栗原ネネ「まってちがう」

2017-02-24 (金) 07:01  アイドルマスターSS   0コメント  
1: ◆C2VTzcV58A 2017/02/10(金) 02:04:40.54 ID:6OQuQdVxO

ある日の事務所


ネネ「あ、裕子さん。ちょっとご相談があるんですけど、いいですか?」

裕子「ええ、いいですよ! サイキックお悩み解決教室ですね!」

ネネ「ふふ、よかった」

裕子「それで、相談の内容は?」

ネネ「赤ちゃんの名前、何にしようか悩んでいるんですけど……」

裕子「いつの間にママになっていたんですかネネちゃん」

ネネ「まってちがう」





2: ◆C2VTzcV58A 2017/02/10(金) 02:05:23.32 ID:6OQuQdVxO

裕子「なるほど。動物園でカンガルーの赤ちゃんが生まれて名前を募集しているんですね」

裕子「私はてっきりネネちゃんに赤ちゃんが生まれたのかと……お赤飯を炊くところでした」

ネネ「そ、そんなわけないですよっ! 私アイドルですし、まだ15歳ですし」

ネネ「そもそも、相手がいません」

裕子「ええー? 本当ですかぁー?」

ネネ「い、いませんってば」

裕子「ではサイキックパワーで占ってあげましょう! 目を閉じて耳を澄ませば、あなたの想い人の声がどこからともなく聞こえてきます」

ネネ「だ、だからそんな人いませんって……」

裕子(と言いつつ目は閉じるんですね)

ネネ「まだまだいろんなことで手いっぱいで、想い人なんてとてもとても」



ガチャリ

P「ああ、ネネ。ここにいたか。ちょっと話があるんだけど」

ネネ「………」ボンッ

P「どうした? 顔が真っ赤だぞ」

裕子「すごいタイミングで来ましたね……さすが私たちのプロデューサーです。エスパーです」

ネネ「ま、まってちがう……違いますからぁ」カアァ

P「?」




3: ◆C2VTzcV58A 2017/02/10(金) 02:06:22.82 ID:6OQuQdVxO

後日


ネネ「よしよし♪ いい子ですね~」

ネネ「怖くないから、こっちにおいで? ふふっ」

ネネ「いっぱいなでなでしてあげますからね♪ Pくん♪」


飛鳥「………」

飛鳥「これが噂に聞く赤ちゃんプレイ……まさか同僚と担当プロデューサーの間でそれを見ることになるとはボクも予想していなかった」

ネネ「まってちがう」






4: ◆C2VTzcV58A 2017/02/10(金) 02:07:22.02 ID:6OQuQdVxO

飛鳥「なるほど。今度の仕事でカンガルーの赤ちゃんと触れ合うから、その予行演習をしていたと」

ネネ「最初に言っておきますけど、私は違う名前で応募したんですよ? 結果的にたまたま『Pくん』って名前になって、たまたま私がお仕事で触れ合うことになっただけです」

飛鳥「はたしてそうだろうか」

ネネ「もうっ。疑わないでください」

飛鳥「ふっ、冗談さ。アナタはきっと、違うやり方でアプローチをかけるだろうからね」

ネネ「あ、アプローチって……違いますからね? もちろんPさんのことは信頼していますし、とても感謝していますけど。そういうあれじゃないですから!」

飛鳥「ふうん」

ネネ「そもそも――」


ガチャリ


P「ただいまー。ふう、外回りは疲れるなあ。身体が冷える冷える」

ネネ「あ、Pさん。おかえりなさい、お疲れ様です」

ネネ「今、あったかいココアを淹れますね」

P「ああ、ありがとう。助かるよ」

ネネ「寒さで身体を壊すと大変ですから。温まってもらわないと」

P「ネネは気が利くなあ。本当、偉いぞ」

ネネ「そんな、たいしたことじゃありませんよ。私たちみんなのために頑張ってくれているPさんのほうが、ずっと」

ネネ「えらいえらい、です」ナデナデ

P「おっと。頭を撫でられてしまった」

ネネ「あっ……す、すみません。つい」

飛鳥「よかったじゃないか。練習の成果が出て」ニヤニヤ

ネネ「まってちがう」

P「練習の成果?」

飛鳥「あぁ。実はさっき」

ネネ「あ、飛鳥ちゃん! コーヒーに砂糖入れてあげませんよっ」

飛鳥「おっと、それは困るな」





5: ◆C2VTzcV58A 2017/02/10(金) 02:08:36.56 ID:6OQuQdVxO

また後日


梨沙「もうすぐバレンタインね!」

ネネ「梨沙ちゃんは、やっぱりパパさんへのチョコレートが本命?」

梨沙「もちろん! 手作りチョコでバッチリパパのハートを射止めちゃうんだから!」

ネネ「ふふっ。頑張ってくださいね」

梨沙「やっぱり、本命チョコといえば手作りよね。頑張ってお店のチョコよりおいしいものにするわ!」

ネネ「梨沙ちゃんならきっと大丈夫です。何か困ったことがあれば、私も手伝います」

梨沙「ありがと。やっぱりネネは頼りになるわ! お姉ちゃんみたいね」

ネネ「一応、本物のお姉ちゃんやってますから♪」

梨沙「そういえば、そっちはバレンタインどうするの? 誰かに手作りあげたりする?」

ネネ「私ですか? うーん、そうですね~」

梨沙「あれ、ちょっと意外。てっきりPには、手作りあげること決めてるのかなって思ってたんだけど」


ガチャリ

P「ただいま。ふー、腹減った」

ネネ「あ、Pさんおかえりなさい。はい、これ今日のお弁当です」

P「お、ありがとう。いつもすまないな」

ネネ「今日は栗ごはん入りですよ。唐揚げもあります」

P「おおっ! いいなあ、俺の好物ばかりじゃないか」

ネネ「ちゃんと栄養バランスも考えて作りましたから、残さず食べてくださいね」

P「もちろん」


梨沙「………」

梨沙「あー、なるほど。もうバッチリ掴んじゃってるのね。ハートっていうか、胃袋」

ネネ「まってちがう」




6: ◆C2VTzcV58A 2017/02/10(金) 02:09:05.76 ID:6OQuQdVxO

梨沙「違わないでしょ。毎日手作りのお弁当持ってきてPにあげてるくせに」

ネネ「そ、それは、ほら。自分のぶんを作るついでから、そこまで負担にならないし」

梨沙「へー。Pのお弁当とネネのお弁当、ところどころ具が違うんだけど。負担にならないんだー」

P「いつも俺の好きなもので固めてくれるからありがたい」

ネネ「………」カアァ

梨沙「いいお嫁さんになりそうね~~」ニヤニヤ

ネネ「ち、違うの。そもそも、私とPさんじゃ年齢が離れすぎていて」

梨沙「歳の差なんて関係ないわよ!」←ファザコン

ネネ「説得力がある……」





7: ◆C2VTzcV58A 2017/02/10(金) 02:10:34.84 ID:6OQuQdVxO

さらにさらに後日


晴「ネネさんってPのこと好きだよな」

ネネ「ついに最初からストレートに言われるように……」

晴「いや、だってさ。カメラに保存した写真見せてもらってるんだけど、Pが映ってるやつだけやたら多いし」

ネネ「き、気のせいでは」

晴「気のせいじゃないぞ。なんなら他のみんなに見せても同じこと言う、絶対」

ネネ「……だ、だって。Pさんの笑顔、思わず撮りたくなるほど素敵ですし」

晴「うわぁ」

ネネ「まってちがう。言葉を間違えました」

晴「へー。ほー」

ネネ「な、なんですかその反応!?」

晴「べっつにー? オレはただ、ラブラブなんだなあって思っただけ」

ネネ「ら、ラブラブっ!? そんなこと……そもそも、Pさんは私のことそういうふうに見てないし……ごにょごにょ……」




8: ◆C2VTzcV58A 2017/02/10(金) 02:11:09.36 ID:6OQuQdVxO

ガチャリ

P「ネネー。今度、群馬のネネの実家に行くときの話なんだけど」

ネネ「あ、はい。なんでしょう」

晴「結婚のあいさつ?」

ネネ「ふぇっ!?」

晴「顔真っ赤だぞ、ネネさん……」

P「あいさつ?」

ネネ「ち、違いますからね! 確かに、妹に紹介してあげようとか思ってますけど、けけけつこんのごあいさつだとか、そんなの早すぎます!」

晴「早いってことは、いずれやることは決まってたり」

ネネ「まってちがうっ! ちがうの~~」カアァ







9: ◆C2VTzcV58A 2017/02/10(金) 02:11:38.31 ID:6OQuQdVxO

………

……





10: ◆C2VTzcV58A 2017/02/10(金) 02:12:11.62 ID:6OQuQdVxO

ネネ「――なんて、昔は必死にちがうちがうって否定しちゃってましたけど」

P「結局現実になったな」

ネネ「ふふっ、そうですね。結婚して、家庭、もっちゃいましたっ」

ネネ「『それみたことか』って、今でもたまにからかわれます」

P「ははっ。でも、からかわれるような親しい関係を、今でも持てているのはいいことだ」

ネネ「その通りですね!」

P「ところで、今日の晩御飯は?」

ネネ「お鍋です。すっぽん入りの、元気がたっぷり出るお鍋」

P「そうか。楽しみだなあ」

ネネ「いっぱい食べて、ずっと健康でいてくださいね」

P「ああ」




11: ◆C2VTzcV58A 2017/02/10(金) 02:12:50.18 ID:6OQuQdVxO

P「ところで……健康といえば。最近、お互いにあまり運動できていないな」

ネネ「そうですねー。Pさんはお仕事が忙しいですし、私も子育てに追われてなかなか……」

ネネ「それこそ、運動できる時間なんて夜くらいしか……」

P「夜か………」

ネネ「はい……夜、ですね」

P「………誘ってる? 夜の運動」

ネネ「………」

P「わざわざ精のつくすっぽん鍋を用意してくれてることだし、俺はお前が最初からそういうつもりかと」

ネネ「ま、まって。ちが」

P「ちが?」

ネネ「ちが………」




ネネ「……ちがわない、です。えへへ」



おしまい





13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/10(金) 03:02:46.93 ID:/n19xbUDO

乙乙

とりあえず、その夜の営みが欠けているから、早く執筆するのです




16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/02/10(金) 03:34:25.50 ID:DepBWQH/o

ネネさんいいよね…



元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1486659880/

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