1:
◆WO7BVrJPw2 2019/06/01(土) 16:09:27.82
ID:UO3XrULl0
※コメディ
2:
◆WO7BVrJPw2 2019/06/01(土) 16:10:19.01
ID:UO3XrULl0
――事務室
モバP(以下P)「ん?」
周子「や」
P「ああ、周子か。お疲れ」
周子「お疲れさま、Pさん。それで、どっちにする?」ガサッ
P「ビニール袋? なんだ?」
周子「お差し入れ。コーヒー選んで」
P「おー、ありがたい。何があるんだ」
周子「えーとね」
周子「無糖とMAXコーヒー」
P「0か100かー」
3:
◆WO7BVrJPw2 2019/06/01(土) 16:11:16.99
ID:UO3XrULl0
周子「目についたんコレだったからさー」
P「そのチョイスは絶対選んだろ」
周子「にゃはは」
P「似てない。ごまかすな」
周子「まぁまぁ、いいじゃん。どっち?」
P「無糖」
周子「即答かー。苦い方がいいん?」
P「甘いのは別に嫌いじゃないけど、限度はあるなぁ」
周子「これはその限度外?」
P「飲んだことは無いけど……でも練乳入りってどう考えても甘すぎだろう」
周子「えっ、練乳」
P「書いてあるじゃん」
周子「うわ、ほんまや」
P「知ってて買ったんじゃないのか」
4:
◆WO7BVrJPw2 2019/06/01(土) 16:11:51.41
ID:UO3XrULl0
周子「すごく甘いってのだけ噂に聞いてたんだよね。自販機にあったの見てつい」
P「やっぱり選んでいたか」
周子「てへぺろ♪」
P「それ、甘さもだけどカロリーも結構あったろ」
周子「どれどれ……おー……」
P「どんなもん?」
周子「1回」
P「1回?」
周子「レッスン1回」
P「ベテトレ? マストレ?」
周子「んー……トレーナーさんかな」
P「そんなもんか」
周子「一緒にレッスン受けてから言ってみて」
P「ははは、断る」
5:
◆WO7BVrJPw2 2019/06/01(土) 16:12:19.01
ID:UO3XrULl0
周子「こんなん飲んだら血糖値あがるわ」
P「周子はむしろ少し上げといた方がいいんじゃ」
周子「そうかもしれないけどさー」
P「まあ諦めて飲むんだな」
周子「こっちだけ渡しとけばよかったなぁ」
P「その分レッスン増やしておくか?」
周子「うえー」
周子「あ、じゃあさ、途中から交換にしよ」
P「はい?」
周子「だからー、Pさんが無糖半分飲んで、あたしがこっち半分飲んで、交換」
P「選んだ意味無くなった」
周子「ええやん、アイドルしゅーこちゃんとの間接キッスよ?」
P「その条件なら俺が先MAX飲みたい」
周子「だめ、あたしもあとで無糖飲む」
P「どんどん選択肢削られていくんだけど」
6:
◆WO7BVrJPw2 2019/06/01(土) 16:12:46.05
ID:UO3XrULl0
周子「じゃあどうすればいい?」
P「……先にMAX半分ずつ飲んで、それから無糖半分ずつでどうだ」
周子「やーん。そんな2回も間接キス狙いだなんて、Pさんもやり手だねー」
P「ああそうかい」
カシュッ
周子「あっ、この人勝手に缶開けた!」
P「先に飲んじゃえばこっちのもんよ」
周子「いまどきチンピラでも言わんようなセリフを!」
P「なんで缶コーヒーふたつでこんなウダウダやらなきゃいけないんだ」
周子「むー、あたしが買ってきたんだよー」
P「お前、それ言っちゃおしまいだろ」
周子「ね、せめて一口残しといてーん」
P「だから俺が半々を提案したろ」
周子「折れたら負けかなって」
P「なにが」
周子「京女のプライド?」
P「缶コーヒーで決まったらいくら紗枝でも怒ると思う」
7:
◆WO7BVrJPw2 2019/06/01(土) 16:13:12.80
ID:UO3XrULl0
P「もうわかったから、そっちの半分飲めよ」
周子「はーい」
周子「あ、先に飲む?」
P「どうぞご随意に」
周子「反応薄いなぁ」
P「間接キスでどうのなんて、いいとこ中 学生までだろ」
周子「ま、そんなもんかもね」カシュッ
周子「それじゃあお先に、いただきまーす」
ゴク
周子「あははっ、あまーい。Pさんすごいよこれ」
P「そんなにか」
周子「コーヒーじゃなくて、コーヒー風味のなんかだね」
P「残さなくていいぞ?」
周子「絶妙に半分以上残しとく」
P「文句つけづらいくらいの微妙な量のやつな」
周子「あはは、わかってるねー」
8:
◆WO7BVrJPw2 2019/06/01(土) 16:13:49.76
ID:UO3XrULl0
P「頭すっきりさせたくもあったし、糖分も欲しかったし、ちょうどいいといえばちょうどいいか」
周子「お、そんな頭脳労働してたん」
P「むしろメインなんだけど……まあ、いつにも増して頭脳労働してるな」
周子「どんな?」
P「聞きたいか」
周子「あたしに関係ある?」
P「ある」
周子「ほほう。売れててありがたいわぁ。羽衣小町?」
P「いや」
周子「じゃあLiPPS?」
P「違う」
周子「どのユニットなのー」
P「ユニットじゃないんだなー」
9:
◆WO7BVrJPw2 2019/06/01(土) 16:14:23.94
ID:UO3XrULl0
周子「お、あたしひとりかぁ。いいけど話し相手とかいないとちょっと退屈なんだよね」
P「そんなこと言ってる暇はないと思うぞ」
周子「はーい。グラビア? どっかのステージ?」
P「はずれ。まだまだ企画から少し進んだくらいだけど……まあいいか」
周子「なんなん、早く教えてよ」
P「2曲目」
周子「えっ」
P「塩見周子ソロ2曲目だ」
周子「えーっ、ほんと!?」
P「ほんともほんと。メロの打ち込みがあがってきただけだけど」
周子「えっ、気になる。聞かせて聞かせてー」
P「まだダメ。いずれ口出ししてもらうから、それまで待ってくれ」
周子「いけずー」
P「曲にもなってないんだよ。断片的なフレーズなんだから」
周子「うー」
10:
◆WO7BVrJPw2 2019/06/01(土) 16:14:54.04
ID:UO3XrULl0
P「しかしなんだな。普段から適当だのちゃらんぽらんだの自分で言ってるけど」
周子「そこまでゆーてないわ」
P「ソロ曲はやっぱり気になるか」
周子「そりゃね。新曲はソロじゃなくても嬉しいけど……やっぱり、特別感あるよ」
P「まあ、自分のための歌だもんな」
周子「ね、ね。聴くのは無理にしても、どんなイメージかくらいは聞きたいな~、なんて」
P「イメージ? あー、うん、イメージな」
周子「んー、どうしたん。歯切れ悪いよ」
P「なんていうかな」
周子「歌う本人にすら言えないイメージってどうなのかなー」
P「いや、そういうわけじゃない。そうじゃないんだけど……」
周子「……このコーヒー、まだふた口なんだけど渡していい?」
P「自分の差し入れ脅迫材料にしたぞこいつ」
11:
◆WO7BVrJPw2 2019/06/01(土) 16:15:25.66
ID:UO3XrULl0
P「言えない、わけじゃない」
周子「それなら」
P「うん、教える……えーと、企画書は……」ガサガサ
周子「そんなのいる?」
P「……コンセプト読み上げるだけにさせてくれ」
周子「やっぱり恥ずかしいやつなんね」
P「あー、こほん」
P「1曲目よりさらに塩見周子の内面にクローズアップし、同年代女性をメインターゲットとした」
周子「おお」
P「初恋のような甘さではないが大人という程の恋愛でもない、恋心と少しの我がままとを織り交ぜ」
周子「は」
P「気付いてほしいという気持ちと、自由に振る舞いたい気持ちを歌ったラブソング」
周子「あ」
周子「……」
P「……」
周子「あはは、なんか恥ずい」
P「聞き出しておいてこの反応だよ」
12:
◆WO7BVrJPw2 2019/06/01(土) 16:15:56.63
ID:UO3XrULl0
P「言い淀んだの解るだろ。本人目の前にして言うとか」
周子「ごめんごめん。でも、ふーん、そうかぁ。あたしがラブソングかぁ」
P「会議の時に伝えたかったが……あ、紙面見せりゃよかったな」
周子「そういうの、プロデューサーさんが考えるの?」
P「そう。別に企画さんがいなければ、俺がいろいろ考えるんだよ」
周子「企画書ってそんななんだね、あはは」
P「言っちゃなんだが、こういうのはおっさんたちが真面目に考えて作ってるんだよ。流行とかもそうやって決めてるの」
周子「あー、今年の色はコレ、とか」
P「そう。自然発生する流行もあるけど、こう言う業界は流行らせたいものを流行らせてるんだ」
周子「わお、芸能界の闇だね」
P「そこまで言ったつもりはないけど!?」
周子「じゃあ、なに?」
P「……エンターテイメントの供給の一環、とか」
周子「物は言いようだねー」
13:
◆WO7BVrJPw2 2019/06/01(土) 16:16:25.01
ID:UO3XrULl0
周子「それにしてもあたしがラブソングかぁ。はは」
P「ん、苦手か?」
周子「苦手っていうわけじゃ……あー、別に、女の子同士だったら気にしないんだけど」
P「まぁ、俺と話してても面白いもんじゃないだろうが」
周子「そういうことでも……いや、そうしとこか」
P「そうしとけ」
周子(ん……PCにささってるUSBメモリ……)
周子(普段はないから、あれが多分楽曲のデータやね)
周子「……ねえ、やっぱりフレーズだけでも聴かせてほしいなー」
P「聴かせてやりたいのはやまやまだけど、俺と周子だけの間だけでやることじゃないんだよ」
周子「どゆこと?」
P「作曲さんにとっては、考え抜いて作ったフレーズが飯の種だから」
周子「あー……Pさんは向こうに筋を通さなきゃいけないわけだ」
P「そう、俺が聴かせたなんてことで信用失ってみろ。この曲自体ポシャるぞ」
周子「わかった、うん、仕方ないね」
14:
◆WO7BVrJPw2 2019/06/01(土) 16:17:01.12
ID:UO3XrULl0
P「……やけにあっさり退いたな」
周子「素直に聴かせてもらうのは諦めたよ」
P「ほう」
周子「だからこのコーヒーを」
P「また脅迫に使う気か」
周子「まだそこそこあるよー?」チャポンチャポン
P「もう飲み干してやるからよこせ」
周子「げっ、効いてない」
P「脅迫への一番の対処は脅迫に従わないことだ」
周子「な、なら……」
P「どうするんだよ」
周子「舐める」
P「は?」
周子「この缶コーヒーの飲み口を、エロく舐める」
P「……」
周子「舐めるのをPさんの目の前で見せつけて、その缶を渡す」
P「悪かった。俺は悪くないが悪かった」
15:
◆WO7BVrJPw2 2019/06/01(土) 16:17:32.70
ID:UO3XrULl0
周子「じゃあ聴かせてくれる?」
P「それは駄目」
周子「やっぱり舐めるしか」
P「わかんねえ! 因果関係がわかんねえ!」
周子「いいからそのUSB、もらってくね!」バッ
P「うわ、目ざといなこいつ!」
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
――事務所前
城ヶ崎美嘉「でさー★」
奏「ふふ、それで?」
P『おいこら、やめろって!』
美嘉「ん?」
周子『へへ、この中でしょ』
P『手を離せ、それはさすがにダメだ!』
美嘉「なんか騒がしいね」
奏「込み入ってたら悪いし……ちょっと様子見ましょうか」
16:
◆WO7BVrJPw2 2019/06/01(土) 16:17:59.99
ID:UO3XrULl0
P『あっ、こんにゃろ本気でもってくつもりだな』
周子『いやほんと、言うこと聞いてくれたらそれで』
P『させるかよ、ほら離せっ』
周子『うわっ、この人容赦ない』
P『やめろっての、抜こうとするなこら』
美嘉(何? コンセント?)ヒソヒソ
奏(さぁ……?)
P『あー、やっぱり話すんじゃなかった!』
周子『いや、これはPさんの責任にならへんから! あたしが無理やりやったってことで!』
P『口裏合わせなくてもそうだよ!』
奏(周子、何してるのかしら)ヒソヒソ
美嘉(険悪って感じじゃないけど……)ボソボソ
17:
◆WO7BVrJPw2 2019/06/01(土) 16:18:26.43
ID:UO3XrULl0
周子『わかった、じゃああたしがコレ飲み干すから!』
P『交渉材料になってない』
周子『あ、でもちゃんと後で、Pさんのも飲ませて』
P『なんだよ、そんなに苦いの欲しいのか』
周子『Pさんイケズやわー、そーんなにしゅーこちゃんにコレ、舐めさせたいんやね』
P『まて、落ち着けって』
周子『あたしやるときはやるよー? ここんとこに舌つけて、べろんべろん舐めるから』
P『それは困……りはしないけどいろいろ問題だから、おい、やめろって』
奏美嘉「「……」」
奏美嘉((えっ))
美嘉(ちょっ、えっ、か、かなぁ!?)
奏(ま、まっ、みか、おちついて!)
18:
◆WO7BVrJPw2 2019/06/01(土) 16:18:54.62
ID:UO3XrULl0
P『周子、やっぱりそれはダメだ』
周子『むっ』
美嘉(そうっ、Pさん、きちんと言ってあげて!)
奏(流されちゃだめよ!)
P『アイドルがしていい絵面じゃない』
美嘉(問題そこ!?)
奏(もっと根本的な問題が!)
周子『たしかにあたしもどうかなーとは思うよ? でも、それはPさんが悪いんだから』
P『確かに俺が迂闊だったよ。だけどな……こら、どさくさに紛れて手を動かすな!』
周子『もうちょっとで抜けると思うから!』
P『だからダメなんだよ!』
美嘉(ぬ、抜け……)
奏(手!? 手でなにしてるの!?)
19:
◆WO7BVrJPw2 2019/06/01(土) 16:19:21.89
ID:UO3XrULl0
周子『だいたい、あたしが飲まなかったらPさんが処理することになるよ?』
奏(飲むの!?)
美嘉(ダイタン!)
周子『それでもいいのー?』
P『片付けぐらいするっての』
P『いざとなったら、事務室来た子に飲ませるし』
奏美嘉((飲まされるの!?))
美嘉(あ……が、がんばる……!)
奏(美嘉!?)
周子『どうかなー、実態を知っている子が飲んでくれるとは限らないよ?』
周子『砂糖の塊みたいなん入ってるんよ? 練乳だよ?』
美嘉(練乳……?)
奏(あ……白くてどろっとした?)
美嘉(も、もー何言ってるの奏!)
奏(実態なんて知らないわよ、私!)
美嘉(アタシだって知らないよ!)
20:
◆WO7BVrJPw2 2019/06/01(土) 16:19:48.14
ID:UO3XrULl0
P『いい加減、いつまでも掴んでいるな。疲れてきた』
周子『ふーん、思ったより体力ないんだねー。あたしはまだよゆーあるよ』
P『額に汗かいて何を言ってる』
奏(汗だくになるまで……そういうのが好きなの?)
美嘉(あ、アタシもこれくらいの積極的になった方が……?)
周子『ふっ、確かにちょっと疲れてきたかな』
P『だろ。ここは素直に』
周子『と見せかけてぇ!』シュコッ
P『あっ、てめこら!』
周子『抜いたぁ!』
奏美嘉((抜いちゃったーー!?))
21:
◆WO7BVrJPw2 2019/06/01(土) 16:20:31.26
ID:UO3XrULl0
グラッ
周子『おっと?』
P『あぶなっ』
グイッ
周子『きゃっ…… あ、ありがと』
P『零すところだったな』
周子『こんなんかかったらシャワー浴びなきゃいけなくなっちゃうね』
P『まあ、そうだな』
周子『あ、ちょっと机に零れてる』
美嘉(シャワーとかのんきな話!?)
奏(机に零れる位の……)ドキドキ
P『こっちは拭いておくから……ほら、もう残り飲んじゃえよ』
周子『ほーい』
美嘉(軽くない!?)
奏(普通に飲んでるってこと!?)
周子『わー、手にもかかってる』
P『拭くか?』
周子『ん、いい……ぺろ……』
周子『うわー、やっぱりめっちゃ甘い』
奏美嘉((甘いの!?))
22:
◆WO7BVrJPw2 2019/06/01(土) 16:21:03.89
ID:UO3XrULl0
周子『ちょっと手洗ってくるね。それじゃ』
P『待て。どさくさで持っていこうとするな』ガシッ
周子『ちぇっ、上手くはいかないかー。あはは、Pさん、力強いね』
P『ほら、まあゆっくりしていけよ。周子、お前まだ苦いの飲んでないだろ』
周子『い、いやぁ、別にそっちはもういいかなぁって』
美嘉(ややや、やっぱり苦いの?)
奏(と、聞きはするけど……)
美嘉(えっ、じゃあさっきの甘いのって?)
奏(知らないわよ!)
P『付き合ってられん。さあ、拡げるんだ』
周子『や、ちょっと……無理 矢理はだめだって』
奏(なにを!? どこを無理 矢理!?)
美嘉(ね、ねえこれ、踏み込んだ方がいいんじゃ……)
奏(でも、初めは周子がリードしていたし……)
周子『ぐぐっ……あ、あたしは負けない……!』
美嘉(えっ、そう言うプレイなの!?)
奏(私に言われても困る!)
23:
◆WO7BVrJPw2 2019/06/01(土) 16:21:40.49
ID:UO3XrULl0
P『往生際の悪い……』
周子『ねぇ、見逃してよー』
P『そうはいかないって、分かってるだろ』
周子『いつなら聞かせてくれるん』
P『本番までには用意してやるよ』
周子『適当言い始めたわぁ。さっきのだってあたしが処理したんよ?』
美嘉(本番!? 処理!? えっ、なに、事務的なソレなの!?)
P『関係ないだろ。もともと周子が言いだしたことだし』
奏(あっ……)
美嘉(何か分かったの、奏!?)
24:
◆WO7BVrJPw2 2019/06/01(土) 16:22:18.37
ID:UO3XrULl0
奏(最初は周子から……その、言いだしたことで、しょ、処理をしてて……)
美嘉(うんうん)
奏(なのに、ほ、本番はその、さ、させてくれないから……)
美嘉(そっか、さすが奏! それでPさんが我慢できなくなって!)
奏美嘉「「……」」
美嘉(最悪の事態じゃん!!)
奏(こ、これはマズいわ!)
周子『きゃっ』
奏美嘉「「!?」」
ガシ
P『手ぇとった!』
周子『あ、ちょっとあかんよ!』
P『おっと!』
周子『わっ』
ガタタッ ボフッ
周子『ちょっともー……ソファ壊れてないよね』
25:
◆WO7BVrJPw2 2019/06/01(土) 16:22:55.12
ID:UO3XrULl0
P『アクシデントはあったが……ようやく両手封じたぞ』
周子『あらー、押し倒されちゃった♪』
奏(えっ、つ、ついに!?)
P『まだ余裕なようだな』
周子『いやぁそんなことないよ、Pさんが抑えつけてるんだから』
P『いいからこの手の中のモノ、入れ直させろ!』
奏(挿入れ!?)
周子『あかんって、いたいいたいってば!』
美嘉(やっぱり痛いんだ!)
P『おとなしくしろ、諦めた方が身のためだぞ!』
奏(もう看過できないわ!!)
美嘉(う、うん!!)
バターン!
奏美嘉「「ストーップ!!」」
周子・P「「!?」」
美嘉「ぷ、プププププロデューサー!」
奏「周子も悪いかもしれないけど、見損なったわPさん!」
26:
◆WO7BVrJPw2 2019/06/01(土) 16:23:24.70
ID:UO3XrULl0
P「えっ……えっと?」
美嘉「周子大丈夫!? 怪我してない?」
周子「はれー、奏に美嘉、どうしたん慌てて」
奏「そりゃ慌てもするわよ!」
美嘉「ね、年齢はクリアしてるにしても、ここここう言うことは、時と場所をさー!」
奏「そもそも、事務所で何てことしようとしているのよ!」
P「……」
周子「……」
周子・P「「えっ」」
P「まて」
P「まて、違う、違う」
奏「担当アイドルを組み伏せて何が違うの!」
周子「やーん、Pさんにあんなことこんなことされるー♪」
P「話をややこしくするな!」
27:
◆WO7BVrJPw2 2019/06/01(土) 16:24:03.81
ID:UO3XrULl0
周子「とりあえず、離れとこか」
P「え、あ、ああ」
周子「あと、Pさん正座しとき」
P「なんで」
周子「ひとまず、ふたりが考えている状況じゃないことを伝えておかないと」
奏「?」
P「えーと……」
奏「なにか言い分があるのかしら」
P「いや、これは……」
奏「……これは?」
周子「んー、カロリー消費?」
美嘉「カロリーって! いや、確かに運動量有るらしいケド? そうじゃなくってね!?」
P「周子、本当に状況伝える気ある?」
28:
◆WO7BVrJPw2 2019/06/01(土) 16:24:33.73
ID:UO3XrULl0
奏「……落ち着きなさい美嘉、なんか変よ」
美嘉「えっ、奏?」
奏「いい、緊急と思える時ほどクールに、よ」
美嘉「で、でも!」
奏「あっ、あなたパッションじゃない。じゃあ情熱的に……情熱的に冷静になりなさい」
周子「奏ちゃんが一番混乱してはるわ」
P「とりあえずいろいろ弁解させてくれ」
美嘉「……自分より混乱してる人見ると冷静になれるって本当なんだ」
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
P「……というわけで」
奏「……」
美嘉「……」
P「分かっていただけたでしょうか」
奏「……」ムッスー
美嘉「……あはは」
周子「美嘉ちゃん顔まっかー」
P「茶化すな元凶」
29:
◆WO7BVrJPw2 2019/06/01(土) 16:25:08.60
ID:UO3XrULl0
P「それで、俺はとりあえず無罪放免だよな?」
美嘉「そ、そーだねー。え、えーと……周子2曲目おめでと★」
周子「ありがとー」
P「そんで」
P「美嘉は立ち直ったけど、そっちはなんでまだ不機嫌なんだ」
周子「あー、たぶん……事態は把握したけど、醜態晒したのに落ち込んでるのと」
美嘉「状況は分かったけど納得はしてないカンジ」
P「めんどくせぇ」
奏「うるさいわよっ、美嘉までっ!」
周子「あはは、耳だけ赤いわ」
美嘉「いやー、で、でも何事もなくてよかったぁ」
周子「まー、何事もなくてもいいけど……あっても別によかったよ?」
美嘉「えっ」
P「大問題発言」
30:
◆WO7BVrJPw2 2019/06/01(土) 16:25:52.90
ID:UO3XrULl0
奏「もうっ、もともと私達、周子を呼びに来ただけよ。そろそろレッスンだから!」
周子「あ、もうそんな?」
奏「先いってるわ」
周子「んふふ」
奏「ほら美嘉、あなたも!」
美嘉「あ、うん、いくいく」
美嘉「ごめーんPさん、アタシたちで機嫌取っとくから」
P「よろしくー」
バタン
周子「あたしも着替えなきゃ」
P「早くいけよ。まったく、大騒ぎだった……」
周子「ま、大丈夫だよPさん。奏ちゃんも少ししたら冷静になるって」
P「別に俺に非はないしな。こっちからは話題に触れないようにする」
周子「それがいいねー」
P「ふぅ」
周子「……」
P「……ん、なんだ?」
周子「ああ、いや。お詫びしておかないといけないかなってね」
31:
◆WO7BVrJPw2 2019/06/01(土) 16:26:31.90
ID:UO3XrULl0
P「お詫び? べつにいいよ」
周子「まあ、そう固いこと言わずに」
周子「そういやさ、苦いのと甘いの持ってきたけど、結局どっちが好きなん?」
P「甘い方は結局飲んでなかったろ」
周子「あ、そっか」
周子「えーと……これね」
P「残りおいてっていいぞ。無糖も持ってけ」
周子「あら、いいの」
P「淹れようと思えばブラックはあるし」
周子「そっか。でも最後に一口飲んでこー」
P「なんだ、甘いのも結構好きなんじゃないか」
周子「和菓子屋の娘だよ、甘いもので出来てるようなもんよ」
P「はは、変な理論だな」
周子「んで。Pさんは甘いのと苦いの、どっちがいーい?」
P「起き抜けとか食後とかで変わるだろ。……まあ今は、無糖を飲んだ後だから、甘いのかな」
周子「甘いのね」
32:
◆WO7BVrJPw2 2019/06/01(土) 16:27:01.73
ID:UO3XrULl0
周子「どれくらい甘いの?」
P「どれくらいって……また難しいな。程よく甘いのでいいよ」
周子「……じゃあ、例えばね」
P「ん」
スッ
P「……!?」
周子「……ぷは」
P「……」
周子「んふっ」ペロ
周子「こんくらい?」
P「……えっ、お、しゅ、周子?」
周子「あ、これお詫びの先払いね。さーて、レッスンレッスン」
バタン
P「……」
P「ん、先払い?」
P「あっ、USB!」
P「はー……」
ペロ
P「……甘っ」
おわり
34:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/01(土) 18:34:53.25 ID:7rndgYQQo
おつおつ
35:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/06/01(土) 20:58:27.86 ID:N4l+DIO9o
マスター、コーヒー豆の炭になった奴をくれ…
元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1559372967/
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