1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 01:54:03.60 ID:JoXe64Oo0
イケメン「・・・さて、我々は、今週末に『合コン』というものに参加することになったわけだ」
イケメン「まずその機会をセッティングしてくれた、幹事君に拍手!」
パチパチパチ
幹事「えっ」
友「流石幹事だな。どうやって合コンなんて取り付けたんだ?」
幹事「いや、向こうから頼まれたんです」
イケメン「流石だな」
幹事「いや、貴方のおかげですが」
イケメン「えっ」
友「流石だな」
イケメン「・・・議題を戻そう。我々は大学に入ってもうすぐ半年が経とうとしているが、女の子と話した経験は皆無に等しい」
友「え、お前も?」
イケメン「話しかけられてもまともに会話できない。
『はい』か『いいえ』しか言ったことない」
友「RPGかよ」
2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 01:57:35.83 ID:JoXe64Oo0
イケメン「そんな我々が、リア充になるべく、今回の合コンがあるというのだ!
諸君、張り切って行こう!」
オウッ
イケメン「今回の合コンは3対3のノーマル形式。場所は近場の居酒屋。
質問は?」
幹事「お酒はどうしますか?」
イケメン「是非使いたいところではあるが、我々は未成年だ。
ソフトドリンクのみで行こう」
幹事「了解です」
友「なんだよつまんねぇの」
イケメン「最低限の節度というものだ。幹事君、
相手方の写真などはあるかな?」
幹事「写メを貰っています」スッ
友「可愛い」
イケメン「ノーチェンジ」
幹事「僕も思いました」
3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 01:59:59.55 ID:pg88UdgI0
なんだこのスレ…期待
4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 02:00:22.64 ID:JoXe64Oo0
イケメン「これではモチベーションも上がるというものだ。
では、さっそく対策会議に移りたいと思う」
友「異議なし」
幹事「具体的に何から話しあいます?」
イケメン「うむ。まず大切なのは第一印象である、
と、この『三日でモテるハイパーモテ本』に書いてある」
友「(名前が胡散臭い)」
幹事「確かに第一印象は大切ですね」
イケメン「そこでだ」
イケメン「まずは身なりを整えていくのが重要だと感じた」
友「確かに」
幹事「なるほど・・・」
イケメン「では逆に、我々が身なりを整えず、残念な格好で行ったときをシミュレートしてみようか」
5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 02:02:37.82 ID:JoXe64Oo0
Case1 身なりに気を使わなかった場合
イラッシャイマセー
女A「遅れてすみませ~ん」
女B「電車が遅れちゃって☆」
イケメン「いやいや、僕らも今来たところさ!」←シャツイン、バンダナ、指きりグローブにウエストポーチ
幹事「さ、座ってください!」←全身黒ずくめにサングラス
友「おーし、全員そろったかな?」←バスローブ
女C「帰ろうか・・・」
女A「うん・・・」
女B「うん・・・」
6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 02:04:10.37 ID:JoXe64Oo0
――――――――――――――――――――――――――――
幹事「流石にこれは酷いですね・・・」
イケメン「ああ、始まりすらないとはな・・・」
友「待って?流石にバスローブは無くね?」
幹事「服装、要チェックですね・・・」
イケメン「メモっておいてくれ・・・あとでチェックシートを作るのに使う」
友「服装だけでなく、髪型とかも重要じゃね?」
イケメン「はっ!確かに・・・!」
幹事「女の子の間では、『昇天ペガサスMIX盛り』などの個性的な髪型がトレンドのようです!」
イケメン「なんだと!?」
友「昇天ペガサス・・・なんだ?聖闘士聖也か?」
幹事「いえ、こちらの雑誌をご覧ください」
バサッ
イケメン「・・・何だと」
友「これが髪型だっていうのか・・・」
7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 02:06:50.81 ID:JoXe64Oo0
幹事「ええ、ですから我々もそれ相応の準備をしていかなくては・・・」
友「いや、それは早計だ」
幹事「というと・・・?」
友「俺たちは髪型はおろか、ファッションについても詳しくない。
そんな俺たちが、髪型だけ完璧にキメてきたらどうなる・・・?」
イケメン「『服装と比べて、浮く・・・!!』」
友「その通りだ。つまり俺たちは、『ファッションに合わせた無難な髪型』
が一番可能性が高いというわけだな・・・」
幹事「素晴らしい推察です」
イケメン「その髪型についてだが・・・今回『ビヨウイン』の利用を検討しているのだが、諸君から意見はあるか?」
友「『ビヨウイン』、だと!?」
幹事「あのリア充の巣窟に・・・向かうというのですか!?」
イケメン「しかし、様々なツテ(主にネット)から得た情報によれば
『オマカセ』というメニューを使うことで、本人に知識がなくても
そこそこ似合う良い髪型にしてくれるらしい!」
友「なんだと!」
幹事「それは素晴らしいですね」
10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 02:11:42.92 ID:JoXe64Oo0
イケメン「通常の床屋と比べ、少々値段が高く、予約も必要になってくるという、まさにVIP向けのシステムだ」
幹事「入りづらい要員の一端を担ってますね」
イケメン「だが今回ばかりはそうも言っていられない。
各自、利用を検討してくれ・・・」
友「了解」
幹事「了解です」
イケメン「よし、次だな。身なりはクリアしたから・・・まずは第一声、
自己紹介だな」
幹事「重要ですね」
友「これを決めなきゃ始まらないな」
イケメン「順番は先ず決めておこう。幹事君、俺、友の順で行こうと思っているのだが異議はあるか?」
友「異議というか、その順番に至った根拠は?」
イケメン「まずは主催の幹事君、そして場つなぎに俺、最後にお前のギャグで〆だ。これはお前のギャグセンスを信じて考えた順番だ」
友「ふむ・・・俺のギャグセンスを過信しすぎな点はあるが・・・根拠としては十分だ。次に移ってくれ」
イケメン「次に、自己紹介でどこまで言うかを決めておこう。
名前、学年は基本とし、大学名は幹事君が言ってくれるので、我々は『幹事君と同じ大学のwww』とちょっとテンション高めで最初に入れるのが良いと思われる」
友「確かに」
11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 02:19:22.70 ID:JoXe64Oo0
幹事「異議はありません」
イケメン「そしてここからが問題だ。趣味、血液型・・・等の様々なパーソナルデータから、必要だと思われるものをチョイスしていかねばならない」
幹事「あくまで限定せずに、個人の自由で行くというのはどうですか?」
イケメン「それも考えたのだがな・・・例えば考えていた内容と異なる内容を前の人に言われた場合、それに合わせるか合わせないかで脳内における葛藤が生まれる可能性があるんだ」
友「なるほど・・・」
イケメン「例えば、自己紹介の失敗により合コンがグダグダになる例をシミュレートしてみよう」
12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 02:21:59.48 ID:JoXe64Oo0
Case2 自己紹介がグダグダになったら
幹事「ええと、まず僕から、新都大学1回生の、幹事です!趣味はスノボで、最近創作活動にハマっています!得意料理はオムライスです!」
イケメン「え、俺、あ、うん。えーと、同じく一回のイケメンです。趣味は読書で・・・最近は得になにもしていません。寝てます。得意料理は、特にないです・・・A型のおうし座です」
友「(え、血液型とか言うのか!?」
友「えっと、」
幹事「あ、」
友「え?」
幹事「えっ、先どうぞ」
友「いや、いいよ、言っちゃって?」
幹事「あ、僕は、AB型のてんびん座です・・・」
友「えーと・・・」
女A「なんかグダグダだね~」
女B「帰ろっか☆」
女C「うん!そうだね!」
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 02:23:53.62 ID:JoXe64Oo0
――――――――――――――――――――――――――――
友「うわぁ・・・」
幹事「いたたまれないですね・・・」
イケメン「だろ・・・?」
友「7割くらいお前のコミュ障が原因だと思うがな」
イケメン「マイナスの情報も正確なシミュレートには必須だ」
友「いや間違っちゃいないけど」
幹事「とにかく、自己紹介は統一性をもたせ、事前に文を作ってくる必要がありそうですね」
イケメン「各自、原稿用紙一枚分の自己紹介文を書いてくること。
明日それを訂正し、正式な自己紹介文を作ろう」
友「了解」
幹事「異議なしです」
14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 02:28:35.61 ID:pg88UdgI0
正確なシミュレートwww
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 02:33:41.66 ID:JoXe64Oo0
イケメン「よし、自己紹介までクリアしたな・・・。
どんどん行くぞ、次は、話の流れだ」
幹事「話の流れは、場合によって変わることがあるのでは・・・?」
イケメン「いや、それでは我々の童貞っぷりを露呈する結果になりかねない・・・」
友「というと?」
イケメン「仮に女の子たちが下ネタOKで、経験豊富だったとしよう。
男女入り乱れての合コン・・・当然ピンクなトークになる・・・
その時俺たちは適切な返しができるだろうか?」
幹事「・・・!」
友「無理だ・・・!」
イケメン「エロゲとネットの知識だけでは難しい・・・
俺たちが何も勉強しないままピンクいトークに入った時をシミュレートしてみよう」
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 02:34:23.74 ID:JoXe64Oo0
Case3 皆経験豊富だったら
女A「というか最近全然SEXしてないし~」
女B「私も~☆」
イケメン「そうだよね!あの、アレだしね!たまるもんね!」
女C「そうそう。聞いてよ、この前私イマラチオん時にノドに入ってさ、
そのままリバースしちゃったのよ~!」
女A「きったなぁ~いwww」
17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 02:34:37.34 ID:JoXe64Oo0
イケメン「(え、これどう反応すればいいの?ていうかあるあるなの?
イマラチオって何だっけ?教えてエロい人!」
イケメン「はは・・・そうだね・・・はは・・・」
女A「え、イケメン君も吐かれたことあるの?」
イケメン「まぁね・・・はは・・・うん・・・」
友「俺も・・・そうだな、一回で十回くらい吐かれたかな!ははっ!」
女A「えっ・・・」
女B「流石にそれは・・・ドン引きって言うか☆」
女C「何か萎えちゃったね・・・帰ろう」
女A「うん・・・」
女B「うん・・・」
20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 02:40:28.13 ID:JoXe64Oo0
友「これはキツいなぁ・・・」
幹事「童貞の辛さが身に沁みますね」
イケメン「実際こんなことになったら泣きながら帰る自信がある・・・」
友「嫌な自信だな・・・」
イケメン「これを防ぐために、我々が軽妙なトークを展開し、場の流れを支配する必要がある」
友「流石イケメンだ!」
幹事「ゲームなどはいかがでしょうか!?」
イケメン「素晴らしいな!」
友「ゲームで深まる男女の絆か・・・美しいぜ!」
21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 02:44:39.09 ID:JoXe64Oo0
イケメン「トークにも限界がある。ゲームというのは妙案だな。
して、どのようなゲームがいいのだろうか?」
友「座って6人で行うゲームか・・・」
イケメン「七ならべとか?」
友「待て、なんで敢えての七ならべなんだ」
イケメン「楽しいじゃないか!」
友「地味すぎんだよ!好きな子が8と6止めててドボンしたらどうすんだよ!」
イケメン「泣くほどつらい!」
友「だろ!?」
幹事「なら、王様ゲームなどはどうでしょうか!?」
友「何!?あのリア充御用達、合コンと言えばの王様ゲーム!?」
イケメン「適切な解説ありがとう友よ!しかし、それは酒が入っている前提ではなかろうか・・・?」
幹事「確かにそれもありますね・・・」
友「うーむ・・・あまり大胆な指令はできないな・・・」
イケメン「正直、リスクが大きいと感じるのだが・・・」
22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 02:50:53.04 ID:JoXe64Oo0
幹事「では、用意だけしておいて、状況によってやるかやらないか決めるというのは?」
イケメン「採用!」
友「異議なし!」
イケメン「明日、王様ゲームの詳しい内容を考えよう」
友「明日は忙しくなりそうだぜ・・・!」
イケメン「次だな、他にゲームの提案はあるか?」
友「山手線ゲーム」
イケメン「王道だな」
幹事「筍ニョッキ」
イケメン「有名だな」
友「心理テスト」
イケメン「女性が好きそうだ」
幹事「あとは・・・席替え系列ですかね?」
イケメン「確かに重要だな。最初は男同士女同士で座っているだろうし・・・
ある程度時間が経ってからが望ましいな」
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 02:57:32.20 ID:JoXe64Oo0
イケメン「よし、基本的なゲームは決定だ。順番や構想については、本日各自で考えてきてくれ。明日それぞれの意見をディベートし決めよう」
友「異議なーし」
幹事「異議ありません」
イケメン「ようやく最終段階だな。『話題』・・・これほど難しいものもないな」
友「いまどきの女性が好きそうな話題って何だ?」
幹事「台風や地震の話題でもちきりですね。最近は」
友「合コンでまでそんな話したくねーよ。
なんでそんなに真面目なんだよ」
イケメン「もっとくだけた、フランクな話題の方が良いだろうな・・・
ふむ、最近の若者の好みがわからん・・・」
友「お前も若者だろうが」
イケメン「そ、そうだが・・・」
カタカタ・・・
幹事「『合コンで使える話題』・・・あった!」
友「お、なんだなんだ?」
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 02:59:27.44 ID:pg88UdgI0
なんだなんだ?
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 03:02:14.85 ID:JoXe64Oo0
幹事「出身地方や方言の話などが良いそうです」
イケメン「なるほど・・・!高校や中学と違い、大学は様々な地方から人間が来ている!」
友「その地方の人も、その地方でない人も参加できる、素晴らしい話題だな!」
幹事「しかし、一つだけ問題があります・・・!」
友「どうした幹事、言ってみろ!」
幹事「この度の地震や台風で、ご家族を亡くされた人がいたら・・・」
友「・・・!」
イケメン「・・・!」
友「・・・やめておくか」
イケメン「他の話題は」
カタカタ・・・
幹事「兄弟姉妹の話!どうでしょうか!」
友「これはいいな!その人の人間性もわかってくるかもしれん!」
イケメン「適当に『あぁ、ぽいね~』とか言っておけば場が盛り上がる!」
友「ところでお前らは?」
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 03:05:23.54 ID:JoXe64Oo0
幹事「兄弟姉妹の話!どうでしょうか!」
友「これはいいな!その人の人間性もわかってくるかもしれん!」
イケメン「適当に『あぁ、ぽいね~』とか言っておけば場が盛り上がる!」
友「ところでお前らは?」
幹事「姉二人に兄が一人です」
イケメン「妹と姉が一人ずつだ」
友「お前ら一人っ子の俺に姉か妹一人よこせ」
幹事「もう二人とも就職してますよ・・・」
イケメン「誰にもやらんぞ」
友「このシスコン野郎が・・・」
幹事「まぁこの話題なら大丈夫でしょう」
友「流石に今回ので兄弟姉妹を亡くしましたって人はいないよな・・・?」
幹事「いたら万事休すですね」
イケメン「その時は潔く合コンをあきらめて帰ろう」
友「そうだな・・・」
28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 03:10:44.12 ID:JoXe64Oo0
幹事「そうですね・・・」
イケメン「まずは兄弟姉妹の話・・・これは自己紹介と続けて使えるな。
妙案だ」
友「次はどうする?」
幹事「季節の話題、バイトの話題などが当たり障りなくて良いようです」
イケメン「なるほど。バイトなら俺達もやってるしな」
友「お前なんだっけ」
イケメン「コンビニ」
友「意外とふつうだった」
幹事「僕家庭教師やってますよ」
友「流石成績優秀」
幹事「いやそれほどでも・・・」
イケメン「お前はなんだっけか?」
友「引っ越し」
イケメン「よくやるよ・・・」
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 03:17:06.54 ID:JoXe64Oo0
友「なれれば楽ぞ」
幹事「体がごついなぁとは思ってましたが」
友「お前らも筋トレしようぜ!」
イケメン「パス」
幹事「遠慮します・・・」
友「えー」
イケメン「・・・兄弟姉妹、季節、バイト、他は?」
カタカタ
幹事「誕生日、血液型など、占い関連の話題が女性は気に入りやすいとのことです」
イケメン「ふむ、占いか・・・あまり詳しくはないのだがな」
友「俺もだ」
幹事「大丈夫です!簡単な占い程度なら、今から週末までに勉強すれば、
必ずものになります!」
イケメン「本当か!」
幹事「ええ!」
イケメン「よし、メモしておいてくれ・・・今回の議題は以上だ!各自、意見や質問などはあるか!?」
30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 03:18:48.76 ID:JoXe64Oo0
友「一つだけ」
イケメン「言ってくれ」
友「女性陣が、俺らの想定と全く違う行動に出たら・・・?」
イケメン「その時は仕方ないだろう。女性の心理など、我々にわかるわけなかろう」
幹事「いえ、そうとも限りません!」
イケメン「何!」
幹事「心理学を勉強するんです・・・!相手の何気ないしぐさや抑揚から、
相手の心理状況を判断することができます!」
イケメン「なるほど!心理状況さえつかめれば、合コン等勝ったも同然だな!」
友「そうと決まったら、さっそく心理学の勉強だな!」
イケメン「心理学に詳しい教授を知っている!
オススメの資料を教えてもらおう!」
オウ!
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 03:23:41.20 ID:JoXe64Oo0
――――――――――――――――――――――――――――
こうして、イケメン達の
血と汗の滲む特訓が始まった――
イケメン「そこは、『を』じゃなく『は』にしたほうが良いんじゃないか?
友「なるほど・・・」
幹事「すみません、このピグマリオン効果って何でしたっけ?」
イケメン「えーと、そっちの、『ユング心理学』とって」
友「あいよ」
――――――――――――――――――――――――――――
イケメン「トータルコーデ?カジュアル?
さっぱりわからん・・・」
バーン!
姉「お姉ちゃんに任せな!」
妹「ついにお兄ちゃんがファッションに興味を・・・今日はごちそうだね!」
イケメン「お前ら・・・愛してる!!」
33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 03:29:24.18 ID:JoXe64Oo0
――――――――――――――――――――――――――――
イケメン「ごめん、ジェームズ=ランゲの情動理論の原文どこ?」
友「ごめん俺ん家」
イケメン「ちゃんと持って来いよ!」
幹事「ふむ、類同性による群化について・・・」
友「あ、あとでそれ貸して」
幹事「いいですよ」
イケメン「ちゃんと返せよ?」
――――――――――――――――――――――――――――
幹事「お、『オマカセ』でお願いします!」
美容師「え、いいんですか?」
幹事「はい!!」
美容師「はぁ・・・」
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 03:35:43.35 ID:JoXe64Oo0
――――――――――――――――――――――――――――
友「あ、もし、もしもしそぶそい?ビヨイウンさんですか?」
『はいこちら、サロンドエクキューショナーですが』
友「よや、よや、よやっくく・・・」
『予約でございますね?かしこまりました』
――――――――――――――――――――――――――――
店員「こちらなどはいかがですか?お似合いですよ?」
幹事「ああ、あ、あ、あじゃあ、ああそれで」
店員「まいどありがとうございます」
――――――――――――――――――――――――――――
イケメン「目線の動きによって脳の使い方が・・・」
イケメン「指、手足、顔に手をやる・・・。また、発汗は隠せない・・・なるほど!
これは良いことを聞いた!」
イケメン「もう少し勉強しておこう。えーと?ディポーロの実験・・・?」
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 03:38:42.24 ID:JoXe64Oo0
――――――――――――――――――――――――――――
イケメン「皆、台本はちゃんと持ってきたか?」
友「もちろん」
幹事「当然です」
イケメン「本番では暗記でセリフを話すことになるからな・・・心してかかれよ!」
友「おうよ!家で50回は練習してきたぜ!」
幹事「あの・・・ここの感情がうまくつかめないんですが」
イケメン「ここはだな、興味があるがハッキリと興味を示せないという曖昧な感情でな・・・
目線をこう動かして・・・抑揚は抑え気味に・・・」
幹事「なるほど!」
友「よし、まずは発声練習だよな!」
37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 03:42:14.19 ID:JoXe64Oo0
――――――――――――――――――――――――――――
ピシャーン!!ゴロゴロ!!
イケメン「ぐぉぉっ!!なんという豪雨だ!」
幹事「流石山の天気は変わりやすいですね・・・」
友「だが・・・女心と秋の空、という言葉から、実際に山に行って天気の変わりっぷりを確かめるというアイデアは素晴らしいな!これなら実戦でも苦労しないぜ!!」
イケメン「これが!女心かっ!!うわぁっ!!」
ズルッ!
ゴロゴロゴロ・・・!
幹事「イケメンさあああああああああん!!」
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 03:47:26.73 ID:JoXe64Oo0
――――――――――――――――――――――――――――
そして、ついに週末を迎えた。
しかし、この一週間のすさまじい鍛錬によって、イケメン達は今までとは見違えるようにオサレになっていたのだった・・・!!
イケメン「どうだ?俺のコーデ。アクセが決まってるだろ?」
友「流石イケメンだ・・・!長身モデル体型に素晴らしいファッションが付くとこんなにも凶悪になるのか・・・!」
幹事「女の子が来る前に、台本の最終チェックしてしまいましょう!
僕、897ページの『女の子が突然大量出血した場合の適切な処置』がいまだに苦手なんですよ・・・!」
友「まったく・・・医学用語ちゃんと全部暗記してきたか?
知ったかぶりすると女の子に嫌われるんだぜwww」
イケメン「それは困ると思って俺は国家資格が取れるくらいには勉強してきたぜ・・・!
合コンが終わったら医者にでもなろうかなwww」
友「おっまwww医者が女の子に人気って知ってるくせにwwww」
イラッシャイマセー
イケメン「・・・!!」
友「・・・!!」
幹事「・・・!!」
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 03:51:02.13 ID:pg88UdgI0
ゴクリ(;゚д゚)
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 03:51:58.35 ID:JoXe64Oo0
女A「あ、こんにちは~」
女B「あれ、遅かったですか?すみません・・・」
女C「どうも~!!」
イケメン「『やっほー、いやいや俺たちも今来たところだよ!さぁ座って座って!』」
イケメン「(・・・目線、両手両足、細部に至るまで嘘くさい動きはないな・・・発汗は?
多少あるが、これは問題にはならないな・・・)」
友「(イケメンがどもらないなんて・・・!これが練習の成果か!!)」
もう彼らの演技は非の打ちどころがなかった。
毎日寝る時間を削ってまで自分の演技を磨いた結果、
映画の主演を張れるレベルにまで上達していたのだ!!
友「『いやぁ最近風強いねー!大丈夫だったー?』」
友「(このセリフなら・・・!まだ安全圏・・・!)」
女A「いやぁ本当すごいですよねー!」
彼らの練りに練ったセリフは、順調に合コンを進めていった・・・!
計画通り、完璧である・・・!
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 03:57:35.60 ID:JoXe64Oo0
しかしここで、事件が起こる・・・!
イケメン「『へぇ~、お兄さんがいるんだ!うちは姉妹しかいないから、ちょっと羨ましいなぁ』」
女B「そうですかぁー?あんなのもらってほしいくらいですよwww」
幹事「『うちにも兄がいて』っ・・・あっ」
なんと、幹事のセリフが飛んでしまった――!!
予想外の事態ではあるが、事前に対策はしてある!!
友「『ゲホッゴホッ!!ガホッ!!』」
イケメン「『おい友!大丈夫か!?』」
友「『いやぁwwジュースがのどにつまっちゃってwww』」
イケメン「『何言ってんだよwwwジュースはのどに詰まらねーよwwwお前のノド細すぎるんだよwww扁桃炎になっても知らないぞwww』」
幹事「『扁桃炎にはなりませんよwwその程度でwww』」
完璧である・・・!
完璧なフォローである!!
セリフのとちりをごまかしつつ、さりげないギャグも入れる・・・
ここまでの技量が、彼らにはあったッ!!!
女C「(扁桃炎ってなんだろう・・・)」
43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 04:02:18.03 ID:JoXe64Oo0
イケメン「『王様ゲームwwwww』」
イエーイ!!
順調に・・・なんと王様ゲームができるまでの空気になった・・・!!
事前にクジに関しては調整してある・・・!
手触りの微妙な違い、若干の細さで男性陣にのみ番号がわかるようになっている・・・!
このために動体視力も鍛えた。暗号で王様に自分と好きな子の番号を教えることもできる・・・!
ちなみに暗号とは、飲み物に口をつける回数、アイコンタクト、「あ~」というセリフ
などを状況によって使い分ける!全部で数百パターンにも上る・・・!
全盛期のアメリカ軍でも解読不能なハイレベルの暗号だ・・・!
イケメン「『やりぃwww俺が王様だwwwww』」
友「『えーwwww』」
そしてついに・・・その時は来る・・・!!
イケメン「『2番と4番が、メルアド交換wwwwwwww』」
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 04:04:54.63 ID:JoXe64Oo0
友「(やったッ・・・!!!)」
ついに
ついにやったのである・・・!
苦節18年・・・ようやく女の子とメルアドを交換することに成功したのである・・・!!
女B「え、えと・・・大丈夫?赤外線でいい?」
友「『うん、ありがとう!こっちが先に送るよ!』」
涙を―――
隠しきれなかった。
45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 04:05:57.69 ID:GHUzxUd60
か・・・カンペキ!
47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 04:11:32.51 ID:JoXe64Oo0
なんとイケメン達は、その後様々な計略を施し、
全員が全員のメアドを知るという快挙にいたったのである・・・!
不自然にならぬよう王様は毎回代え、
かつメアドという具体的な指示はもう一度だけにおさえた・・・!
あくまで『偶然メアドを交換する必要があった』という程度に抑えた・・・!!
イケメン「(大丈夫だ・・・!まだ完全に疑われているわけではない・・・!
ここまでは完璧なハズだ・・・!)」
しかし、またしても―――!!
女A「実は、私たちサークルやってるんですけど」
イケメン「(しまった――!!
『サークルに関しての話題編 第六章』の456ページのセリフが出てこない・・・!!)」
ガタンッ
思わず動揺するイケメン――!!
それを察知した仲間が、フォローに入る――!!
友「『どうしたよwwwまたなんかのギャグか?www
お前ジュースでも酔えるのかよwww』」
幹事「『ちゃかさないであげてくださいよwwwトイレでしょう?行ってきてくださいww』」
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 04:14:07.82 ID:JoXe64Oo0
完璧なフォロー――!!
最高の友たちに・・・感謝の意を表して・・・!!
イケメン「『おう、ちょっと催してきちまったよwww
トイレいってくらぁwww』」
カバンを持つのは不自然・・・!
台本は、事前に背中に仕込んである――!!
これで、トイレ内でセリフを見返すだけである――!!
完璧な計画――
のように見えた
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 04:15:52.41 ID:JoXe64Oo0
バサッ
イケメンの背中からなにかがずり落ちる音
気づいた時には、もう、遅かったッ・・・!!
イケメン「――ッ!!!」
女C「なにこれ?」
50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 04:18:29.21 ID:JoXe64Oo0
イケメン「(ちくしょう!!ちくしょう!!!
どうして!!!!!どうしてなんだあアアアアアアアアアアア!!!」
一週間―――
彼らは、己の力の限りを尽くした・・・
時として、心が折れそうになっても、お互いがお互いを励まし合い、高め合った。
それはきっと、皆、口には出さずとも『合コン』の成功を予測していたからだ
みんなで頑張れば、なんとかなる――
大丈夫だ――
そう信じて・・・
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 04:20:54.79 ID:JoXe64Oo0
友「(イケメンッ・・・!!
お前は・・・よく頑張った・・・!!よく、やってくれたッ!!!)」
いくじの無い自分たちをまとめてくれたイケメンへの・・・
信頼、そして熱い絆が・・・
幹事「(一瞬だけでも・・・楽しい夢が・・・見れて・・・
本当に・・・良かったッ・・・!!)」
イケメン「(あ、あぁ・・・あ、ああああああああああ!!!)」
一瞬の油断――
それは、彼らを絶望のふちに叩き落とすには・・・
十分すぎた・・・
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 04:22:29.91 ID:JoXe64Oo0
もう駄目だ――
拾われてしまった以上。軽いノリで見せなければ・・・
女性陣は気を悪くして帰ってしまうだろう。
奪い返すこともできた
とっさに拾うこともできた。
しかし、『してはいけなかった』のである――!!
女A「・・・台本?」
54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 04:23:54.52 ID:JoXe64Oo0
ページがめくられていくとともに・・・
彼らの幻想
理想
夢
希望
それらが、音を立てて崩れていった・・・
ペラ・・・ペラ・・・
女B「え・・・?今までの、全部、セリフだったって、言うの・・・?」
真実は・・・
露呈された・・・
55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 04:25:51.77 ID:JoXe64Oo0
イケメン「(終わりだ)」
イケメン「(合コンも、何もかも)」
イケメン「(やっぱり俺たちはリア充になんかなれないし)」
イケメン「(なっちゃいけなかったんだ・・・)」
全員の目から 涙がこぼれる。
惜しい、あともうちょっとだった――
もう少しで、夢のリア充生活が――
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 04:26:27.01 ID:JoXe64Oo0
女A「すごい!!」
イケメン「へっ?」
57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 04:28:25.29 ID:JoXe64Oo0
女A「すごい、すごすぎるよ!!
これだけのページを・・・あんな完全な演技で・・・!」
女B「しかも見て!シチュエーションごとに違う演技が用意されてるよ!!」
女C「本当!?じゃあ全部覚えて、全部あのレベルでの演技ってこと!?」
イケメン「えっと、あの」
女A「あ、もうしおくれました・・・
私たち、演劇サークルやってるんですけど・・・
良かったら、ウチに来てくれませんか?」
イケメン「ほぼふぉっ!?」
友「ぶべっ!?」
幹事「えっ!?」
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 04:30:28.07 ID:JoXe64Oo0
女A「ちょうど男性のキャストが足りてなくて・・・!
あの、流石に忙しいですよね・・・?」
イケメン「い、いやいやい・・・!ぞ、その!ヒマ!ヒマ!!」
友「俺バイトやめる!!」
女B「いやそこまでしてもらわなくても・・・!」
幹事「っひぃい!いい!!いきまぶ!ぼびっ!!」
61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 04:32:26.96 ID:JoXe64Oo0
――――――――――――――――――――――――――――
こうして彼らの合コンは終わりを迎えたのであった・・・
イケメン「・・・」
友「・・・」
幹事「・・・」
イケメン「・・・なぁ」
友「なんだ?」
イケメン「俺ら何がしたかったんだっけ?」
幹事「・・・さぁ?」
イケメン「帰るか・・・」
友「おう・・・」
幹事「・・・はい」
63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 04:33:40.80 ID:JoXe64Oo0
こうして彼らの演劇を極める道が始まったのである・・・!
イケメン「えー・・・」
完
68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 04:38:24.79 ID:JoXe64Oo0
リア充は合コンを軽く見すぎなんだ
これくらい準備するべきなんだ
71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 04:43:19.01 ID:7VGkkIXKO
その用意周到さにワロタ 乙でした
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/04(日) 04:36:55.72 ID:9ggoxsJCO
良かった
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