょう」ニコニコ
アルル「滅多に見れないけど、いいとこあるんだよね」ニコニコ
シェゾ「ふう……」
シェゾ「ゆっくり休むのも久しぶりな気がするな。そして……」ゴクリ
シェゾ「うむ。やはりカフェオレはうまい」
おしまい
78:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 05:54:25.40 ID:
miI8AUn+0
見てくれた皆、ありがとう
79:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 05:55:30.43 ID:U7QkTe4m0
マジ乙
これで心置きなく眠れる
80:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 06:15:44.83 ID:
miI8AUn+0
結構魔導キャラ知ってる人多いんだな
ぷよ魔導系のSSでこういうの読みたいっていうのある?
81:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 06:23:08.11 ID:rBrXniIaO
わくぷよ設定のシェゾとセリリのイチャコラが見たいです
82:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 06:32:54.73 ID:
miI8AUn+0
セリリ可愛いよね
コンパイルは時代の先見過ぎ
今でも通用する設定のキャラをずっと昔に世に出してたんだよな
84:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 07:02:42.49 ID:qJcDROw9O
乙乙
凄い楽しめた、機会があれば次もよみたいな
85:
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/25(水) 07:39:05.29 ID:DxDTFp9Di
乙
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