主人公「うわっ……俺の強さランク、低すぎ……?」

2011-12-30 (金) 18:02  オリジナルSS   7コメント  
1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 00:38:24.53 ID:cmqIXiHo0

<町のカフェ>

主人公「おはよう、相棒。お前もモーニングコーヒーか」

相棒「おお、おはよう」ガサッ

主人公「朝っぱらからカフェで新聞とはシャレてるじゃんか。さすがインテリ」

相棒「インテリじゃなくても新聞くらい目を通すだろうが……」パサッ

主人公「俺は情報は読むんじゃなく、実際に目で見て入手する主義なんでな」

相棒「はいはい」

主人公「ところで、なんか面白い記事あったか?」

相棒「相変わらず、帝王を称える記事がほとんどだな」バサバサッ

相棒「あとは──え~っと……」ペラッ

相棒「お。なんか外の世界で、俺たちの世界の強さ議論が流行ってるそうだぞ」




3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 00:42:51.75 ID:cmqIXiHo0

主人公「強さ議論? なんだそりゃ」

相棒「外の世界の奴らが俺たちの活躍度合いを分析して、強さの序列を決めるらしい」

相棒「けっこう議論が白熱してるってハナシだ」

主人公「っかぁ~~……くだらねェ」

主人公「そんなこと議論するヒマがあったら、テメェの強さを磨けっていいたいね」

相棒「ハハ、お前ならそういうと思ったよ」

相棒「えーと、他に面白いニュースは……と」バサバサッ

主人公「おい」

相棒「なんだ?」

主人公「その序列って新聞に載ってるのか?」

相棒「ああ」

主人公「ちょっと見せろ」バッ

相棒(興味あるんじゃん……)



5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 00:47:17.08 ID:cmqIXiHo0

主人公「どれどれ……」



【強さランキング】

S 帝王

A 師匠 四天王(雷) ドラゴン

B 相棒 四天王(炎) 四天王(笑) 忍者

C 町民A 四天王(水) アサシン ナイト 盗賊団ボス

D 町長 主人公 盗賊団員 カフェ店員 町民B 

E ザコ カス ゴミ クズ ダニ

※同ランク内は左の方が強い



主人公「……ふ~ん」



6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 00:50:37.76 ID:3LrTHcdg0

(笑)で吹いた



8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 00:51:48.08 ID:GAtugg3K0

町民A何者だよ



10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 00:53:33.83 ID:1iecamlrO

四天王の一人より強い町民とかこえーよwww



7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 00:50:39.34 ID:cmqIXiHo0

主人公「Dってことは、俺の評価は中の上~上の下ってとこか。まあまあだな」

相棒「!?」

主人公「強さをひけらかすタイプでもないし、このくらいで十分だ」

相棒「え、え……?」

主人公「相棒はBか……。もう少し努力した方がいいかもな。今から特訓やるか?」

相棒「お、おい主人公」

主人公「ん?」

相棒「お前、ランキングの見方、ちゃんと分かってるか?」

主人公「どうって……アルファベットが大きい方が評価が高いんだろ?」

相棒「逆だよ! Eが最低で、小さいアルファベットの方が上なんだよ!」

主人公「え、マジで?」



9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 00:53:19.60 ID:cmqIXiHo0

主人公「──ってことは俺はDだから……ん?」

主人公「一番上のSってなんだよ」

相棒「ん~……多分スペシャルかなんかの略で、Aよりも上って意味だよ」

主人公「じゃあSから数えて、A、B、C、D……。D……D……」

主人公「うわっ……俺の強さランク、低すぎ……?」

相棒「低すぎってことはないだろ。まだ下にEがあるんだから」

主人公「Eなんてザコとかダニとか、ろくなのがいねーじゃんか!」

主人公「実質Dが最低ランクだぞ、この表!」

相棒(それはいえる)



12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 00:57:28.68 ID:cmqIXiHo0

主人公「とりあえず上から……一番上のSは帝王か。これは妥当だな」

主人公「Aランクには──師匠!? 師匠こんなに強かったのかよ!」

主人公「免許皆伝くれたけど、俺はDで師匠はAってどういうこと!?」

主人公「俺、とっくに師匠超えしてるとばかり……」

相棒(きっと才能なかったから、免許皆伝の基準を下げてあげたんだろうな)

相棒(あるいは育てがいがないから、さっさと追い払いたかったとか……)

主人公「くそっ、今度家行って問い詰めてやる!」

主人公「あとは、ん~……やっぱAランク、Bランクはそうそうたるメンツだな」

相棒「四天王やドラゴンなど、猛者ばかりが集っているな」

主人公「……いや、ちょっと待てよ」



14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 01:00:37.25 ID:cmqIXiHo0

主人公「なんでお前がBなんだよ! しかも一番左(トップ)じゃねえか!」

相棒「知らないよ。議論してる奴らに聞いてくれ」エヘッ

主人公「なんだよ、なんかちょっと嬉しそうな顔しやがって!」

主人公「そういやさっき、さりげなく自分も猛者扱いしてたしよ!」

主人公「心の中で俺のことを、D野郎とか思ったんだろ!?」

相棒「お、思ってないよ(D野郎……プッ)」

主人公「俺がDで、お前みたいなインテリがBとか、全然納得できねーわ」

相棒「俺に悪態ついてもしょうがないだろ……」

主人公「勝負しろよ」

相棒「え?」

主人公「お前を負かして、俺もA~Bランクの実力があるって証明してやるよ」



15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 01:01:56.66 ID:KqaTGlu60

この主人公は力で勝っても頭で負けるタイプだな



16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 01:04:15.02 ID:cmqIXiHo0

相棒「大丈夫か?」

主人公「いってぇ……マジで殴りやがって……くっ」

相棒「お前がいきなり飛びかかってくるからだろうが。ビックリしたよ」

主人公「へへへ……でも今の攻撃で分かったぜ」

相棒「?」

主人公「お前と俺の実力は、BとDって2ランクも差がつくほど離れちゃいない」

主人公「2ランクも差があったら、俺は無事じゃ済まなかっただろうしな」

主人公「俺が一つ上のCなのか、はたまたお前がCなのか、のどちらかだ」

相棒「………」

主人公「まぁ、そろそろこの話題はやめて──」

相棒「もう一回やろうか」

主人公「え?」

相棒「BランクとDランクの差、思い知らせてやるよ」



17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 01:05:27.78 ID:KqaTGlu60

ダメだwww力でも頭でも負けてるwwww



18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 01:09:32.21 ID:cmqIXiHo0

主人公「は、はが……かっ……!」

相棒「ミゾオチに本気で入れたからな、しばらく立つどころか、しゃべるのも無理だろう」

主人公「ふぉっ、ごほっ……(こ、こいつ、こんなに強かったのか……!?)」

相棒(少しやりすぎたかな)



主人公「ふう、ようやく呼吸が落ち着いてきたぜ」

相棒「悪かったな、俺もついムキになってしまった」

主人公(おかげで自信がつきました、ってツラにしか見えねーよ)

主人公「ちくしょう……。なんとか強さランクを昇格させたいな」

相棒「いきなりBってのはやはり荷が重かったんだよ。BはAのすぐ下なわけだし」

相棒「まずはBより格下のCから攻略すればいいんじゃないかな。Bはまだまだ先だな」

主人公(クソッ! B、Bと強調しやがって、このB野郎!)

相棒「じゃあ、そろそろ店を出ようか」ガタッ



19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 01:13:23.95 ID:cmqIXiHo0

相棒「はい、コーヒー代」チャリ

カフェ店員「どうもありがとうございました」

主人公「………」ジーッ

カフェ店員「お客様? なんでしょうか?」

主人公「………」


D 町長 主人公 盗賊団員 カフェ店員 町民B 


主人公「お前、俺より下だな」ニヤッ

カフェ店員「は……?」

相棒「よ、よせよっ! 出るぞっ!」グイッ

カフェ店員「………」

カフェ店員(なんかムカついたぞ……)



20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 01:16:21.27 ID:cmqIXiHo0

<町>

主人公「よし、Cランクのだれかと戦うか。え~と、メンツは……」ガサッ


C 町民A 四天王(水) アサシン ナイト 盗賊団ボス


相棒「水の四天王と盗賊団ボスは、もう俺らが倒したから除外だな」

主人公「なんで俺たちが倒した相手が、俺よりランク上なんだよ。おかしいだろ」

相棒(二人とも、ほとんど俺が倒したようなもんだったしな)

主人公「アサシンは神出鬼没だし、ナイトは城に行かないと会えないからなー」

相棒「じゃあ、消去法で町民Aだな」

主人公「よし、見つけ次第ぶっ倒してやる」

相棒(気の毒に……)



21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 01:18:31.61 ID:cmqIXiHo0

町民B「~♪」スタスタ

主人公「お、さっそく出やがったぜ」

相棒「待て、あいつは町民Bだ。Aじゃない」

主人公「チッ、お前と同じB野郎か。町民Bの強さはどんなだ?」

相棒「え~と……お前と同じDだ。Dの一番右だから、お前より下だな」

主人公「えっ、俺より下なの!? よっしゃ!」スタスタ

町民B(主人公さん……?)

主人公「よう」ジーッ

町民B「ど、どうも。どうかしたんですか? 私の顔になんかついてます?」

主人公「お前は俺より──下だ!」ニヤッ

町民B「えっ?」

相棒「いやいやいやいや、何でもない何でもないんだ。こっち来い!」グイッ

町民B「………」

町民B(なんか腹が立ったぞ……)



22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 01:22:49.33 ID:cmqIXiHo0

相棒「いた、町民Aが歩いてる」

主人公「よし……」スタスタ

町民A「あ、主人公さんじゃないっすか」

主人公「よう、俺と勝負──」

町民A「あ、今朝の新聞読みました? 主人公さんDだったんスね、主人公なのに」

町民A「いやぁ~ちなみに自分はCだったんスけどね。あ、CってDより上っすよ」

町民A「主人公さん……Dって! Dはないっしょ! だって実質最下層じゃないスか」

町民A「主人公さんってDをデーって発音しそうっすよね。色々と頭が古そう、悪い意味で」

町民A「あ、なんか涙ぐんでます? いやメンタルもDランクなんスね~ハハ」

町民A「Dとか自殺するレベルっすよ。Dじゃいくら主人公さんでも尊敬できねっすわ」

主人公「うっ……うるせぇぇぇっ!」

バキッ



23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 01:25:27.42 ID:cmqIXiHo0

主人公「げ、げほっ……(負けた……)」

町民A「いやぁ~図星突かれたからって殴りかかるとか、主人公さんマジDっすね!」

町民A「しかも先手打っておいて負けるとか、主人公さんのD級っぷりパネェっす!」

町民A「もうDすぎて、お先真っ暗っすね! Dとかないっすわ、ジッサイ!」

町民A「もう終わりっすか? Dパワー炸裂させて、立ち上がってDって下さいよ!」

相棒「おい」ポン

町民A「ん? なんスか?」

相棒「俺はそいつの相棒なんだけどさ」

町民A「え、あの……」ガクガク

相棒「俺のランクも知ってるみたいだな。じゃあこれからどうなるかも分かるよな?」

町民A「いや……えぇと……その、っすね……」ブルブル

相棒「選手交代。第二ラウンド始めようか」



24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 01:28:58.34 ID:KqaTGlu60

何だ、相棒が主人公か

え?



25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 01:30:54.56 ID:cmqIXiHo0

町民A「ピクピク」

相棒「立てるか?」スッ

主人公「……大丈夫だ」

主人公「すまねェな、助けてもらって。さすがに自分が情けなくなったぜ」

相棒「いや、これはお前の悩みに真剣に取り組まなかった俺のせいだ」

主人公「なにいってんだよ、ハハ」

相棒「俺はお前より2ランクも上に評価されて、正直舞い上がっていた」

相棒「だがお前が町民Aにバカにされてる時、なんだか自分のことのように腹が立ってな」

相棒「やっぱり俺だけBランクなんておかしい、と感じたよ」

主人公「なんだよ、急にしおらしくなるなよ。もう気にしてねーし」

相棒「……ダメだ。お前のランクを上げなければ、俺の気が済まない」

相棒「目標は、一週間以内にAランク入りだ」

主人公「───!」

主人公(目標高すぎじゃね……!?)



26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 01:32:33.59 ID:cmqIXiHo0

翌日──

主人公(一週間以内かぁ~、とりあえず今日はもう一度町民Aに挑むか……)

相棒「おはよう」

主人公「よう」

主人公「さっそく町にランク上げに行くから、一緒に来てくれよ」

相棒「悪いが、今日ちょっと用事があってな」

主人公「え?」

相棒「すぐ戻るよ」スタスタ

主人公「ちっ、なんだよオイ」

主人公(俺にあんなムチャ目標立てておいて、結局放置プレイかよ)

主人公(まあいいや、俺は俺で頑張らないとな)



27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 01:36:50.79 ID:cmqIXiHo0

主人公(町民Aはどこかな~、と)

カフェ店員「昨日はどうも」ザッ

主人公「ん? ああ、カフェの人か。今日は店じゃないの?」

カフェ店員「休みをもらったんですよ、大事な用があるんで」

主人公「ふうん。じゃあまた今度寄らせてもらうよ」クルリ

町民B「こんにちは、主人公さん」ザッ

主人公「おお、町民Bじゃないか。アンタとも昨日会ったな(町民Aを探したいのに……)」

カフェ店員「ふっふっふ」

町民B「くっくっく」

主人公「?」

町民B「主人公さん、今ここにいる3人の共通点、分かります?」

主人公(な、なんだよ突然)



28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 01:38:25.99 ID:cmqIXiHo0

主人公「いや……分からないんだけど」

町民B「ハハハ、実はですねえ、ここにいる3人は全員Dクラスなんですよ」

主人公「(強さランキングの話か)あ、あぁそういやそうだった。奇遇だな」

カフェ店員「この中で一番序列が上なのは、あなただ」

主人公「ん……あぁ、たしかそうだったな」

町民B「だから昨日、私をバカにしたんですよね。俺が上だ、って」

主人公「!」



29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 01:39:29.38 ID:cmqIXiHo0

町民B「最初はなんのこっちゃと思いましたが、あの記事読んで、意味が分かりましてね」

主人公「いや、別に悪気があったわけじゃ……」

カフェ店員「ボクもいわれました。あの言葉、けっこう傷つきましたよ」

町民B「私たち意気投合しましてね、今日は二人がかりで腹いせさせてもらいます」

主人公「おっ、おいやめろっ──!」



30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 01:41:03.82 ID:cmqIXiHo0

翌日──

主人公「う……ん……」

主人公「朝か……」

ガバッ

主人公「くそっ、一晩寝ても体中がいてぇ……!」

主人公「あそこまでやるか、フツー。たしかに俺も悪かったけどよぉ」

主人公「相棒も帰ってこなかったし、なんなんだアイツ! ちょっと無責任だぞ」

主人公「ちぃぃっ! とにかく今日こそ町民Aと戦って勝つ!」



32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 01:43:18.69 ID:cmqIXiHo0

<町>

主人公「おい」

町民A「!」

主人公「勝負しろっ!」

町民A「また来たんスか、D級主人公さん。またD的なやられ方するだけっすよマジで」

町民A「こないだやられたのにまた来るとか超D的発想っすわ。学習していないんスか?」



34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 01:45:39.41 ID:cmqIXiHo0

町民A「強さもDで、メンタルもDで、IQもDっすか? 人生詰んでるっすよ100%」

町民A「こっちも忙しいし、Dとかにかまってられないんスわ。自分、ランクCっすから」

主人公「うるさい! こっちは相棒にムチャ目標立てられてんだ! 勝負!」

町民A「全然イミフっす。まーCとDの格差社会をレクチャーしてやるっすよCDっぽく」

町民A「CDってコンパクトディスクじゃないっすよ、あんたの死のカウントダウンっす」

町民A「あ、俺CだしCのカウントダウン、なんつって! やっべ俺マジCすぎて惚れる」

主人公(ウゼェ……)



35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 01:48:08.34 ID:cmqIXiHo0

主人公「ぐはぁっ……!(また、負けた……)」

町民A「DEATH寸前っすね、さすが主人公さん。マジDな弱さパネェっす!」

町民A「いや~Dってマジ最悪っすよね。主人公さん、Cな俺の足元にも及んでないっす」

町民A「でもDなあんたボコって、またBっぽい相棒さん来ちゃうとメンドーなんで」

町民A「このへんにCとくっすよ、マジもう来ないで、Dなんかと関わりたくねェし」スタスタ

主人公「うぅ……」ガクッ



36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 01:49:36.77 ID:cmqIXiHo0

主人公「………」

主人公「あ~体動かねぇ」

主人公「俺、よええ……」

主人公「もう、いいや……めんどくせェ」

主人公「Dでいいよ、Dで……」

主人公「明日、町長になんとか勝って、とりあえずDのトップで我慢しよう」



39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 01:54:56.05 ID:cmqIXiHo0

翌日──

主人公(また強さ議論が載ってる……変動があったのか?)

主人公「………!」ワナワナ


【強さランキング】

S 帝王

A 師匠 四天王(雷) ドラゴン

B 相棒 四天王(炎) 四天王(笑) 忍者

C 町民A 四天王(水) アサシン ナイト 盗賊団ボス

D 町長 盗賊団員 カフェ店員 町民B 

E 主人公 ザコ カス ゴミ クズ ダニ

※同ランク内は左の方が強い



主人公「……どうなってんだ、こりゃ」



40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 01:56:38.80 ID:cmqIXiHo0

主人公「おかしい!」

主人公「絶対おかしい! どういうこと!?」

主人公「なんで俺のランクがEに落ちてんだよ!」

主人公「まさか……おとといカフェ店員と町民Bに負けたからか!?」

主人公「あんなもん、二人がかりじゃねーか! ノーカウントだろうが!」

主人公「同じランク内で一対二とか、勝てるわけねェじゃん!」

主人公「クソッ!」グシャグシャ ポイッ



41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 01:58:34.91 ID:cmqIXiHo0

主人公「クソッ、クソッ、クソッ!」

主人公「はぁ……はぁ……」

主人公(もう町長に挑むどころじゃない)

主人公(これじゃ表に出られねェよ……恥ずかしくて……)

主人公(主人公なのにEじゃ……生きていけない)

主人公「相棒には悪いけど、もういいや……」

主人公「二度寝しよう」ガバッ



42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 01:59:27.89 ID:C7IYeydVO

師匠に鍛え直してもらえよ



43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 02:02:30.61 ID:cmqIXiHo0

強さランクを知ってから一週間後──

主人公「結局あれから一度も戦わなかったな……」

主人公(つーか、ずっと家に引きこもってたし)

主人公「Eってのも気楽でいいや。これ以上落ちないし」

主人公「気楽でE、なんつって、ハハハ……ハハ」

主人公「相棒もどこ行ったんだ、全然戻ってこねぇ。俺、もしかして見捨てられた?」

主人公「……今日の新聞か」ガサガサッ

主人公(お、また強さランクが載ってる)バサッ



44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 02:03:46.64 ID:cmqIXiHo0

主人公(Eの俺にとっちゃもうどーでもいいけど……)

主人公(Eの下にさらに俺専用のFとかできてたりして、ハハ)

主人公「!」

主人公「な……」

主人公「な、な、な」

主人公「なんじゃこりゃあ!?」



47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 02:06:12.30 ID:cmqIXiHo0

【強さランキング】

S 帝王

A 師匠 主人公 四天王(雷) ドラゴン

B 相棒 四天王(炎) 四天王(笑) 忍者

C 町民A 四天王(水) アサシン ナイト 盗賊団ボス

D 町長 盗賊団員 カフェ店員 町民B 

E ザコ カス ゴミ クズ ダニ

※同ランク内は左の方が強い



主人公「この数日で、いったいなにが起きたんだ!?」

主人公「俺一度も戦ってないのに……(それどころか家で寝てたのに……)」

主人公(少し気がひけるが、町に出て人に聞くしかねえな……)



48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 02:09:56.22 ID:cmqIXiHo0

<町>

主人公(なんか……町中の俺を見る目が変わった……?)

町民A「主人公さんキター! A級な主人公さんカッケー、マジAな佇まいっすね!」

町民A「スゲェっす! あの最強の四天王キリングしちゃうとかパネェっす!」

主人公「?」

町長「すごいのう! 雷の四天王は帝王の部下の中で一番強いといわれておったのに……」

主人公「??」

カフェ店員「この間はすいませんっ! Aランクの実力がありながら、隠していたとは……」

町民B「わ、私も謝りますっ! と、とんだ無礼を!」

主人公「???」



49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 02:12:49.83 ID:cmqIXiHo0

町民B「あれ、ところで相棒さんは一緒じゃないんですか?」

主人公(相棒がいなくなって……戦ってない俺のランクが上がって……はっ)

主人公「ま、まさか……あのバカ……!」

主人公「どいてくれっ!」ダッ

カフェ店員「うわっ!?」

町民B「ど、どこへ行くんですっ!?」

町民A「やっべ主人公さん、足の速さもAっすね! マジモンの超A的速度っすわ、惚れた」

町長「町をあげてこれから祝賀会を──」

主人公「それどころじゃないっ!」ダダダッ


主人公「うおおおおっ!」ダダダッ



50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 02:15:31.68 ID:cmqIXiHo0

<四天王(雷)の城>

主人公「ハァ、ハァ、ハァ……」

主人公「ホントに壊滅してやがる……!」

主人公(どこもかしこも死体だらけだ。きっとあいつがやったんだ)

主人公「相棒っ、どこだ! いたら返事してくれっ!」



51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 02:17:04.14 ID:cmqIXiHo0

<玉座の間>

主人公「……二人倒れてる」

主人公(一人は──雷の四天王だ! どう見てもカミナリ様だし!)

主人公(もう一人は……俺、の格好をした──)

主人公「相棒っ!」ダダッ

主人公「相棒っ! おいっ! 起きてくれェ! うわぁぁっ!」グイッ

主人公「お前がこの一週間俺のフリして戦ってる時に、俺は……すまねぇぇっ!」



54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 02:20:47.15 ID:cmqIXiHo0

五年後──

主人公「……ん」

主人公「いっけねえ、眠ってた……」

主人公(懐かしい夢だったなぁ)

主人公(あれから俺は反省して、猛烈に修業して強くなったんだ──)

主人公(そういや、今の強さ議論のランキングってどうなってんだ?)

主人公(今はいつでも携帯端末から見られるんだっけか)

主人公(あれ以来、ランキングなんて気にしない、って全く見なくなったからなぁ……)

主人公(見てみるか)

主人公「………」カチカチッ

主人公「うわっ」



55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 02:24:21.27 ID:cmqIXiHo0

【強さランキング】

SSS ワリカン神 主人公(覚醒)

SS サイボーグ相棒 ネコババ神

S 主人公(通常) カレーうどん

A 町民A 忍者 カス 地獄ニート 四天王(笑)

B アル中 アサシン ゾンビ師匠 ストーカー イケメン インチキおばさん 都民A

C 独裁皇帝 ナイト 専業主婦 都民C 市民B 駄犬

D 恐怖のまんじゅう 強盗 無敵王 接待ゴルフ 陰毛マスター

E 市民A 八百屋 教祖 上級兵 ハゲ 闇の伯爵 ホスト

F 都民B いいちこ 帝王 師匠 ドラゴン タクシー運転手 

G 四天王(雷) ヘルニア 相棒(人間時代) 四天王(炎) 四天王(水) 盗賊団ボス

H 町長 ひったくり 盗賊団員 カフェ店員 町民B ザコ ゴミ クズ ダニ

※同ランク内は左の方が強い



主人公「……えらいことになってんな」



56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 02:26:25.51 ID:odAJtnMl0

カレーうどんとか陰毛マスターとか恐怖のまんじゅうとか秀逸だなwwww



57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 02:27:01.63 ID:kyADBzkp0

カスに何があったんだよ



58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 02:27:43.99 ID:cmqIXiHo0

主人公「キャラも増えたし、どんどん敵も強くなったし、当然っちゃ当然か……」

主人公(いつの間にかランクも増えてるし……。Hとか、SSSとか)

主人公「え、と、俺は普通の状態だと、Sランクなわけだな」

主人公(つーか、地味に町民Aスゲーな。どんだけインフレに食らいついてくるんだか)

ガチャッ ガチャッ ガチャッ ウイーン

主人公「ん? おお、オイル補給終わったのか」

相棒「ふぅ……まったく長旅だと不便だよ、この体は」ウイーン

主人公「愚痴ってないで、さっさとあの巨大要塞に乗り込もうぜ」

相棒「そうだな。俺の背中に乗れ、ジェット噴射で突撃するぞ!」

主人公「おうよ!」ヒョイッ

主人公「Sランクに恥じない戦いをしないとな!」

相棒「?」

                                      おわり



59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 02:27:56.85 ID:Fup5lr7b0

俺は町民Aを評価する



60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 02:28:34.88 ID:MU2ir8L70

というか相棒どこの博士に改造されたんだよ



61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 02:29:12.71 ID:fum54dZv0

この相棒はワシが改造した



62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 02:29:23.43 ID:kyADBzkp0

普通にいい話で泣いた



63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 02:31:19.14 ID:L1c0uCxu0

カレーうどんとアル中とカスと町民Aだけで街守れんじゃね?



64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 02:31:58.76 ID:yR509Uap0

面白かった!



65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 02:32:40.84 ID:H+9F26t40

町民Aの必死の努力を書くべきだと思うの



66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/30(金) 02:34:13.78 ID:Y3TFCq2/0





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オリジナルSS   コメント:7   このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント一覧
15952. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/12/30(金) 18:27 ▼このコメントに返信する
地味に四天王(笑)も頑張ってる件について。もう(笑)取ってあげようよ。
15954. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/12/30(金) 18:34 ▼このコメントに返信する
シンプルで読みやすかったわ
15958. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/12/30(金) 21:31 ▼このコメントに返信する
うわっ……私の年収、低すぎ……?
15959. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/12/30(金) 21:39 ▼このコメントに返信する
町民Aでスピンオフ作れるなwww
15960. 名前 : 名無しさん@ニュース2ちゃん◆- 投稿日 : 2011/12/30(金) 22:12 ▼このコメントに返信する
カレーうどん強すぎwwwwwwwwwww
16010. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2012/01/01(日) 03:51 ▼このコメントに返信する
五年後の強さランキングが突っ込みどころ満載な件について
16026. 名前 : 名無しさん◆- 投稿日 : 2012/01/01(日) 18:44 ▼このコメントに返信する
No.15958
俺もそれ思い出した
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