我妻善逸「禰豆子ちゃん……俺が必ず、君を守るから!」

2020-12-09 (水) 21:07  その他二次創作SS 鬼滅の刃   0コメント  
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/10/25(日) 19:58:44.85 ID:jBGRwrs7O

「おいら今日、大根みたいなウ○コが出た!!」
「た、炭治郎……?」

やあ、良い子のみんな!
俺は我妻善逸! 鬼退治の専門家さ!
とはいえ、俺は恐らく一番弱いけどね!
でも平気! とても強い仲間が守ってくれる!
目の前に居る炭治郎はすごい奴だ!
鬼となってしまった妹の禰?豆子ちゃんを人間に戻すために、日夜頑張っている! 炭治郎はすごい!

強くて、優しくて、妹思いで、すごい奴なのに。

「おいら今日、大根みたいなウ○コが出た!!」
「ッ……!?」

そんな炭治郎はときどきこうしておかしくなる。
炭治郎は優しいけれど、頑固で融通が効かない時があったりする。所謂、四角四面ってやつだ。
真面目なことは長所だけど、たまには肩の力を抜くことも大切だったりする。疲れちゃうからね。
それに物事はあらゆる面から見て、考えなければ本質を見抜けないことがある。柔軟性も大事だ。

だから炭治郎は自分の固い頭を柔らかくするために怪しい薬を飲む。すると、こうなってしまう。

「おいら今日、大根みたいなウンk……」
「やめろ炭治郎! もうやめてくれ!?」

薬を飲むと決まって今日はどんなう○こをしたかを口にする炭治郎を、俺はもう見たくなかった。





2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/10/25(日) 20:01:03.57 ID:jBGRwrs7O

「フハハッ! 俺様は瓜みたいなクソをしたぜ!!」
「やめろよ猪頭! 炭治郎をこれ以上貶めるな!」

炭治郎がどんなう○こをしたかと口にすると、猪頭の伊之助が張り合ってくる。気持ちが悪い。
瓜みたいなう○こって、もはや出産じゃないか。
女の子みたいな顔をしている癖に、ガサツで、ムキムキで、クソを誇る伊之助は頼りにならない。

「んむぅ?」
「ね、禰豆子ちゃんは見ちゃだめだ!!」

そんな2人を見て、首を傾げる禰豆子ちゃんの目を咄嗟に塞ぐ。妹の前なのにとんでもない奴らだ。
本当にとんでもねぇ炭治郎だ。絶対に許せない。

「炭治郎! 頼むからもう薬はやめてくれ!」
「でもおいら、今日大根みたいな……」
「しっかりしろ! 禰豆子ちゃんが見てる!!」
「ね、ず……こ……?」

妹の名前を口にすると、炭治郎の目に一瞬理性の光が戻った。しかし、それは錯覚だったらしく。

「禰豆子、兄ちゃん今日大根みたいな……」
「やめろって言ってんだろうがぁ!?」

本当にとんでもねぇ! とんでもねぇ炭治郎だ!!




3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/10/25(日) 20:02:55.82 ID:jBGRwrs7O

「んむぅ?」
「禰豆子ちゃん……俺が必ず、君を守るから!」

コイツらはもうダメだ。見切りをつけよう。
禰豆子ちゃんを守れるのは俺しかいないんだ。
実の兄が大根みたいなクソをするとんでもねぇ奴であることをまだ彼女は知らない。守ってみせる。

「んむぅ~」
「え? ね、禰豆子ちゃん……?」

守り抜くと決めたのに、当の本人は不満顔だ。
一体、何が不満なのか。もしかして弱いから?
誰よりも弱い俺が本当に彼女を守り抜けるのかどうか、不安に思っているのかも知れない。

「フハハッ! 情けない奴め!」
「っ……伊之助……!」
「大根以上のクソを捻り出せん奴が守るなど笑止」
「なん、だと……?」
「本気を出せ!! その腰の刀は飾り物かぁ!?」

畜生。耳障りな嗤い声だ。ムカムカしてくる。

「フハハハハッ!! そうだ、もっと怒れ!!」
「……黙れ」
「フハハハハハハッ!! 俺を黙らせてみろ!」
「黙れよ!! 伊之助ぇええええええええッ!」

柄に手をかけるも、抜けない。御法度だからだ。




4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/10/25(日) 20:04:13.32 ID:jBGRwrs7O

「刀が抜けんなら別の手段で力を示してみろ!」

それが出来るならとっくにやってる。俺だって。

「お前だってもうわかってるんだろう!? 大根以上のクソをするしかないってことくらい!!」

わかってる。それしかないことくらい。だけど!

「お前は何のためにここに居る! ええっ!? 生き物の癖に何故脱クソを忌避する! クソをしないなら何のためにお前は飯を食い、生きてるんだ!?」

俺は弱い。何も言い返せないのは俺が弱いから。

「人前でクソも出来ねぇ弱味噌は! 消えろっ!!」

ああ、くそ。暴論だ。話にならない。もう嫌だ。

「んむぅ?」
「ッ!?」

禰豆子ちゃんまで、どうして首を傾げるんだ。
まるでその程度も出来ないのかと言われているようで惨めだった。俺だって。俺だって、やれる!

「すぅーっ……雷の呼吸」

伊之助の挑発と禰豆子ちゃんの期待から逃れるように俺は無意識下で全集中の呼吸を吐き出した。




5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/10/25(日) 20:08:30.27 ID:jBGRwrs7O

「フハハッ! やっとその気になったようだな!」

足を大きく開いて、腰を低く落としてふんばる。
同時に意識が深く沈んでいく。深く、より深く。
理想とする自分になりきるために。もっと深く。

「壱ノ型……」

なんども繰り返してきた型。刀は抜かない。
代わりに抜くのは、腹に溜まったクソだ。
大丈夫。俺なら出来る。でも少し、怖い。

「怖気づくんじゃねぇ!! 全てを出し切れ!」

うるせぇよ。武者震いだ。あと尻穴への労りだ。

「おいら今日、大根みたいなウ○コが出た!!」
「ッ!?」

だからうるせぇって! 黙ってろ、炭治郎!
もう二度と、禰豆子ちゃんの前でそんなことは言わせない。お前の鬼は、鬼がぶった斬る!!

「んむぅ……?」


極度の怒りと極限の集中下で、禰豆子ちゃんの声が聞こえた。他の全ての音は遠ざかっていく。
いや、違う。他の音は俺の速さに追いつけない。

「霹靂……!」

ズ ド ン ッ ! !

大気を震わすのは音速を超えた際に生じる衝撃波。俺は今から、音より速く、脱クソをする。

ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ !

ぶりゅっ!

「一閃……!」

ぶりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅぅ~っ!

六連なんて必要ない。一度に六回、脱クソした。




6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/10/25(日) 20:11:17.42 ID:jBGRwrs7O

「あ、あああ! あああああああああッ!!!!」

ぶりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅぅ~っ!

「フハハハハハハハハハハハハハハッ!!!!」
「んあっ? なんだ、この臭い……善、逸……?」

落雷のようなクソの音と、この一瞬の愉悦をぶち撒ける耳障りな伊之助の哄笑が重なり不協和音を奏でた。そして俺のかぼちゃのようなサイズのクソの匂いで、ラリった炭治郎が正気を取り戻した。

「炭治郎! 俺、やったよ!」
「善逸……」
「これで俺が禰豆子ちゃんを守り抜けるって証明出来たんだよな!? なあ! そうだよな!!」

俺は力を示した。やってやったんだ。
炭治郎よりもどでかいクソをしてみせた。
かぼちゃみたいなクソだ。ハッピーハロウィン!

「善逸……お前」
「俺の力を認めてくれなら、禰豆子ちゃんを俺にください! よろしくお願いします!!」

これからは俺が炭治郎に代わり禰豆子ちゃんを。

「人様の妹の前で脱クソするな!!」
「ええっ!?」
「とんでもない奴だ! 本当にとんでもない善逸だ! お前なんかに妹は任せられない!!」
「ま、当然だな」
「えええええぅえええええぇえええっ!?!!」

烈火の如く怒り狂う炭治郎と、当然のように肯く伊之助。なんだこいつら。でも、別に構わない。

「んむぅ~!」

花嫁の禰豆子ちゃんの満面の笑みが見れたから。

「待ってて、禰豆子ちゃん」

俺はもっと速く、そして強くなる。君のために。


【鬼滅のやいフハッ! クソの呼吸・壱ノ型】


FIN




7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/10/25(日) 20:13:01.13 ID:jBGRwrs7O

皆さまはもちろんご存知かと思いますが、僭越ながら少しだけ補足させて頂きます。
炭治郎の「おいら今日、大根みたいなウ○コが出た!!」という台詞は、単行本3巻の巻末の4コマ漫画に載っております。
そして末筆ながら、我妻善逸が大好きです!
苗字に相応しく、まさに『我妻』ですね!

最後までお読みくださり、ありがとうございました!




元スレ
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