妖狐「また人間騙して遊ぼうぜ。」化狸「えー…またですか?」

2011-10-04 (火) 12:22  オリジナルSS モン娘、天使・悪魔とか   2コメント  
1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 18:35:10.22 ID:NPXm8Vly0
狐「また人間騙して遊ぼうぜ。」

狸「えー…またですか?もうヤですよぅ。」

狐「こないだ犬をけしかけられたからかい?」

狸「半日も山の中を追いかけまわされれば、さすがに懲りますよぅ。」

狐「アレはアンタが下手だからバレたんじゃないか。」

狸「アネさんは化けるのが上手いからいいですよぅ…」

狐「何言ってんのさ、化けるだけならアタシより上じゃないか。アンタが下手なのは演技。」



2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 18:36:24.07 ID:NPXm8Vly0

狐「役に成りきるのは場数がものを言うのさ。だからホラ、用意しな。」

狸「いーやーでーすー。懲りたって言ってるじゃないですか。」

狐「んもう、連れないわね。じゃあバレた時の救護としてついてきてよ。」

狸「なーんーで、私がそんなことしなきゃいけないんです?」

狐「じゃあ、アンタは私がつかまってヒドい目にあってもいいって言うの?」

狸「そんなことは言わないです。というか、まだバレたらヒドい目にあうようなことする気ですか。」



3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 18:38:35.12 ID:uy6QVXts0
ケモナースレか



4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 18:38:36.35 ID:NPXm8Vly0

狐「わかってないわねー。化かされたってだけで人間は逆上するんだぜ?」

狸「それはそうでしょうね。」

狐「化かして盗ったのが大根1本でも、米10俵でも、何も盗らなくても結果は同じ。」

狸「だーかーらー、わざわざ危ない事しなくてもいいじゃないですか。」

狐「バカ?バカなの?バカな事言っちゃダメよ。存在意義を放棄しちゃダメよ。」

狸「大げさすぎですよぅ。犬や猫に化けて餌を恵んでもらうとか…」

狐「そんなの私達の沽券にかかわるわ。」

狸「私達…って、私まで引き込まないでくださいよぅ。」



5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 18:40:57.39 ID:NPXm8Vly0

狸「はぁ…結局ついてきてしまいました。」

娘「じゃ、アンタはここに隠れててね。もしバレたら出てきて助けてちょうだい。」

狸「アネさん…尻尾でてますよぅ。」

娘「おっといけない。これでよし…と、耳は大丈夫?」

狸「大丈夫みたいですね。」

娘「じゃ、良く見ときなさい。一丁お手本を見せてやるぜ。」



6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 18:43:43.44 ID:NPXm8Vly0

娘「ふえぇぇぇん…ふえぇぇぇん…」

男「どうした?見かけない子だな…お父やお母はどこだ?」

犬「ウゥー…ワン!ワン!ワン!」

娘「わんわんが…わんわん怖い…」

男「これ!この子が怖がるからやめい。」

犬「くぅーん…」

娘「お父さんもお母さんもどっかに行ってしもうたの。」

男「まいったな…迷子か。自分の家はどこだか分かるか?」



7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 18:45:07.91 ID:NPXm8Vly0

娘「おなかすいたの…」

男「しょうがないな。ホレ、俺の弁当だ。梅干しの握り飯だが食うか?」

娘「うん!」

男「悪いがひとつだけで勘弁してくれよ。俺だって昼からも働かにゃならん。」

娘「ありがとー!」



8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 18:48:01.58 ID:NPXm8Vly0

狐「どうよ?どうだったよ?ちゃんと見てた?」

狸「うまいもんですねー。犬はああやって黙らせればいいんですか。」

狐「しかしシケた弁当だぜ。良く見たら麦飯だコレ…モグモグ…」

狸「あ!私の分も残しといてくださいよぅ。」

狐「働かざる者食うべからずってね。欲しけりゃ自分で盗ってきなさい。あ…すっぱ!」

狸「ちゃんと見張ってましたよぅ。」

狐「バレてないから助けてない、つまり働いてないんだぜ。ごっそさん。」

狸「あーうー…」



9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 18:51:23.40 ID:NPXm8Vly0

娘「はぁ…結局こうなるんですね。」

狐「カカカカカ!アタシがお手本見せたんだから、しっかりね。」

娘「耳と尻尾は出てないですか?」

狐「出てないわよ。化けるのだけは上手いのが腹立つわー。」

娘「あーのー…バレたらちゃんと助けてくださいよぅ?」

狐「わかってるって。ちゃんと見てるから、安心しなさい。」

娘「ホントに見てるだけはもう勘弁ですよぅ。助けるって言ってください。」

狐「まだ根に持ってるのね。助けるわよ!ホラ!行きなさい。」



11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 18:54:25.15 ID:NPXm8Vly0

娘「ふえぇぇぇん…ふえぇぇぇん…」

犬「ウゥー…ワン!グルルル…」

娘「ひっ!」

男「なんだ?また来たのか。帰ったんじゃなかったのか?」

娘「わんわんが…わんわん怖い…」

男「やめいというに。覚えんか。」

犬「くぅーん…」



12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 18:57:26.92 ID:NPXm8Vly0

娘「おなかすいたの…」

男「さっき持って行った握り飯はどうした?」

娘「あ!…あーうー…」

男「ひょっとして、落としてしまったのか?」

娘「う、うん。」

男「はぁ…まいったな…しょうがない。残った方もやるわ。食ったら帰るんだぞ。」



14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 18:59:58.84 ID:NPXm8Vly0

娘「あ、でもこれ食べたら…」

男「俺の事は心配いらん。一食くらい抜いても死にはせん。」

娘「・・・・・・」

男「遠慮はいらんぞ。子供がひもじい思いをするのは見たくない。」

娘「あの・・・これ!」

男「んー…まあ、お前さんがそれでいいなら…」



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 19:02:13.93 ID:NPXm8Vly0

狐「もう…何やってんのよ。一言一句アタシと同じだったじゃない。」

狸「いやー…その…何も思い付かなくてですね…」

狐「あの人間がお人よしのバカだから良かったものの。一時はどうなることかと…」

狸「そう思うんなら、もうやめときましょうよぅ。」

狐「ま、もう食べ物持ってなさそうだしね。」

狸「まだ、おにぎり半分だけ残ってますけど…」



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 19:05:11.96 ID:NPXm8Vly0

狐「なに?なにそれ?くれるって言ったおにぎりを半分しか食べなかったの?」

狸「はーいー…あの人が食べる分無くなっちゃうと可哀想だから。」

狐「甘くね?甘すぎね?…でも、アンタのそういうところ可愛くって好きよ。」

狸「やめてくださいよぅ…おひげが擦り切れてしまいます。」

狐「照れてる?照れてんの?ういヤツ!ういヤツ!」

狸「あーうー・・・てっぺんだけハゲてしまいますよぅ。」



17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 19:07:27.40 ID:NPXm8Vly0
―――――――――――

狐「はぁ…暇だぜ。退屈で死んでしまいそうだぜ。」

狸「だからってなんでウチに来るんですか。」

狐「なんで?なんでかって?一緒に暇つぶししてあげようって心配り。やさしいアタシ。」

狸「アネさんは暇でも、私は冬の用意がありますよぅ。」

狐「そんなの冬が来てからでいいじゃない。」

狸「あーうー…言ってることがめちゃくちゃです。」



19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 19:08:49.14 ID:NPXm8Vly0

狐「そういやアンタ、太った?」

狸「冬に向けて多少は。あー…でも、毛が伸びた分よけいにそう見えるんだと思います。」

狐「ふわっふわのぽっかぽかだね。あー…コレ欲しい。」

狸「アネさんはふかふかでもふもふの尻尾があるじゃないですか。」

狐「気に入った?これがお気に入り?よし来い!バッチ来い!」

狸「一体何を言ってるんですか。でもまぁ、アネさんの尻尾はお気に入りですよぅ。」



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 19:22:08.83 ID:NPXm8Vly0
狐「じゃあ、尻尾1回分で1日分相手してよ。破格の条件だぜ?」

狸「尻尾1回分って何の単位ですか。何にせよ、付き合わないと解放してくれないですよね?」

狐「アンタがそこまで言うんなら仕方がないわね!付き合ってあげましょう!」

狸「だーかーらー、なんでそんなことになっちゃうんですか。」

狐「やっぱり退屈凌ぎは人間を化かすのが一番ね。さ、行こう。」



27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 19:25:08.65 ID:NPXm8Vly0

狸「そーれーでー、今日は何をさせるつもりなのです?」

狐「鬼って知ってる?見たことある?アンタに化けて欲しいの。」

狸「会ったことは無いですがー、見た目だけなら化けられますよぅ。」

狐「私が人間を誘い出す役、アンタは鬼になって驚かす役。わかった?」

狸「自分で2役やればいいじゃないですか。なんで私が・・・」

狐「嫌味?それ嫌味なの?アタシは人間にしか化けられないのよ。」

狸「なんだか理不尽ですよぅ…」



28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 19:30:14.27 ID:NPXm8Vly0

鬼「こんな感じでいいですかね?」

女「もう少し体を大きくできない?上から見下ろす感じで。」

鬼「このくらいですか?」

女「そうそう!それでアタシが人間とここを通る時に出てきてね。」

鬼「その後はどうするんです?」

女「ずばり、逃げていく人間を指差して笑う!大・成・功!ってね」

鬼「アネさんはその性格が治らない限り、早死にすると思いますよぅ。」



29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 19:33:37.16 ID:NPXm8Vly0

女「はうっ…!」

-「おい、ねえちゃん、どうした?大丈夫か?」

女「持病の癪が…急に差し込んで…」

-「そりゃいけねえ…どれ、手を貸してやろう。フヒヒ…」

女「薬は持っておりますので、あの木陰まで連れて行ってはくれませんか?」

-「おうとも!お安い御用だ。デュフ!フヒッ!」



31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 19:36:18.11 ID:NPXm8Vly0

-「一人旅かい?このあたりは危ない話も聞く。どうだい、今夜はウチに…」

女「ここで結構です、ありがとうございました。」

-「ん?ああ、礼には及ばねえよ。それよりこん…」

鬼「お前を食う。」

-「!?」

鬼「お前を食う。」

-「ギャァァァアアア!!」



33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 19:41:36.88 ID:NPXm8Vly0

狐「カカカカカ!見た?見た今の?」

狸「身の丈と同じくらい飛びあがってましたね。」

狐「でもアンタ、お前を食う。しか言って無かったわね。」

狸「だって、鬼ってどんな言葉を話すのか分かりませんよぅ。」

狐「事実に即さなくたっていいんだぜ。驚かすのが目的なんだからな。」

狸「はーいー…」

狐「じゃあ、次行くよ!」

狸「あーうー…まだやるのですか…」



34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 19:46:57.35 ID:NPXm8Vly0

女「くうっ…!」

男「おい、どうした?大丈夫か?」

女「急に…持病の癪が差し込んでまいりまして…」

男「それはいかん。ちょっと待っておれ。」

女「…あれ?」

男「今、日陰を作ってやるからな。」

女「薬がありますので、あっちの木陰まで連れて行ってもらえば…」

男「無理に動いて悪くなったらどうする?良くなるまでそこで涼んでいろ。」



35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 19:51:43.50 ID:NPXm8Vly0

鬼「アネさんなかなか戻ってきませんね…」

鬼「んー…あれは前にお弁当盗っちゃったお百姓さんじゃないですか。」

鬼「菰を被せられてますが…」

鬼「まさか!あの時のことがバレて捕まってしまった!?」

鬼「これはいけない!アネさんを助けないと!」



37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 19:55:29.37 ID:NPXm8Vly0

男「んなっ!鬼!?」

鬼「そうじゃ、お前を食う。」

男「うぅ・・・くっ・・・」

鬼「どうした?逃げないか?」

男「逃げたいのは山々だが、この人を置いて逃げるわけにはいかん。」

女「あの…私の事は別に…」



40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 19:58:42.16 ID:NPXm8Vly0

男「そういえば、鬼は絶対に約束を守るという。」

鬼「え?あー…うん。」

男「この人が良くなるまで俺はここを動かん。だから食うのはそれからにしてくれないか?」

鬼「できれば…その、逃げてもらった方が…」

男「俺が逃げたらこの人を食うつもりだろう。」



42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 19:59:44.89 ID:NPXm8Vly0

狐(何だか変な三すくみができちゃったぜ)

狸(アネさん、どうします?)

狐(とりあえず、この男に目を瞑るよう言いなさい)

狸(その後は?)

狐(目を開けないで100数えさせて、その間にずらかるわよ)



43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 20:03:04.42 ID:NPXm8Vly0

鬼「じゃあ、目を閉じてゆっくり100数えるのだ。そうすれば約束を守ってやる。」

男「すまんが、俺は10から上は数えられんのだ。書き記せばなんとかなるが、目を瞑っていては・・・」

鬼「で、では、今からカラスが鳴くまでの間だ。」

男「カラス?」

鬼「そうだ、目を閉じたままカラスが鳴くまでの間、我慢するのだ。」

男「わかった。」



45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 20:06:03.60 ID:NPXm8Vly0

狐「一時はどうなることかと思ったぜ。」

狸「アネさん、捕まってたわけじゃなかったんですね。」

狐「うん。でもまあ、助かったわ。」

狸「懲りたんならもう化かすのはやめましょうよぅ。」

狐「何言ってるの。こんなの日常茶飯事よ。いちいちヘコんでられないわ。」

狸「あーうー…助けた甲斐がないですね。」

狐「でもお礼はしないとね。ハイ、ふかふかのもふもふ。」

狸「そんなんで買収はされませんよぅ。でも、ごっちゃんです。」



46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 20:08:03.52 ID:NPXm8Vly0

狸「あの人間、まだ動かないですね…」

狐「そう言えば、聞いた?聞いてた?10から上が数えられないって!カカッ!」

狸「だから、カラスが鳴くまでって変えたんじゃないですか。」

狐「まだ日も高いし、夕方まではあのままかしらね?」

狸「ちょっと可哀想ですね…」

狐「まあ、化かされてるとはいえ、アタシのこと庇ってたわね。と、いうわけだから…」

狸「はぁ…アネさんの尻尾、高くついちゃいましたよぅ…」



47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 20:10:47.34 ID:NPXm8Vly0

烏「カァー…カァー…」

男「もう目を開けても良いのか?」

烏「いーよー。」

男「鬼の声?やけに遠くから聞こえたような…」

「・・・・・・」

男「誰もおらんな…あ、チビッてしまっておる…不覚。」



48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 20:15:49.57 ID:NPXm8Vly0

男「鬼はもとより、あの女の人もおらんとは…」

烏「カァー…カァー…」

男「まさか!あの鬼、約束を破ったのか!?」

烏「え!?」

男「いや、しかし…最初から約束する気が無いならその場で食われていたはず…」

烏「・・・・・・」



50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 20:16:56.07 ID:NPXm8Vly0

狸「・・・というわけなんですよぅ。」

狐「もういいじゃないの。ほっときなさいよ。」

狸「でも、アネさんの化けた女のこと心配してましたし、鬼さんの評判下げるのも…」

狐「とにかく、今日は疲れたから帰るの!ホラ、さっさと来なさい!」

狸「あーうー…何かアネさんが怖いですよぅ。」



52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 20:21:05.64 ID:NPXm8Vly0
――――――――――

女(やっぱり後味悪いのはよくないですよぅ)

女(アネさんは怒りますかねぇ…まあ、考えてもしょうがないです)

女「あのう・・・この間はどうも。」

男「ああ、あんたか。今日はどうしたんだ?」

女「先日のお礼を…」

男「ん?お礼だったら昨日言いに来たじゃないか。」

女「…あれ?」



55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 20:26:35.02 ID:NPXm8Vly0

男「鬼はちゃんと約束を守った、逃げない俺を見て呆れて帰った…て、自分で言ってたじゃないか。」

女「あ!あー…あの、それではなくてですね、倒れた時に面倒を見てくださった分ですよぅ。」

男「おかしな人だなあ。2回に分けてお礼を言いに来るだなんて。」

女「あーうー…いえ、その、帰ってから言い忘れてた事を思い出したので…」

男「気持ちはありがたいが、また鬼が出ないとも限らん。さっさと旅路に戻りなさい。」

女「…はいー。」



57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 20:33:12.79 ID:NPXm8Vly0

狐「カカカカカ!それで狐につままれたような顔して帰って来たのね。」

狸「アネさんも人が悪いですよぅ。後始末しに行ったのなら教えてくれても…」

狐「無視?無視するの?今、アタシ上手い事言ったところなんだけど。」

狸「そーれーよーりー、なんで教えてくれなかったんですか?」

狐「騙した相手を気遣うだなんてこっぱずかしいじゃないか。」

狸「それにしたって、相談くらいしてくれても…」

狐「いやー…アンタにばっかり頼んじゃったから、たまには自分でもね…」



58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 20:34:30.67 ID:4xeYb2pRO
あら?
あらあらうふふ




59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 20:34:37.51 ID:D4XU4hXt0
狸ちゅっちゅ



60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 20:36:53.51 ID:NPXm8Vly0

狐「そう言えば、あの男、犬飼って無かったっけ?昨日もその前も居なかったけど。」

狸「あー…あの犬は、たまに親戚から預かってるだけみたいですよぅ。」

狐「預かる?犬を?」

狸「えーとー…畑を荒らす猪がいるんで、追い払うために借りるらしいです。」

狐「ふーん。猪がねえ…」

狸「しばらくは犬来ないですよ。猪用に罠を仕掛けたんで、犬がかかるといけないって。」

狐「なるほど、なるほど。ンフフー…」

狸「また妙なこと考えてる顔ですね。」



61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 20:39:22.27 ID:NPXm8Vly0

狸「え?猪を食べる!?」

狐「畑に来た猪を罠に追い込んでいただいちゃうって寸法。」

狸「でも、猪なんて怖いですよぅ。」

狐「罠にかかればこっちのもんだぜ。人間も畑が守られるんだから文句は無いでしょ。」

狸「そう上手い事いくもんですかね…」

狐「というわけだから、明日からあの男を見張るよ。畑と罠の場所を突き止めなきゃ。」



62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 20:42:39.66 ID:NPXm8Vly0

狸「こんなところに畑を作ってたんですね。」

狐「山が近いわね。これじゃ猪に荒らされても仕方ないわ。」

狸「たーぶーん、あそこにあるのが罠ですよぅ。土が不自然に盛ってあります。」

狐「わかり易いのね。まあ、単細胞な猪にはあれで十分ってことよね。」

狸「私達もあの辺には近付かない方がよさそうですね。」

狐「じゃ、これから交代で張り込みね。夜はアタシ、昼はアンタ。」

狸「あーうー…1人で見張るですか…」

狐「いつ来るかも分からないのに、寝ないつもりなの?」



63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 20:46:20.72 ID:NPXm8Vly0

狸「心細いですねぇ…あ、イナゴ…」

狸「はむはむ…そうですよねぇ…猪なんか食べなくったって…」

狸「お、キリギリスもいますねぇ…」

狸「もぐもぐ…アネさんはいろんなことに挑戦するのが楽しくて仕方がないんですねぇ…」

狸「まあ、アネさんといると退屈しないのは確かですよぅ。」



65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 20:50:31.85 ID:NPXm8Vly0

狸「そろそろ交代の時間ですか…」

狐「お待たせ、待った?待ってた?泣いてもいいのよ?」

狸「なにも無かったですよぅ。待ってたのは確かですが、泣いたりしないです。」

狐「つれないわね…って、ホラ、あれ!来たんじゃない?」

狸「あー…猪ですか…ほんとに来るんですね。」



66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 20:52:46.25 ID:NPXm8Vly0

猪「フゴ、フゴ…」

狸「猪さーん?それ食べちゃだめですよー…」

猪「ブヒィー!ブヒィー!」

狸「ちょっと、食べちゃだめですって!やっぱり、私なんか怖くないですか…」

猪「ぶしゅるる…」

狐「うわぁ…見た?目に焼き付けた?なによ、今の憎たらしい顔!」

狸「棒っきれかなにか落ちてないです?」

狐「鍬が置きっぱなしになってるわ。でも、どうすんの?」



67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 20:56:55.26 ID:NPXm8Vly0

女「こうしますですよぅ。」

猪「ブヒッ!?」

女「ほらほら、人間ですよぅ。えい!えい!あっちへ逃げるといいですよぅ。」

猪「フシュー!フシュー!」

狐「ちょっと!そいつ興奮してるわよ。一旦下がりなさい。」

女「あの…猪さん?こっちじゃなくて、あっちの罠の方にですね…」

猪「ブギィー!!」

女「みぎゃぁぁぁあああ!!」



69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 20:59:54.13 ID:NPXm8Vly0

男「コラー!!何やってる!!!」

狐「あ、やばっ!」

女「むきゅー…」

猪「・・・・・・」

男「ん、あんたはいつぞやの…猪から畑を守ってくれたのか。」

狐「ありゃー…連れて行かれちゃったわ…困ったわね。」



70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 21:02:35.45 ID:NPXm8Vly0

女「あれ…?私は…え?ここどこ?」

男「気が付いたか、良かった。ここは俺の家だ。」

女「私どうしてここに?」

男「猪に跳ね飛ばされて気を失っていたのだろう。起きないのでここまで運んだ。」

女「あ、猪は…?」

男「あんたを跳ねてそのまま木に突っ込んで気絶したようだ。」

女(ああ…曲がれないから…)



71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 21:05:29.52 ID:NPXm8Vly0

女「あー…私、帰らないと…はへ?」

男「まだ起きてはだめだ、頭を打っておるかもしれん。」

女「あーうー…クラクラしますよぅ…」

男「それにもう暗い、きたない家ですまないが、一晩泊っていくといい。」

女(アネさんはどうしましたかねえ…)

男「あんたのおかげで猪も獲れた、鍋にするから是非食っていってくれ。」



72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 21:07:24.96 ID:NPXm8Vly0

狐(ちょっと!ここよ!ここ!)

狸(ああ、アネさん無事だったですか。この状況、どうしましょう?)

狐(せっかくだから、猪食べましょう!途中で用を足すフリして代わりなさい)

狸(えー…なんとかして逃げないんですか?)

狐(アンタの事を恩人だと思ってるみたいだし、心配いらないわよ)



74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 21:11:37.43 ID:NPXm8Vly0

男「しかし、人はみかけによらないもんだな。猪に立ち向かうとは…」

女「無我夢中だったのですよぅ。」

男「そろそろ煮えたようだ。あんたが獲ったようなもんだし、遠慮しないで食ってくれ。」

女「へぇ…それじゃお言葉に甘えますよぅ…」

男「口に合うと良いのだが…」

女「これはおいしいですね。もうバッタやタガメは食べられなくなりそうですよぅ。」

男「え?」

狐(馬鹿!)



75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 21:14:21.62 ID:NPXm8Vly0

男「肉はまだまだあるからな。鍋が空いたら足すといい。」

女(と言っても、もう入らないですよぅ…アネさんに変わってもらいましょう)

男「しかし、その服装、旅をしているのではないのか?」

女「え、ええ、まあ。」

男「随分ここいらに留まっておるようだが…」

女「あ!あの!」

男「ん?」

女「その、お手洗いはどちらに…?」

男「おっと、すまんすまん。」



77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 21:16:46.90 ID:NPXm8Vly0

狸「アネさん、困りましたよぅ。」

狐「そうね。」

狸「旅人の格好なのに居座ってるのは怪しいみたいです。」

狐「聞いてたわよ。交代するついでにアタシに尻ぬぐいさせようってことでしょ?」

狸「そこまでは言ってませんよぅ。」

狐「まあ、アタシに任せときなさい。アンタはもう帰りな。ここは人気も多いし、ね?」

狸「そうさせてもらいます。」



79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 21:20:40.44 ID:NPXm8Vly0

女「話の腰を折ってしまってすみませんでした。」

男「あ、いや、まあ気にしないでくれ。」

女「猪なんて初めていただくんですけど、おいしいものですね。」

男「そうかそうか、こいつには手を焼いていたからな。このくらいの見返りは無いとな。」

女「あなたを見込んでお願いがあるのですが、聞いていただけますか?」

男「俺は見ての通りの百姓だから、銭のことなら力になれんぞ?」



80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 21:25:17.15 ID:1L2AECG30
wktk



81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 21:25:22.38 ID:NPXm8Vly0

女「そうではないのです、このあたりは冬が厳しいと聞きます。」

男「まあ、そうか?他の土地には住んだことがないからな。」

女「急ぐ旅でもありませんし、春になるまで、ここへ留まろうかと思いまして。」

男「確かに、雪の中を歩くのは大変だろうからな。」

女「宿を取るにも、路銀が心もとないので、春までこの家に住まわせてはもらえませんか?」

男「なっ!?いや、しかし…その…俺は構わないが…」



*期待している人がいたらすまない。パンツを脱ぐ展開はないんだ*



82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 21:27:05.18 ID:NLqAZr+X0
仕方がない
パンツは被りなおしておく




85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 21:30:30.20 ID:hDxmHtHO0
心の交流見られれば十分うれしいよ



83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 21:27:43.13 ID:NPXm8Vly0
――――――――――

狐「聞いた?聞いてくれた?今年は冬の心配いらないの!」

狸「なにも聞いてませんよぅ。アネさんあれからウチに来なかったじゃないですか。」

狐「あ、そういえばそうね。」

狸「でーもー、冬の準備全然してなかったアネさんが、心配いらないというのは不思議ですね。」

狐「今年の冬はね、あの男の家に住むことになったの!」

狸「それはまた…大胆な試みですね。」



84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 21:29:21.81 ID:NPXm8Vly0

狐「住んでる間はいろいろと手伝う事になるけど、冬なら畑仕事もないんだぜ。」

狸「んー…しかし、ひと冬とはいえ、アネさんに会えないのは少し寂しい気もしますよぅ。」

狐「嬉しい事言ってくれるじゃないの。それじゃあ、とことん…」

狸「その先は言わぬが華ですよぅ。」

狐「まあ、時々様子を見に来て上げるから。ふかふかのもふもふはその時に、ね。」

狸「あーうー…まあ、期待しないで待ってますよぅ。」



86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 21:30:57.59 ID:NPXm8Vly0
――――――――――

狸「おー…初雪ですね。アネさんは今頃何をしてるんでしょうかね。」

狸「バレたり…は、してないですよね。アネさん上手ですから。」

狸「あの男の人は優しい人ですよね…見ず知らずの子供に弁当あげちゃいますし。」

狸「アネさんに騙されてたってわかると…やっぱり悲しみますかね。」



87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 21:32:42.06 ID:NPXm8Vly0
――――――――――

狸「今日はいい天気ですね。でも、こう寒いと出かける気になりませんよぅ。」

狐「やほ!待った?待ってた?尻尾の伝道師、只今参上だぜ。」

狸「あー…アネさん。お久しぶりですよぅ。何だか毛艶も良くなって見違えましたね。」

狐「そういうアンタもコロコロしちゃって…持って帰りたいくらいだわ。」

狸「剥製になるのはいやですよぅ。」

狐「いいわー…この掛け合い、和むわー癒されるわー。」



88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 21:34:54.02 ID:NPXm8Vly0
――――――――――

狸「アネさん。上手くやってるみたいでしたね。」

狸「なんだかんだ言って、あの人のこと気に入ってるみたいでしたし。」

狸「はぁ…私も行けば良かったですかね。アネさんと日替わりで交代して…」

狸「私がそんなことしたらすぐバレちゃいますね…」



91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 21:36:37.71 ID:NPXm8Vly0
――――――――――

狐「…という事があったんだぜ。」

狸「そーですかー…あの人も喜んでそうで良いじゃないですか。」

狐「アンタ、あの男のこと気に入ってるのね?」

狸「そう見えますか?」

狐「そりゃぁ…そんな嬉しそうな顔して聞いてりゃあね。」

狸「アネさんはどうなんです?嬉しそうな顔して話してますよ。」

狐「…あ。」



95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 21:39:18.72 ID:NPXm8Vly0
――――――――――

狸「アネさん、耳まで真っ赤にして帰って行きましたね。」

狸「なんだかアネさんに嫉妬しちゃいますね…」

狸「だめですよぅ…きっと一人でいるからこんなこと考えちゃうんですね。」

狸「ふぅ…春はまだでしょうか…」



97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 21:45:00.84 ID:NPXm8Vly0
――――――――――

狐「頼む!一生のお願い!」

狸「アネさんの一生は何回あるんですか。」

狐「じゃあ、後生だから!」

狸「同じじゃないですか。一体どうしたんですか。」

狐「笑わない?絶対に笑わない?そこんとこどうなの?」

狸「事と次第によりますよぅ。」



104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 22:00:02.25 ID:NPXm8Vly0
狐「その…ヤバいんだ…本気に…ね?」

狸「はっきり言ってくださいよぅ。もやもやしたままじゃ頼みも聞けません。」

狐「本気でアイツに惚れてしまいそうで…このままじゃヤバいの。」

狸「はーいー?」

狐「うん、そうね、普通はそうやって馬鹿にして笑われちゃうのよね。」

狸「いやー…笑ってなんていませんが。」

狐「え?笑わないの?」



105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 22:02:04.65 ID:NPXm8Vly0

狸「むしろ、その状況でなんで私に交代を頼むんです?」

狐「なんていうか、化かす者としての矜持が…」

狸「別にいいじゃないですか。あの人も悪い気はしてなさそうですよ?」

狐「とにかくよ!もうあそこには戻らないから、あの男が心配する前にアンタが行きなさい。」

狸「あーうー…また理不尽なこと言ってますよぅ…」



106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 22:06:23.57 ID:NPXm8Vly0

狸「そもそも、私もあの人は気に入ってるわけでして。」

狐「だからなによ?」

狸「私があの人に本気になってしまったら、アネさんはどうするつもりなんです?」

狐「う…」

狸「私はたぶん、アネさんみたいに引きさがりませんよぅ。でも、アネさんは苦しくならないですか?」

狐「そう…だよね…でも、決めたの。もうあそこには戻らない!」

狸「まあ、私はすぐにボロだしちゃう気もするんですけど。」



107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 22:08:39.03 ID:NPXm8Vly0

狸「あの人に心配をかけたくは無いですから、とりあえず私が行ってきますよぅ。」

狐「うん、よろしくお願いね。」

狸「でも、気が向いたらいつでも交代しますから。待ってますよぅ。」

狐「うるさい!さっさと行け!」

狸「あんまり待たせると、アネさんに譲る気もなくなりますから。急いでくださいよぅ。」

狐「はぁ…しばらく頭冷やそう。」



110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 22:17:23.35 ID:NPXm8Vly0
――――――――――

狐「うーん…音沙汰無いけど、アイツ大丈夫かしらね…」

狐「あの男の事だから、ヒドい目にあう事は無いと思うけど…」

狐「冬の蓄え、勝手に私の分まで用意してるなんて。なんだかんだでいいヤツよね。」

狐「はぁ…アイツになら譲ってあげても…」

狐「って!何考えてんのアタシ!あの男は何でもないのよ!譲るなんて発想が出る事がおかしいの!」



111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 22:21:17.63 ID:NPXm8Vly0
――――――――――

狐「やっぱり様子を見に行きましょう。」

狐「違うのよ!そう!アイツの事が気にかかるから、姉貴分としての監督責任を…」

狐「しかし、雪に足跡が残るのは避けなきゃね…不審者が徘徊してるなんて思われるし。」

狐「降ってる日なら、足跡も消えるわね…降るのを待ちますか。」



113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 22:27:06.80 ID:NPXm8Vly0
――――――――――

狐「これだけ降ってれば、大丈夫よね。」

狐「吹雪いてきそうだし、出歩く人間もいないはず。」

狐「しかしまあ…どこが道だかわからないわね…」

狐「ひぎっ!?痛っ!」

狐「猪の罠?しまい忘れた阿呆が居たんだわ!イタタ…」

狐「雪に隠れて分からないじゃない。踏む馬鹿がいたらどうするのよ!あ…アタシだ…」

狐「まずいわ…手がかじかんで外すどころじゃないし…」

狐「人のままでは凍えてしまう…ここは毛皮にくるまって止むのを待つのよ。」



115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 22:33:52.59 ID:NPXm8Vly0

狐「うー…本格的に吹雪いてきたわね…」

狐「自慢の尻尾もカチンコチンかなこりゃ…」

狐「眠たくなってきたわぁ…もし、アタシが死んだらアイツはあの男と気兼ねなく…」

狐「でも、そんなの絶対喜ばないわよね…」

狐「どうにか…ならないかなぁ…どう…に……か……・ ・ ・ ・



117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 22:36:20.49 ID:NPXm8Vly0
――――――――――

女「アネさん!気がつきましたか!?」

狐「んー…?」

女「良かった。もう目を覚まさないかと…」

狐「むさっ苦しい涙目はいいから、私が知りたいと思ってること全部話しなさい。今すぐ。」

女「ああ!アネさんだ。やっぱりアネさんですよぅ!」

狐「アンタも変わりないようね。で、要求にこたえる気はある?」



118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 22:38:06.56 ID:NPXm8Vly0

女「あ、はい…アネさんは猪の罠にかかって一晩中吹雪に晒されていたのですよぅ。」

狐「うん。それは覚えてるわ。」

女「んーでー、あの人がアネさんを見つけて連れて来たんです。あ!ここはあの人の家です。」

狐「どうりで間取りに見覚えがあるわ。」

女「あとはずっと、私がアネさんを看病というか…温めていたんですよぅ。」

狐「そっか…それで、あの人間は?」

女「雪が晴れましたので…油揚げを買いに行きましたよぅ。」

狐「じゃあ…あ、あのっ…アダジ、もっ…泣いで!いひかなあ!?」



119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 22:40:40.11 ID:NPXm8Vly0

狐「怖かったぁあああ!!」

女「うん…」

狐「心細かったぁぁぁあ!!」

女「うん…」

狐「あのね、アタシがね、死ねばっ気兼ねなく…って、でも、そんなの喜ばないって思って!!」

女「当たり前ですよぅ…」

狐「それでね…それからね…」



123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 22:46:13.10 ID:NPXm8Vly0

狐「ふー…落ち着いたわー。」

女「あ、アネさん、まだ横になってた方が…」

狐「でも、人間が帰って来ちゃうんでしょ?」

女「せっかく買いに行ったのに、アネさんがいなくなっちゃうと残念がりますよぅ。」

狐「え?あ…そっか、油揚げって…私に…」

女「そもそも見つけて運んできたのはあの人ですよぅ。こそこそする必要なんてないです。」



124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 22:50:03.86 ID:NPXm8Vly0
――――――――――

男「買ってきたぞ。いやぁ…なかなか見つからなくてな。どうだ、目を覚ましたか?」

女「はいー。ちゃんといい子にしてますよぅ。」

男「本当に好物なのかは分からんが、まあ、食えんもんでもないだろう。」

女「何でも食べてくれると思いますよぅ。愛情こもってれば。」

男「ホレ…たんとおあがり。」

狐「もぐもぐ…カカカカカ!」



125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 22:53:45.71 ID:NPXm8Vly0

女「嬉しそうですねー。」

男「いい食いっぷりだ。これならすぐ元気になるな。」

狐「・・・・・・」

女「もう食べてしまいましたかー。」

男「残りものでいいなら、うちに来れば食わしてやるから。もう罠なんかにかかるんじゃないぞ。」



126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 22:57:49.08 ID:NPXm8Vly0

狐「コン!」

男「あ…逃げた。」

女「難しい性格なんでしょうねー。」

男「嫌われてしまったかな?」

女「いーえー、きっと恥ずかしかったんですよぅ。」

狸(ですよねー?アネさん)

男「また来てくれるかな?」

女「さあー?それは分かりませんよぅ。」



128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 23:02:36.20 ID:NPXm8Vly0

女「おたのもうします。」

男「ん?こんな時分に誰だ…今開けます。お待ちを。」

女「こんにちは。」

男「え?あんたは・・・?」

女「お客様ですか?寒いですし、今お茶でも出しますよぅ…え?」

男「いや…あれ?どういう事だ?同じ顔が2人?」

女「驚いた?びっくりした?おひさしぶりね。」

女「ええぇ!?アネさん!?」



129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 23:04:41.88 ID:NPXm8Vly0

男「えーと…つまり、あんたはこの子の双子の姉だと?」

姉「はい、妹がこの家でお世話になっていると聞きまして。」

男「そんなこと誰かに話したっけか…?」

姉「お参りはアタシが二人分済ませてきました。もうお前は旅を続けなくとも良いのです。」

女「はいー?」

姉「それで、春までと言わずに、この家のお世話になろうかと…あ、もちろんアタシも。」



134: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 23:07:32.61 ID:NPXm8Vly0

狸(アネさん。これは一体どういう事なんです?)

狐(アンタにゃ悪いと思ったんだけど、やっぱり無理でさぁ)

狸(交代するなら言ってくれれば…)

狐(それじゃ、アンタだけが貧乏くじじゃないか)

狸(え?それは何の事です?)

狐(この人がどっちに転んでも恨みっこなし。最初で最後の勝負だよ。)

姉「と言うわけで、今後ともよろしくお願いしますね。」

女「あーうー…」


――――――――――――――――――――おわり



135:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 23:08:10.14 ID:kU9nsncR0
再開



136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 23:09:32.19 ID:SzFJQKkL0
おつでした
おわりのはじまりか




138: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 23:12:45.59 ID:NPXm8Vly0
お付き合いどうもでした。



137:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 23:10:45.39 ID:hDxmHtHO0
おつです
狐も狸もかわいらしかった




132:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 23:06:43.75 ID:reTyzwYt0
キツネの嫁入りですな



147:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/10/03(月) 23:29:18.94 ID:9h/OSe390
たまには、こういうほのぼのもイイね



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コメント一覧
12962. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/10/05(水) 16:02 ▼このコメントに返信する
狸ちゃん可愛いですよぅ。
13032. 名前 : 名無し@SS好き◆- 投稿日 : 2011/10/07(金) 14:38 ▼このコメントに返信する
あーうー




ああああああああああああああうううううううううううあああああああああああああ!!!!!!!!
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