【キノ×少女終末旅行】「終末の国―travelers―」

2017-11-21 (火) 12:01  その他二次創作SS キノの旅 少女終末旅行   0コメント  
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/06(月) 20:20:35.78 ID:XONA7ke50

「すごいねぇ、キノ」

「それはどっちのことだい、エルメス」

「どっちも。今はこの都市かな?」

「それは同感だ」

 キノとエルメスは、巨大な都市の廃墟を走っていた。

 大きなビルがどこまでも続いている、未来的な都市だった。しかし、人の姿はどこにもない。使われなくなって長い年月が経ったと思われる舗装道路のあちこちに、打ち捨てられた機械が転がっている。

「ほらキノ、ビルの向こうに大きな柱があるでしょ? あれで上の階層を支えているんだ。つまりこの都市は二階建てなんだよ。もしかしたらそれ以上かも」

「なるほど……。こんなものを体験できる機会はないな。ここに来てよかった」

「ほんとにねぇ。あ、キノ、ちょいストップ」

 キノはエルメスのスピードを落とす。

「どうした、エルメス?」

「ほらキノ、そこの道路、積もった雪に履帯の跡が残ってる」

 キノはエルメスを止めた。

「雪が上に積もっていないってことはまだ新しいね、キノ」

「……ここに人はいないって聞いてたのにな」

 キノは顔を上げた。履帯の跡はキノが走っていた道路を横切っていた。

「どうする? キノ」

「まあ、少し気になるから見てみよう」

 そういってエルメスのハンドルを切る。

「どっち?」

「……右で」

 キノは交差点を右に曲がり、スピードを上げた。




【キノの旅ss】批評家たちの国―This is Mine!―

2017-11-04 (土) 18:01  その他二次創作SS キノの旅   0コメント  
1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/27(金) 23:58:41.20 ID:4x5EU2uH0

「こんにちは!」

 キノが声をかけても、入国審査官の男は椅子に座ったまま本を読みふけっていた。

「あのー、すみません!」

「おっちゃん! 職務放棄だよ! そんなんだとキノがおっちゃんを撃ち殺して不法入国して大暴れしちゃうよー」

 エルメスが声を上げ、入国審査官はようやく顔を上げた。

「いやぁ、すみませんねぇ。我が国に入国される方は一か月ぶりなもので、つい油断しちゃってました」

 男は読みかけのページに指を挟んだまま受付までやってくる。『アニアの冒険』というタイトルだった。

「いえ、こちらこそ読書の邪魔をしてしまったみたいで申し訳ありません。ボクはキノで、こっちは相棒のエルメス。給養と観光で3日間の入国を希望します」

「はいはい、承りました。パースエイダー(注・パースエイダーは銃器)の保有は認められていますので、そのままお持ちいただいて結構ですよ。では我が国の滞在をお楽しみください」

 審査官は書類にちょこちょこと記入しただけで城門を開けると、すぐに読書に戻ってしまった。

「……行こうか、エルメス」

「相当読書に夢中になってるみたいだねぇ。これがお師匠さんだったら国が大変なことになっちゃうのに。普段外敵ってやつだよ」

「油断大敵?」

「そうそれ」

「まあ、師匠なら……」




キノ「女は裸にならないといけない国?」審査官「服を預かります」

2013-01-18 (金) 01:39  その他二次創作SS キノの旅   24コメント  
10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/01/17(木) 20:30:45.12 ID:EWl0BFYu0

熱帯雨林の奥、泥道を一人の旅人と一台のモトラド(注・モトラドは二輪車。空を飛ばないものだけを指す)が走っていく

モトラドが旅人に向かって話しかける

エルメス「ねえキノ。次に行く国はどんなとこなの?」

キノと呼ばれた若い精悍な顔つきの旅人は黒いジャケットにゴーグル、
腰には大型のハンドパースエイダー(注・パースエイダーは銃器、この場合は拳銃)を下げている

キノ「次に行く国では、国民は皆服を着ていないらしいんだ」

エルメス「へー。じゃあ全員裸で生活してるんだ?」

キノ「それが、そうでもないらしいんだ」


eval.gifキノの旅 XVI the Beautiful World (電撃文庫)