1:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 18:19:50.21
ID:piYH+x0I0
提督「もしかすると、見たままの強さなのではないか?」
提督「仮に戦ってみれば、私でも勝てるのではないか?」
提督「そんなはずはない、見た目通りのはずがない」
提督「そう自分に言い聞かせてはいるものの……」
提督「最近、どうにも疑念が晴れない」
龍田「あら~……」
天龍「おいおいw」
3:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 18:22:09.80 ID:Qk4wt8xiO
駆逐艦とか軽く押し倒せそうだもんな
4:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 18:22:55.94
ID:piYH+x0I0
天龍「兵学校でちゃんと勉強したのかよw」
天龍「オレたち艦娘は、こう見えて軍艦なんだぜ?」
龍田「軍艦としての機能性を保ったまま、人の形を取ってるの」
天龍「つまり、強さが凝縮してるってわけだ!」ヘヘーン
提督「いや、それは知っているのだが」
提督「どうにもなあ……」ウーン
5:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 18:28:07.87
ID:piYH+x0I0
提督「日々、目にし、接するうちに」
提督「どんどん疑念が強くなっていく」
提督「戦艦や正規空母はまだしも、駆逐艦などどうだ」
提督「あの華奢な体……触れただけで壊れてしまいそうだ」
龍田「提督って心配性なんだから~」
天龍「だから、ああ見えて軍艦なんだって」
天龍「みぞおちにサッカーボールキックを叩き込んでもなんともねえよw」
提督「怖い事を言うな!!」ブルル
6:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 18:31:04.81
ID:piYH+x0I0
龍田「でも、不安ね~」
龍田「指揮官がそのような認識だと、大胆な作戦もできなさそう」
天龍「あっ、もしかして、オレたちを遠征ばっかりに行かせているのも!?」
提督「い、いや、それは別の理由だが」
提督「だが、不安なのは本当だ」
提督「大規模作戦の時など、いつも恐々としている」
提督「代われるものなら、私が代わってやりたいと思うほどだ」
龍田「重症ね~……」
7:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 18:34:11.27
ID:piYH+x0I0
天龍「よし! じゃあ、こうしようぜ!」
天龍「オレと提督で、実際に戦ってみるんだよ!」
龍田「ええ!? て、天龍ちゃん、それはさすがに……」
天龍「大丈夫だって! 世界水準は軽く超えてるからな!」
天龍「人間相手の手加減だって、わけねーよ!」
提督「うむ……」
提督「では、そうしてみようか」
龍田「提督まで~!」
8:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 18:39:53.42
ID:piYH+x0I0
龍田「怪我してもしりませんよ?」
提督「大丈夫だ。こう見えて、日々の鍛錬は欠かしていない」
提督「兵学校では戦法も学んだ。実技では毎年、主席だった」
提督「こうなれば、かえって天龍の心配をした方がいいのでは?」ハハハ
天龍「おっ、言ってくれるじゃねーか!」
天龍「じゃあ、いっちょ軽巡の力……」
天龍「その身に教えてやろうかな!!」
9:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 18:41:35.01
ID:piYH+x0I0
~十分後~
天龍「あ、あがが……!?」ピクピク
龍田「ひーん……」プルプル
提督「…………」
提督「…………」
提督「…………か」
提督「勝ってしまった……」ブルブル
10:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 18:44:22.25
ID:piYH+x0I0
提督(お、落ち着け。落ち着くんだ、私)
提督(偶然かもしれない。たまたま、星の巡りが良くて……)
提督(いや、そんな問題ではなかった!!)
提督(天龍だけならまだしも、龍田にも勝てたのだ……)
提督(それも、非常に容易く!!)
11:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 18:46:24.71
ID:piYH+x0I0
提督(バカな、艦娘は人間より弱かったのか?)
提督(そんなはずはない。それなら、人間が戦っているはずだ)
提督(そうだ、今のは何かの間違いだったんだ)
提督(落ち着け、私……落ち着いて考えるんだ)
提督(龍田の輪っかでも回しながら、落ち着いて……)クルクル
龍田「や、やめてぇ~……」プルプル
12:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 18:49:45.05
ID:piYH+x0I0
~翌日、格技場にて~
提督(一晩考えたが、あれはやはり偶然だ)
提督(たまたま竹刀が相手の死角に入り、たまたま上手く決まっただけ……)
提督(だが、そんな偶然も三度は続かない)
提督(それも、相手が戦艦なら、小手先の技術も通用しないはずだ!)
提督「と、言うわけで、いざ尋常に勝負だ!」
大和「は、はあ」
13:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 18:52:45.34
ID:piYH+x0I0
長門「何がというわけで、なのかは知らんが……」
武蔵「止めておいた方がいいぜ?」
陸奥「私たち、こう見えて力持ちなのよ?」
扶桑「下手をすると、失神するだけでは済まないかも……」
提督「いや、だからこそだ!」
提督「その圧倒的な力を、身を持って知りたいのだ!」
提督「頼む、戦艦の諸君! 私と勝負を!!」
大和「うーーーん……」
14:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 18:55:51.95
ID:piYH+x0I0
霧島「まあまあ、いいじゃありませんか」
比叡「霧島!?」
榛名「何を言ってるの、提督にもしものことがあれば……」
霧島「適当に手加減をしてあげればいいんですよ」ヒソヒソ
霧島「それに、向こうのお願いを聞いてあげれば……」ヒソヒソ
霧島「それを材料に、こちらのお願いも聞いてもらえるはず」ヒソヒソ
戦艦「「「「オオ!?」」」」
15:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 18:57:56.36
ID:piYH+x0I0
金剛「ナイスアイディーア、デース!」
金剛「と、いうわけで、テートクゥ! 勝負しましょー!」
提督「な、何がというわけで、なのかは知らんが……」
提督「願ってもないことだ。さあ、竹刀を手に取れ!」
金剛「ハーイ!」ウキウキ
提督「さあ、準備はいいな?」
提督「いざ尋常に……」
提督「勝負!!!!」
17:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 18:59:48.01
ID:piYH+x0I0
~一時間後~
提督「はぁ、はぁ、はぁ……!」
提督「くっ、なんということだ……!」
提督「はぁ、はぁ、はぁ……!」
提督「なぜだ、なぜ……なぜ!」
提督「勝ってしまった……!!」
戦艦「「「「あがががが……!?」」」」ピクピク
19:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 19:02:19.31
ID:piYH+x0I0
提督「全戦全勝だ!」
提督「言い訳のしようもないほど綺麗に勝った!」
提督「……あり得ないことが起きてしまった……」
提督「これまで培ってきた常識が、音を立てて壊れていくようだ……」
提督「深海棲艦は強い! だから、同じく強い艦娘でなければ戦えない!」
提督「そう、習ってきたはずなのに……」
21:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 19:03:55.93
ID:piYH+x0I0
提督「いや、違う! そんなはずはない!」
提督「これは何かの間違いだ!」
提督「艦娘や深海棲艦は、人間など及びもつかない存在なのだ!」
提督「そうでなければ、自分は今まで……」
提督「……う、うわぁー!」
大和「て、提督ーっ!?」
26:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 19:08:04.98
ID:piYH+x0I0
~翌日、深海泊地にて~
駆逐棲姫「キャーッ!?」スパーン!
港湾棲姫「クルナ……クルナァ!」スパーン!
集積地棲姫「ヤメロォー!?」スパーン!
重巡棲姫「ダ、ダレカ」スパーン!
空母棲姫「タスケ」スパーン!
28:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 19:11:40.11
ID:piYH+x0I0
戦艦水鬼「調子ニ乗ルノモ……ソコマデヨ」
戦艦水鬼「単身、乗リ込ンデキタ勇気ハ認メルガ」
戦艦水鬼「ソノ快進撃モ、ココマデ」スパーン!
戦艦水鬼「」シュゥゥゥ……
提督「はぁっ、はぁっ、はぁっ……!」
提督「か、勝ってしまった……」
提督「深海棲艦にも、竹刀一本で勝利してしまった……!」
30:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 19:13:56.64
ID:piYH+x0I0
提督「こ、これは夢だ! 悪い夢なんだ!」
提督「これまで強い味方、恐ろしい敵だと思っていた存在が……!」
提督「まさか、これほどか弱い少女たちだったなんて……!」
提督「くっ、なんなのだ、この冗談は……!」
提督「私がこれまで信じてきたものは……」
提督「一体、なんだったんだぁーっ!」ガクッ
32:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 19:16:07.50
ID:piYH+x0I0
??「ぐふふふふ……」
??「どうやら、気づいてはいけないことに気づいたようですねぇ……」
提督「っ!?」
提督「だ、誰だっ!?」
??「私ですよ、私」
提督「お、お前は……いや、貴方は!」
??「そうです」
元帥「元帥です」
33:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 19:17:33.72
ID:piYH+x0I0
提督「元帥閣下!?」
提督「閣下がなぜ、このようなところに……!?」
元帥「それは私の台詞ですよ」
元帥「艦隊の指揮を任せていた君が」
元帥「なぜ、単身、このようなところにいるのですか?」
提督「そ、それは……」
34:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 19:19:29.75
ID:piYH+x0I0
元帥「おや、その目」
元帥「疑念で濁っていますねぇ」
元帥「それを私に向けている」
元帥「もしかすると、私が黒幕なのかも……」
元帥「とでも考えているのですか?」
提督「い、いえ、そのっ」
元帥「正解です」
提督「っ!?」
35:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 19:22:14.25
ID:piYH+x0I0
元帥「本当のことをお話しますとね」
元帥「艦娘は元より、深海棲艦を作ったのも……」
元帥「私なんですよぉ!」
提督「なっ……!?」
元帥「いえ、私たち、といった方が正しいですね」
元帥「我ら秘密結社『DMM』は……」
元帥「世界各地で、麗しい少女を立て、おぞましい敵を用意しています」
36:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 19:24:50.26
ID:piYH+x0I0
提督「なんのためにそんなことを……!」
元帥「お金のために決まっているじゃないですか」
元帥「戦争が生み出す金、莫大な利益は、まさに甘い蜜です」
元帥「一度知れば、あなたも病みつきになりますよぉ」
元帥「世界各地から集まるDMMポイントは……」
元帥「まさに至福の味。天上の寒露ですよぉ!」
提督「き、貴様ぁーっ!」
37:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 19:26:29.69
ID:piYH+x0I0
提督「貴様はそんなことのために少女を戦場に立たせ!」
提督「戦う必要もない敵と戦わせていたというのか!」
元帥「ええ、その通りです」
元帥「それが何か?」
提督「おのれぇーっ!」
38:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 19:28:27.32
ID:piYH+x0I0
元帥「何を怒っているのやら……」
元帥「私たちは、むしろ感謝してもらいたいのですよ」
元帥「こうして化け物との戦争を「作った」おかげで」
元帥「人類間の大きな戦いはなくなりました」
元帥「深海棲艦という分かりやすい敵を前に」
元帥「概ね、人類は一致団結して立ち向かっています」
39:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 19:31:17.45
ID:piYH+x0I0
元帥「それを感謝されこそすれ、恨まれる筋合いはありません」
元帥「あなたもそうは思いませんか?」
元帥「ねえ、「提督」さん?」クスッ
提督「黙れ! 黙れ黙れ黙れ!!」
提督「鬼にも劣るその所業! 悪逆無道のその企み!」
提督「今、ようやく分かった! 真の敵がこの目に見えた!」
40:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 19:33:40.45
ID:piYH+x0I0
提督「うら若き少女たちを戦場に立たせる違和感に」
提督「もっと早く、気づいてやれば良かった……」
提督「そうすれば、この茶番に振り回されることも……」
元帥「ほう?」
元帥「ならばあなたは、どうするというのです?」
元帥「真実を知った今、まさか生き長らえられるとでも?」
41:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 19:35:23.04
ID:piYH+x0I0
提督「生き長らえる?」
提督「いいや、違う! 断じて違う!!」
提督「私がするべきことは、ここから逃げ出すことではなく……」
提督「元帥! そして背後に潜むDMM!」
提督「貴様らを粉砕することだぁーっ!!!!」
42:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 19:38:26.36
ID:piYH+x0I0
元帥「ふほほ、いいでしょう!」
元帥「ならばかかってきなさい!」
元帥「ただし、痩せても枯れてもこの元帥!」
元帥「一筋縄ではいかないと思ってくださいねぇー!!」グワッ!
提督「うおおおおおおおおおおっ!!!!」
提督「滅せよ、元帥ーーーーーーっ!!!!」シュバッ!!
その後、提督は艦娘と深海棲艦を束ね、
秘密結社DMMとの戦いに身を投じることになるが……
それはまた、別のお話 ~完~
43:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 19:40:56.02 ID:FQZB+e04o
乙 花騎士とか刀剣男子とかも集めなきゃ(ポイントを購入する音)
44:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/16(月) 19:42:48.38 ID:2hhsnVLeo
乙
この元帥 緑の事務服着てそう
元スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1463390390/
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