中野有香「格好良くなりたい?」水本ゆかり「ええ」

2021-07-23 (金) 00:07  アイドルマスターSS   0コメント  
1: 名無しさん@おーぷん 21/07/16(金)09:00:38 ID:LO9H


・「アイドルマスター シンデレラガールズ」のSSです
・描写について、複数のコンテンツの要素や独自の解釈を含むことがあります


前作(のようなもの)
椎名法子「ジャンボパフェに挑戦したい?」水本ゆかり「ええ」
※話の展開に繋がりはさほどありません


松永涼「それにしても、有香の演技はサマになってたよな。相手してて、なんというか、ゾクゾクしたよ」

中野有香「本当ですかっ? か、格好良くできていたでしょうか……?」

姫川友紀「もっちろんだよ! 落ち着いてるけど、それでいて気迫を感じるあの佇まい……まるで最終回のマウンドに上がるクローザーみたいだったよ!」

中野有香「くろ……? 黒帯なら、締めますけど……」

前川みく「有香チャン、それたぶん違うと思うにゃ。……いや、みくも野球はよくわかんないけど」

大和亜季「普段の可愛らしいイメージに加えて、今回のクールな装い……。いやぁ、有香殿はもう、向かうところ敵なしでありますなあ」

みく「ねー! 可愛いもカッコイイもお手の物って感じ! むむ~、みくも負けてられないにゃ!」

有香「ちょ、ちょっと大袈裟ですって……!」アセアセ

ワイワイ
アハハ
ニャー!



水本ゆかり「……」ジー

椎名法子「……」ジー





2: 名無しさん@おーぷん 21/07/16(金)09:03:03 ID:LO9H



----翌日----



ゆかり「有香ちゃん! どうか私を……私を、男にしてください!」

有香「っっ!?」ブフォ

法子「わーっ、有香ちゃんがお茶吹き出しちゃった!」

有香「けほっ、けほっ……! ゆ、ゆかりちゃん? 今のは、一体どういう……!?」

ゆかり「あっ……すみません。少し、説明不足だったでしょうか?」

有香「少し、なのかな……? えっと、まずは順を追って説明してもらえますか?」

ゆかり「はいっ。その……先日のお仕事での有香ちゃんが、本当に格好良くて……!」

ゆかり「いつもの可愛い衣装とは違う、きりっとしたスーツ姿……自信に満ちた立ち居振る舞い……! もう、釘付けになってしまいました!」フンス

法子「ねー! あたしも、見ててドキドキしちゃった!」

有香「あぁ、『Joker』の……。ありがとうございます。二人にまでそう言ってもらえるなんて……なんだかむずがゆいですね」エヘヘ




3: 名無しさん@おーぷん 21/07/16(金)09:06:21 ID:LO9H

ゆかり「ユニットの仲間である有香ちゃんがこうして次々と新しい魅力を身に着けているのを実感して、居ても立っても居られなくて……」

ゆかり「ですから私も、有香ちゃんに格好良さの何たるかを教わりたいのです! スマートで、男性的といいますか、えぇと……」

法子「デニッシュ?」

ゆかり「そう、デニッシュになりたくて!」

有香「マニッシュですね。デニッシュだと行き着く先はパンです」

法子「デニッシュ生地のドーナツだってあるよ?」

有香「法子ちゃんは話をややこしくしないでください!」

ゆかり「あ、あの……ごめんなさい法子ちゃん。私は、ドーナツになりたいわけではなくて……」

法子「えー!? ……ゆかりちゃんは、ドーナツのこと、嫌い?」

ゆかり「そんな! 好きです、もちろん! 特に法子ちゃんと一緒に食べるドーナツは……!」

法子「えへへっ、ありがとー♪ あたしも、ゆかりちゃんとドーナツ食べるの、だーいすきだよっ♪」

ゆかり「法子ちゃん……♪」

有香「……あたしは何を見せられているのでしょう……?」




4: 名無しさん@おーぷん 21/07/16(金)09:08:23 ID:LO9H

有香「と、とにかく! 私が挑戦したような格好良い感じを、ゆかりちゃんもやってみたいってことですよね?」

ゆかり「はい! 是非とも格好良さの秘訣を、学ばせてください!」

有香「秘訣だなんて大それたことは、私に教えられるか分かりませんが……他ならぬゆかりちゃんの頼みです! 誠心誠意、お応えしましょう!」

ゆかり「……! ありがとうございます!」パァァ

法子「よかったね、ゆかりちゃん♪」

有香「それに、スマートでマニッシュにキメるゆかりちゃんっていうのも、少し見てみたいですしね」

法子「いつもはカワイイとか、綺麗とかってカンジだもんね」

有香「格好良い系のゆかりちゃんかぁ……どんな風になるんだろう。あたしも、なんだか楽しみになってきました!」

ゆかり「はいっ。有香ちゃん師範みたいになれるように、頑張ります! よろしくお願いしますね」

有香「し、師範だなんて……」テレテレ




5: 名無しさん@おーぷん 21/07/16(金)09:09:34 ID:LO9H

ゆかり「それで、えぇと……まずは、瓦割りの練習などから始めればいいんでしょうか、師範?」

有香「違いますっ! 空手家になりたいわけじゃないでしょう!?」

法子「じゃあドーナツ家?」

ゆかり「すみません、そういうわけでは……」

法子「そっかぁ……」シュン

有香「そのくだりはさっきやりました! ……というか何ですか、ドーナツ家って」

法子「えっとね、すっごくドーナツな人のこと!」

有香「何も伝わってこない」

ゆかり「うーん……習うより慣れよ、と言いますし、師範の真似をするのが一番だと思ったのですが……」

有香「その発想自体は悪くないと思いますが、真似するところがちょっと……」

法子「有香ちゃんはカッコいいお仕事のとき、どんなレッスンをしてたの?」

有香「そうですね……あっ。じゃあ、試しにひとつ、やってみましょうか」




6: 名無しさん@おーぷん 21/07/16(金)09:15:54 ID:LO9H



----レッスンルーム----


ゆかり「有香ちゃんの言う通り、ジャージに着替えてきましたけど……いったい、どんな運動を? やっぱり、空手ですか?」

有香「ふふっ、運動じゃありませんよ。ゆかりちゃんにやってもらうのは、黙想です!」

法子「黙想って、有香ちゃんがたまにやってる、精神統一みたいなやつ?」

有香「そうです! これは『Joker』よりももっと以前の話なんですが……黙想によって心を落ち着けて、己と向き合うことで、あたしは新しい自分を見つけることができましたから」

ゆかり「なるほど……!」

有香「本当は道着があればなお身も引き締まるかと思ったんですが、さすがに準備できなかったので、ジャージで」

ゆかり「わかりました。クールな格好良さを会得するためには、まずは精神を研ぎ澄ませることが必要なのですね」

法子「ゆかりちゃん、頑張れっ♪」

有香「では早速……こうやって、正座してください」

ゆかり「はいっ」

有香「姿勢を正して……黙想っ!」




7: 名無しさん@おーぷん 21/07/16(金)09:16:29 ID:LO9H



ゆかり(……心を落ち着かせて、スマートで洗練された自分をイメージして……!)

ゆかり(………………)スゥー

ゆかり(………………)フゥー

ゆかり(………………)

ゆかり(………………)




8: 名無しさん@おーぷん 21/07/16(金)09:17:44 ID:LO9H




有香「どうですか? ゆかりちゃん」

ゆかり「……ふぅ、まるで生まれ変わったかのような心地です」キリッ

有香「はぅッ!?///」ズキューン

法子「か、かっこいい……!///」ズキューン

ゆかり「どうしたんですか、二人とも? そんなに顔を赤くして」キリッ

法子「はうぅ~! なんだかドキドキが止まらないよ~!///」

有香「だ、ダメです……格好良すぎて、直視できない……!///」

ゆかり「それは困りましたね……私は、二人の可愛らしいお顔をもっと見ていたいのに」キリッ

有香「素敵……! ゆかりちゃん……いえ、ゆかり様!」

法子「ゆかり様ー! あたしと一緒にドーナツデートしようっ!」

有香「あっ、法子ちゃんずるい! ゆかり様はあたしと、瓦の割り合いっこをするんです!」

ゆかり「あらあら……二人とも、喧嘩はいけませんよ」キリッ





9: 名無しさん@おーぷん 21/07/16(金)09:19:10 ID:LO9H




有香「……ゆかりちゃん、ゆかりちゃん!」

ゆかり「……んぅ……わたしのために、あらそわないで……」ムニャムニャ

法子「ゆかりちゃーん、起きてー」ユサユサ

ゆかり「……うぅん…………あら……?」ムクリ

法子「あっ、起きた! おはよー、ゆかりちゃんっ」

ゆかり「おはよう、ございます……? 私……そう、確か黙想を……もしかして、眠ってしまっていましたか?」

有香「あはは……結構早い段階で、寝ちゃってましたね」

ゆかり「なんだかふわふわした気分です……夢を、見ていたような」

法子「ゆかりちゃんの寝顔、可愛かったよ♪」

ゆかり「の、法子ちゃんっ。うぅ、お恥ずかしい……///」

有香「うーん、黙想はゆかりちゃんにはちょっと向いていなかったかもしれませんね……。別の方法を考えてみましょうか」

ゆかり「ごめんなさい、有香ちゃん」シュン

有香「いえいえ。レッスンの方法も、向き不向きがあると思いますし」

ゆかり「せっかく、瓦デートのお誘いまでしてもらったのに……」

有香「何の話ですか???」





10: 名無しさん@おーぷん 21/07/16(金)09:26:51 ID:LO9H



----衣装室----


法子「ねぇ有香ちゃん、次はどうするの?」

有香「やっぱり、まずは形から入るのがいいのかなと」

ゆかり「形から、ですか?」

有香「あたしの場合、涼さん達とショッピングに行って、スマートで格好いいファッションにいろいろ挑戦してみたんですよ。そうやって、イメージを掴もうと思って」

法子「そっか! あたしたちも、カワイイ探しにみんなでお買い物したもんね! それのカッコいいバージョンってことだ♪」

有香「そう、そんな感じです!」

ゆかり「なるほど……! そうすれば、わたしも、男性的な……えぇと……」

法子「サコッシュ?」

ゆかり「そう、サコッシュな魅力を身に着けられますね!」

有香「それだとただの小さめのバッグですね。……わざとやってませんか、法子ちゃん?」

法子「えへへー、いわゆる『天丼』ってやつだよ♪」

ゆかり「天丼? 法子ちゃん、もしかしてお腹が空いちゃいましたか?」

有香「いや、お笑い用語のほうかと……ほら、法子ちゃん関西出身ですし」

法子「そうそう、ご飯にドーナツ乗せたやつのことじゃないよー?」

有香「それもあたしが知ってる天丼とはだいぶかけ離れてますけど! 揚げてればいいってものじゃないでしょう!」

法子「ちっちっち。ドーナツって、揚げてるのばっかりじゃないんだよ? オーブンを使った、焼きドーナツっていうのもあって……」

ゆかり「まぁ、本当ですか?」

法子「油を使わないから、ちょっとヘルシーなの!」

有香「あの、ヘルシーなドーナツの話は一旦置いておいて、そろそろスマートなファッションの話に戻りませんか……?」




11: 名無しさん@おーぷん 21/07/16(金)09:28:44 ID:LO9H

ゆかり「あっ、そうでした……! えぇと、それでは今から、この衣装室でイメージに沿ったお洋服を探すんですね」

有香「はい! もうすぐ夕方ですし、今からお店を巡るのはちょっと大変なので……ここならいい感じの衣装もあると思うんですが」

法子「よーし! じゃああたしたちで、ゆかりちゃんをビシッとカッコよくコーディネートしちゃおう!」

ゆかり「はいっ。よろしくお願いしますっ♪」ワクワク

有香「本当は、涼さんのようにセンスがある人に手伝ってもらうのが一番なのですが……」

有香「……ううん。あたしだって、あれからいろいろ勉強して、センスを磨いてきたんだから、きっとゆかりちゃんの力になれるはず……!」グッ

法子「わっ、見て見てゆかりちゃん! ドーナツ型のサングラス見つけたよ!」

ゆかり「まぁ……! サングラスといえば、格好良い大人の方が身に着けているイメージがありますよね」

法子「じゃあ、採用だねっ♪」

ゆかり「こちらにある赤い衣装は……」

法子「あっ、それ見たことあるかも! 光ちゃんが好きな戦隊ヒーローの変身スーツに似てる!」

ゆかり「そうなのですね。ヒーローは格好良いですから、これも採用ですね♪」

有香「……仮装パーティーをしに来たわけではないのですが……」




12: 名無しさん@おーぷん 21/07/16(金)09:31:29 ID:LO9H



~数十分後~


ゆかり「着替えてきました……ど、どうでしょうか……?」

法子「おぉ~~!」キラキラ

有香「うん、いい感じですっ。結局、『Joker』であたしが着たのと似たようなスーツと帽子になっちゃいましたけど……ばっちり似合ってますよ!」

法子「うんうん! カッコいいよ! ゆかりちゃんじゃないみたい!」

ゆかり「あ、ありがとうございます……。慣れない格好でなんだか落ち着きませんが……」モジモジ

有香「あー、ダメですよゆかりちゃん! こう、ビシッと背筋を伸ばさないと!」

ゆかり「こ、こうですか?」ビシ

有香「あとは、そうですね……胸を張って、腰に手を当ててみたりして……」

ゆかり「胸を張って……腰に手を……」

有香「あとは表情、でしょうか。もうちょっと、キリっとした感じで」

法子「ドヤ顔みたいな感じ?」

有香「ドヤ顔……うーん、ちょっと違うような……? でも、イメージはそんな感じかも」

ゆかり「なるほど……少し、やってみますね」

ゆかり「……格好良いアイドルに、なってみせますわ!」ドヤフンス

有香「……なぜ、お嬢様口調に……?」

ゆかり「あっ……琴歌さんをイメージして演じたら、つい言葉遣いも似通ってしまいました……」

有香「確かに、表情はいい感じでしたが、マニッシュではなくなっちゃいましたね……」




13: 名無しさん@おーぷん 21/07/16(金)09:33:04 ID:LO9H

法子「じゃあさじゃあさ! 今度は自分のことを『ボク』って言ってみるのはどう? それなら男の人っぽくなるかも♪」

有香「いいですね! 法子ちゃんナイスアイディア!」

ゆかり「えぇと……ボクは、水本ゆかり。スマートな格好良さを、マスターしてみせます……いえ、してみせるよ!」キリッ

法子「おぉ~!」

有香「なかなか良くなってきたんじゃないでしょうか!」

ゆかり「ありがとう……こうやって普段とは違う仮面を被るのも存外、悪くないかもね……」フッ

有香「……一人称のせいか、若干飛鳥ちゃんに寄ってきているような……? あ、でも飛鳥ちゃんは格好いい系だし、これでいいのかな?」

法子「ゆかりちゃん、すごーい! ばっちりだよー♪」

ゆかり「フッ、もっと褒めてくれてもいいんだよ?」フフーン

有香「少し幸子ちゃんも混ざってませんか? それだとむしろカワイくなっちゃいますよ」




14: 名無しさん@おーぷん 21/07/16(金)09:43:15 ID:LO9H

ゆかり「あっ、すみません……難しいですね」

法子「あ、戻っちゃった」

ゆかり「やはり、エクステも身に着けるべきだったでしょうか……?」

有香「それもどうかと……」

法子「でも、じゅうぶんカッコよかったと思うっ!」

有香「そうですね。ゆかりちゃんも、少しずつ感覚が掴めてきたんじゃないですか?」

ゆかり「確かに、おぼろげではありますが……けれど、有香ちゃんのような洗練された雰囲気には、まだ及びません」

ゆかり「有香ちゃん! もっと、格好良さの極意のようなものは、ありませんか……?」

有香「ご、極意ですか……? そう言われても……」




15: 名無しさん@おーぷん 21/07/16(金)09:45:38 ID:LO9H

法子「他にお仕事に向けて、特別にやったこととかってあるの?」

有香「うーん、私の場合だと、翠さんに弓を触らせてもらったりもしましたけど……」

ゆかり「まぁ、弓に格好良さを高める効果があるなんて……!」

有香「あ、いえ、弓そのものというよりは……」

ゆかり「弓でしたら私にも当てがあります。早速、星花さんに連絡してみますね」

有香「す、ストップ! バイオリンの弓じゃなくて、弓道のほうですからね!?」

ゆかり「そうですか……さすがに、そちらの弓はすぐに用意できるものではありませんよね……」シュン

法子「じゃあ、ゲームセンターにあるダーツとか?」

有香「それはさすがに、趣旨から外れるような……」

ゆかり「やはり、一朝一夕に会得できるものではないのでしょうか? 有香ちゃんのような、スマートで……」

法子「ガナッシュ?」

ゆかり「そう、ガナッシュな魅力というものは……」

有香「私もチョコレートになった覚えはありませんが……」

法子「この間かな子ちゃんが作ってきてくれたトリュフチョコ、美味しかったなぁ……♪」ウットリ

有香「あ、そこはドーナツじゃないんだ」

法子「あまーいお菓子はなんでも好きだよっ。一番はドーナツだけど!」




16: 名無しさん@おーぷん 21/07/16(金)09:46:55 ID:LO9H

ゆかり「じゃあ、二番は何なんですか?」

法子「えーー!? そんな、急に言われてもすぐには選べないよ~! ケーキも好きだし、クレープも……」

ゆかり「クレープといえば、思い出しますね。三人で原宿にお買い物に出掛けて……」

有香「あぁ、みんなでクレープを食べましたね。結局、あの時も法子ちゃんのクレープにはドーナツが乗ってましたけど」

ゆかり「ちょい足し、ですよね♪」

法子「あはは♪ やっぱり、ドーナツが一番っ!」

ゆかり「ふふっ♪」

有香「…………って! 脱線しすぎです! 今はドーナツじゃなくて、格好良さの話でしょう!?」

ゆかり「あっ、そうですよね」

法子「もー、ゆかゆかったら、結構忘れんぼさん?」

有香「半分以上は法子ちゃんが元凶な気がしますが」




17: 名無しさん@おーぷん 21/07/16(金)09:49:04 ID:LO9H

有香「……こほん。それでですね、ゆかりちゃん。格好良さの極意、ですけど……」

ゆかり「は、はい……!」ゴクリ

有香「極意は、もう既にゆかりちゃんの中に宿っていますよ」ニコッ

ゆかり「えっ……?」

法子「えっと、どういうこと?」

有香「だってゆかりちゃん、最初に言っていたじゃないですか。『師範の真似をするのが一番だと思う』って」

ゆかり「……!」

有香「空手は、同じ型を何百回と繰り返して、その心を学ぶものです。アイドルのレッスンだって、トレーナーさんの指導のもと、何度もステップを繰り返しますよね」

ゆかり「はい……」

有香「であれば、今回も同じことだと思います。たった一度の模倣だけではそれは付け焼き刃にしかなりませんが、それを繰り返すことで、形だけではなく、そこに心が宿るのです!」

ゆかり「つまり……人の真似でもいいから、繰り返し挑戦することで、目標に近づける、ということでしょうか……?」

有香「少なくとも、あたしはそう思います。千里の道も……『格好良い』の道も一歩から、ですよ」

法子「うんうん! あたしもドーナツ作りを覚えるとき、何回も失敗したけど、やってるうちに上達したもん!」




18: 名無しさん@おーぷん 21/07/16(金)09:52:21 ID:LO9H

ゆかり「そうですね……私、有香ちゃんに置いていかれないようにと、気持ちが逸ってしまって……大切なことを、見落としてしまうところでした」

有香「ゆかりちゃん……」

ゆかり「改めて……まずは様々なものに触れて、勉強してみようと思います。スマートでマニッシュな、格好良さというものを」

ゆかり「もちろん、とても格好良い有香ちゃんのことも、参考にさせてもらいますね♪」

有香「は、はい! あ、でも瓦割りはまた別ですからね?」

ゆかり「ええ、大丈夫です。瓦割りをしているところ以外にも、有香ちゃんの格好良いところはたくさん知ってますから!」

有香「ま、またゆかりちゃんは、そういうことを堂々と……///」

法子「ふふっ♪ 有香ちゃん、顔赤くなってるー!」

有香「ふぅ……あたしも、もっと精進しないといけませんね。ゆかりちゃんの、良き模範となれるように!」

ゆかり「この機会に、有香ちゃん以外にも、事務所のいろいろな方にお話を伺ってみようかしら……」

有香「いいですね! 涼さんやみくちゃん達なら、また違ったアドバイスをしてくれるかも」

法子「みんなのいいところをどんどん真似したら、すっごくカッコいいゆかりちゃんになっちゃうかも!」

ゆかり「法子ちゃんはどうですか? どなたか心当たりは……?」

法子「あたし? あたしが最近カッコいい! って思ったのはー……」




19: 名無しさん@おーぷん 21/07/16(金)09:56:18 ID:LO9H




プロデューサー(以下、P表記)「さて、と……衣装の確認が終わったら、来月のイベントの資料作りか……」ブツブツ

ガチャ
P「……ん?」

法子「あ、プロデューサー♪」

有香「お疲れ様ですっ!」

P「おぉ、お疲れ。メロウ・イエローが勢揃いじゃないか、何してたんだ? こんなところで……」


ゆかり「アァン? 気軽に声を掛けるなんて、立場を理解していないのかしら? 無能な豚じゃないというのなら、無駄口を叩かず自分の務めに勤しむことね」キッ

P「」


ゆかり「……ど、どうでしょうか、プロデューサーさん? 私、格好良く……」

P「」ドサッ

ゆかり「あら? どうしてそんな、膝から崩れ落ちて……ぷ、プロデューサーさん? しっかりしてください……!」ユサユサ

有香「……うーん。あれはさすがに、選択を誤ったでしょうか……?」

法子「えー? カッコいいと思うんだけどなー」



おわり




20: 名無しさん@おーぷん 21/07/16(金)09:56:46 ID:LO9H


以上、お付き合いありがとうございました。

久し振りのSS。Jokerのイベントの時から構想はあったのですが、なかなか形にできないまま時間だけが過ぎ、結局ほぼ一周年記念になってしまいました。

前回書いたの
キャンディアイランドのあくまで毒にも薬にもならないおしゃべり

こちらも、よろしければどうぞ。




元スレ
http://wktk.open2ch.net/test/read.cgi/aimasu/1626393638/

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