1:
◆dzX3.Do/lI 2016/11/14(月) 00:23:48.21
ID:LTCAzSO0o
P「ふいー……一息入れるか」ポリポリ
美希「お疲れ様、ハニー!」ヒョコ
P「美希じゃないか。来てたのか」
美希「ハニーに会いに来たの!一本ちょうだい」
P「ほらよ」
美希「ありがと♪ あ、そだ。ハニーに聞きたいことあったの」
P「何だ?」
美希「『ポッキーゲーム』ってなあに?」
P「!?」ゲホッ
2:
◆dzX3.Do/lI 2016/11/14(月) 00:24:16.25
ID:LTCAzSO0o
美希「どしたの?」
P「い、いや……美希、ポッキーゲーム知らないのか?」
美希「うん」
P(こ、この反応……知っててとぼけてる訳じゃなさそうだ)
P(14歳ならもう知ってて当然かと思ったけど)
美希「ね。びっくりしてるってことは、ハニーは知ってるんだよね?」
P「まあ……そうだな」
美希「どんなゲームなの?ミキ、教えて欲しいな」
P「あー、えー、そのだな」
3:
◆dzX3.Do/lI 2016/11/14(月) 00:24:46.71
ID:LTCAzSO0o
美希「何でそんな言い辛そうなの?」
P「いや。美希の歳なら、もう知ってるもんかと思ったからさ」
美希「……じゃあ、知ってなきゃおかしい事なんだ」
P(あ、やべ)
美希「ハニー、教えて!」
P「そんな喰いつくほどのことじゃ」
美希「覚えられることなら、何でも知っておきたいの!」
P(曇りの無い純粋な眼が辛い)
4:
◆dzX3.Do/lI 2016/11/14(月) 00:25:14.13
ID:LTCAzSO0o
P「えっと、ポッキーがあるだろ?」
美希「うん」
P「それを片方の人がこうやって口に咥えます」
美希「うん、うん」
P「反対側から、もう片方の人が食べます」
美希「へー。……え」
P「ふたりで一本のポッキーを端から食べていくのが、ポッキーゲームだ」
美希「どこまで、食べるの?」
P「どこまでも。ポッキーがなくなるまで」
美希「でもそれ、そのまま食べてったら」
P「うん、くっつくな」
美希「……そ、そうなんだ」カァー
P(なんかイケナイ事を教えてしまった気がする)
5:
◆dzX3.Do/lI 2016/11/14(月) 00:25:48.90
ID:LTCAzSO0o
美希「ハニーは、したことあるの?」
P「あるよ」
美希「……そうなんだ」
P「まあ、男相手だったけど」
美希「えぇ?!」
P「ちがうって!ポッキーゲームってのは、その。所謂パーティーゲームの一種なんだ」
美希「??」
P「みんなで集まってる時に何かの余興でやったり、罰ゲームだったり。そういうのでやることが多いんだ」
P「だからやってる本人よりも周りの人たちが楽しむゲームかな。やってる側は必死なんだけどなあ……」
美希「あ。じゃあハニーが男の人とやったのって」
P「大学生の時に飲み会の罰ゲームで、な。えらい目に遭った」
美希「そ、そうだよね!……よかったぁ」ホッ
6:
◆dzX3.Do/lI 2016/11/14(月) 00:27:44.58
ID:LTCAzSO0o
美希「なら、あんまりいいゲームじゃないんだね」
P「『やらされてる』時は、な」
美希「どういうこと?」
P「好きでもない相手とやるのはそりゃ疲れるよ」
P「けど好きだったり、やってみたいって思える人とだったら、いいゲームになるんじゃないかな」
美希「それって……同じ宿題やるのでも、好きなのと苦手なのとの違いみたいなカンジ?」
P「はは、宿題かあ。感じ方は似てるかもしれないな」
P「だから悪いばかりのものでもないよ。漫画とかドラマとかでも、恋人やカップルがやるゲームとして良く使われてるし」
P「お互い顔近づけることで、また新しい発見もあるかも知れないし、な」
美希「……そうなんだ」
7:
◆dzX3.Do/lI 2016/11/14(月) 00:29:08.52
ID:LTCAzSO0o
P「いずれにせよあんまり気軽にやるゲームではないかな。自分だけじゃなく相手がいてこそだし」
P「そのうち美希もやる時が来るかもしれないけど、その時は時と場合と相手を考えてやってくれよ」
美希「うん」
P「もう一本いるか?」
美希「ん、ありがと」
P「美味いけど一人で食べるにはちょっと量多いんだよなあ」ポリポリ
美希「―――」
P「どした?」
8:
◆dzX3.Do/lI 2016/11/14(月) 00:29:44.54
ID:LTCAzSO0o
美希「ん」
P「え」
美希「―――んっ」
P「あのう、美希さん。ポッキー咥えて何していらっしゃるのですか」
美希「ね、ハニー。ミキとポッキーゲーム、してほしいな」
P「……へ」
美希「ちょっと恥ずかしいけど気になるから。どんな気持ちになるのか、どんなものが見えるのか」
P「気軽にやるゲームじゃないって今言ったばかりじゃないか」
美希「誰とでもやるわけじゃないもん!こんなの友達にも、パパにもママにもお姉ちゃんにも聞けないし」
美希「それにミキは、ハニーとならしてみたいって思うから」
P「そうはいっても」
美希「……ハニーは、ミキとじゃダメ?」
P「うぐ」
9:
◆dzX3.Do/lI 2016/11/14(月) 00:30:10.64
ID:LTCAzSO0o
P(断り切れなかった……)
美希「えっと。どっちから食べればいいの?」
P「好きな方でいいよ。チョコついてる方でいいんじゃないか」
美希「う、うん」
P「焦ってやろうとしなくてもいいんだぞ」
美希「だいじょぶ。ミキ、やるからには本気で頑張るから!」
P(ポッキーゲームに本気ってあるんだろうか)
美希「じゃ、じゃあ。―――お願いします」サク
P「―――」
美希「……ハニー?」
P「よ、よし。分かった、やるぞ!!」
10:
◆dzX3.Do/lI 2016/11/14(月) 00:31:28.30
ID:LTCAzSO0o
サク
美希「ひゃ」
P(うわっ……美希の顔、めっちゃ近い)
P(肌も綺麗だし、顔も整ってるし。目なんて見てたら吸い込まれそうだ)
P(髪も短くしたとき染め直したって聞いたけど、全然痛んでない)
P(首元見えるからかな。……なんか、良い匂いがする)
美希(うぅ……ハニーに見られてる)
美希(ライブやレッスンで目はよく合わせてるけど、こんなに近いのは初めてかも)
美希(ミキ、だいじょぶかな?変な顔、してないよね?)
11:
◆dzX3.Do/lI 2016/11/14(月) 00:32:07.90
ID:LTCAzSO0o
美希(―――あ。ハニーの目、ちょっと赤い)
美希(そういえばミキが来た時も、お仕事してたみたいだったし)
美希(ミキが学校行ってる時も、お休みの時も。ハニーはミキのために頑張ってくれてるんだよね)
美希(頑張りやさんの目……ちょっと、好きかも)
P「」ジー
美希「」ジー
12:
◆dzX3.Do/lI 2016/11/14(月) 00:33:12.46
ID:LTCAzSO0o
美希「ね、ハニー」
P「ん?」
美希「その。……あんまり見られてると、恥ずかしい」カー
P「あ。その、ごめん」
美希「えっと、それで……ずっとこのままなの?」
P「違うけど」
美希「?」
P(よ、よし。腹くくって、やるぞ!)
サク
美希「ふぁっ……!」
ポキ
13:
◆dzX3.Do/lI 2016/11/14(月) 00:33:56.31
ID:LTCAzSO0o
P「あ」
美希「あ」
P「折れたな」
美希「うん」
P(た、助かったああああ)
美希(……何にもできないまま終わっちゃった)
P「折れちゃったし、今回は美希の負けだな」
美希「え。これ、勝ち負けあるの?」
P「先に顔を離したり、食べ折っちゃったりしたら負けなんだ」
美希「むー……」
P「まあ初めてだったらこんなもんだよ。始めてすぐ折れるなんてよくあることだしあんま気にすんなって」
14:
◆dzX3.Do/lI 2016/11/14(月) 00:35:02.46
ID:LTCAzSO0o
美希「ハニー、もう一回やろ!」
P「!?」
美希「勝ち負けがあるなんて聞いてないもん!後から言うのはズルいって思うな」
P「何でちょっとムキになってるの?」
美希「なってないもん。次は、次こそはミキが勝つから!」
P(もう一回かあ)
美希(ハニーの顔ばっかり見ちゃって、びっくりして何にもできなかった)
美希(今度はちゃんとしなきゃ!)
15:
◆dzX3.Do/lI 2016/11/14(月) 00:36:12.18
ID:LTCAzSO0o
美希「さっきはミキが食べてたから、今度はハニーの番なの」
P「わかった」
美希「それじゃあ、いくね」サク
P(こうやって来るのを待つのってなんか恥ずかしいな)
サクサク
P「うおっ!?」ポキ
美希「あ!」
P「……折れた」
美希「やたっ、今度はミキの勝ちなの!」
P(すっごいいい笑顔)
16:
◆dzX3.Do/lI 2016/11/14(月) 00:41:24.02
ID:LTCAzSO0o
P「まさか美希の方から来るとはなあ、びっくりしたよ」
美希「それじゃもう一回ね」
P「えっまだやるの?」
美希「さっきので同点でしょ?次勝った方が勝ちなの」
P(なんか当初とは趣旨が変わってきてる気がする)
美希「今度はミキから食べるね。はい、どーぞ」
P(……あんまり長引かせちゃダメだな)
ポキ
美希「あー!今わざと折ったの!」
P(即見抜かれた)
美希「テキトーにやっちゃ、や!」
17:
◆dzX3.Do/lI 2016/11/14(月) 00:43:31.00
ID:LTCAzSO0o
美希「今のなしね、はい!」
P「……あの、美希さん。コレ、ポッキーゲームだよ?」
美希「うん」
P「続けていいの?」
美希「だいじょぶ。だってハニーとだもん!」
P「」ブワッ
美希「え、え?どしたの?」
P「いや……思わず目から汗が」
美希「???」
P「分かった、美希。こうなったら俺もとことんやってやる!!」
18:
◆dzX3.Do/lI 2016/11/14(月) 00:44:23.28
ID:LTCAzSO0o
ポキ
美希「あっ」
P「よっしゃ、俺の勝ち!」
美希「むー!次は負けないの!」
サクサク サクサク
P(あ、あと……)
美希(ちょっと……)
ペキ
P「あ、あー!」
美希「やたっ!!ミキの勝ちー!」
P「くっそ、もう一回だ!」
美希「はい、ハニー。あーん」
P「あーん」モグ
美希「じゃ、いくね」
P「はいスタート」モグモグモグ
美希「あ、あー!先に食べちゃダメなのー!!」
―――――――――
19:
◆dzX3.Do/lI 2016/11/14(月) 00:45:55.27
ID:LTCAzSO0o
―――――――――
P「あ」
美希「どしたの?」
P「ポッキー無くなった」
美希「ホントだ」
P「ここまでにしておこうか。あんまり食べ過ぎてもな」
美希「はーい」
P「俺が12回で、美希が13回か」
美希「ふっふっふ……ミキの勝ちなの」
P「いやいやいや、奇数だから。まだ勝負ついてないだろ」
美希「ん。またやろうね!」
20:
◆dzX3.Do/lI 2016/11/14(月) 00:46:41.84
ID:LTCAzSO0o
P「ほら、口のまわりチョコだらけになってるぞ」ゴシゴシ
美希「ん……ありがと。ハニーもチョコだら、け―――」
P「どした?」
美希(あれ?ポッキーゲームって……二人で一つのポッキー、食べるんだよね)
美希(ハニーが食べてるポッキーはミキが食べたポッキーで、ミキが食べたポッキーはハニーが食べたポッキーで)
美希(ライブやレッスンの時よりももっと近い距離で、ハニーの顔見て、ミキも見られて)
美希(ハニーの顔、ミキの顔にすごく近くて。顔も目も、口も近づいて―――)
21:
◆dzX3.Do/lI 2016/11/14(月) 00:47:14.50
ID:LTCAzSO0o
美希「…………――――~~~~~!!!」カー
P「どうした?」
美希「あ、あの!ミキ、今日はもう帰るね!!」
P「ああ。気を付けてな」
美希「は、ハニーも早く帰って寝てね!」
P「あ、そうだ。何か掴めたもの、あったか?ほら、何が見えるか気になるって言ってたから」
美希「へ!?えーっと、あの、その……」
P「??」
美希「えっと……ハニーの頑張り屋さんの目、格好良かったの!じゃ、またね!」
P「え、あ、うん。またなー」
<バタン! パタパタパタ……
22:
◆dzX3.Do/lI 2016/11/14(月) 00:48:10.90
ID:LTCAzSO0o
P「美希の奴、何あんな慌ててたんだろ……」カタ
P「―――」カタカタカタ
P「―――」カタカタカタ
P「………――――!!!!!」ガタッ
P「あれ……。俺、もしかして……えらい事してたんじゃ……?」カー
美希「もぉー!!ミキのバカバカ!」
美希「でもでも………ハニーもばかー!!!」
おしまい
23:
◆dzX3.Do/lI 2016/11/14(月) 00:53:49.45
ID:LTCAzSO0o
以上でおしまいです。ここまでありがとうございました。
ポッキーゲームを知らない美希を書いてみたかった。
美希はこの手の話題にはあまり耐性が無いのと、あと負けず嫌いでもあるので
勝ち負けに拘ったらポッキーゲームでもこうなるんじゃないかなあと思います。
口のまわりチョコまみれの美希可愛い。
27:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/11/14(月) 07:58:27.62 ID:VWmjxJI9o
やたっ!
この美希らしさよ…
元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1479050627/
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