的場梨沙「ショットガンで狙い撃ちよ!」

2019-12-08 (日) 12:01  アイドルマスターSS   0コメント  
1: ◆C2VTzcV58A 2019/11/11(月) 23:09:11.61 ID:yxvfG3Pf0

Spin-off!の若干のネタバレを含みます




2: ◆C2VTzcV58A 2019/11/11(月) 23:13:23.37 ID:yxvfG3Pf0

飛鳥「オウムアムアに幸運を……なるほど。この曲の宣伝として、プロモーションフィルムを撮影することになったのか」

千夜「お嬢さまにとっては経験のない仕事ですが……まあ、神谷さんがいるなら大丈夫でしょう。あの方は常識があるので頼れそうです」

心「ちょいちょい千夜ちゃん? 頼れる人なら、最年長のオトナなはぁとがいるでしょ?」

千夜「常識を備えていても、それをあえて壊そうとする人間は少し不安です」

心「やん、手厳しい☆ 新しく来た子達のはぁとへのイメージ、どうなってんの?」

ちとせ「面白い人~♪」

飛鳥「よかったじゃないか。正しく伝わっているようだ」

心「照れる~☆」

梨沙「喜んでるけどいいの? アイドルのイメージが『面白い』で」

ちとせ「ちなみに梨沙ちゃんは面白い子」

梨沙「んなっ!?」

心「仲間じゃーん♪」

梨沙「なんかフクザツ……」





3: ◆C2VTzcV58A 2019/11/11(月) 23:18:41.21 ID:yxvfG3Pf0

千夜「お嬢さまとしては誉め言葉のつもりなので、ご安心を。面白いことや楽しいことを探し求めている方ですので」

梨沙「んー。まあそういうことならいいのかしら? つまりアタシのことが好きってことよね?」

ちとせ「そうそう。食べちゃいたいくらい♪」

梨沙「た、食べる?」

志希「バベル?」

飛鳥「急に昼寝から起きて話の腰を折ろうとするな」

志希「にゃはは~。じゃ、おやすみ」スピー

千夜「……自由ですね」

飛鳥「志希がキミのご主人様と撮影を通じて仲良くなる未来に、一抹の不安を感じることを許してくれ」

千夜「奇遇ですね。私も同じことを考えていました」

ちとせ「梨沙ちゃんの若い血、とってもおいしそう……」

梨沙「た、食べるって、もののたとえよね? 本気じゃないわよね?」

ちとせ「………あは♪」

梨沙「ぎゃーーーーーー!! 吸われる!! 血を吸われるわ!!!」

ちとせ「もうちょっとかわいい叫び声のほうが好みなんだけどなー。ホラー映画じゃないんだから」

心「あぁん♪ らめぇ、吸血鬼にはぁとの血を吸われりゅう~~~」

ちとせ「あ、若い血が欲しいって今言いましたよね?」

心「急に素に戻るのやめよ?」

千夜「……ところで、神谷さんの姿が見えませんが」

飛鳥「お腹の具合が悪くなってきたと言って、お手洗いに駆け込んでいたよ」

千夜「胃でしょうか」

飛鳥「胃だろうね」




4: ◆C2VTzcV58A 2019/11/11(月) 23:22:31.53 ID:yxvfG3Pf0

梨沙「あ、そうそう! 飛鳥はオウムアムアの意味、知ってる?」

飛鳥「いや、おそらく初耳だ」

梨沙「じゃあ教えてあげる! オウムアムアっていうのはね、人類が初めて見つけた恒星間天体のことなのよ。恒星間天体っていうのは、恒星の重力に縛られない天体のことね!」

千夜「つまり、地球のように特定の星の周りを回っているわけではないということですか」

飛鳥「何者にも縛られない、自由な存在か。少し心惹かれるところがあるな。しかし、梨沙は物知りだね」

梨沙「志希に教えてもらったの」

心「梨沙ちゃん、最初はオウムの仲間だと思ってたんだよねー」

梨沙「『オー・ムアムア!』とか言ってたハートさんよりはマシでしょ!」

心「いや、それを言ったら『オゥ、ムラムラ?』って発言したちとせちゃんの優勝だから」

ちとせ「千夜ちゃん、私優勝しちゃった♪」

千夜「おめでとうございます。どんな分野であれ、頂点に立つということにはきっと価値があります」

ちとせ「さすが私の僕ちゃん、褒めにくいことでも讃えてくれるの、好きだよ」

千夜「恐縮です」

梨沙「甘やかしてるだけじゃないの?」

千夜「それが従者というものです」

ちとせ「そうだよー? 僕ちゃんはお嬢さまを優しく受け止めてくれるのがお仕事」

千夜「飴と鞭を使い分けるのが従者の役目ですので」

ちとせ「あれ? 鞭あるの? 鞭を振るわれる時がこれから来るの?」

梨沙「なんだ、いいコンビじゃない! 意外にちとせがツッコミなのね!」

心「お笑いコンビじゃないぞー、梨沙ちゃん」




5: ◆C2VTzcV58A 2019/11/11(月) 23:24:27.36 ID:yxvfG3Pf0

心「でも、ちょっと不安なんだよねー。はぁとって、今まであんまりハードな世界観のお話でお芝居やったことないからさ。どんな感じで演じればいいのかなって、まだ決め切れてなかったり」

飛鳥「演技の仕事でこういったことを言うのは矛盾しているかもしれないが……自然体で臨めばいいんじゃないか? いつものようにくだらないことを言いながら、淡々と仕事をこなしていく――そういうキャラクターなら、ハードな世界観にもマッチすると思うよ」

心「なるほどなるほど、参考になる……って、それ普段のはぁとがくだらないことばっかり言ってるってこと?」

飛鳥「………」

飛鳥「千夜さん、コーヒーのお代わりを」

心「目、そむけんな~~☆」グリグリ

飛鳥「待て、脇腹はくすぐったいから」

梨沙「アタシはケッコーいける気がするわ! セクシーにかっこよく決めちゃえばいいんでしょ?」

梨沙「こう、ばきゅーんってショットガンで狙い撃ちよ!」

ちとせ「片手でばきゅーんポーズ決めてるところ悪いけど、ショットガンは普通両手で使うものだと思うよ?」

梨沙「え、アタシの銃ってそんなに大きいの?」

心「拳銃じゃないからねえ。片手でショットガン使いこなせたら結構な怪力じゃないかなぁ」

梨沙「じゃあそういう設定にするわ!」

心「盛るね~♪」




6: ◆C2VTzcV58A 2019/11/11(月) 23:29:10.42 ID:yxvfG3Pf0

飛鳥「いくつか聞いた話で、大まかなストーリーは把握できたよ」

飛鳥「管理されたセカイへの叛逆……うん、いいじゃないか。多くを語るのは無粋だろう」

梨沙「えー? アタシはもっと感想聞きたいんだけど」

ちとせ「多くを語ると逆に価値を落としちゃうっていうのはわからなくもないけどね?」

飛鳥「む……そうか」

心「飛鳥ちゃん、あと一言だけでいいから、なんかちょうだい?」

飛鳥「一言……理解った。梨沙も納得するような、理解りやすくも端的な感想を言おう」

飛鳥「あぁ……そうだな。あえて一言でまとめるなら」

梨沙「まとめるなら?」

飛鳥「ボクも出たかった」

梨沙「オッケー、すごくわかりやすく伝わったわ」

心「続編とかあったら、飛鳥ちゃんもキャスティングしてくれるように監督さんに頼んでみるわ。はぁと、あの監督さんとは仲良いから☆」

梨沙「デビュー仕立ての頃から何度もダメ出しされたり衝突したりしてるって聞いてるけど」

心「ノンノン☆ それは事実だけれど、喧嘩するほど仲がいいって言うじゃない?」

飛鳥「本音は?」

心「あんのバカントクこの前はぁとの出番全カットしたのちゃんと覚えてるからな! 今回の撮影で絶対見返してやる!!」

ちとせ「なんだ、いいコンビじゃない♪」

梨沙「違うと思うけど!?」

千夜「お嬢さま。そろそろスタジオに向かわないといけない時間では」

ちとせ「あ、本当だ。じゃあみんな、撮影に出発しよっか」

心「さんきゅ、千夜ちゃん♪ んじゃ行こっか☆ 奈緒ちゃんは途中で回収してけばいいし」

梨沙「志希ー、そろそろ行くから起きなさいよー……わ、ちょっとやめなさい! いくらアタシの髪がいい香りだからって寝ぼけて食べようとしないでよ!!」

ちとせ「あー、ずるい! 梨沙ちゃんは私がつばをつけておいたんだから」

梨沙「つけられてないわよ! アタシにつばつけていいのはパパだけなんだから!」

千夜「私が言うのもなんですが、複雑な家庭事情なのですね」

飛鳥「今キミが思っているような状態ではないから安心してくれ」




7: ◆C2VTzcV58A 2019/11/11(月) 23:30:58.91 ID:yxvfG3Pf0

『いってきまーす!』


ガチャ、バタン



飛鳥「嵐が去ったかのような感覚だ」

千夜「お嬢さまに何事もなく終わればよいのですが」

飛鳥「まあ、彼女達はいざという時には頼れるはずさ。オトナも混ざっていることだしね」

千夜「………」

飛鳥「……なんだい」

千夜「なるほど。これがツンデレ、というものですか」

飛鳥「違う」コホン

千夜「そうですか……では、どうぞ」コト

飛鳥「え?」

千夜「コーヒーのお代わり、オーダーしたのはあなたでは?」

飛鳥「本当に淹れてくれるとは思わなかった」

千夜「少しばかりの親近感を覚えたよしみです。今回だけ、淹れました」

飛鳥「ありがとう。いただかせてもらおう」ズズッ

飛鳥「………」

千夜「? 何か問題でも」

飛鳥「……千夜さん。このコーヒー、この部屋にあるもので淹れたのか?」

千夜「ええ」

飛鳥「是非、淹れ方のコツを教えてほしい」




8: ◆C2VTzcV58A 2019/11/11(月) 23:33:44.35 ID:yxvfG3Pf0

心「さて、奈緒ちゃん探してるうちに志希ちゃんが失踪しちゃったわけですが」

梨沙「いつの間に消えたのよ……全然気づかなかったわ」

ちとせ「『趣味:失踪』って本当だったんだね。世の中面白い人がたくさんいるなぁ」

梨沙「ウチがイロモノ揃いなだけな気もするけど……とりあえず早く見つけないとね」



P「あれ? みんなこんなところで何してるんだ?」

心「プロデューサー! ちょうどよかった。志希ちゃん見なかった?」

P「志希?」






P「……なるほど。事情はわかりました。志希のいそうなところにいくつか心当たりがあるので、そこを当たってみます」

心「さっすがプロデューサー! 頼りになる~♪」

梨沙「アタシ達も探すから、見つかったら連絡ちょうだい!」

P「わかった。早めに見つけて、みんなが万全の態勢で撮影に臨めるようにしよう」

ちとせ「かっこいいねぇ」

心「キュンキュンきちゃうぞ☆ はぁともお返しに、ドラマでプロデューサーをキュンキュンさせちゃうからな♪」

心「かっこいい役を演じて、ハートを撃ち抜いてア・ゲ・ル☆」

P「期待してます」

心「ばきゅーん☆」

ちとせ「ぶしゃーーっ」

梨沙「なに今の音」

ちとせ「撃たれて舞った血しぶき」

梨沙「そこ効果音いらないでしょ」

ちとせ「血愛好家としては外せないんだよ?」

梨沙「吸血鬼のこと血愛好家って表現するの初めて聞いたわよ」

P「はは……」

心「よーし、じゃあ梨沙ちゃんにちとせちゃん、志希ちゃん探しに出発ー!」

P「いってらっしゃい」

ちとせ「ところで奈緒ちゃんは?」

心「さっき連絡ついたよ。あっちでも志希ちゃん探してくれるって」

梨沙「また胃が痛くなってなきゃいいけど」




9: ◆C2VTzcV58A 2019/11/11(月) 23:36:13.97 ID:yxvfG3Pf0

P「……さて。俺も行くか」

P「まずは5階の自販機の裏からだな」



梨沙「プロデューサー!」タタタッ

P「梨沙? どうしたんだ、戻ってきて。何かあったのか」

梨沙「やり忘れてたことがあったのよ」

P「やり忘れてたこと?」

梨沙「そ」コホンッ




梨沙「ばきゅーん!」

P「えっ」

梨沙「アタシも、他の子に負けないくらいカッコいいとこ見せるんだから! ちゃんと見てなさいよね! それだけ!」

P「………」

梨沙「返事は?」

P「……もちろんだ! ちゃんと見てるぞ、梨沙」

梨沙「トーゼンね! ハートを撃ち抜いてあげるわ!」

P「楽しみだ」

梨沙「ふふっ……じゃあアタシ、志希を探してくるから。ばいばいっ」

P「ああ。でもその前に、俺からもひとつだけ」

梨沙「なに?」



P「ショットガンは両手で撃つことになると思うよ」

梨沙「知ってるわよ! 空気読みなさいよこの真面目ロリコンバカ!」

P「はは、ごめんごめん」

梨沙「そーいうの、ブスって言うのよ」

P「ぶ、ブス!?」ガーン

梨沙「あ、違うわ、違う。ブスじゃなかった。アンタ、パパには全然及ばないけど、まあまあだと思うわよ?」

梨沙「アタシが言いたかったのは、ぶす……ぶす……」

志希「無粋?」

梨沙「そうそう、それそれ!」

P「あー、なるほど。無粋か」

志希「正解しちゃった」

梨沙「さすが志希は物知りねー……」

P「本当にな」

梨沙「………」

P「………」





梨沙・P「いたーーっ!!」



おしまい




元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1573481351/

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