中野五月「あの……膝の上に、乗ってもいい?」上杉風太郎「は?」

2020-03-29 (日) 00:07  その他二次創作SS 五等分の花嫁   1コメント  
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/03/16(月) 01:26:54.14 ID:8NkjlyIZO

「上杉君、少しよろしいですか?」
「ん? なんだ、五月。どうかしたか?」

近頃、他の姉妹の様子がどうもおかしい。
それぞれ時間を作って、家庭教師である上杉風太郎君と何やら親交を深めているらしい。

とはいえ、私にはどうでもいいことだ。
姉妹の誰が上杉君と仲良くなって距離を縮めようと私には関係ない。別に拗ねてなんかない。

しかし姉妹が挙動不審なのは彼とコソコソ会っている時だけではないのが、どうも気になる。

「あなたに聞きたいことがあります。他の姉妹の目がありますので私の部屋に来てください」
「あ、ああ……わかった」

いきなり私室に招かれた彼はどうやら戸惑っているらしく、珍しく緊張した面持ちで頷いた。

「どうぞ、入ってください」
「お、お邪魔します」

そんな風に固くなられると、なんだかこっちまで緊張してしまって、そう言えば男の子を自分の部屋に入れるのは初めてだと思ったら急に恥ずかしくなったので、慌てて釘を刺しておく。

「い、言っておきますが、おかしな真似をしたらすぐに他の姉妹に助けを求めますから!」
「どんだけ信用ないんだよ、俺は」

男の子のことなんて信用出来る筈ありません。




上杉風太郎「お義姉ちゃん、欲しくないか?」上杉らいは「欲しい!」

2020-03-25 (水) 18:01  その他二次創作SS 五等分の花嫁   0コメント  
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/03/17(火) 01:10:55.09 ID:LZf9W8fmO

「なあ、らいは」
「なぁに、お兄ちゃん」
「お義姉ちゃん、欲しくないか?」
「欲しい!」

上杉家の食卓を切り盛りしている料理上手で掃除洗濯が得意な妹のらいはは小学六年生であり、この話はまだ早すぎるかと思ったが、聡明ならいははきちんとその意味を汲んでくれたようで、元気に義理の姉をおねだりしてきた。

「お兄ちゃん、ついに覚悟を決めたの?」
「まだ先の話だけどな」
「明日にでも一緒に暮らしたい!」

妹のはしゃぎっぷりに少々面食らう。
家庭の事情で普段から我慢ばかりさせている反動なのだろうかと思うと、胸が痛んだ。

「兄ちゃん、早く高級取りになってこの家にお義姉ちゃんを呼べるように頑張るからな!」
「うんうん。五人もお姉ちゃんが出来るわけだから、お兄ちゃんは頑張らないとだね!」
「待て、らいは」

はて、聞き間違いだろうか。
さも俺が五人の嫁を迎えるような口ぶりだ。
聡明ならいはならば、この国では一夫多妻は認められていないと知っている筈なのだが。

「らいは、結婚は1人としか出来ないんだぞ」
「うん、知ってるー!」
「知ってたか。なら、なんでそんなことを?」
「お兄ちゃんのお嫁さんが五つ子なら、ほかの姉妹もらいはのお姉ちゃんになるでしょ?」

うちのらいはは天才かも知れないと思った。




中野三玖「なにがわかったの?」上杉風太郎「三玖のことが大事に思えてきた」

2020-03-21 (土) 12:01  その他二次創作SS 五等分の花嫁   0コメント  
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/03/14(土) 13:26:32.27 ID:5VNIrDIIO

「見て、フータロー」
「ん? なんだ、三玖」
「じゃーん」

2人っきりになった時を見計らって仕掛けた。
とんとんと肩を叩き、振り返った彼に片足を上げて見せつける。しかし、彼は首を傾げて。

「どうした、足が痺れたのか?」
「むー違うよ」

見当違いなことを抜かした彼にヒントを出す。

「ヒントは色だよ」
「なるほど。タイツの色がいつもと違うな」
「ピンポーン」

ようやく気づいてくれた彼に正解を告げる。
何を隠そう今の私は白タイツを履いている。
いつもは黒タイツなので、新鮮に映る筈だ。

「で? その白いタイツはどうしたんだ?」
「二乃から盗……借りた」
「あとでちゃんと返すんだぞ?」
「飽きたら、そのうちね」

返すかどうかは彼の反応次第である。
彼が白タイツの方が好きならば返さない。
未来永劫、私は白タイツを履き続ける。

「ところで、タイツの色がどうかしたのか?」
「むー……フータロー、嫌い」

せっかくタイツの色を変えたのに、だからなんだとばかりに質問を重ねてくるような家庭教師に嫌いと告げたその瞬間、異変が生じた。




上杉風太郎「お前、最近無防備過ぎないか?」中野二乃「フー君のえっち」

2020-03-20 (金) 18:01  その他二次創作SS 五等分の花嫁   0コメント  
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/03/12(木) 23:13:47.56 ID:iaech2wEO

「はい、フー君」
「ああ、ありがとう、二乃」

以前ホットミルクに甘みを加える際にハチミツを垂らすと彼は喜んでくれた。以来そうしている。

「採点、終わった?」
「いや、もう少しかかる」

私の部屋で自作の問題集の採点を行なっている彼に近づき、じっと見下ろすと視線に気づき。

「ん? どうかしたか?」
「足」
「足? 足がなんだって?」
「あぐらやめて、体育座りで足開いて」
「はあ? なんでわざわざ……」
「いいから、早く」

急かすと怪訝な顔をしながらも彼は私の言う通り足を開いてくれた。すかさず間に座り込む。

「お、おい、二乃……?」
「ふぅ……落ち着くわ」

慌てる彼を背もたれにして寛ぐと、呆れて。

「もう少しで採点終わるから大人しくしてろ」
「はーい、せんせ」

なんだかんだ言っても生徒のわがままを許してくれる家庭教師を座椅子にして満悦に浸った。




中野四葉「私はより多くの人を救います」上杉風太郎「それになんの意味がある?」

2020-03-15 (日) 18:01  その他二次創作SS 五等分の花嫁   0コメント  
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/03/07(土) 17:24:40.18 ID:5UAoJkSUO

「上杉さん」
「ん? なんだ、四葉」
「もし良ければ、映画を観に行きませんか?」

どうも皆さん、初めまして。
中野家の五つ子の四女の四葉です。
五つ子の中でもとびきりお馬鹿な私は、家庭教師である上杉風太郎さんに対して常日頃から多大なご心配とご迷惑をかけていることを自覚しているので、今日はそんな上杉さんの疲れを癒すべく、集中講義がひと段落したのを見計って、映画にお誘いしてみました。

「すまん。金欠だから映画には行けない」
「ふっふっふっ……チケットは私のおごりです」

上杉さんは家庭の事情でいつもお金に困っていらっしゃるので、事前に前売り券を用意しておきました。しかし、律儀な彼は渋い顔をして。

「お前に奢られる筋合いはないぞ」
「気にしないでください。この映画は一花が声優に初挑戦した今話題のアニメ映画なので、きっと上杉さんも気に入ると思いますよ?」
「声優って、あいつそんなことまでしてんのか。たしかに気になると言えば気になるが……」

上杉さんは一花のことを気に入っています。
そんなことは姉妹である私にはお見通しです。
きっと、私よりも一花のことが好きだから。
だからきっと、この映画も気に入る筈です。

「そんなに難しく考えずに、教え子からの日頃の感謝の印だと思って受け取ってください」
「そこまで言うなら……有り難く受け取るよ」

さあ、それでは元気良く映画館に出発です!




上杉風太郎「一花、お前はかわいいよ」中野一花「ッ……!」

2020-03-12 (木) 12:01  禁書目録SS 五等分の花嫁   0コメント  
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/03/03(火) 23:14:10.34 ID:elO9kpWFO

モノローグ

幼い頃、寝る前に母が物語を読んでくれた。
あまりよく覚えていないけれど、淡々と朗読する母の声を聴きながら、私たちはすぐ眠った。

今となっては物語なんてほとんど読むことはなくなった私でも、有名なシンデレラと白雪姫くらいなら、そのあらすじ程度は記憶している。

たしか、意地悪な姉達に虐められたシンデレラが魔女に魔法をかけられかぼちゃの馬車に乗ってお城の舞踏会で王子様とダンスを踊り、油断した隙に魔女に毒リンゴを食べさせられて眠ってしまい、王子様のキスで目覚めるんだっけ?

はて、ガラスの靴はどこにいったのか。

とにかくそんな曖昧な記憶ではあるものの、一点だけ両作品に共通するテーマはとても印象に残っており、それが『嫉妬』であると知った。

嫉妬とは厄介なもので酷く忌まわしい感情だ。

特定の存在に対する所有欲、独占欲、支配欲。
そんな執着心を封じ込めようと思えば思うほどに、胸は締めつけられるように痛み、嫌な自分と向き合うこととなり、逃げられないと悟る。

私はシンデレラではなく白雪姫でもなかった。
五つ子の長女の私は、意地悪な姉で、魔女だ。
そんな自分が許せなくて、毒リンゴを食べた。

私は眠り続ける。王子様のキスを夢見ながら。




四葉「安価で上杉さんを幸せにします!」

2019-10-06 (日) 18:01  その他二次創作SS 五等分の花嫁   0コメント  
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/06(金) 19:32:26.23 ID:yhiUUm4S0

原作に関しては10巻まで、アニメは一切見ていません。四葉推しです。よろしくお願いします。




2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/09/06(金) 19:39:42.23 ID:yhiUUm4S0

四葉「三年生に進級してからというもの、上杉さんは私たちの進路や卒業のためにいつも以上に苦労されています… 私に出来ることなら何かしてあげて少しでも力になれればいいのですが、どうしましょうか… そうだ!安価下しましょう!あれなら上杉さんも喜ぶこと間違いなしです!」




【五等分の花嫁】風太郎「ママ検定を開始する」

2019-09-15 (日) 00:07  その他二次創作SS 五等分の花嫁   0コメント  
1: ◆SQqWWhlKYQ 2019/08/15(木) 16:22:34.65 ID:01FB/b2zo

二乃「はあ?何言ってるのよ変態」

三玖「ごめんフータロー...私にも分からない」

四葉「普通のテストに加えてママ検定なんて合格出来ないよぉぉ」

一花「四葉落ち着いて。多分そういうのじゃないから」

五月「どういうことか説明をお願いします」

風太郎「ああ、俺の妹...らいは についてだが」

四葉「らいはちゃん可愛かったですねぇ」

五月「らいはちゃんに何かあったんですか?!」ドーン

風太郎「落ち着け、らいは には何もない」

風太郎「だが、らいはには母親が必要だ」

五人「!!!!!」

風太郎「そこで」

一花「わかった。そこで私達に代わりとして付き合えってことだね?」

三玖「つ、付き合う?///」

風太郎「30点だ」

風太郎「確かに、お前達にママ代わりして貰うというのは正解だ」

風太郎「しかし!それだとママ適性がない毒親になってしまう可能性がある!」

風太郎「そこで!ママ検定をやってもらい合格したものだけにママ免許授ける!」




一花「BE MY BABY」

2019-09-07 (土) 00:07  その他二次創作SS 五等分の花嫁   0コメント  
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/04(日) 17:18:06.34 ID:mo/WQEjv0

一花「ビーマイベイベー♪ビーマイベイベー♪アッフゥフン!」

風太郎「なにやってるんだ、お前」

一花「うわっ、びっくりした!? もう、おどかさないでよ! いるならいるって言ってくれればいいのに」

風太郎「別におどかすつもりはなかったんだが……」

一花「うわーメチャクチャ恥ずかしい。他の人、いたりしないよね?」

風太郎「幸いにも俺一人だから心配するな。つうか、ホントにどうした? まさかとは思うが、仕事と勉強からくる疲れが蓄積してついに心が壊れてしまったのか?」

一花「あはは、違う違う。今度出演するCMの練習してただけだよ」




【五等分の花嫁SS】四葉「Lemon」

2019-08-28 (水) 18:01  その他二次創作SS 五等分の花嫁   0コメント  
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/01(木) 20:16:47.13 ID:Pv9aFlZa0

夢ならばどれほど良かったでしょう。
未だにあなたのことを夢に見る。




2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/08/01(木) 20:17:48.52 ID:Pv9aFlZa0

〈公園〉


四葉「………………」ギィギィ


降り続ける雨は、まるで私の心の中そのものだった。
やむことのない雨は少しずつ体を濡らし、ゆっくりとぬくもりを奪っていく。ホントなら傘をさすかお家に帰るかしないといけないところですが、私はそのどちらも選ばなかった。
ただ淡々と、誰もいない公園でブランコをこぎ続けている。

原因ははっきりしていた。


──上杉さんだ。