1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 20:20:26.13 ID:Y486W+bC0
「やばいな、父ちゃん達の遺産も殆どのこってないしなぁ」
「嫌だけど仕方ない。仕事を探そう」
3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 20:21:35.44 ID:Y486W+bC0
一時間後
「よろずやでタウンワークを買ってきた訳だけど。」
「ページがやけに重い気がするけど、ちょいと読んでみるか。」パラパラ
「呪文講師、いくつかは使えるけど僕、コミュ障だしなぁ。」
「よろずやのバイトかぁ、マニュアル通りにしゃべるだけだし悪くないな。でも吃りそうだな。」
「!!!、喋らなくてよさそうなバイト見つけたぞ!。
5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 20:23:23.16 ID:Y486W+bC0
ー宝箱配置ー
勇者さんの旅のお手伝いをするお仕事です。
目立たないながらも重要なお仕事!
縁の下の力持ちです!
条件。安全のためモンスターとある程度戦える方
時給。821ゴールド
はがねの剣もしくは魔導士の杖
くさりかたびら支給
7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 20:28:24.11 ID:Y486W+bC0
「アレフガルドの最低賃金だけど仕方ないよね。電話してみるか。」ピポパ
ガチャ
担当「もしもし、こちら勇者支援本部アレフガルド支部です」
「あ、あ、あの。タウ、タウンワークのき、記事を、み、いや拝見したんですけど。」
担当「はい、ありがとうございます。今月の募集は宝箱配置の募集でしたがよろしかったでしょうか?」
「は、はい、あの、よろしかっ、じゃなくて結構です、はい。」
担当「この仕事ですねー。前任者が人食い箱に食べられてしまって、空席だったんですよ。助かります」
「あ、い、いえ、コチラコソ」
9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 20:33:42.53 ID:Y486W+bC0
担当「形式的にですね、面接を一応行いますので明日事務所に履歴書をもっていらしてください。」
「あ、あの、はい、オナシャス」
ガチャ
「よかった、面接にはこぎつけたぞ。でも履歴書はどうしよう…。」
「そういえば、かぁちゃんが買っておいてくれたのがあったよな。どこに行ったかぁ」
「レミラーマ!」
キラッ
10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 20:39:00.52 ID:Y486W+bC0
「あ、あったこれこれ。さてと、名前は、ゾーマっと、年齢は251歳っと。」
「性別、男。連絡手段は念派でいいや。どこにでも送信できるし」
11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 20:39:49.99 ID:Y486W+bC0
「住所は、…そういえばここ番地ないんだ。」
「だからラダトームにマンション借りようっていったんだよ。」
「まぁ、孤島でいいか」
「学歴…、どうしよ本当に白紙だよ、職歴もだ、こまったなぁ。」
「まぁいいや気を取り直して、特技かぁ、すこしだけ自信あるぞ、えーと。」
14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 20:45:06.16 ID:Y486W+bC0
特技
マヒャド
二回行動
痛恨の一撃
ブレス攻撃各種。
「っと、まぁこんなもんだよね。」
「通勤手段はルーラでいいや、ポップのマネしてみたらトベルーラも使えたし、やくに立ちそうだね」
「さぁて。書き終わったから寝るとしようかな」
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 20:48:26.36 ID:/hvgwM3z0
なんという破格の高スペック
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 20:48:35.65 ID:DtXiyvOQ0
採用余裕
17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 20:48:51.02 ID:Y486W+bC0
翌日、面接会場
「こ、こここ、これ、履歴書です、オナシャス!」
担当「はい、お預かりします。…えーとお書き忘れの場所はございませんか?」
「い、いいいいいいえ、そ、それが僕の全部でひゅ」
「(ああ、したかんじゃった、だよねぇ言われるよねぇ)」
担当「おや、でもマヒャドが使えるんですね。覚えるの大変だったでしょう。」
「はい、くくく苦労しました。(生まれた時から使えてたとは言えないなぁ)。」
19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 20:53:18.12 ID:Y486W+bC0
担当「戦闘力については問題なさそうですね。採用です。これからよろしくお願いします。」
「(あ、あれっ?合格しちゃったやったぁ!)はい、あああああちがとうございます。」
担当「配置図を渡しますのでこの通りに明日からお願いします。」
「(しゃべらなくてもよさそうだし、いい仕事見つけたなぁ。明日から頑張ろう」
数日後
21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 20:56:50.52 ID:Y486W+bC0
「さて、今日の現場はルビスの塔か、ものすごい貴重品が或らしいし扱いには気を付けなきゃな」
「でも、力の種で多少底上げさせてもらっていても宝箱を十数個担ぎながら階段昇り降りするのはきついなぁ」
「ちょっと、人食い箱あばれるなよ。倒しちゃうぞー。」
「だからザキはやめようよ、なぜか僕には効かないみたいだけど下手したら死んじゃうからね」
「よいしょ、人食い箱はこれで最後か。いいかい、おとなしくしてるんだよ。」
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 21:03:01.19 ID:Y486W+bC0
「塔はまだありそうだな。もう一息だ!」
まもののむれが現れた!
「両手がふさがってるのに勘弁してくれよ!」
ゾーマは鬼の形相で睨みつけた!
まもののむれは逃げ出した!
「ちょっと大声出したら逃げてくれたや、運がよかったな。」
「今日の仕事もこれで終わりだ。ちょうど一番上だしルーラで帰ろう。」
「…それにしても、ルビス像ってめちゃめちゃ可愛いよなぁ」
シコシコ
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 21:06:35.39 ID:Y486W+bC0
数週間後
勇者「ルビス様!石化が解けたんですねっ!」
戦士「おめでたいぜ!それにしても何か臭くないか?どこかで嗅いだことのある。」
勇者「…(イカくせぇ)か、カビの臭いとかじゃないのか。長年放置されてきたし」
戦士「僧侶、賢者、お前ら顔赤いぞ、どうしたんだ?
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 21:10:29.79 ID:Y486W+bC0
ゾーマ「なんだろう、手紙がとどいてる。」
「なになに、事務所からか…。ぼく何かまずいことしたのかぁ」
「支給連絡ください、っか怖いけど連絡しなきゃな。えいっ!」
事務所
空気を唸らせ低い声が響きわたる。
ブワッ
「どどどど、どうもゾーマです。おおおお手紙をいただいたのですが」
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 21:13:08.92 ID:Y486W+bC0
担当「念派ですか、実体も映せるなんてますます向いてますよ!」
「え、えと、なんでしょうか?」
担当「あのですね、勇者御一行がギアガの大穴を抜けて来ちゃったんですけど。」
「じゃ、じゃあ、いいいいい、いよいよですね」
担当「それがですね、兼任されていたお仕事で人食い箱にやられてしまってダウンしてるんですよ。」
「そそそ、それはたいへ、大変でしゅね」
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 21:13:27.32 ID:DtXiyvOQ0
ぶっかけワロタ
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 21:17:46.83 ID:Y486W+bC0
担当「いままで募集をかけていたのですが、今はバラモスエビルさんが代役を務めてますけど。」
担当「上の世界のボスがあれですし、…ぱっとしないじゃないですか。」
「(たしかに名前がかぶってるよなぁ)」
担当「そこでゾーマさんですよ!あのステータス!大魔王を名乗ってもおかしくないですよ!」
「そそそそ、そんなぁ。僕なんて」
担当「立地もちょうどいいですし自宅勤務も許可致しますよ!」
「で、ででで出かけなくてもいいんですすすか?」
35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 21:22:04.39 ID:Y486W+bC0
担当「ご自分のお部屋の椅子に座ってるのがお仕事になりますから」
「っそ、そそそれはいいですね」
担当「時給も危険給込ってことで今の倍だしますから!」
「(今の倍?エッチな本が倍買えるってことかぁ。いいなぁ。」
「や、ややややりましゅ!」
担当「ありがとうございます!助かりますよ!」
担当「追って資料を伝書ガルーダが届けますのでそれをお読みください!」
ぷちっ
37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 21:25:46.29 ID:Y486W+bC0
ゾーマ「フハハハハハ!やったぁ、もう出かけなくてもいいんだ!」
「やったぁ!」
その晩、孤島からは不気味な笑い声が響き続けたという。
翌日
「お、ガルーダだ。資料かい?ありがとう」
「一枚だけか…、なになに。」
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 21:26:47.40 ID:Y486W+bC0
勤務時間
8:00~20:00
時間外勤務有り(時間外手当時給×1.5)
玉座に座っている簡単なお仕事です。
勇者が来たらこの通りに言って威圧しましょう。
勇者よ!なにゆえもがき生きるのか
ほろびこそわがよろこび。
死にゆく者こそ美しい
さ あ わ が う で の 中 で 息 絶 え る が よ い
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 21:28:46.42 ID:Y486W+bC0
「かっこいいよなぁ」
「僕にちゃんといえるのかなぁ。よし、勇者がくるまで練習しよう!」
「そういえば、かぼちゃとか並べるといい、って聞いたことあるな。よし」
41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 21:29:39.43 ID:Y486W+bC0
ゆ、勇者よ!な、なにゆえもがき生きるのか
ほろびこそわ、わがよろこび。
しししにゆく者こそ美しい
さ、さあわがうでの中で息絶えるぎゃよい
「うーん、なんかぱっとしないなぁ」
「さぁ、もっと練習だ!」
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 21:30:00.36 ID:E+ijj/580
こうつながるのか…
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 21:28:01.59 ID:1KpKF8HNi
おもしろい
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 21:33:19.18 ID:Y486W+bC0
ルビス「ふう、やっと勇者たちも帰ったわね、やっとシャワーを浴びれるわ」
ルビス「なにがアストロンしてるだけの簡単なお仕事よ」
ルビス「あんな汚いものまで見せつけられて。」
ルビス「あーもう!髪についたのが落ちないじゃないの!」
ルビス「さいあくー!」
45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 21:33:53.72 ID:9/+YzHE20
!?
46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 21:34:15.94 ID:JXD0vtyi0
これが舞台裏か……
47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 21:36:57.84 ID:Y486W+bC0
ゾーマ「やっと、形になってきたぞ。三回に一回は噛まずに言えるようになったぞ。」
「ラブドールに鎧着せて勇者に見立てたのが正解だったな」
「もっと練習だぁ」
「あ、ガルーダじゃん!また手紙かい?」
「なになに。勇者御一行がリムルダールを出発しました。数日で付くと思います」
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 21:41:19.94 ID:Y486W+bC0
ピンポーン
「あ、どどど、どもゾーマです」
キングギドラ「ギャー、ぎゃギャギャー。」
バラモスエビル「俺のペットっす。”ご迷惑おかけしますがどうぞよろしくお願いします”といっるっす。」
バラモスエビル「んなわけで、俺のこともよろっす。」
バラモスゾンビ「ぐぉー、グぎゃー。」
バラモスエビル「こっちの骨っぽいのが俺の兄貴で、勇者にリベンジしたいらしくてね、連れてきたんす。」
バラモスエビル「教会で生き返らせようと思ったけど断らてたんで、ザオリク使える舎弟人たのんだんすけど、
見た目がかぶるので途中で止めさせてっす。ハイ」
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 21:44:13.91 ID:DtXiyvOQ0
ペットかよ
50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 21:47:38.73 ID:Y486W+bC0
バラモスエビル「あと後ろにたくさんいる野郎どもは俺の舎弟達っす。こいつらは適当に使ってやってくださいっす。」
バラモスエビル「地下の祭壇に配置って聴いてるんすけどそれでいいっすか?」
「うううう、うん、頼むよ、頼りにし、してるよ」
バラモスエビル「リョーカイっす!ちょりっす、行くぞおめーら!」
キングギドラ「ぎゃー」
バラモスゾンビ「ぐぉー」
ぞろぞろ
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 21:50:54.92 ID:Y486W+bC0
ゾーマ「大魔王代理だった人か。なんだかんだで頼りになりそうだなぁ」
「さて、もう勇者はすぐそこだぁ、頑張るぞ」
「みんな位置に付き始めたぞ、緊張するなぁ。こんなときは手のひらに血文字で魔って書くといいってかぁちゃんがいってたなぁ」
勇者が来たぞー!
52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 21:52:53.13 ID:Y486W+bC0
「うえからか。もう来たのか思ったより早かったなぁ。よし、最後に小声で練習しておこう。」
「あれ?そういえばキングギドラが居ないぞ?あ、戻って来た。何食べてるんだろう。」
バラモスエビル「てめー、何食ってるんだよ!拾い食いはやめろって言ってんだろ!」
キングギドラ「ぎゃー、ぎゃぎゃー。」
バラモスエビル「言い訳すんなよっ、っておい、来たぞ!」
54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 21:56:26.70 ID:Y486W+bC0
バラモスエビル「キングギドラ、しっかり戦えよっ!」
ゾーマ「(あ、いでよ我が手下たちよって言うの忘れてた…。)」
バラモスエビル「あ、キングギドラがやられらぞ!コノヤロー!次は俺が相手だ!」
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 21:57:55.19 ID:Y486W+bC0
ゾーマ「が、がんばって!」
バラモスエビルは親指を突き上げた
勇者はギガでインを唱えた
243のダメージ!
バラモスエビルを倒した!
バラモスエビル「つ、強い…。兄貴、ゾーマさんあと任せたぜ…。
57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 21:59:39.17 ID:Y486W+bC0
バラモスゾンビ「ぐぉー!ぐぎゃ!」
勇者の攻撃!
会心の一撃!
バラモスゾンビを倒した!
ゾーマ「つ、次は僕のばんだ。あんだけ練習したんだから言えるさっ」
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 22:00:28.75 ID:Y486W+bC0
勇者「父の敵をとりに来たぞ!大魔王!」
60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 22:01:18.38 ID:Y486W+bC0
ゾーマ「
勇者よ! なにゆえ もがき生きるのか
ほろびこそ わが よろこび。
死にゆく者こそ 美しい
さ あ わ が う で の 中 で 息 絶 え る が よ い
」
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 22:05:31.89 ID:Y486W+bC0
久しぶりにSS書いたんで、リハビリがてら短めのを書いてみました
くすりとでも笑ってもらえてたら嬉しいです
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 22:06:34.68 ID:JXD0vtyi0
色々突っ込みどころはあったけど面白かった。乙
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/08/25(木) 22:06:10.39 ID:DtXiyvOQ0
ルビスが可愛かった乙
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