泥棒「家に忍び込んだら幼 女が虐待されてたんだがwwwww」

2020-02-14 (金) 00:07  オリジナルSS   0コメント  
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/29(水) 13:03:31.23 ID:C7ZRFgXD0

泥棒(ようし、この家に忍び込んでやる!)コソコソ

泥棒(カギがかかってない……ラッキー!)

ガチャッ…

コソコソ… コソコソ…

泥棒(家の中も静かなもんだ……間違いなく留守だな)

泥棒(お、あの部屋に金目のもんがありそうだ! ドアを開けて――)

ガチャッ





2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/29(水) 13:04:57.66 ID:C7ZRFgXD0

幼 女「んーっ! んーっ!」

父「ぐへへへ……大人しくしろ。父ちゃんが気持ちよくしてやるよ。なァに、すぐ終わる……」





泥棒(ええええええええええ!!?)




3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/29(水) 13:05:58.54 ID:C7ZRFgXD0

泥棒「なにやってんだ!」

父「わわっ、あんた誰!?」

泥棒「空き巣だ!」

父「空き巣!?」

泥棒「えーと……自分の子供を虐待するなんてのは、悪いことなんだぞ!」

父「なんだとォ!?」

泥棒「空き巣パンチ!」

バキィッ!

父「ぐへえっ……!」ドサッ

泥棒「ハァ、ハァ、ハァ……倒しちゃった」




4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/29(水) 13:07:00.76 ID:C7ZRFgXD0

泥棒「君、大丈夫か!?」

幼 女「……ありがとう」

泥棒「ひどい傷だ……あいつにやられたの?」

幼 女「うん……いつもは殴るだけだけど、今日はスカートまで脱がそうとして……」

泥棒「親が実の子に……まったく世も末だ」




5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/29(水) 13:07:52.95 ID:C7ZRFgXD0

幼 女「ところでお兄さん、あなた空き巣なんだよね?」

泥棒「え、いや、まぁ……」

幼 女「お願い、仲間に入れて! あたしも空き巣を手伝わせて!」

泥棒「え!? それはちょっと……」

幼 女「でないと、通報しちゃおっかな~……顔も覚えたし」

泥棒「うぐっ……わ、分かったよ! 仲間にしてあげるよ!」

幼 女「やったーっ!」




6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/29(水) 13:08:55.01 ID:C7ZRFgXD0

幼 女「そうと決まれば、どこかに空き巣に入ろう!」

泥棒「ノリノリだなぁ」

幼 女「鉛筆転がして、どこにするか決めよっか!」

泥棒「いやいや、こういうことは慎重に決めないと……」

泥棒「さっきみたいに、家にいる人とはち合わせたら大変だ」

幼 女「そしたら、このナイフで脅すなり、刺すなりしちゃえばいーよ」ギラッ

泥棒「なんでそんなもん持ってるの!」

幼 女「今日という今日はお父さんの頸動脈かっ切っちゃおうと思って、準備してたの」

泥棒(俺はこの子を救ったんじゃなく、あの父親を救ったのかもしれないな)




7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/29(水) 13:09:26.05 ID:C7ZRFgXD0

次の家――

泥棒「この家は誰もいなさそうだ……ここにしよう」

幼 女「うん!」

泥棒(カギはかかってない……)コソッ…

幼 女「おじゃましまーす!」

泥棒「わっ、声出しちゃダメ!」

泥棒(金目の物がありそうな部屋といえば……あっちかな)コソコソ…




8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/29(水) 13:10:47.26 ID:C7ZRFgXD0

老人「ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ!」

老人「ううっ……ワシはこのまま一人寂しく死ぬのか……」





泥棒(またかよ!!!)




9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/29(水) 13:11:50.85 ID:C7ZRFgXD0

幼 女「今にもくたばりそうだね。トドメ刺しちゃう?」

泥棒「いやいやいや、ダメだって! 助けなきゃ!」

泥棒「大丈夫ですか!?」ユサユサ

泥棒「うーん、全然ダメだ……」

幼 女「あれしかないんじゃない? マウス・トゥー・マウス」

泥棒「それしかないか……ええい、ままよ!」

泥棒「ふんっ!」ブチュッ

老人「!?」



泥棒「お゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」

老人「お゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」




10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/29(水) 13:12:35.46 ID:C7ZRFgXD0

老人「いきなり何すんじゃ!」

老人「おかげで、止まりかけてた呼吸と心臓がすっかり元通りじゃ!」

泥棒「すみません……」

老人「お前たち、何者じゃ? 地域のボランティアか何かか?」

泥棒「いえ、空き巣でして」

老人「空き巣!?」

泥棒「だけど、ここはお留守じゃなかったんで、すぐ出ますから!」

幼 女「おじいちゃん、じゃあねー!」




11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/29(水) 13:14:18.09 ID:C7ZRFgXD0

老人「待てい」

泥棒「え」

老人「ワシも連れてってくれ」

泥棒「いや、だけど、俺たち空き巣ですよ?」

老人「家に一人でいてもつまらんからのう」

老人「それに、ワシを孤独死寸前にまで追い込んだ今の世の中に、復讐してやりたいんじゃ!」

泥棒「……分かりました、いいですよ」

幼 女「やったーっ! 空き巣トリオ結成!」




12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/29(水) 13:15:39.74 ID:C7ZRFgXD0

幼 女「じゃあ、次はどこを狙うー?」

泥棒「うーん……また家に人がいるってのは勘弁だから、今度こそ慎重に……」

老人「面倒じゃのう。いっそ空き巣はやめて、強盗にしたらどうじゃ?」

老人「これでも柔道五段の腕前じゃぞ?」

幼 女「あたしもそっちの方がいいー! ナイフ使いたいー!」

泥棒「絶対ダメ!」




13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/29(水) 13:16:29.23 ID:C7ZRFgXD0

幼 女「じゃあお兄さん、空き巣空き巣いうけど、今までどのぐらいの数こなしたの?」

老人「10? それとも20ぐらいかの?」

泥棒「……ゼロ」

幼 女「え?」

泥棒「ゼロだよ! 悪いかよ!」

幼 女「なーんだ、性知識は豊富だけど、本番こなしたことない状態だったんだ!」

泥棒「嫌なたとえ方すんな!」

幼 女「あたしなんか、この年で実の親から本番させられそうになったのに」

泥棒「重すぎるジョークやめろ!」




14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/29(水) 13:17:42.35 ID:C7ZRFgXD0

老人「しかし、お前さんはなぜ空き巣になろうと思ったんじゃ?」

泥棒「俺は散々貢いだ彼女に捨てられ、友達に騙されて借金を背負わされ」

泥棒「勤めてた会社は給料未払いで倒産、親兄弟にも厄介払いで絶縁され……」

泥棒「借金のカタでなにもかも持っていかれ、家の中も、心も、文字通り空っぽになってしまった」

幼 女「踏んだり蹴ったりだねぇ~」

老人「さらに投げられたり叩きつけられたりって感じじゃな」

泥棒「こんな空っぽ尽くしの俺に相応しいのは空き巣だな、と思って空き巣を始めたんだよ」

老人「なるほどのう。志望動機としては上々じゃ」

泥棒「だから、空き巣以外のことはしたくないんだッ!」

幼 女「そんな力強くいうことじゃないけど、分かったよ。協力する!」

老人「ワシもじゃ! 絶対空き巣を成功させようぞ!」

泥棒「二人とも、ありがとう!」




15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/29(水) 13:19:17.86 ID:C7ZRFgXD0

泥棒「よし、決めた!」

泥棒「次の家はあそこにしよう」

幼 女「かなり大きいし、お金いっぱいありそうだね」

老人「家の中に誰かがいる様子もないしのう。こりゃ穴場かもしれんぞ」

泥棒(三度目の正直……今度こそ成功させてみせる!)




16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/29(水) 13:20:37.07 ID:C7ZRFgXD0

泥棒「よし、決めた!」

泥棒「次の家はあそこにしよう」

幼 女「かなり大きいし、お金いっぱいありそうだね」

老人「家の中に誰かがいる様子もないしのう。こりゃ穴場かもしれんぞ」

泥棒(三度目の正直……今度こそ成功させてみせる!)




17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/29(水) 13:21:14.69 ID:C7ZRFgXD0

家の中――

泥棒「うわっ……! 埃だらけだ……」

幼 女「いやぁぁぁっ! 蜘蛛の巣! やだ、取って取って~!」ネバー…

老人「こりゃ……留守の家どころか廃墟じゃな」

泥棒「廃墟を家探しするのは、空き巣とはちょっと違うなぁ」

泥棒「二人とも、ここはもう出よ――」

「誰ですか~?」

三人「!?」ビクッ




18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/29(水) 13:23:01.59 ID:C7ZRFgXD0

老人「人がおったのかぁぁぁっ!? まずい、目撃されてしまったぞ!」

幼 女「通報されちゃう! 早く刺して! 刺してぇぇぇっ!」

泥棒「…………!」

「あ、私を殺したいんですか? ご心配なく……」

泥棒「へ?」

「私、もう死んでますから」

泥棒「ってことは、あなた……」

幽霊「はい、幽霊なんです」

幼 女「なーんだ」

老人「んもう、ビックリさせおって……」




19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/29(水) 13:24:04.93 ID:C7ZRFgXD0

泥棒「俺たちは空き巣トリオなんですけど……あなたは何者ですか?」

幽霊「私、この家の主です」

幽霊「ずっと引きこもっていたら、引きこもってるうちに死んじゃいまして」

幽霊「成仏もできず、ずっとこの家をさまよってたんです」

泥棒「そうだったんですか……」

幽霊「私にあなたたちに何かできる力はありませんし、このまま出ていってもらって結構ですよ」

幼 女「うん、そうしよ!」

老人「こんな辛気臭いところに用はないわい」

泥棒「……」




20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/29(水) 13:25:06.40 ID:C7ZRFgXD0

泥棒「あの、よかったら……この家、掃除しますよ」

幽霊「え、しかしそれは……」

幼 女「なにいってんの! もう帰ろうよ!」

老人「そうじゃ! 入った家を掃除する空き巣なんて聞いたことないわい!」

泥棒「だけど、この人は幽霊だから自分じゃ掃除できないだろうし」

泥棒「ずっとこんな汚いところで暮らすのは死ぬより辛いだろうから……」

幼 女「あ~もう! しょうがないな!」

老人「リーダーのいうことじゃ。手伝ってやるわい!」

泥棒「二人とも、ありがとう!」




21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/29(水) 13:25:37.22 ID:C7ZRFgXD0

泥棒「ハタキを……」パタパタ

泥棒「うえっ! すっげえホコリ!」ゲホゲホッ



幼 女「雑巾がけーっ!」ドタタタタタッ

老人「うおおおおおっ!」ドタタタタタッ

幼 女「あたしはウサイン・ボルトーッ!」ドタタタタタッ

老人「ワシはカール・ルイスじゃーッ!」ドタタタタタッ



泥棒「二人とも、もう少し静かに掃除しろ! てか爺さん、元気すぎだろ!」



幽霊「皆さん……」ウルッ…




22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/29(水) 13:26:38.69 ID:C7ZRFgXD0

ピカピカピカピカピカ…



泥棒「やっと終わった……!」

幼 女「キレイになったーっ!」

老人「ワシの頭よりも磨かれておるわい」

幽霊「空き巣トリオの皆さん、本当にありがとうございます!」

泥棒「なんのこれしき、これでだいぶ過ごしやすくなったでしょ?」

幽霊「いえ……私がもうここで過ごすことはありません」

泥棒「え?」

幽霊「この家がキレイになったことで、この世への未練は消えました。私は成仏します」

幽霊「そして――」




23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/29(水) 13:27:50.92 ID:C7ZRFgXD0

幽霊「実は私、生前に遺書を残していたんです」

幽霊「『死後、誰であれ、私の家を掃除してくれた者にこの家と遺産を託す』と……」

幽霊「正式な遺書ですので、おそらく効力はあるはず」

幽霊「どうかお三方で、私の財産をお受け取り下さい」

老人「おお、やったわい!」

幼 女「情けは人のためならずってホントだねー!」

キャッキャッ…

泥棒「……」




24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/29(水) 13:29:19.66 ID:C7ZRFgXD0

泥棒「あの……幽霊さん」

幽霊「はい?」

泥棒「よかったらまだ成仏せず、俺たちと一緒に暮らしませんか?」

幽霊「しかし、生きてるあなたがたの中に私なんかがいたら……」

幼 女「そうだよ! せっかくキレイになったんだから、大勢で住まないともったいないよ!」

老人「ワシももうすぐ死ぬ身として、死んだらどんな感じか先輩に話を聞きたいしのう」

幽霊「……では、お言葉に甘えさせていただきます」グスッ…

………

……





25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/29(水) 13:30:40.30 ID:C7ZRFgXD0

元泥棒(あれから、やたら面倒な手続きを経て、この家と莫大な遺産は俺たちのものになり――)

元泥棒(幼 女ちゃんは俺が引き取れることになり、爺さんもますます元気になった)

元泥棒(幽霊も成仏せず、俺たちと仲良く暮らしている)



元泥棒「新しい学校はどうだ?」

幼 女「うん、とても楽しい! 今日もワルガキどもをボコボコにしちゃった!」

元泥棒「クラスメイトをあまり虐待するなよ」

元泥棒「爺さんは?」

老人「ゲートボールで300ヤードかっ飛ばしたわい!」

元泥棒「ボールの行方がすごく気になる」

元泥棒「幽霊さんは?」

幽霊「家の中をゆったり漂いながら、この世にいる喜びを噛み締めてますよ」

元泥棒「あなたが一番まともだ……! 成仏させなくてよかった……!」




26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/29(水) 13:32:50.76 ID:C7ZRFgXD0

老人「そういうお前さんは?」

幼 女「働く必要なんてないのに、律義に就職活動なんてしちゃってさ」

元泥棒「俺は家に一人でいる人を世話したり、話し相手になってあげたりする仕事についたよ」

老人「とても元空き巣とは思えん職業じゃのう」

幼 女「だけど向いてるー! 絶対天職じゃん!」

幽霊「きっと大勢の孤独な人達を救うことになるでしょうね」

元泥棒「そううまくいくか分からないけど、頑張るよ」




27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/29(水) 13:34:44.98 ID:C7ZRFgXD0

元泥棒「じゃ、夕ご飯にしようか。幽霊さんにはお供え物を。いただきます!」

三人「いただきまーす!」

元泥棒(かくして、空っぽだったはずの俺の家と心は、こんなに賑やかになってしまった)

元泥棒(もう二度と、俺が空き巣をすることはないだろう)

元泥棒(だって俺には、こんな素晴らしい仲間達がいるんだから……!)







おわり




28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/29(水) 13:35:33.35 ID:C7ZRFgXD0

完結です
ありがとうございました
>>16は二重投稿になってしまい申し訳ありません




29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/29(水) 14:08:53.31 ID:31ojYA7io

キャラが生き生きしててよかった



30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/29(水) 16:11:32.95 ID:MmWzJXc2o

イイハナシダナー



元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1580270610/

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