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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/24(土) 01:47:51.46
ID:+3HHJ9Wn0
半年ぐらい前に
エリカ「友情は瞬間が咲かせる花であり、時間が実らせる果実である」
というほぼ同じタイトルで立てたSSに地の分を付けたのでもう一度やらせてください、オナシャス
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以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/24(土) 01:50:01.34
ID:+3HHJ9Wn0
『フラッグ車、行動不能! 優勝校は―—』
ドッと沸きあがる歓声。
吹き荒れる拍手の嵐。
押し寄せる仲間達の絶叫、涙、喜びの声。
私はキューポラから上半身だけを出してそれらを眺めながら、少しの間呆然としていたようだ。
車内の仲間に足を小突かれ、我に返った。
キューポラの縁に手をかけて車外へ這いずり出て、目の前で敵のフラッグ車を撃破したティーガーⅠへ向かって、全速力。
ティーガーⅡの上面装甲から飛び降り、着地の衝撃で転びそうになり、それでも踏みとどまって、地面を蹴る。
勢いそのままティーガーⅠの装甲に手をかけて駆け上り、たった今、そのキューポラから姿を現した上半身に、正面から抱きついた。
「やった……やったのね、私達……!」
「うん……うん! そうだよ、エリカさん! 私達の力で、優勝したんだよ!」
感極まっているのは向こうも同じ。
震えた声と共に、普段の姿からは考えられない程に、力強く抱き返される。
「長かったわね……これでやっと、アナタの汚名を晴らせたのね。これでもう、誰にもアナタを逃亡犯だとか、腰抜けなんて言わせずに済むわ。隊長さん」
「私の事なんかどうでもいいよ。でも、これで……お姉ちゃんに胸を張って、報告できる……かな?」
「ええ。西住隊……前隊長も、家元も、きっとアナタの事を認めてくれるわ。だから……私達の街へ。熊本へ。帰りましょう、みほ――」