荒木比奈「愛を抱いて」

2018-08-08 (水) 00:07  アイドルマスターSS   0コメント  
1: ◆U.8lOt6xMsuG 2018/08/03(金) 00:54:40.48 ID:4ACpJHJh0

(未来の話で作中の比奈の年齢は)26くらいじゃないっすか?



2: ◆U.8lOt6xMsuG 2018/08/03(金) 00:55:23.77 ID:4ACpJHJh0


窓の外から、日光が降り注いでいる。ディスプレイの端、小さく映った数字列を見ると、正午が近いことと、私が何時間もぶっ続けで起きていることが分かった。

でも、あとちょっと。あとちょっとで終わる。ここのトーンを張り終われば。ここのセリフを入れれば。終わりが見えてきて、私の手は軽くなった。それに任せて、どんどん原稿を完成まで近づけていく。

……よし。後はこれを入稿するだけ。最後の最後、この送信ボタンを押すだけ。

カチリ、とマウスのクリック音が、エアコンの音に交じる。

「ふはぁあはぁあはぁ~~~~~~……」

目の前のモニタに映った『送信完了』の文字が、私の心を一気に癒やした。ああ終わった。ようやく終わった。もうダメかと思った。いつものことだけど。アイドルをやめて、時間なら以前よりもあるはずなのに、なんでこう毎回毎回ギリギリなんだ。いや、むしろアイドルじゃなくなってから更にギリギリになってるぞ。どういうことなんだ。

でも、まぁ。今回も無事に終わったことだし、あんまり考えないようにしよう。

「あっ」

送信したデータを見返していたら、誤字とベタ忘れに気がついた。なんで送信した後に気がつくかなぁ。全然無事に終わっていない






3: ◆U.8lOt6xMsuG 2018/08/03(金) 00:56:24.43 ID:4ACpJHJh0


私は旧姓荒木比奈。元アイドルの現同人作家。芸能界を引退して、かねてより思いを募らせ合っていた現役時代の担当プロデューサーと結婚し、このように趣味として漫画を描いているただの主婦だ。主婦、と言っても、ここしばらくは修羅場続きで、家事の全てを夫に丸投げしてしまっているけれども。

ああ、そうだ。連絡しとかないと。

立ち上がると、座りっぱなしだったお尻の部分が汗で蒸れていた。外気に晒されたそこがスースーとする。背伸びをしながら歩き、私は「触らないように」と電源を落としておいたスマホを起動させ、お仕事中の愛する旦那様へ向かって、脱稿したとメッセージを送る。

そのままベッドに倒れ込む。一人で寝るには広く、枕が二つ並んでいるベッドはふかふかで、感触が心地よい。でも、眠気は来なかった。脱稿直後はテンションが上がっているため、暫くしないと眠れないのだ。眠気はすさまじいのに。この生殺しされているような感覚は何度目だろう。

寝転がったままボーッとスマホの画面を眺めていると、ちょうど昼休憩に入ったのか、彼からの返信が来た。

『お疲れ様!』という文字と黄色をした笑顔のマークが同時に送られてくる。その後に、変にマスコット化された猫が踊っているスタンプが遅れてやって来た。私が作ったクリエイターズスタンプの一つだった。

私は、瀕死で口から変な液体を垂らしている猫のスタンプを、代わりに送り返す。いっつもこれを送っている気がするけど、気にしない。

『死にかけ?』

『死にかけ』

『すごい疲れてそうだね』

『そりゃあもう…』

『じゃあご飯は何か買って帰るよ』

『ありがとう』

寝不足で全身がだるいのに、文字を打つ手と文字を追う目は生き生きとしている。彼から送られてくるメッセージに、文字とスタンプを織り交ぜ返していく。ねぎらって、褒められるのは心にしみる。今みたいに地獄を乗り越えた後は特に。出来れば、寝落ちしてしまうまでこのまま言葉を交わし続けたい。

『昼休み終わるから、またね』

でも、そうとはいかないのもよく分かっている。だから、手を振る猫のスタンプと共に送られたこのメッセージがちょっと苦手だったり。私は、また瀕死の猫を送りつけた。自分で言うのもあれだけど、このスタンプの出来と使い勝手は、作った中で一番良いかもしれない





4: ◆U.8lOt6xMsuG 2018/08/03(金) 00:57:20.95 ID:4ACpJHJh0


スマホを枕元におく。そして仰向けから寝返りを打って横向きになった。

「……………………」

無意識に、右手が自分の股間部分に伸びる。そして、そのままパンツの上から自分のアソコを指先でなでる。

「…………んぁ」

よほど順調に原稿が進んでいない時でもない限り、脱稿直後はいつもこうだ。原稿に集中するために、原稿作業の期間中は彼と夫婦の時間を過ごせない。いわゆる「ご無沙汰」というやつ。

だから、終わった後にはその分の性欲やら欲求やらがたまってしまう。そして我慢できなくなり、こうやって一人で行為に及んでしまうのだ。





5: ◆U.8lOt6xMsuG 2018/08/03(金) 00:58:26.38 ID:4ACpJHJh0


私は、自慰行為の時に使用する「オカズ」には、妄想を使うことが多い。例えば、自分を漫画のヒロインに投影したり、自分が主体の物語を作ったり。即興で物語を作って、自分で使う。もちろん、彼と肌を重ねたときの事を想起して、って言うこともあるけれど。それよりも、現実ではあり得ないようなシチュエーションに自分を投げ込む方が好きだった。

今日のオカズは、まだアイドルの私が、プロデューサーである彼に押し倒されるという妄想。もちろん、私が現役だった頃にそんなことは一切ない。彼は優しいから、そんな乱暴なことをしたことなんてない。

でも、もし。彼が私に乱暴するとしたら、どういう風になるのだろう。断片的に、組み伏せる彼と押しつぶされる私の姿の映像を描いていくと、体の中にマグマでも流れ込んだような熱が籠もり出す。マゾヒストではないけれど、このシチュで燃えているのも事実だった。

割れ目の部分をいじりながら、妄想を始めて行く。

私は打ち合わせのために、応接室で彼と談笑している。でも、彼の様子がいつもと違うことに気がついた。どうしたのか、と私が東都、彼は獣のような目になって、私をソファーに押し倒した。

どこかを怪我してもおかしくないほど乱暴に私は組み伏せられて、服をはぎ取られていく。彼は言葉も出さず呼吸を荒くしていて、私の「助けて」「やめて」という声を一切耳に入れず、乱暴におっぱいを揉んだり、嫌がってる私にキスをしたりして来る。

私が暴れ疲れて、抵抗を弱めると彼は自らのズボンを下ろして、そしてそのまま……。

「ぁんっ…♡」

濡れだした秘部を、更に激しく指で刺激する。我慢できずにパンツの中に手を入れて、直接触る。そうしながら、視界の端にあった彼の枕を、左手で掴んで顔に持ってくる。深く息を吸い込むと、彼の匂いで肺が満たされた。彼に乱暴される妄想をしながら、彼の枕の匂いで感じるなんてヘンタイっぽい?

妄想の中で彼が強く腰を打ち付けるのに合わせて、愛液にまみれたアソコに指を出し入れする。興奮して呼吸が激しくなると、彼の匂いをふくんだ空気がいっぱい体に入り込んだ。その所為で、更に興奮してしまう。

「ぅあっ♡あぁんっ♡ふっふぅっ♡ぅうん♡」

ぐちゅぐちゅと音を立てて、妄想と自慰を進めていく。脳内で、彼が私の中で絶頂するのに合わせて、私もイった。絶頂したあと体はビクビクと痙攣して、少しの間体をうずくまらせたまま動けなかった。

しばくしてパンツから抜き出した指は愛液がべっとりとついていて、それは日差しに照らされてらてらとしていた。右手を枕元のティッシュでふいて、彼の枕を元の位置に戻し、再び寝返りを打って仰向けになる。その頃には、もう息も整い始めていた。

「……お風呂」

喘ぎ声の後、始めて口をついた言葉はそれだった。




8: ◆U.8lOt6xMsuG 2018/08/03(金) 22:05:10.35 ID:TOVNXWJL0


少しぬるめのお湯を被る。ベタついた髪を丁寧にシャンプーで洗い、洗剤を染みこませたタオルで全身の垢を落としていく。タオル越しに触った体は、現役の頃よりもいくぶんか肉がついていて、運動をほとんどしていない事を証明しているようだった。

脱衣所で、替えの下着とシャツ、ズボン、お気に入りのジャージを身に着ける。水滴を拭き取ったタオルを、愛液にまみれたパンツの上に置いて見えないようにしておいた。

ふたたび、ベッドに寝転がった。お昼時のシャワーの後は、プールの授業の後のような、重く纏わり付くような眠気がやってくる。私はそれに逆らわず、夕方くらいまで仮眠を取ることに決めた。

まぶたを閉じて、「アラームは何時にしよう?」と考える。でもセットする前に私は寝てしまった。





9: ◆U.8lOt6xMsuG 2018/08/03(金) 22:06:22.30 ID:TOVNXWJL0


目を覚ましても、まだ日差しは強い。時計を見ると午後6時。時間は夕方なのに、まだまだ外が昼のように明るくて、少し戸惑う。

枕元の眼鏡を手にとってかけると、網戸に蝉が止まっているのが見えた。ビビった。声を出すと蝉はどこかに飛んでいった。

「んっ……う~~~……」

ベッドの上であぐらをかいて、上半身をのけぞらせて、腕を上げて、体を伸ばす。肩こりが酷い。

自分で揉んだり叩いたりしてると、玄関の方で鍵の開く音がした。

もう、足音だけで誰か分かった。

「ただいまー!」

私はベッドから跳ねるように飛び出していた。少しだけ急ぎ足で廊下を歩く。

エアコンの冷たい空気に屋外の熱気が交わっていく。背を向けて靴を脱いでいる姿がどんどん近くなる。

「おかえりなさい」

頬が綻んだ。二ヘラと笑う私に、彼が振り向いて笑顔を見せる。それから今度は優しい声色で「ただいま」と言った。愛しの旦那が、家に帰ってくるこの瞬間がたまらなく好きだ。

彼は、出社するときには持っていなかった白い箱を手にとって、私に見せる。

「脱稿おめでとう!」

「それは……?」

「ケーキ!! 奮発して高いお店のやつ!」

得意そうな顔で彼はそう告げた。箱に貼られてあるシールから、こないだ愛梨ちゃんがロケでお邪魔したお店のものだと言うことが分かった。

「ん……?」

「? どうかした?」

「その……」





10: ◆U.8lOt6xMsuG 2018/08/03(金) 22:07:27.34 ID:TOVNXWJL0


「ご飯……買って帰るって言ってたっスよね……?」

「あ」

私は起きたばかりで何も準備をしていない。それは、彼が昼に送ったメッセージがあったからで。

そんな彼はケーキの箱を置いて、わかりやすく頭を抱えた。「忘れてた……」という呟きを、私は聞き逃さなかった。

「…………お寿司でも、出前で……」

ボソリと彼は言った。私はなんだかおかしくて、フフッと笑ってしまった




13: ◆U.8lOt6xMsuG 2018/08/05(日) 03:00:56.92 ID:r+NeXTAc0


「ごちそうさまでした」

良いネタだった。漫画とお魚の両方の意味で。美味しかった。それも両方の意味で。

彼は申し訳なさそうにしていたけれど、私はそれこそが申し訳なかった。久しぶりに豪華なものを食べることが出来たし、そして何より作業の間ずっと家事を手伝っていてくれたのに、今さらこんな事で責めるなんて出来ない。元から一切責める気なんて起きてないし。

「ケーキは冷蔵庫に入れといたよ」

「あ、ありがとうございまス」

私がやろうと思う前に、彼が既にしていた。これまで出来なかった分をこれからやっていこうと思っているのに。醤油のお皿はアタシが洗いまスからね?

そう思いながら、まだ少し残っていた、ぬるくなりかけの緑茶を啜る。お寿司によく合う濃さだった。食後の今はちょっと苦い。

「……何っスか?」

湯飲みを傾ける私を、彼は頬杖ついて見ていた。片方の手は湯飲みにあって、転がして遊ばせている。

「いや……久しぶりだなって。こうやってゆっくりのんびりするのは」

彼は手の中の湯飲みを持ち上げて、グイッとの中身の緑茶を飲み干した。ふうっと、一息吐いてから、彼はまた湯飲みを置く

それから「実際一週間ぶりくらいだけどね」と彼は付け足した。その顔は、安心しきったような笑顔を浮かべている。それは、もう忙しく無いことから来る安心感からだろうか。

一週間。私が尻に火がついて原稿作業をした日数。その所為で、彼との時間が取れなくなった日数。彼に家のことを全て投げてしまった日数。

その七日間を、とても重く感じる。そもそも、私が「アイドルやめて時間があるしちょっとくらいサボっても」と思わずに、予め立てておいたスケジュール通りに進めていれば、彼に負担を負わせてしまうこともなかったわけで。今も変わらず芸能プロダクションで仕事をする彼にとって、この一週間は長すぎたのかもしれない。

残っている緑茶の表面を眺めながら、私は口を動かす。

「その」

「ん?」

「……ありがとうございました」

ごめんなさいと言おうとしたけど、多分謝ったら、彼は私を諭す。だから、謝らずに、ありがとうだけを私は伝えた。

彼はいつものように、暖かな声色で「うん」とだけ言った。




14: ◆U.8lOt6xMsuG 2018/08/05(日) 03:01:43.06 ID:r+NeXTAc0


アイドルとプロデューサーだった頃も、今こうして夫婦でいる間も、私達は会話をせずに過ごす事が多い。

もちろん、変なことや面白いことを言い合って、笑いあうこともある。それも楽しい。言いたいことはちゃんと言うし、直して欲しいところとか譲れないことははっきりと主張する

けれど、二人で何をするわけでもなく、ただ一緒にいて、ただ時間を共有する。そうやって過ごすのが、私達は大好きだった。ここにあるのは、二人だけの心地よさ。テーブルの間だけ離れていても、すぐ近くで繋がり合っているような安心感がある

でも、この空間に、少しだけ違う「何か」が紛れ込むときがある。その『何か』は、私も彼も何度も味わっている。静かさの中に、緊張というか、期待感が漂い出す。

「比奈」

「……っス」

それは、(ああ今日、セックスするんだ)っていう感覚だった。





15: ◆U.8lOt6xMsuG 2018/08/05(日) 03:02:21.39 ID:r+NeXTAc0


醸し出る雰囲気というか、一挙手一投足というか、声のトーンとかで、なんとなく分かる。

きっとこれから、私達は性行為をする。

「……」

いつもより緊張してきてしまう。ご無沙汰だから?でも、一週間ってそこまでじゃない気もするけど。

彼も、どことなく落ち着きがなかった。私と同じような感じなのかも知れない。

「アタシは」

彼が口を開こうとするより先に、私は声をかけた。

「……アタシは、もうお風呂済ませてまスから……」

「……分かった」

彼は空の湯飲みを台所へ持って行き、その足で浴室まで向かう。私は少し遅れて立ち上がり、同じく湯飲みを台所へ持って行って、醤油皿と一緒に洗って食器乾燥機に入れた。

冷蔵庫の方を一瞥する。ケーキを食べるの、ちょっと遅くなっちゃうな、なんて思いながら、夫婦共用のベッドへ、そわそわした足取りで向かった。





16: ◆U.8lOt6xMsuG 2018/08/05(日) 03:02:56.83 ID:r+NeXTAc0


ベッドに腰掛けて、眼鏡を外して、彼を待つ。待つ間に、下着は変えておいた。さっきまではちょっと安っぽいやつだったけど、今着けてるのは、もうそれは扇情的なやつ。勝負下着だ。

どれくらい経ったのか、長いのか短いのかも分からない。エアコンの起動音と、心臓の音が重なる空間で、私は待っていた。

「上がったよ」

寝室権作業室のドアが空いて、彼がやって来た。男物のシャンプーの匂いがするけど、新しく買ったばかりの入浴剤の香りはしない。湯船には浸からず、シャワーだけにしたのだろう。

私の隣に彼は腰を下ろす。

手を握り合う。顔を向け合う。視線をぶつけ合う。

抱き寄せられると、彼の体の硬さを再認識する。私も腕を背中まで回して、彼にくっついた。このまま寝てしまいそうなくらい心地良いけど、こんなに期待して、そわそわしてるのに眠れるはずがない。

口づけを交わす。何度か軽く触れ合った後に、舌を絡めて、深いキスを。

「……少しだけ」

キスを一度止めて、彼の瞳をのぞき込む。

「その……いままでシてなかったし……今日は、ゆっくりシたいっス……」

恥ずかしいお願いだ。さっき一度オナニーしたことを彼は知らないだろうけど、私は当然知っていて、それでも尚欲求不満だと彼に伝えている。顔から火が出そうだ。でも、それ以上に彼とずっとしていたいという思いが勝っている。

「うん」

もう一度、軽く触れ合うようなキスの後、彼はまた、いつもの優しい声色で、それだけを告げた。




17: ◆U.8lOt6xMsuG 2018/08/05(日) 03:05:37.12 ID:r+NeXTAc0

ここまでです、後2,3日くらいで終わります



19: ◆U.8lOt6xMsuG 2018/08/05(日) 15:31:51.41 ID:r+NeXTAc0

再開します

終わっちゃったよ(ピネガキ)




20: ◆U.8lOt6xMsuG 2018/08/05(日) 15:32:35.83 ID:r+NeXTAc0


舌を絡め合うディープキス。ざらついた舌先が、ぬちゃぬちゃとくっつき合う。くちびるにしゃぶりついて舐め合う。

「比奈、舌出して」

彼に言われるがまま、だらしなく舌を出す。すると、それに吸い付かれてジュルジュルと音を立てられる。気持ちよくて、感じちゃって、身をよじらせてしまう。我慢できなくなって、背中まで回している腕に更に強く力を込める。

もっとくっつきたい。もっと繋がりたい。

お返しにと、次は私が彼の舌を吸う。突き出されたそれをから、言いようのない感触と味がする。彼に向かい合ったまま、私は更に体をすりつける。

彼はそのまま、私の体を抱きよせ、仰向けになった。いつもとは違う、私が上になるような体勢だ。私は上から、今までに出来なかった分のキスを彼に浴びせる。

唇を覆い被すように口を開ける。彼の太ももを足で挟んで、はしたなく股間をこすりつける。パンツの内側がビチャビチャになっているのが分かる。息が上がって、彼から口を離した

「…っふぅ、んっ……♡」

エアコンがついていても、燃えるように体温は上がってしまう。

「あのこないだの……『アレ』やりたいっス」

「……あぁ、わかった」

互いにはぁはぁと息をあげながら、短い会話を交わす。その後、私は体の位置を変える。彼の上で、180度向きを変えて、膨らんだ股間に手をかけた。

ズボンとパンツを下ろすと、激しく主張するオチンチンがあらわになった。血管が浮き出てるし、先端からは液体が漏れてて、何度見てもグロテスク。でも、これが愛する彼のものだと思うと、不思議と嫌いになれない。

何度か先端を舐めた後、口でくわえて、舌を絡める。頭を振って上下に扱く。鼻から突き抜ける男臭さはお世辞にも良いとは言えないけど、クセになる。

「ぢゅる、ぢゅるるっ、ちゅぷ、ぅんっ♡」

唾液をたっぷり出して、彼が感じるように工夫をする。

「ん゛っ♡」

そうしていると、下半身に刺激が加わった。私がオチンチンに夢中になっている間に、彼が私の下半身を露出させ、濡れ濡れの性器を口で弄んでいるのだろう。割れ目に沿って舐められたり、吸い付かれるようにされるのが気持いい。フェラしながらクンニされるのがきもちいい

我慢汁がにじみ出てくる。唾液で薄めて飲み下すと、もっと出して欲しくなって、もっと激しいフェラをする。彼の感じるところを重点的に責める。オチンチンがピクピクして、口の中で更に固くなる。男臭さがもっと濃くなっていく。

私はそれで昂ぶりながら、彼にクンニされて、そのまま一度目の絶頂を迎えた。

体が痙攣して力が抜ける。オチンチンから口を離してしまう。満たされるけどもっと欲しくなる。

「はぁっ……はぁっ……♡♡」

動かせないままで寝っ転がっていると、彼に体勢を変えさせられた。今度は私が下になる番かな。

正常位で、彼に覆い被さられる。絶頂してなお愛液が止まらない膣口に、くちりとオチンチンの先が当てられた

影になって、彼の表情はよく見えない。でもきっと、いつものような顔をしているのだろう。「いい?」なんて訊かないでほしい。答えなんて決まっているから。もうこっちはあなたが欲しくてどうにかなりそうなんだから。

腰を推し進められる。中に自分のじゃない、固くて熱いものが侵入してくる感覚。

彼と一つになったような錯覚。

それに身を任せていると、体を抱えられて持ち上げられる。さっきまで見えにくかった彼の顔が、近すぎて逆に見にくい。

向き合ったまま、彼はゆっくりと腰を動かし出した。下から突き上げられる感覚がする。奥の方を突かれる度に小さく息が漏れる

彼の方からキスをしてくる。互いに瞳を閉じて、好きな様に相手を貪り合う。背中の汗を、彼の腕の汗が混ざり合うのが、背徳的に思えた。





21: ◆U.8lOt6xMsuG 2018/08/05(日) 15:35:06.08 ID:r+NeXTAc0


「ゆっくりって言ってたから……今日はこのままでいい?」

彼が唾液でべっとりと汚れた口を方で拭いながらそういった。対面座位は恥ずかしいって気持ちも大きいけど、それ以上に満たされる。

繋がったまま服を脱がされる。着けていた下着をエッチだと言われた。胸をなで下ろした。ゆっくりとピストンされながら、髪を撫でられ、キスをされ、愛を囁かれる。レ○プされる妄想でオナニーしたけど、やっぱりアレは妄想だからいいのであって、実際はこうやって、イチャイチャしながらするのが好き。

好きって言われるのが嬉しい。好きって伝えられるのが嬉しい。べたべたとくっつき合うのが幸せだ。

原稿にかかり切りで、少しふくよかになった体を触られるのはちょっと嫌だけど、彼はそれが好きなようで、自由にさせることに決めた。もまれたり、指を沈ませられたりすると、変な気分になってくる。

抱きついてきた彼が、うなじに吸い付く。ちょっとした痛みがした。きっとキスマークを付けられたのだろう。私もお返しにと彼の胸板にキスマークをつけた。互いが互いのものであるって証拠のようだった。

私達の愛の言葉と行為は、長い間続いた。大声で叫んで伝えたいくらいの気持ちを、一つ一つ小さくまとめて、ゆっくりと伝える。途中から感じ過ぎちゃって、何度もイって、ふにゃふにゃになって呂律が怪しくて、ちゃんと伝えられていたかどうか定かじゃないけど。





22: ◆U.8lOt6xMsuG 2018/08/05(日) 15:35:38.18 ID:r+NeXTAc0


私の中で、オチンチンがピクピクとしてきた。

「ごめんっ、もうそろそろ出そう……!」

彼の腕に力が入る。ピストンが少し強くなる。

私だってもう限界だ。

イって。私の中でイって。

そう言ったつもりだけど、たぶんちゃんと言えてない。けど彼には伝わっていると思う。中に出して欲しくて、余力を振り絞って彼の腰に足を回す。下半身を強く密着させた。

彼の体が一度、大きく跳ねる。それと同時に、私の中に熱い液体が出された。私も彼に射精されながら、何度目か分からない絶頂をする。

彼の腕から力が抜ける。私は抱きついて彼の体に顔を埋めたまま離れなかった。

もう少しだけ、このままでいさせてほしい。





23: ◆U.8lOt6xMsuG 2018/08/05(日) 15:36:39.88 ID:r+NeXTAc0

◆◇◆

「うわっ、すごい凝ってる」

あの後。汗をかいていたこともあって、しばらくすると寒気が襲ってきた。一度キスをしてから、二人でお風呂に入った。

浴槽に二人で浸かる。彼の足の間に入って背中を預ける。背中にさっきとは違って柔らかいものが当たった。

そうしていると、彼に肩を揉まれた。凝りに凝った肩を、指先でマッサージされる。

「あぁ~~~~~………気持いいっス……」

「痛くない?」

「全然」

こうやって気持ちよくマッサージしてもらえるのなら、肩を凝るのも悪くないかも。

湯船から左手を出す。薬指にはまった白銀色の輝きは彼とおそろいのものだ。

肩を揉まれる間、左肩に少しだけ混ざる違う感覚がした。その上に、私の手を重ねる。左手だけが肩から離れて、私の指と絡ませ合った。暖かかった。

「……お風呂上がったら、一緒にケーキ食べようか」

「はい♡」

二人でゆっくり食べよう。私のせいでこれまで出来なかった分、あなたと一緒にこれからはもっとずっと、ゆっくりと、愛を抱えて。




24: ◆U.8lOt6xMsuG 2018/08/05(日) 15:39:03.86 ID:r+NeXTAc0

ここまでです、ありがとうございました

(担当がデレぽで死にかけだったことが判明して)笑っちゃうんすよね




元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1533225280/

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