1:
◆VgLY1HQ3xE 2015/07/26(日) 01:45:20.84
ID:4xWmtH4Ro
提督「すまないな響、手伝わせてしまって」
響「いいさ、資料を運ぶことくらい」
提督「結構な量あるからな、階段もあるし足元気をつけろよ」
響「ああわかった、気を付ける」
2:
◆VgLY1HQ3xE 2015/07/26(日) 01:49:18.21
ID:4xWmtH4Ro
響「それにしてもすごい量の資料だね」
提督「作戦の前はいつもこうさ」
提督「この膨大な資料から今回の作戦の、戦場である海域の情報を事前にある程度把握し」
提督「そこから必要と思われる人員、兵器、皆に伝えておかなければならない情報を読み取る」
提督「全ては少ない犠牲で、勝利を得る為」
提督「それが俺の役目さ」
響「大変だね、司令官は」
提督「ま、最終的には、お前ら頼みなんだけどな」
提督「今回も頼りにしてるぞ、響」
響「…うん」
響「わかった、その信頼に応えよう」
3:
◆VgLY1HQ3xE 2015/07/26(日) 01:51:14.19
ID:4xWmtH4Ro
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
提督「ここから階段だからな、気をつけろ」
響「ああ、わかっている」
響(ん、資料で足元がよく見えない…思ったよりも降り辛いな)
提督「ゆっくりでいいからな?」
響「ああ、まだこれくらいなら大丈」
グラッ
響(あれ?踏み場がない…)
響(踏み…外した)
提督「響!!」
4:
◆VgLY1HQ3xE 2015/07/26(日) 01:52:01.34
ID:4xWmtH4Ro
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
響「…いてて」
提督「響!大丈夫か!?」
響「…ああ大丈夫、すまない、足を踏み外してしまった」
提督「どこか痛む場所はないか?」
響「どこも痛くはない、と思う」
5:
◆VgLY1HQ3xE 2015/07/26(日) 01:53:32.61
ID:4xWmtH4Ro
提督「…失礼」ギュッ
響「ぃいっ!!」
提督「足、捻挫してるなこれ…」
響「こ、これくらい大丈夫さ」
提督「痛みで涙流している奴が何言ってるんだ」
響「な、泣いてなんかいない…!」
提督「もっかいギュッってやるか?」
響「…ごめん、大丈夫じゃないかも」
6:
◆VgLY1HQ3xE 2015/07/26(日) 01:54:34.63
ID:4xWmtH4Ro
提督「とりあえず医務室で見てもらおう、というかこういうのって入渠で治るのか?」
響「さあ?」
提督「まあ、医者に聞くのが早いか、ほれ、乗れ」
7:
◆VgLY1HQ3xE 2015/07/26(日) 01:57:08.43
ID:4xWmtH4Ro
響「おんぶ?」
提督「歩けないだろ」
響「えっと…」
提督「どうした?」
響「…流石にこれは、恥ずかしいな…」///
8:
◆VgLY1HQ3xE 2015/07/26(日) 01:57:54.95
ID:4xWmtH4Ro
提督「恥ずかしがってる場合か、歩けないんだろ?」
響「うう…」
響「失礼します…」
提督「よし、しっかり手まわせよ」
響「ああ」
9:
◆VgLY1HQ3xE 2015/07/26(日) 01:58:38.62
ID:4xWmtH4Ro
提督「よいしょっと」
グィ
提督「えっ…」
響「ん?どうしたいんだい?」
提督「ん、ああいやなんでもない。さ、行くぞ」
響「あ、ああ」
10:
◆VgLY1HQ3xE 2015/07/26(日) 01:59:17.05
ID:4xWmtH4Ro
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
提督「…」
響「…」
提督「…」
響「…」
提督「…」
響「…」
響「…司令官、どうしたんだい?」
11:
◆VgLY1HQ3xE 2015/07/26(日) 02:00:01.06
ID:4xWmtH4Ro
提督「なにが?」
響「さっきから、なんか変だよ」
提督「変だと?俺はいつも通りさ」
響「私をおぶったころから、ずっと変」
提督「そんなこともないだろ」
12:
◆VgLY1HQ3xE 2015/07/26(日) 02:01:38.55
ID:4xWmtH4Ro
響「司令官が思った以上に、私は重かったとかかい?」
提督「ちげーよ」
提督「むしろ軽い、軽すぎると感じた」
提督「…まだ子供なんだなって思った」
響「?」
13:
◆VgLY1HQ3xE 2015/07/26(日) 02:02:52.44
ID:4xWmtH4Ro
提督「俺はさ、お前のこと信頼してる、頼りにしているんだ」
提督「お前がとても優秀で、いつも傍にいてくれるから」
提督「だからかな、俺はお前の事、大きく見ていた、見過ぎていた」
提督「もうこいつは子供じゃないんだって、感じてた」
14:
◆VgLY1HQ3xE 2015/07/26(日) 02:03:48.03
ID:4xWmtH4Ro
響「…」
提督「お前をおぶったとき、軽くて、想像以上に軽くて驚いた」
提督「同時に実感した、ああ、こいつはまだ子供なんだって」
提督「俺はお前らを守るために存在している」
提督「だけど、実際はお前らに頼りきりなんじゃないか、守られてばかりなんじゃないか」
提督「そう、思ってな」
15:
◆VgLY1HQ3xE 2015/07/26(日) 02:04:29.56
ID:4xWmtH4Ro
響「司令官…」
提督「すまん、急にこんなこといってしまって」
響「なんで、私達が、私が、君の事を守るかわかるかい?」
提督「え…?」
16:
◆VgLY1HQ3xE 2015/07/26(日) 02:05:41.75
ID:4xWmtH4Ro
響「答えは簡単さ、君が、私達の事を、私の事を」
響「いつも、守ってくれるからさ」
響「君は、どんな時でも私達を優先する、作戦のときはもちろん、君と過ごす日常でも」
響「それに守られたことは、きっと何度もある、だって私はちゃんとここにいるから」
響「君が守ってくれるから、私はここにいるんだよ」
17:
◆VgLY1HQ3xE 2015/07/26(日) 02:06:30.55
ID:4xWmtH4Ro
提督「…」
響「そんな君を、私達を守ってくれる君を…」
響「私達が、守らないわけ、ないだろう?」
提督「…」
響「だからね、司令官」ギュッ
18:
◆VgLY1HQ3xE 2015/07/26(日) 02:07:43.36
ID:4xWmtH4Ro
響「これからも、私のこと、守ってください…」
提督「ああ、守る、守って見せるさ」
提督「だから、お前も、俺の事、守ってくれ…」
響「ああ、守るよ、絶対に…」
19:
◆VgLY1HQ3xE 2015/07/26(日) 02:09:11.39
ID:4xWmtH4Ro
響(…君に言ったことは、本当だよ、半分は)
響(残り半分は、違う)
響(私が君を守る理由…)
響(君の事が、大好きだから)
響(たった、それだけ)
20:
◆VgLY1HQ3xE 2015/07/26(日) 02:11:49.76
ID:4xWmtH4Ro
響(君を守っている瞬間、私は、君の事が大好きなんだと、実感できる)
響(そして、君の事が大好きなんだと、実感したとき)
響(私は、幸せを感じるんだ)
響(だから、守る、それだけの理由…)
響(だけど、私にとって、とても大きな理由…)
21:
◆VgLY1HQ3xE 2015/07/26(日) 02:12:59.69
ID:4xWmtH4Ro
響(願わくば、君も、同じことを想ってくれていると、嬉しい)
響(…だから、司令官)
響(守らせてください…)
響(これからも、君の事を…)
22:
◆VgLY1HQ3xE 2015/07/26(日) 02:14:17.00
ID:4xWmtH4Ro
___守らせてください
23:
◆VgLY1HQ3xE 2015/07/26(日) 02:14:52.01
ID:4xWmtH4Ro
終わり。
じゃあの
27:
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/26(日) 08:28:42.58 ID:1Di1pT3KO
乙
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