2:
◆qTT9TbrQGQ 2018/09/10(月)23:03:25
ID:Zfa
――昼、事務所
P「雪美が隙あらば俺の手を狙ってくるんですよ」
ちひろ「は?」
P「どうすればいいのか、ちょっと一緒に考えてくれません?」
ちひろ「ちょっと意味が分からないんですが……手を狙ってくる? なにそれこわい」
P「ああ、怖い話じゃなくて。手を繋ごうとしてくるんですよ」
ちひろ「なんだ……てっきり妖怪的なアレかと」
P「雪美が妖怪だとしても猫娘か座敷わらしです」
3:
◆qTT9TbrQGQ 2018/09/10(月)23:03:57
ID:Zfa
ちひろ「手を繋ぐくらい別にいいじゃないですか」
P「いや、それがですね、今日の朝、仕事しているときに……」
~~~~~~~~
P「…………」カタカタ
雪美「おはよう……」
P「ん、雪美か。おはよう」
雪美「……………………」ジー
P「どうした?」
雪美「…………」ポフ
P「ああ、膝の上に乗りたかったのね」
雪美「…………」袖クイクイ
P「今度は何?」
雪美「…………手……」
P「……手?」スッ
雪美「……」ギュー
P「……手を繋ぎたかったの?」
雪美「…………」コク
4:
◆qTT9TbrQGQ 2018/09/10(月)23:05:20
ID:Zfa
雪美「…………」ニギニギ
P「……雪美、そろそろ離してくれないか?」
雪美「…………嫌……」
P「このままだと仕事できなくて困っちゃうなあ」
雪美「……………………」プイ
P「お願いだからさ、雪美はいい子でしょ、ね?」ナデナデ
~~~~~~~~
P「といった感じで、結局30分くらいずっと手を繋いでました」
ちひろ「30分もずっと……雪美ちゃんすごい粘りましたね」
5:
◆qTT9TbrQGQ 2018/09/10(月)23:07:08
ID:Zfa
ちひろ「でも30分くらい、少し長い休憩と思えば、別にいいんじゃないですか?」
P「それがですね、あの後、昼飯時にも……」
~~~~~~~~
P「よし、昼飯食べるか。弁当出して……っと」
雪美「………………」ジー
P「雪美も弁当か。一緒に食うか?」
雪美「……」ポフッ
P「おっと……膝の上に乗るなら、ちゃんと言ってくれないと、危ないぞ?」
雪美「……………………」ギュッ
P「ってまた手繋ぐのか? 雪美、右手使えないとご飯食べれないんじゃないか?」
6:
◆qTT9TbrQGQ 2018/09/10(月)23:08:38
ID:Zfa
雪美「…………食べさせて……」
P「食べさせて、って言われても……」
雪美「……あーん……」
P「はい、あーん」
雪美「…………」モグモグ
雪美「……あーん……」
P「もう自分で食べなさい」
雪美「…………あーん……」
~~~~~~~~
P「こんな感じで、結局昼飯を全部食べさせてましたね」
ちひろ「その間、ずっと手を繋いでいたんですか」
P「ええ」
ちひろ「今時バカップルでもそんなんやりませんって」
7:
◆qTT9TbrQGQ 2018/09/10(月)23:10:46
ID:Zfa
ちひろ「……でも、想像してみたら、鳥のヒナみたいで可愛いような」
P「ええ、可愛かったですよ」
ちひろ「あれ、ひょっとしてこれ、私、ノロケ話聞かされてるだけじゃないですか」
P「いやいや。その後も仕事中に……」
~~~~~~~~
P「…………」カタカタ
雪美「……………………」ジー
P「ん、雪美? ……また膝の上来る?」
雪美「…………」ポフッ
雪美「…………」袖クイクイ
P「だーめ、仕事中だから手は繋げません」カタカタ
雪美「……………………」パシッ
P「キーボード叩いてる手を捕まえるんじゃない。猫かよ」
8:
◆qTT9TbrQGQ 2018/09/10(月)23:12:23
ID:Zfa
雪美「……」グイッ
P「抱き寄せるんじゃない。俺の左手返して。せめてこのメールだけ打たせて」
雪美「…………」ギュ
P「また手を繋ぐ……今回は短めにしてくれよ?」
雪美「……………………」
P「分かったか、雪美?」
雪美「…………すぅ…………すぅ…………」
P「……寝てる」
~~~~~~~~
P「という感じで、左手を繋いだまま寝られてしまって」
ちひろ「それで今に至る、というわけですね」
雪美「…………すぅ…………」
9:
◆qTT9TbrQGQ 2018/09/10(月)23:17:33
ID:Zfa
P「起こすにも起こせず、このまま1時間半くらい仕事してるんですよね」
ちひろ「いや、いい加減起こしてくださいよ」
P「いや今日は業務少なめなので別にいいかなーって」
ちひろ「じゃあ最初の『どうすればいい』は何だったんですか。ただ雪美可愛い話を聞かされてるだけなんですけど」
P「いえ、こんな高頻度で手を繋いでくるって、雪美に何かあったんじゃ……お」
雪美「…………んん…………」
P「雪美、起きたか?」
雪美「……プロデューサー……おはよう……」
P「おはよう。手を離してもいいか?」
雪美「プロデューサーと……一緒に……散歩……楽しかった……」
P「俺と散歩する夢を見てたんだな」
雪美「……うん…………ふふっ」
11:
◆qTT9TbrQGQ 2018/09/10(月)23:21:14
ID:Zfa
雪美「プロデューサー……手……ずっと……離さなかった……?」
ちひろ「そういえば、寝てる隙に手を離せばよかったんじゃないですか……あ……そういうことですね」
P「ええ。今日ずっと雪美が手を狙ってたので、何か雪美なりに理由があるのかなと思いまして。その理由が気になってたんですよ。こういうの大事にする子なので」
雪美「ふふっ……ずっと……繋いでいてくれた……嬉しい…………ありがとう」
P「ああ、どういたしまして。結局、今日は何があったんだ? 心細くなるようなことでもあったんだろうけど」
雪美「うん……。朝……嫌な夢、見た……。ペロも……プロデューサーも……誰も……いなくて…………」
P「なるほど、悪夢を見たのか」
雪美「……さっき、良い夢……見れた……。プロデューサーの……おかげ……」
P「俺のおかげって、そんな大げさな」
雪美「プロデューサー……ずっと……繋いでいてくれた、から……安心した……ありがとう」
P「ああ……。今度からちゃんと言ってくれよ」
12:
◆qTT9TbrQGQ 2018/09/10(月)23:24:47
ID:Zfa
ガチャ
千秋「おはよう。あら、プロデューサーと雪美さん、そんなくっついてどうしたの?」
雪美「プロデューサーと……寝てたの……。ずっと繋がってた……」
千秋「え、ちょっとプロデューサー、どういうこと!?」
P「ちょっと危ない端折り方しないで。えーと、雪美を膝の上に乗せて手を繋いでたら、寝ちゃってさ」
雪美「ふふっ……なんだか……素敵……」
千秋「なんだ、そういうことね……って、え、なにそれうらやま」
P「んで、かくかくしかじかで、今に至る、と」
千秋「……え……羨ましい……尊い……」ダバー
P「アイドルが血の涙なんか流さないでください!」
??「うふふ……こういう手もあったんですねぇ……。プロデューサーさん、今ちょっと不安で、手を繋いでいてほしいな。なぁんて……」
おわり
13:
◆qTT9TbrQGQ 2018/09/10(月)23:36:36
ID:Zfa
最後の某アイドルが手を繋ぎに来るSSは気が向いたら書くかもしれないし書かないかもしれない。
HTML化依頼……じゃなくて完結報告しておきます。
元スレ
http://wktk.open2ch.net/test/read.cgi/aimasu/1536451331/
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