1:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/04(土) 22:38:52.74
ID:KK4NU1gho
武内P「常務、それの何が問題なのでしょうか?」
専務「専務の美城だ。今後、間違えることのないように」
武内P「……」
専務「まあ良い。私も、何が原因でこうなったのかわからない」
専務「しかし、実際に見れば何が問題なのかがわかる」
武内P「……」
2:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/04(土) 22:41:47.99
ID:KK4NU1gho
武内P「アイドルに慕われて問題があるとは、私には思えないのですが……」
専務「見ればわかると言っただろう」
……┣¨┣¨┣¨┣¨ドド!
武内P「? この足音は――」
ガチャッ!
茜「ボンバー!!」
茜「……」ペコリ
バタンッ!
武内P「……日野、茜さんですね」
専務「……わかったかね、問題が」
3:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/04(土) 22:44:56.81
ID:KK4NU1gho
武内P「問題……入室前にノックをしなかった事でしょうか?」
専務「そんな細かい事を言っているのではない」
武内P「失礼しました。常務は、そういうマナーに厳しい方かと……」
専務「……それ以前の問題があるだろう」
武内P「……?」
武内P「私には、日野さんらしさが溢れている、とても良い笑顔の挨拶に見えました」
専務「……」
4:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/04(土) 22:49:37.62
ID:KK4NU1gho
専務「それが君の言う個性なのなら、私には理解出来ないな」
専務「それと、私は専務だ」
武内P「確かに、いきなり『ボンバー』は驚きます」
武内P「……ですが、常務がそれを問題とするのなら、注意すれば良いのではないかと」
専務「無論、私も日野茜には注意をした」
武内P「……」
専務「そうしたら、大声で泣かれてな。許可せざるを得なかった」
武内P「……」
5:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/04(土) 22:54:22.43
ID:KK4NU1gho
武内P「……まさか、他にも同じような事が?」
専務「……そろそろ来るだろう」
武内P「……」
ガチャッ
フレデリカ「フンフンフフーンフンフフー、フレデリカー♪」
フレデリカ「ミッシーおっはー♪ うわお、CPのプロデューサーもおっはー♪」
武内P「おはようございます、宮本さん」
専務「おはよう、宮本。それと、ミッシーはやめたまえ」
6:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/04(土) 22:59:39.60
ID:KK4NU1gho
フレデリカ「フンフンフフーンフンフフー、フレデリカー♪」
武内P「別段、変わった所は無い様に思いますが」
専務「見ていればわかる」
フレデリカ「今日の髪型はー、三つ編みにしようかな? それともお団子?」
武内P「……なるほど」
専務「毎朝、彼女はここに来て私の髪型をいじっていく」
フレデリカ「フンフンフフーンフンフフー、フレデリカー♪」
武内P「宮本さんの自由奔放さが感じられる、とてもいい笑顔です」
専務「……」
7:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/04(土) 23:02:59.77
ID:KK4NU1gho
専務「自由には犠牲がつきものだ。そして、それが今の私だ」
武内P「彼女達アイドルを輝かせる犠牲になら、私はなってもいいと考えます」
専務「ならば、今すぐに変わり給え」
武内P「いえ、それはお断りします」
フレデリカ「かんせーい♪ ミッシーばいばーい♪」
……バタンッ
武内P「見事な編み込みですね。とても、よく似合っていると思います」
専務「……」
8:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/04(土) 23:06:55.62
ID:KK4NU1gho
武内P「常務、クローネのメンバーである宮本さんには、やはりとても慕われていますね」
専務「専務だ。慕われていると言っても、程度があるだろう」
武内P「……念のためお聞きましますが、注意は?」
専務「したとも。目を見開いて大粒の涙を零され、許可せざるを得なかった」
武内P「……」
専務「許可せざるを得んだろう」
9:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/04(土) 23:10:51.19
ID:KK4NU1gho
武内P「……それで、他にもまだ?」
専務「君、無表情の中に呆れを混ぜるのはやめたまえ」
武内P「……」
専務「あとは……そうだな」
ガチャッ
文香「……おはよう……ございます」
武内P「おはようございます、鷺沢さん」
専務「……おはよう、鷺沢」
10:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/04(土) 23:14:34.38
ID:KK4NU1gho
文香「……今日は、昨日の続きを……持ってきました」
専務「そうか、昨日の分はデスクに置いてある」
文香「もう……全部読まれたんですね……」
専務「私はあまり気が長い方ではない。良い作品は、続きが気になるものだ」
文香「……では……今度からは、三冊ずつ持ってきます……」
専務「……世話をかけるな。感想は、全て読み終わってからにしよう」
文香「はい……楽しみに、しています……」
文香「それでは……失礼します」
……バタンッ
武内P「……」
12:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/04(土) 23:18:30.90
ID:KK4NU1gho
武内P「あの……確か鷺沢さんは本好きで、とても、仲が良さそうに見えたのですが」
専務「そうだな、確かにそう見えただろう」
武内P「今の何が問題があったのかが、私にはわかりかねます」
専務「最初の内は良かった、一冊ずつだったからな」
武内P「……」
専務「一度、本の感想を言ったら次の日から二冊に増えて、遂に今日は三冊になった」
専務「断ろうとしたら、この世の終わりの様な顔をされたのだ……この意味がわかるか?」
武内P「……」
21:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/04(土) 23:22:50.79
ID:KK4NU1gho
武内P「……無礼を承知で申し上げます」
専務「何だ、言ってみたまえ」
武内P「全て、貴女の自業自得かと」
専務「……だからこそ、君に頼みがある」
専務「私よりも、君はアイドル達の気持ちがわかるようだからな」
武内P「常務、その話、お受け出来ません」
専務「もしも断るなら、そうだな……私の権限で、CPの二期生に個性的なアイドルをねじ込もう」
武内P「!?」
23:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/04(土) 23:27:41.34
ID:KK4NU1gho
武内P「待ってください! それは、あまりに強引すぎます!」
専務「君は、困っている上司を見捨てるのかね? それと、私は専務だ」
武内P「しかし!」
専務「そうだな、まずは世界レベルのアイドルを」
武内P「わかりました。力の限り、今回の件に取り組んでいきます」
専務「そうか、助かる。礼を言っておこう」
武内P「その必要はありません。貴女の後ろから見える虹色の光に魅せられただけですから」
専務「……」
専務「君、今の言葉は七光という意味かね?」
武内P「滅相もありません」
26:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/04(土) 23:32:34.80
ID:KK4NU1gho
・ ・ ・
武内P「まずは日野さん、ですね」
専務「彼女を傷つける事なく、あの挨拶が止むように頼む」
武内P「……少し、耳を塞いでいてください」
専務「? 何をする気だ」
┣¨┣¨┣¨┣¨ドド!
茜「ボンb」
武内P「ボンバアアアアアアア!!!!」
茜「!?」
専務「!?」
27:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/04(土) 23:37:12.46
ID:KK4NU1gho
茜「……ぼ、ボンb」
武内P「ボンバアアアアアイヤアアアアアアア!!!!」
茜「!!?」
茜「……ボ」
武内P「ギガボンバアアアアアアァァァァァァ!!!!」
茜「!!!?」
茜「……」ペコリ
……バタンッ!
武内P「……これで、当分の間は平気だと思います」
専務「……!?」
28:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/04(土) 23:42:01.24
ID:KK4NU1gho
専務「今のが……解決策だと言うのか!?」
武内P「日野さんの挨拶を遮るような形で、大変心苦しかったですが……はい」
専務「……私には、理解出来ないな」
武内P「しかし、彼女はきっと成長して戻ってくるでしょう」
専務「!?」
武内P「それがいつになるかはわかりませんが、彼女の目からは力失われていませんでしたから」
専務「……」
29:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/04(土) 23:47:09.10
ID:KK4NU1gho
専務「君、今の言い方だと、日野茜が次に来る時は、もっと大声になっていると言う事か?」
武内P「はい、きっと、今までよりもいい笑顔を見せてくれると思います」
専務「!?」
武内P「常務、そろそろ宮本さんが来るはずです」
専務「私は専務だ! 話を聞き給え!」
ガチャッ
フレデリカ「ミッシーおっはー♪ わお、CPのプロデューサーは今日も居るんだねぇ♪」
武内P「おはようございます、宮本さん」
専務「お、おはよう、宮本」
30:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/04(土) 23:52:45.85
ID:KK4NU1gho
フレデリカ「フンフンフフーンフンフ」
武内P「プンプンププーンプンププー、プロデューサー♪」
フレデリカ「!?」
専務「!? お、おい、何をする気だ!?」
武内P「今日は、シャンプーとトリートメントを。おや、少し髪が傷んでいますね」
専務「何を……っ!? ほ、本当にシャンプしていないか!?」
武内P「プンプンププーンプンププー、プロデューサー♪」
専務「……!?」
フレデリカ「……」
31:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/05(日) 00:00:21.59
ID:KvbaS87so
フレデリカ「なんだか忙しそうだねぇ、ってことで、ばいばーい♪」
ガチャッ……バタンッ
武内P「プンプンププ……行ったようですね」
専務「……この後はどうするつもりだね?」
武内P「宮本さんの目から、髪型を変える以外の挑戦する意思を感じました」
武内P「……きっと、今度はカラーリングまで含めた本格的なヘアケアーをする事でしょう」
専務「……」
武内P「それと、ご安心ください。使用したのはただの水です」
専務「……そうか」
32:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/05(日) 00:07:53.85
ID:KvbaS87so
武内P「最後に、鷺沢さんですね」
専務「あえて一時的な解決を望み、今後事態が悪化するように仕向けてはいないか?」
武内P「待ってください! まさか、本当にそう思っているのですか!?」
専務「しかし、君のやり方ではその場の結果は出ても今後に支障が出る!」
武内P「専務は気が長い方ではないと言っていたので……」
専務「……確かにそう言ったが、しかし」
ガチャッ
文香「おはよう……ございます」
武内P「おはようございます、鷺沢さん」
専務「……おはよう」
33:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/05(日) 00:14:45.58
ID:KvbaS87so
文香「今日も……お約束通り、三冊持ってきました」
武内P「鷺沢さん。少し、お話があります」
文香「? はい……?」
武内P「実は、専務は昨日渡された分の本を読む時間が無かったのです」
文香「……!?……!!?」
武内P「――このノートを取ってくるのに、時間を費やしてしまったので」
スッ……
文香「あの……これは……?」
武内P「表紙を見ての通りです。プロジェクトルームに戻ってから確認してみてください」
文香「……わかり、ました。それでは……失礼します……」
武内P「感想、お待ちしています」
ガチャッ……バタンッ
専務「……やけに素直だな」
34:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/05(日) 00:20:45.17
ID:KvbaS87so
専務「一体、何を渡した? まさか、あれほど簡単に……」
武内P「専務が小学校時代から書き溜めていた詩集です」
専務「!?」
武内P「今西部長に協力してもらい、ご実家と連絡にし、取り寄せて貰いました」
武内P「これで、鷺沢さんも感想を考える時間が出来、しばらくは大丈夫でしょう」
武内P「その……失礼ですが、感想に困るものだったので」
専務「!?」
35:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/05(日) 00:29:44.69
ID:KvbaS87so
武内P「きっと、彼女なら感想を携えて来る事でしょう。微妙な笑顔かもしれませんが」
武内P「専務。アイドルに慕われるというのは、時に困難な事態に陥るかもしれません」
武内P「ですが、その時は私にご相談ください」
武内P「……それでは、失礼します」ペコリ
ガチャッ……バタン
専務「……優秀すぎるのも困りものだな」
専務「……」
専務「……ああ、もしもし、私だ」
専務「シンデレラプロジェクトを白紙に戻す。これは決定事項だ」
おわり
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