貝木泥舟「竈門炭治郎? 誰だそいつは。知らん」

2021-07-25 (日) 00:07  その他二次創作SS 化物語   0コメント  
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/16(金) 20:52:53.31 ID:HHo7aQtFO

唐突ではあるが、出任せを語らせて貰おう。

日頃の行いのせいか、四六時中、嘘ばかりついていると思われがちな可哀想な俺であるがごく稀に、本当のことを口にする時がある。

俺が真実を口にする状況は限られており、周りが絶対に信じないような場合のみ、嘘みたいな本当の話をまるで嘘のように語るのだ。

たとえば今この時、俺が置かれている状況などは、まさにうってつけであると言えよう。

時は大正。場所は吉原遊廓。男と女の見栄と愛憎渦巻く夜の街。そんな嘘みたいな空間に俺は存在していて、ひとり酒を呷っていた。

遊廓という界隈がどのような場所で、どんなことをするところなのか気になったならば、両親に訊いてみるといい。近いうちに兄弟が増えるかも知れない。無論、真っ赤な嘘だ。

俺を呼び出したのは忌々しい臥煙伊豆子だ。
先程顔を見せたが奴は遊廓にも関わらず遊女の格好をしておらず、そのことに憤慨して思わず酒をかけて追い出そうとした俺に向かって、臥煙伊豆子は上司気取りでこう命じた。

「富岡義勇を一晩足止めして彼の命を救え。あとは余計なことをするな。わかったね?」

はて、余計なこととは、何のことだろうか。
賃金代わりのつもりか何人か部屋によこした遊女に「五月蝿い。黙れ。話しかけるな」と吐き捨てて追い出したのは余計だったのか。

しかし、安く見られては今後に支障を来す。
こう見えても俺は専門家であり、仕事をさせようものならば報酬はそれなりに高くつく。

遊廓から出る際、窓辺に佇む臥煙の視線を背中に感じながら、俺は仕事場へと向かった。




阿良々木月火「もうお兄ちゃんうるさい!!」阿良々木火憐「ぶっ飛ばすぞ!!」

2021-07-21 (水) 00:07  その他二次創作SS 化物語   0コメント  
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2021/07/13(火) 22:46:59.83 ID:BpNphpLIO

僕に2人の妹が居ることは今更説明する必要はないことだけど、それぞれ強烈な個性を持つ妹たちがどのように人格を形成していったのかについて詳細を知る者は少ないだろう。

多くの人たちにとって出会った当初から火憐ちゃんは火憐ちゃんで、そして月火ちゃんは月火ちゃんかも知れないが、あいつらだって産まれた瞬間にフルマラソンを走れたわけではなく、誰にも教わらずに着物の着付けを完璧に習得していたわけでもないのだ。

残念ながら妹たちが産まれた瞬間の記憶は長い年月によって忘却してしまったが、僕より遅く産まれたという事実だけはどれほどの歳月が経っても変わることはない。

妹たちの記憶について1番古い記憶を探ると、どちらも至って普通の女の子であり、今みたいに奇人変人、あるいは超人の類いではなかったと記憶している。

妹たちと交わした会話について1番記憶に残っているのもまた、ありふれたものだった。

『お兄ちゃんはどっちの方が好き?』
『どっちと結婚したい?』

ロリというかペドの域を出ない幼 女たちに詰問されて僕は兄として真剣に悩んだものだ。




羽川翼「それが……我が主人のお望みとあらば」阿良々木暦「決まりだな」

2020-09-28 (月) 12:01  その他二次創作SS 化物語   0コメント  
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/09/08(火) 22:36:31.22 ID:lUuaoiGOO

月の裏を見たことがあるか。

多くの人たちにとって、その質問自体が意味不明だと思うけれど、ある程度の趣旨はわかる。
月は自転と公転周期が同期しているーー要するに常に同じ面を地球に向けているので、地球上では肉眼で月の裏側を観測することが出来ないことから質問として成り立っている。

無論、科学や工業が進歩を遂げた現代ならば、探査機やら有人ロケットを打ち上げて月の裏側を観測することか容易なのは言うまでもない。

それらの手段を用いて撮影された画像は現代人ならばインターネットなどですぐに見つけられるのだけど、それを実際に肉眼で見た者は宇宙飛行士に限られ、極々少数であると言えよう。

興味がある者はそれを見てみたいという理由だけで宇宙飛行士を目指しても良いくらいロマン溢れる話ではあるけど、興味のない者にとってはネットで画像検索するだけで済む話である。

この物語はそんな理屈で私、羽川翼が観測したーーいや、希望的観測を基に綴ったーー阿良々木暦の裏側にまつわる物語なので、やはり興味のある者だけが読むべきものだと、そう思う。

「どうか、私の血を吸ってください」

あの日。高校2年の最悪で最低で最高の春休み。
吸血鬼となった阿良々木くんに自らの首筋を差し出したその瞬間から、物語は幕を開ける。

阿良々木暦の裏側。裏の顔。夜の王の、素顔。

私はそんな物語を望んで、彼の眷属となった。




斧乃木余接「実はいま、僕はパンツを穿いてない」

2020-02-10 (月) 12:01  その他二次創作SS 化物語   0コメント  
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/01/21(火) 00:36:15.09 ID:igAIR0zkO

「なあ、斧乃木ちゃん」
「なんだい、鬼のお兄ちゃん」

とある日の晩。
暇を持て余した僕は前々から気になっていたことを童女の居候兼、100年使われた付喪神である式神の斧乃木余接に尋ねてみることにした。

「特に深い意味はないんだけど、影縫さんと臥煙さんってどっちの方が胸が大きいんだ?」
「特に深くはないけど不快な質問だね」

斧乃木余接は無表情で適切なツッコミをした。

「教えてくれよ。頼む! こんなこと、君にしか聞けないんだ。僕を助けると思ってさ」
「鬼のお兄ちゃんは救いようがないと思うよ」

救いを求める僕に斧乃木ちゃんは辛辣だった。

「じゃあこうしよう、斧乃木ちゃん。教えてくれる代わりに僕に出来る範囲で何かする」
「何かって? 近所の交番に駆け込んで、お巡りさん僕です! って、自首するとか?」

そんな斬新な自首の仕方は御免被りたい。

「今はまだ、臭い飯は食べたくない」
「将来的には食べてもいいんだね」
「その時は、その時さ」

たとえ豚箱にぶち込まれて臭い飯を食う羽目になろうとも僕は2人の胸のサイズが知りたい。




忍野扇「だから忘れないでください。この愚か者」阿良々木暦「ああ……わかった」

2019-11-22 (金) 12:01  その他二次創作SS 化物語   0コメント  
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/10/26(土) 22:18:35.36 ID:hAYTqdlSO

『えへへ、来ちゃった』
『おお、よく来たな、千石。まあ、上がれよ』

あれはまだ、僕と千石との関係が破綻する前。
自宅に訪れた千石を、僕は自室に連れ込んだ。
僕が知る千石撫子は長く伸ばした前髪で目を隠していて目立たず大人しい女の子だったのだが、その日の彼女は珍しくヘアバンドをつけて前髪を上げていた。可愛らしい顔立ちだった。

「ふむふむ、なるほど。気合い充分ですね」
「あれは千石なりの気合いだったのか?」
「それはもちろん。落とす気満々ですよ」

今更そう言われても、もうどうにもならない。
僕はどうやら俗に言う鈍感系主人公らしいので、前髪を上げキャミソール1枚でミニスカートを穿く千石の気合いとやらに気づけなかった。

「いえいえ、ちゃんと気づいていましたよ」
「いやいや、全然気づかなかったよ」
「またまた、謙遜は要りませんって」
「君は僕の何を知っているんだ、扇ちゃん」
「私が知っているのは、愚か者には罪が憑き物だということだけです。なのであなたの罪は、愚かなあなた自身がよくおわかりでしょう? 」

愚か者の罪物語。
愚か者には罪が憑き物。
この物語に名前を付けるならばまさに。

そのタイトルが相応しいと、愚かにも思った。




阿良々木暦「神原、何か飲むか?」神原駿河「私は阿良々木先輩の汗でいい」

2019-07-25 (木) 00:07  その他二次創作SS 化物語   1コメント  
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/07/05(金) 22:56:09.18 ID:vXBrfRKkO

春と夏の間にある、梅雨の時期。
この季節が訪れる度に、僕は身構えてしまう。
振り返ると、そこに黄色い雨合羽を着た少女が立っているのではないかと、不安になる。

「他ならぬ阿良々木先輩の望みとあらば、私としては当然、全裸に雨合羽を着て登場し直すのもやぶさかではない。むしろ、大歓迎だ!」
「シリアスなモノローグを台無しにするな!」

とはいえ、不安は不安でしかなく、心配は杞憂となるのが物語の常であり、僕が再び雨合羽を着た少女に襲われることはなかった。

「本当にお前は全裸が好きだよな」
「阿良々木先輩は全裸が好きではないのか?」
「ああ、好きだよ! 僕だって全裸が好きだ! 大好きだとも! 当たり前だろうが!」

全裸好きな後輩に呆れ果てた僕に対して、神原駿河は分かり切った質問を返してきたので、半ばやけになりながら正直にそう答えると。

「ならば何も問題はなかろう」
「問題が発生する前振りにしか聞こえないぞ」
「しかし、私としては、前振りよりも前触れの方が語感が良いと思う。主に性的な意味で!」
「ああ、僕もお前と全く同感だよ!」

前振りよりも、前触れの方が語感が良い。
何故そう感じたのか。その理由は簡単だ。
目の前で思わせぶりに尻を振られるのと直に前を触られるのとでは、誰だって後者が嬉しい。
とはいえ、そこまでのスキンシップは後輩とするものではないこともまた、明白であり。

「ふむ。それでは遠慮なく」
「お前はもっと遠慮と躊躇いを身につけろ!」
「あっ! こら、阿良々木先輩! 暴れるな! イチモツを目の前で思わせぶりに振り乱すな!」
「振り乱してなんかねぇよ!」

雨合羽を着ていない神原駿河とじゃれ合いながら、ふと見上げた空の雲行きは怪しく、まさに嵐の前振りならぬ、前触れになりそうだと、この時、僕はそんな予感を漠然と抱いた。

やれやれ、これも日頃の行いのせいだろうか。
せっかくの後輩とのデートなのに、雨なんて。
じゃのめの傘など、持ち合わせていないのに。




阿良々木「忍野が怪談を解決して行く?」

2018-04-21 (土) 18:01  その他二次創作SS 化物語   0コメント  
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 05:17:36.51 ID:kXRWmwK70

※ちょっぴりホラーです

忍野「あぁ、と言うか解決するのは二の次で、本当の所は蒐集がメインなんだけれどね」

阿良々木「うーん、そう言われてもな。知っての通り、僕は交友関係が広い方じゃないから、そういう都市伝説みたいな話を耳にする事自体少ないんだよな」

忍野「まぁまぁ、そう難しく考えなくても、阿良々木君が昔体験した不思議話でも良いんだ。語るのは得意だろう?何か試しに語ってみてくれよ」

阿良々木「……まぁ、そう言うなら。まだ上の妹が小 学生の頃の話なんだけれど」

阿良々木「当時はまだ、妹の道場通いに親がついて行ってたんだ。ただ、その日は仕事か何かで行けないから、代わりに僕が送迎係だった____」




【化物語SS】そだちカーブ

2017-04-08 (土) 07:01  その他二次創作SS 化物語   1コメント  
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/03/19(日) 06:35:50.91 ID:XQIErafB0

良く晴れた日に

私と阿良々木がキャッチボールをしている

なぜだ?

もし誰かいたとしても

聞いてもだれも答えてくれないだろうし

聞ける人なんていないし

自分しか知らないことを自分も知らなかったら

どうしたらいいのだろう


暦「早く投げてくれないか」




【SS】おうぎワンダー

2017-01-30 (月) 18:01  その他二次創作SS 化物語   0コメント  
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/01/03(火) 23:56:39.39 ID:smHaNpS70

化物語のssです。




2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/01/03(火) 23:57:53.70 ID:smHaNpS70

扇「阿良々木先輩は私が生まれた日をご存知でしょうか?」

暦「いや、悪いけど知らないな」

暦「いつなんだ?扇ちゃん」

扇「私も知りません」

扇「私が知らなくて、あなたも知らない」

扇「こういった場合どうすれば良いのでしょうね」

暦「うーん・・・だったらもう決めてしまうしかないんじゃないか?」

扇「分かりました。阿良々木先輩が決めちゃってください」

暦「ちょっと待って扇ちゃん。それは責任重大だぜ」

扇「ええ、責任をとってください。認知してください」

暦「認知ってあれみたいだな」




阿良々木月火「茶道部に雪歩ちゃんが遊びに来たよ! ぱちぱちぱち~」

2016-08-24 (水) 00:07  アイドルマスターSS 化物語   0コメント  
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/09(火) 20:47:43.68 ID:q9FhOTes0



月火「はい! ぱちぱちぱち~」

雪歩「わ、わー……い?」

月火「あ、雪歩ちゃん、私は阿良々木月火。空に浮かんでるお月さまの月に、ケツに火がつくの火で、月火。月火ちゃんって呼んでね」

雪歩「う、うん……」

月火「いやーでも嬉しいなー。あの! 大人気アイドルの雪歩ちゃんが、こんなド田舎の狭苦しくてちゃちな茶道部の部室に遊びに来てくれるなんて!」

雪歩「えっ、そ、そんなことないと思うよ。とってもいい茶室だよ」

月火「ほんと!? だよねー! やっぱり月火ちゃんがいるからこんな貧相でちんちくりんな部室も素敵に見えちゃうか!」

雪歩「え、えっ? ……えっと、この部室も月火、ちゃん? も素敵だと思うけど……私、今日は遊びに来たわけじゃないんだ。ドラマの収録で……」

月火「はいはい分かってる分かってますよー。ドラマの収録にこの部室を使うから、ここの主たるこの月火ちゃんにあいさつに来たんだよね?」

雪歩「え……」

月火「ね!!!」

雪歩「う、……うん」

月火「うむ! くるしゅうない!! いいよ使って!」

雪歩「あ、ありがとう」