1:
◆6RLd267PvQ 2018/09/05(水)00:30:40
ID:cbM
加蓮、誕生日おめでとう。
拙作で良ければお付き合いを。
2:
◆6RLd267PvQ 2018/09/05(水)00:31:08
ID:cbM
ーーーーーー
P「キミ…ちょっといいかな、時間あるなら…」
加蓮「ナンパなら、どっか行ってよ。そーゆーの、興味ないから」
P「ナンパ?いや違うって、俺は…」
加蓮「……名刺?芸能事務所のスカウト?」
加蓮「プロデューサー……?」
ーーーーーー
3:
◆6RLd267PvQ 2018/09/05(水)00:31:40
ID:cbM
P「だから、な?ひと目見て、ピンと来たんだよ…キミには、アイドルの素質があるって」
加蓮「ふぅん……アタシが、アイドルねー」
P「どうかな、よければ一緒に…」
加蓮「……………アイドル、か」
P「……あの……?」
加蓮「ごめん。やっぱいいや。名刺、返すよ」
P「え……でも」
4:
◆6RLd267PvQ 2018/09/05(水)00:32:03
ID:cbM
加蓮「アイドルなんて……そんな夢みたいなこと、叶うわけないから」
加蓮「声かけてくれたのは嬉しいんだけどさ、アタシには無理だから。」
P「いや、待ってくれ、せめて見学だけでも……」
加蓮「バイバイ。悪いけど他探して。」スタスタ…
P「待ってくれ……!話を……」
加蓮「……無理だから。ホントに」
P「…あ…」
加蓮「…じゃあね」タタタタ
P「………涙……泣いてた……どうして……?」
5:
◆6RLd267PvQ 2018/09/05(水)00:32:21
ID:cbM
ーーーーー
加蓮「ハァ…ハァ…っ………ハァ…!」タタタタ…
加蓮「……もう、ついてきてない、よね」
加蓮「……ぷっ」
加蓮「あはははは……アイドル、アイドルだって、アタシが?」
加蓮「今になって、ホント今更……何で……」
加蓮「……神様って…どんだけ適当なのよ……」
加蓮「……ふざけないでよ…!」
6:
◆6RLd267PvQ 2018/09/05(水)00:32:48
ID:cbM
加蓮「もう……過去に縛られるのは……イヤ…」
加蓮「アタシは…いい加減自分の人生、向き合って生きてかなきゃいけないのに…」
加蓮「いつまでも子供みたいな…夢ばっか見て生きてられないでしょ……だから…」
加蓮「止まってよ……涙……みっともないじゃん………こんなの……」
7:
◆6RLd267PvQ 2018/09/05(水)00:33:06
ID:cbM
「うそつき」
加蓮「……っく……うぅ……」
「本当は、うれしかったくせに」
加蓮「うるさい」
「本当は、なりたかったくせに」
加蓮「うるさい……アンタに何がわかるのよ……!」
「わかるよ」
「だって私は……」
「アイドルになったあなただから」
加蓮「え……?」
ーーーーーー
8:
◆6RLd267PvQ 2018/09/05(水)00:33:26
ID:cbM
加蓮「ここ…どこ…?何でアタシ、こんなところに……」
ワーワー キャー
加蓮「あれは…ステージ…?」
加蓮「嘘……だって、あの子今そこに……」
「みんなーーー!!盛り上がってるーー!?」
ワァアアアアア
9:
◆6RLd267PvQ 2018/09/05(水)00:33:52
ID:cbM
加蓮「……………」スタ…スタ…
「……どう?凄いでしょ、私のステージ」
加蓮「ホントに…アンタは…アタシ…なの……?」
加蓮「これは…夢…?…アタシがどうかしちゃったのかな…?幻とか……」
「大丈夫、ちゃんと元の世界に返してあげるから」
「けど……その前に、聴いていってよ」
加蓮「聴くって…」
「誰もが憧れるアイドルの、魂を込めた一曲をね」
「……いくよ!」
ドウッ?
10:
◆6RLd267PvQ 2018/09/05(水)00:34:07
ID:cbM
加蓮「……きゃっ……!」ビリビリビリ……
「ーーーーー♪」
加蓮「……肌が焼け付くような熱気……唇が乾いて………胸がドキドキして……」
加蓮「何、これ……凄く……」
加蓮「……楽しい……!」
ーーーーーーー
11:
◆6RLd267PvQ 2018/09/05(水)00:34:31
ID:cbM
「アンコール、ありがとう!今日のライブ、どうだったかな…」
「本当はもっと歌いたいんだけど…でも、きっとまた逢えるって信じてるから、じゃあねなんて言わないよ」
「アイドルの北条加蓮でした!またね♪」
ワアアアア カレエエエン サイコーー ヒューヒュー
加蓮「待って!」
「…もう時間だから、行かなきゃ」
加蓮「待って……アタシ……」
加蓮「アタシも!!……本当に輝ける……?」
12:
◆6RLd267PvQ 2018/09/05(水)00:34:53
ID:cbM
「あなたが輝きたいって思うなら、諦めないでチャレンジしてみて」
「大丈夫、だって…まだあなたは、自分を、夢を捨てきれてないんだもん」
加蓮「……いいのかな……夢、見ても……」
「まだ16歳じゃん、人生諦めるには早すぎでしょ」
「素直にならなくちゃね?自分にも…夢にも、周りの人にもさ」
加蓮「……アタシ……諦めてたよ……勝手に、悟った気になってさ……」
加蓮「でも……いいんだよね、夢見ても……」
加蓮「アイドルの夢、目指してもいいんだ……!」
13:
◆6RLd267PvQ 2018/09/05(水)00:35:13
ID:cbM
「……ふふっ。この分だと私もうかうかしていられない、かな」スウ…ッ
「あなたに……過去のアタシに追いつかれないように、もっともっと未来で待ってなくちゃ」
加蓮「絶対すぐ追いついてあげる」
加蓮「私………諦めないから」
「うん。……知ってるよ」
「それとね……もし、一人で走るのが苦しくなっても……あなたには………」
14:
◆6RLd267PvQ 2018/09/05(水)00:35:28
ID:cbM
ーーーーーー
P「おーーい!!」
加蓮「あ…さっきの……」
加蓮「ここ……ステージじゃ……ない…?」
P「え、す、ステージ?」
加蓮「ううん、何でもないの」
加蓮「あの……アイドル……」
P「ん?」
15:
◆6RLd267PvQ 2018/09/05(水)00:35:49
ID:cbM
加蓮「あ……アイドルになるなんて、テレビの中だけの夢物語だよね」
P「そうかな…俺は、キミなら……」
加蓮「アタシ、本当に何もないよ?」
加蓮「それとも、アンタがそんなアタシをアイドルにしてくれるの?」
加蓮「できるって、言うの?」
P「…確かに、一人で全部抱えようとしたら、すぐに潰れてしまうかもな」
加蓮「うん…」
P「でも、俺が支えるよ。俺だけじゃない、同じ夢を目指す仲間達だって、きっと力になってくれるさ」
P「それじゃ、ダメかな」
16:
◆6RLd267PvQ 2018/09/05(水)00:36:09
ID:cbM
加蓮「……一人で抱えてたら、苦しくなる……」
加蓮「……一緒なら、できる?」
P「そのためのプロデューサーだよ」
加蓮「……うん、わかった……じゃなくて」
加蓮「じゃあ……私を……北条加蓮を…アイドルに…」
P「加蓮をトップアイドルにする。約束だ。」
加蓮「うん。やるからには…絶対…!」
加蓮「これから、よろしくね。プロデューサーさん」
17:
◆6RLd267PvQ 2018/09/05(水)00:36:38
ID:cbM
ーーーーーー
「…ん……」パチパチ
P「お、起きたか?」
「私…眠って…?」
P「ぐっすりだったなあ、まぁ春だし、無理もないんだろうけど……ふぁあ…」
P「もうすぐ家につくけど、ご飯、どうする?」
「お母さんには連絡してるし…うん、軽くポテトとか食べて帰りたいな」
P「ポテトはダメ、ちゃんとした晩飯な」
「ぶーぶーっ」
18:
◆6RLd267PvQ 2018/09/05(水)00:36:58
ID:cbM
P「ごねるなって。…わかったわかった、少しだけな、ただし、晩ご飯もちゃんと食べること」
「やった~、そうこなくちゃね♪」
P「ったく、現金な奴…」
P「あ、そういやお前……さっきな」
「んー?」
P「寝ながら何歌ってたんだ?」
「へっ」
19:
◆6RLd267PvQ 2018/09/05(水)00:37:23
ID:cbM
P「いや、ついさっきな…おねシンなのかゴキゲンPartynightなのか、なんか愉快な感じで口ずさんで……」
「わ、忘れて!って言うか歌ってないから!気のせいだから!!」
P「そうかぁ?なんか色々混ざってたような……気のせいかなあアレ……」
「昔のアタシめ……こんな恥ずかしい事してあげたんだから…さっさと追いつかないと許さないんだから……」
P「加蓮?」
加蓮「なんでもなーい!早くポテトポテトっ!」
20:
◆6RLd267PvQ 2018/09/05(水)00:37:41
ID:cbM
P「わかったって、そう急かすなっての」
加蓮「ポテトー!ふふふっ」
P「全く…勢いでごまかしてないか?」
加蓮「いいから行くの!プロデューサーさんの奢りだからね」
P「おう俺の奢り……えぇ!?」
加蓮「当たり前でしょ~、ほら急いだ急いだっ」
P「トホホ…給料日前なのになぁ…ま、仕方ないか…」
21:
◆6RLd267PvQ 2018/09/05(水)00:38:03
ID:cbM
ーーーーーー
加蓮「これからも私、頑張るからね、プロデューサーさん」
加蓮「私を見つけてくれた…たった一人の人のためにも」
加蓮「アタシを信じてくれた、もう一人の私のためにもね」
加蓮「いくよ。これが私のステージっ!!」
ワアアアアアアアアア…!
22:
◆6RLd267PvQ 2018/09/05(水)00:38:20
ID:cbM
おしまい。
23:
◆6RLd267PvQ 2018/09/05(水)00:40:17
ID:cbM
加蓮へ。
出逢ってくれてありがとう。
これからも、一緒に頑張ろうな。
よかったら、彼女の誕生日を、祝ってあげて下さい。
きっと、絶対、喜ぶと思いますので。
では、お目汚し、失礼をば。
元スレ
http://wktk.open2ch.net/test/read.cgi/aimasu/1536075040/
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