1:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/01(月)22:33:07
ID:CZU
めっちゃキャラ崩壊注意です。
2:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/01(月)22:34:28
ID:CZU
・
・
・
まほ「エリカ、ちょっといいか」
エリカ「何でしょうか?」
まほ「今度の日曜、私の実家に来れないか?」
エリカ「え?」
まほ「お母様がエリカと話したい事があるらしい」
エリカ「家元が?私……何かしたんでしょうか……?」
まほ「いや、別に怒っているとかそういう雰囲気じゃ……お母様はだいたい怒ってるような雰囲気だからわからないな」
エリカ「隊長も大概ですよそれは……」
3:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/01(月)22:34:55
ID:CZU
・
・
・
しほ「エリカさん、せっかくの休日に呼び出してすみません」
エリカ「そんな、家元の呼び出しとあらばどこへでも駆け付けますよ」
しほ「ありがとうございます」
エリカ「いえ、そんな……ところで私に何か話したいことがあると聞いたのですが……」
しほ「ええ。……エリカさん、今お付き合いしている方はいますか?」
エリカ「……は?」
しほ「お付き合いとまではいかなくとも、気になっている方でもいいのですが」
エリカ「えーっと……それってつまり」
しほ「彼氏、あるいは惚れてる男はいますか?という事です」
エリカ「い、いません!!いませんよ!?何ですか急に!?」
しほ「……念のため言っておきますが同性の方でもいいのですよ?他者の恋路にあれこれ口を出すほど狭量になったつもりはありませんから」
エリカ「そうじゃなくって!!私はまだ……その、恋、とかの前に戦車道があって……」
しほ「……その志は立派だと思います。その上で、私から一つエリカさんに提案があります」
エリカ「提案?」
しほ「エリカさん、お見合いをしてみませんか?」
エリカ「お、お見合い?」
しほ「ええ」
4:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/01(月)22:35:29
ID:CZU
エリカ「えっとお見合いって……」
しほ「結婚を希望する男性と女性が、第三者の仲介によって対面する慣習の事ですね」
エリカ「ですよね……?その、私まだ学生なんですけど……」
しほ「私も若いうちに結婚した身です。それに、別に今すぐ結婚してほしいという訳ではありません。最低でも高校は卒業した上での話ですよ」
エリカ「そ、そうですか。でも……いきなりそんな話をされても……」
しほ「ええ、その通りです。本来ならエリカさんのご家族と一緒に話をするべきですが、取り急ぎ当事者であるあなたに伝えようかと。
急な話だというのは重々承知していますが、その上でエリカさんが良ければと思いまして」
エリカ「あの……なんで私なんですか?お見合い話なんてそれこそ娘さんたちの方にしたほうが……」
しほ「……こちらにもいろいろと事情があるのです」
エリカ「はぁ」
5:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/01(月)22:37:20
ID:CZU
しほ「まぁ、とりあえず釣書に目を通してみてはどうですか。顔も知らないうちにあれこれ考えるのは大変でしょう」スッ
エリカ「えっと……はい。それじゃあ見させてもらいます……あら」
しほ「どうですか?若い人が好きな顔とは違うかもしれませんが、なかなか悪くないとは思います」
エリカ「そうですね。……でも、相手の方はまだ院生って……」
しほ「将来的には実家の会社を継ぐ予定だそうです。すでに研究の傍ら、事業に関わっているとも。
年は少し離れていますが、能力は確かですし、人柄に関しても実際私が会ったうえで今回の話を持って来たので安心してください」
エリカ「……それはそれで私なんかにはもったいない話ですよ。私は別に名家の生まれとかじゃないですし」
しほ「……どうやらあなたは少し勘違いしているようですね」
エリカ「え?」
しほ「今回のお見合いはあくまでエリカさん、あなたに決定権があります。会うも会わないも、会った後どうするかも、全てあなたの意志を尊重します。『相手が』ではなく、『あなたが』選ぶのです」
エリカ「……」
しほ「家の事もあなた自身の事も承知したうえで、私はあなたに提案しているのです。――――エリカさん、この話受けますか?」
エリカ「…………私は」
6:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/01(月)22:37:53
ID:CZU
・
・
・
みほ「ええええええええええええええええ!?エリカさんがお見合いするううううううううううううううううううううう!?」
小梅『み、耳が……そんなショックですか』
みほ「なんで!?なんでエリカさんがお見合い!?」
小梅『私も隊長とエリカさんが話しているのを聞いただけで詳しい事は知らないんですが……エリカさん、みほさんのお母さんからの紹介でお見合いするって』
みほ「何やってるのお母さんは!?娘の友達にお見合い紹介って何考えてるの!?」
小梅『わ、私に言われても……ていうかみほさん知らなかったんですか?』
みほ「知らないよ!?なんで私に連絡無いの!?」
小梅『それは……みほさんもう大洗の人間だからエリカさんと関係ないから、とか?』
みほ「……」ズーン…
小梅『電話越しでもわかる落ち込みよう……冗談ですよ。みほさんのお母さんも、エリカさんもみほさんに心配かけたくなかっただけですよ……多分』ボソッ
みほ「そうかなぁ……」
小梅『きっとそうですよ。あ、私がこの話伝えたってのは内緒でお願いしますよ。エリカさんが知ったら怒られちゃいます』
みほ「うん、赤星さん情報提供ありがとう」
小梅『いえいえ。それじゃあまた』
pi!
みほ「……エリカさんがお見合い」
7:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/01(月)22:38:30
ID:CZU
・
・
・
みほ「……」ボー…
沙織「ねぇねぇ、みぽりんどうしたの?」コソッ
華「なんだか元気がないですね」コソッ
優花里「体調でも悪いのでしょうか……」コソソッ
麻子「寝不足じゃないか?」
沙織「麻子じゃないんだから……しょうがない、ここは聞いた方が早いね。みぽりーん!!」
みほ「沙織さん……」
沙織「みぽりんどうしたの?元気ないね」
みほ「え……あ、ごめんなさい」
沙織「……何かあったの?私たち相談に乗るよ?」
みほ「でも……」
8:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/01(月)22:39:02
ID:CZU
沙織「遠慮しないでよ!恋愛相談ならお任せだよ!なんちゃって!!」
華「その場合あまり頼りにならなそうですね」
沙織「酷くない!?」
優花里「まぁまぁ、何も恋愛事と決まったわけじゃ――――」
みほ「ねぇ、お見合いって、絶対結婚するの……?」
沙織「え……?お見合い……?みぽりんお見合いするの!?いつ、どこで!?どんな人と!?年収は!?」
優花里「ほんとですか西住殿!?お見合い!?」
華「まぁ……」
麻子「家が大きいとそういう話もくるものなんだな」
みほ「ち、違うの……私じゃなくて、その……エリカさんが」
沙織「エリカさんって……黒森峰の副隊長さん?」
優花里「なんで自分の娘じゃなくてエリカ殿に……?」
みほ「それは私も知りたい」
沙織「お見合いかぁ……どんな人と会うのかな」
みほ「それは……私も知らないけど……」
9:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/01(月)22:39:23
ID:CZU
沙織「こういうのって、家のために望まぬ結婚をする!ってのがテンプレだよね!」
みほ「そうなの!?」
麻子「沙織の知識はだいぶ偏ってるから真に受けないほうが良い」
みほ「そっか……」
沙織「納得しないでよみぽりん!?」
優花里「しかし、まさかお見合い話だなんて。私には想像もつきませんね」
華「私は、いくつかお見合いの話がきた事がありますよ」
沙織「嘘っ!?聞いてない!!」
華「話す事の程ではないと思いまして……」
みほ「きた事があるって事は、実際には会わなかったんですか?」
華「ええ」
沙織「もったいない!?」
麻子「あまり好みじゃなかったのか?」
華「そういうわけでは……人柄も良い方とは聞いていました」
沙織「ならなおさら何で断ったの?」
華「……結婚。それ自体が嫌というわけではありません。母になることも。ですが……結婚するという事は自分だけではなく相手も支える事になります。
相手はそれが出来たとしても、私にはまだそれができるほどの人間ではない。ましてや子供なんてなおさら。そう思いまして」
10:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/01(月)22:41:40
ID:CZU
沙織「へー……華ちゃんと考えてるんだね。私だったらとりあえず会ってから考えるかなー」
華「本来お見合いというのはそうするものですよ。お互い顔を合わせて、良さそうだったら何度かデートを重ねて結婚するという感じです」
みほ「じゃあ別にお見合いすると結婚するって事じゃないの?」
華「ええ。政略結婚とかなら話は変わるかもしれませんが、お見合いならばお互いの合意が第一なはずです」
みほ「そっか……」
優花里「そういえば、お見合いの離婚率って低いらしいですよ」
沙織「そうなの?」
優花里「はいっ、お互いの家が関係する以上、やすやすと離婚できないというのもありますが、
恋愛と違って相手に過度な期待や理想を持たないから、長所も欠点も受け入れられるらしいです」
沙織「へー……」
優花里「それに家の名がかかってるから、相手選びも慎重にやります。変な人にはそもそもお見合いの話は来ません。名家ならばなおさらです」
麻子「西住さんの家が紹介した相手もちゃんと調べた上で良い人を選んだというわけか」
沙織「若いうちに結婚って大変そうだけど、ちょっと憧れちゃうなー。美人若妻って感じ!!」
麻子「自分で美人言うのか」
11:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/01(月)22:41:54
ID:CZU
優花里「私は結婚どころか将来の事すらまだ決まってないのに、そんな事考えてられませんね」
華「私も、今の所恋愛や結婚は後回しですね」
沙織「私は結婚も良いって思うけど、やっぱり恋愛結婚が良いなぁ。好きな人と幸せになる以上の事はないでしょ!運命の人を待つね!!」
麻子「そして20年の月日が経った……」
優花里「運命の人を追い求めた武部殿は未だ独身……」
華「友人の子供は今年中学に入学……」
沙織「うるさいよっ!?」
みほ「……」
優花里「……西住殿はエリカ殿のお見合い反対なんですか?」
みほ「え……?」
沙織「元気ないのって逸見さんのお見合い話が原因なんでしょ?」
みほ「私は……私は――――――」
12:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/01(月)22:43:45
ID:CZU
・
・
・
~見合い場所の料亭より1キロの高台~
みほ「大っ反対だよっ!!お見合いなんて叩き潰しますっ!!」
まほ「一人でやってくれないか?」
小梅「なんで私まで……」
みほ「何言ってるの二人とも!!このままエリカさんが結婚したら、黒森峰の未来に暗雲が立ち込めるよ!?寿退学だなんて前代未聞だよ!?来年の隊長がいなくなってどうするの!?」
まほ「お前が言うのかそれを……」
小梅「別にエリカさんすぐに結婚するわけじゃないと思いますよ……?少なくとも高校の内はちゃんと戦車道に集中しますって」
みほ「それはエリカさんの考えであって相手がどうかわからないでしょ!?相手はきっとさっさと結婚して合法的にエリカさんの肢体を舐め回すのを今か今かと待ちわびてるよ!!3か月後にはご懐妊だよ!!ロリコンがッ!!」
まほ「会った事も無いのに敵意持ちすぎだ……」
みほ「これから私たち3人でお見合い場所に突撃!エリカさんに危害を加えないよう注意しつつめちゃくちゃにしたあと即撤退します!!」
小梅「テロじゃないですか……」
13:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/01(月)22:44:15
ID:CZU
みほ「お姉ちゃん!言った通り武器は持って来たよね!?」
まほ「一応倉庫に眠ってた自動小銃とパンツァーシュレックを持って来たが……」
みほ「よし!みんなでお見合い相手に悪夢を見せてやりましょう!!」
まほ「赤星、お前がみほに話したせいだぞ」コソッ
小梅「すみません……」
みほ「まずは偵察だよ!!赤星さん双眼鏡!!」
小梅「あ、はい」
みほ「あーっ!?」
まほ「え、なに急に」
みほ「エリカさん和服着てるううううう!?」
まほ「え?……ホントだ」
みほ「ああああああああああ似合ってるぅううううううううううう!!日本人離れした容姿なのに、これ以上ないくらい清楚にマッチしてるうううううううううううう!!
結った髪が艶やかあああああああああああああ!!」
小梅「……」パシャシャシャシャシャシャ!!
まほ「赤星……お前そのバズーカみたいなカメラどうしたんだ」
小梅「こんな事もあろうかとってやつです」
みほ「赤星さん!!」
小梅「現像、任せてください。引き延ばして額縁に入れて校門に掲げましょう」グッ!
みほ「イエーイ!!」
まほ「帰りたい」
14:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/01(月)22:44:32
ID:CZU
・
・
・
みほ「さぁ……いよいよ突撃だよ。準備は良い?」
まほ「帰りたい……」
小梅「仕方がないですね……隊長、ここまで来たら腹くくりましょう」
まほ「元はと言えばお前の情報漏洩が原因なんだが……」
みほ「それじゃあパンツァー――――――」
15:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/02(火)18:36:33
ID:sr2
「そこまでです」
16:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/02(火)18:36:58
ID:sr2
みほ「っ!?こ、この声は……!!?」
しほ「途中で思い直す事を願っていたのですが、我が娘ながら呆れ果てます」シュタッ
みほ「お、お母さん……どうして」
しほ「あなたたちが不穏な動きをしていることくらい察知できます。母を舐めないでください」
みほ「くっ……その娘が戦車道再開してるのを気づいてなかったくせに……」
しほ「まったく……せっかく念願の『後は若い二人にまかせて……』が出来たと言うのに。それで、なにか申し開きはありますか?」
みほ「ないよ!!私は、お見合いを潰しに来たんだから!!」
まほ「お母様私は無関係です!!みほに無理やり連れてこられただけでエリカのお見合いをどうこうしようとはこれっぽっちも考えていません!!」
みほ「裏切るのお姉ちゃん!?」
まほ「元より今回の件に関してはお前の味方じゃない!!お母様、お母様なら理解してくれるでしょう!?」
しほ「問答無用」
まほ「申し開きを聞く気ないじゃないですかっ!?赤星!!お前からも何か―――――いない……」
『犬の散歩を忘れていたので帰ります 小梅』
17:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/02(火)18:37:42
ID:sr2
まほ「寮はペット禁止だろ!!」
しほ「二人とも武器を捨てて投降しなさい。今なら軽めのお仕置きで済ませてあげます」
まほ「あああああ……お終いだぁ……」
みほ「お姉ちゃん気をしっかり持って!ほら、相手は素手だよ!!武器を持ってる私たちなら勝てるよ!!」
ドゴンッ!!
みほ「……ねぇ、そこの木ってあんな短かったっけ?」
まほ「立派な大木だなって思ってた」
しほ「そういえば貴方たちは知らないのですね。西住神拳を」
みほ「に、西住神拳……?」
しほ「戦車道は武道です。ならば己の体を鍛え上げるのも当然。西住神拳はそんな考えから生まれた殺じ……活人拳です」
まほ「『殺』って言った!!」
しほ「殺人的に活人すると言おうとしたのです」
まほ「矛盾!!」
18:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/02(火)18:38:19
ID:sr2
しほ「第一の拳、HEAT拳と第二の拳、AP拳そして……私が生み出した新たな拳、APFSDS拳」
みほ「長いよ!!」
しほ「残念ですが手加減は期待しないでください。ですが、今投降するのであれば母の愛の拳で済ませてあげましょう」
みほ「騙されないでお姉ちゃん!!考えてみて!!あんな大木素手でへし折る人の愛の拳なんて、最低限人間の頭をザクロにする威力だよ!!」
まほ「で、でも……」
みほ「お母さんっ!!私たちは今さら引き下がれないんだよ!!私は、まだエリカさんに結婚されたら困るんだから!!ほら、お姉ちゃん!まだ死にたくないでしょっ!?」
まほ「うう……こうなったらお母様を倒すしかない……」
みほ「行くよお姉ちゃん!!パンツァー・フォー!!」ダダダダッ
まほ「南無三っ」ダダダッ
しほ「……まったく、仕方がありません。……厳しめのお仕置きですね」
19:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/02(火)18:38:31
ID:sr2
しほ「パンツァーフォー」
20:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/02(火)19:06:45
ID:sr2
チュドオオオオオオオオオオオン!!
21:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/02(火)19:13:12
ID:sr2
・
・
・
――――ほ、みほってば」
みほ「ん……」
エリカ「いつまで寝てるのよ、ほら起きなさいってば」ペシペシ
みほ「あれ……?エリカさん……?」
エリカ「やっと起きた。もう、寝坊助なんだから」
みほ「えっと……ここは……」
しほ「料亭に頼んで借りた準備用の部屋です」
みほ「ぎゃあああああああああああ!?」バッ
しほ「……実の母親を見ての第一声がそれですか」
エリカ「何したんですか家元……」
しほ「ちょっと、親子の語らいを」
エリカ「そうですか……ほらみほ、落ち着きなさいって」
みほ「わた、私生きてる!?五体満足!?」
エリカ「見た感じ大丈夫だけど……隊長も無事よ。そこで震えてるけど」
まほ「ああああ…ごめんなさいごめんなさい……」ガクガク…
みほ「何で拳で地形を変えられるの……」ガクガク…
エリカ「何されたか知らないけど、元気そうで何よりよ……」
22:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/02(火)19:18:15
ID:sr2
みほ「あっ!?そうだお見合い!!?エリカさんお見合いは!?」
エリカ「はぁ?そんなのとっくに終わってるわよ」
みほ「そんな……」
エリカ「全く、あなた達も阿呆な事したわねぇ。家元から聞いたとき冗談かと思ったわ」
みほ「えっと、エリカさん……」
エリカ「あなたは相変わらずね、変なところで頑固で人の話を聞かないんだから。来年には最上級生なのよ?そんなんで大丈夫なの?」
みほ「……エリカさん」
エリカ「……何」
みほ「その、お見合い、どうだったの……?」
エリカ「どうって……随分曖昧な聞き方ね」
みほ「……相手の人ってどんな人だった?」
エリカ「……良い人だったわよ。研究に一生懸命で、将来の事をちゃんと考えてて、年下の私にも礼儀正しくて。良いか悪いかで言ったら間違いなく好印象だったわ」
みほ「なら、結婚するの……?」
エリカ「……その前に、一つ聞かせて。なんでお見合い邪魔しようとしたの?」
みほ「……」
23:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/02(火)19:23:17
ID:sr2
エリカ「元々いきなりの話だったから私も別に本気で将来を決めよう。とまでは思っていなかったけど。それでも、少しワクワクしてたのよ」
みほ「……」
エリカ「写真やプロフィールでしか知らない人が実際どんな人なのか。ちょっとだけ、本当にちょっとだけよ?……楽しみだったわ」
みほ「……」
エリカ「だから、あなた達がお見合いをぶち壊そうとしてるって家元に聞いた時どうして?って思ったわ。私は別に嫌だとか言っていないのに」
みほ「わた、私は……」
エリカ「ねぇ、何で?」
みほ「っ……」
エリカ「……あなたに好かれてるとは思っていなかったけど、そこまで嫌われてるなんてね……」
みほ「違っ!?違うよ!!?私、エリカさんが嫌いだからお見合い潰そうとしたんじゃなくて……」
エリカ「なら、なんで?」
みほ「……エリカさんが結婚したら、もう仲直りできないかもって」
エリカ「……」
24:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/02(火)19:26:07
ID:sr2
みほ「結婚したら相手の人との生活を大事にするだろうし、その……子供が出来たらそれこそ、私なんかのために時間を割けなくなるだろうから……」
エリカ「気の早い話ねぇ……」
みほ「エリカさんからしたらなんで、ってなるのは当然だと思う。私は、あなたからずっと逃げてたから。いまさら何を言ってるんだって、自分でも思ったから……」
エリカ「……」
みほ「でも、私は……あなたとまだ話したい事があるから……エリカさんが、遠くに行っちゃうのが怖くて……」
エリカ「どの口が言うんだか」
みほ「……その通りだね。本当、自分勝手」
エリカ「ええ、その通りよ」
みほ「……勢い任せの後先考えてないワガママなのはわかってた。エリカさんからすれば理不尽な事なんだってのは理解できてた。でも……ちょっとでも躊躇ったらもう、エリカさんに会えないような気がして……」
エリカ「……」
みほ「ごめんなさい……私は、あなたに酷い事をしようとしました。ううん、酷い事をしました。許されるとは思っていません、絶交されても仕方がないです。本当に……すみませんでした」
エリカ「……そうねぇ、ブチギレよ。二度と顔も見たくないでしょうね」
みほ「っ……」
25:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/02(火)19:29:52
ID:sr2
エリカ「10年後も同じことをしたらね」
みほ「え……?」
エリカ「みほ、お見合いの結果がどうなったか聞きたいのよね?」
みほ「う、うん」
エリカ「……断ったわよ」
みほ「……」
エリカ「良い人だし、悪くないかなって私も思ったんだけどね。結婚だって今すぐじゃなくて、それこそ私が大学を卒業して独り立ちできてからでも良いって言ってくれて。
家柄の差だって、関係ないって。むしろ私にはもったいないって思うぐらいの人だった」
みほ「……なら、なんで」
エリカ「みほ。私はね、別に結婚だけが幸せじゃないって思ってる。でも、お見合いの話が来てどうしても想像しちゃったのよ。
結婚して、子供が生まれて、幸せな家庭で暮らす自分を。……その先を」
みほ「……」
エリカ「あなたは私と仲直りしたいからお見合いを潰そうとしたって言ったわよね」
みほ「……うん」
エリカ「……私が今回の話を断ろうって決めた理由の一つはね、あなたと同じなの」
みほ「え……?」
26:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/02(火)19:32:24
ID:sr2
エリカ「ずっと心残りだった。あなたがいなくなる日まで、あなたに何も出来なかった事が」
みほ「……」
エリカ「だけど、あなたが大洗で新しい友達を見つけて、戦車道をまた始められて、大学選抜戦で一緒に戦えて、
それでもう私の中でわだかまりは解けたと思ってた……そんな事ないのに」
みほ「……」
エリカ「私も、あなたと一緒だったのよ。勝手に納得して、自分を騙して、それで綺麗さっぱりしたんだって思いたかった。……でも、それじゃあダメだってこともわかってた」
みほ「エリカさん……」
エリカ「このまま結婚したらきっとあなたは私に会おうとしなくなる。私も、家事や子育てや色んな理屈をつけて、
あなたに会おうとしなくなる。そしたらもう、それで私たちの関係は終わる。それが……嫌だった」
みほ「……」
エリカ「私も、いつか良い人を見つけて結婚するかもしれない。でも、もしかしたら一生独身かもしれない。もしかしたら……幸せな結婚ができないかもしれない」
みほ「……」
エリカ「それを考えれば今回の話はちょっと早いチャンスだったと思うわ。少なくとも、あなたの家は私たちを支えてくれるって言ってくれたから」
しほ「ええ。エリカさんも西住流の門下生。ましてや私たちが持ち掛けた話ですから。みすみす不幸にはさせません。……幸せになれるかは当人たちの努力次第ですが」
エリカ「あはは……厳しいですね、さすがです。……みほ」
みほ「……はい」
エリカ「だから私は、結婚が嫌とかじゃないの。ただ……まだやりたい事があるの」
みほ「……」
27:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/02(火)19:55:28
ID:sr2
エリカ「恋や愛や、子育てよりも。戦車道をやりたいの。……友達と、一緒にいたいの。私はまだ、女の子だから」
みほ「エリカさんっ……」
エリカ「だから、仲直りしましょう?いつか、別々の道を歩むとしても笑って会えるように。昔の事も、今の事も、未来の事も、笑って話せるように。……みほ。私と、もう一度友達になってくれない?」
みほ「エリカさん……エリカざああああああんっ!!」ダキッ
エリカ「ちょっ、着物汚れちゃうでしょ」
みほ「友達だよっ!!ずっとずっと……友達だよっ!!」ギュゥゥ
エリカ「……もう、仕方ない子ね。……約束よ」ナデナデ
みほ「うんっ!!」
エリカ「ふふっ……家元」
しほ「なんですか」
エリカ「お見合い、勝手に断ってすみません。本来なら家元に一言断ってからするべきでしたのに」
しほ「……そうですね、ですが相手も納得の上なのなら、私が言う事はありません。私は『若い二人』に任せたのですから」
エリカ「ありがとうございます。それと、お借りした着物汚れちゃったんですが……」
みほ「エリカざぁん……」ズビズビグスグス
28:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/02(火)19:58:52
ID:sr2
しほ「気にしないでください、それよりも。エリカさん、今回は迷惑をかけてしまいすみませんでした。私の監督不行き届きです。娘の分も合わせて、謝罪します」
エリカ「いいですってば。お見合いなんてそうそうできる経験じゃありませんし、この子たちも悪気があったわけじゃ……いや、まぁ、悪い事とは知ってたか。
とにかく、私に悪意があってやったことじゃないらしいですから。今回は許しますよ。今回だけ」
しほ「……ありがとうございます」
エリカ「……手のかかる子どもで大変ですね?」
しほ「……ふっ、あなたもいつか分かる日が来ますよ。子育てなんてそのぐらいが丁度いいって」
エリカ「……ええ」
みほ「エリカざぁんっ!!」
エリカ「はいはい。もう、泣き虫なんだから」ナデナデ
しほ「……まぁ、お見合い話も無駄ではなかったみたいですから良しとしましょう」
まほ「良い話だ……」ウルルッ
しほ「まほ、あなたとみほは3か月お小遣い無しです。仕送りも最低限にします。極限状態を楽しみなさい」
まほ「」
29:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/02(火)20:01:15
ID:sr2
・
・
・
~数日後 西住邸~
まほ「ところでお母様」
しほ「なんですか」
まほ「なんで私やみほではなくエリカに見合い話を持って来たんですか?」
しほ「え」
まほ「西住流の跡取りである私の方が結婚の緊急性は高いと思うのですが……」
しほ「それは……まぁ、元々、今回の話はあなたかみほにどう?ときたものでした」
まほ「え?」
しほ「私も最初はそのつもりだったんですが……相手の方が思っていた以上に真面目で好印象な方で」
まほ「ん?」
しほ「そしてあなた達はというと……戦車道以外からっきしと言いますか、ちょっと人の心の機微に疎い所があると言いますか……」
まほ「ん~?」
30:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/02(火)20:03:05
ID:sr2
しほ「つまり……あなた達にはもったいない話だと思ってエリカさんに回しました」
まほ「はあああああああ!?酷くないお母さん!?」
しほ「いやだってあなたなんか碌に家事もできないじゃないですか」
まほ「そ、それは……」
しほ「エリカさんは戦車道の腕こそあなた達に劣りますが、ちゃんと日々の生活にも手を抜いていません。事前チェックで料理の腕も及第点を超えていました。
せっかく良い人とのお見合いなんですから、ちゃんと幸せになれそうな人を紹介したいというのが人情でしょう?あなたは……自分を受け入れてくれる器の広い殿方を見つけなさい」
まほ「な、ちょっ!?それは無いんじゃないですか!!大体、人の心がわからないってあなたが言えることじゃないでしょう!?」
しほ「なので私は私を受け入れてくれる人と恋愛結婚しました」
まほ「くっ……」
しほ「というわけでまほ、たまには戦車道以外にも目を向けなさい。競技だけで認めてもらえるのは一選手の身の上の時だけです。西住流を継ぐなら、ちゃんと人としても自立できるようにしましょう」スタスタスタ
まほ「お、お母様待って!?……逃げられた。……私、そんなに結婚向かないのかな……?」
ポンポン
まほ「ん……?」
沙織「みぽりんのお姉ちゃん、あなたも私と一緒に花嫁修業しない?」グッ!
まほ「師父(せんせい)……」
32:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/02(火)20:05:22
ID:sr2
・
・
・
エリカ「ねぇ、あなたのお姉さんが怪しい勧誘に引っかかってるんだけど」
みほ「うーん……まぁ、沙織さんなら大丈夫だよ。たぶん」
エリカ「適当ねぇ……あら、この干し芋結構おいしいわね」モグモグ
みほ「でしょ?うちの会長お勧めの品なんだ」
エリカ「ええ。今度そっち行った時に買わせてもらうわ。……ところで。なんで私また着物着せられてるの?あなたの家に遊びに来ただけなのに……メイクまでされて」
みほ「ん?だってエリカさんの着物姿があれだけだなんて勿体ないでしょ?もっとたくさんの人に見てもらいたいでしょ?メモリアル打ち立てたいでしょ?」
エリカ「別に」
みほ「なので今日は写真撮影会です!」
エリカ「耳に干し芋詰まってるの?」
33:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/02(火)20:08:46
ID:sr2
みほ「赤星さん!優花里さん!カモン!!」パチンッ
小梅「はーい」
優花里「任されました!」
エリカ「あ、モジャ姉妹」
小梅「ん~?今のは聞かなかったことにしてあげますねー?それじゃあ、早速撮りますからこちらへどうぞ」ガララッ
優花里「準備完了です!」グッ!
エリカ「うわ、随分本格的なスタジオ組んだわね……」
みほ「部屋余ってるとこういう時便利だね」
エリカ「お金持ちは道楽にも本気だから質が悪いわ……」
優花里「ほら、エリカ殿、こっちこっち」
エリカ「もう、引っ張らないでよ」
小梅「準備良いですねー?ハイ笑ってくださいー」
エリカ「……」
優花里「うーん表情硬いですねー」
34:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/02(火)20:11:05
ID:sr2
エリカ「いやだって別に笑うような事ないし……」
小梅「そういわず、ほら!笑って笑ってー!いつか結婚式挙げる時にスライドショーで流しますからー。輝かしい将来を想ってー両親が号泣してミイラになるぐらい幸せな未来を想ってー」
エリカ「縁起悪いわね……大体、結婚なんていつになることやら」
小梅「細かい事はいいですから。ほら、笑って笑って!!」
エリカ「……はぁ、分かったわよ……んっ」ニコッ
優花里「ひゃあああああああ……」パシャシャシャシャシャシャ
小梅「いいですねーいいですよぉー」パシャシャシャシャシャシャ
みほ「最っ高だよエリカさん!!」パシャシャシャシャシャシャ
エリカ「なんであなたまで撮影に加わってるのよ……」
みほ「他人が撮った綺麗な写真も良いけど、自分で撮った拙い写真も大事な思い出なんだよ!!」パシャシャシャシャシャシャ
優花里「五十鈴殿ーもっと光お願いしまーす!」
華「わかりました」
小梅「冷泉さん、写真チェックと編集どんどんお願いします」
麻子「めんどくさいな……」
沙織「メイク直しは任せて!」
エリカ「いつの間にか勢ぞろいね……」
優花里「よしっ!このまま縁側や庭での撮影もしましょう!幸い西住邸は日本庭園!撮影場所には困りません!」
エリカ「ちょっ」
35:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/02(火)20:12:58
ID:sr2
小梅「じゃあその前に和室で何枚か撮っておきましょうか」
エリカ「私の意志はっ!?」
華「それでしたら逸見さんに是非、生け花をしてもらいたいです」
エリカ「え?」
小梅「良いですけど、流石にお花は準備して……」
華「大丈夫です。私が用意しておきましたから」ズラッ
みほ「そういえば持ってきてたね」
小梅「それなら大丈夫です!」
エリカ「いや、あの私お花なんて生けた事無いわよ!?礼儀作法だってっ」
華「任せてください。私が手取り足取り指導しますから」
エリカ「いやそういう話じゃなくて……」
華「さぁさぁ、こっちに来てください」グイグイ
エリカ「あ、あのね!?なんであなた達そんな強引なのよっ!?」
36:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/02(火)20:15:25
ID:sr2
・
・
・
~数時間後~
エリカ「つ、疲れた……」ゼェゼェ
優花里「エリカ殿お疲れ様でーす」
小梅「写真は後日ネットでサンプル公開して、希望者に販売しますねー」
エリカ「人で勝手に商売しないでよ……」
みほ「とりあえず、全種類を3枚ずつ貰える?お小遣い止められてるから貯金無くなっちゃうけど仕方ないよね!」
小梅「毎度ありー!!」
エリカ「……もういいわ」
しほ「私にも少し見せてもらえますか?」
エリカ「家元……?」
小梅「どうぞ、言ってくだされば後日郵送しますよ、ROM焼きも可です」
しほ「……なるほど、いい写真ですね。エリカさん、これ西住流の門下生募集パンフに使っていいですか?」
エリカ「……は?」
しほ「今のご時世、硬派一本で行くのも時代に逆行していますし、華やかなイメージを持たせたいのですよ」
エリカ「いや……え?」
37:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/02(火)20:17:06
ID:sr2
小梅「なら、黒森峰の生徒募集にも使いましょうか」
まほ「良いんじゃないか?」
エリカ「い・や・で・す・よ!!そんな見世物みたいなの冗談じゃないです!!」
みほ「エリカさん、逆に考えようよ。見られてるんじゃない。見せてるんだって……むしろ魅せてるが正しいか」
エリカ「うるさいわよっ!!?」
しほ「とりあえず西住流の広報部にデータを送ってもらってもいいですか?使用料は後で振り込みますので。場合によってはエリカさんにまた頼むかもしれません」
優花里「はい!お任せください!!」
小梅「やりましたねエリカさん!!さっそく大きな仕事が入るかも!!」
優花里「でかいシノギの匂いがしますね!」
エリカ「何?戦車道って人の話を無視する乙女を育成する武道なの?」
38:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/02(火)20:19:31
ID:sr2
トントン
エリカ「何よ今忙しいんだけ――――」クルッ
華「……」ニコニコ
エリカ「……なんでしょうか」
華「逸見さん、もしよろしければ私の実家が営んでいる華道の流派に入門してみませんか?」
エリカ「え、なんで」
華「逸見さん着物がよくお似合いですから……先ほどの花を生ける姿もとても美しかったですよ。それこそ、花のように」
エリカ「そ、そう?ありがとう。でも私は戦車道が……」
しほ「エリカさん、いい機会ですから華道と一緒に茶道も修めてみてはどうですか?」
エリカ「え!?なんで!?」
しほ「戦車道に情熱を持って取り組んでいるのは大変素晴らしいことですが、本来戦車道は礼節のある、淑やかで慎ましく、凛々しい婦女子を育成することを目指した武芸です」
エリカ「え、ええ。知ってます」
しほ「そしてそこに華道と茶道を加えることで次世代の完璧(パーフェクト)良妻賢母育成を成し遂げられるかもしれません」
エリカ「そ、それで?」
しほ「その3つを修めたエリカさんを広こ……筆頭に良妻賢母の精神の復活を、と」
エリカ「今広告って言いましたよね。私、キャンギャルなんて嫌ですよ」
しほ「そういわず。茶道の先生も良い人を紹介しますので是非」
39:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/02(火)20:22:21
ID:sr2
華「そうですよ。私も戦車道を始める前は華道一本でやっていくと思っていましたが、いざやってみると華道と戦車道には共通する点が結構あって、結果的にどちらの技術も上がりました」
エリカ「そうなのっ!?」
華「はい♪ですから逸見さんも是非。『エリカ』、その名に違わぬ可憐な花を生けましょう」
エリカ「い、いややっぱり私は……」
しほ「華道茶道戦車道の三つを修めたあなたを見て、伴侶にという方が現れるかもしれませんよ」
みほ「はっ!?何言ってるのダメだよそんなの。エリカさんに結婚なんてまだ早いし、近づく男は全員75ミリ長砲身でケツバットだよ!?」
エリカ「あなたは私の何なのよ……」
みほ「友達だよ!!」
エリカ「……そっか。そうね。ふふっ」
しほ「それじゃあ早速スケジュールを組みますか。エリカさん忙しくなりますよ」
華「私も母に伝えますね?」
エリカ「え、ちょ、ちょっと!?あーーーもうっ!!いい加減にしてください!!そんなに良妻賢母育成したいならまず娘に施しましょうよ!?」
しほ「いえ……娘がアレですから、エリカさんに花嫁修業をさせてみたいなと」
エリカ「100パ―そっちの都合じゃないですか!?」
まほ「みほ、言われてる」←アレ
みほ「お姉ちゃんの事だよ」←アレ
40:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/02(火)20:25:15
ID:sr2
しほ「エリカさん、損はさせませんよ。きっとあなたの将来に役に立ちますから」
エリカ「遠慮します!!なんのためにお見合い断ったと思ってるんですか!!?」
みほ「私のためじゃないの?」
エリカ「それは理由の一つって言ったでしょーが!?私は、まだ戦車道に集中したいのっ!!」
華「まぁまぁ、良いじゃないですか。3つともこなせば。それに私、華道の事でお話できる友達が欲しかったんです」
エリカ「嫌だって言ってるでしょ!?大体なんであなたそんなになれなれしいのよ!?」
沙織「みぽりんのお母さん!!私もモテモテの良妻賢母になれますか!!」
しほ「お見合い写真と恋文でババ抜きができるぐらいにしてあげます。より取り見取りですよ」
沙織「エリカさん頑張ろう!!」
エリカ「勝手に決めないで!!?」
まほ「お母様……私は……?」
しほ「……」
まほ「何か言ってくださいよ!!?」
41:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/02(火)20:27:48
ID:sr2
みほ「エリカさん、私エリカさんに彼氏とか結婚はまだ早いって思うな。やっぱりまずは友情を大事にしよう?ね?ね?」
小梅「いやー!これエリカさんアイドル化計画も立ち上げられないですかね?目指すは学園艦ナンバーワンアイドル!!スクールシップアイドルですよ!ガルライブ!」
優花里「やるとしたらまずはデビュー曲を考えないと。サンダースならその手の娯楽に詳しそうですし、一度企画を持って行ってみましょうか」
華「私たち、二人とも花にちなんだ名前ですし、仲良くなれると思うのです」
沙織「ねぇねぇ!!お見合い相手ってどんな人だったの!?イケメン!?優しかった!?」
麻子「zzzz……」スヤスヤ
エリカ「も、もう嫌ああああっ!!」スタタタタタ
みほ「あ!エリカさん!?」
優花里「凄い……着物と草履であんなスピードを出せるなんて……」
しほ「まぁまぁ、話だけでも聞きなさい。私、お見合いの仲人結構楽しかったんですよ」ダッ!!
エリカ「ただのワガママじゃないですか!?もおおおおおおおっ!!」
42:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/02(火)20:30:13
ID:sr2
エリカ「お見合いなんてこりごりよおおおおー!!」
43:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/02(火)20:30:28
ID:sr2
―終―
45:
◆eltIyP8eDQ 2018/10/02(火)20:33:03
ID:sr2
西住神拳は零式防衛術的なアレです。
読んでくれた方ありがとうございました。
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